JP3964276B2 - センサモジュール、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

センサモジュール、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセンサモジュール、光ピックアップ装置及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、光ピックアップ装置に用いられるセンサモジュール、情報記録媒体の記録面に光を照射し、該記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置及び該光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と略述する)は、その機能が向上するに伴い、音楽や映像といったAV(Audio-Visual)情報を取り扱うことが可能となってきた。これらAV情報の情報量は非常に大きいために、情報記録媒体としてCD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)などの大容量の光ディスクが注目されるようになり、その低価格化とともに、光ディスクをアクセスするためのドライブ装置として光ディスク装置がパソコンの周辺機器の一つとして普及するようになった。
【0003】
光ディスク装置では、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された光ディスクなどの情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射して情報の記録又は消去を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディスク装置は、記録面にレーザ光を照射して光スポットを形成するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として光ピックアップ装置を備えている。
【0004】
一般的に光ピックアップ装置は、対物レンズを含み、光源から出射される光束を記録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された受光素子などを備えている。この受光素子からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報(サーボ情報)などを含む信号が出力される。そして、光ディスク装置は、受光素子からの出力信号に基づいて、記録面の所定位置に所定形状の光スポットが形成されるように各種サーボ制御を行っている。
【0005】
通常光ピックアップ装置の光学系には、戻り光束を受光素子の受光方向に分岐するための分岐光学素子が含まれている。この分岐光学素子としては、分岐作用が入射する光束の偏光方向に依存しない無偏光性分岐光学素子と、入射する光束の偏光方向に応じて分岐作用が異なる偏光性分岐光学素子とがある。分岐光学素子が往路と復路の共通光路上に配置される場合に、無偏光性分岐光学素子では、光源から出射された光束もその一部が分岐されるため、記録面に照射される光量が減少し、高速記録への対応が困難となる。そこで、高速記録に対応した光ピックアップ装置では、分岐光学素子として偏光性分岐光学素子が多く用いられている。この場合には、光源から出射される光束の偏光方向に対して、例えばλ/4板などを用いて戻り光束の偏光方向をほぼ90度変更することにより、光源から出射された光束の殆どが偏光性分岐光学素子を透過し、戻り光束の大部分が偏光性分岐光学素子で分岐されるようにすることができる。すなわち、光利用効率が向上し、高速記録への対応が可能となる。
【0006】
また、一般に情報記録媒体では、透明の基板上に記録面が形成されており、対物レンズからの光束はその基板を通過して記録面に集光されるようになっている。情報記録媒体は通常樹脂成形品であり、その大部分は生産性の点から、成形品と類似した形状のキャビティを有する成形用型(通常は金型)に溶融状態の樹脂を加圧しながら注入する射出成形法及びそれに類似する方法により製造されている。成形品が情報記録媒体のような円盤形状の場合には、キャビティの中央部(情報記録媒体の回転中心部分に対応する部分)にダイレクトゲート(注入口)を持つラジアルフロータイプの成形用型を用いた成形方式が通常採用され、溶融樹脂はダイレクトゲートを介してキャビティの中央部から外周部に向かって流れていく。キャビティ内に注入された樹脂は、その温度及び冷却速度が一様ではないために、成形品に内部応力が残留したり、樹脂の密度が不均一となることがある。そこで、上記のようにして製造された情報記録媒体は光学的位相差(複屈折)を有する場合がある。例えば常光線に対する屈折率(常光線屈折率)と異常光線に対する屈折率(異常光線屈折率)とが異なる場合がある。このような光学的位相差を有する情報記録媒体を、偏光性分岐光学素子が用いられている光ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置でアクセスすると、偏光性分岐光学素子に入射する戻り光束には、予定していた偏光方向とは異なる偏光方向の成分が含まれることとなる。このために、偏光性分岐光学素子で分岐される戻り光束の光量が減少し、その結果受光素子から出力される信号の信号レベル及びS/N比が低下するという不都合があった。そして、最悪の場合には、光源から出射された光束と偏光性分岐光学素子に入射する戻り光束とで偏光方向が互いにほぼ一致し、偏光性分岐光学素子に入射する戻り光束の殆どは分岐されず光源に戻ることとなる。その結果受光素子での受光量は殆ど0となり、ウォブル信号やサーボ信号の検出が不可能となる。
【0007】
さらに、情報記録媒体は複数のメーカーから供給されており、同一種類の情報記録媒体であっても、メーカーによって光学的位相差の状況がそれぞれ異なっている。また、1枚の情報記録媒体においても情報記録媒体の回転中心からの距離によって光学的位相差の状況は異なっている。このような情報記録媒体を偏光性分岐光学素子が用いられている光ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置でアクセスすると、情報記録媒体の回転中心からの距離によって受光素子での戻り光束の受光量が大きく変化し、その結果受光素子から出力される信号の信号レベル及びS/N比が不安定になるという不都合もあった。また、情報記録媒体の温度変化によっても光学的位相差は変化するため、アクセス時にリアルタイムで光学的位相差を検出する必要がある。
【0008】
そこで、例えば特開2000−268398号公報(以下「第1の公知例」という)には、液晶パネルを用いて情報記録媒体の複屈折を補償する光ピックアップ装置が開示されている。この光ピックアップ装置は、戻り光束の振幅に基づいて情報記録媒体の複屈折に関する情報(以下「複屈折情報」と略述する)を求め、その結果に基づいて、液晶パネルを構成する液晶層内の液晶分子の配向方向を制御し、入射する光束に情報記録媒体の複屈折を打ち消すための光学的位相差を付与している。
【0009】
また、特にDVDのような高密度で大容量の情報記録媒体に対して情報の記録及び再生を行う場合には、記録面に微小な光スポットを形成するためにCDよりも短波長の光束を出射する光源及び高い開口数(N.A.)の対物レンズなどを備えたピックアップ装置を搭載した光ディスク装置が用いられる。この際に、例えば情報記録媒体のそりや偏重心などにより、記録面が対物レンズの光軸に垂直な平面に対して傾くと、その傾きに起因してコマ収差成分を含む波面収差が発生し易くなり、サイドローブの発生などにより記録面に所定の光スポットを形成することが困難となる。それらは、再生時のクロストークや記録時のピークパワーの低下などの一因となり、再生品質及び記録品質が著しく劣化するおそれがあった。そこで、一般的にDVD用の光ディスク装置には、情報記録媒体の傾きに関する情報(以下「傾き情報」と略述する)を電気信号として検出するためのチルトセンサが個別に配置されている。そして、このチルトセンサでの検出結果に基づいて、光ピックアップ装置のシークレールの傾斜を制御して情報記録媒体の傾きを補正していた。しかしながら、ノート型パソコンなどの小型情報機器にもDVD用の光ディスク装置を搭載することが望まれるようになると、上記のシークレールのような可動機構を用いた傾き補正方式は、光ディスク装置の小型化を実現するための障害の一つとなっていた。
【0010】
