JP4217843B2 - フィブリン糊製剤の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、手術時に使用される生体接着剤(フィブリン糊)の製造方法に関し、より詳細には、全血から血漿成分とフィブリン糊を短時間で分離することのできる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フィブリン糊は、生理的な血液凝固作用を利用して、組織の接着、閉鎖及びそれに続く創傷治療を行うための外用接着剤であり、現在各種外科手術に広く用いられている。しかし、市販されているフィブリン糊製剤は、他人の血液から製造されたものであるため、市販品を使用すると、加熱処理されていても、耐熱性の病原体に感染する危険があり、アレルギー反応やショック等の免疫反応を引き起こす可能性もある。これらの副作用を避けるため、従来より自己血漿から調製したクリオプレシピテートをフィブリン糊として使用することが推奨されていた。
【0003】
ここで、従来、行われてきた自己血フィブリン糊の製造方法を説明すると以下の通りである。まず、患者から400cc程度の全血を採取し、この全血を約10分間遠心分離器にかけて、血漿成分を分離する。次に、遠心分離により得られた血漿成分を−40℃の冷凍庫に入れて急速冷凍し、凍結状態で少なくとも24時間保存する。次に、凍結状態の血漿成分を+4℃の冷蔵庫に入れて、18時間かけて緩速解凍する。このような凍結及び解凍処理を血漿成分に施すと、血漿成分中にクリオプレシピテート(フィブリノーゲン/第13因子)が析出する。最後に、解凍された血漿成分を約15分間遠心分離器にかけ、沈殿物を約10cc程度の血漿に浮遊させて採取する。このようにして採取されたクリオプレシピテートは、フィブリン糊として使用される。フィブリン糊をより多く抽出するダブルクリオ法では、上述の急速冷凍、緩速解凍、解凍後の遠心分離を繰り返して行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかながら、従来の調製方法では、全血からフィブリン糊を抽出するまでに、少なくとも約2日間は必要であり、ダブルクリオ法に至っては約4日間程度の日数を要していた。従って、安全性を重視して自己血からフィブリン糊を製造しようとしても、緊急手術などの場合には処理が間に合わず対応できなかった。
【0005】
本発明の目的は、市販の製剤や従来の方法で抽出されたフィブリン糊と同等若しくはそれ以上の効果があるフィブリン糊を、短時間で抽出できる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるフィブリン糊製剤の製造方法は、全血を血球部分と血漿とに分離する血漿分離工程と、該血漿分離工程によって分離された血漿を凍結する凍結工程と、該凍結工程によって凍結された血漿を解凍する解凍工程と、前記凍結・解凍工程によって生成したフィブリン糊を血漿から分離するフィブリン糊分離工程と、該フィブリン糊分離工程によって分離されたフィブリン糊を回収するフィブリン糊回収工程とを備えているフィブリン糊製剤の製造方法において、
前記血漿分離工程は、全血収容部から濾過部に全血を送給し、該送給側である濾過部の第1の面側に血球部分を残し、該第1の面の裏側の第2の面側に血漿を取り出すことによって行われ、
前記凍結工程及び前記解凍工程は、前記濾過部の第2の面側に連通した冷却・加熱処理部において行われ、
前記フィブリン糊分離工程は、前記凍結・解凍工程によって得られたフィブリン糊及び血漿を前記濾過部の前記第2の面側から送り、該第2の面側にフィブリン糊を残し、前記第1の面側へ血漿を取り出すことによって行われ、
前記フィブリン糊回収工程は、所定量の血漿を用いて前記第2の面を逆洗浄することにより行われることを特徴とする。
【0007】
本発明にかかるフィブリン糊製剤の製造方法は、上記の工程を有しているので、短時間(例えば、約1時間から約4時間程度)で従来と同等若しくはそれ以上の効果を有するフィブリン糊製剤を製造することができる。また、製造時間が極めて短時間であるため、緊急手術等の場合にも、検査等と並行して全血を採取すれば、手術前若しくは手術中に製造が完了し、自己血由来フィブリン糊を使用して手術することができる。
【0008】
