JP2003317300A - 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

光ピックアップ装置及び光ディスク装置

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JP2003317300A
JP2003317300A JP2002119981A JP2002119981A JP2003317300A JP 2003317300 A JP2003317300 A JP 2003317300A JP 2002119981 A JP2002119981 A JP 2002119981A JP 2002119981 A JP2002119981 A JP 2002119981A JP 2003317300 A JP2003317300 A JP 2003317300A
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substrate
optical pickup
pickup device
grating
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JP2002119981A
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English (en)
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Shigeru Ouchida
茂 大内田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型化及び高コスト化を招くことなく、光検
出器から出力される信号の精度及び安定性を向上させる
ことができる光ピックアップ装置を提供する。 【解決手段】 偏光ホログラム50を構成する基板71
は、例えば、板厚を大きくするなどして、その曲げ剛性
が格子の形成時に複屈折膜81に生じる熱応力に応じた
値以上となるように設定されているために、偏光ホログ
ラムでは従来よりも高い平坦度を得ることができる。こ
れにより光検出器から出力される各種信号の精度及び安
定性を向上させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ピックアップ装置
及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、スパイラ
ル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体
の記録面に光を照射し、その記録面からの反射光を受光
する光ピックアップ装置及び該光ピックアップ装置を備
えた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置では、光ディスクなどの
情報記録媒体が用いられ、そのスパイラル状又は同心円
状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射する
ことにより情報の記録を行い、記録面からの反射光に基
づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディス
ク装置には、情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射し
て光スポットを形成するとともに、記録面からの反射光
を受光するための装置として、光ピックアップ装置を備
えている。
【0003】通常、光ピックアップ装置は、対物レンズ
を含み、光源から出射される光束を情報記録媒体の記録
面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定
の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された
受光素子などを備えている。この受光素子からは、記録
面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピ
ックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御などに必
要な情報を含む信号が出力される。
【0004】近年、パーソナルコンピュータ(パソコ
ン)に代表される情報機器の小型化、軽量化及び低価格
化が進み、特にモバイル型のパソコンが急速に普及しつ
つある。そして、それに伴って、パソコンの周辺機器の
一つである光ディスク装置の小型化、軽量化及び低価格
化への要求が高まっている。そこで、これらの要求に応
える1つの手段として、光ディスク装置の構成要素の1
つである光ピックアップ装置の小型化及び低コスト化が
注目されるようになった。
【0005】光ピックアップ装置の小型化及び低コスト
化を図るため、記録面で反射された戻り光束を往路と復
路の共通光路から分岐して受光位置に導くための光学素
子の1つとしてホログラムが用いられるようになった。
【0006】例えば、シャープ技報、第42号(198
9年)の頁45〜52に記載されている「3ビーム法を
用いたCD用ホログラムピックアップ」(以下「第1の
公知例」という)には、基板の表面にエッチング処理に
より溝を形成したホログラムと、複数の光学部品とを集
積化した光ピックアップ装置が開示されている。これに
より、光ピックアップ装置の小型化が図られた。
【0007】しかしながら、上記第1の公知例では、光
源から出射される光束もホログラムでホログラム作用を
受けるため、記録面で集光される光束の光量(照射光
量)が低下する。光ピックアップ装置が再生専用として
用いられる場合には、1mW程度の照射光量があれば良
いので問題ないが、記録用として用いられる場合には、
10〜20mWの照射光量を必要とするため、特に記録
速度が大きい場合には対応が困難であるという不都合が
あった。また、書き換え可能な光ディスクでは反射率が
低いため、照射光量が少ないと受光素子で受光される戻
り光束の光量が不足し、受光素子からの出力信号におけ
る信号レベル及びS/N比が低いという不都合もあっ
た。すなわち、光利用効率が低かった。
【0008】これらの不都合を改善すべく、例えば、特
許第2594548号公報(以下「第2の公知例」とい
う)には、入射光束の偏光方向に応じて回折効率が異な
る偏光ホログラム(第2の公知例では「偏光ビームスプ
リッタ」として記載されている)が開示されている。こ
の偏光ホログラムは、複屈折性を有する複屈折媒体に形
成された凹凸状の格子の少なくとも凹部を複屈折媒体の
常光に対する屈折率(常光屈折率)又は異常光に対する
屈折率(異常光屈折率)とほぼ等しい屈折率を有する物
質で充填したものである。そして、光源から出射される
光束に対しては回折効率が低くなり、戻り光束に対して
は回折効率が高くなるように複屈折媒体及び充填物の屈
折率を最適化することにより、光利用効率を向上させる
ことが可能となった。
【0009】また、例えば、特公平06−030166
公報(以下「第3の公知例」という)には、第2の公知
例に開示されている偏光ホログラムと同等の偏光ホログ
ラム(第3の公知例では「格子レンズ」として記載され
ている)を用いた光ヘッド装置が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】記録面からの戻り光束
を受光素子の受光面方向に分岐する分岐光学素子として
ホログラムを用いた光ピックアップ装置では、ホログラ
ムでの戻り光束の回折角が大きいと、光源、受光素子及
びホログラムをそれぞれ近接して配置することができ、
光ピックアップ装置の小型化に有利となる。一般的に、
ホログラムなどの回折光学素子では格子のピッチが小さ
いほど回折角が大きいという関係があり、例えば、上記
第1の公知例に開示されているホログラム(無偏光ホロ
グラム)では格子のピッチは約1.5μmである。
【0011】しかしながら、上記第2の公知例及び第3
の公知例に開示されている偏光ホログラムの複屈折媒体
にはカルサイト(calcite:方解石)が用いられてお
り、ピッチが約3μm以下の格子を精度良く形成するこ
とは困難であるという不都合があった。
【0012】そこで、本願出願人は、微細加工に適した
新規な複屈折媒体の素材として有機延伸膜を用いた偏光
ホログラムに関する発明を先に提案した(特開2000
−075130号公報参照)。この有機延伸膜は、素材
自体が安価であり、面積の大きなものを容易に得ること
ができるとともに、ピッチが3μm以下で深さが2〜6
μm程度の微細加工を容易に行うことが可能である。し
かしながら、偏光ホログラムの生産性を向上させるため
に、微細加工時の有機延伸膜の面積を大きくすると、格
子を形成するためのエッチング処理やベーキング処理の
際に、有機延伸膜に生じる熱応力に起因して偏光ホログ
ラムに反りなどの変形が発生し、受光素子からの出力信
号に悪影響を及ぼす場合があることが最近になって判明
した。
【0013】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、大型化及び高コスト化を招くこ