そこで、例えば特開平9−128785号公報(以下、「第2の公知例」という)には、光ピックアップ装置の光路上に波面収差に含まれるコマ収差成分を補正するための液晶パネルを配置した光ピックアップ装置が開示されている。この光ピックアップ装置は、液晶パネルを複数の領域に分割するとともに、チルトセンサからの出力信号に基づいて、液晶パネルの領域毎に屈折率を調整し、コマ収差成分を打ち消している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
情報記録媒体に対するアクセスを高速度で精度良く行うには、記録面の所定位置に所定形状の光スポットを精度良く形成するとともに、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを精度良く求める必要がある。
【0012】
しかしながら、上述した第1の公知例では、複屈折情報のみを検出しているために、傾き情報を検出するには新たに傾き情報を検出するための検出装置が必要となる。また、上述した第2の公知例では、傾き情報のみを検出しているために、複屈折情報を検出するには新たに複屈折情報を検出するための検出装置が必要となる。このように、傾き情報を検出するための検出装置と複屈折情報を検出するための検出装置とをそれぞれ個別に配置することは、光ピックアップ装置の大型化を招くとともに、部品点数の増加によるコスト上昇、信号線の増加による作業の複雑化などが生じるという不都合があった。
【0013】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、大型化及び高コスト化を招くことなく、情報記録媒体の光学的位相差及び傾きに関する情報を含む信号を精度良く出力することができるセンサモジュール及び光ピックアップ装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の第2の目的は、情報記録媒体への高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光ピックアップ装置に用いられるセンサモジュールであって、第1の光源と;前記第1の光源から出射された光束を情報記録媒体の記録面に向けて照射する第1の光学素子と;前記第1の光源から出射され前記第1の光学素子に向かう光束の一部が入射される偏光素子と;前記偏光素子を介して前記記録面に向けて照射された光束の前記記録面からの戻り光束のうち、再度前記偏光素子を透過した戻り光束を受光する第1の光検出器と;前記偏光素子を介することなく前記記録面に向けて照射された光束の前記記録面からの戻り光束を受光する複数の受光素子を含む第2の光検出器と;を備えるセンサモジュールである。
【0016】
これによれば、第1の光源から出射された光束は、その一部が偏光素子に入射し、所定の偏光方向の成分のみが透過する。そして、偏光素子を透過した光束は第1の光学素子を介して記録面に向けて照射される。この光束は情報記録媒体の記録面で反射され、戻り光束として第1の光学素子を介して偏光素子に入射する。偏光素子では戻り光束に含まれる所定の偏光方向の成分のみが透過し、第1の光検出器で受光される。そこで、例えば情報記録媒体に光学的位相差が存在すると、戻り光束には情報記録媒体の光学的位相差の大きさに応じて所定の偏光方向以外の成分が含まれることとなる。これにより、情報記録媒体に光学的位相差がない場合に比べて偏光素子を透過できる戻り光束の光量は減少し、第1の光検出器での受光量が減少する。すなわち、第1の光検出器からの出力信号は情報記録媒体の光学的位相差に関する情報を含むこととなる。
【0017】
また、第1の光源から出射され、偏光素子に入射しない光束は、そのまま第1の光学素子を介して記録面に向けて照射される。この光束は情報記録媒体の記録面で反射され、第1の光学素子を介して第2の光検出器を構成する複数の受光素子で受光される。そこで、例えば第2の光検出器を構成する2つ受光素子が記録面内の特定方向に対応する方向にほぼ隣接して配置されている場合に、第1の光学素子の光軸と特定方向とのなす角度が変化すると、その角度変化に応じて2つの受光素子での受光量の差が変化する。すなわち、第2の光検出器からの出力信号は情報記録媒体の傾きに関する情報を含むこととなる。
【0018】
従って、請求項1に記載の発明によると、大型化及び高コスト化を招くことなく、情報記録媒体の光学的位相差及び情報記録媒体の傾きに関する情報を含む信号を精度良く出力することが可能となる。
【0019】
この場合において、請求項2に記載のセンサモジュールの如く、前記第1の光学素子は、前記第1の光源から出射された光束を略平行光として前記記録面に向けて照射することとすることができる。
【0020】
上記請求項1及び2に記載の各センサモジュールにおいて、請求項3に記載のセンサモジュールの如く、前記偏光素子と前記第1の光学素子との間に配置され、通過する光束に1/8波長の光学的位相差を付与する第2の光学素子を更に備えることとすることができる。かかる場合には、第2の光学素子がない場合に比べて情報記録媒体の光学的位相差の変化に対する第1の光検出器での受光量変化が大きくなり、情報記録媒体の光学的位相差に関する情報を感度良く出力することが可能となる。また、情報記録媒体に光学的位相差がない場合の第1の光検出器での受光量を基準受光量とし、情報記録媒体に光学的位相差がある場合の第1の光検出器での受光量と基準受光量との大小関係を求めることによって光学的位相差における遅相軸方向を知ることも可能である。
【0021】
上記請求項1〜3に記載の各センサモジュールにおいて、請求項3に記載のセンサモジュールの如く、前記第1の光源と前記第1の光検出器と前記第2の光検出器とが同一の基板上に配置されていることとすることができる。かかる場合には、センサモジュールの小型化を促進することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサモジュールと;前記情報記録媒体に対応した波長の光束を出射する第2の光源と;前記第2の光源から出射される光束を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射され前記対物レンズを介した戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;前記受光位置に配置された第3の光検出器と;を備える光ピックアップ装置である。
【0023】
これによれば、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサモジュールを備えていることから、大型化及び高コスト化を招くことなく、情報記録媒体の光学的位相差及び情報記録媒体の傾きに関する情報を含む信号を精度良く出力することが可能となる。
【0024】
この場合において、請求項6に記載の光ピックアップ装置の如く、前記第1の光検出器からの出力信号と前記第2の光検出器からの出力信号とに基づいて、前記情報記録媒体の光学的位相差及び前記対物レンズに対する前記情報記録媒体の傾きに関する情報を検出する検出手段を更に備えることとすることができる。
【0025】
この場合において、請求項7に記載の光ピックアップ装置の如く、前記検出手段は、前記第1の光検出器からの出力信号と前記第2の光検出器からの出力信号との差信号に基づいて、前記光学的位相差に関する情報を検出することとすることができる。あるいは、請求項8に記載の光ピックアップ装置の如く、前記検出手段は、前記第2の光検出器からの出力信号に対する前記第1の光検出器からの出力信号の割合に基づいて、前記光学的位相差に関する情報を検出することとすることができる。
【0026】
上記請求項6〜8に記載の各光ピックアップ装置において、請求項9に記載の光ピックアップ装置の如く、前記第2の光検出器が第1の受光素子と第2の受光素子とに分割された2分割受光素子を含む場合には、前記検出手段は、前記第1の受光素子からの出力信号と前記第2の受光素子からの出力信号との差信号に基づいて、前記傾きに関する情報を検出することとすることができる。
【0027】
この場合において、請求項10に記載の光ピックアップ装置の如く、前記2分割受光素子が前記情報記録媒体のトラックの接線方向に対応する方向の分割線によって分割されている場合には、前記検出手段は、前記情報記録媒体のトラックの接線方向に直交する方向の傾きに関する情報を検出することとすることができる。
【0028】
請求項11に記載の発明は、情報記録媒体に対して、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求項5に記載の光ピックアップ装置と;前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報記録媒体の光学的位相差及び前記対物レンズに対する前記情報記録媒体の傾きに関する情報を検出する検出手段と;前記検出手段での検出結果に基づいて前記情報記録媒体の光学的位相差及び前記対物レンズに対する前記情報記録媒体の傾きを補正する補正手段と;前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0029】