次に、前記凍結工程及び前記解凍工程の少なくとも一方は、前記冷却・加熱処理部内に撹拌状態を発生させる工程を含むことができる。この場合には、凍結・解凍工程において血漿の温度分布が均一となるため、抽出効率が大きくなり、さらに短時間で抽出できるという利点がある。
【0009】
次に、本発明にかかるフィブリン糊製剤の製造方法は、全血を血球部分と血漿とに分離する血漿分離工程と、該血漿分離工程によって分離された血漿を凍結する凍結工程と、該凍結工程によって凍結された血漿を解凍する解凍工程と、前記凍結・解凍工程によって生成したフィブリン糊を血漿から分離するフィブリン糊分離工程と、該フィブリン糊分離工程によって分離されたフィブリン糊を回収するフィブリン糊回収工程とを備えているフィブリン糊製剤の製造方法において、前記血漿分離工程は、全血収容部から遠心分離部に全血を送り、遠心分離によって血球部分と血漿とに分離し、分離された血球部分を該遠心分離部から排出し、分離された血漿を遠心分離部内に残すことによって行われ、
前記凍結工程及び前記解凍工程は、前記遠心分離部において、該遠心分離部に備えた冷却手段及び解凍手段の適用により行われ、
前記フィブリン糊分離工程は前記解凍工程後に前記遠心分離部内において遠心分離により行なわれ、
前記フィブリン糊回収工程は、分離されたフィブリン糊を前記遠心分離部から排出することにより行なわれることを特徴とするものとすることもできる。
【0010】
この場合も、短時間(約1時間から約4時間程度)で従来と同等若しくはそれ以上の効果を有するフィブリン糊製剤を製造することができる。また、製造時間が極めて短時間であるため、緊急手術等の場合にも、検査等と並行して全血を採取すれば、手術前若しくは手術中に製造が完了し、自己血由来フィブリン糊を使用して手術することができる。
【0011】
さらに、前記凍結工程及び前記解凍工程は、前記遠心分離部における緩やかな回転による撹拌工程を含むことができる。この場合には、凍結・解凍工程において血漿の温度分布が均一となるため、抽出効率が大きくなり、さらに短時間で抽出できるという利点がある。
【0012】
さらに、前記凍結工程は、血漿を過冷却状態にするための高電界を血漿に印加する高電界印加工程を含むことができる。この場合は、血漿が凍結する時点でシャーベット状の氷塊となり、その大きな氷にフィブリノーゲンが付着して抽出効果が大きくなる。
【0013】
また、前記凍結工程は、氷塊形成温度付近での冷却速度を低くするのが望ましく、これにより、氷塊が大きく成長し、その大きな氷にフィブリノーゲンが付着して、抽出効果が大きくなる。これには、例えば、+約0°から−約10℃までの冷却において、冷却速度を約0.5℃/分から約2℃/分とすることができる。
【0014】
そして、他の温度帯域においては、これより冷却速度を高くすることにより、全製造時間を短縮しつつ効率よくフィブリン糊製剤を製造することができる。したがって、冷凍工程は、例えば、次のようにおこなうことができる。
【0015】
+約0°まで:冷却速度約1℃/分〜約10℃/分
−約10℃まで:冷却速度約0.5℃/分〜約2℃/分
−約22℃まで:冷却速度約1℃/分〜約10℃/分
−約22℃で:10分間〜60分間保持
前記解凍工程は、例えば、−約10℃までを昇温速度約1℃/分から約10℃/分、約4℃までを昇温速度約0.5℃/分から約2℃/分で解凍する工程とを備えるようにすることもできる。このような温度制御を行った場合は、解凍工程を約7分間から約36分間で完了することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本発明に係るフィブリン糊製剤の製造方法の第1の実施形態について説明する。図1に示されている装置は、全血収容部である血液バッグ101と、濾過部102と、血漿カートリッジ(血漿収容部)103とを備えている。
【0017】
はじめに、血液バッグ101及びその周辺から説明する。血液バッグ101には、患者から採取した血液が入れられている。血液バッグ101の大きさは、例えば、400cc程度にすることができる。血液バッグ101と濾過部102との間は、連通管113によって連結されており、この連通管113には、血液検出センサー114、送りポンプ115、及び圧力センサ116が取り付けられている。連通管113は、濾過部102の底面付近まで延びている。
