JP4217026B2 - 光学素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学素子に係り、さらに詳しくは、2つの入射光束に対応した光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置では、光ディスクなどの情報記録媒体が用いられ、そのスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射することにより情報の記録を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディスク装置には、情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射して光スポットを形成するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として、光ピックアップ装置を備えている。
【0003】
通常、光ピックアップ装置は、対物レンズを含み、光源から出射される光束を情報記録媒体の記録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された受光素子などを備えている。この受光素子からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御などに必要な情報(サーボ制御情報)を含む信号が出力される。
【0004】
近年、情報記録媒体として、記録容量がCD(Compact Disc)よりも飛躍的に大きなDVD(Digital Versatile Disc)が一般化されてきた。CDに対して記録及び再生を行なうには、波長が780nmのレーザ光が用いられ、DVDに対して記録及び再生を行なうには、波長が650nmのレーザ光が用いられるため、従来は、CD用の光ディスク装置とDVD用の光ディスク装置とがそれぞれ独立して、パーソナルコンピュータなどの情報機器の周辺機器として用いられていた。
【0005】
その後、上記情報機器の小型軽量化に伴い、CDとDVDの両方をアクセスできる光ディスク装置の必要性が高まってきた。この場合、DVDとCDの両方に対応するために、光ピックアップ装置は、光源として、波長が650nmのレーザ光を出射する半導体レーザ(以下、「DVD光源」ともいう)と波長が780nmのレーザ光を出射する半導体レーザ(以下、「CD光源」ともいう)とが必要であり、さらにそれぞれのレーザ光を検出するための光学系が必要である。しかしながら、650nm用の光学系と780nm用の光学系とをそれぞれ個別に配置すると、光ピックアップ装置が大型化してしまうという不都合があった。以下では、2つの異なる波長の光源を備えた光ピックアップ装置を「2波長光ピックアップ装置」ともいう。
【0006】
そこで、例えば、特許第3026279号公報には、互いに波長が異なるレーザ光を出力する2つのレーザ素子が一体に集積されたLDモジュールを備え、かつ各波長の戻り光束に対して受光素子を共用化した記録再生装置用レーザモジュールが開示されている。このレーザモジュールを用いた光ピックアップ装置では、光学系の共用化及び光学部品点数の削減が可能となり、部品組み付けの簡易化、低コスト化及び小型化が促進された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、光源として用いられる半導体レーザから出射される光束(以下、「出射光束」ともいう)は、一例として図17に示されるように、半導体レーザLDの活性層(ヘテロ接合面)ALに対して垂直な方向を長軸方向とする楕円形の強度分布を持つ発散光である。そして、出射光束のうちで対物レンズに取り込まれ、情報記録媒体の記録面に集光される光束(以下、「取込光束」ともいう)の割合は、出射光束の中心での光強度に対する取込光束における最低の光強度の比で示され、RIMと呼ばれている。例えばRIM=50%の場合の取込光束の一例が図18に示されている。そして、出射光束の光量に対する記録面での光量、すなわち光利用効率は、一例として図19に示されるように、RIMとほぼ反比例の関係にある。すなわち、RIMが高くなるように設計すれば光利用効率が低下し、光利用効率が高くなるように設計すればRIMが低くなる。
【0008】
通常、CD光源からの出射光束に対するRIMは、DVD光源からの出射光束に対するRIMに比べて低く設計されている。これは、DVDでは記録密度が高いために光スポットのスポット径を正確に制御する必要があり、一方、CDでは光利用効率を高めることが重要視されるためである。
【0009】
しかしながら、上記特許第3026279号公報のレーザモジュールを用いた光ピックアップ装置では、CD光源からの出射光束に対するRIMとDVD光源からの出射光束に対するRIMとがほぼ等しくなるために、例えば光学系をDVDに対して最適化すると、CDにおける光利用効率が低下し、アクセス速度の高速化に対応するのが困難であるという不都合があった。一方、光学系をCDに対して最適化すると、DVDにおける光スポットのスポット径を正確に制御することが困難であるという不都合があった。
【0010】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その目的は、2つの入射光束の光強度分布をそれぞれ精度良く変更することができる光学素子を提供することにある。
【0033】
本発明は、波長λ1の第1の入射光束の最大強度出射方向を含む第1の面における前記第1の入射光束の発散角を変更する負メニスカスシリンダレンズである第1のレンズ部と、前記λ1よりも長い波長λ2の第2の入射光束の最大強度出射方向を含み前記第1の面に直交する第2の面における前記第2の入射光束の発散角を変更する正メニスカスシリンダレンズである第2のレンズ部とが共通の基板上に形成された光学素子である。
【0034】