これによれば、請求項5に記載の光ピックアップ装置が用いられ、検出手段により光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、情報記録媒体の光学的位相差及び傾きに関する情報が精度良く検出される。そして、これらの検出結果に基づいて補正手段により情報記録媒体の光学的位相差及び傾きが補正されるために、情報記録媒体の記録面に所定の光スポットを正確に形成することができる。従って、結果として情報記録媒体への高速度での情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。
【0030】
この場合において、請求項12に記載の光ディスク装置の如く、前記検出手段は、前記第1の光検出器からの出力信号と前記第2の光検出器からの出力信号との差信号に基づいて、前記光学的位相差に関する情報を検出することとすることができる。あるいは、請求項13に記載の光ディスク装置の如く、前記検出手段は、前記第2の光検出器からの出力信号に対する前記第1の光検出器からの出力信号の割合に基づいて、前記光学的位相差に関する情報を検出することとすることができる。
【0031】
上記請求項11〜13に記載の各光ディスク装置において、請求項14に記載の光ディスク装置の如く、前記第2の光検出器が第1の受光素子と第2の受光素子とに分割された2分割受光素子を含む場合には、前記検出手段は、前記第1の受光素子からの出力信号と前記第2の受光素子からの出力信号との差信号に基づいて、前記傾きに関する情報を検出することとすることができる。
【0032】
この場合において、請求項15に記載の光ディスク装置の如く、前記2分割受光素子が前記情報記録媒体のトラックの接線方向に対応する方向の分割線によって分割されている場合には、前記検出手段は、前記情報記録媒体のトラックの接線方向に直交する方向の傾きに関する情報を検出することとすることができる。
【0033】
請求項16に記載の発明は、情報記録媒体に対して、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求項6〜10のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置と;前記検出手段での検出結果に基づいて前記情報記録媒体の光学的位相差及び前記対物レンズに対する前記情報記録媒体の傾きを補正する補正手段と;前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0034】
これによれば、請求項6〜10のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置が用いられることにより、情報記録媒体の光学的位相差及び対物レンズに対する情報記録媒体の傾きに関する情報が精度良く検出される。そして、それらの検出結果に基づいて補正手段により情報記録媒体の光学的位相差及び傾きが補正されるため、情報記録媒体の記録面に所定の光スポットを正確に形成することができる。従って、結果として情報記録媒体への高速度での情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。
【0035】
上記請求項11〜16に記載の各光ディスク装置において、請求項17に記載の光ディスク装置の如く、前記偏光素子は、前記情報記録媒体のトラックの接線方向に対応する方向とほぼ角度45°をなす方向を偏光方向とする光束を選択的に透過させることとすることができる。ここで、「角度」とは、方向と方向とが成す角の大きさを意味し、その角度方向(正負)までは含まない概念である。本明細書では、かかる概念として、「角度」という語彙を用いるものとする。
【0036】
上記請求項11〜17に記載の各光ディスク装置において、請求項18に記載の光ディスク装置の如く、前記偏光素子に入射する光束は、前記第1の光源から出射された光束を前記情報記録媒体のトラックの接線方向に直交する方向に対応する方向の分割線によって2分割したときの一方の光束であることとすることができる。
【0037】
上記請求項11〜18に記載の各光ディスク装置において、請求項19に記載の光ディスク装置の如く、前記第1の光源から出射された光束及び前記第2の光源から出射された光束は、前記情報記録媒体の回転中心からの距離が互いにほぼ等しい位置にそれぞれ照射されることとすることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0039】
図1には、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0040】
この図1に示される光ディスク装置20は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、ドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0041】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。なお、この光ピックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0042】
前記再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてウォブル信号、RF信号及びサーボ信号(フォーカスエラー信号、トラックエラー信号)などを検出する。そして、再生信号処理回路28はウォブル信号からアドレス情報及び同期信号等を抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。さらに、再生信号処理回路28はRF信号に対して誤り訂正処理等を行なった後、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、サーボ信号は再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。
【0043】
前記サーボコントローラ33は、再生信号処理回路28からのサーボ信号及び光ピックアップ装置23からの後述する検出信号に基づいて光ピックアップ装置23を制御する各種制御信号を生成し、ドライバ27に出力する。
【0044】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定の値になるとCPU40に通知する。
【0045】
前記ドライバ27は、サーボコントローラ33からの制御信号及びCPU40の指示に基づいて、光ピックアップ装置23及びスピンドルモータ22を制御する。
【0046】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されているデータをバッファマネージャ37を介して取り出し、エラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込みデータを作成するとともに、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して、書き込みデータをレーザコントロール回路24に出力する。
【0047】
前記レーザコントロール回路24は、エンコーダ25からの書き込みデータ及びCPU40の指示に基づいて、光ピックアップ装置23から出射されるレーザ光の出力を制御する。
【0048】
前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)及びSCSI(Small Computer System Interface)等の標準インターフェースに準拠している。
【0049】
前記ROM39には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。そして、CPU40は、ROM39に格納されているプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存する。
【0050】
次に、前記光ピックアップ装置23の構成等について図2に基づいて説明する。
【0051】
