JP4216971B2 - トンネル用セグメントの撤去方法 - Google Patents

トンネル用セグメントの撤去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、老朽化したトンネル等の解体工事に係り、トンネル外殻を構成しているセグメントの撤去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、老朽化し不要となったトンネルを撤去する場合、覆工コンクリートの解体に続いてトンネルの外殻を構成しているセグメントの撤去が行われる。
【0003】
従来より、かかるセグメントの撤去は、セグメントの設置要領と全く逆の要領にて、すなわちエレクターを用いて行われていた。具体的には、図17に示されるように、セグメントピース61A〜61F間を接続しているボルトを撤去しながら、解体用エレクター60によって撤去対象のセグメントピース61A、…を順に周方向に沿って解体するようにしていた。なお、エレクターを用いてセグメントを撤去する方法については、たとえば特開平6−88496号公報、特開平6−221099号公報、特開平5−163897号公報等において記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記解体用エレクター60を用いてセグメントの撤去を行う方法の場合には、セグメントリング同士をトンネル長手方向に連結しているボルトの他に、セグメントピース61A〜61Fを周方向に連結しているボルトを順次撤去しながら解体を行う必要があること、およびトンネル中心側への引き込みに際して、セグメントピース61A〜61F間に干渉があることから、セグメント設置時に要する時間と比べると、撤去に多くの時間を要する結果となり、撤去作業が効率化しない、撤去工程が長期化するなどの問題があった。なお、前述説明にあるように、本明細書において「セグメントリング」とは鋼製セグメントを構成しているリング単位のセグメント要素を言い、「セグメントピース」とは前記セグメントリングを構成している弧状のセグメント要素を言う。
【0005】
そこで本発明の主たる課題は、セグメントの撤去工事に係り、セグメント同士を連結しているボルトの切断作業または取り外し作業を基本的に無くすことで、セグメント撤去の効率化および工程の短縮化を図り得るトンネル用セグメントの撤去方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1記載の本発明は、地中に築造されたトンネルの解体工事において、覆工コンクリートの全部または大部分を除去した後、セグメントを成形爆薬を用いて切断し撤去することを特徴とするものである。
【0007】
この場合、トンネル方向に連続しているセグメントは、セグメントリング間の接続部を避けたセグメントリング中間位置においてトンネル周方向に成形爆薬を設置し、セグメントをリング状に切断した後、このリング状に切断されたセグメントを任意の周方向位置において成形爆薬によって分割する手順により撤去することが望ましい。
【0008】
次いで、請求項3記載の本発明は、外側に鋼製セグメントを有し、かつこの鋼製セグメントの内側に覆工コンクリートを有するトンネル構造を対象としたセグメントの解体工事において、
前記覆工コンクリートを前記鋼製セグメントの内側端よりもトンネル中心側位置まで切削除去し、鋼製セグメントの内側に平滑な覆工コンクリート面を残したままとし、この覆工コンクリートを含む鋼製セグメントを成形爆薬を用いて切断し撤去することを特徴とするものである。
【0009】
鋼製セグメントを成形爆薬によって切断するに当たり、鋼製セグメントの内面にはリブや継手フランジ等の突出板が形成されているため成形爆薬をうまく設置することができない。しかし、鋼製セグメントの内側に覆工コンクリートを残したままとすれば成形爆薬の設置面を確保することができ何ら問題なく成形爆薬を設置できるようになる。
【0010】
次いで、請求項4記載の本発明は、外側に鋼製セグメントを有し、かつこの鋼製セグメントの内側に覆工コンクリートを有するトンネル構造を対象としたセグメントの解体工事において、
