JP2005346879A - 光ピックアップ装置および光ディスクドライブ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 CD、DVDに加えてさらに高密度記録再生が可能な波長を有する光源の3波長光源を互換性を持たせて省スペースに装備させることが可能な構成を備えた光ピックアップ装置および光ディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】 第1の光源10、第2の光源20、および第3の光源30を有し、第2の光源20からの光ビームを反射または透過し、第3の光源30からの光ビームを透過または反射させることにより第2の光源20および第3の光源30からの光ビームを同一光路に合成する第1の光合成手段21と、第1の光源10からの光ビームを透過し、第1の光ビーム合成手段21からの光ビームを反射させることで第1の光ビーム合成手段21からの光ビームを略同一光路に合成する第2の光ビーム合成手段13とを備え、第1の光源10からの光ビーム出射方向を光ピックアップ203のシーク外周方向と略同一方向とし、第1の光ビーム合成手段21からの光ビームの光軸と第2の光ビーム合成手段123らの光ビームの光軸とのなす角度を90°以下に設定したことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光ピックアップ装置および光ディスクドライブ装置に関し、さらに詳しくは、互いに異なる波長を有する複数の光源、特に、2光源以上を対象とした光ピックアップ装置および光ディスクドライブ装置に関する。
光記録情報媒体であるCD(Compact Disc)や、これに対して記憶容量において6倍の高密度記録が可能なDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクを対象とした光ディスクドライブ装置においては、半導体レーザなどの光源から出射された光ビームを対物レンズにより光ディスク記録面に収束させ、記録面からの反射光を光検出部において検出することにより光ディスク記録面上の情報を再生する方式が知られている。
CDとDVDとでは記録密度の違いに応じて記録面上に収束される光ビームのスポット径が異なる。
光スポット径は使用する光ビームの波長と対物レンズの開口数(NA)とで決まり(光スポット径=定数×光ビームの波長/対物レンズの開口数)、CDよりも高密度記録が行われるDVDを対象とした場合には、波長の短い光ビームを用いるかあるいは開口数の大きい対物レンズを用いることになる。例えば、CDを対象とした場合には、対物レンズの開口数(NA)0.5、波長785nmであるのに対し、DVDを対象とした場合には、対物レンズの開口数(NA)0.65、波長660nmに設定することがある。
一方、このような光学的特性に対して、さらに高密度記録再生が可能なように、Blu−rayと呼ばれる、対物レンズの開口数(NA)0.85、波長405nmという光学特性を持つ光ディスクシステムやあるいはAODと呼ばれる、対物レンズ開口数(NA)0.65、波長405nmという光学特性を持つ光ディスクシステムが提案されている。
このように、異なる記録密度を有する光ディスクである、CD、DVDは、ディスク基盤の厚さが異なるために、光源毎で記録面に収束させる光ビームの光路が設定されることになるが、この構成では光学系が小型化できない虞があるので、複数の光源を持つ光学ヘッドを共通化することが提案されている(例えば、特許文献1)。
またこれとは別に、第1,第2の光源およびこれら光源からの光ビームを同一光路に合成する光ビーム合成手段を備え、第1の光源が第1の光ビームの光軸と光ビーム合成手段からの光ビームの光軸とのなす角度が90°未満となるように配置されて第1,第2の光源を第2の光ディスクを駆動する駆動装置野かどぶに搭載するときに90°で配置した場合に比べて互いに寄せた配置として装置の小型化を図る構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2001−43559号公報(段落「0005」欄) 特許第3396608号公報(段落「0016」欄)
上記特許文献に開示されているように、複数種類の光ディスクに要求される光学特性を有する光学系の構成を共通化したりあるいはレイアウトを設定することにより近年多用されているノートパソコンなどのような設置スペースの小さい機種への対応が可能となる反面、次のような問題がある。
前述したような波長の異なる光源を用いる場合、特に、CDを対象とした光源、DVDを対象とした光源そしてさらに高密度記録再生を対象としたBlu−rayと称される光源を用いる光ピックアップにおいては、前記3つの光源からので射光をコリメートレンズにより平行光あるいは発散光に変換し、単一のレンズが用いられる対物レンズによって光ディスクの情報記録面に収束させるようになている。