これによれば、例えば2つの光源が互いに近接して配置された光源ユニットに本発明の光学素子が用いられる場合に、第1のレンズ部と第2のレンズ部との位置関係に対応して各光源とを配置することにより、一方の光源から出射された光束の発散角を第1のレンズ部で変更し、他方の光源から出射された光束の発散角を第2のレンズ部で変更することができる。そして、第1のレンズ部と第2のレンズ部とがいわゆる一体化されているために、組み込み工程及び調整工程を簡略化しても、各光源から出射される光束の発散角をそれぞれ精度良く変更することが可能となる。
【0037】
上記光学素子において、前記第1のレンズ部と前記第2のレンズ部とは一体成形により形成されていることとすることができる。かかる場合には、例えば溶融状態の透明なプラスチック素材を所定の成形用型(例えば金型)に射出する射出成形法などを用いることにより、製造コストを下げることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図16に基づいて説明する。
【0045】
図1には、本発明に係る光ピックアップ装置を備える一実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0046】
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0047】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク(情報記録媒体)15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。なお、この光ピックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0048】
図1に戻り、前記再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号である電流信号を電圧信号に変換し、該電圧信号に基づいてウォブル信号、再生信号及びサーボ信号(フォーカスエラー信号、トラックエラー信号)などを検出する。そして、再生信号処理回路28では、ウォブル信号からアドレス情報及び同期信号等を抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。さらに、再生信号処理回路28では、再生信号に対して誤り訂正処理等を行なった後、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、サーボ信号は再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。
【0049】
前記サーボコントローラ33では、サーボ信号に基づいて光ピックアップ装置23を制御する制御信号を生成し、モータドライバ27に出力する。
【0050】
前記バッファマネージャ37では、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定の値になると、CPU40に通知する。
【0051】
前記モータドライバ27では、サーボコントローラ33からの制御信号及びCPU40の指示に基づいて、光ピックアップ装置23及びスピンドルモータ22を制御する。
【0052】
前記エンコーダ25では、CPU40の指示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されているデータをバッファマネージャ37を介して取り出し、エラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込みデータを作成する。そして、エンコーダ25では、CPU40からの指示に基づいて、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して、書き込みデータをレーザコントロール回路24に出力する。
【0053】
前記レーザコントロール回路24では、エンコーダ25からの書き込みデータに基づいて、光ピックアップ装置23からのレーザ光出力を制御する。なお、レーザコントロール回路24では、CPU40の指示に基づいて後述する光ピックアップ装置23の2つの光源の一方を制御対象とする。
【0054】
前記インターフェース38は、ホスト(例えば、パーソナルコンピュータ)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)及びSCSI(Small Computer System Interface)等の標準インターフェースに準拠している。
【0055】
前記ROM39には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。
【0056】
CPU40は、ROM39に格納されている上記プログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存する。
【0057】
次に、前記光ピックアップ装置23の構成等について図2及び図3に基づいて説明する。
【0058】
光ピックアップ装置23は、図2に示されるように、波長が650nmのレーザ光及び波長が780nmのレーザ光をそれぞれ択一的に出射するとともに、光ディスク15の記録面からの戻り光束を受光する光源ユニットパッケージとしての受発光モジュールLM、カップリングレンズ52、λ/4板62、対物レンズ60及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ)(いずれも図示省略)などを備えている。
【0059】
受発光モジュールLMは、一例として図3に示されるように、波長が650nmのレーザ光を出射する第1の半導体レーザ53、波長が780nmのレーザ光を出射する第2の半導体レーザ54、第1の半導体レーザ53から出射される光束の発散角を変更する第1の光学素子55、及び第2の半導体レーザ54から出射される光束の発散角を変更する第2の光学素子56などを備える光源ユニットとしての発光部ELと、光ディスク15の記録面からの反射光を分岐する分岐光学素子としての偏光ホログラム61及び偏光ホログラム61で分岐された光束を受光する光検出器としての受光素子59などを備える受光部RLとを含んで構成されている。第1の半導体レーザ53は光ディスク15がDVDの場合に選択され、第2の半導体レーザ54は光ディスク15がCDの場合に選択される。