前記覆工コンクリートを前記鋼製セグメントの内側端よりもトンネル中心側位置まで切削除去し、鋼製セグメントの内側に平滑な覆工コンクリート面を残したままで、
セグメントの外周を環状に掘削しながら前進する掘削機によって前記鋼製セグメントの地山側に環状の空間が形成された鋼製セグメントから順に、前記覆工コンクリートを含む鋼製セグメントの表裏面それぞれの側に成形爆薬を設置し、覆工コンクリートを含む鋼製セグメントをリング状に切断した後、このリング状に切断された覆工コンクリートを含む鋼製セグメントを任意の周方向位置において表裏面それぞれの側に設置された成形爆薬によって分割する手順により撤去することを特徴とするものである。
【0011】
掘削機によって鋼製セグメントの外周を掘削する場合には、鋼製セグメントの裏面側(地山側)に成形爆薬が設置できるようになる。したがって、この環状空間を利用して表裏それぞれの側に成形爆薬を設置するようにすれば、効果的に覆工コンクリートを含む鋼製セグメントを切断撤去することが可能となる。
【0012】
この場合において、前記鋼製セグメントの表裏面に設置される成形爆薬を若干位置ズレさせて設置し、夫々の成形爆薬による力をすれ違わせることにより剪断力を発生させ切断するようにしてもよい。
【0013】
次いで、請求項6記載の本発明は、外側に鋼製セグメントを有し、かつこの鋼製セグメントの内側に覆工コンクリートを有するトンネル構造を対象としたセグメントの解体工事において、
前記覆工コンクリートをほぼ完全に除去し、鋼製セグメントの内面側に突出するリブおよび継手フランジ等の突出板を露出させた状態とし、
切断予定線に沿って成形爆薬を設置する一方、前記突出板部位において少なくとも一方面側の起立基端部に前記突出板の配設方向に沿って所定長さにより、かつ成形爆薬の先端面を起立基端部の隅部に向けて成形爆薬を配置するとともに、前記突出板の一方側板面に高さ方向に沿って成形爆薬を配置し前記鋼製セグメントの切断を行うようにすることを特徴とするものである。
【0014】
上記発明は、覆工コンクリートを取り除き鋼製セグメントを露出させた状態で行う成形爆薬による撤去方法であるが、リブ等の突出板部分では上記配置パターンとすることにより、屈曲させて配置することが出来ない成形爆薬であっても突出板部を含めて切断することが可能となる。
【0015】
次いで、請求項7記載の本発明は、外側に鋼製セグメントを有し、かつこの鋼製セグメントの内側に覆工コンクリートを有するトンネル構造を対象としたセグメントの解体工事において、
前記覆工コンクリートをほぼ完全に除去するとともに、セグメントの外周を環状に掘削しながら前進する掘削機によって前記鋼製セグメントの地山側に環状の空間が形成された鋼製セグメントから順に、前記鋼製セグメントの地山面側に切断予定線に沿って成形爆薬を設置するとともに、鋼製セグメントの内面側に突出するリブおよび継手フランジ等の突出板の一方側板面に高さ方向に沿って成形爆薬を配置し前記鋼製セグメントの切断を行うようにすることを特徴とするものである。
【0016】
掘削機により鋼製セグメントの外周を環状に掘削する場合には、突起物のない鋼製セグメントの裏面側を成形爆薬の設置面とすることで設置作業を容易化でき、一方鋼製セグメント内面側の突出板部にはその高さ方向に沿って成形爆薬を設置するようにすればよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1はセグメント撤去に係るセグメント外周用掘削機を示す縦断面図である。
【0018】
図1に示される埋戻し用シールド機1(以下、単にシールド機という。)は、外側に鋼製セグメント2を有し、かつその内側に二次覆工コンクリートを有する既設トンネルの撤去工事に当たり、一次撤去工程として前記二次覆工コンクリートの全部または大部分を解体した後、前記鋼製セグメント2の外周を環状に掘削しながら掘進し、その掘進過程中にて前記鋼製セグメント2を撤去するとともに、シールド機1の背面側に流動化処理土を充填することによってトンネル空間部の埋戻しを行うものである。
前記シールド機1の内部では、その掘進過程において、後述する成形爆薬によって前記鋼製セグメント2の撤去が順次行われる。
