JP4216478B2 - 感温性の材料を処理する方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的に液体材料の濃縮方法およびシステムに関し、特に材料の1以上の成分の増加された濃縮物を有する生成物を形成するために感温性で多成分材料の1以上の成分を選択的に除去する方法およびシステムに関する。さらに、本発明は血漿等の感温性材料を処理する方法および装置、特に、クレオプレシピテート(クリオグロプリンの沈殿)およびクロマトグラフの少なくとも一方によって、血漿等の感温性材料を濃縮し血漿等の感温性材料を処理する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血漿は血液の全ての細胞成分が除去された後に残留する淡黄色の液体である。水、電解質、種々の栄養分、免疫要素、凝固プロテインからなる血漿は多数の生命サポート機能を有する。この理由で、血漿はしばしば主に大量出血を含む場合に直接的な輸血に使用される。血漿の多数の個々の成分はまた分離され種々の病気を処理するためにも使用され、100を超えるこのような生成物は数10億ドルの世界規模の産業により生産されている。
【0003】
したがって、血漿と血漿生成物に莫大な需要がある。しかしながら、これらの需要を満たすのに十分な材料を獲得することができない。種々の合成技術で幾つか成功を納めているが、血漿と血漿生成物の主要な供給源は依然として人間のドナーである。全体的な寄付プロセスは集収センタで開始する。この時点で、血漿は寄付された血液全体から分離され、またはアフェレーシス、即ちドナーからの血液の血漿成分だけを取出すプロセスにより得られる。ある血漿は直接的な輸血に使用され、ある血漿は冷凍され、その後寒冷沈殿物と呼ばれる低温の不溶性のプロテインを得るために解凍される。ほとんどの集収された血漿は中央の処理設備へ送られ、ここで大きなバットへ混合され、そこから個々の成分が分離される。
【0004】
広範囲の理由で多成分材料の1以上の成分を濃縮することが所望であることが発見されている。例えば、生物医学分野では、水および/または材料の他の成分を除去することにより、血漿、免疫グロブリン、フィブリノゲンおよび/または凝固要素を含む血液構成要素等の材料の濃縮を増加することがしばしば所望される。薬学分野では、薬または希釈された液体形状または溶液で発生された他の材料の濃縮はしばしば実効的または市場で実行可能な生成物を生成するために必要とされている。コンデンスミルク等の食物製品も材料濃縮プロセスにより製造される。材料濃縮プロセスはまた例えば水溶液からの水除去、有機溶液からのアルコールまたはアルカン等の有機物溶媒の除去、無機溶液からの酸等の無機物溶媒の除去のように化学処理産業でも応用が認められている。濃縮された材料は水、塩溶液または他の材料の付加により使用するために再構成され、または濃縮形状で使用されるかさらに処理されてもよい。
【0005】
材料の濃縮は材料の保存および輸送に関する費用および空間的な要件を最少にするために望まれている。例えば血液生成物の保存および輸送は典型的に高価な冷凍装置を必要とする。有効な装置の実効的な容量は、材料濃縮によって輸送または保存される生成物量を最少にすることにより増加されることができる。血液生成物の増加した有効性は、天災または戦争等の緊急状況で人命を救い、緊急時ではない応用でも実質的に経済的な節約を与えることができる。材料の濃縮はまた材料の特性または治療効果を強化または変更するために望まれることがある。例えばフィブリノゲンの濃縮により形成されたフィブリングルーおよび他の血漿中の成分は外傷の生物学的組織の修復に増大した応用を発見している。また材料の濃縮は材料の付加的な処理を補助しまたはその効率を強化する。例えば血漿の濃縮は次の浄化および分別ステップで処理される材料の量を減少し、それによってこれらの処理の時間、価格、装置の要求を減少する。材料の濃縮は汚染物質の濃縮を増加し、それによってこれらをさらに容易に検出可能にすることにより生成物中の汚染物質の検出を高めることもできる。
【0006】
従来知られている材料の濃縮方法は多数の応用で十分成功するとはいえないことが発見されている。特に、感温性の材料はしばしば既知の材料の濃縮方法により損傷を受ける。例えば、典型的に濃縮される材料へ熱を与えることを含んでいる濃縮方法である強制的な蒸発および蒸留方法は不可逆的にプロテインを変性し、またはそうでなければ生成物に損傷を与える。典型的に濃縮される材料の全体量を冷凍することを含んでいる従来知られている濃縮のクレオプレシピテート方法は同様に感温性の生成物に損傷を与える。従来知られている材料濃縮のフィルタ処理方法は典型的にフィルタ媒体の凝固により非効率的であり、フィルタを頻繁に交換または洗浄することを必要とする。従来知られている濃縮方法およびシステムはまた低い生産性と非効率を受ける。例えばポンプおよびラインの損失はしばしば既知の方法およびシステムで濃縮物の全体量を消費する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、材料に対する損傷を減少または除去し、非効率を減少し、生産性を増加することのできる感温性の材料の濃縮方法およびシステムの必要性が依然として存在することが認められる。
【0008】
クレオプレシピテートによって血漿から幾らかプロテインを分離することも知られている。クレオプレシピテートの基本原理は凍結するときに幾らかの血漿プロテインが塊状化し、その後、温度が5℃より低い十分な低温に維持されるならば、解凍したときに塊状のままである。したがってこの技術はバルクな血漿からファクターVIII、フィブリノゲン、von Willebrands ファクターのようなあるプロテインを分離するために使用されることができる。
【0009】
しかしながら一般的なクレオプレシピテート技術は、長い処理時間と、少ない生産率を有する欠点があり、これらの限定は濃縮装置の幾つかの主要な動機である。それ故、特に濃縮された血漿のクレオプレシピテート技術を開発することが所望される。
【0010】
またクロマトグラフにより材料を分離および/または純化することも知られている。クロマトグラフの基礎原理は異なる材料が異なる速度で異なる媒質を通って拡散することである。これらの速度差はしたがって複雑な混合物の種々の成分を分離する手段を与える。このような分離はトキシンまたは他の未知の物質のような個々の成分を識別し、血漿等の既知の混合物の商業的な高価な分別を処理するために共通して使用される。
【0011】
通常のクロマトグラフでは、関心のあるターゲット材料はしばしば有機物の混合物であり、これは液体または気体の形態である。ターゲット材料は通常アルコール等の溶媒で溶解される。媒体は典型的に紙またはゲル等の吸収材料からなる。
【0012】
プロセス全体は平衡状況の進行になり(K.Hostettmann 、Preparative Chromatographic Techniques、Springer Verlag 、1988年)その期間に分離される材料は媒体および溶媒との平衡に到達する。理想的な状態は流動速度と相対的な吸収強度が成分を溶解するのに十分に均衡されている状態である。
【0013】
しかしながら、これらの理想的な状態に反して動作する4つの主要な要因が存在する。第1にサンプルが大きいので開始状態が良好に限定されず、即ちサンプルの一部分が溶媒動作を受け、残りのサンプルは処理を受けないことである。第2に、増加する濃縮勾配の動作下における溶質の分子の拡散は全方向に材料を拡散する傾向がある。第3に、媒体の不規則性のために渦拡散も全方向で溶質を分散することができる。第4に、大量転送に対する媒介の抵抗性は局部的な平衡を隠蔽する。これらの実質的な効果および他の少ない要因は、成分を拡散し(即ち成分は狭く分解された帯域とは反対に広くオバーラップ可能な帯域として移動する)それによってシステムの分解能を減少する。
【0014】
これらの問題を克服するため、多くの別の手段が利用可能である。高圧力、回転、イオン交換、親和性等の使用を含むこれらの技術はしばしば成功しているが、高価で複雑で長い処理時間を必要とする。これらの問題は特に血漿プロテインのような高分子重量成分には厳しい。
【0015】
それにもかかわらず、クロマトグラフは血漿を隔離する好ましい技術である。依然として実施されている古い技術、即ちCohnまたは冷エタノール、分別処理と比較してクロマトグラフは分解能が大きくプロテイン損傷が少ない。これらの理由で、オーストラリア国家ユニットのような新しい設備がクロマトグラフ用に設計されている。しかしながらこの既に開発された技術の設備でさえも、プロセスは依然としてかなり必要とされ、長時間である。例えば血漿の所定のバッチはプロセス完了に約3か月を要する。この非常に長い時間は実際に、最近の米国の種々の免疫グロブリンの不足に潜む基礎的な問題であり、不足が過酷であるのでFDAは幾らか安全基準を緩和している。
【0016】
したがって、材料、特に血漿のような感温性の材料の分離および/または純化のための改良されたクロマトグラフ技術の必要性が残されている。
【0017】
すなわち、本発明の1つの目的は感温性の材料を処理する優れたシステムを提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、血漿処理のための優れたシステムを提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、感温性の材料を濃縮するための優れたシステムを提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、血漿を濃縮するための優れたシステムを提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、感温性の材料を濃縮するための優れた容器を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、血漿を濃縮するための優れた容器を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、感温性の材料を濃縮するための優れた方法を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、血漿を濃縮するための優れた方法を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、クレオプレシピテートにより材料を分離および/または純化するための優れた装置を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、クレオプレシピテートにより血漿を分離および/または純化するための優れた装置を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、クレオプレシピテートにより材料を分離および/または純化するための優れた方法を提供することである。
【0028】
本発明の別の目的は、クレオプレシピテートにより血漿を分離および/または純化するための優れた方法を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、クロマトグラフにより材料を分離および/または純化するための優れた装置を提供することである。