【0060】
本実施形態では、第1の半導体レーザ53及び第2の半導体レーザ54は、一例として図4に示されるように、その活性層AL1、AL2がXZ面に平行となるように配置されているものとする。従って、各半導体レーザから出射される光束は、Y軸方向を長軸方向とする楕円形の強度分布を持つ発散光である。すなわち、第1の半導体レーザ53から出射される光束は、一例として図5(A)及び図5(B)に示されるように、YZ面内での発散角θ1YとXZ面内での発散角θ1Zとは同一ではなく、θ1Y>θ1Zの関係にある。同様に、第2の半導体レーザ54から出射される光束も、YZ面内での発散角(θ2Yとする)とXZ面内での発散角(θ2Zとする)とは同一ではなく、θ2Y>θ2Zの関係にある。
【0061】
本実施形態では、一例として、第1の半導体レーザ53から出射される光束に対しては、RIMが約30%(光利用効率=約45%)となるように第1の光学素子55を用いて発散角を変更し、第2の半導体レーザ54から出される光束に対しては、RIMが約15%(光利用効率=約50%)となるように第2の光学素子56を用いて発散角を変更するものとする。
【0062】
なお、図6(A)に示されるように、第1の光学素子55がない場合に、第1の半導体レーザ53から出射される光束のうち、対物レンズ60に取り込まれる光束Bdvdは、Y軸方向に関してはほぼRIM=30%であるが、X軸方向に関してはRIM<30%であるものとする。また、図6(B)に示されるように、第2の光学素子56がない場合に、第2の半導体レーザ54から出射される光束のうち、対物レンズ60に取り込まれる光束Bcdは、X軸方向に関してはほぼRIM=15%であるが、Y軸方向に関してはRIM>15%であるものとする。
【0063】
そこで、第1の半導体レーザ53から出射される光束のXZ面内における発散角θ1Zを(θ1Y/θ1Z)倍(>1)にして発散角を変更するために、図7に示されるように、第1の光学素子55としてシリンドリカルレンズ(第1のシリンドリカルレンズ)を用いた。以下では、このシリンドリカルレンズを第1のシリンドリカルレンズ55aと表記する。第1のシリンドリカルレンズ55aは、その円柱軸の方向がY軸方向と一致するように、第1の半導体レーザ53から出射される光束の光路上に配置されている。これにより、図8(A)に示されるように、第1のシリンドリカルレンズ55aを透過した光束の発散角は、第1の半導体レーザ53から出射される光束のXZ面内における発散角θ1Zよりも大きくなり、YZ面内における発散角θ1Yとほぼ等しくなる。そして、対物レンズ60に取り込まれる光束は、X軸方向に関してもほぼRIM=30%となる。
【0064】
また、第2の半導体レーザ54から出射される光束のYZ面内における発散角θ2Yを(θ2Z/θ2Y)倍(<1)にして発散角を変更するために、図7に示されるように、第2の光学素子56としてシリンドリカルレンズ(第2のシリンドリカルレンズ)を用いた。以下では、このシリンドリカルレンズを第2のシリンドリカルレンズ56aと表記する。第2のシリンドリカルレンズ56aは、その円柱軸の方向がX軸方向と一致するように、第2の半導体レーザ54から出射される光束の光路上に配置されている。これにより、図8(B)に示されるように、第2のシリンドリカルレンズ56aを透過した光束の発散角は、第2の半導体レーザ54から出射される光束のYZ面内における発散角θ2Yよりも小さくなり、XZ面内における発散角θ2Zとほぼ等しくなる。そして、対物レンズ60に取り込まれる光束は、Y軸方向に関してもほぼRIM=15%となる。
【0065】
偏光ホログラム61は、各半導体レーザから出射される光束の偏光方向(例えばP偏光)に対しては回折効率が低く、戻り光束の偏光方向(例えばS偏光)に対しては回折効率が高くなるように設定されている。そのため、偏光ホログラム61では、例えば各半導体レーザから出射された光束の約95%が透過され、戻り光束の約35%が回折される。
【0066】
受光器59は、ウォブル信号、再生信号及びサーボ信号などを検出するのに最適な信号を出力する複数の受光素子を含んでいる。
【0067】
上記のように構成される光ピックアップ装置23の作用を説明する。先ず、光ディスク15がDVDの場合について説明する。
【0068】
第1の半導体レーザ53から出射された直線偏光(例えばP偏光)の光束は、第1のシリンドリカルレンズ55aにてXZ面における発散角が拡大され偏光ホログラム61に入射する。偏光ホログラム61に入射した光束の殆どは偏光ホログラム61を透過し、カップリングレンズ52で略平行光となった後、λ/4板62で円偏光とされ、対物レンズ60を介して光ディスク15の記録面に微小スポットとして集光される。
【0069】
光ディスク15の記録面で反射した反射光(戻り光束)は、往路とは反対回りの円偏光となり、対物レンズ60で再び略平行光とされ、λ/4板62で往路と直交した直線偏光(例えばS偏光)とされる。そして、コリメートレンズ52を透過した後、偏光ホログラム61に入射する。偏光ホログラム61に入射した戻り光束は回折され、受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子では受光量に応じた電流信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0070】