【0018】
ここで、血液検出センサー114は、バッグ内血液の有無を検出するためのものである。また、送りポンプ115は、連通管113内の流れを可逆的に制御するためのものである。さらに、圧力センサー116は、注入圧力を検出するためのものである。
【0019】
次に、濾過部102及びその周辺の構造について説明する。濾過部102は、管状の中空膜104を多数備えている。この管状の中空膜104には多数の細孔があり、内側に液体を流すと、濾過された液体が中空膜104の外側に得られる。また、逆に中空膜104の外側に液体を流すと、濾過された液体が中空膜104の内側に得られる。濾過部102の底面と血漿カートリッジ103の天面との間には間隙が設けられており、中空膜104の内側は、この間隙に開口している。また、血漿パイプ106及び抽出物採取シリンジ117もこの間隙に開口している。
【0020】
ここで、血漿パイプ106は、中空膜104の内側と血漿カートリッジ103とを連結するためのものである。抽出物採取シリンジ117は、中空膜104内に最終的に残ることとなるフィブリン糊を採取するためのものである。中空膜104の材質としては、例えば、ポリエステル中空膜やポリウレタン薄膜等を使用することができ、細孔の大きさが、例えば、約0.3μm程度のものを用いることができる。また、濾過部102の容量は、例えば、220cc程度とすることができ、その内寸法は、φ84×40mmとすることができる。
【0021】
次に、血漿カートリッジ103及びその周辺の構造について説明する。濾過部102内の中空膜104と血漿カートリッジ103の内部とは、血漿パイプ106を介して連通されている。血漿パイプ106は、血漿カートリッジ103の底部付近まで延びており、この血漿パイプ106の下端付近には、撹拌マグネットバー107が取り付けられている。撹拌マグネットバー107は、中心から径方向外側に延びる撹拌部と、該撹拌部の先端付近に取り付けられたマグネットとを備えている。血漿カートリッジ103の下側には、マグネットバーモータ108に連結されているマグネットバー回転子109が設けられている。マグネットバー回転子109にもマグネットが取り付けられており、マグネットバーモータ108の回転によりマグネットバー回転子109が回転すると、これに伴って、血漿カートリッジ103内の撹拌マグネットバー107が回転するようになっている。
【0022】
また、血漿カートリッジ103は、滅菌エアーバッグ118と連通している。滅菌エアーバッグ118は、血漿カートリッジ103に予め収容され装置の作動に伴って排出される滅菌エアーを貯えるためのものである。
【0023】
さらに、血漿カートリッジ103の周縁壁の外側には、血漿カートリッジ103内部に高電界をかけるための高電界電極板105が取り付けられている。高電界電極板105の取り付けられた血漿カートリッジ103は、ジャケット110に収納されている。ジャケット110の側壁と血漿カートリッジ103との間には、冷却液ポート111から冷却液が導入される。冷却液ポート111から導入する冷却液の温度は、例えば、約−30℃から約−40℃程度に設定することができる。このジャケット110、冷却液ポート111、及び血漿カートリッジ103は、冷却処理部を構成している。また、冷却ポット110の側壁には、加熱ヒータ112が取り付けられており、この加熱ヒータ112、ジャケット110、及び血漿カートリッジ103は、加熱処理部を構成している。なお、血漿カートリッジ103の容量は、例えば、280ccとすることができ、その内寸法は、φ84×50mmとすることができる。
【0024】
次に、図1に示されている装置の動作について説明する。まず、送りポンプ115が作動し、血液バッグ101の血液(全血)が、濾過部102に送給される。送給された全血は、中空膜104の外側(第1の面側)に残る血球と、中空膜104の内側(第2の面側)に得られる血漿成分とに分離される。従って、血球部分は濾過部102内に残り、血漿成分は血漿パイプ106を通って、血漿カートリッジ103に溜まる。血漿カートリッジ103内の滅菌エアーは、濾過部102から供給される血漿の増加に伴って押し出され、滅菌エアーバッグ118に移動する。
【0025】
