JP2003331455A - 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

光ピックアップ装置及び光ディスク装置

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JP2003331455A
JP2003331455A JP2002134002A JP2002134002A JP2003331455A JP 2003331455 A JP2003331455 A JP 2003331455A JP 2002134002 A JP2002134002 A JP 2002134002A JP 2002134002 A JP2002134002 A JP 2002134002A JP 2003331455 A JP2003331455 A JP 2003331455A
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pickup device
optical
optical pickup
lens
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Junichi Kitabayashi
淳一 北林
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型化及び高コスト化を招くことなく、複数
種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報記録媒体に最
適な光スポットを形成することができる光ピックアップ
装置を提供する。 【解決手段】 複数の光源51a、61aのうちの少な
くとも1つの光源61aから出射された光束は、各光束
に対して共通化された対物レンズ60に取り込まれる光
束におけるRIMが理想値に近づくように光学素子57
にて発散角が変更され、対物レンズを介して対応する情
報記録媒体15の記録面に集光される。これにより、各
情報記録媒体に最適な光スポットを記録面に形成するこ
とができるとともに、小型化及び低コスト化を促進する
ことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ピックアップ装置
及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、複数種類
の情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面から
の反射光を受光する光ピックアップ装置及び該光ピック
アップ装置を備えた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置では、光ディスクなどの
情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射して情報の記録
を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生など
を行っている。そして、光ディスク装置は、情報記録媒
体の記録面にレーザ光を照射して光スポットを形成する
とともに、記録面からの反射光を受光するための装置と
して、光ピックアップ装置を備えている。
【0003】一般的に光ピックアップ装置は、対物レン
ズを含み、光源から出射される光束を情報記録媒体の記
録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所
定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置され
た受光素子などを備えている。この受光素子からは、記
録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光
ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要
な情報などを含む信号が出力される。
【0004】光ディスクとしては、すでにCD(Compac
t Disc)が広く普及している。さらに、近年、記録容量
がCDよりも飛躍的に大きなDVD(Digital Versatil
e Disc)が一般化されてきた。CDに対して記録及び再
生を行なうには、波長が780nmのレーザ光が用いら
れ、DVDに対して記録及び再生を行なうには、波長が
650nmのレーザ光が用いられる。そして、従来はC
D用の光ディスク装置とDVD用の光ディスク装置とが
それぞれ独立して、パーソナルコンピュータなどの情報
機器の周辺機器として用いられていた。
【0005】その後、上記情報機器の小型軽量化に伴
い、CDとDVDの両方をアクセスできる光ディスク装
置の必要性が高まってきた。この場合、光ピックアップ
装置には、波長が650nmのレーザ光を出射する半導
体レーザ(以下、「DVD光源」ともいう)と波長が7
80nmのレーザ光を出射する半導体レーザ(以下、
「CD光源」ともいう)とが光源として必要であり、さ
らに、波長が650nmの光束に対応した光学系及び波
長が780nmの光束に対応した光学系が必要である。
しかしながら、波長が650nmの光束用の光学系と波
長が780nmの光束用の光学系とをそれぞれ個別に配
置すると、光ピックアップ装置が大型化してしまうとい
う不都合があった。なお、以下では、2つの光源を備
え、各光源からは互いに波長の異なる光束が出射される
光ピックアップ装置を「2波長光ピックアップ装置」と
もいう。
【0006】そこで、例えば特開平10−312578
号公報には、薄型化及び軽量化のために、光学系を構成
するコリメートレンズ及び対物レンズを波長の異なる光
束に対して共通化した2波長光ピックアップ装置が開示
されている。この光ピックアップ装置は、第1の波長の
光束を出射する第1の光源と、第2の波長の光束を出射
する第2の光源とを備えている。そして、第1の波長及
び第2の波長の光束をいずれも透過させる円形領域と、
その円形領域の外周に接して第1の波長の光束を透過さ
せ第2の波長の光束の透過を阻止するドーナツ形状の領
域と、そのドーナツ形状の領域より外側の領域であっ
て、第1の波長及び第2の波長の光束の透過をいずれも
阻止する領域とからなるフィルタ(波長選択開口制限)
を対物レンズに付加している。これにより、各光源から
出射された光束は、共通のコリメートレンズ及び対物レ
ンズを介して、それぞれ対応する情報記録媒体の記録面
に最適なビーム径で集光される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般的に光源として用
いられる半導体レーザから出射される光束(以下、「出
射光束」ともいう)は、一例として図17に示されるよ
うに、半導体レーザLDの活性層(ヘテロ接合面)AL
に対して垂直な方向を長軸方向とする楕円形の強度分布
を持つ発散光である。そして、出射光束のうちで対物レ
ンズに取り込まれ、情報記録媒体の記録面に集光される
光束(以下、「取込光束」ともいう)の割合は、出射光
束におけるその光強度の最大値に対する取込光束の外縁
部における光強度の比、いわゆるRIM強度(以下、便
宜上「RIM」と略述する)で示される。例えばRIM
=50%の場合の取込光束の一例が図18に示されてい
る。そして、出射光束の光量に対する記録面での光量の
割合、すなわち光利用効率は、RIMとほぼ反比例の関
係にある。すなわち、RIMが高くなるように設定すれ
ば光利用効率は低下し、光利用効率が高くなるように設
定すればRIMは低くなる。
【0008】通常、CD光源からの出射光束におけるR
IMは、DVD光源からの出射光束におけるRIMに比
べて低く設定されている。これは、DVDでは記録密度
が高いために光スポットのスポット径を正確に制御する
必要があり、一方、CDでは光利用効率を高めることが
重要視されているためである。
【0009】しかしながら、上記特開平10−3125
78号公報に開示されている光ピックアップ装置では、
例えば第1の光源をDVD光源、第2の光源をCD光源
とし、コリメートレンズをDVDに対して最適化する
と、CDに対しては取込光束におけるRIMが理想値よ
りも大きくなるため、CDにおける光利用効率が低下
し、アクセス速度の高速化に対応するのが困難であると
いう不都合があった。一方、コリメートレンズをCDに
対して最適化すると、DVDに対しては取込光束におけ
るRIMが理想値よりも小さくなるため、DVDにおけ
る光スポットのスポット径を正確に制御することが困難
であるという不都合があった。
【0010】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、大型化及び高コスト化を招くこ
となく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報
記録媒体に最適な光スポットを形成することができる光
ピックアップ装置を提供することにある。
【0011】また、本発明の第2の目的は、複数種類の
情報記録媒体に対応可能で、高速度でのアクセスを安定
して行うことができる光ディスク装置を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数種類の情報記録媒体の記録面に光を照射し、前
記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置で
あって、前記複数の情報記録媒体に個別に対応して設け
られ、波長の異なる光束を択一的に出射する複数の光源