光ピックアップ装置23は、図2に示されるように、光源ユニット51、コリメートレンズ52、偏光ビームスプリッタ54、検出レンズ58、第3の光検出器としての受光器59、立ち上げミラー71、第1の液晶素子72、λ/4板55、第2の液晶素子73、対物レンズ60、センサモジュール80、チルト・位相差検出回路88及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ(いずれも図示省略))などを備えている。
【0052】
前記光源ユニット51は、所定の波長の光束を発光する第2の光源としての半導体レーザ(図示省略)を含んで構成されている。なお、光源ユニット51から出射される光束の最大強度出射方向を+X方向とする。また、本実施形態では、一例として光源ユニット51からは偏光ビームスプリッタ54の入射面に平行な偏光(P偏光)の光束が出射されるものとする。そして、この光源ユニット51の+X側には、前記コリメートレンズ52が配置され、光源ユニット51から出射された光束を略平行光とする。
【0053】
前記偏光ビームスプリッタ54は、コリメートレンズ52の+X側に配置されている。この偏光ビームスプリッタ54は、入射する光束の偏光方向に応じてその反射率が異なっている。本実施形態では、一例としてP偏光の光束に対する反射率は小さく、S偏光の光束に対する反射率は大きくなるように偏光ビームスプリッタ54が設定されているものする。すなわち、光源ユニット51から出射された光束の大部分は偏光ビームスプリッタ54を透過することができる。また、光ディスク15の記録面で反射し、対物レンズ60を介した戻り光束に含まれるS偏光成分は偏光ビームスプリッタ54で−Z側に反射され、P偏光成分は偏光ビームスプリッタ54を透過する。この偏光ビームスプリッタ54の+X側には、前記立ち上げミラー71が配置され、偏光ビームスプリッタ54を透過した光束を+Z方向に反射するとともに、対物レンズ60を介した戻り光束を−X方向に反射する。
【0054】
立ち上げミラー71の+Z側には、光ディスク15の傾きに起因して発生する波面収差に含まれるコマ収差成分を補正するための前記第1の液晶素子72が配置されている。この第1の液晶素子72は複数の部分領域から構成されており、各部分領域にはドライバ27から電圧がそれぞれ印加されるようになっている。すなわち、ドライバ27からの印加電圧によって第1の液晶素子72の屈折率分布が制御される。
【0055】
第1の液晶素子72の+Z側には前記λ/4板55が配置され、そのλ/4板55の+Z側には、光ディスク15の光学的位相差を補正するための前記第2の液晶素子73が配置されている。第2の液晶素子73にはドライバ27から電圧が印加され、その印加電圧に応じて第2の液晶素子73の屈折率が変化する。この第2の液晶素子73の+Z側には、前記対物レンズ60が配置されている。
【0056】
前記センサモジュール80は、受発光モジュール81、偏光素子としての偏光光学素子82及び第1の光学素子としてのコリメートレンズ83などを備えている。
【0057】
前記受発光モジュール81は、一例として図3に示されるように、光ディスク15の光学的位相差及び傾きに関する情報を検出するための光束を発光する第1の光源としてのLED85、及び該LED85で発光され記録面で反射された戻り光束を受光する受光器86を含んで構成されている。また、LED85及び受光器86は共通の基板84上の所定位置にそれぞれ配置されている。そして、受発光モジュール81から+Z方向に光束が出射されるように基板84は配置されている。
【0058】
前記コリメートレンズ83は、受発光モジュール81の+Z側に配置され、受発光モジュール81から出射された光束を略平行光とし記録面に向けて照射する。
【0059】
前記偏光光学素子82は、受発光モジュール81から出射されコリメートレンズ83に入射する光束のうち、ほぼ半分の光束(ここでは、図2における紙面左半分の光束、以下「第1の光束」という)が入射するように配置されている。そして、偏光光学素子82は、この第1の光束に含まれる所定の直線偏光成分を選択的に透過させる。偏光光学素子82を透過した第1の光束はコリメートレンズ83に入射する。記録面で反射された第1の光束の戻り光束は、コリメートレンズ83を介して再度偏光素子82に入射する。なお、受発光モジュール81から出射され、偏光光学素子82に入射しない光束(ここでは、図2における紙面右半分の光束、以下「第2の光束」という)は、そのままコリメートレンズ83に入射する。また、本実施形態では、一例として第1の光束と第2の光束との境界線の方向(ここでは、Y軸方向)は、トラックの接線方向(以下「タンジェンシャル方向」ともいう)に直交する方向(以下「ラジアル方向」ともいう)に対応する方向とほぼ一致しているものとする。
【0060】
一般に光ディスクの内周側(回転中心に近い領域)では、一例として図4(A)に示されるように、遅相軸方向すなわち最大屈折率方向はラジアル方向(R方向)であり、ラジアル方向の屈折率nr>タンジェンシャル方向(T方向)の屈折率ntとなる。一方光ディスクの外周側では、一例として図4(B)に示されるように、遅相軸方向はタンジェンシャル方向であり、nr<ntとなる。従って、一例として図5に示されるように、回転中心からの距離によって光ディスクの光学的位相差は異なっている。ここでは、遅相軸方向がラジアル方向の場合を正、遅相軸方向がタンジェンシャル方向の場合を負としている。そこで、本実施形態では、一例として偏光方向がラジアル方向に対応する方向に対してほぼ角度45°となるように偏光光学素子82の透過軸又は吸収軸が配置されている。これにより、光ディスクに光学的位相差が存在する場合には、偏光光学素子82を透過した直線偏光の第1の光束は、その光ディスクの基板を通過することにより、その光学的位相差の大きさに応じた楕円偏光となる。
【0061】
偏光光学素子82には、一例としてPVA(ポリビニルアルコール)のフィルムにヨウ素を含浸させて延伸し、その両面に保護用のTACフィルムを貼り合わせて作製された偏光板などを用いることができる。
【0062】
前記受光器86は、一例として図6に示されるように、その受光領域がラジアル方向に対応する方向(ここではY軸方向)の分割線によって2分割され、その分割線の+X側の領域が更にタンジェンシャル方向に対応する方向(ここではX軸方向)の分割線によって2分割されている。すなわち、3つの分割受光素子86a,86b,86cから構成されている。そして、偏光光学素子82を介した戻り光束は第1の光検出器としての分割受光素子86aで受光され、偏光光学素子82を介さない戻り光束は第2の光検出器としての分割受光素子86b,86cで受光される。
【0063】
《光ディスクの傾きに関する情報の検出》
ここでは、ラジアル方向の傾き(以下「ラジアルチルト」ともいう)に関する情報(ラジアルチルト情報)の検出について説明する。
【0064】
ラジアルチルト情報は、分割受光素子86bからの出力信号と分割受光素子86cからの出力信号とに基づいて検出することができる。ここで、ラジアルチルトが極めて小さい場合には、図6に示されるように、分割受光素子86bでの受光量と分割受光素子86cでの受光量とが互いにほぼ等しくなるように基板84を配置すると、ラジアルチルトが大きくなるにつれて、例えば図7(A)及び図7(B)に示されるように、戻り光束の受光位置がY軸方向にシフトし、分割受光素子86bでの受光量と分割受光素子86cでの受光量とが互いに異なるようになる。受光位置のシフト量はラジアルチルトの大きさに比例するために、分割受光素子86bからの出力信号と分割受光素子86cからの出力信号との差分からラジアルチルトの大きさに関する情報を求めることができる。また、各分割受光素子からの出力信号の大小関係からラジアルチルトの方向に関する情報を求めることができる。
【0065】
《光ディスクの光学的位相差に関する情報の検出》
次に、光ディスクの光学的位相差に関する情報の検出について説明する。
【0066】
受発光モジュール81から出射され偏光光学素子82に入射した光束は、透過軸方向を偏光方向とする所定の直線偏光成分のみが偏光光学素子82を透過し、コリメートレンズ83を介して記録面に向けて照射される。光ディスク15の光学的位相差が極めて小さい場合には、この直線偏光の光束は光ディスク15の基板を通過中に偏光方向が変わることなく、そのまま記録面に到達する。記録面で反射した光束は直線偏光のままコリメートレンズ83を介して偏光光学素子82に入射し、その殆どが偏光光学素子82を透過して分割受光素子86aで受光される。
【0067】
