JP4216867B2 - 自動車用シート - Google Patents

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Description

本発明は自動車用シートに関し、特に乗員保護機構を備えた自動車用シートに関する。
車両側面の衝突による衝撃から乗員を保護するために、サイドエアバッグを搭載することが従来行われている。サイドエアバッグは、乗員の胸部を保護する目的で搭載されることが多く、乗員の頭部保護のためには別途カーテンエアバッグを設置することが多い。従来のサイドエアバッグ及びカーテンエアバッグでは、側突検知センサが衝突を検知し、乗員が車両のサイドドアに衝突(2次衝突)するまでの間に、インフレータからエアバッグ内にガスを送り込むことによって乗員とサイドドアとの間にエアバッグを展開して乗員を保護する。また、特許文献1には、サイドエアバッグとカーテンエアバッグとを一体化した車両胸部頭部一体式エアバッグが開示されている。
特開2000−289558号公報
乗員を保護するためには頭部を保護する重要性が高い。従って、従来の例であればカーテンエアバッグを適切に機能させることが重要である。ここで、エアバッグの衝撃吸収機能は、エアバッグが乗員とサイドドアなどの剛体との間に挟まれることによって発揮される。従って、車両のサイドウィンドウが開いている場合、乗員の頭部が膨らんだカーテンエアバッグに押し付けられたとしても、カーテンエアバッグは押圧される方向に逃げてしまうため、衝撃吸収性能を十分に発揮することができない場合が考えられる。
また、オープンカーのようなピラーレスの車両の場合は基本的にカーテンエアバッグを搭載することができない。これに対して、特許文献1のようにサイドエアバッグを大型化し、乗員の頭部まで届くような構成とすると、エアバッグが十分な衝撃吸収性を有する状態に膨らむまで時間がかかる。車両側面の衝突の場合、乗員とサイドドアとの間隔が狭いため、車体に衝撃が加わる1次衝突から乗員が車両内壁に衝突する2次衝突するまでの時間が極めて短くなる。従って、サイドエアバッグが膨らむまでに要する時間が長いと、サイドエアバッグが十分な衝撃吸収性を有する前に乗員が2次衝突してしまうことが考えられる。
本発明は上記事情を背景としてなされたものであって、車両側面に対する衝突に際して乗員を保護する機能を備え、車両の形態に関わらず搭載可能である自動車用シートを提供することを目的とする。
本発明にかかる自動車用シートは、自動車の側面に対する衝撃に対して乗員を保護する機構を備えた自動車用シートであって、乗員が着席する着席部と、前記着席部に固定され、その着席部の側部側において展開可能な剛体部とその剛体部と乗員との間において乗員への衝撃を吸収する緩衝部とを有する、乗員保護機構とを備える。これにより、車両側面に対する衝突に際して乗員を保護する機能を備え、車両の形態に関わらず搭載可能である自動車用シートを提供することができる。
ここで、前記剛体部は、自動車の側面に対する衝突時に前記着席部の側部側において展開することが好ましい。これにより、側突時には乗員を保護し、通常時には乗員の側方の視界を確保することができる。
また、前記剛体部は、前記衝突前に予め予備展開し、衝突時に完全展開することがこのましい。これにより、側突時に素早く乗員の頭部を保護する状態に入ることができる。
また、前記乗員保護機構は、乗員の乗降時において収容状態にあり、前記乗員の乗車後に前記予備展開を行うことが好ましい。更に、前記乗員保護機構は、前記収容状態において前記着席部の背もたれと略平行な状態にあることが好ましい。これにより、乗員の乗降時に乗員保護機構が邪魔になることを回避できる。
更に、前記乗員保護機構は、機構基部とその保護本体部に固定され乗員の頭部を保護する頭部保護部とを備え、衝突時において前記頭部保護部がパイロユニットによって展開することが好ましい。これにより、側突時に素早く乗員の頭部を保護する状態に入ることができる。
また、前記着席部はシートベルトホルダを有し、前記乗員保護機構は前記着席部において前記シートベルトホルダよりも外側に連結されていることが好ましい。これにより、シートベルトと乗員保護機構との干渉を防ぐことができる。
本発明に係る他の自動車用シートは、自動車の側面に対する衝撃に対して乗員を保護する機構を備えた自動車用シートであって、乗員が着席する着席部と、前記着席部に固定される剛体部及び前記剛体部に保持され乗員への衝撃を吸収する緩衝部を有すると共に前記着席部の側部側において展開して乗員を保護する乗員保護機構と、を備え、前記乗員保護機構は、衝突前に予め予備展開し、衝突時に実展開するものである。これにより、車両側面に対する衝突に際して乗員を保護する機能を備え、車両の形態に関わらず搭載可能である自動車用シートを提供することができる。
ここで、前記乗員保護機構は、機構基部とその機構基部に固定され乗員の頭部を保護する頭部保護部とを備え、自動車の側面に対する衝突時に前記頭部保護部が前記乗員の頭部を保護する保護位置に位置するように完全展開し、前記衝突前に前記頭部保護部が前記保護位置に近づくように予め移動することによって予備展開することが好ましい。側突時に素早く乗員の頭部側方に緩衝部を移動させることができる。これにより、側突時に素早く乗員の頭部を保護する状態に入ることができる。
本発明により、車両側面に対する衝突に際して乗員を保護する機能を備え、車両の形態に関わらず搭載可能である自動車用シートを提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態を説明する。説明の明確化のため以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
実施の形態1.