と;前記各光束を対応する情報記録媒体の記録面に集光
する対物レンズと、前記複数の光源のうちの少なくとも
1つの光源から出射され前記対物レンズに向かう光束の
発散角を変更する光学素子とを含み、前記記録面で反射
された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系と;前
記受光位置に配置され、前記戻り光束を受光する光検出
器と;を備える光ピックアップ装置である。
【0013】これによれば、複数の光源のうちの少なく
とも1つの光源から出射された光束は光学素子によりそ
の発散角が変更され、対物レンズを介して対応する情報
記録媒体の記録面に集光される。そこで、例えば光源か
ら出射された光束がその発散角を変更せずに対物レンズ
に入射された場合に、取込光束におけるRIMがその光
束の波長での理想値からずれているときは、その波長の
光束の発散角を光学素子により変更し、取込光束におけ
るRIMをその波長での理想値に近づけることができ
る。また、複数の光源から出射される光束に対して対物
レンズを共通化しているため、光ピックアップ装置の小
型化及び低コスト化を促進することができるとともに、
組み付け工程及び調整工程を簡略化することが可能とな
る。従って、大型化及び高コスト化を招くことなく、複
数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報記録媒体に
最適な光スポットを形成することが可能となる。
【0014】この場合において、請求項2に記載の光ピ
ックアップ装置の如く、前記複数の光源と前記光学素子
とが一体化されていることとすることができる。かかる
場合には、一体化の際に各光源及び光学素子がそれぞれ
最適な位置に配置されるため、組み付け工程及び調整工
程が大幅に簡略化される。すなわち、作業コストを低減
することができる。また、一体化により機械的振動や温
度変化に対する光スポットの安定性を向上させることが
可能となる。
【0015】この場合において、請求項3に記載の光ピ
ックアップ装置の如く、前記光学素子は、入射光束の発
散角を変更するレンズ部と、入射光束の発散角を変更せ
ずに透過させる透過部とを備え、前記レンズ部には前記
複数の光源のうちの特定光源から出射される光束が入射
され、前記透過部には前記特定光源以外の少なくとも1
つの光源から出射される光束が入射されることとするこ
とができる。かかる場合には、例えばレンズ部のみで構
成される光学素子を用いる場合に比べて各光源を互いに
近接して配置することが可能となり、光ピックアップ装
置の小型化を促進することができる。また、レンズ部の
みで構成される場合に比べて光学素子の作製及び実装が
容易となる。
【0016】この場合において、請求項4に記載の光ピ
ックアップ装置の如く、前記レンズ部は、入射光束の発
散角を変更せずに透過させる基板の一方の面上に配置さ
れ、前記光学素子は、前記一方の面が前記特定光源側
に、前記一方の面と対向する他方の面が前記対物レンズ
側になるように配置されていることとすることができ
る。かかる場合には、各光源を更に近接して配置するこ
とが可能となる。
【0017】上記請求項1〜4に記載の各光ピックアッ
プ装置において、請求項5に記載の光ピックアップ装置
の如く、前記光学素子は、その光軸を含み、互いに直交
する2つの面における発散角の変更作用が、それぞれ異
なることとすることができる。かかる場合には、例えば
光源から出射される光束の光強度分布が楕円形状のとき
に、長軸を含む面を第1の面、短軸を含む面を第2の面
として、互いの面における発散角の変更作用がそれぞれ
異なるように光学素子を配置することにより、対物レン
ズに取り込まれる光束の光強度分布を円形状に近づける
ことができ、対物レンズに取り込まれる光量を増加させ
ることが可能となる。
【0018】上記請求項1〜5に記載の各光ピックアッ
プ装置において、前記光学素子としては種々のものが考
えられるが、請求項6に記載の光ピックアップ装置の如
く、前記光学素子は、回折格子であることとすることが
できる。かかる場合には、例えば光学レンズなどに比べ
て回折格子は安価で小さいため、光ピックアップ装置の
小型化、軽量化及び低コスト化を促進することができ
る。
【0019】上記請求項1〜6に記載の各光ピックアッ
プ装置において、請求項7に記載の光ピックアップ装置
の如く、前記対物レンズの光軸と前記光学素子の光軸と
がほぼ一致していることとすることができる。かかる場
合には、組み付け工程における光源及び光学素子の配置
位置の許容誤差が大きくなり、組み付け工程での作業性
が向上する。従って、作業コストを低減することが可能
となる。
【0020】請求項8に記載の発明は、複数種類の情報
記録媒体に対して、情報の記録、再生、及び消去のうち
少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求
項1〜7のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置
と;前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、
前記情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生
を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0021】これによれば、請求項1〜7のいずれか一
項に記載の光ピックアップ装置が用いられることによ
り、複数種類の情報記録媒体の記録面にそれぞれ最適な
光スポットを形成することができる。従って、結果とし
て複数種類の情報記録媒体に対応し、高速度でのアクセ
スを安定して行うことが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
【0023】図1には、本発明の第1の実施形態に係る
光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0024】この図1に示される光ディスク装置20
は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動す
るためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置2
3、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モ
ータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコン
トローラ33、バッファRAM34、バッファマネージ
ャ37、インターフェース38、ROM39、CPU4
0及びRAM41などを備えている。なお、図1におけ
る矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであ
り、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0025】前記光ピックアップ装置23は、光ディス
ク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成さ
れた記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面から
の反射光を受光するための装置である。なお、この光ピ
ックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0026】前記再生信号処理回路28は、光ピックア
ップ装置23の出力信号である電流信号を電圧信号に変
換し、該電圧信号に基づいてウォブル信号、RF信号及
びサーボ信号(フォーカスエラー信号、トラックエラー
信号)などを検出する。そして、再生信号処理回路28
は、ウォブル信号からアドレス情報及び同期信号等を抽
出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU40に
出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。さ
らに、再生信号処理回路28は、RF信号に対して誤り
訂正処理等を行なった後、バッファマネージャ37を介
してバッファRAM34に格納する。また、サーボ信号
は再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に
出力される。
【0027】前記サーボコントローラ33は、サーボ信
号に基づいて光ピックアップ装置23を制御する制御信
号を生成し、モータドライバ27に出力する。
【0028】前記バッファマネージャ37は、バッファ
RAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデ
ータ量が所定の値になると、CPU40に通知する。
【0029】前記モータドライバ27は、サーボコント
ローラ33からの制御信号及びCPU40の指示に基づ
いて、光ピックアップ装置23及びスピンドルモータ2
2を制御する。
【0030】前記エンコーダ25は、CPU40の指示
に基づいて、バッファRAM34に蓄積されているデー
タをバッファマネージャ37を介して取り出し、エラー
訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書
き込みデータを作成するとともに、再生信号処理回路2
8からの同期信号に同期して、書き込みデータをレーザ