次に、血漿カートリッジ103内の血漿は冷却される。この冷却工程は、ジャケット110に冷却液を導入することにより行われる。冷却に際しては、次のような温度制御を行うことが望ましい。
【0026】
+約0°まで急速に冷却する
−約10℃まで、(冷却速度約1℃/分)で冷却
−約22℃まで、(冷却速度約3℃/分)で冷却
−約22℃で20分間保持
この冷却温度制御は、例えば、冷却循環液(例えば−約40℃程度のアルコール等)を、ジャケット110内に循環させて、この循環をON/OFF制御することにより、行うことができる。
【0027】
冷却に際しては、撹拌マグネットバー107を回転させて、血漿を撹拌しながら冷却するのが望ましい。この場合、撹拌動作は、血漿の温度分布が均等となる程度に行う。マグネットバーモータ108の回転速度は、血漿カートリッジ103の大きさにもよるが、例えば、血漿カートリッジ103の大きさが280ccである場合には、約70rpm程度とすることができる。なお、上記の温度制御をする場合を例にとると、−約10℃以下の温度では、撹拌マグネットバー107を停止させてもよい。
【0028】
さらに、冷却に際しては、高電界電極板105を用いて、血漿に高電界を印加しながら冷却することが好ましい。高電界印加値は、例えば、交流6kvから10kv程度とすることができる。このような高電界を印加しながら冷却すると血漿が過冷却状態となってシャーベット状の氷塊となる。これによりフィブリン糊の抽出効率が高くなる。なお、上記の冷却温度制御をする場合を例にとると、−約10℃以下の温度では、高電界の印加を停止させてもよい。
【0029】
次に、血漿カートリッジ103内の凍結された血漿は解凍される。この解凍工程は、加温ヒータ112によって血漿カートリッジ103内の血漿を加熱することにより行われる。解凍に際しては、次のような温度制御を行うことが望ましい。
【0030】
−約10℃まで、(昇温速度約3℃/分)で加熱
+約0℃まで、(昇温速度約1℃/分)で約4℃まで加熱
この加熱温度制御は、例えば、この加熱ヒータ112をON/OFF制御することにより行うことができる。
【0031】
解凍に際しては、撹拌マグネットバー107を回転させて、血漿を撹拌しながら解凍するのが望ましい。なお、上記の加熱温度制御をする場合を例にとると、約−10℃から+約4℃に至るまでの間、撹拌マグネットバー107を回転させるとより好ましい。解凍工程が完了すると、雲状のフィブリン糊が血漿液中に浮遊している状態となる。
【0032】
次に、送りポンプ115が逆転し、中空膜104の外側に残されていた血球部分は、血液バッグ101に戻される。また、血漿カートリッジ103において解凍された血漿も、中空膜104を透過して、血液バッグ101に戻される。一方、雲状のフィブリン糊は、中空膜104を透過しないので、中空膜104の内側に残る。
【0033】
最後に、中空膜104の内側に残されたフィブリン糊は、再度送りポンプ115を正転させることにより、中空膜104を再び透過した指定量の血漿と共に、濾過部102と血漿カートリッジ103との間の間隙に戻される。このとき、血漿パイプ106は、上端を閉じられている。戻された高濃度のフィブリン糊を含んだ血漿は、採取用シリンジ117により採取され、製剤用として使用される。なお、抽出物採取シリンジ117の容量は、例えば、約10cc程度とすることができる。なお、全血から採取できるフィブリン糊の量には、個人差がある。採取できるフィブリン糊の量が少ない場合には、少ない血漿に浮遊させることにより、最終的な濃度を調節することができる。
【0034】
次に、図2を参照して、本発明に係るフィブリン糊製剤の製造方法の第2の実施形態について説明する。図2に示されている装置は、血液バッグ201と、濾過部202と、血漿バッグ203とを備えている。
【0035】
血液バッグ101及び濾過部202は、図1に示されている第1の実施形態と同様であるため、ここでは簡単に説明する。血液バッグ201と濾過部202との間は、連通管213で連結されており、この連通管213には、血液検出センサ214、送りポンプ215、及び圧力センサ216が設けられている。また、濾過部202には多数の中空膜204が収容されている。
【0036】