しかし、各光源を対象とする光ディスクの厚さが異なる場合、例えば、DVD、Blue−rayの各光源を用いる光ディスクよりもCDの光源を用いる光ディスクの厚さが厚い場合には前者の光源から対物レンズまでの光路長に対して後者の光源から対物レンズ入射面までの光路長が前者の光源を対象とする対物レンズに合わせた開口制限を設けてスポット性能および光利用効率を確保する必要から、光路長が短くなり、対物レンズの近傍にCDを対象とする光源を配置することになる。このため、複数種類、特に3波長の光源を用いた場合に設置スペースにおいて互換性を持たせる用にレイアウトすることが難しく、3波長の光源を対象とした小型の設置スペース確保が得にくくなることで、3波長互換ノートパソコン用としての光ピックアップ装置を備えた光ディスクドライブ装置を容易に得ることができない。
従来、2波長の光源を対象として互換性を持たせたノートパソコン用の光ピックアップ装置は前記特許文献にもあるように提案されているが、3波長互換性を持たせたものがないのが現状である。
本発明の目的は、上記従来の光ピックアップ装置およびこれを用いる光ディスクドライブ装置における問題に鑑み、CD、DVDに加えてさらに高密度記録再生が可能な波長を有する光源の3波長光源を互換性を持たせて省スペースに装備させることが可能な構成を備えた光ピックアップ装置および光ディスクドライブ装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、第1の光源、第2の光源、および第3の光源を有し、第2の光源からの光ビームを反射または透過し、第3の光源からの光ビームを透過または反射させることにより前記第2の光源および第3の光源からの光ビームを同一光路に合成する第1の光合成手段と、前記第1の光源からの光ビームを透過し、前記第1の光ビーム合成手段からの光ビームを反射させることで前記第1の光ビーム合成手段からの光ビームを略同一光路に合成する第2の光ビーム合成手段とを備え、前記第1の光源からの光ビーム出射方向を光ピックアップのシーク外周方向と略同一方向とし、前記第1の光ビーム合成手段からの光ビームの光軸と前記第2の光ビーム合成手段からの光ビームの光軸とのなす角度を90°以下に設定したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップ装置において、前記第2の光ビーム合成手段と対物レンズとの間の光路中に2群以上のレンズで構成されたカップリングレンズを設け、少なくともそのうちの1群のレンズ群が光軸方向へ移動可能な手段を有し、前記第1の光ビーム合成手段からの光ビーム出射方向が光ピックアップのシーク外周方向と略同一方向に設定され、前記第1の光ビーム合成手段からの光ビームの光軸と前記第2の光ビーム合成手段からの光ビームの光軸とのなす角度が90°以下に設定されていることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の光ピックアップ装置において、前記カップリングレンズは、第1の光ビーム合成手段と第2の光ビーム合成手段とを挟む2群レンズ系で構成され、かつ、そのうちの少なくとも1群のレンズ群が光軸方向に移動可能な手段を備えていることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の光ピックアップ装置において、前記第1の光ビーム合成手段は、前記第1,第2および第3の光源からの光ビームが発散する光路中に設けられていることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の光ピックアップ装置において、前記各光源およびそれぞれの光源から前記光ディスクに照射されて反射する光の受光素子は同一パッケージ内に設けられていることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、第1,第2の波長を有する光源として同一パッケージ内に搭載されたレーザと、第3の波長を有する光源と、前記第3の光源からの光ビームを反射し、前記同一パッケージ内に位置する第1,第2の光源からの光ビームを透過させることで前記第3の光源と前記第1,第2の光源からの光ビームを同一光路に合成する第3の光ビーム合成手段とを備え、前記第3の光ビーム合成手段と前記第1,第2の光源との間の光路中に位置する2群以上のレンズ群で構成されたカップリングレンズとを備え、前記カップリングレンズは少なくともレンズ群のうちで1群のレンズ群を光軸方向に移動可能とするための手段を有し、前記第3の光源からの光ビームの出射方向が光ピックアップのシーク外周方向と略同一方向とされ、前記第3の光ビーム合成手段から出謝される光ビームの光軸と第1,第2の光源から出射される光ビームの光軸とのなす角度が90°以下に設定されていることを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の光ピックアップ装置において、前記第3の光ビーム合成手段は、平行光路中に設けられていることを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のうちの一つに記載の光ピックアップ装置において、前記第1の光源の波長範囲が700〜900nm、前記第2の光源の波長範囲が600〜700nm、前記第3の光源の波長範囲が350〜500nmにそれぞれ設定されたレーザで構成されていることを特徴としている。