コントロール回路24に出力する。
【0031】前記レーザコントロール回路24は、エン
コーダ25からの書き込みデータ及びCPU40の指示
に基づいて、光ピックアップ装置23から出射されるレ
ーザ光の出力を制御する。なお、レーザコントロール回
路24では、CPU40の指示に基づいて後述する光ピ
ックアップ装置23の2つの光源の一方を制御対象とす
る。
【0032】前記インターフェース38は、ホスト(例
えば、パーソナルコンピュータ)との双方向の通信イン
ターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Pack
et Interface)及びSCSI(Small Computer System
Interface)等の標準インターフェースに準拠してい
る。
【0033】前記ROM39には、CPU40にて解読
可能なコードで記述されたプログラムが格納されてい
る。そして、CPU40は、ROM39に格納されてい
るプログラムに従って上記各部の動作を制御するととも
に、制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存
する。
【0034】次に、前記光ピックアップ装置23の構成
等について図2及び図3に基づいて説明する。
【0035】光ピックアップ装置23は、図2に示され
るように、波長が650nmの光束を出射するととも
に、波長が650nmの戻り光束(以下、便宜上「65
0nm戻り光束」ともいう)を受光する第1の受発光モ
ジュール51、波長が780nmの光束を出射するとと
もに、波長が780nmの戻り光束(以下、便宜上「7
80nm戻り光束」ともいう)を受光する第2の受発光
モジュール61、第1のホログラム53、第2のホログ
ラム56、ビームスプリッタ54、コリメートレンズ5
2、光学素子としてのマイクロレンズ57、波長フィル
タ58、対物レンズ60及び駆動系(フォーカシングア
クチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシーク
モータ(いずれも図示省略))などを備えている。な
お、第1の受発光モジュール51は光ディスク15がD
VDの場合に選択され、第2の受発光モジュール61は
光ディスク15がCDの場合に選択される。
【0036】ここで、第1の受発光モジュール51は、
波長が650nmの光束を出射する光源としての第1の
半導体レーザ51aと、650nm戻り光束を受光する
光検出器としての第1の受光器51bとを含んで構成さ
れている。また、第2の受発光モジュール61は、波長
が780nmの光束を出射する光源としての第2の半導
体レーザ61aと、780nm戻り光束を受光する光検
出器としての第2の受光器61bとを含んで構成されて
いる。第1の半導体レーザ51aは+Z方向に光束を出
射する位置に配置され、第2の半導体レーザ61aは+
X方向に光束を出射する位置に配置されている。
【0037】第1の半導体レーザ51aから出射される
波長が650nmの光束(以下、便宜上「650nm出
射光束」ともいう)は、一例として図3(A)に示され
るように、第1の半導体レーザ51aの活性層AL1に
対して垂直な方向(X軸方向)を長軸方向とする楕円形
状の強度分布を持つ発散光である。また、第2の半導体
レーザ61aから出射される波長が780nmの光束
(以下、便宜上「780nm出射光束」ともいう)は、
一例として図3(B)に示されるように、第2の半導体
レーザ61aの活性層AL2に対して垂直な方向(Z軸
方向)を長軸方向とする楕円形状の強度分布を持つ発散
光である。
【0038】前記第1のホログラム53は、650nm
出射光束と650nm戻り光束の共通光路上に配置さ
れ、650nm戻り光束をその共通光路から第1の受光
器51bの受光面の方向に分岐する。前記第2のホログ
ラム56は、780nm出射光束と780nm戻り光束
の共通光路上に配置され、780nm戻り光束をその共
通光路から第2の受光器61bの受光面の方向に分岐す
る。
【0039】前記ビームスプリッタ54は、波長が65
0nmの光束に対しては高い反射率を有し、波長が78
0nmの光束に対しては高い透過率を有するダイクロイ
ックミラー膜を備え、コリメートレンズ52の光源側に
配置されている。
【0040】前記波長フィルタ58は、コリメートレン
ズ52と対物レンズ60との間に配置され、各半導体レ
ーザから出射された光束のうち、対物レンズ60に取り
込まれる光束の大きさを規定する。この波長フィルタ5
8は、一例として図4に示されるように、3つの領域
(第1の領域58a、第2の領域58b、第3の領域5
8c)から構成されている。第1の領域58aは、波長
フィルタ58の中心部分に位置し、直径φcdを有する
円形領域である。この第1の領域58aは、波長が65
0nmの光束及び波長が780nmの光束の両方に対し
て高い透過率を有している。第2の領域58bは、第1
の領域58aの外周に接するドーナツ状の領域である。
この第2の領域58bは、波長が650nmの光束に対
してのみ高い透過率を有している。第3の領域58c
は、第1の領域58a及び第2の領域58bのいずれに
も含まれない領域であり、波長が650nmの光束及び
波長が780nmの光束の両方に対して高い反射率を有
している。従って、波長が650nmの光束は第1の領
域58aと第2の領域58bとからなる直径φdvdの
円形領域内を透過し、波長が780nmの光束は第1の
領域58a内のみを透過することとなる。
【0041】コリメートレンズ52の焦点距離は、一例
として図5(A)に示されるように、波長フィルタ58
を透過して対物レンズ60に取り込まれる波長が650
nmの光束(以下、「650nm取込光束」ともいう)
BdvdにおけるRIMの最低値が約30%となるよう
に設定されている。この場合に、マイクロレンズ57が
ないときは、一例として図5(B)に示されるように、
波長フィルタ58を透過して対物レンズ60に取り込ま
れる波長が780nmの光束(以下、「780nm取込
光束」ともいう)BcdにおけるRIMの最低値は約4
0%となる。
【0042】前記マイクロレンズ57は、凸レンズ形状
を有し、第2の受発光モジュール61とビームスプリッ
タ54との間に配置され、780nm出射光束の発散角
を小さくする。ここでは、一例として図6に示されるよ
うに、780nm取込光束BcdにおけるRIMの最低
値が約13%となるように、マイクロレンズ57の焦点
距離及び開口数などが設定されている。
【0043】前記対物レンズ60は、波長が650nm
の光束及び波長が780nmの光束に対してそれぞれ収
差補正されている。そこで、650nm出射光束がコリ
メートレンズ52によって略平行光となるように、第1
の受発光モジュール51の配置位置は最適化されてい
る。同様に、780nm出射光束がコリメートレンズ5
2によって略平行光となるように、第2の受発光モジュ
ール61及びマイクロレンズ57の配置位置はそれぞれ
最適化されている。
【0044】第1の受光器51b及び第2の受光器61
bは、それぞれ再生信号処理回路28にてウォブル信
号、RF信号及びサーボ信号などを検出するのに最適な
信号を出力する複数の受光素子を含んでいる。
【0045】上記のように構成される光ピックアップ装
置23の作用を説明する。先ず、光ディスク15がDV
Dの場合について説明する。
【0046】第1の半導体レーザ51aから+Z方向に
出射された光束は、第1のホログラム53に入射する。
第1のホログラム53を透過した光束は、ビームスプリ
ッタ54に入射する。そして、ビームスプリッタ54で
+X方向に反射された光束はコリメートレンズ52で略
平行光となった後、波長フィルタ58に入射する。波長
フィルタ58を透過した光束は、対物レンズ60を介し
て光ディスク15(ここではDVD)の記録面に微小ス
ポットとして集光される。
【0047】光ディスク15の記録面にて反射した反射
光(戻り光束)は、対物レンズ60で再び略平行光とさ
れ、波長フィルタ58及びコリメートレンズ52を透過
した後、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプ
リッタ54で−Z方向に反射された戻り光束は、第1の
ホログラム53に入射する。そして、第1のホログラム
53で回折された戻り光束は、第1の受光器51bで受
光される。第1の受光器51bを構成する各受光素子は
受光量に応じた電流信号をそれぞれ再生信号処理回路2
8に出力する。
【0048】次に、光ディスク15がCDの場合につい
て説明する。第2の半導体レーザ61aから+X方向に
出射された光束は、第2のホログラム56に入射する。
そして、第2のホログラム56を透過した光束は、マイ
クロレンズ57で発散角が小さくなり、ビームスプリッ
タ54に入射する。ビームスプリッタ54を透過した光
束は、コリメートレンズ52で略平行光となった後、波
長フィルタ58に入射する。波長フィルタ58を透過し
た光束は、対物レンズ60を介して光ディスク15(こ
こではCD)の記録面に微小スポットとして集光され
る。
【0049】光ディスク15の記録面にて反射した反射
光(戻り光束)は、対物レンズ60で再び略平行光とさ
れ、波長フィルタ58及びコリメートレンズ52を透過
した後、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプ
リッタ54を透過した戻り光束は、マイクロレンズ57
を介して第2のホログラム56に入射する。そして、第