となく、光検出器から出力される信号の精度及び安定性
を向上させることができる光ピックアップ装置を提供す
ることにある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、大型化及び
高コスト化を招くことなく、情報記録媒体へのアクセス
を精度良く安定して行うことができる光ディスク装置を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、情報記録媒体のスパイラル状又は同心円状のトラッ
クが形成された記録面に光を照射し、前記記録面からの
反射光を受光する光ピックアップ装置であって、光源
と;前記光源から出射される光束を前記記録面に集光す
る対物レンズと、前記記録面で反射された戻り光束の光
路上に配置され、その回折効率が入射光束の偏光方向に
依存し、表面に周期的な凹凸が格子として形成された複
屈折性を有する複屈折膜及び該複屈折膜と貼り合わされ
ている第1の基板を含み、前記第1の基板の曲げ剛性
が、前記格子の形成時に前記複屈折膜に生じる熱応力に
応じた値以上となるように設定されている偏光ホログラ
ムとを含む光学系と;前記偏光ホログラムからの戻り光
束の回折光を受光する光検出器と;を備える光ピックア
ップ装置である。
【0016】これによれば、光源から出射される光束
は、対物レンズを介して情報記録媒体のスパイラル状又
は同心円状のトラックが形成された記録面に集光され
る。記録面で反射された戻り光束は、その光路上に配置
された偏光ホログラムによって光検出器の受光面方向に
分岐され、光検出器で受光される。そして、光検出器か
らは再生情報及びサーボ制御情報などを含む信号が出力
される。ここで、偏光ホログラムを構成する第1の基板
は、その曲げ剛性が格子の形成時に複屈折膜に生じる熱
応力に応じた値以上となるように設定されているため
に、格子を形成する際のエッチング処理やベーキング処
理などにより複屈折膜に温度変化が生じても、複屈折膜
の熱変形を抑制することができる。すなわち、従来より
も高い平坦度を有する偏光ホログラムが用いられること
となるため、光検出器から出力される信号の精度及び安
定性を向上させることが可能となる。
【0017】この場合において、請求項2に記載の光ピ
ックアップ装置の如く、前記第1の基板は、その厚さ及
び材質の少なくとも一方を最適化することによって前記
曲げ剛性が設定されていることとすることができる。
【0018】上記請求項1及び2に記載の各光ピックア
ップ装置において、請求項3に記載の光ピックアップ装
置の如く、前記複屈折膜は前記第1の基板よりも前記戻
り光束の入射側に近い位置に配置され、前記第1の基板
の屈折率は、前記複屈折膜の屈折率よりも小さいことと
することができる。かかる場合には、例えば、第1の基
板の屈折率と複屈折膜の屈折率とがほぼ等しい場合に比
べて、複屈折膜に形成される格子のピッチを大きくする
ことが可能となり、偏光ホログラムの生産性(歩留まり
を含む)を向上させることができる。すなわち、部品コ
ストが下がり、その結果として光ピックアップ装置の低
コスト化を促進することが可能となる。
【0019】上記請求項1〜3に記載の各光ピックアッ
プ装置において、請求項4に記載の光ピックアップ装置
の如く、前記第1の基板の素材は石英であることとする
ことができる。
【0020】上記請求項1〜4に記載の各光ピックアッ
プ装置において、請求項5に記載の光ピックアップ装置
の如く、前記光学系は、前記光源と前記対物レンズとの
間に配置され、前記光源から前記対物レンズに向かう光
束を複数のビームに分割するグレーティングを更に含む
こととすることができる。
【0021】この場合において、請求項6に記載の光ピ
ックアップ装置の如く、前記グレーティングは、その回
折効率が入射光束の偏光方向に依存する偏光グレーティ
ングであることとすることができる。かかる場合には、
例えば、偏光グレーティングが、光源から出射される光
束に対しては高い回折効率を有し、戻り光束に対しては
低い回折効率を有するように設定されている場合には、
偏光ホログラムによって分岐された戻り光束が偏光グレ
ーティングにかかっても、殆ど影響を受けずに光検出器
で受光されることとなる。従って、偏光グレーティング
と偏光ホログラムとの間隔を狭くすることができ、光ピ
ックアップ装置の小型化を促進することが可能となる。
【0022】上記請求項5及び6に記載の各光ピックア
ップ装置において、請求項7に記載の光ピックアップ装
置の如く、前記グレーティングは、前記第1の基板にお
ける前記複屈折膜が貼り付けられている面と対向する面
上に形成されていることとすることができる。あるい
は、請求項8に記載の光ピックアップ装置の如く、前記
グレーティングは、第2の基板上に形成され、該第2の
基板と前記第1の基板とが貼り合わされていることとす
ることができる。かかる場合には、グレーティングと偏
光ホログラムとが一体化されているために、組み付け工
程及び調整工程を簡略化することができ、コスト低減を
促進することが可能となる。また、光ピックアップ装置
の小型化を促進することが可能となる。
【0023】上記請求項5及び6に記載の各光ピックア
ップ装置において、請求項9に記載の光ピックアップ装
置の如く、前記偏光ホログラムは、前記複屈折膜に形成
された格子の少なくとも凹部に充填され、前記複屈折膜
の常光に対する屈折率及び異常光に対する屈折率のうち
いずれか一方の屈折率とほぼ等しい屈折率を有する充填
物を更に含み、前記グレーティングは、第2の基板上に
形成され、該第2の基板は前記充填物を介して前記複屈
折膜と貼り合わされていることとすることができる。か
かる場合には、充填物が接着剤の役目もしているため
に、偏光ホログラムを作製する工程を簡略化することが
でき、コスト低減を促進することが可能となる。
【0024】上記請求項1〜8に記載の各光ピックアッ
プ装置において、請求項10に記載の光ピックアップ装
置の如く、前記偏光ホログラムは、前記複屈折膜に形成
された格子の少なくとも凹部に充填され、前記複屈折膜
の常光に対する屈折率及び異常光に対する屈折率のうち
いずれか一方の屈折率とほぼ等しい屈折率を有する充填
物を更に含み、前記光学系は、前記記録面で反射された
戻り光束の光路上に配置され、その回折効率が入射光束
の偏光方向に依存しない無偏光ホログラムを更に含み;
前記無偏光ホログラムは、前記充填物を介して前記複屈
折膜と貼り合わされていることとすることができる。
【0025】請求項11に記載の発明は、情報記録媒体
の記録面上に光スポットを照射し、情報の記録、再生、
及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置
であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光ピ
ックアップ装置と;前記光ピックアップ装置からの出力
信号を用いて、前記情報の記録、再生、及び消去のうち
少なくとも再生を行う処理装置と;を備える光ディスク
装置である。
【0026】これによれば、請求項1〜10のいずれか
一項に記載の光ピックアップ装置からの出力信号に基づ
いて、RF信号及びサーボ信号などを精度良く安定して
検出することができるため、結果的に大型化及び高コス
ト化を招くことなく、情報記録媒体へのアクセスを精度
良く安定して行うことが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0028】図1には、本発明の第1の実施形態に係る
光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0029】この図1に示される光ディスク装置20
は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動す
るためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置2
3、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モ
ータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコン
トローラ33、バッファRAM34、バッファマネージ
ャ37、インターフェース38、ROM39、CPU4
0及びRAM41などを備えている。なお、図1におけ
る矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであ
り、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
なお、本第1の実施形態では、一例として光ディスク1
5にDVD−Rが用いられるものとする。
【0030】前記光ピックアップ装置23は、光ディス
ク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成さ
れた記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面から
の反射光を受光するための装置である。なお、この光ピ
ックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0031】前記再生信号処理回路28は、光ピックア
ップ装置23の出力信号である電流信号を電圧信号に変
換し、該電圧信号に基づいてウォブル信号、RF信号及
びサーボ信号(フォーカスエラー信号、トラックエラー
信号)などを検出する。そして、再生信号処理回路28
では、ウォブル信号からアドレス情報及び同期信号等を
抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU40
に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。
さらに、再生信号処理回路28では、RF信号に対して
誤り訂正処理等を行なった後、バッファマネージャ37
を介してバッファRAM34に格納する。また、サーボ
信号は再生信号処理回路28からサーボコントローラ3
3に出力される。
【0032】前記サーボコントローラ33では、再生信
号処理回路28からのサーボ信号に基づいて光ピックア
ップ装置23を制御する制御信号を生成し、モータドラ
イバ27に出力する。
【0033】前記バッファマネージャ37では、バッフ
ァRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積された
データ量が所定の値になると、CPU40に通知する。
【0034】前記モータドライバ27では、サーボコン
トローラ33からの制御信号及びCPU40の指示に基
づいて、光ピックアップ装置23及びスピンドルモータ
22を制御する。
【0035】前記エンコーダ25では、CPU40の指
示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されているデ
ータをバッファマネージャ37を介して取り出し、エラ
ー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への
書き込みデータを作成するとともに、再生信号処理回路
28からの同期信号に同期して、書き込みデータをレー
ザコントロール回路24に出力する。
【0036】前記レーザコントロール回路24では、エ
ンコーダ25からの書き込みデータ及びCPU40の指
示に基づいて、光ピックアップ装置23からのレーザ光
出力を制御する。
【0037】前記インターフェース38は、ホスト(例
えば、パーソナルコンピュータ)との双方向の通信イン
ターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Pack
et Interface)及びSCSI(Small Computer System
Interface)等の標準インターフェースに準拠してい
る。
【0038】前記ROM39には、CPU40にて解読
可能なコードで記述されたプログラムが格納されてい
る。CPU40は、ROM39に格納されている前記プ
ログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、
制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存す
る。
【0039】次に、前記光ピックアップ装置23の構成
等について図2に基づいて説明する。光ピックアップ装
置23は、図2に示されるように、波長が650nmの
レーザ光を出射する光源としての半導体レーザ51aを
含む光源ユニット51、入射光束の偏光方向に応じて回
折効率が異なり、記録面からの戻り光束を所定の方向に
回折する偏光ホログラム50、カップリングレンズ5
2、λ/4板55、前記偏光ホログラム50で回折され
た戻り光束を受光する光検出器としての受光器59、対
物レンズ60及び駆動系(フォーカシングアクチュエー
タ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ(い
ずれも図示省略))などを備えている。なお、本第1の
実施形態では、一例として半導体レーザ51aからはP
偏光の光束が出射されるものとする。
【0040】前記偏光ホログラム50は、図3に示され
るように、基板71、周期的な凹凸が格子として形成さ
れた複屈折性を有する複屈折媒体としての有機延伸膜8
1とその凹部に充填された等方性の充填物としてのオー
バーコート材82とからなるホログラム部80、及びカ
バーガラス85を含んで構成されている。ここでは、半
導体レーザ51aから出射される光束がP偏光であり、
偏光ホログラム50に入射される光ディスク15の記録
面からの戻り光束がS偏光であるため、有機延伸膜81
では、一例としてS偏光の光束(常光)に対する屈折率
(常光屈折率)は1.6、P偏光の光束(異常光)に対
する屈折率(異常光屈折率)は1.52であるものとす
る。また、オーバーコート材82の屈折率は、一例とし
て有機延伸膜81の異常光屈折率と同じ1.52である
ものとする。これにより、半導体レーザ51aから出射
される光束に対しては、有機延伸膜81の屈折率とオー
バーコート材82の屈折率とが同一となるため、半導体
レーザ51aから出射される光束はその殆どが透過され
る。一方、記録面からの戻り光束に対しては、有機延伸
膜81の屈折率とオーバーコート材82の屈折率とが異
なるため、記録面からの戻り光束は回折される。なお、
オーバーコート材82は、カバーガラス85によって保
護されている。
【0041】有機延伸膜81の素材としては、ポリエス
テル系、ポリイミド系、ポリエチレン系、ポリカーボネ
ート系、ポリビニルアルコール系、ポリメタクリル酸メ
チル系、ポリスチレン系、ポリサルフォン系、ポリエー
テルサルフォン系、及びポリエチレンテレフタレート系
などの有機材料が用いられる。オーバーコート材82と
しては、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂などが用いられ
る。また、基板71の素材としては、本第1の実施形態
では、光学ガラスの一種であるBSC7が用いられてい
るが、これに限定されるものではない。
【0042】次に、偏光ホログラム50の作製方法の一
例について図4(A)〜図4(F)を用いて説明する。
【0043】先ず、図4(A)に示されるように、基板
71と有機延伸膜81とを接着剤で貼り付ける。次に、
図4(B)に示されるように、有機延伸膜81の上に感
光性樹脂(以下、「フォトレジスト」と呼ぶ)72をス
ピンコート法により均一に塗布する。そして、露光装置
を用いて所定の格子パターンをフォトレジスト72に転
写した後、フォトレジスト72を現像し、図4(C)に
示されるように、フォトレジスト72による格子パター
ンを形成する。そして、図4(D)に示されるように、
反応性イオンエッチングなどによりフォトレジスト72
が残っていない部分の有機延伸膜81をドライエッチン
グし、さらに溶剤あるいはガスなどによりフォトレジス
ト72を除去する。続いて、図4(E)に示されるよう
に、凹凸が形成された有機延伸膜81の上にオーバーコ
ート材82をスピンコート法により塗布する。そして、
図4(F)に示されるように、オーバーコート材82の
上にカバーガラス85を乗せた後、紫外線又は熱によっ
てオーバーコート材82を固化する。その後、所定の大
きさに切り出す。
【0044】一般的に、板状部材では、次の(1)式に
示されるように、板厚tが大きくなるにつれて、曲げ剛
性MGは高くなる。
【0045】MG∝E・t3 ……(1)
【0046】そこで、本第1の実施形態では、一例とし
て基板71の厚さを従来の2倍(約1.0mm)とし
た。これにより、基板71の曲げ剛性は、従来よりも2
3倍、すなわち、8倍となり、反りなどの変形の極めて
小さい偏光ホログラム50を得ることができた。なお、
本第1の実施形態では、偏光ホログラム50のX軸方向
に関する長さ(厚さ)を従来と同じにするため、カバーガ
ラス85の厚さを従来よりも薄くした。
【0047】偏光ホログラム50は、トラックエラー信
号を検出するための領域とフォーカスエラー信号を検出
するための領域とを備えている。本第1の実施形態で
は、一例として図5に示されるように、偏光ホログラム
50は、対物レンズ60のトラッキング方向に対応する
方向(Z軸方向)の分割線によって2つの領域に分割さ
れ、さらにその分割線の−Y側の領域がY軸方向の分割
線によって2つの領域に分割されている。すなわち、偏
光ホログラム50は、トラックエラー信号を検出するた
めの領域として分割領域50b及び分割領域50cを、
フォーカスエラー信号を検出するための領域として分割
領域50aを備えている。
【0048】前記受光器59は、偏光ホログラム50の
各分割領域からの回折光をそれぞれ受光する複数の受光
素子を含んで構成されている。
【0049】上記のように構成される光ピックアップ装
置23の作用を説明する。半導体レーザ51aから出射
された直線偏光(ここではP偏光)の光束は、偏光ホロ
グラム50を透過してカップリングレンズ52に入射す
る。カップリングレンズ52で略平行光とされた光束
は、λ/4板55で円偏光とされ、対物レンズ60を介
して光ディスク15の記録面に微小スポットとして集光