次に、光ディスク15がCDの場合について説明する。第2の半導体レーザ54から出射された直線偏光(例えばP偏光)の光束は、第2のシリンドリカルレンズ56aにてYZ面における発散角が縮小され偏光ホログラム61に入射する。偏光ホログラム61に入射した光束の殆どは偏光ホログラム61を透過し、カップリングレンズ52で略平行光となった後、λ/4板62で円偏光とされ、対物レンズ60を介して光ディスク15の記録面に微小スポットとして集光される。
【0071】
光ディスク15の記録面で反射した反射光(戻り光束)は、往路とは反対回りの円偏光となり、対物レンズ60で再び略平行光とされ、λ/4板62で往路と直交した直線偏光(例えばS偏光)とされる。そして、コリメートレンズ52を透過した後、偏光ホログラム61に入射する。偏光ホログラム61に入射した戻り光束は回折され、受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子では受光量に応じた電流信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0072】
また、光ディスク15がCDであるかDVDであるかは、その記録面からの反射光の強度から判別することができる。通常、この判別は光ディスク15が光ディスク装置20の所定位置に挿入されたとき、すなわちローディング時に行われる。また、光ディスク15に予め記録されているTOC(Table Of Contents)情報、PMA(Program Memory Area)情報及びウォブル信号などに基づいて光ディスク15の種類を判別することも可能である。そして、その判別結果はレーザコントロール回路24に通知され、レーザコントロール回路24によって、第1の半導体レーザ53及び第2の半導体レーザ54のいずれか一方が選択される。
【0073】
次に、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15にデータを記録する場合の処理動作について簡単に説明する。なお、半導体レーザの選択は上述の如くして、すでに行われているものとする。
【0074】
CPU40は、ホストから記録要求を受信すると、記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホストから記録要求を受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、再生信号処理回路28では、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてアドレス情報を取得し、CPU40に通知する。
【0075】
さらに、再生信号処理回路28では、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいて、トラックエラー信号及びフォーカスエラー信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。サーボコントローラ33では、再生信号処理回路28からのトラックエラー信号及びフォーカスエラー信号に基づいて、モータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータ及びフォーカシングアクチュエータを駆動する。すなわち、トラックずれ及びフォーカスずれを補正する。
【0076】
CPU40は、ホストからのデータをバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に蓄積する。バッファRAM34に蓄積されたデータ量が所定の値を超えると、バッファマネージャ37は、CPU40に通知する。
【0077】
CPU40は、バッファマネージャ37からの通知を受け取ると、エンコーダ25に書き込みデータの作成を指示するとともに、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づいて、指定された書き込み開始地点に光ピックアップ23が位置するように光ピックアップ23のシーク動作を指示する信号をモータドライバ27に出力する。
【0078】
CPU40は、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づいて、光ピックアップ装置23の位置が書き込み開始地点であると判断すると、エンコーダ25に通知する。そして、エンコーダ25では、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して、書き込みデータを光ディスク15に記録する。
【0079】
次に、前述した光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に記録されているデータを再生する場合の処理動作について簡単に説明する。なお、半導体レーザの選択は上述の如くして、すでに行われているものとする。
【0080】
CPU40は、ホストから再生要求を受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホストから再生要求を受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、再生信号処理回路28では、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてアドレス情報を取得し、CPU40に通知する。
【0081】
さらに、前述した記録の場合と同様にして、トラックずれ及びフォーカスずれが補正される。
【0082】
CPU40は、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づいて、指定された読み込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシーク動作を指示する信号をモータドライバ27に出力する。
【0083】
CPU40は、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づいて、読み込み開始地点であるか否かをチェックし、光ピックアップ装置23の位置が読み込み開始地点であると判断すると、再生信号処理回路28に通知する。そして、再生信号処理回路28では、光ピックアップ装置23の出力信号から再生信号を検出し、誤り訂正処理等を行った後、バッファRAM34に蓄積する。