一方、光ディスク15の光学的位相差が大きい場合には、上記直線偏光の光束は光ディスク15の基板を通過中にその偏光方向が変化し、光学的位相差の大きさに対応した楕円度の楕円偏光となって記録面に到達する。記録面で反射した光束は再度光ディスク15の基板を通過中にその偏光方向が変化し、更に楕円度の大きな楕円偏光となって偏光光学素子82に入射する。偏光光学素子82では、戻り光束に含まれる所定の直線偏光成分のみが透過し、分割受光素子86aで受光される。すなわち、一例として図8(A)及び図8(B)に示されるように、光ディスク15の光学的位相差の大きさに対応して分割受光素子86aでの受光量が減少する。従って、一例として図9に示されるように、分割受光素子86aでの受光量の減少量から光ディスク15の光学的位相差に関する情報を求めることができる。
【0068】
そこで前記チルト・位相差検出回路88は、例えば図10に示されるように、I−V変換回路88a、第1の減算器88b、加算器88c、除算器88d、及び第2の減算器88eなどから構成されている。前記I−V変換回路88aは、分割受光素子86aからの出力信号(電流信号)を信号S86a(電圧信号)に変換し、分割受光素子86bからの出力信号(電流信号)を信号S86b(電圧信号)に変換し、分割受光素子86cからの出力信号(電流信号)を信号S86c(電圧信号)に変換する。前記第1の減算器88bは信号S86bと信号S86cとの差信号を求め、前記加算器88cは信号S86bと信号S86cとの和信号を求める。前記除算器88dは第1の減算器88bからの出力信号S88bを加算器88cからの出力信号S88cで除算する。この除算器88dでの演算結果はチルト検出信号としてサーボコントローラ33に出力される。前記第2の減算器88eは信号S86aと加算器88cからの出力信号S88cとの差信号を求める。この第2の減算器88eでの演算結果は位相差検出信号としてサーボコントローラ33に出力される。すなわち、次の(1)式に基づいてチルト検出信号STを、次の(2)式に基づいて位相差検出信号SPを求める。
【0069】
ST=(S86b-S86c)/(S86b+S86c) ……(1)
【0070】
SP=S86a-(S86b+S86c) ……(2)
【0071】
位相差検出信号と光ディスク15の光学的位相差に起因する偏光方向の変化との相関関係は、実験等によって予め求められている。サーボコントローラ33では、その相関関係に基づいて、第2の液晶素子73に印加する電圧を算出し、ドライバ27に出力する。これによって、第2の液晶素子73を通過する光束の偏光方向は、光ディスク15の基板通過による偏光方向の変化を打ち消すように変化する。また、チルト検出信号と光ディスク15のラジアルチルトに起因するコマ収差成分との相関関係は、実験等によって予め求められている。サーボコントローラ33では、その相関関係に基づいて、第1の液晶素子72に印加する電圧を算出し、ドライバ27に出力する。これによって、第1の液晶素子72を通過する光束は、ラジアルチルトに起因するコマ収差成分を打ち消すような波面収差を生じる。
【0072】
なお、対物レンズ60を介して照射される光束と、コリメートレンズ83を介して照射される光束とは、互いに光ディスク15の回転中心からほぼ等距離の位置に照射されるように設定されている。
【0073】
上記のように構成される光ピックアップ装置23の作用を説明する。なお、ここでは便宜上、光ディスクの光学的位相差が極めて小さい場合には、分割受光素子86aでの受光量と、分割受光素子86bでの受光量と分割受光素子86cでの受光量との合計受光量とがほぼ等しくなるように設定されているものとする。また、ラジアルチルトが極めて小さい場合には、分割受光素子86bでの受光量と分割受光素子86cでの受光量とがほぼ等しくなるように設定されているものとする。
【0074】
《光ディスクの光学的位相差及びラジアルチルトが極めて小さい場合》
先ず光ディスク15の光学的位相差及びラジアルチルトが極めて小さい場合について説明する。なお、第1の液晶素子72及び第2の液晶素子73の印加電圧は0Vであるものとする。
【0075】
光源ユニット51から+X方向に出射された直線偏光(ここではP偏光)の光束は、コリメートレンズ52で略平行光となった後、偏光ビームスプリッタ54に入射する。この光束の大部分は偏光ビームスプリッタ54をそのまま透過し、立ち上げミラー71で+Z方向に反射される。この光束は第1の液晶素子72を透過し、λ/4板55で円偏光に変換された後、第2の液晶素子73を透過し、対物レンズ60を介して光ディスク15に照射される。光ディスク15に照射された光束は、光学的位相差が極めて小さいため、基板を透過する際に偏光方向が変化することなく記録面に集光される。また、ラジアルチルトが極めて小さいため、所定形状の光スポットが記録面の所定位置に形成される。
【0076】
光ディスク15の記録面にて反射した戻り光束は、往路とは反対回りの円偏光の光束となる。この戻り光束は光ディスク15の基板をそのまま透過し対物レンズ60に入射する。対物レンズ60で再び略平行光とされた戻り光束は、第2の液晶素子73を透過し、λ/4板55で直線偏光(ここではS偏光)に変換される。そして、直線偏光に変換された光束は、第1の液晶素子72を透過し、立ち上げミラー71で−X方向に反射され、偏光ビームスプリッタ54に入射する。
【0077】
偏光ビームスプリッタ54に入射した戻り光束は、その殆どが−Z方向に反射され、検出レンズ58を介して受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子は、受光量に応じた信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0078】
また、センサモジュール80の各分割受光素子は、前述の如くして光ディスク15の光学的位相差及びラジアルチルトに関する情報を含む信号をチルト・位相差検出回路88に出力する。
【0079】
チルト・位相差検出回路88は、センサモジュール80の各分割受光素子からの出力信号に基づいて位相差検出信号とチルト検出信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。ここでは、信号S86aと加算器88cからの出力信号S88cとはほぼ等しくなり、第2の減算器88eの出力信号は殆ど0となる。すなわち、位相差検出信号は0となる。また、信号S86bと信号S86cとはほぼ等しくなり、第1の減算器88bの出力信号S88bは殆ど0となる。すなわち、チルト検出信号も0となる。従って、第1の液晶素子72及び第2の液晶素子73の印加電圧は0Vのままとなる。
【0080】
《光ディスクの光学的位相差及びラジアルチルトが大きい場合》
次に光ディスクの光学的位相差及びラジアルチルトが大きい場合について説明する。なお、第1の液晶素子72及び第2の液晶素子73の印加電圧は0Vであるものとする。
【0081】
光源ユニット51から+X方向に出射された直線偏光(ここではP偏光)の光束は、コリメートレンズ52で略平行光となった後、偏光ビームスプリッタ54に入射する。この光束の大部分は偏光ビームスプリッタ54をそのまま透過し、立ち上げミラー71で+Z方向に反射される。この光束は第1の液晶素子72を透過し、λ/4板55で直線偏光から円偏光に変換された後、第2の液晶素子73を透過し、対物レンズ60を介して光ディスク15に照射される。光ディスク15に照射された光束は基板を透過する際に偏光方向が変化し、楕円偏光となって記録面に集光される。また、ラジアルチルトが大きいため、所定位置からずれた位置に適正形状とは異なる形状の光スポットが形成される。
【0082】
光ディスク15の記録面にて反射した戻り光束は、往路とは反対回りの楕円偏光の光束となる。この戻り光束は基板を透過する際に再度偏光方向が変化し、楕円度の大きな楕円偏光となって対物レンズ60に入射する。対物レンズ60で再び略平行光とされた戻り光束は、λ/4板55で楕円度が異なる楕円偏光となる。この楕円偏光の戻り光束は、立ち上げミラー71で−X方向に反射され、偏光ビームスプリッタ54に入射する。
【0083】
偏光ビームスプリッタ54に入射した戻り光束に含まれるS偏光成分は、−Z方向に反射され、検出レンズ58を介して受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子は、受光量に応じた信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。一方、偏光ビームスプリッタ54に入射した戻り光束に含まれるP偏光成分は、偏光ビームスプリッタ54を透過して光源ユニット51に入射する。
【0084】
また、センサモジュール80の各分割受光素子は、前述の如くして光ディスク15の光学的位相差及びラジアルチルトに関する情報を含む信号をチルト・位相差検出回路88に出力する。
【0085】