【0030】
本発明の別の目的は、クロマトグラフにより血漿を分離および/または純化するための優れた装置を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、クロマトグラフにより材料を分離および/または純化するための優れた方法を提供することである。
【0032】
本発明の別の目的は、クロマトグラフにより血漿を分離および/または純化するための優れた方法を提供することである。
【0033】
【課題を解決するための手段】
これらおよび以下の詳細な説明で明白になるその他の目的は、材料、特に少なくとも第1の成分と第2の成分を含む血漿等の感温性の材料が以下の方法によって第1の成分と第2の成分のうちの一方の増加した濃縮物を有する生成物を形成するために濃縮されてもよいという発明者の発見により達成される。この方法は、
(a)材料の少なくとも一部分を材料の溶融点の温度以下まで冷却し、前記一部分は液相の第1の成分を含んでおり、
(b)固相と液相を含むシステムを形成するように材料の少なくとも冷却された部分へ超音波エネルギを与え、前記固相は前記第1の成分を含み、
(c)前記固相を集収するステップを有する。
【0034】
本発明者はまた材料、特に少なくとも第1の成分と第2の成分を有する血漿等の感温性の材料がシステムによって第1の成分と第2の成分のうちの一方の増加した濃縮物を有する生成物を形成するために濃縮されることができることを発見しており、このシステムは、
(a)液相の第1の成分を含んでいる材料の少なくとも一部分を材料の溶融点の温度以下まで冷却する熱伝導装置と、
(b)前記第1の成分を含む固相と液相とを含むシステムを形成するように材料の少なくとも冷却された部分へ超音波エネルギを供給する超音波エネルギソースと、
(c)前記固相を集収する手段を有する。
【0035】
本発明者はまた材料、特に少なくとも第1の成分と第2の成分を含む血漿等の感温性の材料が容器によって第1の成分と第2の成分のうちの一方の増加した濃縮物を含む生成物を形成するため濃縮されることができることを発見しており、この容器は、
(a)外部熱伝導装置と材料との間に熱を伝導することを可能にし、外部エネルギソースから材料への超音波エネルギの伝送を可能にする処理室を有するフレキシブルな壁部分と、
(b)第1の成分の除去された部分を集収する集収室と、
(c)生成物を集収する生成物室とを具備している。
【0036】
本発明者はまた、血漿濃縮物が以下のプロセスにより処理されることを発見しており、このプロセスは、
(a)固相と液相を含むシステムを形成するのに十分な温度まで血漿濃縮物を冷却し、
(b)前記固相を集収するステップを有する。
【0037】
本発明者はまた、血漿が以下のプロセスにより処理されることができることを発見しており、このプロセスは、
(a)固相と液相を含むシステムを形成するために、少なくとも血漿の一部分を冷却し、超音波エネルギを前記血漿の少なくとも冷却部分へ供給し、
(c)前記固相を集収するステップを有する。
【0038】
本発明者はまた、容器の使用によって血漿濃縮物が処理されることができることを発見しており、この容器は、
(a)外部熱伝導装置と血漿との間に熱を伝導することを可能にし、外部エネルギソースから材料への超音波エネルギの伝送を可能にする処理室を包囲するフレキシブルな壁部分と、
(b)液相を集収する集収室と、
(c)固相を集収する生成物室とを具備している。
【0039】
本発明者はまた、材料、特に少なくとも第1の成分と第2の成分を有する血漿等の感温性の材料がクロマトグラフ方法によって構成成分に分離され、および、または純化されることができることを発見しており、この方法は、
(a)外部エネルギソースから材料へ超音波エネルギを供給して伝送しながら前記材料を固定相を通して抽出するステップを有する。
【0040】
本発明者はさらに、材料、特に少なくとも第1の成分と第2の成分とを有する血漿等の感温性の材料がクロマトグラフ装置によって構成成分に分離され、および、または純化されることを発見しており、このクロマトグラフ装置は、
(a)前記材料を固定相を通して溶出し、外部エネルギソースから材料への超音波エネルギの伝送を可能にするのに適した容器と、
(b)外部超音波エネルギソースとを具備している。
【0041】
好ましい形態で簡単に説明すると、本発明は材料を濃縮する方法およびシステムを有する。本発明の方法およびシステムは特に感温性の材料の濃縮に適しているが、感温性ではない材料の濃縮にも使用されることができる。ここでさらに詳細に説明されている本発明の好ましい形態にしたがって、本発明の方法およびシステムは少なくとも第1の成分と第2の成分を有する材料を濃縮することに適用される。材料の少なくとも第1の成分の一部は最初の材料中の第2の成分の濃縮に関して、第2の成分の増加された濃縮物を有する生成物を形成するように除去される。本発明の方法およびシステムは、血漿および/またはその他の血液構成要素等の生物学的材料、薬学、化学、研究所の試験診断、食物製品を含むがそれに限定していない材料の濃縮に応用可能である。
【0042】
本発明の1特徴は、少なくとも第1の成分と第2の成分を有する溶液または他の材料の濃縮方法を提供し、これらの成分のうちの一方の増加した濃縮物を有する生成物を形成する。この方法は、材料の少なくとも一部分を溶液の溶融点以下の温度まで冷却するステップを含むことが好ましく、前記部分は液相の第1の成分を含んでいる。この方法はまた固相の第1の成分の結晶を形成するように材料の少なくとも冷却された部分へ超音波エネルギを与えるステップをさらに含むことが好ましい。また、この方法は濃縮された生成物を形成するために材料から結晶を除去するステップも含んでいる。生成物は結晶の除去後に残留し、第2の成分の増加した濃縮物を有する材料であるか、反対に第2の成分の増加した濃縮物を有する除去された結晶である。
【0043】
別の特徴では、本発明は少なくとも第1の成分と第2の成分を有する材料を濃縮し、これらの成分のうちの一方の増加した濃縮物を有する生成物を形成するシステムを具備する。このシステムは材料の少なくとも一部分を材料の溶融点の温度以下まで冷却する熱伝導装置を含むことが好ましく、前記部分は液相の第1の成分を含んでいる。このシステムは、固相の第1の成分の結晶を形成するように、材料の少なくとも冷却された部分へ超音波エネルギを供給する超音波エネルギソースを含むことも好ましい。システムは生成物を形成するように材料から結晶を集収する手段を含むことも好ましい。生成物は結晶の除去後に残留し、第2の成分の増加した濃縮物を有する材料であるか、反対に第2の成分の増加した濃縮物を有する除去された結晶である。
【0044】
別の特徴では、本発明は、第1の成分の増加した濃縮物を有する第1の生成物と、材料の第2の成分の増加した濃縮物を有する第2の生成物とを形成するため、材料から第1の成分を分離する期間中に材料の(全体)量を収容している容器を具備している。この容器は、外部熱伝導装置と材料との間に熱を伝導することを可能にし、外部エネルギソースから材料への超音波エネルギの伝送を可能にする処理室を有するフレキシブルな壁部分を具備することが好ましい。容器は第1の生成物の除去された部分を集収する集収室をさらに具備することが好ましい。さらに容器は第2の生成物を集収する生成物室も具備することが好ましい。
【0045】
本発明のシステムおよび方法は多数の分野、例えば血漿その他の血液構成要素等の生物学的材料の濃縮、薬物の濃縮、化学物質の濃縮、低濃縮成分の認識を増加するための研究所の試験標本の濃縮、食物製品の濃縮等において応用を発見する。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点を添付図面を参照してここで説明する。
濃縮方法
すなわち、第1の実施形態では、本発明は第1の成分と第2の成分のうち一方の増加された濃縮物を有する生成物を形成するために少なくとも第1の成分と第2の成分とを含む材料の濃縮方法を提供し、その方法は、
(a)材料の少なくとも一部分を材料の溶融点以下の温度まで冷却し、前記部分は液相の第1の成分を含んでおり、
(b)固相と液相と含むシステムを形成するように材料の少なくとも冷却された部分へ超音波エネルギを与え、前記固相は前記第1の成分を含み、
(c)前記固相を集収するステップを有する。
【0047】
本発明は超音波補助冷凍方法にしたがって、溶液および感温性の材料を含む他の材料の濃縮を可能にする。本発明の超音波補助冷凍方法は、少なくとも第1の成分の一部分を除去し、第2の成分の増加された濃縮物を有する生成物を形成することによって少なくとも第1の成分と第2の成分を有する材料の処理を含んでいる。この方法は材料の少なくとも一部分を溶液の溶融点以下の温度まで冷却し、それによって過冷却された液相を形成することを含んでいる。この冷却ステップは以下詳細に説明する熱伝導装置の動作によって行われることができる。超音波エネルギは第1の成分の固相(多数の材料の場合、結晶の核形成)の形成を誘発するように材料の少なくとも冷却された部分に与えられる。過冷却された液体へ超音波エネルギを与えることは結晶の形成を促進することが発見されている。超音波エネルギの供給は以下さらに詳細に説明するように超音波エネルギソースの動作により実行されることができる。第1の成分のこれらの結晶は材料から除去され、第1の成分の増加された濃縮物を有する第1の生成物を形成し、第2の成分の増加された濃縮物を有する第2の生成物を残す。結晶の除去は以下詳細に説明する集収手段の動作により実行されることができる。
【0048】
本発明の濃縮方法は、固相が結晶として存在する多数のタイプの材料に対して固相を形成することに関して説明されている。これは水で真であり、幾つかの固体はアモルファス形態(ガラス化に留意する)としてまたは不適切に限定された結晶固体として沈殿するかもしれない。したがって本発明の方法は氷のような容易に識別可能ではない結晶を形成する材料だけに限定されない。したがって本発明の濃縮方法は他の“固体”または“沈殿物”を含み、これは材料の温度を低下する結果として形成される。
【0049】
冷却ステップと超音波エネルギの供給ステップは別々の装置を使用して別々に実行されることができるか、音響伝達冷却プレートを形成するように図1で示されている冷却プレート22等の冷却手段に超音波トランスデューサを取付けることにより結合されることができる。濃縮される材料を音響伝達冷却プレートに隣接してバイパスすることにより、冷却と超音波エネルギ供給が同時に実現される。さらに好ましくは、濃縮される材料の薄層は、熱の伝導と結晶形成を増加するために第1の冷却プレートと第2の冷却プレイートとの間に位置付けられ、少なくともその一方は音響伝達冷却プレートである。
【0050】
ここで使用される用語“溶融点”は熱が材料に吸収されたとき、固相から液相へ材料が変化する温度を意味している。この温度は材料の組成に基づいて変化し、所定の材料に対して実験的に決定されることができる。無限の時間と適切な核形成サイトが与えられると、“凍結点”(熱が材料から除去されたとき、材料が液相から固相へ変化する温度)は溶融点に等しい。しかしながら実際には、材料の凍結点はほぼ常に溶融点よりも僅かに下である。溶融点より下の温度において液相に留まった材料は“過冷却された”材料と呼ばれる。冷凍機構の説明は米国特許第5,139 496 号明細書に記載されている。