【0019】
以下、前記シールド機1の構造並びに鋼製セグメント2の撤去方法について詳述する。
【0020】
〔シールド機1の構造〕
前記シールド機1は、メインビーム5を装置機軸として構成されるシールド機で、前記メインビーム5の掘進方向前端部には、下面側にサポートジャッキ6を備えるとともに、これに隣接してスライド機構を兼用するグリッパ機構7が設けられている。
【0021】
前記サポートジャッキ6は、前記トンネルインバート側に向けて伸縮自在とされるジャッキ柱15の先端にシュー板16を備えた支持脚であり、正面視ではハ字状に左右対で設けられている。このサポートジャッキ6は、シールド機1の掘進時にシールド機1を安定保持するとともに、シールド機1の前進に当たり後述のグリッパ装置19を前進させるためにシールド機1を支持するのに使用される。
【0022】
前記グリッパ機構7は、メインビーム5より放射方向に沿って複数の、図示の例では4本のグリッパジャッキ20,20を配設するとともに、このグリッパジャッキ20の先端に鋼製セグメント2のリブに対する掛止爪を有し、シールド機1をトンネル壁面に対して固定するためのグリッパ装置19と、メインビーム5の上端部に設けられたブラケット17に対して基端が連結されるとともに、先端側が前記グリッパ装置19に連結されたスライドジャッキ18とから構成される装置で、前記グリッパ装置19は、メインビーム5に外嵌する摺動筒22を介することによってメインビーム5の長手方向に沿って摺動自在となっている。
【0023】
したがって、前記グリッパ装置19によってシールド機1を固定した状態で前記スライドジャッキ18を伸長させることによってシールド機1を掘進方向に前進させることが可能となり、1掘進長(1ストローク長)分だけシールド機1を前進させたならば、前記グリッパ装置19による固定を開放するとともに、メインビーム5を前記サポートジャッキ6によって保持した状態とした後、前記スライドジャッキ18の収縮することによってグリッパ装置19を前進させシールド機1を固定する繰り返しによって、シールド機1を順次前進させる。所謂、スラスト推進である。
【0024】
他方、シールド機1は、前記メインビーム5の進行方向後部側を支持部として、前記鋼製セグメント2の外側を環状に掘削する環状掘削装置10を備えるとともに、この環状掘削装置10に後続して埋戻し領域から区画する後部隔壁装置11を備えている。
【0025】
前者の環状掘削装置10は、最も外側に配置され地山と接触する外筒23と、この外筒23の内側に配置される中筒24と、この中筒24の内側に配置される内筒25とから主に構成され、これら各筒体23〜25の内、前記外筒23および内筒25は非回転とされる一方、前記中筒24の先端部にローラーカッタ27,27…が周方向に沿って複数設けられ、中筒24に対し後方側に装備されたカッターモータ26の駆動力が伝達されトンネル軸芯L回りに回転することによって、シールド機1の前進に伴って前記鋼製セグメント2の外周を掘削するようになっている。なお、前記外筒23と中筒24との間はリップシール28によって止水が確保され、かつ前記内筒25と鋼製セグメント2との間はゴムパッキン29によって止水が確保されるようになっている。
【0026】
前記ローラーカッタ27によって掘削されたズリは、前記外筒23と内筒25との間の空間(チャンバ)に取り込まれ、排泥管30を通じて坑外に輸送されるようになっている。なお、符号31は送泥管である。
【0027】
次いで、後者の後部隔壁装置11は、前記外筒23と外面を同面とする後続筒体32と、この後続筒体32の後部面に設けられた流動化土領域から区画するとともに、複数のセメントスラリー注入口34,34…および埋戻し土注入口35を備えた隔壁33とからなる構造の中空状の隔壁であり、前記隔壁33は隔壁移動ジャッキ36によってトンネル長手方向に移動可能となっている。シールド機1の掘進に伴って背面側の空間に埋戻し土を注入するとともに、セメントスラリーを強制注入することによって撹拌し、埋戻し土(流動化土)とすることにより掘進によって生じたトンネル空間を順次埋戻すようにする。なお、前記隔壁33は前記流動化土が固化するまでの妻型枠としての機能を果たすもので、シールド機1が掘進する場合にはその掘進距離に連動して前記隔壁移動ジャッキ36を伸長させることにより前記隔壁33が移動しないように制御される。