される。
【0050】光ディスク15の記録面で反射した反射光
(戻り光束)は、往路とは反対回りの円偏光となり、対
物レンズ60で再び略平行光とされ、λ/4板55で往
路と直交した直線偏光(ここではS偏光)とされる。こ
の戻り光束は、コリメートレンズ52を透過した後、偏
光ホログラム50で回折され、受光器59で受光され
る。受光器59を構成する各受光素子では受光量に応じ
た電流信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力す
る。
【0051】再生信号処理回路28では、受光器59を
構成する各受光素子の出力信号のうち、分割領域50b
からの回折光を受光した受光素子の出力信号と、分割領
域50cからの回折光を受光した受光素子の出力信号と
の差信号に基づいて、いわゆるプッシュプル法によりト
ラックエラー信号を検出するとともに、分割領域50a
からの回折光を受光した受光素子(例えば2分割受光素
子)の出力信号に基づいて、いわゆるナイフエッジ法に
よりフォーカスエラー信号を検出する。
【0052】次に、前述の光ディスク装置20を用い
て、光ディスク15にデータを記録する場合の処理動作
について簡単に説明する。
【0053】CPU40は、ホストから記録要求を受信
すると、記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回
転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出
力するとともに、ホストから記録要求を受信した旨を再
生信号処理回路28に通知する。
【0054】再生信号処理回路28は、光ディスク15
の回転が所定の線速度に達すると、光ピックアップ装置
23の出力信号に基づいてアドレス情報を取得し、CP
U40に通知する。さらに、再生信号処理回路28は、
光ピックアップ装置23の出力信号に基づいて、前述の
如くしてトラックエラー信号及びフォーカスエラー信号
を検出し、サーボコントローラ33に出力する。
【0055】サーボコントローラ33は、再生信号処理
回路28からのトラックエラー信号及びフォーカスエラ
ー信号に基づいて、モータドライバ27を介して光ピッ
クアップ装置23のトラッキングアクチュエータ及びフ
ォーカシングアクチュエータを駆動する。これにより、
トラックずれ及びフォーカスずれが補正される。
【0056】CPU40は、ホストからのデータをバッ
ファマネージャ37を介してバッファRAM34に蓄積
する。そして、CPU40は、バッファRAM34に蓄
積されたデータ量が所定の値を超えたとの通知をバッフ
ァマネージャ37から受け取ると、エンコーダ25に書
き込みデータの作成を指示する。さらに、CPU40
は、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づい
て、指定された書き込み開始地点に光ピックアップ装置
23が位置するように光ピックアップ装置23のシーク
動作を指示する信号をモータドライバ27に出力する。
【0057】CPU40は、再生信号処理回路28から
のアドレス情報に基づいて、光ピックアップ装置23の
位置が書き込み開始地点であると判断すると、エンコー
ダ25に通知する。そして、エンコーダ25は、レーザ
コントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介
して、書き込みデータを光ディスク15に記録する。
【0058】次に、前述した光ディスク装置20を用い
て、光ディスク15に記録されているデータを再生する
場合の処理動作について簡単に説明する。
【0059】CPU40は、ホストから再生要求を受信
すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回
転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出
力するとともに、ホストから再生要求を受信した旨を再
生信号処理回路28に通知する。
【0060】再生信号処理回路28は、光ディスク15
の回転が所定の線速度に達すると、光ピックアップ装置
23の出力信号に基づいてアドレス情報を取得し、CP
U40に通知する。さらに、前述した記録の場合と同様
にして、トラックずれ及びフォーカスずれが補正され
る。
【0061】CPU40は、再生信号処理回路28から
のアドレス情報に基づいて、指定された読み込み開始地
点に光ピックアップ装置23が位置するようにシーク動
作を指示する信号をモータドライバ27に出力する。
【0062】CPU40は、再生信号処理回路28から
のアドレス情報に基づいて、光ピックアップ装置23の
位置が読み込み開始地点であると判断すると、再生信号
処理回路28に通知する。そして、再生信号処理回路2
8は、RF信号を検出し、誤り訂正処理等を行った後、
バッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ3
7は、バッファRAM34に蓄積されたデータがセクタ
データとして揃ったときに、インターフェース38を介
してホストに転送する。
【0063】なお、再生信号処理回路28は、記録処理
及び再生処理が終了するまで、上述した如く、光ピック
アップ装置23の出力信号に基づいてフォーカスエラー
信号及びトラックエラー信号を検出し、サーボコントロ
ーラ33及びモータドライバ27を介してフォーカスず
れ及びトラックずれを随時補正する。
【0064】以上の説明から明らかなように、本第1の
実施形態に係る光ディスク装置では、再生信号処理回路
28とCPU40及び該CPU40によって実行される
プログラムとによって、処理装置が実現されている。
【0065】しかしながら、本発明がこれに限定される
ものではないことは勿論である。すなわち、上記第1の
実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプロ
グラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくと
も一部をハードウェアによって構成することとしても良
いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって
構成することとしても良い。
【0066】以上説明したように、本第1の実施形態に
係る光ピックアップ装置によると、半導体レーザ51a
から出射される光束は、対物レンズ60を介して光ディ
スク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成
された記録面の所定位置に集光され、記録面で反射され
た戻り光束は偏光ホログラム50によってその光路から
分岐され、受光器59で受光される。そして、受光器5
9からは再生情報やサーボ情報などを含む信号が出力さ
れる。この場合に、偏光ホログラム50を構成する基板
71は、その曲げ剛性が格子の形成時に有機延伸膜81
に生じる熱応力に応じた値以上となるように設定されて
いるために、格子を形成する際のエッチング処理やベー
キング処理などにより有機延伸膜81に温度変化が生じ
ても、有機延伸膜81の熱変形を抑制することができ
る。すなわち、従来よりも高い平坦度を有する偏光ホロ
グラム50が用いられることとなるため、大型化及び高
コスト化を招くことなく、再生情報及びサーボ情報など
を含む信号を精度良く安定して求めることが可能とな
る。
【0067】また、本第1の実施形態では、偏光ホログ
ラム50の厚さを従来の偏光ホログラムと同じにするた
め、カバーガラス85の厚さを従来よりも薄くしてい
る。これにより、偏光ホログラムを所定の形状に成形す
る際のダイシングなどの工程では、作業性の低下を防止
することができる。
【0068】さらに、本第1の実施形態では、図6
(A)に示されるように、受光器59と有機延伸膜81
とのX軸方向に関する距離L1は、図6(B)に示され
るように、従来の偏光ホログラム50aの場合の受光器
59と有機延伸膜81aとのX軸方向に関する距離L2
に比べて大きくなっている。そこで、偏光ホログラム5
0での回折角θ1を従来の偏光ホログラム50aでの回
折角θ2よりも小さくすることができる。すなわち、有
機延伸膜81の格子のピッチ(ホログラムピッチ)を有
機延伸膜81aのホログラムピッチよりも大きくするこ
とができる。偏光ホログラムではホログラムピッチが大
きいと、格子を形成するための加工が容易となり、歩留
まりが向上し、製造コスト、部品コストを低減すること
ができる。また、例えば温度変化などに起因して戻り光
束の波長が変動した場合でも、偏光ホログラム50での
回折角の変動は従来よりも小さくなるために、受光素子
の大きさを小さくすることが可能となり、光ピックアッ
プ装置の小型化を促進することができる。
【0069】また、本第1の実施形態に係る光ディスク
装置によると、光ピックアップ装置23の出力信号に基
づいて、RF信号及びサーボ信号などを精度良く安定し
て検出することができるため、大型化及び高コスト化を
招くことなく、光ディスク15へのアクセスを精度良く
安定して行うことが可能となる。さらに、光ピックアッ