【0051】
濃縮される材料が冷却される温度は材料とその成分の組成に基づいて変化し、ルーチンの実験により決定されることができる。例えば、濃縮される材料が水溶性材料であり、除去される成分が水であるならば、材料は0℃以下まで冷却されることができる。水溶性材料は−1乃至−0.5℃の間まで冷却されることがさらに好ましく、約−0.5℃が最も好ましい。血漿は最初に約−1℃まで冷却されることにより濃縮されることが好ましい。材料の濃縮が増加すると、その溶融点は低下し、材料がさらに濃縮されるにつれて低温への漸進的な冷却が必要である。この方法により、材料は即時の溶融点よりも数度だけ低い僅かに過冷却状態に維持される。これは氷の結晶が小さく、樹枝状結晶が決裂した状態であり、それによって材料の全体量が冷凍しないことを確実にする。
【0052】
核形成と加速された氷結晶成長を起こす超音波の能力は周波数とは大きく独立している。これはキャビテーションの範囲のパワーと大きく独立し、測定可能なキャビテーションの開始の少なくとも50%下である(I. T. Sokolov 、“Effects of Ultrasonics on Supercooled Water 、Zh.Tekh.Fiz 、8巻、 901頁、(1988年)”)。
【0053】
従って、周波数に関して、本発明の方法は既存の技術により与えられる超音波エネルギを使用することができる。商業的な技術(Sonics and Materials, Inc., Danbury 、CT)は20kHzと40kHzの装置を強調し、ここで20kHzは人間の聴力の範囲を僅かに超えている。このような周波数は本発明の方法で使用するのに適している。
【0054】
パワーについては、オブジェクトはキャビテーションレベルのすぐ下に位置している。キャビテーションは水蒸気圧力よりも小さくなり、気泡の形成を生じる。これは通常ボートのプロペラの後部で観察される。超音波の実際の使用については、キャビテーションは宝石のクリーナと、化学反応の加速と、細胞膜の破壊に使用される。血漿では、血漿のプロテインを損傷するので強力なキャビテーションは避けられる。他方で、十分な音響伝達が核形成と結晶成長を生じさせるのに必要とされる。さらに、キャビテーションの程度は液体の粘度に依存し、上限は約8,000乃至10,000cp(センチボイズ)である。血漿はこの限界よりもずっと少ない粘度で開始し、その後血漿が濃縮されるにしたがってこの限界を超え、フィードバック回路が超音波発生器へのパワーレベルを制御するために使用される。このようなフィードバック回路はよく知られ、Sonics and Materials, Inc., Danbury 、CTから市場で入手可能である。人間の血漿のように低い粘性の材料では、初期の強度は1ワット/cm2 を超えないことが好ましい。
【0055】
超音波は結晶の成長に3つの影響を有する。即ち、これは核形成サイトを提供することによりこれの成長を開始し、その後この成長を加速し、結果的な結晶の純度に影響を与える。
【0056】
冷凍の理論は序説的な化学テキストブックに良好に説明されている(Leonard W. Fine, Chemistry, Appleton Century Crofts 、ニューヨーク、1972年)。基本的な概念は、凍結点に到達し液体が固体になり始めるまで、熱が純水のような液体から連続して除去され、それに対応して液体の温度は減少することである。この時点で、温度は一定であり、残りの液体は付加的な熱が除去されるとき凝固する。この付加的な熱は溶解熱として知られている。凝固ステップの終了時に、さらに熱を除去すると固体の温度の減少が生じる。反対に、固体に熱を付加すると溶融点に到達するまで固体の温度は上昇する。この点で、溶解熱がシステムに付加され全ての残りの固体を液体に変化するまで温度は一定である。熱を次に付加すると単に液体の温度を上昇する。
【0057】
しかしながら理想的な状態と無限の時間期間を除いて、凍結点と溶融点は同一である。代わりに、2つの競合する熱力学プロセスと、溶解熱が解放されたときのシステムの自由エネルギの減少と、表面エネルギが吸収されたときのシステムの自由エネルギの増加のために凍結点は典型的に溶融点よりも明らかに低い。これらの処理は核と呼ばれる小さい隔離された冷凍サイトで競合する。この競合結果は臨界的な小さい寸法を超える核が安定で氷結晶へ成長し、さらに小さい核はこれらが熱力学的に不安定であるので溶融物へ再吸収されることである。したがって冷凍される液体では、温度は溶融点より下でなければならず、安定な冷凍核が存在しなければならない。
【0058】
これらの核がないときには、さらに熱を除去すると、溶融点よりも低温の液体である過冷却液体が生じる。過冷却された液体はしたがって非常に不安定であり、核が与えられると急速に冷凍し、純水による実験では約20msecの冷凍時間を示している(D. R. Worsnop 、“Heterogeneous Reaction Kinetics of Importance to Stratospheric Chemistry”、Aerodyne Research Report No.ARI-RR-613、1988年)。これらが固有に不安定であるために、過冷却された液体も外部で与えられた核で冷凍することもできる。不均一核形成と呼ばれるこのプロセスは典型的に粗い壁表面または固体の不純物で発生する。核なしでは、過冷却された液体は均一な凝固点まで冷やされ、ここで冷凍は核形成表面なしで生じる。純水では、不均一な凍結点は−40℃として許容される。
【0059】
しかしながら、水溶液の冷凍は純水の冷凍よりも非常に複雑である。特に、塩または他の電解質等の溶質は結晶が溶質を変位できる程度に温度が十分低くなるまで氷結晶の格子の形成を阻止することによって凍結点を下げる。実質的な結果は溶質濃縮物の増加と共に非常に純粋な氷結晶の成長である。この増加した濃縮は結果的にさらに凍結点を下げ、さらに大きい溶質濃縮物を生成する。熱の連続的な除去により、このプロセスは液体が残らなくなるまで継続し、これは共晶点と呼ばれる。この点より低い温度では、塩水和物または別々の塩および氷結晶が形成する。
【0060】
しかしながら前述の状態では、基本的に平衡なプロセスで、現実的にしばしば満たされない状況だけを保持する。代わりに局部化された加熱と冷却は、進行する冷凍フロントまたは氷結晶成長面に不安定性を発生できる。これらの不安定性によって、急速に進行する冷凍フロントはさらに多くの希釈ゾーンで冷凍するように溶質の局部的に高い濃縮にわたってジャンプでき、それによって濃縮されたプール中の溶質を捕らえる(W. B. Hardy 、Proc. Roy. Soc. Lond. A.、 112巻、47頁(1926年))。この現象は進行する冷凍フロントの樹枝状結晶または枝に含まれるものとして普通に観察される。別の重要な非平衡プロセスはガラス化であり、ここでは冷凍濃縮曲線は基本的に共晶点よりも低く延在する。この区域では、不安定な溶液は粘性が高くなり、有効なエネルギは結晶化を好まず、したがってガラスを生成する。十分に迅速な熱除去により、平衡が中間の状態でさえも実効的に回避され、実質的な結果はアモルファス固体である(G. S. H. Lock 、The Growth and Decay of Ice 、Cambridge University Press、Cambridge 、 305−308 、1990年)。
【0061】
超音波は50乃至100またはそれ以上の係数だけ結晶の成長を加速できる。この効果に隠されたメカニズムは、超音波が流体の実効的な粘度を減少し、拡散を改良し、境界層を分離し、流体内の熱伝導を改良することである。超音波はまた進行する樹枝状結晶の枝を決裂し、したがって溶解された不純物のポケットに含まれることを阻止しながら新しい核形成サイトを与える(A. P. Kapustin、The Effects of Ultrasound on the Kinetics of Crystallization、Consultants BUREAU、New York、1963年)。
【0062】
最終的に、超音波は氷壁を破壊し、それによって冷却プレートと、処理される液体との間の絶縁層の成長を防止する。これは血漿の迅速な処理には臨界的である。
【0063】
冷却生物学的組織における超音波の主な使用は、主に神経学、心臓学、皮膚科学を目的とした冷凍外科である。最良の特許例はHed (A. Z. Hed 、“Ultrasonic Freeze Ablation Catheters and Probes ”、米国特許第5,139,496 号明細書)により与えられている。唯一のその他の使用は簡単な研究所の細胞壁破壊プロセスである。
【0064】
本発明の方法では、システム(細胞)全体が僅かにのみ過冷却され、それによって前述のゾーンジャンピングと急速な樹枝状結晶の成長とを阻止し、急速に形成された氷マトリックスの血漿プロテインの一部を捕捉することを防止する。次に超音波は熱伝導プレート間の処理ゾーンを通じて核形成サイトを発生するように与えられる。この連続的な供給は過冷却液体がほぼ瞬時に凍結し始めることを確実にし、さらに溶質が含まれることを阻止することによって生成物の純度を確実にする。この連続的な音響伝達は均一な冷却により材料の均一な混合を確証する。壁上の氷の成長も境界層の破壊および継続された撹拌により防止される。最終的に、形成されるこれらの結晶は安定性に必要な臨界的寸法に急速に到達し、その後粘度の減少により処理ゾーン外で素早く浮遊する。樹枝状結晶の捕捉またはゾーンジャンピングせずに、後者の成長が生じ、したがって高い純度になる。
【0065】
前述の共晶現象によって濃制限が課される。しかしながら血漿の場合、共晶は1つの点ではなく、約−5乃至−30℃の範囲である。これは氷が基本的に純粋で、約0.5℃乃至約−5℃の結晶凍結点で理想的な濃縮を発生する。この制限はしたがって溶質が氷マトリックスに含まれる前に幾つかの濃縮係数を与える。
【0066】
しかしながら、重要な強化は、漸進的に濃縮された溶液から塩を除去するため透析を使用することである。塩はプロテイン、糖分、脂肪等を有する溶液の全体的な凍結態様を決定し、及ぼす影響が非常に少ないので、塩の除去がターゲットである。また高濃縮では、塩は実際にプロテインの反応サイトを毒し、プロテインを変性する架橋を誘発する。凍結プロセス中の塩の除去はしたがってさらに多くの水が共晶限定を超えずに除去されることを可能にし、また血漿プロテインを保護する。したがって非常に高い濃縮物に到達されることができ、制限はペーストと一貫して材料を処理するシステム(組織)の能力であり、多数の血漿生成物はペースト状で供給されることに注意すべきである。
【0067】
第1の成分の固体結晶粒子はスキミング、フィルタ処理、またはその他の材料から結晶を集収および分離する方法により材料から除去されることができる。代わりに、ここで説明した濃縮容器が設けられるならば、結晶は除去するため濃縮容器の集収室で集められることができる。さらに別の実施形態では、結晶は遠心力またはその他の機械的な分離手段、化学的分離プロセスおよび/または電磁分離プロセスにより除去されることができる。
【0068】
