JPH107576A - 抗炎症剤、炎症性疾患治療用血液バッグ及び炎症性疾患治療装置 - Google Patents
抗炎症剤、炎症性疾患治療用血液バッグ及び炎症性疾患治療装置Info
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- JPH107576A JPH107576A JP9037661A JP3766197A JPH107576A JP H107576 A JPH107576 A JP H107576A JP 9037661 A JP9037661 A JP 9037661A JP 3766197 A JP3766197 A JP 3766197A JP H107576 A JPH107576 A JP H107576A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 抗炎症効果に優れると共に副作用の少ない抗
炎症剤を提供する、並びに上記抗炎症剤を使用する炎症
性疾患治療用血液バッグ及び炎症性疾患治療装置を提供
する。 【解決手段】 血液と接触することにより、血液に抗炎
症効果を誘導する、微生物を固定化した材料からなるこ
とを特徴とする抗炎症剤。血液または血液成分の流入部
3を備えた袋状容器2に、前記の抗炎症剤からなる担体
4が収納されてなることを特徴とする炎症性疾患治療用
血液バッグ1。
炎症剤を提供する、並びに上記抗炎症剤を使用する炎症
性疾患治療用血液バッグ及び炎症性疾患治療装置を提供
する。 【解決手段】 血液と接触することにより、血液に抗炎
症効果を誘導する、微生物を固定化した材料からなるこ
とを特徴とする抗炎症剤。血液または血液成分の流入部
3を備えた袋状容器2に、前記の抗炎症剤からなる担体
4が収納されてなることを特徴とする炎症性疾患治療用
血液バッグ1。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液と接触するこ
とにより、血液に種々の抗炎症効果を誘導する抗炎症
剤、上記抗炎症剤を使用する炎症性疾患治療用血液バッ
グ、及び上記抗炎症剤を使用する、例えば、体外循環法
による炎症性疾患治療装置に関する。
とにより、血液に種々の抗炎症効果を誘導する抗炎症
剤、上記抗炎症剤を使用する炎症性疾患治療用血液バッ
グ、及び上記抗炎症剤を使用する、例えば、体外循環法
による炎症性疾患治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リウマチのような炎症性疾患の治療薬と
しては、アスピリン(日経サイエンス、3巻、70頁、
1991年)やインドメタシン(Ther. Res., 3巻、1
057頁、1985年)などの非ステロイド性抗炎症剤
及びプレドニゾロンなどのステロイド性抗炎症剤が有効
である。
しては、アスピリン(日経サイエンス、3巻、70頁、
1991年)やインドメタシン(Ther. Res., 3巻、1
057頁、1985年)などの非ステロイド性抗炎症剤
及びプレドニゾロンなどのステロイド性抗炎症剤が有効
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ステロイド性抗炎症剤
はすぐれた臨床効果を示す反面、感染防御機能の低下、
消化管障害、下垂体副腎皮質機能の抑制、骨形成の低下
などの副作用の点で問題がある。また、ステロイド性抗
炎症剤に比べて安全性が高いと考えられている非ステロ
イド性抗炎症剤は、臨床効果が弱いという問題点があ
る。
はすぐれた臨床効果を示す反面、感染防御機能の低下、
消化管障害、下垂体副腎皮質機能の抑制、骨形成の低下
などの副作用の点で問題がある。また、ステロイド性抗
炎症剤に比べて安全性が高いと考えられている非ステロ
イド性抗炎症剤は、臨床効果が弱いという問題点があ
る。
【0004】本発明の目的は、上記の点に鑑み、抗炎症
効果に優れると共に副作用の少ない抗炎症剤を提供する
こと、上記抗炎症剤を使用する炎症性疾患治療用血液バ
ッグを提供すること、及び上記抗炎症剤を使用する炎症
性疾患治療装置を提供することにある。
効果に優れると共に副作用の少ない抗炎症剤を提供する
こと、上記抗炎症剤を使用する炎症性疾患治療用血液バ
ッグを提供すること、及び上記抗炎症剤を使用する炎症
性疾患治療装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、血液と種
々の材料を接触させることにより、血液に抗炎症効果を
誘導する素材について、鋭意研究を行った結果、微生物
を固定化した材料が血液に顕著な抗炎症効果を誘導する
と共に、副作用の少ないことを見出し、本発明を完成さ
せた。すなわち、本発明の抗炎症剤は、血液と接触する
ことにより、血液に抗炎症効果を誘導する、微生物を固
定化した材料からなる。
々の材料を接触させることにより、血液に抗炎症効果を
誘導する素材について、鋭意研究を行った結果、微生物
を固定化した材料が血液に顕著な抗炎症効果を誘導する
と共に、副作用の少ないことを見出し、本発明を完成さ
せた。すなわち、本発明の抗炎症剤は、血液と接触する
ことにより、血液に抗炎症効果を誘導する、微生物を固
定化した材料からなる。
【0006】本発明で用いられる微生物は、細菌類、プ