請求項9記載の発明は、第2,第3の2波長を有する光源が同一パッケージ内に搭載されたレーザと、第1の光源を有し、該第1の光源からの光ビームを反射し、前記同一パッケージに搭載されている第2,第3の光源からの光ビームを透過させることで前記第1〜第3の光源からの光ビームを略同一光路に合成する第4の光ビーム合成手段と、前記第2,第3の光源からの光路中に位置する2群以上のレンズ群で構成されたカップリングレンズとを備え、前記カップリングレンズは、少なくとも前記レンズ群のうちで1群のレンズ群を光軸方向に移動可能とするための手段を備え、前記第1の光源からの光ビームの出射方向が光ピックアップのシーク外周方向と略同一方向とされ、前記第3の光ビーム合成手段から出射される光ビームの光軸と第2,第3の光源から出射される光ビームの光軸とのなす角度が90°以下に設定されていることを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項1乃至4および請求項6乃至8のうちの一つに記載の光ピックアップ装置において、前記第1乃至第3の光ビーム合成手段は、各波長の光源に応じて、選択的に透過もしくは反射させる波長選択膜を備えていることを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項1乃至10のうちの一つに記載の光ピックアップ装置を光ディスクドライブ装置に用いることを特徴としている。
請求項1,2,6および8,9,11記載の発明によれば、3波長の光源を対象とした場合に、光ビーム合成手段により各光源からの光ビームの出射方向をシーク外周方向と略同一方向に設定することができるとともに、各光源からの光ビームの光軸を90°以下に設定していることにより3波長の光源を少ないスペース内に納めることができる。しかも、カップリングレンズが対物レンズに向けた光ビームの光路方向に移動できるようになっているので、光ディスクの厚さ誤差に起因する球面収差を矯正して正確な高密度の記録再生を可能にすることができる。
請求項3記載の発明によれば、第1,第2の光ビーム合成手段を挟んで2群のレンズ群によりカップリングレンズが用いられ、少なくも1群のレンズ群が光軸方向に移動可能であるので、第1,第2の光ビーム合成手段に対応する光源からの光路に配置されているカップリングレンズの焦点距離を長くしてその間にビーム整形のための部材等の設置スペースを確保することができる。これにより、整形部材と対応する位置の光源から出射されるリム強度を上げることが可能となり、光ディスクに照射する光量を多くすることが可能となり、高速記録が可能となる。
請求項4記載の発明によれば、第1、第2の光ビーム合成手段13,21が各光源からの光ビームが発散する光路中に設けられていることにより、各光ビームの発散光をその光路中に配置されている光合成手段を介して収束光学系に対し確実に導くことが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、各光源及びそれぞれの光源に対する各々の検出用受光素子は同一のパッケージ内に設けられたホログラムLDであるので、検出用戻り光はホログラムにより検出用受光素子に入射し、サーボ信号とデータ信号とを検出することができる。特に、CD,DVD,Blue−Ray用の各光学系をホログラムLDと置き換えることで、各検出系が小型され、光ピックアップを小型化に構成できる。
請求項7記載の発明によれば、対物レンズ205に入射する光束が3波長とも平行となるので、対物レンズ205の移動距離を大きく設定することが可能となる、これにより、対物レンズ205に入射する光束の光軸と対物レンズ205の光軸とのずれが大きくなった場合でも、平行光束を対象とすることで検出系でのトラックエラー信号のオフセットを小さくすることができる。この結果、発散光で対物レンズに入射させる場合と違って、トラッキング方向で対物レンズの移動量を大きくしてシーク系の制御精度を緩和できることになるので、安価なシーク駆動系、つまり駆動制御の緩い装置を用いることが可能となる。
請求項10記載の発明によれば、光ビーム合成手段が各波長に応じて選択的に透過もしくは反射できる構成であるので、光の利用効率を向上させて光ディスク面に集光するビームスポットのレーザパワーを高めることができるので、高速の記録再生が可能となる。