本発明の方法は種々のサンプリングおよび試験ステップをさらに有することができる。例えば生成物の種々の成分の濃縮を決定し、抵抗、粘性、光透過性、温度、pHおよび/または処理材料の他の特性を決定し、および/または処理された材料中の汚染物質の存在を検出するステップを含むことができる。また多数の材料の溶融点は濃縮の増加と共に減少するので、材料の濃縮は結晶が形成される観察された温度に基づいて決定されることができる。本発明の方法は例えば透析膜を通って濃縮中または濃縮後に、濃縮された生成物から塩または他の構成要素を除去する等の生成物処理をさらに選択的に有することができる。
【0069】
本発明にしたがって超音波エネルギの供給と組み合わせて処理される材料の冷却は予期せぬ結果を実現する。例えば、与えられた超音波エネルギは材料表面においてだけというよりも、材料の全体的な量にわたって選択された位置での結晶形成を可能にする。超音波エネルギの供給は結晶から樹枝状結晶の成長を制限し、形成される最初の樹枝状結晶を破断するように結晶に振動を励起する。樹枝状結晶の形成の阻止または最小化は、第1の成分の純粋な結晶だけが材料から除去され、樹枝状結晶内で捕らえられ結晶と共に除去される材料のその他の成分はないことを保証する。材料への超音波エネルギの供給はまた材料の粘度を減少し、それによって第1の材料の結晶が材料の表面へ素早く浮遊し、または除去のために集収することを可能にする。また、超音波エネルギの供給は材料内の熱伝導速度を強化し、材料の全体量にわたって高速度で均一な冷却を行うものと考えられる。音響伝達冷却プレートを形成するために冷却プレート上の超音波トランスデューサの配置は冷却プレートに近接する材料中の氷の成長を防止する付加的な利点を有し、この氷の成長は材料から冷却プレートまでの熱伝導に抵抗する絶縁層を形成する。
【0070】
濃縮システム
第2の実施形態では、本発明は少なくとも第1の成分と第2の成分を有する材料を濃縮して、第1の成分と第2の成分のうち一方の増加された濃縮物を有する生成物を形成するシステムを提供し、このシステムは、
(a)液相の第1の成分を含んでいる材料の少なくとも一部分を材料の溶融点の温度以下まで冷却する熱伝導装置と、
(b)前記第1の成分を有する固相と液相とを含むシステムを形成するように材料の少なくとも冷却された部分へ超音波エネルギを与える超音波エネルギソースと、
(c)前記固相を集収する手段を有する。
【0071】
濃縮システムを図面を参照してさらに詳細に説明し、同一の参照符号は全体を通じて同じ部分を表している。図1は本発明の好ましい実施形態にしたがった材料の成分を濃縮するシステム10を示している。システム10は通常、濃縮される材料を冷却するための1以上の熱伝導装置20と、超音波エネルギを濃縮されるべき材料へ与える1以上の超音波エネルギソース40と、材料の成分の結晶化された粒子を集収する手段とを具備している。システム10はシステム10内で処理するために材料を転送する転送手段をさらに具備することができる。本発明のシステム10のこれらおよび他の特徴を以下詳細に説明する。
【0072】
1以上の熱伝導装置20は濃縮される材料と熱接触して配置され、材料から熱を吸収して材料を冷却する。1以上の熱伝導装置20の容量および動作温度は濃縮される材料のタイプおよび量に基づいて変化する。熱伝導装置20は濃縮される材料を、瞬時の濃縮で溶液の溶融点以下の温度まで冷却する。
【0073】
1以上の熱伝導装置20は好ましくは濃縮される材料から熱を吸収するための少なくとも1つの冷却プレート22を具備している。さらに好ましい形態では、1以上の熱伝導装置20は第1の冷却プレート22aと第2の冷却プレート22bを具備し、熱伝導を速くするために濃縮される材料が第1の冷却プレート22aと第2の冷却プレート22bとの間の薄い層中に挟まれることを可能にする。冷却プレート22aと22bは好ましくはアルミニウム、銅またはステンレス鋼のような高い熱伝導性を有する材料から製造される。1以上の熱伝導装置20は好ましくは標準的な設計の冷凍装置(図示せず)と、冷凍装置と冷却プレート22a、22bとの間で冷媒を通過するための冷媒導管26をさらに具備している。本発明の1以上の熱伝導装置20はシステム10により除去される材料の少なくともこれらの成分の過冷却が濃縮された生成物を形成することを可能にするように選択される。
【0074】
本発明のシステム10はさらに少なくとも濃縮され熱伝導装置20により冷却される材料部分へ超音波エネルギを供給するため、1以上の超音波エネルギソース(図示せず)を具備する。超音波エネルギソースは好ましくは超音波エネルギを発生するためピエゾ電気トランスデューサのような超音波トランスデューサ42を具備する。1以上の超音波エネルギソース40は好ましくは、濃縮方法で同じ周波数と前述したパワー密度で濃縮される材料へ超音波エネルギを供給する。好ましい実施形態では、トランスデューサ42は熱伝導装置20の冷却プレート22上に取付けられ、音響伝達(sonify)された冷却プレートを提供し、少なくとも濃縮される材料部分の冷却および超音波エネルギの供給を同時に許容する。さらに好ましい形態では、第1の超音波トランスデューサ42aは第1の冷却プレート22aに取付けられ、第2の超音波トランスデューサ42bは第2の冷却プレート22bに取付けられ、それによって濃縮される材料部分の対向面に冷却および超音波エネルギの供給を同時に許容する。
【0075】
本発明のシステム10はここで説明する方法にしたがって、濃縮された生成物を形成するために材料から結晶化された成分を集収する手段をさらに備えていることが好ましい。集収手段は、多くの数の形態を取ることができる。例えば、スキマーまたはセパレータは材料の上部および下部から固体結晶粒子を集めることができる。その代わりに、ここで説明する濃縮容器が設けられたならば、集収手段は濃縮容器の集収室を具備する。さらに別の実施形態では、集収手段はフィルタ素子、遠心分離その他の機械的分離手段、化学的分離プロセス、および/または電磁分離プロセスを具備することができる。
【0076】
本発明のシステム10はシステム10内で処理するための材料を伝送する伝送手段をさらに具備してもよい。それが設けられたならば、伝送手段は少なくとも濃縮される材料部分が1以上の冷却プレート22の表面に沿って熱伝導位置および/または1以上の超音波エネルギソースからの超音波エネルギの供給位置へ通過されるように機能する。例えば、好ましい実施形態では、伝送手段は、第1および第2の超音波トランスデューサ42a、42bを具備する第1と第2の冷却プレート22a、22b間に処理されるべき材料を通過させる。その代わりにまたは付加的に、伝送手段はここで説明した濃縮容器、および逐次的処理のためにシステムを通る供給容器のような、濃縮される材料の個々の容器を獲得する。伝送手段はポンプ、重力供給システム、またはその他の連続的な伝送機構を具備でき、および/または真空または摩擦グリッパのような1以上の機械的アクチュエイタ、材料の個々の容器を伝送するためのコンベアまたはロボット伝送アームを具備することができる。
【0077】
本発明のシステム10は種々のサンプリングおよび試験装置をさらに随意的に具備することができる。例えば、システムは生成物の種々の成分の濃縮を決定するために1以上のセンサを具備することができる。例えばセンサは抵抗、粘度、光透過性、温度、pH、および/または処理された材料のその他の特性を測定するために設けられることができる。システムは処理された材料の汚染物質の存在を検出する手段をさらに具備することができる。検出された汚染物質はウィルス、バクテリアのような生物組織体、プリオン等の他の病気媒介ベクトル、ゴミまたは塵等の粒子の外来因子を含んでもよい。
【0078】
本発明のシステム10は生成物処理手段をさらに随意的に具備することができる。生成物処理手段は例えば、濃縮中または濃縮後に濃縮された生成物から塩または他の構成成分を除去するための透析膜で構成してもよい。
【0079】
濃縮容器
第3の実施形態では、本発明は材料の第2の成分の濃縮度が増加している生成物を形成するために、材料の第1の成分の分離中に材料を含む容器を提供し、前記容器は、
(a)外部熱伝導装置と材料との間に熱を伝導することを可能にし、外部エネルギソースから材料への超音波エネルギの伝送を可能にする処理室を構成するフレキシブルな壁部分と、
(b)第1の成分の除去部分を集収する集収室と、
(c)生成物を集収する生成物室とを具備している。
【0080】
本発明の方法およびシステムは、濃縮される個々の量の材料を含み、ここで説明する方法およびシステムを使用して濃縮容器内の材料量を処理する濃縮容器を用いることにより非常に容易にされる。本発明の濃縮容器の実施形態は図2および3に示されている。図2で示されているように、本発明の濃縮容器100 は処理室110 と、集収室120 と、生成物室130 とを含んでいる多室として構成され薄い壁のフレキシブルな容器を具備することが好ましい。処理室110 は好ましくは可動室壁112 、114 により画定され、比較的薄く、それによって材料を通る熱および超音波エネルギの伝導を促進する。室壁112 、114 は好ましくはポリエチレンまたは他のプラスティックフィルム等のフレキシブルな生物学的に両立する材料から製造され、これは処理される材料と両立し、無反応であり、低温度でフレキシブル性を維持する。1以上の強化された固定点116 は伝送手段および/または冷却プレート22による結合のために設けられることができる。固定点116 はまたプラスティックフレームまたは他の剛性な支持装置の位置に容器100 を固定するために設けられることができる。
【0081】
集収室120 は好ましくは処理室110 の上部と連通し、それによって材料から除去される成分の結晶が形成されるとき、結晶は材料の上部に浮上し、スキムされる(表面部分を採取する)か、または他の方法で集収ポート122 を経て集収室120 へ伝送される。濃縮容器100 に最初に設けられる材料のレベル124 は処理されていない材料が集収室120 へあふれ出ないように集収ポート122 のレベルの丁度下であることが好ましい。
【0082】
生成物室130 は好ましくは処理室110 上に配置され、生成物伝送ポート132 を経て処理室110 と連通する。フィルタ素子134 は固体相を捕らえるために生成物伝送ポート132 に設けられることができる。濃縮容器100 には好ましくは、処理される材料を処理室へ誘導する再閉鎖可能で密封可能な材料の入口部品140 と、生成物室130 から濃縮された生成物を集収し抽出する再閉鎖可能で密封可能な生成物集収部品142 が設けられている。材料の入口部品140 と生成物集収部品142 は無菌の材料を伝送するための滅菌ドックを具備することが好ましい。
【0083】
1以上のセンサ150 は濃縮容器100 上の種々の位置に設けられることができ、そこの材料の特性を監視し、または構成成分または汚染物質の存在または濃縮を検出する。さらに、例えば透析膜のような1以上の生成物処理手段が濃縮容器100 の種々の位置に設けられることができる。
【0084】
この設計の基本的な目的は、簡単で、バッグ等に取付けるチューブをなくすことであり、このチューブは一般的なアフェーレシスまたは他の血漿処理装置でさえも使用されている。このアレンジメントには2つの理由がある。簡単化はシステムの価格と設定問題を減少するので有効である。簡単なシステムはまたチューブまたは補助的なバッグ中の残留物による損失を防止し、これは高い固有濃縮値により臨界的である。
【0085】