図1は本実施形態に係る自動車用シート1を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る自動車用シート1は、乗員が着席する着席部10及び乗員保護機構100を有する。乗員保護機構100は、着席部10の背もたれ10aのサイドドア側に連結されている。車両に搭載された図示しない側突検知センサが衝突を検知すると、乗員保護機構100の一部である頭部保護ブラケット120が前方に迫り出して乗員の頭部とサイドドアとの間に配置される。これにより、頭部保護ブラケット120が乗員の頭部を受け止め、乗員のサイドドアへの衝突(2次衝突)を防ぐことができる。
図1に示すように、乗員保護機構100は基部110と頭部保護ブラケット120とを有する。頭部保護ブラケット120は上述の通り、車体の側面衝突時に乗員の頭部を受け止める部位である。基部110は頭部保護ブラケット120を保持する部位である。基部110は内部に剛体であるフレームを有し、該フレームの端部で背もたれ10aの側部に対して回動可能に連結されている。また、基部110の内部のフレームの周囲は緩衝部の一例であるウレタン、発泡ビーズ等の緩衝材で覆われている。頭部保護ブラケット120は、基部110内部のフレームの背もたれ10aとの連結部とは反対側の端部に備えられている。頭部保護ブラケット120は、基部110内部のフレームの端部に備えられた鉄板を発泡ビーズ、ウレタン等の緩衝材で覆うことにより形成される。
本実施形態に係る乗員保護機構100は、乗員がシートに座ると基部110が前方に回動して倒れる予備動作を行ない、車体側面に対する衝撃が検知されると、更に頭部保護ブラケット120が基部110に対して前方に回動して乗員の頭部を受け止める。即ち、基部110がシートの背もたれに対して回動する予備動作(予備展開)と、頭部保護ブラケット120が基部110に対して回動して乗員の頭部側方に配置される実動作(完全展開)とを行うことによって、1次衝突から2次衝突までの時間間隔が短いという車両側面に対する衝突の課題を解決している。
図2に本実施形態に係る自動車用シート1に乗員が座った状態の側面図を示す。図2においては、基部110を透過させて剛体部の一例である内部のフレーム111を示している。図2に示すように、本実施形態に係る自動車用シート1はシートベルトホルダ13が背もたれ10aに備え付けられたインテグラルシートである。図2に示すように、フレーム111は背もたれ10aのサイドドア側のサイドフレーム11に回動軸112において回動可能に連結されている。また、サイドフレーム11にはモータ12が取り付けられており、フレーム111に設けられた図示しないセクタギアとモータ12とが嵌合する。即ち、フレーム111はモータ12の駆動力により回動する。
モータ12は図示しない着席検知センサと接続されている。着席検知センサは、乗員の自動車用シート1への着席若しくは離席を検出可能であり、その結果をモータ12に送信する。モータ12は、着席検知センサから乗員がシートに着席した旨の信号を受信することにより、フレーム111を前方に回動させる。フレーム111は図示しないベースプレートを有し、フレーム111が回動する際は当該プレートも一緒に回動する。モータ12の駆動力によるフレーム111の回動によって、乗員保護機構100の予備動作が行なわれる。
次に図2、図3、図4及び図5のフローチャートを用いて本実施形態に係る自動車用シート1及び乗員保護機構100の動作について説明する。図3は乗員保護機構100が予備動作を行なった状態の側面図であり、図4は乗員保護機構100が実動作を行なった状態の側面図である。図5は本実施形態に係る乗員保護機構100の動作を示すフローチャートである。図3、4においては、図2と同様に乗員保護機構100を透過させて内部のフレーム111を示している。また、図3、図4においては、図2の状態から動いた部位を二点鎖線で示しており、図4においては、図3の状態から更に動いた部位を破線で示している。
自動車用シート1に設けられた着席検知センサが乗員のシートへの着席を検知すると(S901)、着席検知センサは着席検知信号をモータ12に送信する。モータ12は、着席検知信号を受信するとフレーム111を回動させる。これにより、乗員保護機構100が予備動作を行なう(S902)。予備動作を行なうと、図3に示すように頭部保護ブラケット120が乗員の頭部に近付き、自動車用シート1のヘッドレストの真横と、乗員の頭部の真横との間に位置する。即ち、乗員保護機構100が展開し、予め定められた移動方向に移動すると共に、更に移動可能な状態で停止する。具体的には、乗員保護機構100が前方に移動し、図3に示すように車両用シート1を横から見た時に、頭部保護ブラケット120が乗員の頭部の一部と重なるように位置する。