以下、図に示す実施例により本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明実施例による光ピックアップ装置が用いられる光ディスクドライブ装置を装備した光情報記録再生装置を示す図である。
ここで、光情報記録再生装置に装備される光ディスクドライブ装置に関して説明すると、光ディスクドライブ装置には、光ピックアップおよびこれに関連する部材を収納している光情報記録再生装置本体から光ディスクを搭載した状態で保持可能なトレイ部のみが外部に取り出される方式と、光ピックアップおよびこれに関連する部材が収納されている光ディスクドライブ装置本体毎、外部に取り出される方式とがある。
上述した各方式を用いる光情報記録再生装置には、概ね、次の構成部材が装備されている。
光ピックアップ、光ピックアップのアクチュエータ、アクチュエータを支持しかつ、光源である半導体レーザー等の光学部品が組み込まれているピックアップハウジング部、ピックアップハウジングをシークモータなどにより光ディスクの内周あるいは外周に向けて移動させるシークモータ等の駆動源およびピックアップハウジングを光ディスクの内周あるいは外周に向けてガイドするガイドレールなどを有した光ピックアップの移送手段、光ディスクの回転駆動を行うスピンドルモータ等である。
前者の方式には、これら各構成部材の他に、光ディスクを搭載した状態で保持可能なトレイおよびトレイを摺動させるためのローディング機構が設けられ、後者の方式にはトレイおよびローディング機構がなく、各構成部材が外部に引き出し可能なシャーシに相当するドロワーに設けられている。
図1には、後者の方式として挙げたドロワーが外部に引き出し可能な構成を対象とした光情報記録再生装置が示されている。
図1において、光情報記録再生装置200の外装ケース201には、ガイドレール201Aにより外部に引き出す方向に摺動案内されるドロワ202が設けられており、ドロワ202の底板にはピックアップモジュール203が設けられている。
ピックアップモジュール203には、光ディスクDを回転駆動するスピンドルモータ204、対物レンズ205を備えたピックアップアクチュエータ206,を装備して光ディスクDの半径方向に並置されたガイド軸207によって摺動可能なピックアップハウジング208およびピックアップハウジング208を光ディスクの内周および外周に向けて摺動させる駆動部材としてのシークモータ209が設けられている。
シークモータ209からの駆動力はシークモータの出力軸に設けられているネジ部に噛み合うティース208Aを介してピックアップハウジング208に伝えられることによりピックアップハウジング208が往復動することができる。
ドロワ202の一部には、図示しないが、外装ケース201側に設けられているロック解除機構に係脱可能なドロワ爪部材が設けられており、ドロワ爪部材は、ロック解除機構に有する、例えばソレノイド等の駆動部材によって作動されるイジェクトロックレバーに対して係脱できるようになっている。
図1は、ドロワ202が外装ケース201内に引き込まれた状態を示し、図2は、ドロワ202が外装ケース201から外部に引き出された状態をそれぞれ示している。
図3は、請求項1,2および8,11記載の発明に係る実施例を説明するための図であり、同図には光ピックアップ装置を構成するピックアップモジュール203の構成が示されている。
図3において光ピックアップモジュール203は、第1の光源10,第2の光源20,第3の光源30をそれぞれ備えている。
第1の光源10は波長が略730nmのレーザを用いたCD用光源であり、第2の光源20は波長が略650nmのレーザを用いたDVD用光源であり、さらに第3の光源30は波長が略405nmの高密度記録が可能なBlue−Ray用光源である。
CDを対象とする第1の光源10は、これから出射される光ビームの方向が光ピックアップモジュール203のシーク外周方向と略同一方向となる位置に配置されている。
第1の光源10からの光ビームは、上述したように光ピックアップモジュール203のシーク外周方向と略同一方向に出射され、この方向に配置されている補助カップリングレンズ11により発散角が狭くされて反射ミラー12により光ディスク(図1において符号Dで示す部材)のタンジェンシャル方向に反射されると、第2の光ビーム合成手段に相当するビームスプリッタ13を透過し、2層メディアに対応するための収差補正用CLエキスパンダ14により最適な発散角で立ち上げミラー15を介して光ディスクと垂直な方向に偏向された後、対物レンズ(便宜上、図1において示した符号205を用いる)によって光ディスクの情報記録面に集光される。これにより、CD波長のディジタル情報の記録または再生が行われる。
次に、第2の光源に相当するDVD光源20から出射された光ビームは、第1の光ビーム合成手段に相当するビームスプリッタ21により反射され、第2の光ビーム合成手段であるビームスプリッタ13に入射し、前記CD光源の光軸と略一致する。