全体的な簡単化の目的の別の部分として、システムにポンプは存在しない。材料の損失を防止することに加えて、氷の結晶がチューブを遮断し、ポンプ機構に損傷を与え、砕けた氷により生成物を汚染するので、ポンプは本発明のシステムでは避けられている。
【0086】
簡単化は1つのモールドされたプラスティックプロセッサバッグ設計でも絶対的である。この方法の1つの利点は、単一ピースの構造が製造価格を減少することである。単一ピースの構造はまた、プロセッサに容易に素早く取付けられる装置を生成する。単一ピースの装置はまたFDA規制により閉鎖された環境で完全な処理を行うアクセスポートの滅菌ドックによってガンマ殺菌するために容易に密封されることもできる。
【0087】
単一ピースの装置は多数の濃縮サイクルに適合されることもでき、これは人間の血漿を含む多数の応用で必要である。特に、正常な血漿は約150mg/dl(ミリグラム/デシリットル)のフィブリノゲンを含んでいる。しかしながら、凍結した高品質のフィブリングルーはバルクな血漿レベルよりも少なくとも10倍で、凍結乾燥生成物の100倍までのフィブリノゲン濃縮物を有する。このような濃縮物は、基本的に氷だけからなる結晶化混合物に対応し、したがってせいぜい約10%の流体だけを残す。残念ながら、氷結晶を浮遊するのに不適切な流体が存在しシステムの故障を起こすのでこのようなアレンジメントは可能ではない。本発明の濃縮方法は各サイクル中に残留する氷を除去することによりこの問題を解決する。
【0088】
濃縮システムの動作
システムは特定に応用に基づいて2つの異なる動作モードで動作する。さらに簡単で明白な方法は連続的な処理で逐次的順序で成分を配置することである。この方法では、バルクな材料は入口に連続して供給され、最終的な生成物は使用されるステップ数に直接基づいた濃縮度で連続して取出される。勿論、一連の成分を通じて一度に1つのバッチを処理することは、診断試験のための小さいサンプルを処理するために使用されるように、この技術を拡張したものである。この方法全体はしたがって薬剤、化学、診断標本、クロス(cross )汚染が問題とされないその他のユニットに対して適切であり、この技術はドナー選択および/または適切な消勢技術が感染の危険性を制御するために使用されるならばプールされた血漿に適用されることもできる。
【0089】
反対に、このシステムは1つの血漿ドナーユニットを処理するようにアレンジされることもでき、したがって大きなプールに関連する問題を防止する。結果的な濃縮はその後、直接輸血され、輸血するために再構成され、または成分の製造業者へ輸送される。
【0090】
この方法により、血漿をシステムへ導入する幾つかの異なる技術が存在するが、これらの全ての技術は同じ結晶化およびフィルタ処理ステップを共有する。血漿集収センター自体の日常的な動作から直接この区別が行われる。特に、血漿はアフェーレシス装置から、または血液全体の遠心分離から得られる。これらの2つの選択肢の区別はアフェーレシス量が700ml程度であり、血液から得られた血漿量は全体で200ml程度である。さらに即時の集収から得られた血漿は温いが、要素Vおよびその他の不安定な成分を維持するように既に冷却されてもよい。
【0091】
したがって主な差は量と温度である。量は異なる寸法のバッグ、異なる寸法の冷却プレートおよび/または同一サイズのバッグおよびプレートによる反復サイクルを使用することにより考慮されることができる。
【0092】
温度差は幾つかの異なる選択肢によって克服されることができる。全ての血漿は冷凍保存を延長することにより比較的均一な温度にされることができる。この技術は時間経過後または別々の設備の処理に適している。その代わりに、血漿は処理バッグに導入される前に1組の冷却プレートに通過して送られ、したがって均一な流入温度を確証する。この技術はアフェーレシス装置への直接結合および、基本的にアフェーレシスプロセスの終了のときの濃縮物の生成に適している。最終的に、温い血漿は処理バッグに直接導入され、それに続いてプロセッサ内で冷却される。この技術は直ちに処理する必要がない設備に適しているが、時間経過後または同時的な処理はスタッフまたは空間の制限上、困難である。
【0093】
前述したように、これらの結果を得るために使用される容器(使い捨てバッグ)の2つの実施形態が図2および3で示されている。凝固シーケンスの活性化を防止するため、これらのバッグは一般的な血漿バッグに使用されるのと同一のプラスティックから作られる。また通常のバッグのように、中空のニードルまたは滅菌した結合装置を受けることができる標準的なドッキングポートによりアクセスが行われる。
【0094】
しかしながら、通常のバッグとは違って、これらのバッグは側面上にポートを有する。このポートはバッグに血漿濃縮物を充填するために使用され、その後、ポートは通常の装置と経験を使用して永久的に加熱密封される。また通常のバッグとは違って、このバッグはそれに剛性のフレームを取付けるためのフックを有し、剛性のフレームはロボットのアームによって容易に掴まれる。
【0095】
充填後、前述したようにフレームはロボットのアームにより濃縮室へ置かれ、ここで血漿が冷却され、超音波を受ける。したがってこの処理の結果は氷と濃縮された血漿の混合物である。
【0096】
ロボットのアームはその後、フレームを処理室から取出し、これを90度回転し、それによって充填ポートが上部に置かれ、血漿が最長の面に沿ってプールされる。ロボットのアームはその後、フィルタおよび外方向を向いた排出端部の状態でフレームを遠心分離機中に置く。この構造では、液体と氷の混合物は適切に入口ポート下であり、それによって偶然にポート周辺にとどまることができる材料はなく、さらに、フィルタはしたがって遠心力下で液柱の圧力ヘッド全体に直接露出されない。
【0097】
遠心力はフィルタを通して全ての残りの液体をバッグ外に押しやりながら、バッグ中に氷結晶を捕らえる。このフィルタはバッグの内部壁に加熱密封されたスリーブに取付けられているナイロンメッシュからなり、それによって安全で安定な取付けを確実にする。濃縮された血漿はその後、このフィルタを通って取付けられた集収バッグに供給される。
【0098】
集収バッグのタイプは特定の使用者の必要性に基づく。最も簡単な選択肢は直接的に輸血、保存、または分別器への輸送用の一般的な血漿バッグ中に濃縮物を集収することである。これはしたがって、水が少なく、さらに処理を行わず最初の状態にできる限り近い状態に血漿を維持したい使用者に対する選択肢である。別の選択肢は過剰な塩をその後で除去するために透析バッグ中で血漿を集収することであり、この選択肢は塩分の弊害を減少させることによりさらに高品質の生成物を与える。透析によりまたは透析せずに、次の選択肢は以下のセクションで説明するように、クレオプレシピテートのために設計されたバッグで血漿を集収することである。最終的な選択肢は透析によりまたは透析せずに、濃縮を反復するために別の濃縮室で血漿を集収することである。これらの選択肢の幾つかの組合わせが可能であり、適切なバッグを組立て、制御装置をプログラミングすることにより選択される。
【0099】
遠心分離後、制御装置はロボットのアームを制御してフレームを遠心分離機外に持上げ、先に選択された次のモジュールへ置き、その次のモジュールでは、任意の所望の付加的な処理が透析および/または濃縮モジュールで実行されることができる。
【0100】
最終的に、全てのこのような処理が完了した後、フレームはシーラー/カッター中に置かれ、最初に、接続チューブを加熱密封し、その後このシールを横切って切断し、処理パッグから最終的な濃縮容器を分離する。結果的に得られた濃縮は個々の使用者の必要に基づいて、輸血され、保存され、さらに処理される。バッグはその後廃棄され、フレームは後で使用するために洗浄される。
【0101】
総合的なプロセスは従って、組立てと動作が簡単であるシステムを開発することになる。それ故、システムの構成は簡単で破棄可能である個々の血漿ユニットと、バッチ使用における簡単で逐次的なコンポーネントを中心としている。動作は反復され、標準化された結晶化および氷除去ステップを実行することにより簡単にされる。総合的な結果として感熱性材料を濃縮するための廉価で高い効率のプロセスが得られる。
システム寸法について説明すると、最適な結果を実現するため、システムは適切な熱伝導および均一な音響伝達用に適切な寸法にされることが最も好ましい。1人のドナーの血液全体から得られた血漿では、適切な処理ゾーンの寸法は、約15ccの量に対応して高さ約10cm、長さ30cm、厚さ0.05mmである。これらの寸法は所望ならば多数の濃縮ステップの余地を残し、必要な熱伝導と音響伝達を与える。アフェーレシス応用では、同じバッグが使用されることができるか、または2倍の高さ或いは2倍の長さ(但しその両方ではない)のバッグがさらに多くの量を扱うために使用されることができるが、厚さは同じでなければならない。
【0102】
d.濃縮の応用
輸送、管理、浄化、クレオプレシピテート、分割に加えて、本発明の濃縮システムには他の新たな応用が存在する。1つのこのような応用は患者の血漿の幾つかの成分だけを除去し、その後残りを戻す新しい血漿交換技術の速度と効率を増強する。第2の応用は希釈なしの濃縮物の直接的な輸血である。この方法はオーバーロードした水の臨床的問題なしに血漿輸血の全ての利点を実現する潜在性を有する。この方法はしたがってワルファリン効果を一変し、大きな外傷または火傷を処置する大きな可能性を有する。
【0103】
クレオプレシピテート
a.血漿濃縮物のクレオプレシピテート
別の実施形態では、本発明は血漿濃縮物の処理方法を提供し、その方法は、
(a)固相と液相を有するシステムを形成するのに十分な温度まで血漿濃縮物を冷却し、
(b)前記固相を集収するステップを有する。
【0104】
実行は簡単であるが、この技術はそれにかかわらず概念的に不明瞭である。主要な問題は、クレオプレシピテートプロテインが個々のドナーの身体の化学的性質に基づいて異なる血漿ユニットでは異なる割合で発見されることである。
【0105】
実質的な結果は、生じる寒冷沈降物に多数の変化が存在する。例えば、約150mg/dlの正常なフィブリノゲンレベルを有する個人からの血漿は数ミリリットルの寒冷沈降物を生成することができる。同様に、150のフィブリノゲンレベルを有する別の人は係数VIII等の相対レベルに基づいてそれより多い、あるいは少いクレオプレシピテートを発生するが、恐らくそれ程大きな差はない。他方で約75mg/dlの低いフィブリノゲンレベルを有する個人からの血漿は実質上測定可能な寒冷沈降物を発生せず、これは150mg/dlのケースから発生される量のほぼ半分ではない。反対に、300mg/dlを超える高いフィブリノゲンレベルを有する人からの血漿は150mg/dlレベルで発生される寒冷沈降物量の2倍よりもはるかに多い。
【0106】
しかしながら、臨床的な見地からさらに重要なことはこれらのクレオプレシピテートから作られるフィブリングルーの強度の可変性である。寒冷沈降物とトロンビンの混合物であるこれらのグルーは傷の近似と止血に使用される。しかしながら寒冷沈降物の品質の広範囲の変化は生成物をかなり予測不可能にする。
【0107】