【0084】
バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積されたデータがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
【0085】
なお、記録処理及び再生処理が終了するまで、再生信号処理回路28は、上述した如く、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてフォーカスエラー信号及びトラックエラー信号を検出し、サーボコントローラ33及びモータドライバ27を介してフォーカスずれ及びトラックずれを随時補正する。
【0086】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置では、再生信号処理回路28とCPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、処理装置が実現されている。
【0087】
しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0088】
以上説明したように、本実施形態に係る光源ユニットによると、第1のシリンドリカルレンズ55aによって、第1の半導体レーザ53から出射される光束のXZ面内における発散角θ1Zを(θ1Y/θ1Z)倍(>1)に変更している。そこで、例えば、本実施形態に係る光源ユニットがDVDとCDの両方に対応可能な光ピックアップ装置に用いられると、第1の半導体レーザ53から出射される光束のうち、対物レンズ60に取り込まれる光束は、X軸方向に関してもほぼRIM=30%となる。従って、DVDに最適な光スポットを記録面に形成することが可能となる。
【0089】
また、本実施形態に係る光源ユニットによると、第2のシリンドリカルレンズ56aによって、第2の半導体レーザ54から出射される光束のYZ面内における発散角θ2Yを(θ2Z/θ2Y)倍(<1)に変更している。そこで、例えば、本実施形態に係る光源ユニットがDVDとCDの両方に対応可能な光ピックアップ装置に用いられると、第2の半導体レーザ54から出射される光束のうち、対物レンズ60に取り込まれる光束は、Y軸方向に関してもほぼRIM=15%となる。従って、第2の半導体レーザ54から出射される光束の大部分が対物レンズ60に取り込まれることとなり、光利用効率を向上させることが可能となる。すなわち、CDに最適な光スポットを記録面に形成することが可能となり、アクセス速度の高速化に対応することができる。
【0090】
さらに、本実施形態に係る光源ユニットによると、半導体レーザ53、54及び光学素子55、56は、同一筐体内に収納され、一体化されている。そこで、例えば、本実施形態に係る光源ユニットが光ピックアップ装置に用いられると、光ピックアップ装置の小型化を促進することができる。また、各半導体レーザ及び各光学素子は、それぞれ一体化の際に精度良く位置決めされているために、組み付け工程及び調整工程を簡素化することができる。すなわち、作業コストを低減させ、低コスト化を促進することが可能となる。
【0091】
また、本実施形態に係る光源ユニットパッケージによると、受光器59及び偏光ホログラム61は、発光部ELと一体化されている。そこで、例えば、本実施形態に係る光源ユニットパッケージが光ピックアップ装置に用いられると、光ピックアップ装置の小型化を促進することができる。また、受光器59及び偏光ホログラム61は、一体化の際に精度良く位置決めされているために、組み付け工程及び調整工程を簡素化することができる。すなわち、作業コストを低減させ、低コスト化を促進することが可能となる。
【0092】
また、本実施形態に係る光源ユニットパッケージによると、分岐光学素子として、各半導体レーザから出射される光束の偏光方向に対しては回折効率が低く、戻り光束の偏光方向に対しては回折効率が高くなるように設定された偏光ホログラム61が用いられている。そこで、例えば、本実施形態に係る光源ユニットパッケージが光ピックアップ装置に用られると、各半導体レーザから出射される光束は、その光量がほとんど低下することなくカップリングレンズ52に入射されることとなる。従って、光ディスク15への高速アクセスが可能となる。また、受光器59での受光量が増加するために、受光器59を構成する各受光素子から出力される信号の信号レベル及びS/N比を向上させることができる。
【0093】
また、本実施形態に係る光ピックアップ装置によると、カップリングレンズ52に入射される光束は、その波長に最適な光強度分布を有しているために、対物レンズ60に取り込まれる光束は、その波長に最適なRIMを確保することができる。従って、その結果として大型化及び高コスト化を招くことなく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報記録媒体に最適な光スポットを記録面に形成することができる。
【0094】
また、本実施形態に係る光ディスク装置によると、DVD及びCDいずれに対しても、それぞれに最適な光スポットを記録面に形成することができるため、DVD及びCDいずれにも対応可能で、正確な情報の記録及び再生を安定して行うことが可能となる。さらに、光ピックアップ装置23の小型化によって、光ディスク装置自体の小型化及び消費電力の低減も促進することができ、例えば、携帯用として用いられる場合には、持ち運びが容易となり、さらに長時間の使用が可能となる。
【0095】