次に第3の光源に相当するBlue光源30からの光ビームは、前記ビームスプリッタ21を透過し、第2の光ビーム合成手段であるビームスプリッタ13により反射し、前記CD光源の光軸と略一致する。
なお、それぞれの対物レンズの収束光は、CDを対象とする光ビームが1.2mmの基板厚さの光ディスクに、そしてDVDおよびBlue−Rayを対象とする光ビームが0.6mmの基板厚の光ディスクにおける記録情報面にそれぞれ集光する。対物レンズ205は、Blue−Rayを対象としている。
対物レンズ205と第2の光ビーム合成手段13との間には、2群以上のレンズで構成されたカップリングレンズが用いられて少なくともそのうちの1群のレンズ群が光軸方向へ移動可能な手段を有したエキスパンダー機能を有するCLエキスパンダー14が設けられており、これら両部材間、つまり、CLエキスパンダー14と対物レンズ205との間には、図示しない波長開口制限素子が設けられることにより、各光源から出射された光ビームのスポット径がDVDではNA0.65相当、CDではNA0.5相当、BlueではNA0.65相当の開口径に制限されて対物レンズ6に入射する。
前記CLエキスパンダー14は2群以上のレンズで構成されたカップリングレンズが用いられ、少なくともそのうちの1群のレンズ群が光軸方向へ移動可能であり、移動のための手段としては、図示しないリードスクリューおよびこれの駆動モータが用いられ、回転方向に応じてレンズ群が移動される。
CLエキスパンダー5を用いる理由および効果について説明すると次の通りである。
DVDでは記録面2層の規格があり、各層で基板厚が変わるために球面収差が発生する。この球面収差は、ROMなどのデータリード時にはあまり問題にならないが、記録再生用の光ディスクなどのデータライト時には隣接マークを消去してしまうなど記録特性に顕著な劣化を与える。従って、CLエキスパンダー14を各層に対応して、装備されているカップリングレンズを光軸方向に移動させることにより、対物レンズ205に入射する光束の発散度合いを変えて、この球面収差を補正することにより記録再生時ともに特性を向上させることが可能となる。
また、CDやDVDではあまり問題にならないが、波長の短いBlue−Ray用光ディスクでは、ディスク基板厚の製造誤差により盤面スポットに球面収差が発生して、記録再生性能を劣化させる場合がある。
このような場合には、基板厚誤差に対応してCLエキスパンダー14のレンズを光軸方向に移動させることにより、対物レンズに入射する光束の発散度合いを変えて、この球面収差を補正することができる。
レンズの移動量は、例えばデータの再生信号(以下RF信号と記載)の振幅が最大になるように調整すれば良い。さらにBlue−Ray用光源の波長では、周囲温度や出力パワーの変化にともなって、光源の波長が変動して盤面スポットに色収差が発生して、記録再生性能を劣化させる場合がある。
このような場合においても波長変動に対応してCLエキスパンダー14のレンズを光軸方向に移動させることにより、対物レンズ205に入射する光束の発散度合いを変えて、この色収差を補正することができる。レンズの移動量は、例えばRF信号の振幅が最大になるように調整すれば良い。
一方、CD用となる第1の光源10からの光ビーム出射方向は光ピックアップのシーク外周方向と略同一方向とされ、補助カップリングレンズ11の位置は、CLエキスパンダー14でのレンズの位置調整により対物レンズ205とCD用の第1の光源10との間の光路長を長くとることにより、光ディスクを回転駆動するスピンドルモータ(図1において符号204で示す部材)の近傍に位置させることができる。また第2の光ビーム合成手段であるビームスプリッタ13からの光ビームの光軸と前記第1の光ビーム合成手段であるビームスプリッタ21からの光ビーム光軸とのなす角は90度以下に設定されている。
これにより、標準的なノート用光ピックアップの許容する外形寸法内にCD,DVD、Blueの異なる3光源を配置することが可能となる。
一般的にノート用光ディスクドライブにおいて、ピックアップモジュール203は、図1に示したように光情報記録再生装置200の角部側の方向(略45度方向)へシーク駆動される。これは、前記光ディスクドライブ装置の小型化を図るためである。
従って、図3に示すように光ピックアップの右側は略45度で装置の角部と干渉しない光学素子をレイアウト可能な許容スペースを確保することが可能である。
このようなスペースを有効に活用するためとして、図3に示すとおり、DVD用ホログラムLD(便宜上、符号10Aで示す)とBlue−Ray用ホログラムLD(便宜上、符号30Aで示す)との位置関係を上述した角度範囲に設定することで、第2,第3の光源20,30からの光ビームを合成する第1の光ビーム合成手段21から出射する光ビームの光軸と第2の光ビーム合成手段13から出射される光ビームの光軸とのなす角度を90°以下、この場合には45°に設定している。これにより、2波長の光源を対象とするだけでなく3波長の光源を対象として少ないスペース、特に、ノートパソコンなどの極小スペースでの3波長の光源の設置が可能となる。