2のホログラム56で回折された戻り光束は、第2の受
光器61bで受光される。第2の受光器61bを構成す
る各受光素子は受光量に応じた電流信号をそれぞれ再生
信号処理回路28に出力する。
【0050】また、光ディスク15がCDであるかDV
Dであるかは、その記録面からの反射光の強度から判別
することができる。通常、この判別は光ディスク15が
光ディスク装置20の所定位置にロードされたときにC
PU40によって行われる。また、光ディスク15に予
め記録されているTOC(Table Of Contents)情報、
PMA(Program Memory Area)情報及びウォブル信号
などに基づいて光ディスク15の種類を判別することも
可能である。そして、その判別結果はCPU40からレ
ーザコントロール回路24に通知され、レーザコントロ
ール回路24によって、第1の受発光モジュール51及
び第2の受発光モジュール61のいずれかが選択され
る。
【0051】次に、前述の光ディスク装置20を用い
て、光ディスク15にデータを記録する場合の処理動作
について簡単に説明する。なお、受発光モジュールの選
択は上述の如くして、すでに行われているものとする。
【0052】CPU40は、ホストから記録要求のコマ
ンドを受信すると、指定された記録速度に基づいてスピ
ンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモ
ータドライバ27に出力するとともに、ホストから記録
要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に
通知する。また、CPU40は、ホストから受信したデ
ータをバッファマネージャ37を介してバッファRAM
34に蓄積する。
【0053】再生信号処理回路28は、光ディスク15
の回転が所定の線速度に達すると、光ピックアップ装置
23からの出力信号に基づいてフォーカスエラー信号及
びトラックエラー信号を検出し、サーボコントローラ3
3に出力する。サーボコントローラ33は、再生信号処
理回路28からのフォーカスエラー信号及びトラックエ
ラー信号に基づいて、モータドライバ27を介して光ピ
ックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータ及
びトラッキングアクチュエータを駆動し、フォーカスず
れ及びトラックずれを補正する。
【0054】また、再生信号処理回路28は、光ピック
アップ装置23からの出力信号に基づいてアドレス情報
を取得し、CPU40に通知する。そして、CPU40
は、アドレス情報に基づいて指定された書き込み開始地
点に光ピックアップ装置23が位置するように光ピック
アップ装置23のシーク動作を指示する信号をモータド
ライバ27に出力する。
【0055】CPU40は、バッファマネージャ37か
らバッファRAM34に蓄積されたデータ量が所定の値
を超えたとの通知を受けると、エンコーダ25に書き込
みデータの作成を指示する。また、CPU40は、アド
レス情報に基づいて光ピックアップ装置23の位置が書
き込み開始地点であると判断すると、エンコーダ25に
通知する。そして、エンコーダ25は、レーザコントロ
ール回路24及び光ピックアップ装置23を介して、書
き込みデータを光ディスク15に記録する。
【0056】次に、前述した光ディスク装置20を用い
て、光ディスク15に記録されているデータを再生する
場合の処理動作について簡単に説明する。なお、受発光
モジュールの選択は上述の如くして、すでに行われてい
るものとする。
【0057】CPU40は、ホストから再生要求のコマ
ンドを受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモー
タ22の回転を制御するための制御信号をモータドライ
バ27に出力するとともに、ホストから再生要求のコマ
ンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。
【0058】再生信号処理回路28は、前記記録の場合
と同様に、アドレス情報をCPU40に通知するととも
に、フォーカスずれ及びトラックずれを補正する。
【0059】CPU40は、アドレス情報に基づいて指
定された読み込み開始地点に光ピックアップ装置23が
位置するようにシーク動作を指示する信号をモータドラ
イバ27に出力する。CPU40は、アドレス情報に基
づいて光ピックアップ装置23の位置が読み込み開始地
点であると判断すると、再生信号処理回路28に通知す
る。
【0060】そして、再生信号処理回路28は、光ピッ
クアップ装置23の出力信号に基づいてRF信号を検出
し、誤り訂正処理等を行った後、バッファRAM34に
蓄積する。
【0061】バッファマネージャ37は、バッファRA
M34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃
ったときに、インターフェース38を介してホストに転
送する。
【0062】なお、再生信号処理回路28は、記録処理
及び再生処理が終了するまで、上述した如く、光ピック
アップ装置23からの出力信号に基づいてフォーカスエ
ラー信号及びトラックエラー信号を検出し、サーボコン
トローラ33及びモータドライバ27を介してフォーカ
スずれ及びトラックずれを随時補正する。
【0063】以上の説明から明らかなように、本第1の
実施形態に係る光ディスク装置では、再生信号処理回路
28とCPU40及び該CPU40によって実行される
プログラムとによって処理装置が実現されている。
【0064】しかしながら、本発明がこれに限定される
ものではないことは勿論である。すなわち、上記第1の
実施形態は一例に過ぎず、CPU40によるプログラム
に従う処理によって実現した処理装置の少なくとも一部
をハードウェアによって構成することとしても良いし、
あるいは処理装置の全てをハードウェアによって構成す
ることとしても良い。
【0065】以上説明したように、本第1の実施形態に
係る光ピックアップ装置によると、780nm取込光束
におけるRIMの最低値が約13%となるように、マイ
クロレンズ57によって、第2の半導体レーザ61aか
ら出射される光束の発散角を小さくしている。これによ
り、波長が650nmの光束に対して最適化されたコリ
メートレンズ52が用いられても、第2の半導体レーザ
61aから出射される光束の大部分が対物レンズ60に
取り込まれることとなり、光利用効率を向上させること
が可能となる。すなわち、コリメートレンズ52に入射
される光束は、その波長に最適な光強度分布を有してい
るために、対物レンズ60に取り込まれる光束におい
て、その波長に最適なRIMを確保することができる。
【0066】さらに、本第1の実施形態に係る光ピック
アップ装置によると、光ディスク15がDVDの場合と
CDの場合とで、コリメートレンズ52及び対物レンズ
60を共通化しているために、光ピックアップ装置の小
型化、低コスト化を促進することができる。
【0067】従って、本第1の実施形態に係る光ピック
アップ装置によると、大型化及び高コスト化を招くこと
なく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報記
録媒体に最適な光スポットを記録面に形成することが可
能となる。
【0068】また、本第1の実施形態に係る光ディスク
装置によると、DVD及びCDいずれに対しても、最適
な光スポットをその記録面に形成することができるた
め、DVD及びCDいずれにも対応可能で、高速度での
アクセスを安定して行うことが可能となる。さらに、光
ピックアップ装置23の小型化、軽量化によって、光デ
ィスク装置自体の小型化及び消費電力の低減も促進する
ことができ、例えば光ディスク装置が携帯用として用い
られる場合には、持ち運びが容易となり、さらに長時間
の使用が可能となる。
【0069】なお、上記第1の実施形態では、マイクロ
レンズ57がビームスプリッタ54と第2のホログラム
56との間に配置される場合について説明したが、これ
に限らず、例えばマイクロレンズ57が第2のホログラ
ム56と第2の受発光モジュール61との間に配置され
ても良い。
【0070】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態を図7〜図9に基づいて説明する。
【0071】この第2の実施形態は、第1の半導体レー
ザ51aから出射される光束の発散角をマイクロレンズ
で変更する点に特徴を有する。ここでは、図7に示され
るように、上記第1の実施形態におけるマイクロレンズ
57の代わりに、凹レンズ形状を有し、第1の半導体レ
ーザ51aから出射される光束の発散角を大きくするた
めのマイクロレンズ62が、ビームスプリッタ54と第
1のホログラム53との間に配置されている。また、上
記第1の実施形態におけるコリメートレンズ52の代わ
りに、一例として図8(B)に示されるように、780
nm取込光束BcdにおけるRIMの最低値が、約13
%となるように焦点距離が設定されたコリメートレンズ
63が用いられる。なお、その他の光ピックアップ装置
及び光ディスク装置の構成などは、上記第1の実施形態
と同様である。従って、以下においては、上記第1の実
施形態との相違点を中心に説明するとともに、上記第1
の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同
一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略する