プ装置23の小型化によって、光ディスク装置自体の小
型化及び消費電力の低減も促進することができ、例え
ば、携帯用として用いられる場合には、持ち運びが容易
となり、さらに長時間の使用が可能となる。
【0070】なお、上記第1の実施形態では、基板の厚
さを約2倍にする場合について説明したが、本発明がこ
れに限定されることはない。要するに、基板が有機延伸
膜81の熱変形を抑制できるだけの曲げ剛性を有してい
れば良い。
【0071】なお、上記第1の実施形態では、基板の厚
さを厚くすることによって基板の曲げ剛性を高くする場
合について説明したが、これに限らず、例えば基板の素
材を変えることにより曲げ剛性を高くしても良い。例え
ば、ヤング率が1.5倍になると、曲げ剛性も1.5倍
となる。
【0072】また、上記第1の実施形態では、基板71
の素材としてBSC7を用いる場合について説明した
が、石英ガラスを用いても良い。BSC7の線膨張係数
は約90×10-7/℃であるのに対して、石英ガラスの
線膨張係数は約5.8×10-7/℃であり、10分の1
以下である。従って、エッチング処理やベーキング処理
の際の基板の熱膨張量を小さくすることができ、結果的
に有機延伸膜の熱変形を抑えることが可能となる。な
お、この場合には、カバーガラスの素材も石英を用いる
ことが好ましい。
【0073】さらに、上記第1の実施形態では、基板7
1の屈折率に関しては、特に指定していないが、有機延
伸膜81の屈折率よりも小さな屈折率を有する基板71
aを用いることにより、一例として図7において実線で
示されるように、受光器59での受光位置を−Z側にず
らすことができる。これにより、偏光ホログラム50b
での回折角を偏光ホログラム50での回折角よりも小さ
くすることができる。すなわち、ホログラムピッチを更
に大きくすることが可能となる。なお、図7における点
線は、基板の屈折率と有機延伸膜81の屈折率とがほぼ
等しい場合を示している。
【0074】なお、上記第1の実施形態では、光ディス
ク15がDVD−Rの場合について説明したが、本発明
がこれに限定されるものではない。但し、例えば光ディ
スク15としてCD系の光ディスクが用いられる場合に
は、半導体レーザ51aの代わりに、波長が780nm
の光束を出射する半導体レーザが用いられることは勿論
である。
【0075】また、上記第1の実施形態では、ナイフエ
ッジ法によりフォーカスエラー信号を検出し、プッシュ
プル法によりトラックエラー信号を検出する場合につい
て説明したが、これに限らず、他の方法を用いても良
い。但し、偏光ホログラム及び受光器は検出方法に対応
したものが用いられる。
【0076】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態を図8〜図16に基づいて説明する。
【0077】この第2の実施形態は、図8に示されるよ
うに、前述した第1の実施形態における偏光ホログラム
50の代わりに、偏光ホログラム50に光源ユニット5
1からの光束を0次光及び回折光を含む複数のビームに
分割するグレーティングが付加されたホログラムユニッ
ト50cを用いる点に特徴を有する。その他の光ピック
アップ装置及び光ディスク装置の構成などは、前述した
第1の実施形態と同様である。従って、以下において
は、第1の実施形態との相違点を中心に説明するととも
に、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成
部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し
若しくは省略するものとする。
【0078】前記ホログラムユニット50cは、一例と
して図9に示されるように、基板71の有機延伸膜81
が貼り付けられている面と対向する面にグレーティング
70が形成されている。基板71は、前述した第1の実
施形態と同様に、従来の約2倍の厚さを有している。
【0079】次に、このホログラムユニット50cの作
製方法の一例について図10(A)〜図10(F)及び
図11(A)〜図11(C)を用いて説明する。
【0080】先ず、図10(A)に示されるように、基
板71上にフォトレジスト72をスピンコート法により
均一に塗布する。そして、露光装置を用いて所定の回折
格子パターンをフォトレジスト72に転写する。その
後、フォトレジスト72を現像し、図10(B)に示さ
れるように、フォトレジスト72による回折格子パター
ンを形成する。そして、図10(C)に示されるよう
に、反応性イオンエッチングなどによりフォトレジスト
72が残っていない部分の基板71をドライエッチング
して所定の深さ(例えば0.2μm程度)の溝を形成
し、さらに溶剤あるいはガスなどによりフォトレジスト
72を除去する。これにより、基板71上にグレーティ
ング70が形成される。
【0081】次に、グレーティング70が形成された面
と対向する面が上側となるように基板71を反転し、図
10(D)に示されるように、基板71と有機延伸膜8
1とを接着剤で貼り付ける。次に、図10(E)に示さ
れるように、有機延伸膜81の上にフォトレジスト72
をスピンコート法により均一に塗布する。そして、露光
装置を用いて所定の格子パターンをフォトレジスト72
に転写する。その後、フォトレジスト72を現像し、図
10(F)に示されるように、フォトレジスト72によ
る格子パターンを形成する。そして、図11(A)に示
されるように、反応性イオンエッチングなどによりフォ
トレジスト72が残っていない部分の有機延伸膜81を
ドライエッチングし、さらに溶剤あるいはガスなどによ
りフォトレジスト72を除去する。続いて、図11
(B)に示されるように、有機延伸膜81の上にオーバ
ーコート材82をスピンコート法により塗布する。そし
て、図11(C)に示されるように、オーバーコート材
82の上にカバーガラス85を乗せた後、紫外線又は熱
によってオーバーコート材82を固化する。なお、基板
71の厚さは、有機延伸膜81で回折された戻り光束が
グレーティング70にかからないように調整されてい
る。
【0082】上記のようにして作製されたホログラムユ
ニット50cを用いた光ピックアップ装置23の作用を
説明する。
【0083】半導体レーザ51aから出射された直線偏
光(ここではP偏光)の光束は、ホログラムユニット5
0cに入射する。ホログラムユニット50cに入射した
光束は、グレーティング70にて0次光と±1次回折光
とを含む複数の光束に分割され、ホログラム部80及び
カバーガラス85を透過してカップリングレンズ52に
入射する。カップリングレンズ52で略平行光とされた
各光束は、λ/4板55でそれぞれ円偏光とされ、対物
レンズ60を介して光ディスク15の記録面に複数の光
スポットとして集光される。
【0084】トラックエラー信号を3ビーム法(3スポ
ット法)で検出する場合には、光ディスク15の記録面
において0次光による光スポットと±1次回折光による
各光スポットとがトラッキング方向に関し1/4トラッ
クピッチだけずれるように集光される。また、トラック
エラー信号を差動プッシュプル法で検出する場合には、
光ディスク15の記録面において0次光による光スポッ
トと±1次回折光による各光スポットとがトラッキング
方向に関し1/2トラックピッチだけずれるように集光
される。なお、本第2の実施形態では、検出方法に対応
して受光器59を構成する受光素子の数や配置位置など
が最適化されているものとする。
【0085】光ディスク15の記録面で反射した各反射
光(戻り光束)は、それぞれ往路とは反対回りの円偏光
となり、対物レンズ60で再び略平行光とされ、λ/4
板55で往路と直交した直線偏光(ここではS偏光)と
される。そして、各戻り光束はコリメートレンズ52を
透過した後、ホログラムユニット50cに入射する。ホ
ログラムユニット50cに入射した各戻り光束は、ホロ
グラム部80でそれぞれ回折され、受光器59で受光さ
れる。受光器59を構成する各受光素子では受光量に応
じた電流信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力す
る。
【0086】再生信号処理回路28では、受光器59を
構成する各受光素子の出力信号に基づいて、3ビーム法
あるいは差動プッシュプル法によりトラックエラー信号
を検出するとともに、前述した第1の実施形態と同様に
してフォーカスエラー信号を検出する。
【0087】また、本第2の実施形態に係る光ディスク
装置20では、上記第1の実施形態と同様にして、光デ
ィスク15へのデータの記録及び光ディスク15に記録
されているデータの再生が行われる。
【0088】以上の説明から明らかなように、本第2の
実施形態では、再生信号処理回路28とCPU40及び
該CPU40によって実行されるプログラムとによっ
て、処理装置が実現されている。
【0089】しかしながら、本発明がこれに限定される
ものではないことは勿論である。すなわち、上記第2の
実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプロ
グラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくと
も一部をハードウェアによって構成することとしても良
いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって
構成することとしても良い。
【0090】以上説明したように、本第2の実施形態に
係る光ピックアップ装置によると、半導体レーザ51a
から出射される光束はグレーティング70にて0次光と
±1次回折光とを含む複数の光束に分割され、各光束は
光ディスク15の記録面に所定の位置関係で集光され
る。そして、ホログラムユニット50cでは、基板71
の曲げ剛性が、格子の形成時に有機延伸膜81に生じる
熱応力に応じる値以上となるように、基板71の厚さを
従来よりも厚くしているために、前記第1の実施形態と
同様に、有機延伸膜81の変形を防止できる。すなわ
ち、従来よりも平坦度に優れた偏光ホログラムが用いら
れるために、受光器59からは、3ビーム法あるいは差
動プッシュプル法に適した信号が精度良く安定して出力
される。
【0091】また、本第2の実施形態によると、1枚の
基板71を介してグレーティング70とホログラム部8
0とが一体化されているために、従来に比べて基板の枚
数を減らすことができ、部品コストの低減が可能とな
る。また、グレーティング70とホログラム部80と
は、それぞれ露光時に精度良く位置決めされるために、
それぞれの位置精度を高くすることができる。そして、
それによって、組み込み工程及び調整工程を簡素化する
ことができ、作業コストの低減を促進することが可能と
なる。
【0092】また、本第2の実施形態に係る光ディスク
装置によると、光ピックアップ装置23からの出力信号
に基づいて、RF信号及びサーボ信号などを精度良く安
定して検出することができるため、第1の実施形態と同
様な効果を得ることができる。
【0093】なお、上記第2の実施形態では、3ビーム
法あるいは差動プッシュプル法を用いてトラックエラー
信号を検出する場合について説明したが、第1の実施形
態と同様にプッシュプル法を用いても良い。
【0094】また、上記第2の実施形態では、1枚の基
板71を介してグレーティング70とホログラム部80
とを一体化させているが、基板の厚さが約3mmを超え
ると、特にエッチング処理工程において加工上の問題が
生じる場合がある。すなわち、市販されている汎用のエ
ッチング装置では、シリコンウエハのような0.5mm
程度の薄い基板を加工対象としているため、3mmを超
える厚い基板に対しては多少の改造を必要とする場合が
ある。また、エッチング処理を2回行っているために、
有機延伸膜81にエッチング処理を行う際に、最初にエ
ッチング処理を行ったグレーティング部分が汚染などの
ダメージを受けるおそれがある。そこで、場合によって
は、図12(A)〜図12(C)に示されるように、グ
レーティング70とホログラム部80とを別々の基板上
に形成した後に、それらを貼り合わせても良い。すなわ
ち、基板71b上にグレーティング70を形成し、基板
71c上にホログラム部80を形成し、基板71bと基
板71cとを接着剤などによって貼り合せ、ホログラム
ユニット50dを作製しても良い。このホログラムユニ
ット50dは、機能的にはホログラムユニット50cと
同等である。但し、基板71cは、必要な曲げ剛性を確
保するために可能な限り厚くするのが好ましい。この場
合には、基板71cの素材として、例えばヤング率の大
きな材料を用いても良い。同じ厚さでも曲げ剛性が大き
くなるからである。また、基板71bは、有機延伸膜8
1に格子を形成した後にホログラム部80と一体化され
るため、曲げ剛性を考慮する必要はなく、市販の安価な
樹脂を用いても良い。
【0095】さらに、個別の基板上に形成されたグレー
ティング70とホログラム部80とを一体化する方法と
して、例えば図13に示されるように、オーバーコート
材82を介してグレーティング70とホログラム部80
とを一体化して、ホログラムユニット50eを作製して
も良い。これにより、オーバーコート材82を保護する
カバーガラス85が不要となり、ホログラムユニット5
0dに比べて部品コストを削減することができる。ま
た、この場合には、ホログラムユニットを従来と同じ長
さとするために、グレーティング70の基板71dは、
カバーガラス85があるときの基板71bよりも厚くな
る。しかしながら、グレーティング70における回折格
子のピッチは10〜20μmであり、しかも回折格子の
形状が単純な矩形直線格子であるために、グレーティン
グ70における回折格子はエッチング処理ではなく機械
加工によって基板71d上に形成されても良い。これに
より、エッチング処理における問題を避けることができ
る。また、この場合においても、基板71dは有機延伸
膜81に格子を形成した後にホログラム部80と一体化
されるため、曲げ剛性を考慮する必要はなく、市販の安
価な樹脂を用いても良い。
【0096】また、上記第2の実施形態では、グレーテ
ィングとして、回折効率が入射光束の偏光方向に依存し
ない無偏光グレーティングを用いる場合について説明し
たが、入射光束の偏光方向によって回折効率が異なる偏
光グレーティングを用いても良い。
【0097】一例として図14に示されるように、偏光
グレーティング75とホログラム部80とが一体化され
たホログラムユニット50fについて説明する。
【0098】偏光グレーティング75は、周期的な凹凸
が格子として形成された複屈折性を有する複屈折媒体と
しての有機延伸膜76と、その凹部に充填された等方性
の充填物としてのオーバーコート材77とを含んで構成
されている。ここでは、一例として、有機延伸膜76は
ホログラム部80における有機延伸膜81と同様の光学
的特性を有し、オーバーコート材77の屈折率は1.6
であるものとする。これにより、半導体レーザ51aか
ら出射される光束に対しては、有機延伸膜76の屈折率
とオーバーコート材77の屈折率とが異なるため、半導
体レーザ51aから出射される光束は高い回折効率で回
折される。一方、記録面からの戻り光束に対しては、有
機延伸膜76の屈折率とオーバーコート材77の屈折率
とがほぼ同一となるため、記録面からの戻り光束はその
殆どが透過される。なお、オーバーコート材77は、カ
バーガラス78によって保護されている。
【0099】ここで、ホログラムユニット50fの作製
方法の一例について図15(A)〜図15(F)及び図
16(A)〜図16(E)を用いて説明する。
【0100】先ず、図15(A)に示されるように、基
板71eの互いに対向する面にグレーティング用の有機
延伸膜76及びホログラム用の有機延伸膜81をそれぞ
れ貼り付ける。そして、図15(B)に示されるよう
に、有機延伸膜76上にフォトレジスト72をスピンコ
ート法により均一に塗布する。そして、露光装置を用い
て所定の回折格子パターンをフォトレジスト72に転写
する。その後、フォトレジスト72を現像し、図15
(C)に示されるように、フォトレジスト72による回
折格子パターンを形成する。そして、図15(D)に示
されるように、反応性イオンエッチングなどによりフォ
トレジスト72が残っていない部分の基板71eをドラ
イエッチングして所定の深さの溝を形成し、さらに溶剤
あるいはガスなどによりフォトレジスト72を除去す
る。
【0101】次に、図15(E)に示されるように、有
機延伸膜81の上にフォトレジスト72をスピンコート
法により均一に塗布する。そして、露光装置を用いて所
定の格子パターンをフォトレジスト72に転写する。そ
の後、フォトレジスト72を現像し、図15(F)に示
されるように、フォトレジスト72による格子パターン
を形成する。そして、図16(A)に示されるように、
反応性イオンエッチングなどによりフォトレジスト72
が残っていない部分の有機延伸膜81をドライエッチン
グし、さらに溶剤あるいはガスなどによりフォトレジス
ト72を除去する。続いて、図16(B)に示されるよ
うに、有機延伸膜76の上にオーバーコート材77をス
ピンコート法により塗布する。そして、図16(C)に
示されるように、オーバーコート材77の上にカバーガ
ラス78を乗せた後、紫外線又は熱によってオーバーコ
ート材77を固化する。次に、図16(D)に示される
ように、有機延伸膜81の上にオーバーコート材82を
スピンコート法により塗布する。そして、図16(E)
に示されるように、オーバーコート材82の上にカバー
ガラス85を乗せた後、紫外線又は熱によってオーバー
コート材82を固化する。
【0102】偏光グレーティング75を用いることによ
り、ホログラム部80からの戻り光束の回折光が偏光グ
レーティング75にかかっても、受光器59での受光量
は減少しない。従って、偏光グレーティング75とホロ
グラム部80との間隔を狭くすることができ、その結果
として光ピックアップ装置の小型化を促進することが可
能となる。
【0103】《第3の実施形態》次に、本発明の第3の
実施形態を図17及び図18に基づいて説明する。
【0104】この第3の実施形態は、図17に示される
ように、前記第1の実施形態において、光源として波長
が780nmの光束を出射する半導体レーザ51bを更
に備えるとともに、偏光ホログラム50の代わりに、偏