チルト・位相差検出回路88は、センサモジュール80の各分割受光素子からの出力信号に基づいて位相差検出信号とチルト検出信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。ここでは、信号S86aは加算器84cからの出力信号S84cよりも小さくなり、第2の減算器84eの出力信号は0とはならない。すなわち、位相差検出信号は0ではない。また、信号S86bと信号S86cとは等しくないため、第1の減算器88bの出力信号S88bは0とはならない。すなわち、チルト検出信号も0ではない。従って、第1の液晶素子72にはチルト検出信号に基づいてサーボコントローラ33で算出された電圧がドライバ27を介して印加されることとなる。また、第2の液晶素子73には位相差検出信号に基づいてサーボコントローラ33で算出された電圧がドライバ27を介して印加されることとなる。
【0086】
これによって、記録面にはコマ収差成分が極めて小さい円偏光の光束が照射され、記録面の所定位置に所定形状の光スポットが形成される。また、偏光ビームスプリッタ54に入射する戻り光束の殆どはS偏光となり、戻り光束の殆どが受光器59で受光される。
【0087】
《記録処理》
次に、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15にデータを記録する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0088】
CPU40は、ホストから記録要求のコマンドを受信すると、指定された記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をドライバ27に出力するとともに、ホストから記録要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、CPU40は、ホストから受信したデータをバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に蓄積する。
【0089】
チルト・位相差検出回路88は、前述の如くしてチルト検出信号及び位相差検出信号を求め、サーボコントローラ33に出力する。サーボコントローラ33は各検出信号に基づいて、ドライバ27を介して第1の液晶素子72及び第2の液晶素子73の印加電圧を調整する。すなわち、チルト・位相差補正が行われる。光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、再生信号処理回路28は受光器59からの出力信号に基づいてトラックエラー信号及びフォーカスエラー信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。
【0090】
サーボコントローラ33は、トラックエラー信号に基づいて、ドライバ27を介して光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータを駆動し、トラックずれを補正する。また、サーボコントローラ33は、フォーカスエラー信号に基づいて、ドライバ27を介して光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータを駆動し、フォーカスずれを補正する。すなわち、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。
【0091】
また、再生信号処理回路28は、受光器59からの出力信号に基づいてアドレス情報を取得し、CPU40に通知する。そして、CPU40は、アドレス情報に基づいて、指定された書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するように光ピックアップ装置23のシークモータを制御する信号をドライバ27に出力する。
【0092】
CPU40は、バッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたデータ量が所定の量を超えたとの通知を受けると、エンコーダ25に書き込みデータの作成を指示する。また、CPU40は、アドレス情報に基づいて、光ピックアップ装置23の位置が書き込み開始地点であると判断すると、エンコーダ25に通知する。そして、エンコーダ25は、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して、書き込みデータを光ディスク15に記録する。
【0093】
《再生処理》
続いて前述した光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に記録されているデータを再生する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0094】
CPU40は、ホストから再生要求のコマンドを受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をドライバ27に出力するとともに、ホストから再生要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。そして、上記記録処理の場合と同様にして、チルト・位相差補正、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。また、再生信号処理回路28は、上記記録処理の場合と同様にアドレス情報を検出し、CPU40に通知する。
【0095】
CPU40は、アドレス情報に基づいて、指定された読み込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する信号をドライバ27に出力する。CPU40は、アドレス情報に基づいて、光ピックアップ装置23の位置が読み込み開始地点であると判断すると、再生信号処理回路28に通知する。
【0096】
そして、再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてRF信号を検出し、誤り訂正処理等を行った後、バッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
【0097】
なお、記録処理及び再生処理が終了するまで、前述したチルト・位相差補正、トラッキング制御及びフォーカス制御が随時行われる。
【0098】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置20では、再生信号処理回路28と、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。なお、上記実施形態において、CPU40によるプログラムに従う処理によって実現した処理装置の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは処理装置の全てをハードウェアによって構成することとしても良い。また、チルト・位相差検出回路88によって光ピックアップ装置の検出手段が実現されている。さらに、第1の液晶素子72と第2の液晶素子73によって光ディスク装置の補正手段が実現されている。
【0099】
以上説明したように、本実施形態に係るセンサモジュール及び光ピックアップ装置によると、LED85から出射された光束は、その一部が偏光光学素子82に入射し、所定の偏光方向の成分のみが透過する。そして、偏光光学素子82を透過した光束は、コリメートレンズ83を介して記録面に向けて照射される。この光束は記録面で反射し、戻り光束としてコリメートレンズ83を介して偏光光学素子82に入射する。偏光光学素子82では戻り光束に含まれる所定の偏光方向の成分のみが透過され、分割受光素子86aで受光される。そこで、光ディスク15に光学的位相差が存在する場合には、その光学的位相差の大きさに応じて光ディスク15の基板を通過する光束の偏光状態が変化し、戻り光束には所定の偏光方向以外の成分が含まれることとなる。これにより、偏光光学素子82を透過する戻り光束の光量は減少し、分割受光素子86aでの受光量が減少する。すなわち、分割受光素子86aからの出力信号は光ディスク15の光学的位相差に関する情報を含むこととなる。また、LED85から出射され、偏光光学素子82に入射しない光束は、そのままコリメートレンズ83を介して記録面に向けて照射される。この光束は記録面で反射し、コリメートレンズ83を介して分割受光素子86b,86cで受光される。そこで、光ディスク15にラジアルチルトが存在する場合には、そのラジアルチルトの大きさ及び方向に応じてラジアル方向に対応する方向に戻り光束の受光位置がシフトし、分割受光素子86b,86cでの受光量の差が変化する。すなわち、分割受光素子86b,86cからの出力信号は光ディスク15のラジアルチルトに関する情報を含むこととなる。従って、大型化及び高コスト化を招くことなく、情報記録媒体の光学的位相差及び傾きに関する情報を含む信号を精度良く出力することが可能となる。