ものとする。
【0072】コリメートレンズ63は、波長が780n
mの光束に対して最適化されているために、一例として
図8(A)に示されるように、マイクロレンズ62がな
いときの650nm取込光束BdvdにおけるRIMの
最低値は約13%となる。そこで、一例として図9に示
されるように、650nm取込光束BdvdにおけるR
IMの最低値が約30%となるように、マイクロレンズ
62の焦点距離及び開口数などが設定されている。
【0073】上記のように構成される光ピックアップ装
置23の作用を説明する。先ず、光ディスク15がDV
Dの場合について説明する。
【0074】第1の半導体レーザ51aから+Z方向に
出射された光束は、第1のホログラム53に入射する。
第1のホログラム53を透過した光束は、マイクロレン
ズ62で発散角が大きくなり、ビームスプリッタ54に
入射する。そして、ビームスプリッタ54で+X方向に
反射された光束はコリメートレンズ63で略平行光とな
った後、波長フィルタ58に入射する。波長フィルタ5
8を透過した光束は、対物レンズ60を介して光ディス
ク15(ここではDVD)の記録面に微小スポットとし
て集光される。
【0075】光ディスク15の記録面にて反射した反射
光(戻り光束)は、対物レンズ60で再び略平行光とさ
れ、波長フィルタ58及びコリメートレンズ63を透過
した後、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプ
リッタ54で−Z方向に反射された戻り光束は、マイク
ロレンズ63を介して第1のホログラム53に入射す
る。そして、第1のホログラム53で回折された戻り光
束は、第1の受光器51bで受光される。第1の受光器
51bを構成する各受光素子は受光量に応じた電流信号
をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0076】次に、光ディスク15がCDの場合につい
て説明する。第2の半導体レーザ61aから+X方向に
出射された光束は、第2のホログラム56に入射する。
そして、第2のホログラム56を透過した光束はビーム
スプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54を透
過した光束は、コリメートレンズ63で略平行光となっ
た後、波長フィルタ58に入射する。波長フィルタ58
を透過した光束は対物レンズ60を介して光ディスク1
5(ここではCD)の記録面に微小スポットとして集光
される。
【0077】光ディスク15の記録面にて反射した反射
光(戻り光束)は、対物レンズ60で再び略平行光とさ
れ、波長フィルタ58及びコリメートレンズ63を透過
した後、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプ
リッタ54を透過した戻り光束は第2のホログラム56
に入射する。第2のホログラム56で回折された戻り光
束は、第2の受光器61bで受光される。第2の受光器
61bを構成する各受光素子は受光量に応じた電流信号
をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0078】本第2の実施形態に係る光ディスク装置2
0では、上記第1の実施形態と同様にして、光ディスク
15へのデータの記録及び光ディスク15に記録されて
いるデータの再生が行われる。
【0079】また、本第2の実施形態に係る光ディスク
装置では、再生信号処理回路28とCPU40及び該C
PU40によって実行されるプログラムとによって処理
装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに
限定されるものではないことは勿論である。すなわち、
上記第2の実施形態は一例に過ぎず、CPU40による
プログラムに従う処理によって実現した処理装置の少な
くとも一部をハードウェアによって構成することとして
も良いし、あるいは処理装置の全てをハードウェアによ
って構成することとしても良い。
【0080】以上説明したように、本第2の実施形態に
係る光ピックアップ装置によると、コリメートレンズ6
3を波長が780nmの光束に対して最適化するととも
に、650nm取込光束におけるRIMの最低値が30
%となるように、マイクロレンズ62によって、第1の
半導体レーザ51aから出射される光束の発散角を大き
くしている。これにより、コリメートレンズ63に入射
される光束は、その波長に最適な光強度分布を有してい
るために、対物レンズ60に取り込まれる光束におい
て、その波長に最適なRIMを確保することができる。
従って、その結果として大型化及び高コスト化を招くこ
となく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報
記録媒体に最適な光スポットを記録面に形成することが
可能となる。
【0081】さらに、本第2の実施形態に係る光ピック
アップ装置によると、DVD及びCDにおいて、コリメ
ートレンズ63及び対物レンズ60を共通化しているた
めに、光ピックアップ装置の小型化及び低コスト化を促
進することができる。
【0082】また、本第2の実施形態に係る光ディスク
装置によると、DVD及びCDいずれに対しても、最適
な光スポットをその記録面に形成することができるた
め、上記第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様な
効果を得ることが可能となる。
【0083】なお、上記第2の実施形態では、マイクロ
レンズ62がビームスプリッタ54と第1のホログラム
53との間に配置される場合について説明したが、これ
に限らず、例えばマイクロレンズ62が第1のホログラ
ム53と第1の受発光モジュール51との間に配置され
ても良い。
【0084】また、上記第1及び第2の実施形態では、
第1の受発光モジュール51と第1のホログラム53と
が個別に配置される場合について説明したが、これに限
らず、第1の受発光モジュール51と第1のホログラム
53とが一体化されても良い。同様に、上記第1及び第
2の実施形態では、第2の受発光モジュール61と第2
のホログラム56とが個別に配置される場合について説
明したが、これに限らず、第2の受発光モジュール61
と第2のホログラム56とが一体化されても良い。これ
により、光ピックアップ装置の小型化を促進することが
可能となる。また、組み付け工程及び調整工程を簡素化
することができ、作業コストを低減することが可能とな
る。
【0085】《第3の実施形態》次に、本発明の第3の
実施形態を図10〜図16に基づいて説明する。
【0086】この第3の実施形態は、第1の半導体レー
ザ51aと第2の半導体レーザ61aとを一体化した点
に特徴を有する。ここでは、一例として図10に示され
るように、上記第1の実施形態における第1の受発光モ
ジュール51と第2の受発光モジュール61の代わり
に、第1の半導体レーザ51aと第2の半導体レーザ6
1aとが互いに近接して配置された第3の受発光モジュ
ール71が用いられる。そして、それに伴い、第1の受
光器51bと第2の受光器61bの代わりに、650n
m戻り光束及び780nm戻り光束を受光する第3の受
光器71bが用いられる。この第3の受光器71b及び
マイクロレンズ57は、第3の受発光モジュール71内
に実装されている。また、第1のホログラム53と第2
のホログラム56とは一体化され、コリメートレンズ5
2と第3の受発光モジュール71との間に配置されてい
る。なお、本第3の実施形態では、上記第1の実施形態
におけるビームスプリッタ54は不要である。また、そ
の他の光ピックアップ装置及び光ディスク装置の構成な
どは上記第1の実施形態と同様である。従って、以下に
おいては、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明
するとともに、上記第1の実施形態と同一若しくは同等
の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡
略化し若しくは省略するものとする。
【0087】先ず、光ディスク15がDVDの場合につ
いて光ピックアップ装置23の作用を説明する。
【0088】第1の半導体レーザ51aから+X方向に
出射された光束は、第2のホログラム56に入射する。
第2のホログラム56を透過した光束は、更に第1のホ
ログラム53に入射する。そして、第1のホログラム5
3を透過した光束はコリメートレンズ52で略平行光と
なった後、波長フィルタ58に入射する。波長フィルタ
58を透過した光束は、対物レンズ60を介して光ディ
スク15(ここではDVD)の記録面に微小スポットと
して集光される。
【0089】光ディスク15の記録面にて反射した反射
光(戻り光束)は、対物レンズ60で再び略平行光とさ
れ、波長フィルタ58及びコリメートレンズ52を透過
した後、第1のホログラム53に入射する。第1のホロ
グラム53で回折され、第2のホログラム56を透過し
た戻り光束は、第3の受光器71bで受光される。第3
の受光器71bを構成する各受光素子は受光量に応じた
電流信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0090】次に、光ディスク15がCDの場合につい
て説明する。第2の半導体レーザ61aから+X方向に
出射された光束は、マイクロレンズ57で発散角が小さ
くなり、第2のホログラム56に入射する。第2のホロ