なお、上記実施形態では、各光学素子が個別に配置された場合について説明したが、これに限らず、各光学素子が一体化されていても良い。例えば図9に示されるように、第1のシリンドリカルレンズ55aと同等の光学的機能を有する第1のレンズ部63aと、第2のシリンドリカルレンズ56aと同等の光学的機能を有する第2のレンズ部63bとを備えた光学素子63を用いても良い。すなわち、この光学素子63は、第1のシリンドリカルレンズ55aと第2のシリンドリカルレンズ56aとを一体化したものとみなすことができる。第1の半導体レーザ53に対して第1のレンズ部63aの位置合わせを行うときは、光学素子63をX軸方向に移動させるが、この時、第2のレンズ部63bが同時にX軸方向に移動しても、第2の半導体レーザ54から出射される光束に対する第2のレンズ部63bの光学的作用に変化はない。また、第2の半導体レーザ54に対して第2のレンズ部63bの位置合わせを行うときは、光学素子63をY軸方向に移動させるが、この時、第1のレンズ部63aが同時にY軸方向に移動しても、第1の半導体レーザ53から出射される光束に対する第1のレンズ部63aの光学的作用に変化はない。これは、第1のレンズ部63a及び第2のレンズ部63bでの半導体レーザに対する位置合わせの方向が互いに直交しているため、各レンズ部は、互いに干渉することなく、各半導体レーザに対して最適な位置に配置することができる。従って、組み付け工程および調整工程を簡素化することが可能となる。すなわち、作業コストが低減され、低コスト化を促進することができる。
【0096】
また、半導体レーザ及び光学素子に、それらの位置合わせ用のマークを付加しても良い。それによって、組み付け工程および調整工程を簡素化することが可能となる。上記実施形態では、第1のシリンドリカルレンズ55aは、第1の半導体レーザ53に対してX軸方向に位置調整を行うために、一例として図10に示されるように、第1の半導体レーザ53の活性層に直交する方向(Y軸方向)に延びる直線状のマークを第1の半導体レーザ53側と第1のシリンドリカルレンズ55a側に付加すると良い。そして、組み付け工程では、第1の半導体レーザ53側のマークAM1と第1のシリンドリカルレンズ55a側のマークAM2とを一致させることで、第1の半導体レーザ53と第1のシリンドリカルレンズ55aとの位置を正確に合わせることができる。一方、第2のシリンドリカルレンズ56aは、第2の半導体レーザ54に対してY軸方向に位置調整を行うために、一例として図10に示されるように、第2の半導体レーザ54の活性層に平行な方向(X軸方向)に延びるマークを第2のシリンドリカルレンズ56a側に付加すると良い。そして、組み付け工程では、第2の半導体レーザ54の活性層と第2のシリンドリカルレンズ56a側のマークAM3とを一致させることで、第2の半導体レーザ54と第2のシリンドリカルレンズ56aとの位置を正確に合わせることができる。半導体レーザにおける活性層の厚みは通常0.2μm程度であるため、活性層を位置合わせ用のマークとして利用することができる。なお、位置合わせ用のマークは直線状のマークに限定されるものではない。また、位置合わせ用のマークを付加する位置についても図10に示される位置に限定されるものではない。さらに、位置合わせ用のマークによって光学素子の表裏を識別することが可能となる。
【0097】
また、各半導体レーザを組み付ける際の位置ずれ(実装ずれ)や、各半導体レーザにおける活性層のずれがあると、各半導体レーザから出射される光束の出射方向が一致しない場合がある。各半導体レーザから出射される光束の出射方向がずれていると、カップリングレンズを共用化しているため、いずれかの半導体レーザから出射される光束は、対物レンズの光軸に対して光軸ずれを引き起こす。例えば、上記実施形態において、図11(A)に示されるように、第1の半導体レーザ53から出射される光束の出射方向がXZ面内においてZ軸方向と一致していない場合に、図11(B)に示されるように、第1のシリンドリカルレンズ55aのX軸方向に関する位置をずらすことにより、第1のシリンドリカルレンズ55aを透過した光束の出射方向をZ軸方向とほぼ一致させることができる。これにより、対物レンズ60の光軸に対する光軸ずれを低減することが可能となる。
【0098】
ここで、光学素子55、56の配置位置について考察する。第1の半導体レーザ53の発光点(以下、「第1発光点」ともいう)と第2の半導体レーザ54の発光点(以下、「第2発光点」ともいう)とがX軸方向に関して近接しているために、一例として図12(A)に示されるように、第1の半導体レーザ53から出射される光束が通過する領域と第2の半導体レーザ54から出射される光束が通過する領域とが重なる領域(以下、「干渉領域」ともいう)KAが各半導体レーザの発光点の近くに存在する。そこで、例えば図12(B)に示されるように、第1の光学素子55が干渉領域KAを含む位置に配置されると、第2の半導体レーザ54から出射された光束の外周部が第1の光学素子55を通過することとなり、光利用効率の低下、収差の悪化、迷光の発生といった不都合が生じる場合がある。すなわち、各光学素子は、対応する半導体レーザ以外の半導体レーザから出射される光束が通過しないようにするために、それぞれ干渉領域KAよりも、対応する半導体レーザ側に配置するのが望ましい。
【0099】
そこで、図13に示されるように、第1発光点と第2発光点とのX軸方向に関する距離(以下、「発光点間隔」ともいう)をx、第1の半導体レーザ53から出射される光束のXZ面内での発散角をθ1、第2の半導体レーザ54から出射される光束のXZ面内での発散角をθ2、第1の光学素子55と第2の光学素子56とのX軸方向に関する間隔(各光学素子における非有効領域を含む)をεとすると、発光点と光学素子の出射面とのZ軸方向に関する距離の最大値Lは、次の(1)式で示される。
【0100】
L=(x−ε)/{tan(θ1/2)+tan(θ2/2)}……(1)
【0101】
また、各光学素子のZ軸方向に関する厚さをdとすると、発光点と光学素子の出射面とのZ軸方向に関する距離の最小値はdとなる。従って、発光点と光学素子の出射面とのZ軸方向に関する距離(zとする)は、次の(2)式で示される範囲内の値となるようにすれば良い。
【0102】
d≦z≦L ……(2)