【0100】
また、本実施形態に係る光ディスク装置によると、所定の光スポットが精度良く安定して記録面に形成されるため、例えば、検出光量の低下、隣接トラックの干渉、及び符号間の干渉などによる受光器59から出力される信号の劣化を防止することができる。すなわち、再生信号、ウォブル信号及びサーボ信号を精度良く安定して検出することができる。また、情報の記録の際には、規格外の記録マークの形成、書き込みパワーの不足、及び記録マークの形成不全などの発生を防止することができる。すなわち、記録品質に優れた記録を行うことができる。従って、情報記録媒体への高速度でのアクセスを安定して行うことが可能となる。さらに、光ピックアップ装置の小型化及び軽量化によって、光ディスク装置自体の小型化及び消費電力の低減も促進することができ、例えば携帯用として用いられる場合には、持ち運びが容易になるとともに、長時間の使用が可能となる。
【0101】
なお、上記実施形態では、上記(2)式に基づいて位相差検出信号を求める場合について説明したが、これに限らず、例えば次の(3)式に基づいて位相差検出信号SPを求めても良い。
【0102】
SP={S86a-(S86b+S86c)}/(S86a+S86b+S86c) ……(3)
【0103】
この場合には、チルト・位相差検出回路88の代わりに、図11に示されるように、信号S86aと信号S86bと信号S86cとを加算する加算器88f、及び第2の減算器88eからの出力信号S88eを加算器88fからの出力信号S88fで除算する除算器88gが付加されたチルト・位相差検出回路88’が用いられることとなる。そして除算器88gでの演算結果が位相差検出信号としてサーボコントローラ33に出力される。
【0104】
また、上記(3)式の変形例として、次の(4)式あるいは(5)式に基づいて位相差検出信号SPを求めても良い。
【0105】
SP={S86a-(S86b+S86c)}/(S86b+S86c) ……(4)
【0106】
SP=S86a/(S86b+S86c) ……(5)
【0107】
また、一例として図12に示されるように、CPUによってチルト検出信号及び位相差検出信号を求めるチルト・位相差検出回路88’’を用いても良い。この場合には、チルト・位相差検出回路88における演算部88b〜88eの代わりに、マルチプレクサ88h、AD変換器88i及びCPU88jが用いられる。マルチプレクサ88hは、CPU88jの指示によりほぼ一定間隔でS86a、S86b及びS86cを順に出力する。AD変換器88iは、マルチプレクサ88hからの出力信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。CPU88jは、AD変換器88iからのデジタル信号に基づいてチルト検出信号及び位相差検出信号を求める。ここでは、ラジアル方向における傾き及び光学的位相差を求めているために、サンプリング間隔は秒単位でよく、ハードウェアの動作速度や信号処理速度の制約を受けることはない。なお、CPU88jでは上記(1)式及び(2)式(又は(3)式〜(5)式のいずれか)と同様な演算処理が行われる。ここで、多チャンネルに対応したAD変換器を用いればマルチプレクサ88hは不要となる。また、CPU88jの処理をCPU40が行っても良い。そして、この場合に、AD変換器88iでの処理をCPU40に付加されているAD変換器(図示省略)で行っても良い。これにより、部品点数が減少し、コスト削減を促進することができる。
【0108】
また、一例として図13に示されるように、センサモジュール80に代えて、偏光光学素子82とコリメートレンズ83との間に、通過する光束に1/8波長の光学的位相差を付与する第2の光学素子としての波長板87を更に備えたセンサモジュール80’を用いても良い。これにより、一例として図14(A)及び図14(B)に示されるように、上記実施形態(図8(A)及び図8(B)参照)よりも受光量の変化が大きくなる。すなわち、光ディスクの光学的位相差に応じて受光量が大きく増減するので上記実施形態よりも高感度で光ディスクの光学的位相差に関する情報を求めることができる。また、一例として図15に示されるように、受光量は光学的位相差の主軸の方向に応じて増減するため、上記実施形態(図9参照)と異なり、光ディスクの遅相軸方向(ラジアル方向もしくはタンジェンシャル方向)を検出することも可能となる。
【0109】
なお、上記実施形態では、チルト・位相差検出回路が光ピックアップ装置に設けられた場合について説明したが、これに限らず、例えばチルト・位相差検出回路と同様な回路を再生信号処理回路28に付与しても良い。この場合にはチルト検出信号及び位相差検出信号は再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力されることとなる。
【0110】
なお、上記実施形態では、光源が1つの場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば波長が405nmの光束を出射する光源、波長が650nmの光束を出射する光源及び波長が780nmの光束を出射する光源のうち少なくとも2つの光源を備えていても良い。
【0111】
また、上記実施形態に係る光ディスク装置は、ホストと同一の筐体内に配置される、いわゆる内蔵タイプであっても良いし、ホストとは別の筐体内に配置される、いわゆる外付けタイプであっても良い。
【0112】
また、上記実施形態では、光ディスクとして、CD、DVD及び光磁気ディスクなど、光を利用して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生が行われる情報記録媒体を用いることができる。
【0113】
なお、上記実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生が可能な光ディスク装置であれば良い。
【0114】
また、上記実施形態では、戻り光束を分岐するための分岐光学素子として偏光ビームスプリッタを用いる場合について説明したが、これに限らず、例えば偏光ホログラム素子を用いても良い。これにより、光ピックアップ装置の小型化を促進することができる。
【0115】
なお、上記実施形態では、ラジアルチルトに関する情報を求める場合について説明したが、これに限らず、タンジェンシャルチルトに関する情報、あるいはラジアルチルト及びタンジェンシャルチルトの両方に関する情報を求めても良い。但し、この場合には、求める情報に応じて受光器の構成、各分割受光素子の配置などが異なってくる。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るセンサモジュール及び光ピックアップ装置によれば、大型化及び高コスト化を招くことなく、情報記録媒体の光学的位相差及び傾きに関する情報を含む信号を精度良く出力することができるという効果がある。
【0117】
また、本発明に係る光ディスク装置によれば、情報記録媒体への高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を説明するための図である。
【図3】図2におけるセンサモジュール80の構成を説明するための図である。
【図4】図4(A)は遅相軸方向がラジアル方向の場合を説明するための図であり、図4(B)は遅相軸方向がタンジェンシャル方向の場合を説明するための図である。
【図5】光ディスクにおける光学的位相差の発生状況の一例を説明するための図である。
【図6】図3における受光器86の構成を説明するための図である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、それぞれラジアルチルトによる受光位置のシフトを説明するための図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、それぞれ図2の光ピックアップ装置を用いて光ディスクをアクセスした際の、光学的位相差と受光量との関係を説明するための図である。
【図9】センサモジュール80を用いた場合の受光量の減少量と光学的位相差との関係を説明するための図である。
【図10】図2におけるチルト・位相差検出回路88の詳細を説明するための図である。
【図11】チルト・位相差検出回路の変形例(その1)を説明するための図である。
【図12】チルト・位相差検出回路の変形例(その2)を説明するための図である。