グラム56を透過した光束は、更に第1のホログラム5
3に入射する。そして、第1のホログラム53を透過し
た光束は、コリメートレンズ52で略平行光となった
後、波長フィルタ58に入射する。波長フィルタ58を
透過した光束は、対物レンズ60を介して光ディスク1
5(ここではCD)の記録面に微小スポットとして集光
される。
【0091】光ディスク15の記録面にて反射した反射
光(戻り光束)は、対物レンズ60で再び略平行光とさ
れ、波長フィルタ58及びコリメートレンズ52を透過
した後、第1のホログラム53に入射する。第1のホロ
グラム53を透過した戻り光束は、更に第2のホログラ
ム56に入射する。第2のホログラム56で回折された
戻り光束は、第3の受光器71bで受光される。第3の
受光器71bを構成する各受光素子は受光量に応じた電
流信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0092】本第3の実施形態に係る光ディスク装置2
0では、上記第1の実施形態と同様にして、光ディスク
15へのデータの記録及び光ディスク15に記録されて
いるデータの再生が行われる。
【0093】また、本第3の実施形態に係る光ディスク
装置では、再生信号処理回路28とCPU40及び該C
PU40によって実行されるプログラムとによって処理
装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに
限定されるものではないことは勿論である。すなわち、
上記第3の実施形態は一例に過ぎず、CPU40による
プログラムに従う処理によって実現した処理装置の少な
くとも一部をハードウェアによって構成することとして
も良いし、あるいは処理装置の全てをハードウェアによ
って構成することとしても良い。
【0094】以上説明したように、本第3の実施形態に
係る光ピックアップ装置によると、コリメートレンズ5
2を波長が650nmの光束に対して最適化するととも
に、780nm取込光束におけるRIMの最低値が約1
3%となるように、マイクロレンズ57によって、第2
の半導体レーザ61aから出射される光束の発散角を小
さくしている。また、DVD及びCDにおいて、コリメ
ートレンズ52及び対物レンズ60を共通化している。
従って、上記第1の実施形態に係る光ピックアップ装置
と同様な効果を得ることが可能となる。
【0095】また、本第3の実施形態に係る光ピックア
ップ装置によると、各半導体レーザは、同一筐体内に収
納され、パッケージ化されているために、光ピックアッ
プ装置の小型化を促進することができる。そして、各半
導体レーザは、パッケージ化の際に精度良く位置決めさ
れているために、組み付け作業及び調整作業を簡素化す
ることができる。すなわち、低コスト化を促進すること
が可能となる。また、パッケージ化により機械的振動や
温度変化に対する光スポットの安定性を向上させること
が可能となる。
【0096】さらに、本第3の実施形態に係る光ピック
アップ装置によると、第3の受光器71bは、各半導体
レーザと同一の筐体内に収納されているために、光ピッ
クアップ装置の小型化を更に促進することができる。ま
た、第3の受光器71b及び各半導体レーザは、パッケ
ージ化の際に精度良く位置決めされているために、組み
付け作業及び調整作業を簡素化することができる。すな
わち、低コスト化を促進することが可能となる。そし
て、パッケージ化により機械的振動や温度変化に対し
て、再生信号処理回路28に出力される各種信号の安定
性を向上させることが可能となる。
【0097】また、本第3の実施形態に係る光ディスク
装置によると、DVD及びCDいずれに対しても、最適
な光スポットを記録面に形成することができるため、上
記第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様な効果を
得ることが可能となる。
【0098】なお、上記第3の実施形態では、各半導体
レーザが互いに並列に配置され、それぞれ同一方向(+
X方向)を出射方向とする場合について説明したが、本
発明がこれに限定されるものではない。例えば図11
(A)に示されるように、発光点が互いに対向する位置
に各半導体レーザを配置するとともに、各半導体レーザ
から出射される光束を同一方向に反射する三角形状の反
射ミラー72aを備えた受発光モジュール72を第3の
受発光モジュール71の代わりに用いても良い。ここで
は、第1の半導体レーザ51aから+Z方向に出射され
た光束は、反射ミラー72aで+X方向に反射される。
一方、第2の半導体レーザ61aから−Z方向に出射さ
れた光束は、マイクロレンズ57で発散角が小さくな
り、反射ミラー72aで+X方向に反射される。これに
より、コリメートレンズ52に入射する650nm出射
光束の強度中心と780nm出射光束の強度中心との間
隔を狭くすることが可能となる。すなわち、各波長の光
スポットの形状をそれぞれ改善することができる。
【0099】また、例えば図11(B)に示されるよう
に、出射方向が互いに直交する位置に各半導体レーザを
配置するとともに、一方の半導体レーザから出射された
光束は透過させ、他方の半導体レーザから出射された光
束は反射するダイクロイックプリズム73aを備えた受
発光モジュール73を第3の受発光モジュール71の代
わりに用いても良い。ここでは、第1の半導体レーザ5
1aから+X方向に出射された光束は、ダイクロイック
プリズム73aを透過する。一方、第2の半導体レーザ
61aから−Z方向に出射された光束は、マイクロレン
ズ57で発散角が小さくなり、ダイクロイックプリズム
73aで+X方向に反射される。これにより、コリメー
トレンズ52に入射する650nm出射光束の強度中心
と780nm出射光束の強度中心とをほぼ一致させるこ
とが可能となる。すなわち、各波長の光スポットの形状
をそれぞれ改善することができる。
【0100】さらに、一例として図12に示されるよう
に、例えば波長が400nmの光束を出射する第3の半
導体レーザ74aを更に有する場合でも、第1の半導体
レーザ51aから出射される光束を選択的に反射する第
1の反射膜M1と、第1の半導体レーザ51aから出射
される光束と第2の半導体レーザ61aから出射される
光束とを選択的に反射する第2の反射膜M2とを備える
ダイクロイックプリズム74bを用いることにより各半
導体レーザから出射される光束の強度中心をほぼ一致さ
せることができる。ここでは、第1の半導体レーザ51
aから+X方向に出射された光束は、第1の反射膜M1
で−Z方向に反射され、更に第2の反射膜M2で+X方
向に反射される。第2の半導体レーザ61aから−Z方
向に出射された光束は、第1の反射膜M1を透過し、第
2の反射膜M2で+X方向に反射される。また、第3の
半導体レーザ74aから+X方向に出射された光束は、
第2の反射膜M2を透過する。これにより、コリメート
レンズ52に入射する400nm出射光束の強度中心と
650nm出射光束の強度中心と780nm出射光束の
強度中心とをほぼ一致させることが可能となる。すなわ
ち、各波長の光スポットの形状をそれぞれ改善すること
ができる。なお、この場合に、必要に応じて第3の半導
体レーザ74aから出射される光束の発散角を変更する
ためのマイクロレンズを付加しても良い。
【0101】また、上記第3の実施形態において、一例
として図13(A)に示されるように、入射光束をその
発散角を変更せずに透過させる所定の厚さの透明基板B
Pにエッチングなどによりマイクロレンズ57と同等の
レンズ作用を有するレンズ部LAが形成されたレンズユ
ニット75をマイクロレンズ57の代わりに用いても良
い。この場合には、第1の半導体レーザ51aから出射
される光束はレンズユニット75のレンズ部LA以外の
領域(透過部)に入射され、第2の半導体レーザ61a
から出射される光束はレンズユニット75のレンズ部L
Aに入射されるように、各半導体レーザ及びレンズユニ
ット75が配置される。これにより、Z軸方向に関する
第1の半導体レーザ51aと第2の半導体レーザ61a
との発光点間隔L2は、マイクロレンズ57を用いた場
合の発光点間隔L1(図13(C)参照)よりも狭くす
ることが可能となる。また、レンズユニット75はマイ
クロレンズ57と入射光束の発散角に影響しない透明基
板BPとが一体化された構造であるために、組み付け工
程及び調整工程の作業性を向上させることができ、作業
コストを低減することが可能となる。なお、レンズユニ
ット75は、マイクロレンズ57に比べて容易に作製す
ることができる。
【0102】さらに、上記第3の実施形態において、一
例として図13(B)に示されるように、入射光束の発
散角に影響しない透明基板BPの一方の面上にエッチン
グなどによりマイクロレンズ57と同等のレンズ作用を
有するレンズ部LBが形成されたレンズユニット76を
マイクロレンズ57の代わりに用いても良い。そして、
レンズ部LBが形成された面を光源側に配置するととも
に、第1の半導体レーザ51aから出射される光束はレ
ンズユニット76のレンズ部LB以外の領域(透過部)
に入射され、第2の半導体レーザ61aから出射される
光束はレンズユニット76のレンズ部LBに入射される
ように、各半導体レーザ及びレンズユニット76が配置
される。この場合には、Z軸方向に関する第1の半導体
レーザ51aと第2の半導体レーザ61aとの発光点間
隔L3を上述した発光点間隔L2よりも更に狭くするこ
とが可能となる。
【0103】また、上記第3の実施形態では、各半導体
レーザの発光点位置とコリメートレンズ52との距離が