これにより、実動作時に頭部保護ブラケット120が乗員の頭部の真横に到達するまでの距離を短くすると共に、通常の運転時は乗員の真横の視界を確保することができる。乗員のシートへの着席は、シートに接触センサや圧力センサを設けて検知しても良いし、車両のキーが差し込まれたことやエンジンの起動によって検知しても良い。また、車のギアの切換、セレクタレバーの切換及びパーキングブレーキの解除によって検知しても良い。更に、乗員が所定の操作をすることにより乗員保護機構100を回動させても良い。
乗員保護機構100が予備動作を行なった状態で、車両に備えられた図示しない側突検知センサが衝撃を検知すると(S903)、側突を検知した旨の信号に従ってパイロユニット117が動作し、実回動部115が回動軸116を支点として回動し乗員保護機構100が実動作を行なう(S904)。実動作を行なうと、図4に示すように頭部保護ブラケット120が乗員の頭部の真横に位置する。即ち、乗員保護機構100が更に展開し、予め定められた移動可能な範囲を完全に移動する。具体的には、乗員保護機構100が前方に移動し、図3に示すように車両用シート1を横から見た時に、頭部保護ブラケット120が乗員の頭部の全体と重なるように位置する。これにより、頭部保護ブラケット120が乗員の頭部を受け止め、乗員のサイドドアへの2次衝突を防ぐことができる。
尚、乗員保護機構100が予備動作を行なった状態で側突が検知されずに、乗員が離席する場合、モータ12がフレーム111を回動させて乗員保護機構100を背もたれ10aと略平行に位置させる。これにより、乗員保護機構100は収容状態となり、乗員のシートへの乗降に邪魔になることを回避できる。乗員の離席は、例えば車両のキーが抜かれたことや、エンジンの停止、パーキングブレーキ及びセレクタレバーによって検知することができる。また、乗員が所定の操作をすることにより、モータ12を動作させ、乗員保護機構100を背もたれ10aと略平行な位置に回動させても良い。
本実施形態においては、自動車用シート1の背もたれ10aの側方に、乗員保護機構100のように剛性が強く、衝撃吸収性を有する部品を配置することによって、シート以外の部位の剛性に頼ることなく、車体側面の衝突時に乗員を受け止めることを可能にしている。また、これにより、車両のサイドウィンドウが開いた状態や、オープンカーのようなピラーレス車であっても、乗員の頭部を受け止め、保護することが可能となる。
次に、本実施形態に係る乗員保護機構100内部の詳細について説明する。図は本実施形態に係るフレーム111の斜視図である。図6に示すように、フレーム111は予備回動部114と実回動部115とを有する。予備回動部114と実回動部115とは回動軸116において回動可能に連結されている。予備回動部114及びサポートリンク113が上述したベースプレートに連結されている。サポートリンク113を設けることにより、頭部保護ブラケット120が乗員を受け止めた際の、基部110の強度を補っている。
予備回動部114は回動軸112によってサイドフレーム11に連結される部位であり、サイドフレーム11に対して回動することによって乗員保護機構100の予備動作を担う。即ち、予備回動部114は回動軸112を支点として回動する。実回動部115は、頭部保護ブラケット120及びサポートリンク113と連結される部位であり、予備回動部114に対して回動可能に連結される。実回動部115は、予備回動部114に対して回動することによって乗員保護機構100の実動作を担う。
予備回動部114は長手状の部材であって、その長手形状の途中で曲がっており、曲がった先に実回動部115が連結されている。また、予備回動部114には、実回動部115を予備回動部114に対して回動させるパイロユニット117が取り付けられている。パイロユニット117は突出部117aと接続部117bとを有する。パイロユニット117は図示しない側突検知センサと接続されており、側突検知センサから車両の側面に対する衝突を検知した旨の信号を受信することにより動作する。
突出部117aは、通常時はパイロユニット117の本体に収納されており、パイロユニット117作動時に本体から突出して押圧力を発生させる。接続部117bは突出部117aの先端に形成されており、実回動部115と接続されている部位である。突出部117aがパイロユニット117の本体から突出することにより、接続部117bが実回動部115を押圧し、実回動部115が回動軸116を中心に回動する。