次に請求項3記載の発明に掛かる実施例について説明する。
図4は、本実施例による光ピックアップ装置におけるピックアップモジュール(便宜上、図3において用いた符号203で示す)の要部を示す図であり、同図において、CLエキスパンダに用いられるカップリングレンズは、図3に示した場合と違って、第1の光ビーム合成手段であるビームスプリッタ21と第2の光ビーム合成手段であるビームスプリッタ13とを挟んだ位置にそれぞれ設けられている2群レンズ系で構成されている。
2群レンズ系のうちの少なくとも1群のレンズ、図4では、第1の光ビーム合成手段21側に位置するカップリングレンズ(便宜上符号14Aで示す)は、光軸方向に移動可能に設けられており、移動のための手段としては、図3において説明した場合と同様な構成が用いられる。
本実施例においては、Blue−Ray用である第3の光源30を対象としたCLエキスパンダーでの焦点距離をカップリングレンズ14Aの移動により長くすることが可能となり、Blue−Ray用の第3の光源30とCLエキスパンダーとの間にビーム整形レンズ31を配置できるスペースが確保できる。このようビーム整形レンズ22を配置できることにより、Blue−Ray用の第3の光源30から出射されるリム強度を上げることが可能となり、光ディスクに照射する光量を多くすることが可能となり、高速記録が可能となる。
次に請求項4記載の発明に係る実施例について説明する。
本実施例は、図3および図4に示すように、第1、第2の光ビーム合成手段13,21が各光源からの光ビームが発散する光路中に設けられていることを特徴としている。本実施例においては、この構成により、各光ビームの発散光をその光路中に配置されている光合成手段を介して収束光学系に対し確実に導くことが可能となる。
次に請求項5記載の発明に係る実施例について説明する。
図5は、図4に示した構成を対象として請求項5記載の発明に係る実施例の要部構成を示す図である。
本実施例は、第1乃至第3の光源10,20,30がこれに対する検出用受光素子と同一パッケージ内に設けられたホログラム半導体レーザ(LD)で構成されていることを特徴としている。
図5において、この理由を説明すると次の通りである。
図5において第3の光源30は、本実施例に至る理由を説明するために光源30と検出用受光素子(便宜上、符号32で示す)とが分離された構成で示されており、このように光源と検出系とを分離構成とした場合には、ノートパソコン内部に光ピックアップドライブ装置が装備されるための標準的な許容外形寸法内に光学系を配置することが困難となることがある。なお、図5において符号33は、光源30からの光ビームを透過させ、光ディスクからの光ビームを反射させて検出用受光素子32に導くビームスプリッタを示している。
本実施例では、各光源及びそれぞれの光源に対する各々の検出用受光素子は同一のパッケージ内に設けられたホログラムLDであるので、検出用戻り光はホログラムにより検出用受光素子に入射し、サーボ信号とデータ信号とを検出することができる。
本実施例においては、CD,DVD,Blue−Ray用の各光学系をホログラムLDと置き換えることで、各検出系が小型され、光ピックアップを小型化に構成できる。
次に請求項6記載の発明に係る実施例について説明する。
本実施例は、CD、DVD用の光源である第1,第2の光源10,20と検出用受光素子とが同一パッケージ内に搭載されたDVD/CDホログラムLDとBlue−Ray用の第3の光源30とを備えた構成において、第1,第2の光源10,20からの光ビームを透過させ、第3光源30からの光ビームを反射して同一光路に合成する第3の光ビーム合成手段を設けるとともに、第1,第2の光源10,20から出射される光ビームの光路中に2群以上のカップリングレンズで構成されたCLエキスパンダを配置したことを特徴としている。
図6は、本実施例の要部を説明するための図であり、同図において第1,第2の光源10,20と検出用受光素子(図示されず)は、同一パッケージに搭載されたDVD/CDホログラムLD(便宜上、符号100で示す)により構成されており、第3の光源30は検出受光素子と同一パッケージに搭載されたBlue−RayホログラムLD(便宜上、符号101で示す)で構成されている。
本実施例の構成では、DVD/CDホログラムLD100と、Blue−RayホログラムLD101とに加えて、各ホログラムLDから出射された光ビームを同一光路に合成する第3の光ビーム合成手段40と、第3の光ビーム合成手段40およびDVD/CDホログラムLD100の光路中に配置された2群以上のカップリングレンズで構成されたCLエキスパンダ41とを備えている。