次に、血漿バッグ203及びその周辺について説明する。濾過部202内の中空膜204の内側と血漿カートリッジ203の内部とは、血漿パイプ206を介して連通されており、この血漿パイプ206には抽出物採取用シリンジ217が接続されている。血漿バッグ203の上下には、血漿バッグ203内部に高電界をかけるための高電界電極板205が取り付けられている。高電界電極板205の取り付けられた血漿バッグ203は、ジャケット210に収納されている。ジャケット210と血漿バッグ203との間には、冷却液ポート211から冷却液が導入される。このジャケット210、冷却液ポート211、及び血漿バッグ203は、冷却処理部を構成している。また、ジャケット210には、加熱ヒータ212が取り付けられており、この加熱ヒータ212、ジャケット210、及び血漿バッグ203は、加熱処理部を構成している。なお、血漿バッグ203の容量は、例えば、約600ccとすることができ、そのサイズは、140×200×21mmとすることができる。血漿バッグ203の上側には、上下動ミキシングプ速度207が置かれており、この上下動ミキシングプ速度207は、連結部材209を介して、回転体208に接続されている。回転体208が回転することにより、上下動ミキシングプ速度207が上下して、血漿バッグ203を振盪させる。
【0037】
次に、図2に示されている装置の動作について説明する。まず、図1に示されている装置と同様に、送りポンプ215が作動し、血液バッグ201の血液(全血)が、濾過部202に送られる。送り込まれた全血は、中空膜204の外側に残る血球と、中空膜204の内側に得られる血漿成分とに分離される。従って、血球部分は濾過部202内に残り、血漿成分は血漿パイプ206を通って、血漿バッグ203に溜まる。
【0038】
次に、血漿バッグ203内の血漿は冷却される。この冷却工程は、ジャケット210に冷却液を導入することにより行われる。冷却に際しては、次のような温度制御を行うことが望ましい。
【0039】
+約0°まで急速に冷却する
−約10℃まで、(冷却速度約1℃/分)で冷却
−約22℃まで、(冷却速度約3℃/分)で冷却
−約22℃で20分間保持
この冷却温度制御は、例えば、冷却循環液(例えば−約40℃程度のアルコール等)を、ジャケット210内に循環させて、この循環をON/OFF制御することにより、行うことができる。
【0040】
冷却に際しては、回転体208を回転させて、血漿を撹拌しながら冷却するのが望ましい。この場合、撹拌動作は、血漿の温度分布が均等となる程度に行う。振盪サイクルは、血漿バッグ203の大きさにもよるが、例えば、血漿バッグ203の大きさが600ccである場合には、約10rpmから約100rpm程度とすることができる。なお、上記の温度制御をする場合を例にとると、−約10℃以下の温度では、回転体208を停止させてもよい。
【0041】
さらに、冷却に際しては、高電界電極板205を用いて、血漿に高電界を印加しながら冷却することが好ましい。高電界印加値は、例えば、交流6kvから10kv程度とすることができる。なお、上記の冷却温度制御をする場合を例にとると、−約10℃以下の温度では、高電界の印加を停止させてもよい。
【0042】
次に、血漿バッグ203内の凍結された血漿は解凍される。この解凍工程は、加温ヒータ212によって血漿バッグ203内の血漿を加熱することにより行われる。解凍に際しては、次のような温度制御を行うことが望ましい。
【0043】
−約10℃まで、(昇温速度約3℃/分)で加熱
+約0℃まで、(昇温速度約1℃/分)で加熱
+約4℃まで、加熱速度約3℃/分で加熱
この加熱温度制御は、例えば、この加熱ヒータ212をON/OFF制御することにより行うことができる。
【0044】
解凍に際しては、回転体208を回転させて、血漿を撹拌しながら解凍するのが望ましい。なお、上記の加熱温度制御をする場合を例にとると、+約0℃から+約4℃に至るまでの間、回転体208を回転させるとより好ましい。解凍工程が完了すると、雲状のフィブリン糊が血漿液中に浮遊している状態となる。
【0045】
次に、送りポンプ215が逆転し、中空膜204の外側に残されていた血球部分は、血液バッグ201に戻される。また、血漿バッグ203において解凍された血漿液も、中空膜204を透過して、血液バッグ201に戻される。一方、雲状のフィブリン糊は、中空膜204を透過しないので、中空膜204の内側に残る。