実回動部115はアーム115aとリンク115bを有する。アーム115aは長手状の部材であって、サポートリンク113及び頭部保護ブラケット120が連結される部位である。リンク115bは略直角三角形状の部材であって、予備回動部114及びパイロユニット117と連結される部位である。リンク115bは、その直角の頂点近傍に回動軸116が備えられ予備回動部114と連結されている。リンク115bの回動軸116が設けられた頂点に対向する辺に沿うようにアーム115aが固定されている。アーム115aの端部とリンク115bの鋭角とが重なる位置においてパイロユニット117の接続部117bがリンク115bに接続されている。リンク115bによって、パイロユニット117の押圧力が回動軸116を中心とした回転力に変換される。
図7は、フレーム111においてパイロユニット117が作動し、突出部117aが本体から突出した状態を示す斜視図である。パイロユニット117は本体に込められた火薬の爆発力によって突出部117aを突出させる。図に示すようにパイロユニット117が作動すると実回動部115が回動軸116を中心として回動する。上述の通り、実回動部115はサポートリンク113によってもベースプレートに連結されており、ベースプレートは予備回動部114に固定されている。従って、実回動部115が回動軸116を中心に回動する際、サポートリンク113が伸びることによって、実回動部115の回動によるベースプレートとの位置関係の変化を吸収する。
図8を用いてサポートリンク113の延伸について説明する。図8はサポートリンク113を模式的に示す側面図である。図8(a)では、図6に示すパイロユニット117が作動していない状態、即ちサポートリンク113が縮んだ状態を示している。図8(b)では、図7に示すパイロユニット117が作動した状態、即ちサポートリンク113が伸びた状態を示している。サポートリンク113は、実回動部115に連結されている内部ブラケット113aとベースプレートに連結されている外部ブラケット113bとを有する。内部ブラケット113aと外部ブラケット113bとは重なり合っており、内部ブラケット113aに外部ブラケット113bが被さるように組み合わされている。サポートリンク113が伸びる際は、内部ブラケット113aが外部ブラケット113bに対して相対的に動いてスライドし、内部ブラケット113aが外部ブラケット113bから出てくる。
内部ブラケット113aには外側に向かって突出する円柱状の凸部113cが形成されている。また、外部ブラケット113bには凸部113cと重なる位置に切り欠き113dが形成されている。切り欠き113dは外部ブラケット113bを貫通するように形成されている。従って、凸部113cは切り欠き113dを貫通して外部ブラケット113bの外側に突出している。切り欠き113dは、サポートリンク113の伸縮方向に長手状に形成されている。図8(a)に示すように、サポートリンク113が縮んだ状態においては、凸部113cは切り欠き113dの端部Pに位置しており、凸部113cの直径と端部Pにおける切り欠き113dの幅とは略同一である。
切り欠き113dの幅は、サポートリンク113が縮んだ状態において凸部113cが位置する側の端部Pから反対側の端部Qに近付くに従って徐々に狭くなる。従って、端部Q近傍においては、切り欠き113dの幅は凸部113cの直径よりも狭くなっている。ここで、切り欠き113dの端部Pから端部Qに近付くに従って途中までは一定の幅であり、途中から狭くなるような構成でも良い。
パイロユニット117が作動すると、図7に示すように実回動部115が回動軸116を支点として回動し、図8(b)に示すようにサポートリンク113が伸びる。この時、凸部113cは切り欠き113dの端部Pから端部Qへ向かって移動する。凸部113cの移動を担う駆動力はパイロユニット117の火薬による爆発力であり、強い推進力を有する。従って、凸部113cは切り欠き113dの幅を押し広げながら端部Qに近付く。凸部113cが切り欠き113dを押し広げることによってパイロユニット117の推進力が吸収されていき、パイロユニット117の推進力がなくなった時点若しくは凸部113cが端部Qに到達した時点で実回動部115の回動、即ち凸部113cの移動が止まる。