【0028】
〔鋼製セグメントの構造〕
前記鋼製セグメント2の構造について図2〜図4に基づいて説明すると、
前記鋼製セグメント2は、断面円形状のセグメントリング2Aがトンネル方向に沿ってボルトによって連設された構造の連続筒体で、前記セグメントリング2Aは複数の、図示例では6つの円弧状セグメントピース9A〜9Fによって構成されている。
【0029】
前記セグメントピース9A〜9Fは、図3に示されるように、それぞれ方形状の曲面スキンプレート40のトンネル周方向両端部に夫々、継手フランジ41a、41bを備えるとともに、トンネル方向両端部に夫々、継手フランジ42a、42bを備え、トンネル周方向およびトンネル方向にボルト44,44…によって接続可能とされたものである。前記継手フランジ41a、…42bに囲まれた内部には曲面スキンプレート40を補強するために縦および横方向に格子状にリブ43,43…が設けられている。
【0030】
〔成形爆薬について〕
本発明においては、前記バックシールド1の掘進に伴い、鋼製セグメント2を成形爆薬によってリング状に切断するとともに、このリング体を成形爆薬によって周方向に複数の分割片となるように切断する。
【0031】
前記成形爆薬とは、所謂モンロー効果(ノイマン効果ともいう。)と呼ばれる爆破原理を利用した穿孔用爆薬で、図5に示されるように、爆薬46にV字状の溝46aを形成するとともに、このV字溝46a部分に金属ライナー材47を取り付けた状態で前記爆薬46を爆破させると、金属ライナー材47の崩壊に伴って金属微粒子が放出され、これが棒状の集団となってジェット状に吹き飛ぶことにより、前記金属ライナー材47が臨む方向に設置した金属板48等を切断可能としたものである。図6(a)〜(f)は、金属ジェット形成時の状態を時系列的に順に示したもので、爆破によって金属ライナー材47が崩壊し、これに伴って金属微粒子によって金属ジェット49が形成され一気に前方に発射される。なお、金属ジェット49の後には金属ライナー材47の一部が塊状(スラグ)50となって放出される。
【0032】
前記成形爆薬自体は既に市販されているため、比較的容易に入手することができる。具体的な商品としては、図7に示される、商品名「ブレイド」(商標名)と呼ばれるゴム製成形爆薬45Aと、図8に示される鋼製成形爆薬45Bとを挙げることができる。
【0033】
前者のゴム製成形爆薬45Aは、ゴム51の内部に所定の厚みで断面へ字形状で爆薬52を内封するとともに、この爆薬52の隅角部内側に同じく断面へ字状金属板53を配設した構造のもので可撓性を有する。商品として最も小サイズのものでその最小曲げ半径は50mmとなっている。
【0034】
後者の鋼製成形爆薬45Bは、断面コ字状の金属函体54の内部に爆薬55を充填するとともに、開口部を断面へ字状鋼板56により密封した構造の成形爆薬で弾性範囲内で可撓性は有するが所定の曲率で変形させることは出来ない。
【0035】
本発明は、かかる成形爆薬45を用いて鋼製セグメント2の切断を行うようにするものであるが、鋼製セグメント2には前述のように、随所に継手フランジ41a、…42bおよびリブ43,43…が存在するため、前記鋼製成形爆薬45Bの場合には切断予定線に沿って配設することは出来ず、前記ゴム製成形爆薬45Aの場合には、図9に示されるように、隅角部に隙間が形成されてしまい、金属ジェットの威力が半減しリブ等取付け部に切断残しが出来てしまい、鋼製セグメント2を効率的に切断できないことが知見された。
【0036】
そこで、本発明では以下に示す第1設置例〜第4設置例で示す方法によって、鋼製セグメント2を効率的に切断できるようにした。
【0037】
〔成形爆薬の第1設置例〕
先ず、第1例に係る成形爆薬45を用いた鋼製セグメント2の切断方法は、二次覆工コンクリート3を含んだ状態のままで鋼製セグメント2の切断を行うことで、前述した隅角部の問題を解決しようとするものである。