【0046】
最後に、中空膜204の内側に残されたフィブリン糊は、再度送りポンプ215を正転させることにより、中空膜204を再び透過した所定量の血漿と共に、血漿パイプ206に戻される。戻された高濃度のフィブリン糊を含んだ血漿は、採取用シリンジ217により採取され、製剤用として使用される。なお、抽出物採取シリンジ217の容量は、例えば、約10cc程度とすることができる。
【0047】
次に、図3を参照して、本発明に係るフィブリン糊製剤の製造方法の第3の実施形態について説明する。図3に示されている装置は、血液バッグ301と抽出ポット303とを備えている。
【0048】
はじめに、血液バッグ301及びその周辺の構造について説明する。血液バッグ301には、患者から採取した血液が入れられている。血液バッグ301の大きさは、例えば、400cc程度にすることができる。血液バッグ301と抽出ポット303との間は、連通管313によって連結されており、この連通管313には、血液検出センサー314、送りポンプ315、圧力センサ316、及び回路切換バルブ304が取り付けられている。回路切換バルブ304には、抽出物採取用シリンジ317が取り付けられている。
【0049】
次に、抽出ポット303及びその周辺の構造について説明する。抽出ポット303には、採取パイプ306が設けられている。この採取用パイプ306の一端は、シール307を介して連通管313に連結されており、他端は抽出ポット303の側面付近で開口している。抽出ポット303の上下には、抽出ポット303内部に高電界をかけるための高電界電極板305が取り付けられている。そして、抽出ポット303全体は、遠心器310に収納されている。この遠心器310と抽出ポット303は、遠心分離部を構成している。遠心器310には、遠心器モータ308が接続されており、遠心器モータ308が回転すると、抽出ポット303が回転するようになっている。遠心器310の内部には、抽出ポット303を取り囲むようにして、冷却加温ジャケット309が設けられている。冷却加温ジャケット309には、循環液シール302を介して導入管318が連結されており、該導入管318には、加温ヒータ312が取り付けられている。導入管318には、冷却液ポート311から冷却液が導入される。遠心器310、冷却加熱ジャケット309、抽出ポット303、導入管318、及び冷却液ポート311は、冷却処理手段を構成している。また、遠心器310、冷却加熱ジャケット309、抽出ポット303、導入管318、加温ヒータ312、及び冷却液ポート311は、加熱処理手段を構成している。なお、抽出ポット303の容量は、例えば、500cc程度とすることができる。また、抽出ポット303としては、円盤状のバッグを用いることができ、その寸法は、φ150×32mmとすることができる。
【0050】
次に、図3に示されている装置の動作について説明する。まず、回路切換バルブ304が血液バッグ301と抽出ポット303を連結する状態となる。この状態で送りポンプ315が作動し、血液バッグ301の血液(全血)が、抽出ポット303に送られる。次に、抽出ポット303が高速回転し、抽出ポット303に送り込まれた全血は、遠心分離される。即ち、比重の重い血球成分は外側に、比重の軽い血漿成分は内側に集まる。血液バッグ301の全量が、抽出ポット303に送り込まれ分離が完了すると、抽出ポット303が高速回転したままの状態で、送りポンプが逆転する。これによって、外側に集まっている血球成分は採取パイプ306を通って血液バッグ301に戻される。血球成分の抜き取りが完了すると抽出ポット303は停止する。
【0051】
次に、抽出ポット303に残った血漿成分は冷却される。この冷却工程は、冷却加熱ジャケット309に冷却液を導入することにより行われる。冷却に際しては、次のような温度制御を行うことが望ましい。
【0052】
+約0°まで急速に冷却する
−約10℃まで、(冷却速度約1℃/分)で冷却
−約22℃まで、(冷却速度約3℃/分)で冷却
−約22℃で20分間保持
この冷却温度制御は、例えば、冷却循環液(例えば−約40℃程度のアルコール等)を、冷却加熱ジャケット309内に循環させて、この循環をON/OFF制御することにより、行うことができる。
【0053】