【0103】
ところで、例えば発散角を2倍にするような光学素子を考えると、その曲率半径とzの関係は、一例として図14に示されるように、距離zが大きいほど光学素子の曲率半径が大きくなる。一般的に、曲率半径が大きくなると、レンズの加工が容易になり製造コストを下げることができる。また組み付け工程での許容誤差が大きくなり、組み付け後の信頼性が向上するとともに、調整工程を簡略化することが可能となり、作業コストを下げることができる。そこで、第1の光学素子55及び第2の光学素子56としては、d≦z≦Lを満たす範囲内で最大の曲率半径を有する光学素子を用いるのが望ましい。
【0104】
また、光源ユニットパッケージを小型化するために、受光器を半導体レーザに近接した位置に配置する傾向にあるが、戻り光束の光量が低下しないように考慮する必要がある。特に、半導体レーザの発光点の前面に光学素子が配置されている場合には、光学素子の有効領域だけでなくコバなどの非有効領域に対しても戻り光束が通過しないようにする必要がある。これは非有効領域でも光の透過率は100%ではないので、戻り光束が非有効領域を通過しても受光器での受光量が低下するためである。そこで、上記実施形態において、一例として図15に示されるように、偏光ホログラム61で回折された戻り光束の一部が第1の光学素子55の非有効領域を通過する場合には、第1の光学素子55の非有効領域に切り込みや穴をあけるなどして、戻り光束が第1の光学素子55を通過しないようにすると良い。これによって、受光器59での受光量を低下させることなく光源ユニットパッケージを小型化することができる。
【0105】
なお、上記実施形態では、各半導体レーザから出射される光束の発散角を変更するための光学素子としてシリンドリカルレンズを用いた場合について説明したが、これに限らず、例えば球面レンズ、非球面レンズ、非球面シリンドリカルレンズ、非球面シリンドリカルレンズなどを用いても良い。
【0106】
また、上記実施形態では、1面のシリンドリカルレンズを用いているために、発散角を変えると同時に、非点収差が発生する。これは、シリンドリカルレンズの円柱軸方向についてはパワーが0(焦点距離∞)であるのに対して、円柱軸と直交する方向については焦点を持つためである。従って、非点収差が問題となる場合には、例えば平−アナモルフィックレンズ、平−トロイダルレンズ、正(負)メニスカスレンズ、アナモルフィック−アナモルフィックレンズ、トロイダル−トロイダルレンズ、及びトロイダル−アナモルフィックレンズなどのように、発散角を変更すると同時に、非点収差を補正する光学素子を用いれば良い。
【0107】
例えば、メニスカスレンズを用いる場合には、一例として図16に示すように、第1の半導体レーザ53から出射される光束に対しては負メニスカスレンズ55bを用い、第2の半導体レーザ54から出射される光束に対しては正メニスカスレンズ56bを用いることで、それぞれ発散角を変更するとともに、非点収差の発生を補正することが可能となる。
【0108】
なお、上記実施形態では、第1の光学素子55がない場合に、第1の半導体レーザ53から出射される光束のうち、対物レンズ60に取り込まれる光束におけるY軸方向のRIMが約30%の場合について説明したが、これに限らず、例えばY軸方向のRIMが30%より小さくても良い。但し、その場合には、Y軸方向及びX軸方向に関してほぼRIM=30%となるように、第1のシリンドリカルレンズ55aの代わりに、第1の半導体レーザ53から出射される光束のYZ面における発散角θ1Y及びXZ面における発散角θ1Zの両方を大きくする作用を有する光学素子が用いられることとなる。
【0109】
同様に、上記実施形態では、第2の光学素子56がない場合に、第2の半導体レーザ54から出射される光束のうち、対物レンズ60に取り込まれる光束におけるX軸方向のRIMが約15%の場合について説明したが、これに限らず、例えばX軸方向のRIMが15%より大きくても良い。但し、その場合には、Y軸方向及びX軸方向に関してほぼRIM=15%となるように、第2のシリンドリカルレンズ56aの代わりに、第2の半導体レーザ54から出射される光束のYZ面における発散角θ2Y及びXZ面における発散角θ2Zの両方を大きくする作用を有する光学素子が用いられることとなる。
【0110】
なお、上記実施形態では、第1の半導体レーザ53から出射される光束の発散角を大きくする第1のシリンドリカルレンズ55aと第2の半導体レーザ54から出射される光束の発散角を小さくする第2のシリンドリカルレンズ56aとが用いられる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば第1の半導体レーザ53から出射される光束に最適なカップリングレンズが用いられる場合には、第1のシリンドリカルレンズ55aは不要である。なお、この場合には、第2の半導体レーザ54から出射される光束に対しては、その発散角の変更量が大きくなるために、第2のシリンドリカルレンズ56aとは異なる光学素子が用いられることとなる。また、例えば第2の半導体レーザ54から出射される光束に最適なカップリングレンズが用いられる場合には、第2のシリンドリカルレンズ56aは不要である。なお、この場合には、第1の半導体レーザ53から出射される光束に対しては、その発散角の変更量が大きくなるために、第1のシリンドリカルレンズ55aとは異なる光学素子が用いられることとなる。
【0111】
なお、上記実施形態では、光源から出射される光束の波長が2種類の場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0112】
なお、上記実施形態では、戻り光束を受光器59の受光面方向に分岐するための分岐光学素子として偏光ホログラム61が用いられる場合について説明したが、これに限らず、例えば無偏光ホログラム、ビームスプリッター、偏光ビームスプリッターなどを用いても良い。この場合に、分岐光学素子が偏光性を有しないときはλ/4板62は不要である。