ほぼ等しい場合について説明したが、各半導体レーザの
発光点位置が出射方向に関して互いにずれていても良
い。例えば第2の半導体レーザ61aから出射された光
束が、マイクロレンズ57による発散角の変更作用、及
びコリメートレンズ52の色収差などにより、コリメー
トレンズ52にて略平行光とならない場合には、第2の
半導体レーザ61aの発光点位置をX軸方向にずらし
て、第2の半導体レーザ61aから出射される光束をコ
リメートレンズ52にて略平行光とすることができる。
これにより、光ディスク15がCDであっても、最適な
光スポットを安定して記録面に形成することが可能とな
る。
【0104】なお、この場合に、一例として図14に示
されるように、コリメートレンズ52に入射する650
nm出射光束の見かけの発光点と実際の発光点とのX軸
方向に関する距離Daと、コリメートレンズ52に入射
する780nm出射光束の見かけの発光点と実際の発光
点とのX軸方向に関する距離Dbとがほぼ等しくなるよ
うなレンズユニット77をマイクロレンズ57の代わり
に用いても良い。例えばCDの再生のみを行う光ディス
ク装置に用いられる光ピックアップ装置では、それほど
光利用効率を高くする必要がないため、第2の半導体レ
ーザ61aから出射される光束の発散角を変更しなくと
も良い場合がある。一方、CDに記録を行う光ディスク
装置に用いられる光ピックアップ装置では、光利用効率
を高くする必要があるため、第2の半導体レーザ61a
から出射される光束の発散角を変更しなければならな
い。そこで、コリメートレンズ52の色収差を考慮して
最適化された位置に各半導体レーザを実装した後で、C
Dに記録を行う光ディスク装置に用いられる光ピックア
ップ装置では、レンズユニット77を挿入し、コリメー
トレンズ52の光軸方向の位置調整を行うのみで所定の
組み付け精度を得ることができる。すなわち、光ピック
アップ装置がCDの記録に用いられる場合と、CDの再
生のみに用いられる場合とで、各半導体レーザの実装を
同一の製造ラインで行うことが可能となり、製造コスト
を低減することができる。
【0105】また、各半導体レーザの発光点位置をずら
す代わりに、マイクロレンズの形状(例えば曲率半径)
や配置位置を最適化することによってコリメートレンズ
52の色収差を補正しても良い。これにより、各半導体
レーザの発光点位置をコリメートレンズ52からほぼ等
距離とすることが可能となり、各半導体レーザを実装す
る際の作業性が向上する。
【0106】なお、上記第3の実施形態において、第2
の半導体レーザ61aから出射された光束は、マイクロ
レンズ57とコリメートレンズ52との2群のレンズ系
の影響を受けて、対物レンズ60に入射される。一方、
第1の半導体レーザ51aから出射された光束は、コリ
メートレンズ52のみの影響を受けて、対物レンズ60
に入射される。従って、第2の半導体レーザ61a及び
マイクロレンズ57の組み付け作業におけるそれぞれの
配置位置の許容誤差は、第1の半導体レーザ51aの配
置位置の許容誤差に比べて非常に小さくなる。そこで、
マイクロレンズ57とコリメートレンズ52とを互いの
光軸がほぼ一致するように配置することにより、マイク
ロレンズ57とコリメートレンズ52とからなるレンズ
系を1群とみなすことができ、第2の半導体レーザ61
aの配置位置の許容誤差を大きくすることが可能とな
る。すなわち、組み付け工程及び調整工程を簡略化する
ことができ、作業コストの低減が可能となる。なお、コ
リメートレンズが用いられない場合には、マイクロレン
ズの光軸と対物レンズの光軸とをほぼ一致させることに
より、上述した効果を得ることができる。
【0107】また、上記第3の実施形態では、第3の受
発光モジュール71と各ホログラムとが個別に配置され
る場合について説明したが、これに限らず、第3の受発
光モジュール71と各ホログラムとが一体化されても良
い。これにより、光ピックアップ装置の小型化を促進す
ることができる。
【0108】さらに、上記第3の実施形態では、650
nm戻り光束と780nm戻り光束とをいずれも第3の
受光器71bで受光する場合について説明したが、これ
に限らず、650nm戻り光束を受光する受光器と78
0nm戻り光束を受光する受光器とがそれぞれ個別に配
置されても良い。要するに、再生信号処理回路28で必
要な信号が光ピックアップ装置23から出力されれば良
い。
【0109】また、上記第3の実施形態では、650n
m取込光束におけるRIMの最低値が約30%となるよ
うに、コリメートレンズ52の焦点距離が設定されてい
る場合について説明したが、本発明がこれに限定される
ものではない。例えば、780nm取込光束におけるR
IMの最低値が約13%となるように設定されたコリメ
ートレンズを用いても良い。この場合には、上記第2の
実施形態と同様に、第1の半導体レーザ51aから出射
される光束の発散角を大きくするマイクロレンズ63が
用いられることとなる。さらに、一例として図15
(A)に示されるように、入射光束の発散角に影響しな
い所定の厚さの透明基板BPにエッチングなどによりマ
イクロレンズ63と同等のレンズ作用を有するレンズ部
LCが形成されたレンズユニット78をマイクロレンズ
63の代わりに用いても良い。また、例えば650nm
取込光束におけるRIMの最低値が30%以下であり、
かつ780nm取込光束におけるRIMの最低値が13
%以上となるように設定されたコリメートレンズ、すな
わち、650nm出射光束及び780nm出射光束のい
ずれにも最適化されていないコリメートレンズが用いら
れる場合には、一例として図15(B)に示されるよう
に、入射光束の発散角に影響しない所定の厚さの透明基
板BPにエッチングなどにより第1の半導体レーザ51
aから出射される光束の発散角を大きくするレンズ作用
を有する第1のレンズ部LA1と、第2の半導体レーザ
61aから出射される光束の発散角を小さくするレンズ
作用を有する第2のレンズ部LA2とが形成されたレン
ズユニット79をマイクロレンズ63の代わりに用いて
も良い。
【0110】なお、上記各実施形態では、半導体レーザ
と受光器とが同一の筐体内に実装された場合について説
明したが、これに限らず、半導体レーザと受光器とがそ
れぞれ個別に実装されても良い。
【0111】また、上記各実施形態では、第1のホログ
ラム53及び第2のホログラム56として、それぞれ回
折効率が入射光束の偏光方向に依存しない無偏光ホログ
ラムを用いる場合について説明したが、これに限らず、
第1のホログラム53及び第2のホログラム56の少な
くとも一方に、入射光束の偏光方向によって回折効率が
異なる偏光ホログラムを用いても良い。例えば、半導体
レーザから出射される光束の偏光方向に対しては回折効
率が低く、戻り光束の偏光方向に対しては回折効率が高
くなるように設定された偏光ホログラムを用いることに
より、半導体レーザから出射される光束は、その光量が
ほとんど低下することなくコリメートレンズ52に入射
されることとなる。従って、光ディスク15への高速度
でのアクセスが可能となる。また、受光器での受光量が
増加するために、受光器から出力される信号の信号レベ
ル及びS/N比を向上させることができる。なお、この
場合には、コリメートレンズ52と対物レンズ60との
間にλ/4板などの位相差付与手段が配置されることと
なる。また、第1のホログラム53及び第2のホログラ
ム56の少なくとも一方の代わりに、ビームスプリッ
タ、偏光ビームスプリッタなどを用いても良い。
【0112】なお、上記各実施形態において、マイクロ
レンズにアナモルフィックレンズを用いても良い。例え
ば上記第1及び第3の実施形態において、マイクロレン
ズ57の代わりに、一例として図16(A)及び図16
(B)に示されるように、アナモルフィックレンズ80
を用いても良い。このアナモルフィックレンズ80のX
Y断面の形状は、図16(A)に示されるように、マイ
クロレンズ57とほぼ同じであるが、XZ断面の形状
は、図16(B)に示されるように、マイクロレンズ5
7と異なり、より発散角の大きい光も取り込むことがで
きるようになっている。そこで、780出射光束の長軸
を含む面における発散角と短軸を含む面における発散角
とがほぼ等しくなるようにアナモルフィックレンズ80
を設計することにより、第2の半導体レーザ61aから
出射された光束のうち、対物レンズ60に取り込まれる
光束は、一例として図16(C)に示されるように、マ
イクロレンズ57を用いた場合に比べてビーム強度分布
が円形状に近くなり、光利用効率をさらに向上させるこ
とができる。また、XY平面における見かけの発光点P
aとXZ平面における見かけの発光点Pbとがほぼ同一
の点となるようにアナモルフィックレンズ80を設計す
ることにより、非点収差を抑えることができる。さら
に、透明基板とアナモルフィックレンズ80とを一体化
したレンズユニットを用いても良い。
【0113】また、上記各実施形態において、マイクロ
レンズの代わりに、同等の発散角変更作用を有する回折
格子、ホログラムを用いても良い。例えば回折格子はマ
イクロレンズに比べて安価で小さいため、光ピックアッ
プ装置の小型化、軽量化及び低コスト化を促進すること
ができる。
【0114】なお、上記各実施形態では、光源から出射
される光束の波長が650nm及び780nmの場合に
ついて説明したが、本発明がこれに限定されるものでは
ない。いずれかの光源の代わりに、例えば波長が400
nmの光束を出射する光源を用いても良い。
【0115】さらに、上記各実施形態では、光源から出