第3の光源30からの光ビームの出射方向はシーク外周方向と略同一方向に設定され、CLエキスパンダ41を構成する2群以上のカップリングレンズのうちの少なくとも1群のレンズ群は、図4に示した場合と同様に、第1,第2の光源10,20から出射される光ビームの光路方向に移動可能とされている。
第3の光ビーム合成手段40から出射される光ビームの光軸とDVD/CDホログラムLD100から出射される光ビームの光軸とのなす角度は90°以下に設定されている。
本実施例においては、このような構成とすることにより、第1〜第3の3波長を持つ複数光源を対象としてこれら各光源からの光ビームを合成できるので、複数光源、特に3波長の光源を纏めて設置することができるようになるとともに、DVD/CDホログラムLD100から出射される光ビームの光路中にCLエキスパンダ41を配置することで、図3,4に示した実施例の場合と同様に、球面収差を低減させて記録品質を向上させることが可能となる。
次に請求項7記載の発明に係る実施例について説明する。
本実施例は第3の光ビーム合成手段40を各光源からの平行光路中に配置したことを特徴としている。
本実施例においては、この構成により、対物レンズ205に入射する光束が3波長とも平行となるので、対物レンズ205の移動距離を大きく設定することが可能となる、これにより、対物レンズ205に入射する光束の光軸と対物レンズ205の光軸とのずれが大きくなった場合でも、平行光束を対象とすることで検出系でのトラックエラー信号のオフセットを小さくすることができる。このため、発散光で対物レンズ205に入射させる場合と違って、トラッキング方向で対物レンズ205の移動量を大きくしてシーク系の制御精度を緩和できることになるので、安価なシーク駆動系、つまり駆動制御の緩い装置を用いることが可能となる。
次に請求項9記載の発明に係る実施例について説明する。
本実施例は、図6に示した構成において同一パッケージに搭載されている部材としてのDVD/CDホログラムLD100におけるCD用の第1の光源をBlue−Ray用の第3の光源と置き換えて、図6におけるBlue−rayホログラムLD101をCDホログラムLDとして構成したことを特徴としている。 本実施例においては、CDホログラムLDからの光ビームを発散系とし、DVD/BlueホログラムLDからの光ビームを平行光束系とすることができるので、対物レンズ205の設計を容易化することができ、対物レンズの性能向上が図れることになり、結果として、信頼性の高い記録再生が可能となる。
次に請求項10記載の発明に係る実施例について説明する。
本実施例は、図3乃至図6に示した光ビーム合成手段として用いられるビームスプリッタにおいて各波長の光源に応じて選択的に透過もしくは反射させることができる波長選択膜を設けたことを特徴としている。
本実施例においては第1の光ビームの波長に対して透過率が高く、第2の光ビームの波長に対して反射率が高くなるダイクロイックミラーが用いられている。この構成により、光の利用効率を向上させて光ディスク面に集光するビームスポットのレーザパワーを高めることができるので、高速の記録再生が可能となる。
本発明実施例による光ピックアップ装置が用いられる光ディスクドライブ装置が装備されている光情報記録再生装置に関する構成の一例を示す模式図である。 図1に示した光情報記録再生装置の一態様を示す図である。 請求項1,2,8,11記載の発明の実施例を説明するための図である。 請求項3および4記載の発明に係る実施例を説明するための図である。 請求項5記載の発明に係る実施例を説明するための図である。 請求項6,7および9記載の発明に係る実施例を説明するための図である。
符号の説明
10 第1の光源
13 第2の光ビーム合成手段
14,41 CLエキスパンダ
14A カップリングレンズ
20 第2の光源
21 第1の光ビーム合成手段
30 第3の光源
100 同一パッケージに搭載されたDVD/CDホログラムLD
200 光情報記録再生装置
203 ピックアップモジュール

Claims (11)

  1. 第1の光源、第2の光源、および第3の光源を有し、第2の光源からの光ビームを反射または透過し、第3の光源からの光ビームを透過または反射させることにより前記第2の光源および第3の光源からの光ビームを同一光路に合成する第1の光合成手段と、
    前記第1の光源からの光ビームを透過し、前記第1の光ビーム合成手段からの光ビームを反射させることで前記第1の光ビーム合成手段からの光ビームを略同一光路に合成する第2の光ビーム合成手段とを備え、
    前記第1の光源からの光ビーム出射方向を光ピックアップのシーク外周方向と略同一方向とし、前記第1の光ビーム合成手段からの光ビームの光軸と前記第2の光ビーム合成手段からの光ビームの光軸とのなす角度を90°以下に設定したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 請求項1記載の光ピックアップ装置において、