【0113】
なお、上記実施形態では、発光部ELと受光部RLとが一体化した場合について説明したが、これに限らず、発光部ELと受光部RLとがそれぞれ個別に配置されていても良い。
【0114】
なお、上記実施形態では、光源から出射される光束の形状が楕円形の強度分布を持つ発散光である場合について説明したが、これに限らず、光源から出射される光束の形状がほぼ円形の強度分布を持つ発散光であっても良い。
【0115】
なお、上記実施形態では、光ディスク15がDVDの場合には、目標とするRIMが30%、光ディスク15がCDの場合には、目標とするRIMが15%の場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0116】
なお、上記実施形態では、受発光モジュールLMと偏光ホログラム61とが一体化した場合について説明したが、これに限らず、一体化していなくても良い。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光源ユニットによれば、複数の光源から出射される光束の光強度分布をともに最適化することができるという効果がある。
【0118】
また、本発明に係る光源ユニットパッケージによれば、大型化及び高コスト化を招くことなく、光強度分布が最適化された光束を出射するとともに、外部からの光束を安定して受光することができるという効果がある。
【0119】
また、本発明に係る光学素子によれば、2つの入射光束の光強度分布をそれぞれ精度良く変更することができるという効果がある。
【0120】
また、本発明に係る光ピックアップ装置によれば、大型化及び高コスト化を招くことなく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報記録媒体に最適な光スポットを形成することができるという効果がある。
【0121】
また、本発明に係る光ディスク装置によれば、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、高速度でのアクセスを安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の光ピックアップ装置における光学系の概略構成を示す図である。
【図3】図2の受発光モジュールの詳細構成を説明するための図である。
【図4】各半導体レーザから出射される光束の形状を説明するための図である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、それぞれ第1の半導体レーザから出射される光束の発散角を説明するための図である。
【図6】図6(A)は、発散角を変更しない場合に、第1の半導体レーザから出射される光束のうち対物レンズに取り込まれる光束のRIMを説明するための図であり、図6(B)は、発散角を変更しない場合に、第2の半導体レーザから出射される光束のうち対物レンズに取り込まれる光束のRIMを説明するための図である。
【図7】光学素子としてシリンドリカルレンズを用いた例を説明するための図である。
【図8】図8(A)は、第1の半導体レーザから出射される光束の発散角をシリンドリカルレンズを用いて大きくする例を説明するための図であり、図8(B)は、第2の半導体レーザから出射される光束の発散角をシリンドリカルレンズを用いて小さくする例を説明するための図である。
【図9】各シリンドリカルレンズが一体化された例を説明するための図である。
【図10】半導体レーザ及びシリンドリカルレンズに位置合わせ用のマークを付加した例を説明するための図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、それぞれ光束の最大強度出射方向を光学素子で変更する例を説明するための図である。
【図12】図12(A)及び図12(B)は、それぞれ第1の半導体レーザから出射された光束と第2の半導体レーザから出射された光束とが重なる領域を説明するための図である。
【図13】光学素子の最適な配置位置を説明するための図である。
【図14】発散角を2倍にする場合における、光学素子の曲率半径とz(発光点と光学素子の出射面との距離)との関係を説明するための図である。
【図15】戻り光束が光学素子の一部を通過する例を説明するための図である。
【図16】光学素子としてメニスカスレンズを用いた例を説明するための図である。
【図17】半導体レーザから出射される光束の強度分布と活性層との位置関係を説明するための図である。
【図18】半導体レーザから出射される光束におけるRIM=50%を説明するための図である。
【図19】半導体レーザから出射される光束の光利用効率とRIMとの関係を説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク、20…光ディスク装置、23…光ピックアップ装置、40…CPU、LM…受発光モジュール、53…第1の半導体レーザ、54…第2の半導体レーザ、55…第1の光学素子、55a…第1のシリンドリカルレンズ、56…第2の光学素子、56a…第2のシリンドリカルレンズ、59…受光器、60…対物レンズ、61…偏光ホログラム、55b…負のメニスカスレンズ、56b…正のメニスカスレンズ。
Claims (2)
- 波長λ1の第1の入射光束の最大強度出射方向を含む第1の面における前記第1の入射光束の発散角を変更する負メニスカスシリンダレンズである第1のレンズ部と、前記λ1よりも長い波長λ2の第2の入射光束の最大強度出射方向を含み前記第1の面に直交する第2の面における前記第2の入射光束の発散角を変更する正メニスカスシリンダレンズである第2のレンズ部とが共通の基板上に形成された光学素子。
- 前記第1のレンズ部と前記第2のレンズ部とは一体成形により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
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