射される光束の波長が2種類の場合について説明した
が、本発明がこれに限定されるものではない。
【0116】また、上記各実施形態では、光源から出射
される光束の形状が楕円形状の強度分布を持つ発散光で
ある場合について説明したが、これに限らず、光源から
出射される光束の形状がほぼ円形状の強度分布を持つ発
散光であっても良い。
【0117】なお、上記各実施形態では、650nm取
込光束におけるRIMの目標最低値が30%の場合につ
いて説明したが、本発明がこれに限定されるものではな
い。また、上記各実施形態では、780nm取込光束に
おけるRIMの目標最低値が13%の場合について説明
したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光ピ
ックアップ装置によれば、大型化及び高コスト化を招く
ことなく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情
報記録媒体に最適な光スポットを形成することができる
という効果がある。
【0119】また、本発明に係る光ディスク装置によれ
ば、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、高速度での
アクセスを安定して行うことができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップ
装置における光学系の概略構成を示す図である。
【図3】図3(A)は第1の半導体レーザから出射され
る光束の形状を説明するための図であり、図3(B)は
第2の半導体レーザから出射される光束の形状を説明す
るための図である。
【図4】波長フィルタの領域構成を説明するための図で
ある。
【図5】図5(A)は第1の半導体レーザから出射され
る光束のうち、対物レンズに取り込まれる光束を説明す
るための図であり、図5(B)はマイクロレンズがない
場合に第2の半導体レーザから出射される光束のうち、
対物レンズに取り込まれる光束を説明するための図であ
る。
【図6】マイクロレンズがある場合に第2の半導体レー
ザから出射される光束のうち、対物レンズに取り込まれ
る光束を説明するための図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップ
装置における光学系の概略構成を示す図である。
【図8】図8(A)はマイクロレンズがない場合に第1
の半導体レーザから出射される光束のうち、対物レンズ
に取り込まれる光束を説明するための図であり、図8
(B)は第2の半導体レーザから出射される光束のう
ち、対物レンズに取り込まれる光束を説明するための図
である。
【図9】マイクロレンズがある場合に第1の半導体レー
ザから出射される光束のうち、対物レンズに取り込まれ
る光束を説明するための図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る光ピックアッ
プ装置における光学系の概略構成を示す図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、それぞれ
受発光モジュールの変形例を説明するための図である。
【図12】3つの半導体レーザを有する受発光モジュー
ルの一例を説明するための図である。
【図13】図13(A)〜図13(C)は、それぞれマ
イクロレンズと透明基板との一体化を説明するための図
である。
【図14】各半導体レーザの発光点位置のずれを説明す
るための図である。
【図15】図15(A)は、マイクロレンズと透明基板
との一体化を説明するための図であり、図15(B)
は、2つのマイクロレンズの一体化を説明するための図
である。
【図16】図16(A)〜図16(C)は、それぞれ第
2の半導体レーザから出射される光束の発散角を変更す
るアナモルフィックレンズを説明するための図である。
【図17】半導体レーザから出射される光束の強度分布
と活性層との位置関係を説明するための図である。
【図18】半導体レーザから出射される光束におけるR
IM=50%を説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク
装置、23…光ピックアップ装置、28…再生信号処理
回路(処理装置の一部)、40…CPU(処理装置の一
部)、51a…第1の半導体レーザ(光源)、51b…
第1の受光器(光検出器)、57…マイクロレンズ(光
学素子)、60…対物レンズ、61a…第2の半導体レ
ーザ(光源)、61b…第2の受光器(光検出器)、6
2…マイクロレンズ(光学素子)、80…アナモルフィ
ックレンズ(光学素子)、AL…レンズ部、AL1…第
1のレンズ部(レンズ部)、AL2…第2のレンズ部
(レンズ部)、BP…透明基板(基板)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D119 AA01 AA05 AA41 AA43 BA01 BB01 BB02 BB03 DA01 DA05 EC37 EC45 EC47 FA05 FA08 FA30 FA36 JA02 JA14 JA27 JA43 JA57 JA58 JA63 JA70 KA04 LB07 5D789 AA01 AA05 AA41 AA43 BA01 BB01 BB02 BB03 DA01 DA05 EC37 EC45 EC47 FA05 FA08 FA30 FA36 JA02 JA14 JA27 JA43 JA57 JA58 JA63 JA70 KA04 LB07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類の情報記録媒体の記録面に光を
    照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックア
    ップ装置であって、 前記複数の情報記録媒体に個別に対応して設けられ、波
    長の異なる光束を択一的に出射する複数の光源と;前記
    各光束を対応する情報記録媒体の記録面に集光する対物
    レンズと、前記複数の光源のうちの少なくとも1つの光
    源から出射され前記対物レンズに向かう光束の発散角を
    変更する光学素子とを含み、前記記録面で反射された戻
    り光束を所定の受光位置まで導く光学系と;前記受光位
    置に配置され、前記戻り光束を受光する光検出器と;を
    備える光ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の光源と前記光学素子とが一体
    化されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピッ
    クアップ装置。
  3. 【請求項3】 前記光学素子は、入射光束の発散角を変
    更するレンズ部と、入射光束の発散角を変更せずに透過
    させる透過部とを備え、 前記レンズ部には前記複数の光源のうちの特定光源から
    出射される光束が入射され、前記透過部には前記特定光
    源以外の少なくとも1つの光源から出射される光束が入
    射されることを特徴とする請求項2に記載の光ピックア
    ップ装置。
  4. 【請求項4】 前記レンズ部は、入射光束の発散角を変
    更せずに透過させる基板の一方の面上に配置され、 前記光学素子は、前記一方の面が前記特定光源側に、前
    記一方の面と対向する他方の面が前記対物レンズ側にな
    るように配置されていることを特徴とする請求項3に記
    載の光ピックアップ装置。
  5. 【請求項5】 前記光学素子は、その光軸を含み、互い
    に直交する2つの面における発散角の変更作用が、それ
    ぞれ異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一
    項に記載の光ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】 前記光学素子は、回折格子であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ピッ
    クアップ装置。
  7. 【請求項7】 前記対物レンズの光軸と前記光学素子の
    光軸とがほぼ一致していることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  8. 【請求項8】 複数種類の情報記録媒体に対して、情報
    の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう
    光ディスク装置であって、 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光ピックアップ装
    置と;前記光ピックアップ装置からの出力信号を用い
    て、前記情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも
    再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
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JPWO2012039318A1 (ja) * 2010-09-24 2014-02-03 三菱電機株式会社 光ピックアップ装置及び光ディスク装置

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