光ホログラム50と波長が780nmの戻り光束を受光
器59の受光面方向に分岐する無偏光ホログラム88と
が一体化されたホログラムユニット50gを用いる点に
特徴を有する。すなわち、第3の実施形態に係る光ピッ
クアップ装置は、いわゆる2波長光ピックアップ装置で
ある。その他の光ピックアップ装置及び光ディスク装置
の構成などは、前述した第1の実施形態と同様である。
従って、以下においては、第1の実施形態との相違点を
中心に説明するとともに、前述した第1の実施形態と同
一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用
い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0105】前記半導体レーザ51bは、半導体レーザ
51aとともに光源ユニット61に実装されているが、
それぞれ個別の光源ユニットに実装されていても良い。
さらに、各半導体レーザはモノリシックに形成されてい
ても良い。なお、半導体レーザ51aは光ディスク15
がDVDの場合に選択され、半導体レーザ51bは光デ
ィスク15がCDの場合に選択される。
【0106】また、無偏光ホログラム88は、一例とし
て図18に示されるように、オーバーコート材82を介
して有機延伸膜81と貼り合わされている。
【0107】上記のように構成される光ピックアップ装
置23の作用を説明する。先ず、光ディスク15がDV
Dの場合について説明する。半導体レーザ51aから出
射された直線偏光(ここではP偏光)の光束は、ホログ
ラムユニット50gに入射する。偏光ホログラム50及
び無偏光ホログラム88を透過した光束は、カップリン
グレンズ52に入射する。カップリングレンズ52で略
平行光とされた光束は、λ/4板55で円偏光とされ、
対物レンズ60を介して光ディスク15の記録面に微小
スポットとして集光される。
【0108】光ディスク15の記録面で反射した反射光
(戻り光束)は、往路とは反対回りの円偏光となり、対
物レンズ60で再び略平行光とされ、λ/4板55で往
路と直交した直線偏光(ここではS偏光)とされる。そ
して、コリメートレンズ52を透過した後、ホログラム
ユニット50gに入射する。無偏光ホログラム88を透
過した光束は、偏光ホログラム50で回折され、受光器
59で受光される。受光器59を構成する各受光素子で
は受光量に応じた電流信号をそれぞれ再生信号処理回路
28に出力する。
【0109】次に、光ディスク15がCDの場合につい
て説明する。半導体レーザ51bから出射された直線偏
光(ここではP偏光)の光束は、ホログラムユニット5
0gに入射する。偏光ホログラム50及び無偏光ホログ
ラム88を透過した光束は、カップリングレンズ52に
入射する。カップリングレンズ52で略平行光とされた
光束は、λ/4板55で円偏光とされ、対物レンズ60
を介して光ディスク15の記録面に微小スポットとして
集光される。
【0110】光ディスク15の記録面で反射した反射光
(戻り光束)は、往路とは反対回りの円偏光となり、対
物レンズ60で再び略平行光とされ、λ/4板55で往
路と直交した直線偏光(ここではS偏光)とされる。そ
して、コリメートレンズ52を透過した後、ホログラム
ユニット50gに入射する。無偏光ホログラム88で回
折された光束は、受光器59で受光される。受光器59
を構成する各受光素子では受光量に応じた電流信号をそ
れぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0111】また、光ディスク15がCDであるかDV
Dであるかは、その記録面からの反射光の強度から判別
することができる。通常、この判別は光ディスク15が
光ディスク装置20の所定位置に挿入されたとき、すな
わちローディング時に行われる。また、光ディスク15
に予め記録されているTOC(Table Of Contents)情
報、PMA(Program Memory Area)情報及びウォブル
信号などに基づいて光ディスク15の種類を判別するこ
とも可能である。そして、その判別結果はレーザコント
ロール回路24に通知され、レーザコントロール回路2
4によって、半導体レーザ51a及び半導体レーザ51
bのいずれか一方が選択される。
【0112】本第3の実施形態に係る光ディスク装置2
0では、上記第1の実施形態と同様にして、光ディスク
15へのデータの記録及び光ディスク15に記録されて
いるデータの再生が行われる。
【0113】以上の説明から明らかなように、本第3の
実施形態では、再生信号処理回路28とCPU40及び
該CPU40によって実行されるプログラムとによっ
て、処理装置が実現されている。
【0114】しかしながら、本発明がこれに限定される
ものではないことは勿論である。すなわち、上記第3の
実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプロ
グラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくと
も一部をハードウェアによって構成することとしても良
いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって
構成することとしても良い。
【0115】以上説明したように、本第3の実施形態に
係る光ピックアップ装置によると、波長が650nmの
戻り光束を偏光ホログラム50で分岐し、波長が780
nmの戻り光束を無偏光ホログラム88で分岐してい
る。DVDの場合には、受光器59からの出力信号にお
ける信号レベルが低いため、光利用効率が重視される。
本第3の実施形態では、波長が650nmの戻り光束に
対しては偏光ホログラム50からの回折光を受光器59
で受光しているため、受光器59からの出力信号におけ
る信号レベルを高くすることができる。また、CDの場
合には、粗悪なメディアにもできるだけ対応できるよう
にするため、受光器59からの出力信号の信号劣化を防
止することが重視される。本第3の実施形態では、波長
が780nmの戻り光束に対しては無偏光ホログラム8
8からの回折光を受光器59で受光しているために、受
光器59からの出力信号における信号劣化を防止するこ
とができる。
【0116】さらに、本第3の実施形態によると、無偏
光ホログラム88はオーバーコート材82を介して有機
延伸膜81と貼り合わされているために、カバーガラス
85が不要となり、部品点数が減少するとともに、ホロ
グラムユニットの作製工程を簡略化することができる。
すなわち、低コスト化を促進することが可能となる。
【0117】また、本第3の実施形態に係る光ディスク
装置によると、光ピックアップ装置23からの出力信号
に基づいて、DVD及びCDに対してRF信号及びサー
ボ信号などを精度良く安定して検出することができるた
め、複数種類の光ディスクに対応可能で、第1の実施形
態と同様な効果を得ることができる。
【0118】なお、上記第3の実施形態において、各半
導体レーザの位置精度が悪い場合には、それぞれの発光
点位置に応じて偏光ホログラム50と無偏光ホログラム
88とを別々に調整した後に接着して一体化しても良
い。
【0119】また、上記第3の実施形態において、各半
導体レーザがモノリシックに集積されている場合には、
各発光点位置の精度が良いため、偏光ホログラム50と
無偏光ホログラム88をあらかじめ所定の位置関係で接
着して一体化しておき、どちらか一方の発光点位置を基
準に調整すれば良い。
【0120】なお、上記第3の実施形態では、各半導体
レーザから出射される光束を分割せずに、光ディスク1
5の記録面に集光する場合について説明したが、これに
限らず、各半導体レーザから出射される光束を、例えば
0次光及び回折光を含む複数のビームに分割して光ディ
スク15の記録面に集光しても良い。すなわち、前述し
た第2の実施形態と同様に、グレーティング(無偏光グ
レーティング、偏光グレーティング)を付加しても良
い。
【0121】
【発明の効果】本発明に係る光ピックアップ装置によれ
ば、大型化及び高コスト化を招くことなく、光検出器か
ら出力される信号の精度及び安定性を向上させることが
できるという効果がある。
【0122】また、本発明に係る光ディスク装置によれ
ば、大型化及び高コスト化を招くことなく、情報記録媒
体へのアクセスを精度良く安定して行うことができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の光ディスク装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の光ピックアップ装置における光学系の概
略構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態における偏光ホログラムの詳細
構成を説明するための図である。
【図4】図4(A)〜図4(F)は、それぞれ第1の実
施形態における偏光ホログラムを作製する手順を説明す
るための図である。
【図5】偏光ホログラムにおける分割領域を説明するた
めの図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、それぞれ偏光ホ