さらに、血漿の処理と処置にも問題がある。特に、撹拌せずに24時間低温に血漿を保持することは寒冷沈降物の発生を増加する。代わりに、冷凍解凍プロセスの反復(the University of Alabama −Birmingham procedure)は所定の血漿ユニットでさらに多くの寒冷沈降物と高い強度のフィブリングルーを発生する。他方で、第1のサイクル後の寒冷沈降物を除去し、その後“クレオレジュースされた”血漿のクレオプレシピテートを試みると、基本的に生成物を発生しない。最後に小さいチューブにおいて−80℃のエタノールを滴下するフラッシュ冷凍も寒冷沈降物を発生しない。比較では、血漿が通常のバッグでゆっくりと凍結するかまたは特別なバッグおよびファンを使用して“急速冷凍”されても、通常の技術はほぼ等しい生成物を発生することに注意すべきである。どちらの場合でも、寒冷沈降物を徐々に形成する材料は容器のコア中に位置される。
【0108】
これらの全ての観察は血漿プロテイン濃縮に関して説明される。特別に、クレオプレシピテートはプロテインが衝突し、その後塊になることを必要とする。したがって、濃縮が高い程、プロテインは共に近接し、それ故衝突はさらに頻繁であり、さらに塊状化が発生する。反対に、濃縮が低い程、衝突の可能性は減少し、対応して生成率は低くなる。
【0109】
異なるドナーからの前述の生成物の変化が迅速に生じる。即ち、平均的な150mg/dlのサンプルは平均的な生成物を発生する。他方で、75mg/dlのサンプルのプロテインは多くの有効な衝突を生成するにはほど遠く、したがって150mg/dlのサンプルの生成物の半分である代わりに、この低い濃縮で生成物が基本的に形成されないようなしきい値効果が存在する。
【0110】
300mg/dlのサンプルが150mg/dlのサンプルから得られる寒冷沈降物の2倍よりも遥かに多くの寒冷沈降物を生成する観察に関して、衝突の可能性は濃縮に関する3次元効果であることに留意すべきである。例えば、クレオプレシピテートを受ける1つのプロテイン分子を考える。均一な分散では、平均的な半径方向距離rにおける他の類似の分子がこの分子を包囲する。係数8による血漿の濃縮はこの平均距離をr/2へ半分にカットし、それによって塊状化衝突の機会を著しく改良する。さらに、係数8による濃縮の増加はまた係数4による分子間のターゲット区域を増加し、生成物の衝突の可能性を増加する。
【0111】
実質的な効果は、一度、分子が塊状化衝突を開始するのに十分に近接すると、これらの衝突の可能性と対応する生成物の生成率は濃縮の増加により急速に増加する。
【0112】
したがって濃縮に関する生成物の変化を考慮すると、次の問題はグルー強度の変化である。フィブリノゲン濃縮の関数としてのクロット(凝血)強度の解析は、関係式Fb =αCf 2 が得られ、ここでFb は結合強度であり、αは比例定数であり、Cf はフィブリノゲン濃縮度である。定性的に、結束サイト(binding site)数は濃縮に基づき、結合区域は2乗項として変化するので、この関係式に従う。実質的な結果は、結合力はフィブリノゲン濃縮に強く基づき、異なる血漿からの異なるグルーはしたがって大きく異なる特性を有する。
【0113】
血漿の処理と処置の管理はこの濃縮効果の大きさも示す。特に延長した時間の期間にわたって低温に血漿を保持することはブラウン運動衝突からの部分的な塊状化を可能にする。結果として部分的な濃縮が冷凍前に生じる。局部的な濃縮における小さい変化は生成物の大きな増加を生じるが、このプロセスは時間の制約と濃縮勾配の制限のために広く使用されない。
【0114】
冷凍/解凍サイクルに関しては、第1のサイクル中に形成される寒冷沈降物はそれに続くサイクルでは冷凍核として動作する。漸進的に少なくなる生成物は各サイクルで得られるが、残留する血漿中で有効な自由材料は少ないので、この材料の少量が塊になる程度に既存の核に十分近接する。任意のサイクルで核を分裂または溶融することはしたがって次の生成物を減少し、この効果は各冷凍ステップ中にプロテインに生じる約10%以上の損傷を明白に修復できないことに留意すべきである。同様に、第1の冷凍後に寒冷沈降物を除去すると、次のステップでは核は残らず、これらは基本的にしきい値濃縮以下であるクレオレジュースされた血漿で実行されるので、失敗である。
【0115】
最後に、これはフラッシュ冷凍対一般的に冷凍された血漿の問題を残す。フラッシュ冷凍は診断試験用の小さい血漿サンプルを保持するために広く使用されるが、冷凍プロセスが非常に迅速に生じるために溶質が衝突し塊になる程度に十分に濃縮されないので、寒冷沈降物を生成しない。反対に、低速度の冷凍はサンプル中心方向に漸進的に高い濃縮を起こし、したがって主にサンプルのコアにクレオプレシピテートを生じる。
【0116】
したがって、濃縮はクレオプレシピテートの臨界的な係数である。このように、クレオプレシピテートを濃縮された血漿で実行することは正常の血漿から得られるよりも高い率で生成物を生成する。さらに、濃縮された開始材料の使用は任意の所定の血漿サンプルが実効的なクレオプレシピテートに必要なしきい値内であることを確実にし、したがって通常の1人のドナーの処理の多くの可変性を除去する。この可変性の除去はプールされた血漿生成物の使用の調整と共通して呼ばれることに留意する。
【0117】
前述したように、濃縮された血漿だけが生成物を改良する。また前述したように、クレオプレシピテートプロセス自体は血漿をある程度まで濃縮する。他方で、濃縮装置からの血漿は既に共晶限界にあるか、それに近い。しかしながらこの限界は実際に−5乃至−30℃の範囲であり、1点ではない。
【0118】
実質的な結果は、冷凍するとき、血漿で生じる幾つかのプロセスが存在することである。さらに、多くの材料は良好に混合されず、局部的な化学的な潜在的不安定と種々の他の非平衡状態につながる。これらの要因は直接制御されることができないが、これらは濃縮装置のセクションで説明されているように超音波技術を適用することにより少なくとも部分的に管理されることができる。過剰な過冷却はしたがって結果的な樹枝状結晶トラップおよび濃縮ゾーンのジャンプと共に避けられることができる。したがって生成物は、行われるあらゆる濃縮改良を実現することによって改良される。さらに、過剰な塩を早期に除去することにより、濃縮されたプロテインは、それらが通常の技術による程度には害されず、さらに高品質の生成物を生成することを確実にする。
【0119】
処理速度に関しては、正常の血漿と比較して、大きな改良が減少された量の血漿濃縮から迅速に行われる。クレオプレシピテートの限定要因は水の潜在的な溶融熱の除去であるので、少量は、少ない熱が除去されなければならないことを意味する。濃縮物の冷凍プロセスはしたがって正常な血漿の冷凍プロセスよりもずっと高速度である。さらに減少された量はさらに非常に薄いサンプルの使用を可能にし、したがって処理速度も増加する。ここでの限定要因はコアであり、これは残りの液体の潜熱が絶縁性の氷の漸進的に厚い層から除去されなければならないので凍結は遅く、薄いサンプルは薄いコアを有し、したがって厚いサンプルよりも非常に迅速に冷凍する。
【0120】
b.超音波補助によるクレオプレシピテート
別の実施形態では、本発明は血漿を処理する方法を提供し、その方法は、
(a)固相と液相を含むシステムを形成するために、少なくとも血漿の一部分を冷却し、超音波エネルギを前記血漿の少なくとも冷却された部分へ供給し、
(c)前記固相を集収するステップを有する。
【0121】
超音波の使用は熱伝導速度を改良することにより速度も増加し、強化された混合、氷壁の破壊、バルク内の氷結晶の成長についての先の説明を参照する。実質的な効果は控え目に見積もっても少なくとも係数30の処理速度における増加である。
【0122】
使用される超音波装置と、この実施形態で与えられる超音波エネルギのパワーおよび周波数は前述の濃縮方法の内容では前述の説明と同様である。
【0123】
これらの実施形態でさえも、24時間の固定時間の幾つかの利点が存在することにも留意すべきである。
【0124】
c.クレオレジュース(cryoreduce)された血漿
本発明のクレオプレシピテート方法により、沈殿物は迅速に効率的に除去されることができる。これらは大きな利点であるが、残留する材料は非常に純粋であり、特にアルブミンおよび種々の免疫グロブリン等、クレオプレシピテートしない血漿プロテインの高く濃縮された混合物であることに留意することが重要である。一般的なクレオレジュースされた血漿と比較して、この濃縮物はさらに少ないクレオプレシピテート沈殿物の汚染を有し、既に非常に濃縮された形態である。このように、種々のCohnおよびまたはクロマトグラフ分離工業に対して理想的である。
【0125】
d.システム設計
別の実施形態では、本発明は血漿を処理する容器を提供し、これは
(a)外部熱伝導装置と血漿との間で熱を伝導することを可能にし、外部エネルギソースから材料へ超音波エネルギの伝送を可能にする処理室を有するフレキシブルな壁部分と、
(b)液相を集収する集収室と、
(c)固相を集収する生成物室とを具備している。
【0126】
これらの所望の結果を実際に実現するために、新しいシステムが開発されている。システムの第1の部分は前述の濃縮システムで使用されるのと同一であり、熱伝導、超音波、制御等に使用される同一のモジュールからなる。唯一の変形は処理室を90度回転し、血漿バッグが垂直ではなく水平に保持することである。
【0127】
クリオプレシピテータの第2の部分は図4で示されているように容器、好ましくは使い捨て容器自体である。凝血シーケンスの活性化を防止するため、このバッグは通常の血漿バッグに使用される同一のプラスティックから作られる。一般的なバッグと同様に、標準的なドッキングポート 240、 242、 243を通じてアクセスが行われ、それらのドッキングポートは中空の針または滅菌結合装置によりアクセスされることができる。
【0128】
しかしながら通常のバッグと異なり、このバッグは対向端部にそのポートを有する。これらのポート240 の1つは血漿濃縮物でバッグを充満するために使用され、その後このポートは通常の装置で実際に使用されているように永久的に加熱密封される。
【0129】
充填後、バッグは処理室中に置かれる。濃縮に使用される冷却プロセスがその後反復されるが、この場合プロセスは全ての血漿が冷凍されるまで継続される。特に、氷の除去または液体の残留成分がこのプロセスには存在しない。
【0130】
完全な冷凍後、バッグは除去され、フリーザー中に保存されるか、すぐに処理される。フリーザーの保存は最も濃縮された材料のポケットでさえも良好に冷凍され、僅かに生成物を増加する。冷凍はまた中心処理設備への輸送、または普通の集収時間後に多数のユニットを処理することを可能にする。しかしながら、所定の全体的なプロセス速度では、ほとんどの使用者は恐らくフリーザー保存せずにプロセスを継続する。
【0131】
どちらの場合でも、次のステップは寒冷沈降物を生成するためサンプルを暖めることである。この加温は種々のウォーターバス浸漬、マイクロ波、電気抵抗等の血漿処理で既に使用され、または試験されている技術により実現されることができる。この点についての重要な考察は過剰な加熱を避けるために温度を制御することであり、温度に関する品質の変化はよく知られている。
【0132】
加熱技術の1つの変形は冷凍された材料に超音波を使用することであり、これは材料を急速に暖める。超音波を溶融物に与えることは液体を急速に過熱し、塊状物を崩壊するので、この技術は慎重な制御を必要とする。