【0038】
前記シールド機1による掘削方法の説明から判るように、鋼製セグメント2の外周には環状の空間部が形成されることになる。この環状空間を利用することにより覆工コンクリート3を含む鋼製セグメント2であっても容易に切断することが出来るようになる。
【0039】
具体的には、図10に示されるように、二次覆工コンクリート3の切削範囲を継手フランジ41a、…42bおよびリブ43,43…の先端よりもトンネル中心側位置とすることにより、二次覆工コンクリート3を含む鋼製セグメント2の内面を突起物のない平滑な曲面状態としておく。次いで、トンネル周方向の継手フランジ41a、41bを避けたセグメントリング2Aの中間位置において、二次覆工コンクリート3を含む鋼製セグメント2の内面側および外面側にトンネル周方向に沿って成形爆薬45,45を設置し、鋼製セグメント2をリング状に切断する(以下、この切断をリング切断という)。リング状に切断したならば、トンネル周方向の任意位置において前記二次覆工コンクリート3を含む鋼製セグメント2の表裏面にそれぞれトンネル方向に沿って成形爆薬45を設置し、任意数に分割し(以下、この切断を分割切断という)、坑外に搬出する。
【0040】
なお、鋼製セグメント2の表裏それぞれにおける成形爆薬45による切断は、表裏同時に行うのではなく、表→裏または裏→表の順に行ってもよい。また、切断を表裏同時に行う場合には、図11に示されるように、表裏それぞれの側に配設される成形爆薬45,45を若干トンネル方向にずらし(偏心量e)、互いの爆薬による力がすれ違うように作用させることによって剪断力を生起させ切断するようにしてもよい。
【0041】
なお、上記例では鋼製セグメント2の表裏にそれぞれ成形爆薬45を設置することで、二次覆工コンクリート3を含む場合であっても容易に切断が行えるようにしたが、成形爆薬45の爆薬量を多くすることで鋼製セグメント2の内面側のみに設置した成形爆薬によって切断を行うこともできる。但し、この場合には爆発量が大きくなり、周囲への騒音や振動などが大きくなるなどの問題が生じるため、施工環境条件等に制約されるなどの問題が生ずることになる。
【0042】
〔成形爆薬の第2設置例〕
次いで、第2の方法は、コンクリート切削機およびスパイキーハンマー等によって二次覆工コンクリートをほぼ完全に撤去した後に、成形爆薬45によって鋼製セグメント2の切断を行うようにしたものである。なお、トンネル周方向の継手フランジ41a、41bを避けたセグメントリング2Aの中間位置においてリング切断を行い、かつ周方向の任意位置にて分割切断を行い、坑外に搬出する点は前記第1設置例と同様である。
【0043】
図12に示される、鋼製セグメント2をリング状に切断する際の成形爆薬45の設置パターン図に基づいて説明すると、基本的には、曲面スキンプレート40部分では切断予定線に沿って成形爆薬45を設置するが、リブ43および継手フランジ41a、41b部位では、少なくとも一方面側の起立基端部において、リブ43および継手フランジ41a、41bの配設方向に沿って所定長さにより、かつ金属ジェットの噴射方向を起立基端部の隅部に向けて成形爆薬45a(隅部成形爆薬という。)を配設するとともに、リブ43および継手フランジ41a、41bの一方側板面に高さ方向に沿って成形爆薬45b(起立部成形爆薬という。)を配設するようにする。かかる設置パターンであれば、鋼製セグメント2との間に大きな隙間を空けることなく成形爆薬を設置することが可能になるとともに、前述したゴム製成形爆薬45A、鋼製成形爆薬45Bの種類を問うことなく使用することが可能となる。
【0044】
他方、鋼製セグメント2をリング切断した後の、分割切断に際し、本例では前記継手フランジ42a、42bがアングルを溶接付けすることによって起立片が形成されているが、この継手フランジ42a、42bの場合であっても、図13に示されるように、アングルによる継手フランジ42a、42b部において、前記隅部成形爆薬45aを配設するとともに、前記起立部成形爆薬45bを配設する他、一般部成形爆薬45dと、前記隅部成形爆薬45aとが連続するように継手フランジ42a、42b部分に成形爆薬が連続するように追加成形爆薬45cを設置するようにすればよい。