【図13】通過する光束に1/8波長の光学的位相差を付与する波長板を更に備えたセンサモジュール80’を用いた光ピックアップ装置を説明するための図である。
【図14】図14(A)及び図14(B)は、それぞれ図13の光ピックアップ装置を用いて光ディスクをアクセスした際の、光学的位相差と受光量との関係を説明するための図である。
【図15】センサモジュール80’を用いた場合の受光量の減少量と光学的位相差との関係を説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置、23…光ピックアップ装置、28…再生信号処理回路(処理装置の一部)、40…CPU(処理装置の一部)、59…受光器(第3の光検出器)、60…対物レンズ、72…第1の液晶素子(補正手段の一部)、73…第2の液晶素子(補正手段の一部)、80,80’…センサモジュール、82…偏光光学素子(偏光素子)、83…コリメートレンズ(第1の光学素子)、84…基板、85…LED(第1の光源)、86a…分割受光素子(第1の光検出器)、86b,86c…分割受光素子(第2の光検出器)、87…波長板(第2の光学素子)、88,88’,88’’…チルト・位相差検出回路(検出手段)。

Claims (19)

  1. 光ピックアップ装置に用いられるセンサモジュールであって、
    第1の光源と;
    前記第1の光源から出射された光束を情報記録媒体の記録面に向けて照射する第1の光学素子と;
    前記第1の光源から出射され前記第1の光学素子に向かう光束の一部が入射される偏光素子と;
    前記偏光素子を介して前記記録面に向けて照射された光束の前記記録面からの戻り光束のうち、再度前記偏光素子を透過した戻り光束を受光する第1の光検出器と;
    前記偏光素子を介することなく前記記録面に向けて照射された光束の前記記録面からの戻り光束を受光する複数の受光素子を含む第2の光検出器と;を備えるセンサモジュール。
  2. 前記第1の光学素子は、前記第1の光源から出射された光束を略平行光として前記記録面に向けて照射することを特徴とする請求項1に記載のセンサモジュール。
  3. 前記偏光素子と前記第1の光学素子との間に配置され、通過する光束に1/8波長の光学的位相差を付与する第2の光学素子を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサモジュール。
  4. 前記第1の光源と前記第1の光検出器と前記第2の光検出器とが同一の基板上に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサモジュール。
  5. スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサモジュールと;
    前記情報記録媒体に対応した波長の光束を出射する第2の光源と;
    前記第2の光源から出射される光束を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射され前記対物レンズを介した戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;
    前記受光位置に配置された第3の光検出器と;を備える光ピックアップ装置。
  6. 前記第1の光検出器からの出力信号と前記第2の光検出器からの出力信号とに基づいて、前記情報記録媒体の光学的位相差及び前記対物レンズに対する前記情報記録媒体の傾きに関する情報を検出する検出手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記検出手段は、前記第1の光検出器からの出力信号と前記第2の光検出器からの出力信号との差信号に基づいて、前記光学的位相差に関する情報を検出することを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記検出手段は、前記第2の光検出器からの出力信号に対する前記第1の光検出器からの出力信号の割合に基づいて、前記光学的位相差に関する情報を検出することを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記第2の光検出器は、第1の受光素子と第2の受光素子とに分割された2分割受光素子を含み、
    前記検出手段は、前記第1の受光素子からの出力信号と前記第2の受光素子からの出力信号との差信号に基づいて、前記傾きに関する情報を検出することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記2分割受光素子は、前記情報記録媒体のトラックの接線方向に対応する方向の分割線によって分割され、
    前記検出手段は、前記情報記録媒体のトラックの接線方向に直交する方向の傾きに関する情報を検出することを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置。
  11. 情報記録媒体に対して、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、
    請求項5に記載の光ピックアップ装置と;
    前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報記録媒体の光学的位相差及び前記対物レンズに対する前記情報記録媒体の傾きに関する情報を検出する検出手段と;
    前記検出手段での検出結果に基づいて前記情報記録媒体の光学的位相差及び前記対物レンズに対する前記情報記録媒体の傾きを補正する補正手段と;
    前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
  12. 前記検出手段は、前記第1の光検出器からの出力信号と前記第2の光検出器からの出力信号との差信号に基づいて、前記光学的位相差に関する情報を検出することを特徴とする請求項11に記載の光ディスク装置。
  13. 前記検出手段は、前記第2の光検出器からの出力信号に対する前記第1の光検出器からの出力信号の割合に基づいて、前記光学的位相差に関する情報を検出することを特徴とする請求項11に記載の光ディスク装置。
  14. 前記第2の光検出器は、第1の受光素子と第2の受光素子とに分割された2分割受光素子を含み、
    前記検出手段は、前記第1の受光素子からの出力信号と前記第2の受光素子からの出力信号との差信号に基づいて、前記傾きに関する情報を検出することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
  15. 前記2分割受光素子は、前記情報記録媒体のトラックの接線方向に対応する方向の分割線によって分割され、
    前記検出手段は、前記情報記録媒体のトラックの接線方向に直交する方向の傾きに関する情報を検出することを特徴とする請求項14に記載の光ディスク装置。
  16. 情報記録媒体に対して、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、
    請求項6〜10のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置と;
    前記検出手段での検出結果に基づいて前記情報記録媒体の光学的位相差及び前記対物レンズに対する前記情報記録媒体の傾きを補正する補正手段と;
    前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
  17. 前記偏光素子は、前記情報記録媒体のトラックの接線方向に対応する方向とほぼ角度45°をなす方向を偏光方向とする光束を選択的に透過させることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
  18. 前記偏光素子に入射する光束は、前記第1の光源から出射された光束を前記情報記録媒体のトラックの接線方向に直交する方向に対応する方向の分割線によって2分割したときの一方の光束であることを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
  19. 前記第1の光源から出射された光束及び前記第2の光源から出射された光束は、前記情報記録媒体の回転中心からの距離が互いにほぼ等しい位置にそれぞれ照射されることを特徴とする請求項11〜18のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
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