冷却に際しては、抽出ポット303を緩やかに回転させて、血漿を撹拌しながら冷却するのが望ましい。なお、上記の温度制御をする場合を例にとると、−約10℃以下の温度では、抽出ポット303の回転を停止させてもよい。冷却に際しては、高電界電極板305を用いて、血漿に高電界を印加しながら冷却することが好ましい。高電界印加値は、例えば、交流6kvから10kv程度とすることができる。なお、上記の冷却温度制御をする場合を例にとると、−約10℃以下の温度では、高電界の印加を停止させてもよい。
【0054】
次に、抽出ポット303内の凍結された血漿は解凍される。この解凍工程は、加温ヒータ312によって循環液を加熱することにより行われる。解凍に際しては、次のような温度制御を行うことが望ましい。
【0055】
−約10℃まで、(昇温速度約3℃/分)で加熱
+約0℃まで、(昇温速度約1℃/分)で加熱
+約4℃まで加熱速度約3℃/分で加熱
この加熱温度制御は、例えば、加熱ヒータ312をON/OFF制御することにより行うことができる。
【0056】
解凍に際しては、抽出ポット303を緩やかに回転させて、血漿を撹拌しながら解凍するのが望ましい。なお、上記の加熱温度制御をする場合を例にとると、+約−10℃から+約4℃に至るまでの間、抽出ポット303を緩やかに回転させると、より好ましい。解凍工程が完了すると、雲状のフィブリン糊が血漿液中に浮遊している状態となる。
【0057】
最後に、抽出ポット303は高速回転し、フィブリン糊を外側に遠心分離する。そして、回路切換バルブ304が切り換わり、抽出ポット303と抽出物採取用シリンジ317とが連結される。この状態で、送りポンプ315が逆転し、濃縮されたフィブリン糊が抽出物採取用シリンジ317に採取される。その後、回路切換バルブ304が再び切り換わり、残りの血漿成分は血液バッグ301に戻される。なお、抽出物採取シリンジ317の容量は、例えば、約10cc程度とすることができる。
【0058】
【実施例】
本発明に係る方法によってフィブリン糊を採取した場合の採取効率と、従来の方法によってフィブリン糊を採取した場合の採取効率を比較した。比較実験は以下のようにして行った。まず、300ccの採取血漿を3等分し、サンプル1、サンプル2、サンプル3とした。
【0059】
サンプル1からは、従来の方法によってフィブリン糊を採取した。即ち、以下のような工程によりフィブリン糊を採取した。
【0060】
1.急速冷凍(−40℃で24時間冷凍保存)
2.緩速解凍(+4℃で18時間解凍)
3.冷却遠心分離(+4℃、4000rpmで15分間)
4.高率に採取するため上記1から3を繰り返す(ダブルクリオ法)。
【0061】
サンプル2からは、本発明に係る方法の第1の実施形態を使用して、フィブリン糊を採取した。但し、サンプル2に対しては、高電界の印加を行わなかった。
【0062】
サンプル3からは、本発明に係る方法の第1の実施形態を使用して、フィブリン糊を採取した。サンプル3に対しては、高電界の印加を行った。
【0063】
このようにして、比較実験を行ったところ、以下のような結果が得られた。
【0064】
【表1】
【0065】
表1を見るとサンプル1よりもサンプル2のほうが、抽出物の採取量が多い。これは、サンプル1の濃縮工程が、遠心分離によって行われているために、完全には抽出物を採取できず取りこぼしが発生するのに対して、サンプル2では濾過部を使用しているため、抽出物を完全に採取できるからである。
【0066】
また、サンプル3では、さらに回収率が増加している。これは、冷却工程で血漿が凍結する時点で高電界が印加されているため、結晶が大きく成長するためと考えられる。即ち、結晶が大きくなりシャーベット状の氷塊となるため、その大きな結晶にフィブリノーゲンが付着し、その結果、抽出効果が大きくなると推察される。
【0067】
【発明の効果】
本発明に係る方法を使用すると、短時間で全血からフィブリン糊取り出しまでの工程を行うことができる。したがって、緊急手術等の場合にも自己血から製造したフィブリン製剤を使用することができ、感染等の危険が皆無に等しくなる。
【0068】