【0045】
〔成形爆薬の第3設置例〕
次いで、図14に示される成形爆薬45の第3設置例は、鋼製セグメント2の裏面側に成形爆薬を設置することで設置作業の容易化を図ったものである。
【0046】
シールド機1による掘進によって鋼製セグメント2の外周に空間部が形成される。鋼製セグメント2の地山面側には突起物は存在しないため、鋼製セグメント2の地山面側に成形爆薬45eを設置する一方、鋼製セグメント2の内面側のリブ43および継手フランジ41a、41bにはその高さ方向に沿って起立部成形爆薬45f、45fを設置するようにする。なお、図14は分割切断を図示しているが、この設置パターンはもちろんリング切断に際しても適用が可能である。
【0047】
〔成形爆薬の第4設置例〕
次いで、図15に示される第4の成形爆薬の設置例は、段差面が存在する場合に、前記ゴム製成形爆薬45Aを使用する切断方法である。
【0048】
前述のようにゴム製成形爆薬45Aは、周囲をゴム51によって囲繞されており、このゴム部分51であれば切り欠いても何ら問題はない。従って、段差面がある場合に、ゴム製成形爆薬45Aの下面を段差面の形状に整合するように切削加工し、切断部材に対して密着させるようにする。
【0049】
〔成形爆薬の結線方法〕
前述した成形爆薬45の設置例では、リブ43および継手フランジ41a、41bによって成形爆薬45が分断されるため、図16(A)に示されるように、リブ43を跨いでそれぞれの側に設置された成形爆薬45d,45dに対し夫々雷管57A,57Bを設けるようにしたり、同図に示されるように、一般部成形爆薬45dの中間と起立部成形爆薬45bとを導爆線58によって連結することにより、連鎖的に爆発を引き起こすようにできる。また、図16(B)に示されるように、一般部成形爆薬45eの一方側端部に雷管57Cを設置するとともに、その他端側と起立部成形爆薬45fとを導爆線58によって連結するようにしたり、さらには図16(C)に示されるように、一般部成形爆薬45eと起立部成形爆薬45fとにそれぞれ雷管57D、57Eを設けるようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、セグメントリング間を接続しているボルトおよびセグメントピース同士を周方向に接続しているボルトを切断または撤去することなく、セグメントの撤去が可能となるため、セグメント撤去の効率化および工程の短縮化が図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セグメント撤去に係るセグメント外周用掘削機を示す縦断面図である。
【図2】鋼製セグメント2の横断面図である。
【図3】鋼製セグメント2の要部正面図である。
【図4】図3のIV−IV線矢視図である。
【図5】成形爆薬の爆破原理を説明する模式図である。
【図6】金属ジェット形成時の状態を時系列的に順に示した図である。
【図7】ゴム製成形爆薬45Aの要部斜視図である。
【図8】鋼製成形爆薬45Bの要部斜視図である。
【図9】ゴム製成形爆薬45Aを用いて鋼製セグメント2を切断する場合の問題点説明図である。
【図10】成形爆薬の第1設置例を示す、(A)は正面図、(B)は縦断面図、(C)は横断面図である。
【図11】その設置変形例を示す図である。
【図12】成形爆薬の第2設置例を示す、(A)は正面図、(B)は縦断面図である。
【図13】その設置変形例を示す図である。
【図14】成形爆薬の第3設置例を示す、(A)は正面図、(B)は横断面図である。
【図15】成形爆薬の第4設置例を示す、(A)は断面図、(B)は(A)のB-B線矢視図、(C)は(A)のC-C線矢視図である。
【図16】成形爆薬の結線方法例を示す図である。
【図17】解体エレクターを用いたセグメント撤去要領を示す図である。
【符号の説明】