【0133】
別の変形は部分的にのみ材料を解凍することであり、優先的な核生成のために寒冷沈降物を最初に非常に解凍することに留意する。しかしながら、この方法はクレオレジュースされた材料の品質を犠牲にして寒冷沈降物を改良し、したがって限定された状況下でのみ適している。
【0134】
任意のケースでは、加温後、バッグは狭いチップが外方向に向くように遠心分離機に配置される。バッグ上のフック216 は遠心分離機にマッチされ、バッグが適切に取付けられて適切な位置に置かれることを確実にする。遠心分離機の付勢(2℃において15分で5,000gまたは類似の値が十分である)は寒冷沈降物をバッグのネックへ押しやる。クレオレジュースされた血漿はしたがってバッグ量の残留物を占める。
【0135】
遠心分離後、白色の寒冷沈降物と黄色の残留材料との境界は肉眼または自動化スキャナに非常に明白である。図4で示されている実施形態は熱密封範囲260 を含んでいる。この点でバッグを横切って熱密封を位置付けることによって分別物を隔離する。
【0136】
この点で、隔離された材料はすぐに使用するためまたは次に処理するため密封部で随意的に分離される。例えば、血液バンクが局部的に寒冷沈降物を必要とするが、クレオレジュースされた材料を必要としないとき、これは分別設備に送られる。その代わりに、両成分は共に接合された状態にされ、トラッキングを容易にし、試験が感染作用を示したならば撤収を行う。
【0137】
e.圧力強化
前述の技術は一般的なクレオプレシピテートの原理に基づき、それにおいては冷凍は溶剤を濃縮させ、塊状化のための十分に長い時間、近接して接触した状態を保持する。他方で、早期のプロセスからの濃縮された血漿は既に共晶限界にあるか、それに近く、それによって僅かに付加的な濃縮のみが可能である。したがって全ての残留物は十分な時間に十分な圧力である。
【0138】
これらの状態を実現するために、一般的な高圧容器が使用されることができる。45乃至60kpsiの範囲で動作するとき、これらの容器は沈殿を誘発するだけでなく、包囲されたウイルスを不活性にする。ウイルスの不活性化だけを実現する現在の成果は、正常で非濃縮血漿が研究されていないだけの理由で、沈殿効果を説明していないことに留意すべきである。この血漿のプロテインは非常に希釈であるので塊状化しない。
【0139】
圧力プロセスの主要な利点は一般的な技術に関する10%以上の冷凍損失を減少することである。欠点は圧力容器を使用することによる費用と時間であるが、これらの問題は幾つかのウイルスの汚染除去が行われるならば部分的に撤回される。
【0140】
最後に、次のステップのために核を与える圧力により、混合したプロセスも使用される。この方法は多数の冷凍/解凍サイクルの利点を与えるが、プロテインに対して関連する冷凍損傷はない。
【0141】
クロマトグラフ
前述したように、クロマトグラフの基本となる原理は、異なる材料が異なる速度で異なる媒介を通って拡散することである。これらの速度の差は複雑な混合物の種々の成分を分離する手段を提供する。このような分離はトキシンまたはその他の未知の物質等の個々の成分を識別し、市場で価値のある血漿等の既知の混合物の破砕を処理するために共通して使用される。
【0142】
a.開始材料としての血漿濃縮物の使用
別の実施形態では、本発明は血漿濃縮物を処理する方法を提供し、この方法は、
(a)前記血漿濃縮物を固定相を通して抽出するステップを有する。
【0143】
人間の血漿では、開始材料として良好に処理された濃縮物の使用が多くの利点を提供する。第1のこのような利点は濃縮がサンプルの寸法の減少により所定のシステムの分解能を改良することである。この利点によって実効的な開始位置における変化の減少と、この点の媒介接触の改良が得られる。
【0144】
この点まで処理したときの濃縮物の次の利点は、寒冷沈降物が既に非常に効果的に除去されることである。これは寒冷沈降物がフィブリノゲンのように大きくやや本質的に粘着性である成分を含んでいるので重要である。このように、これらはクロマトグラフ媒体に固着して全体的な流動を妨げる傾向がある。さらに、これらの成分は血漿に存在する多くのウィルス汚染を潜伏させる傾向がある。実効的な寒冷沈降物の除去はしたがって少ない時間と少ない汚染で良好に分離した生成物を提供する。
【0145】
b.超音波補助クロマトグラフ
別の実施形態では、本発明は材料、特に血漿のような感温性の材料の分離および/または純化方法を提供し、この方法は、
(a)前記材料を固定相を通して抽出し、外部エネルギソースから材料へ超音波エネルギの伝送を与えるステップを有する。
【0146】
しかしながら、濃縮された開始材料の使用はクロマトグラフの基本的限界に影響しない。特に、濃縮物においてさえも、プロセスは特に血漿プロテイン等の困難な標本では依然として長時間で高価である。
【0147】
この問題に対する解決策は室を通してまたは室内の材料の流動を容易にするために超音波を使用することである。このような技術はそれ自体が幾つかの応用で非常に有効であるが、これは圧力または遠心力を与えるのと同じではないことに留意すべきである。
【0148】
代わりに、超音波の使用は基本的に流動自体の特性を変化する。最も明白なこのような効果は超音波を粘性の流体へ供給することにより容易に説明される。キャビテーションより下のパワーレベルでさえも、粘性の実効的な減少により、超音波の供給は流体をさらに非常に迅速に流動させる。クロマトグラフの場合、超音波は室全体を通じて材料を迅速に素早く拡散でき、したがって分解損失の原因として渦拡散と、質量輸送に対する抵抗との両者を減少する。
【0149】
他方で、この急速な拡散は材料を濃縮勾配下でさらに急速に拡散させ、分解を減少させる。これが発生することを阻止するために、超音波が供給されなければならず、各局部ゾーンは迅速に平衡に到達する。特に流体と吸収体との間の境界層を除去するために必要である。超音波はこのような層を破砕するのに非常に有効であるので、ゾーン平衡はバルクな拡散前に生じる。実質的な結果は超音波が分解を保持するだけでなく、プロセスを加速しながらも実際にそれをシャープにする。
【0150】
勿論この新しい方法から最大の可能な利点を得ることが明らかに望ましい。それ故、供給する理想的なタイプの超音波と適用の理想的な方法を決定することも必要である。所望の超音波特性に関しては、血漿システムの他の成分に使用される通常の規則はここでは適切である。特に、キャビテーションを防止するのに十分な低いパワーを維持し、そうでなければプロテインを損傷する。主に市販の装置の利用性によって支配されている周波数は比較的マイナーな問題である。しかしながらこの場合、音が長期間にわたってオンであり、成分の耐久性は成分故障を警告するための別々の検出器と共に臨界的であることに留意することが重要である。さらに、支持装置と導波管も使用の延長と、ノードデッドスポットの除去に必要とされる可変掃引周波数および進行波反射に耐えるだけの強さがなければならない。
【0151】
しかしながら、最も重要な考察は音響伝達手段である。特に主要なオプションはターゲット材料を音響伝達性にするかまたは媒介を音響伝達性にすることである。これらの2つの選択のうち媒介の音響伝達は良好な境界層の破砕を与え、それ故ほとんどの応用で好ましい。しかしながらターゲット材料の音響伝達はターゲット材料の粘度が高い場合、または媒介が強力に超音波を減衰する場合では有効である。第3の選択肢では、両者の方法の利点を結合することによってターゲット材料と媒介との両者を音響伝達する。
【0152】
要約すると、一般的なクロマトグラフシステムは流動速度、平衡、相対的な吸収等の間に慎重な均衡を必要とするが、これらのシステムは種々の競合する要因を制御する手段に欠けている。超音波の供給はこの制御を実現する手段を提供し、したがってシステム全体の性能を改良する。
【0153】
使用される超音波装置と、この実施形態で与えられる超音波エネルギのパワーおよび周波数は前述の濃縮方法について説明したのと同一である。
【0154】
本発明のクロマトグラフ方法に使用される適切な固定相および移動相は、米国特許第5,833,861 号、第5,880,265 号明細書と、文献(Harrison、Thrombosis Research 、50巻、 295−305 頁(1988年))と、文献(Curling 、Methods of Plasma Protein Fractionation 、Academic Press、NY,77−97頁、1980年)と、文献(Stemberger、Hoppe-Seyler's Z. Physiol. Chem 、 357巻、1003−1005頁(1976年))に記載されている。
【0155】
ある材料の場合、1以上の移動相で材料を混合または溶解する必要があるか、それが有効である。血漿または血漿濃縮物の場合、移動相は血漿または血漿濃縮物自体に含まれている水であることが好ましい。
【0156】
c.音響伝達クロマトグラフの血漿応用
音響伝達システムの1応用は非常に急速な予備的分離である。このような分離は血漿、または転送速度が非常に異なった非常に広範囲の成分からなるその他の複雑な混合物に有効である。特に、血漿プロテインは多種の分子重量、形状、電荷分布を有する。予備的分離はしたがって特性が類似する成分を生成し、これはさらに特別な成分用に設計された次のステップでさらに容易に分離されることができるので有益である。
【0157】
この予備的ステップは特に血漿プロテインがウィルス、バクテリア、細胞等の汚染物質を除外するのに有効である。全てのこれらの汚染物質はかなり大きいので実効的な除去が予測される。特に、ヤコブ(Creutzfeldt-Jacob )病は汚染された細胞が偶然含まれたことによって血漿生成物に拡散される恐れがあることを最近の証拠が示しているので、予備的分散はこのような溶剤を浄化する唯一の可能な手段を提供する。この場合、予備セパレータは通常の短い長さの吸収体だけであり、プロテイン分子から細胞全体またはセルの断片を分離するためにほとんど弁別は必要ではない。
【0158】
このような予備的な分離は非常に有効であるが、音響伝達の主要な値は勿論、種々の寒冷沈降していない血漿プロテイン、特に免疫グロブリンの分離を加速する。この場合、速度の改良は重大である。
【0159】
最後に、濃縮装置と音響伝達クロマトグラフシステムの結合は超臨界流体と、類似のクロマトグラフにわたって、分離産業全体の応用に実質的な節約を与える。
【0160】
d.典型的な構造
別の実施形態では、本発明はクロマトグラフ装置を与え、
(a)材料を固定相を通して抽出し、外部エネルギソースから材料中へ超音波エネルギの伝送を可能にするのに適した容器と、
(b)外部超音波エネルギソースとを具備している。
【0161】
本発明のクロマトグラフ装置の特別な実施形態が図5で示されている。この好ましい実施形態では、多数の超音波ソース340 は波減衰を考慮するために使用される。
【0162】
コラムの形態が示されているが、超音波の既知の原理に基づいて類似の構成の装置もプレート、ジェル、サイズ除外システム等に適用されることにも留意する。分離される/または純化される材料は入口310 に導入され、シリンダ320 に含まれる固定相を通して抽出されることを可能にされる。抽出された生成物は他の出口330 で集められる。
【0163】