切り欠き113dの幅が一端から他端にかけて狭くなる構成ではなく、一定の幅であって凸部113cの直径と同等若しくはそれよりも広い幅である場合、パイロユニット117の作動による実回動部115の回動に対して、各部の摩擦以外にブレーキとなる構成がない。従って、凸部113cは勢いを保ったまま端部Qに到達し、端部Qで凸部113cが跳ね返ってしまうことが考えられる。その場合、実回動部115もパイロユニット117の押圧力の方向とは反対の方向に回動することになり、頭部保護ブラケット120が乗員の頭部を保護するための位置から外れてしまうことが考えられる。
これに対し、切り欠き113dの幅が一端から他端にかけて狭くなる構成とすれば、上記の効果によってパイロユニット117の推進力が吸収される。また、凸部113cが止まった時点では、凸部113cは切り欠き113dに挟まれた状態となる。仮にパイロユニット117が推進力を失わずに端部Qに到達した場合においても、凸部113cが切り欠き113dに挟まれているため、この部分がブレーキとなり、実回動部115のはね返りを防ぐことができる。
図9を用いて、頭部保護ブラケット120について説明する。図9(a)は頭部保護ブラケット120を示す側断面図、図9(b)は、図9(a)における切断線AAにおける断面図である。頭部保護ブラケット120は、実回動部115と接続された鉄板121、緩衝部の一例である発泡ビーズ122、ウレタン123及びカバー124を有する。鉄板121は皿状の部材であり、その皿の上に発泡ビーズ122が配置されている。発泡ビーズ122が配置された鉄板の周囲をウレタン123が覆い、更にウレタン123にカバー124が被せられている。
本実施形態については、乗員保護機構100が予備動作を行なう例を説明したが、予備動作は必ずしも必要ではなく、実動作、即ちパイロユニット117の動作のみで頭部保護ブラケット120を乗員の頭部の真横に移動させても良い。しかしながら、予備動作を行なうことにより、乗員がシートに乗車する際に邪魔にならないように、図2に示すように乗員保護機構100を背もたれ10aと略平行に位置させることができる。また、実動作時には、頭部保護ブラケット120が動くストロークを短くすることができる。尚、乗員が手動によって乗員保護機構100を予備動作させても良い。
頭部保護ブラケット120は、車体側面の衝突が検知されてから2次衝突が発生する前に、乗員の頭部の真横に到達しなければならない。従って、実動作時に頭部保護ブラケット120が動くストロークが長いと、頭部保護ブラケット120に求められる移動スピードが速くなり、結果的にパイロユニット117に求められる押圧力が高くなる。上記の説明のように、乗員保護機構100が予備動作を行なうことにより、実動作時に頭部保護ブラケット120が動くストロークを短くすることができるため、パイロユニット117に求められる押圧力を低くすることができ、乗員保護機構100の実動作によって頭部保護ブラケット120が乗員の頭部に衝突した際の衝撃を低減することができる。
パイロユニット117は火薬の爆発によって駆動するため、火薬の爆発により非常に大きな音がする。それに対し、本実施形態においては、パイロユニット117の押圧力をリンク115bで回転力に変換し、アーム115aを介して頭部保護ブラケット120に伝えている。この様な構成とすることにより、パイロユニット117を乗員の頭部から遠ざけることができる。従って、パイロユニット117動作時の爆発音が乗員の聴覚に与える影響を低減することができる。
上記の説明においては、インテグラルシートを例として説明したが、シートベルトホルダが車体に取り付けられたシートであっても適用可能である。しかしながら、インテグラルシートに本実施形態に係る乗員保護機構100を採用することにより、車両用シート1において乗員保護機構100がシートベルトホルダ13よりも外側に位置し、シートベルトと乗員保護機構100とが干渉して邪魔になることがない。また、インテグラルシートに乗員保護機構100を採用することにより、オープンカー等のピラーレス車に対して適用することが容易となる。
上記の説明においては、車両の側面に対する衝突時の乗員とサイドドアとの衝突を防ぐために、乗員保護機構100をサイドドア側に設ける例を説明した。しかしながら、上記において説明した乗員保護機構100を自動車用シートのサイドドアとは反対側に設けることもできる。これにより、車両側面に対する衝突時における運転席の乗員と助手席の乗員との衝突を防ぐことができる。