    前記第2の光ビーム合成手段と対物レンズとの間の光路中に2群以上のレンズで構成されたカップリングレンズを設け、少なくともそのうちの1群のレンズ群が光軸方向へ移動可能な手段を有し、前記第1の光ビーム合成手段からの光ビーム出射方向が光ピックアップのシーク外周方向と略同一方向に設定され、前記第1の光ビーム合成手段からの光ビームの光軸と前記第2の光ビーム合成手段からの光ビームの光軸とのなす角度が90°以下に設定されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 請求項2記載の光ピックアップ装置において、
    前記カップリングレンズは、第1の光ビーム合成手段と第2の光ビーム合成手段とを挟む2群レンズ系で構成され、かつ、そのうちの少なくとも1群のレンズ群が光軸方向に移動可能な手段を備えていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  4. 請求項1または2記載の光ピックアップ装置において、
    前記第1の光ビーム合成手段は、前記第1,第2および第3の光源からの光ビームが発散する光路中に設けられていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 請求項1乃至4のうちの一つに記載の光ピックアップ装置において、
    前記各光源およびそれぞれの光源から前記光ディスクに照射されて反射する光の受光素子は同一パッケージ内に設けられていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 第1,第2の波長を有する光源として同一パッケージ内に搭載されたレーザと、
    第3の波長を有する光源と、
    前記第3の光源からの光ビームを反射し、前記同一パッケージ内に位置する第1,第2の光源からの光ビームを透過させることで前記第3の光源と前記第1,第2の光源からの光ビームを同一光路に合成する第3の光ビーム合成手段と、
    前記第3の光ビーム合成手段と前記第1,第2の光源との間の光路中に位置する2群以上のレンズ群で構成されたカップリングレンズとを備え、
    前記カップリングレンズのうちで少なくともレンズ群のうちで1群のレンズ群を光軸方向に移動可能とするための手段を有し、前記第3の光源からの光ビームの出射方向が光ピックアップのシーク外周方向と略同一方向とされ、前記第3の光ビーム合成手段から出謝される光ビームの光軸と第1,第2の光源から出射される光ビームの光軸とのなす角度が90°以下に設定されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 請求項6記載の光ピックアップ装置において、
    前記第3の光ビーム合成手段は、平行光路中に設けられていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  8. 請求項1乃至7のうちの一つに記載の光ピックアップ装置において、
    前記第1の光源の波長範囲が700〜900nm、前記第2の光源の波長範囲が600〜700nm、前記第3の光源の波長範囲が350〜500nmにそれぞれ設定されたレーザで構成されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  9. 第2,第3の2波長を有する光源が同一パッケージ内に搭載されたレーザと、
    第1の光源を有し、該第1の光源からの光ビームを反射し、前記同一パッケージに搭載されている第2,第3の光源からの光ビームを透過させることで前記第1〜第3の光源からの光ビームを略同一光路に合成する第4の光ビーム合成手段と、
    前記第2,第3の光源からの光路中に位置する2群以上のレンズ群で構成されたカップリングレンズとを備え、
    前記カップリングレンズは、少なくとも前記レンズ群のうちで1群のレンズ群を光軸方向に移動可能とするための手段を備え、前記第1の光源からの光ビームの出射方向が光ピックアップのシーク外周方向と略同一方向とされ、前記第3の光ビーム合成手段から出射される光ビームの光軸と第2,第3の光源から出射される光ビームの光軸とのなす角度が90°以下に設定されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  10. 請求項1乃至4および請求項6乃至9のうちの一つに記載の光ピックアップ装置において、
    前記第1乃至第3の光ビーム合成手段は、各波長の光源に応じて、選択的に透過もしくは反射させる波長選択膜を備えていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  11. 請求項1乃至10のうちの一つに記載の光ピックアップ装置を用いることを特徴とする光ディスクドライブ装置。
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