1…埋戻し用シールド機、2…鋼製セグメント、2A…セグメントリング、5…メインビーム、6…サポートジャッキ、7…グリッパ機構、8…エレクター、9A〜9F…セグメントピース、10…環状掘削装置、11…後部隔壁装置、18…スライドジャッキ、19…グリッパ装置、20…グリッパジャッキ、23…外筒、24…中筒、25…内筒、27…ローラーカッタ、30…排泥管、31…送泥管、32…後続筒体、33…隔壁、34…セメントスラリー注入口、35…埋戻し土注入口、36…隔壁移動ジャッキ、40…曲面スキンプレート、41a〜42b…継手フランジ、43…リブ、45…成形爆薬、45A…ゴム製成形爆薬、45B…鋼製成形爆薬

Claims (7)

  1. 地中に築造されたトンネルの解体工事において、覆工コンクリートの全部または大部分を除去した後、セグメントを成形爆薬を用いて切断し撤去することを特徴とするトンネル用セグメントの撤去方法。
  2. トンネル方向に連続しているセグメントを、セグメントリング間の接続部を避けたセグメントリング中間位置においてトンネル周方向に成形爆薬を設置し、セグメントをリング状に切断した後、このリング状に切断されたセグメントを任意の周方向位置において成形爆薬によって分割する手順により撤去する請求項1記載のトンネル用セグメントの撤去方法。
  3. 外側に鋼製セグメントを有し、かつこの鋼製セグメントの内側に覆工コンクリートを有するトンネル構造を対象としたセグメントの解体工事において、
    前記覆工コンクリートを前記鋼製セグメントの内側端よりもトンネル中心側位置まで切削除去し、鋼製セグメントの内側に平滑な覆工コンクリート面を残したままとし、この覆工コンクリートを含む鋼製セグメントを成形爆薬を用いて切断し撤去することを特徴とするトンネル用セグメントの撤去方法。
  4. 外側に鋼製セグメントを有し、かつこの鋼製セグメントの内側に覆工コンクリートを有するトンネル構造を対象としたセグメントの解体工事において、
    前記覆工コンクリートを前記鋼製セグメントの内側端よりもトンネル中心側位置まで切削除去し、鋼製セグメントの内側に平滑な覆工コンクリート面を残したままで、
    セグメントの外周を環状に掘削しながら前進する掘削機によって前記鋼製セグメントの地山側に環状の空間が形成された鋼製セグメントから順に、前記覆工コンクリートを含む鋼製セグメントの表裏面それぞれの側に成形爆薬を設置し、覆工コンクリートを含む鋼製セグメントをリング状に切断した後、このリング状に切断された覆工コンクリートを含む鋼製セグメントを任意の周方向位置において表裏面それぞれの側に設置された成形爆薬によって分割する手順により撤去することを特徴とするトンネル用セグメントの撤去方法。
  5. 前記鋼製セグメントの表裏面に設置される成形爆薬を若干位置ズレさせて設置する請求項4記載のトンネル用セグメントの撤去方法。
  6. 外側に鋼製セグメントを有し、かつこの鋼製セグメントの内側に覆工コンクリートを有するトンネル構造を対象としたセグメントの解体工事において、
    前記覆工コンクリートをほぼ完全に除去し、鋼製セグメントの内面側に突出するリブおよび継手フランジ等の突出板を露出させた状態とし、
    切断予定線に沿って成形爆薬を設置する一方、前記突出板部位において少なくとも一方面側の起立基端部に前記突出板の配設方向に沿って所定長さにより、かつ成形爆薬の先端面を起立基端部の隅部に向けて成形爆薬を配置するとともに、前記突出板の一方側板面に高さ方向に沿って成形爆薬を配置し前記鋼製セグメントの切断を行うようにすることを特徴とするトンネル用セグメントの撤去方法。
  7. 外側に鋼製セグメントを有し、かつこの鋼製セグメントの内側に覆工コンクリートを有するトンネル構造を対象としたセグメントの解体工事において、
    前記覆工コンクリートをほぼ完全に除去するとともに、セグメントの外周を環状に掘削しながら前進する掘削機によって前記鋼製セグメントの地山側に環状の空間が形成された鋼製セグメントから順に、前記鋼製セグメントの地山面側に切断予定線に沿って成形爆薬を設置するとともに、鋼製セグメントの内面側に突出するリブおよび継手フランジ等の突出板の一方側板面に高さ方向に沿って成形爆薬を配置し前記鋼製セグメントの切断を行うようにすることを特徴とするトンネル用セグメントの撤去方法。
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