また、パイロユニット117の押圧力によって回動した実回動部115のはね返りを防止するため、サポートリンク113に凸部113cと切り欠き113dから成るブレーキ機構を設けているが、とくにこれに限定されない。予備回動部114と実回動部115との連結部等、他の部位にブレーキ機構を設けても良いし、パイロユニット117の突出部117aをワンウェイロック式とし、本体から突出する方向にしか動かない機構としても良い。
実施の形態2.
実施の形態1においては、図6に示すフレームを例として説明したが、フレームの構成については特に限定されず、実施の形態1において説明した機能を実現可能であれば良い。図10にフレーム111の他の構成例を示す。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。
図10に示すフレーム111の例では、実回動部115はアームとリンクとに分かれておらず、弓状に湾曲した長手状の部材である。実回動部115の弓形状の中心部近傍に回動軸116が設けられ、予備回動部114の一端と回動可能に連結されている。また、実回動部115の一端においてパイロユニット117の接続部117bと連結されており、パイロユニット117が動作することにより実回動部115は回動軸116を支点として回動する。更に、実回動部115のパイロユニット117と接続された側の端部とは反対側の端部に頭部保護ブラケット120が接続され、回動軸116よりも当該端部に近い側においてサポートリンク113と連結されている。
図10に示すフレーム111は、ベースプレート111aと予備回動部114とが一体に成形されている。予備回動部114の実回動部115と連結される側の端部とは反対側の端部に回動軸112が設けられ、サイドフレーム11に対して回動可能に連結される。実施の形態1と同様に、予備回動部114及びベースプレート111aはモータ12の駆動力により回動する。
この様に、本発明に係るフレーム111は、剛体であって予備動作のために自動車用シート1のサイドフレームに対して回動可能であり、更に実動作のためにパイロユニットの押圧力によって回動可能であれば、様々な態様で実現可能である。
実施の形態3.
本実施の形態においては、乗員保護機構の実動作の他の態様を説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。図11は、本実施の形態に係る自動車用シート1の一部を模式的に示す側面図である。
図11に示すように、本実施形態に係る乗員保護機構100のフレーム111は1体の長手状の部材である。その一端に回動軸112が設けられてサイドフレーム11に連結されており、他端にエアバッグ機構130が接続されている。また、フレーム111のエアバッグ機構130が接続された側の端部若しくはエアバッグ機構130にサポートリンク113が連結されており、サポートリンク113はサイドフレーム11に連結されている。
本実施形態に係るサポートリンク113はブレーキ機構を有さず、伸縮機構のみ有する。モータ12の駆動力によってフレーム111が回動軸116を支点として回動すると、エアバッグ機構130が接続された側のフレーム111の端部とサイドフレーム11との位置関係が変化するため、サポートリンク113が伸縮して位置関係の変化を吸収する。フレーム111は、モータ12の駆動力によって前方に回動することにより、乗員保護機構100の予備動作を担う。フレーム111が予備動作した状態において、エアバッグ機構130は背もたれ10aのヘッドレストの真横と、乗員の頭部の真横との間に位置する。
エアバッグ機構130は図示しない側突検知センサと接続されており、側突検知センサから車両の側面に対する衝突を検知した旨の信号を受信することにより実動作する。本実施形態に係る実動作は、エアバッグ機構130内部に収納されたエアバッグが起爆し、膨らむことにより成される。エアバッグ機構130のエアバッグは、フレーム111が予備動作した状態において、エアバッグ機構130から前方及び乗員側に膨らむ。これにより、膨らんだエアバッグが乗員の頭部側方に展開されて配置され、乗員の頭部を受け止めて乗員の2次衝突を防ぐことができる。
本実施形態においては、自動車用シート1の背もたれ10aの側部に、内部に剛体であるフレーム111を有する乗員保護機構100を配置し、当該乗員保護機構100の先端からエアバッグを膨らませている。従って、エアバッグが乗員を受け止めた際、乗員の頭部の近傍に剛体であるフレーム111が位置することとなり、車両のサイドウィンドウが開いた状態や、オープンカーのようなピラーレス車であっても、乗員の頭部を受け止め、保護することが可能となる。