ログラムでの回折角を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態における偏光ホログラムの他の
例を説明するための図である。
【図8】本発明に係る第2の実施形態における光ピック
アップ装置の概略構成を示す図である。
【図9】第2の実施形態におけるホログラムユニットの
詳細構成を説明するための図である。
【図10】図10(A)〜図10(F)は、それぞれ第
2の実施形態におけるホログラムユニットを作製する手
順を説明するための図(その1)である。
【図11】図11(A)〜図11(C)は、それぞれ第
2の実施形態におけるホログラムユニットを作製する手
順を説明するための図(その2)である。
【図12】図12(A)〜図12(C)は、それぞれ第
2の実施形態におけるホログラムユニットを作製する別
の手順を説明するための図である。
【図13】第2の実施形態におけるホログラムユニット
の他の例を説明するための図である。
【図14】偏光グレーティングを用いたホログラムユニ
ットの詳細構成を説明するための図である。
【図15】図15(A)〜図15(F)は、それぞれ図
14のホログラムユニットを作製する手順を説明するた
めの図(その1)である。
【図16】図16(A)〜図16(E)は、それぞれ図
14のホログラムユニットを作製する手順を説明するた
めの図(その2)である。
【図17】本発明に係る第3の実施形態における光ピッ
クアップ装置の概略構成を示す図である。
【図18】第3の実施形態におけるホログラムユニット
の詳細構成を説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク
装置、23…光ピックアップ装置、28…再生信号処理
回路(処理装置の一部)、40…CPU(処理装置の一
部)、50…偏光ホログラム、51a、51b…半導体
レーザ(光源)、70…グレーティング、71、71c
…基板(第1の基板)、71b…基板(第2の基板)、
81…複屈折膜(複屈折媒体)、82…オーバーコート
材(充填物)、59…受光器(光検出器)、60…対物
レンズ。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA25 AA37 AA43 AA48 AA57 AA65 BA02 BA07 BA42 BA45 BC03 BC21 5D118 AA01 AA04 AA26 BA01 BB01 CA13 CD03 CG04 CG24 CG33 CG44 5D119 AA01 AA05 AA40 AA41 AA43 BA01 BB01 BB02 EA02 EC45 EC47 FA05 JA12 JA14 JA22 JA32 JA64 NA05 5D789 AA01 AA05 AA40 AA41 AA43 BA01 BB01 BB02 EA02 EC45 EC47 FA05 JA12 JA14 JA22 JA32 JA64 NA05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体のスパイラル状又は同心円
    状のトラックが形成された記録面に光を照射し、前記記
    録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であっ
    て、 光源と;前記光源から出射される光束を前記記録面に集
    光する対物レンズと、前記記録面で反射された戻り光束
    の光路上に配置され、その回折効率が入射光束の偏光方
    向に依存し、表面に周期的な凹凸が格子として形成され
    た複屈折性を有する複屈折膜及び該複屈折膜と貼り合わ
    されている第1の基板を含み、前記第1の基板の曲げ剛
    性が、前記格子の形成時に前記複屈折膜に生じる熱応力
    に応じた値以上となるように設定されている偏光ホログ
    ラムとを含む光学系と;前記偏光ホログラムからの戻り
    光束の回折光を受光する光検出器と;を備える光ピック
    アップ装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の基板は、その厚さ及び材質の
    少なくとも一方を最適化することによって前記曲げ剛性
    が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光
    ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】 前記複屈折膜は前記第1の基板よりも前
    記戻り光束の入射側に近い位置に配置され、 前記第1の基板の屈折率は、前記複屈折膜の屈折率より
    も小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピ
    ックアップ装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の基板の素材は石英であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ピ
    ックアップ装置。
  5. 【請求項5】 前記光学系は、前記光源と前記対物レン
    ズとの間に配置され、前記光源から前記対物レンズに向
    かう光束を複数のビームに分割するグレーティングを更
    に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に
    記載の光ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】 前記グレーティングは、その回折効率が
    入射光束の偏光方向に依存する偏光グレーティングであ
    ることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装
    置。
  7. 【請求項7】 前記グレーティングは、前記第1の基板
    における前記複屈折膜が貼り付けられている面と対向す
    る面上に形成されていることを特徴とする請求項5又は
    6に記載の光ピックアップ装置。
  8. 【請求項8】 前記グレーティングは、第2の基板上に
    形成され、該第2の基板と前記第1の基板とが貼り合わ
    されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の光
    ピックアップ装置。
  9. 【請求項9】 前記偏光ホログラムは、前記複屈折膜に
    形成された格子の少なくとも凹部に充填され、前記複屈
    折膜の常光に対する屈折率及び異常光に対する屈折率の
    うちいずれか一方の屈折率とほぼ等しい屈折率を有する
    充填物を更に含み、 前記グレーティングは、第2の基板上に形成され、該第
    2の基板は前記充填物を介して前記複屈折膜と貼り合わ
    されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の光
    ピックアップ装置。
  10. 【請求項10】 前記偏光ホログラムは、前記複屈折膜
    に形成された格子の少なくとも凹部に充填され、前記複
    屈折膜の常光に対する屈折率及び異常光に対する屈折率
    のうちいずれか一方の屈折率とほぼ等しい屈折率を有す
    る充填物を更に含み、 前記光学系は、前記記録面で反射された戻り光束の光路
    上に配置され、その回折効率が入射光束の偏光方向に依
    存しない無偏光ホログラムを更に含み;前記無偏光ホロ
    グラムは、前記充填物を介して前記複屈折膜と貼り合わ
    されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一
    項に記載の光ピックアップ装置。
  11. 【請求項11】 情報記録媒体の記録面上に光スポット
    を照射し、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくと
    も再生を行なう光ディスク装置であって、 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光ピックアップ
    装置と;前記光ピックアップ装置からの出力信号を用い
    て、前記情報の再生を行う処理装置と;を備える光ディ
    スク装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005069287A1 (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Sharp Kabushiki Kaisha ホログラム素子を備える光集積ユニットおよび光ピックアップ装置
JP2007328128A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Ricoh Opt Ind Co Ltd 光学素子及びその製造方法

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