また、フィブリン糊製剤の製造にあたり、本発明に係る血漿凍結解凍装置を使用すると、血漿を収容部に導入した後、冷媒による凍結を行ない、同じ収容部に収容したまま熱媒又はヒータにより解凍を行なって該収容部から排出することができる。したがって、装置が簡便であり、しかも凍結・解凍の間に血漿を移動させる必要がないので操作効率が極めて高いという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るフィブリン糊製剤の製造方法の第1の実施形態に使用する装置を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明に係るフィブリン糊製剤の製造方法の第2の実施形態に使用する装置を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明に係るフィブリン糊製剤の製造方法の第3の実施形態に使用する装置を示す概略図である。
【符号の説明】
101、201、301 血液バッグ
102、202 濾過部
103 血漿カートリッジ
203 血漿バッグ
303 抽出ポット
104、204 中空膜
105、205、305 高電界電極板
106、206 血漿パイプ
110、210 ジャケット
309 冷却加温ジャケット
310 遠心器
111、211、311 冷却液ポート
112、212、312 加温ヒータ
Claims (5)
- 全血を血球部分と血漿とに分離する血漿分離工程と、該血漿分離工程によって分離された血漿を凍結する凍結工程と、該凍結工程によって凍結された血漿を解凍する解凍工程と、前記凍結・解凍工程によって生成したフィブリン糊を血漿から分離するフィブリン糊分離工程と、該フィブリン糊分離工程によって分離されたフィブリン糊を回収するフィブリン糊回収工程とを備えているフィブリン糊製剤の製造方法において、
前記血漿分離工程は、全血収容部から濾過部に全血を送給し、該送給側である濾過部の第1の面側に血球部分を残し、該第1の面の裏側の第2の面側に血漿を取り出すことによって行われ、
前記凍結工程及び前記解凍工程は、前記濾過部の第2の面側に連通した冷却・加熱処理部において行われ、
前記フィブリン糊分離工程は、前記凍結・解凍工程によって得られたフィブリン糊及び血漿を前記濾過部の前記第2の面側から送り、該第2の面側にフィブリン糊を残し、前記第1の面側へ血漿を取り出すことによって行われ、
前記フィブリン糊回収工程は、所定量の血漿を用いて前記第2の面を逆洗浄することにより行われることを特徴とするフィブリン糊製剤の製造方法。 - 前記凍結工程及び前記解凍工程の少なくとも一方は、前記冷却・加熱処理部内に撹拌状態を発生させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィブリン糊製剤の製造方法。
- 全血を血球部分と血漿とに分離する血漿分離工程と、該血漿分離工程によって分離された血漿を凍結する凍結工程と、該凍結工程によって凍結された血漿を解凍する解凍工程と、前記凍結・解凍工程によって生成したフィブリン糊を血漿から分離するフィブリン糊分離工程と、該フィブリン糊分離工程によって分離されたフィブリン糊を回収するフィブリン糊回収工程とを備えているフィブリン糊製剤の製造方法において、
前記血漿分離工程は、全血収容部から遠心分離部に全血を送り、遠心分離によって血球部分と血漿とに分離し、分離された血球部分を該遠心分離部から排出し、分離された血漿を遠心分離部内に残すことによって行われ、
前記凍結工程及び前記解凍工程は、前記遠心分離部において、該遠心分離部に備えた冷却手段及び解凍手段の適用により行われ、
前記フィブリン糊分離工程は前記解凍工程後に前記遠心分離部内において遠心分離により行なわれ、
前記フィブリン糊回収工程は、分離されたフィブリン糊を前記遠心分離部から排出することにより行なわれることを特徴とするフィブリン糊製剤の製造方法。 - 前記凍結工程及び前記解凍工程の少なくとも一方は、前記遠心分離部における緩やかな回転による撹拌工程を含むことを特徴とする請求項3に記載のフィブリン糊製剤の製造方法。
- 前記凍結工程は、血漿を過冷却状態にするための高電界を血漿に印加する高電界印加工程を含んでいることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のフィブリン糊製剤の製造方法。
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