また、フレーム111が予備動作を行なうことにより、側突検知時にエアバッグが膨らむ大きさを小さくすることができる。従って、エアバッグが膨らみ始めてから完全に膨らむまでの時間を短くすることができ、車体衝突から2次衝突までの時間が短いという側突の課題を解決することができる。
本発明の実施の形態に係る自動車用シートを示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る自動車用シートを示す透過側面図である。 本発明の実施の形態に係る自動車用シートを示す透過側面図である。 本発明の実施の形態に係る自動車用シートを示す透過側面図である。 本発明の実施の形態に係る自動車用シートの乗員保護機構の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る自動車用シート内部に含まれるフレームを示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る自動車用シート内部に含まれるフレームを示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る自動車用シート内部に含まれるサポートリンクを模式的に示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る自動車用シートの頭部保護ブラケットを模式的に示す側断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る自動車用シートの乗員保護機構を模式的に示す透過側面図である。 本発明の他の実施の形態に係る自動車用シートの乗員保護機構を模式的に示す透過側面図である。
符号の説明
1 自動車用シート、10 背もたれ、11 サイドフレーム、12 モータ、
13 シートベルトホルダ、100 乗員保護機構、110 基部、111 フレーム、
111a ベースプレート、112 回動軸、113 サポートリンク、
113a 内部ブラケット、113b 外部ブラケット、113c 凸部、
114 予備回動部、115 実回動部、115a アーム、115b リンク、
116 回動軸、117 パイロユニット、117a 突出部、117b 接続部、
120 頭部保護ブラケット、121 鉄板、122 発泡ビーズ、123 ウレタン、
124 カバー、130 エアバッグ機構

Claims (5)

  1. 自動車の側面に対する衝撃に対して乗員を保護する機構を備えた自動車用シートであって、
    乗員が着席する着席部と、
    前記着席部に固定され、その着席部の側部側において展開可能な剛体部とその剛体部と乗員との間において乗員への衝撃を吸収する緩衝部とを有する、乗員保護機構と、
    前記乗員の着席を検知する検知手段と、
    を備え、
    前記乗員保護機構は、前記乗員の乗降時において収容状態にあり、
    前記乗員保護機構は、前記着席部の側部側において、前記検知手段が前記乗員の着席を検知すると前記収用状態から予め予備展開し、衝突時に実展開する、
    自動車用シート。
  2. 前記乗員保護機構は、前記収容状態において前記着席部の背もたれと略平行な状態にある、請求項1に記載の自動車用シート。
  3. 前記乗員保護機構は、機構基部とその機構基部に固定され乗員の頭部を保護する頭部保護部とを備え、
    衝突時に前記頭部保護部がパイロユニットによって実展開する、
    請求項1または2に記載の自動車用シート。
  4. 前記着席部はシートベルトホルダを有し、
    前記乗員保護機構は前記着席部において前記シートベルトホルダよりも外側に連結されている、
    請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用シート。
  5. 前記乗員保護機構は、
    機構基部とその機構基部に固定され乗員の頭部を保護する頭部保護部とを備え、
    自動車の側面に対する衝突時に前記頭部保護部が前記乗員の頭部を保護する保護位置に位置するように実展開し、
    前記予備展開において、前記頭部保護部が前記保護位置に近づくように予め移動する、
    請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用シート。
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