血漿または他の薬剤の場合、システムは閉鎖された動作用にも設計される。この場合、システム全体はガンマ線、またはベータ線放射に露出することによってまたはその他の標準的な技術により滅菌される。この分野では、滅菌ポートを通じてアクセスが得られる。システム全体は凝固を発生せず、使用後に焼却されることができる構成要素から作られている。
【0164】

例示により、前述の特定の実施形態に限定されずに、本発明を以下の例によってさらに説明する。約200mLの人間の血漿が、実質上前述したような方法で材料入口部140 を通って濃縮容器100 の処理室110 へ導入される。濃縮容器100 は集収ポート122 のすぐ下の初期レベル124 まで充填される。濃縮容器100 または支持フレーム(図示せず)は濃縮容器100 と結合する真空補助グリッパを有するロボットアームにより固定点116 で握られ、2つの冷却プレート22aと22bとの間の位置に運ばれる。冷却プレート22aと22bは処理室110 の可動室壁112 と114 に結合するように可動フレームアームにより閉じられる。冷却プレート22aと22bの真空補助グリッパは壁112 と114 をその位置に保持する。冷却プレート22aと22bはそれらの間の間隔を所望に維持するために相互方向へ接近または離間するように可動である。このようにして、血漿からの熱伝導は冷却プレート22aと22bの間の血漿量を調節することにより制御されることができる。血漿は熱および材料の混合のために冷却プレート22aと22bの移動により容器100 内で循環されてもよい。
【0165】
冷凍装置24は冷却プレート22aと22bを冷却し、容器100 の壁 112と114 を通して血漿からの熱を吸収するために冷剤導管26を通して冷剤をポンプする。ほぼ同時に、超音波エネルギソース40の超音波トランスデューサ42は超音波エネルギを血漿に供給するように付勢される。血漿が約0℃以下まで冷却されるとき、血漿中の水は氷結晶を形成するように、処理室内の超音波で誘起された核形成サイトで凍結する。血漿の超音波励起は氷結晶の核形成を誘起するだけでなく、氷結晶の樹枝状結晶の形成を防止し、そうでなければ結晶質マトリックス中の血漿の非水成分を捕捉する。血漿の超音波励起は血漿内の熱伝導速度を増加し、それによってさらに高速度の冷却を可能にし、血漿の粘度を減少し、氷の結晶が処理室110 の上部へさらに迅速に浮遊することを可能にする。超音波励起はまた冷却プレート22aと22bに隣接する表面に氷層を形成するのではなく処理室110 中の血漿の全体量を通じて結晶の形成を生じる。超音波励起はまた血漿からの熱伝導速度も増加させる。
【0166】
氷結晶は処理室110 の上部で集められ、集収ポート122 を通して集収室120 へ転送される。処理室110 のセンサ150 は氷結晶が除去されたとき処理室110 に残された血漿の濃縮状態を監視する。予め定められた濃縮に到達したとき、冷却プレートは濃縮容器100 から外され、超音波エネルギソース40は減勢される。
【0167】
濃縮された血漿生成物はその後、生成物転送ポート132 および関連するフィルタ134 を通して処理室110 から生成物室130 へ転送される。濃縮された血漿生成物はその後、使用、保存または付加的な処理のため生成物集収部142 を通して生成物室130 から除去されることができる。プロセスは所望の濃縮が実現されるまで反復されることができる。
【0168】
本発明を好ましい形態で説明したが、多数の付加、変形、削除が本発明の技術的範囲を逸脱せずに行われることができることは当業者に容易に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシステムの好ましい実施形態の斜視図。
【図2】 本発明の好ましい形態による材料を濃縮するための容器の第1の実施形態の概略図。
【図3】 本発明の好ましい形態による材料を濃縮するための容器の第2の実施形態の概略図。
【図4】 本発明の好ましい形態によるクレオプレシピテートによる材料の分離および/または純化のための装置の実施形態の概略図。
【図5】 本発明の好ましい形態によるクレオプレシピテートによる材料の分離および/または純化のための装置の実施形態の概略図。

Claims (35)

  1. 少なくとも第1の成分と第2の成分を有する材料を濃縮して第1の成分と第2の成分のうちの一方の増加した濃縮物を有する生成物を形成する方法において、
    材料は、血漿、血漿濃縮物、それらの混合物からなるグループから選択された少なくとも1つであり、
    (a)材料から塩を除去し、
    (b)材料の少なくとも一部分を材料の溶融点以下の温度まで冷却し、前記一部分は液相の第1の成分を含んでおり、
    (c)前記第1の成分を含む固相を形成するように材料の少なくとも冷却された部分へ超音波エネルギを供給し、
    (d)前記固相を集収するステップを有する方法。
  2. 前記冷却ステップおよび超音波エネルギ供給ステップにおいて第1の音響伝達冷却プレートに隣接する材料を通過するステップを有する請求項1記載の方法。
  3. 前記冷却ステップおよび超音波エネルギ供給ステップにおいて第1と第2の冷却プレートの間を材料を通過させ、少なくとも第1の冷却プレートは音響伝達冷却プレートを具備する請求項2記載の方法。
  4. 前記第1および第2の冷却プレートはそれぞれ音響伝達された冷却プレートを具備する請求項3記載の方法。
  5. 前記冷却ステップは少なくとも前記材料の一部分を0℃より低い温度まで冷却するステップを有する請求項1記載の方法。
  6. 材料を薄い壁のフレキシブルな容器へ収容し、冷却ステップおよび超音波エネルギ供給ステップはフレキシブルな容器の壁部分を横切って実行される請求項1記載の方法。
  7. 前記固相を収集するステップは前記固相を含む材料を遠心分離するステップを有する請求項1記載の方法。
  8. 材料から塩を除去する前記ステップにおいて透析膜を横切って塩の転送が行われる請求項1記載の方法。
  9. さらに、前記生成物中の少なくとも1つの成分の濃縮状態を監視する請求項1記載の方法。
  10. 濃縮状態を監視する前記ステップにおいて前記生成物の電気抵抗が感知される請求項9記載の方法。
  11. 濃縮状態を監視する前記ステップにおいて前記生成物の粘性または光特性が感知される請求項9記載の方法。
  12. さらに、前記生成物の1以上の汚染物の存在を試験する請求項1記載の方法。
  13. 少なくとも第1の成分と第2の成分を有する材料を濃縮して第1の成分と第2の成分のうちの一方の増加した濃縮物を有する生成物を形成するシステムにおいて、
    材料は、血漿、血漿濃縮物、それらの混合物からなるグループから選択された少なくとも1つであり、
    (a)材料から塩を除去する手段と、
    (b)液相の前記第1の成分を含んでいる前記材料の少なくとも一部分を材料の溶融点以下の温度まで冷却する熱伝導装置と、
    (c)前記第1の成分を有する固相を形成するように前記材料の少なくとも冷却された部分へ超音波エネルギを供給する超音波エネルギソースと、
    (d)前記固相を集収する手段とを有するシステム。
  14. 前記熱伝導装置は第1の冷却プレートを具備している請求項13記載のシステム。
  15. 前記第1の冷却プレートは前記超音波エネルギソースのトランスデューサ素子を具備している請求項14記載のシステム。
  16. 少なくとも材料の一部分を少なくとも1つの冷却プレートの表面に沿って通過させるための手段をさらに具備している請求項14記載のシステム。
  17. 前記熱伝導装置は第1および第2の冷却プレートを具備しており、
    前記システムはさらに、前記第1と第2の冷却プレート間に材料を通過させる手段を具備している請求項15記載のシステム。
  18. 前記第1および第2の冷却プレートはそれぞれ前記超音波エネルギソースのトランスデューサを備えている請求項17記載のシステム。
  19. 超音波エネルギの供給中に材料を含む薄膜のフレキシブルな容器をさらに具備している請求項13記載のシステム。
  20. 前記薄膜のフレキシブルな容器はフィルタ素子を具備している請求項19記載のシステム。
  21. 前記集収手段は遠心分離機を具備している請求項13記載のシステム。
  22. 前記生成物から塩を除去する透析材料をさらに具備している請求項13記載のシステム。
  23. さらに、前記生成物の少なくとも1つの成分の濃縮状態を検出するセンサを具備している請求項13記載のシステム。
  24. さらに、前記生成物の1以上の汚染物の存在を検出する手段を具備している請求項13記載のシステム。
  25. 前記システムはさらに、材料の第1の成分の分離中に材料を収容し、
    材料の第2の成分の増加した濃縮物を有する生成物を形成する容器を有しており、容器は、
    (a)外部熱伝導装置と前記材料との間に熱を伝導することを可能にし、外部エネルギソースから前記材料への超音波エネルギの伝送を可能にする処理室を有するフレキシブルな壁部分と、
    (b)第1の成分の除去された部分を集収する集収室と、
    (c)前記生成物を集収する生成物室とを具備している請求項13記載のシステム。
  26. 前記容器はさらに、前記処理室と前記生成物室との間にフィルタを具備している請求項25記載のシステム。
  27. 前記容器はさらに、濃縮された生成物の成分の濃縮状態を検出するセンサを具備している請求項25記載のシステム。
  28. 前記センサは前記濃縮された生成物内の塩の濃縮状態を検出する抵抗センサを具備している請求項27記載のシステム。
  29. 前記方法はさらに、 (a)固相と液相を有するシステムを形成するのに十分な温度まで血漿濃縮物の少なくとも一部分を冷却し、
    (b)前記液相から前記固相を分離するステップを有する血漿濃縮物の処理方法を有する請求項1記載の方法。
  30. 前記システムはさらに、クレオプレシピテートによって血漿を処理する容器を有しており、容器は、
    (a)外部熱伝導装置と材料との間に熱を伝導することを可能にし、外部エネルギソースから材料への超音波エネルギの伝送を可能にする処理室を形成しているフレキシブルな壁部分と、
    (b)第1の成分の除去された部分を集収する集収室と、
    (c)生成物を集収する生成物室とを具備している請求項13記載のシステム。
  31. (a)材料が感温性材料であって、外部エネルギソースから材料へ超音波エネルギを供給して伝送しながら前記材料を固定相を通して溶出するステップをさらに含む請求項1記載の方法。
  32. 前記感温性の材料は血漿または血漿濃縮物である請求項31記載の方法。
  33. (a)前記血漿濃縮物を固定相を通して溶出するステップをさらに含む請求項32記載の方法。
  34. 外部エネルギソースから材料へ超音波エネルギを供給しながら前記血漿濃縮物を固定相を通して溶出を実行するステップを含む請求項33記載の方法。
  35. 前記システムはさらに、(a)感温性の材料を固定相を通して溶出し、外部エネルギソースから材料への超音波エネルギの伝送を可能にするのに適した容器と、
    (b)外部超音波エネルギソースとを具備している感温性の材料の処理装置を備える請求項13記載のシステム。
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