ロトゾア、酵母類、藻類、カビ類や、多細胞生物である
が微生物として分類される担子菌類などが挙げられ、中
でも、特にグラム染色陰性菌に属するものが血液に顕著
な抗炎症効果を誘導するので好ましい。
ロトゾア、酵母類、藻類、カビ類や、多細胞生物である
が微生物として分類される担子菌類などが挙げられ、中
でも、特にグラム染色陰性菌に属するものが血液に顕著
な抗炎症効果を誘導するので好ましい。
【0007】本発明で用いられる、微生物を固定化する
ための材料としては、人体に対して無害なもの、例え
ば、血液と材料が接触したときに有害な金属や可塑剤な
どの添加物の溶出がないものであれば、その材質を問わ
ずに利用することができ、例えば、合成もしくは天然の
有機高分子材料;ガラス、アルミナなどの無機材料が挙
げられる。
ための材料としては、人体に対して無害なもの、例え
ば、血液と材料が接触したときに有害な金属や可塑剤な
どの添加物の溶出がないものであれば、その材質を問わ
ずに利用することができ、例えば、合成もしくは天然の
有機高分子材料;ガラス、アルミナなどの無機材料が挙
げられる。
【0008】上記材料に微生物を固定化する方法として
は、例えば、材料上で微生物を繁殖させた後に、ホルマ
リン溶液、グルタールアルデヒド溶液、アリールジハラ
イド溶液などに浸漬し、架橋反応を行うことにより固定
化させる方法が挙げられる。また、他の方法としては、
担体用材料に酸無水物やチオール基などの反応性の高い
官能基を予め結合させ、その官能基と微生物が有する分
子とで共有結合を形成させる方法が挙げられる。また、
他の方法として、カルボジイミド、N−エトキシカルボ
ニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EE
DQ)、Woodward試薬等を用いて、微生物が有
するカルボキシル基をアミノ基を有する担体用材料に結
合させる方法、又は、微生物が有するアミノ基をカルボ
キシル基を有する担体用材料に結合させる方法が挙げら
れる。また、微生物を固定化する方法については、他に
も種々の方法が考えられるが、本発明はその方法によっ
て限定されるものではない。
は、例えば、材料上で微生物を繁殖させた後に、ホルマ
リン溶液、グルタールアルデヒド溶液、アリールジハラ
イド溶液などに浸漬し、架橋反応を行うことにより固定
化させる方法が挙げられる。また、他の方法としては、
担体用材料に酸無水物やチオール基などの反応性の高い
官能基を予め結合させ、その官能基と微生物が有する分
子とで共有結合を形成させる方法が挙げられる。また、
他の方法として、カルボジイミド、N−エトキシカルボ
ニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EE
DQ)、Woodward試薬等を用いて、微生物が有
するカルボキシル基をアミノ基を有する担体用材料に結
合させる方法、又は、微生物が有するアミノ基をカルボ
キシル基を有する担体用材料に結合させる方法が挙げら
れる。また、微生物を固定化する方法については、他に
も種々の方法が考えられるが、本発明はその方法によっ
て限定されるものではない。
【0009】本発明の抗炎症剤を血液に接触させる際
の、抗炎症剤の形状は、いずれの形状でもよく、例え
ば、ビーズ状、粒子状、繊維状、中空糸状、膜状などが
挙げられる。
の、抗炎症剤の形状は、いずれの形状でもよく、例え
ば、ビーズ状、粒子状、繊維状、中空糸状、膜状などが
挙げられる。
【0010】本発明の抗炎症剤を血液に接触させる方法
は、血液と十分に接触可能な方法であれば、任意の方法
でよく、抗炎症剤が充填された血液バッグに採血した患
者の血液を入れ、この中で患者血液に抗炎症効果を誘導
する方法、例えば、粒径0.01〜5mmのビーズ状の
抗炎症剤をカラムに充填したものに血液を循環させる方
法、繊維状の抗炎症剤をカラムに充填したものに血液を
循環させる方法、血液中に種々の形状の抗炎症剤を浮遊
させる方法などが例示できる。抗炎症剤を血液に接触さ
せる際の温度は、20〜42℃の範囲が血液に顕著な抗
炎症効果を誘導するので好ましい。抗炎症剤を血液に接
触させる際の時間は、5分〜5時間程度が好ましい。
は、血液と十分に接触可能な方法であれば、任意の方法
でよく、抗炎症剤が充填された血液バッグに採血した患
者の血液を入れ、この中で患者血液に抗炎症効果を誘導
する方法、例えば、粒径0.01〜5mmのビーズ状の
抗炎症剤をカラムに充填したものに血液を循環させる方
法、繊維状の抗炎症剤をカラムに充填したものに血液を
循環させる方法、血液中に種々の形状の抗炎症剤を浮遊
させる方法などが例示できる。抗炎症剤を血液に接触さ
せる際の温度は、20〜42℃の範囲が血液に顕著な抗
炎症効果を誘導するので好ましい。抗炎症剤を血液に接
触させる際の時間は、5分〜5時間程度が好ましい。
【0011】本発明の抗炎症剤を使用して治療する方法
は、例えば、抗炎症剤が充填された血液バッグに採血し
た患者の血液を入れ、この中で患者血液に抗炎症効果を
誘導し、誘導された血液を保存しておき、必要に応じて
患者に投与することにより有効な治療を行うことができ
る。この場合、患者に投与する血液量については特に限
定されない。
は、例えば、抗炎症剤が充填された血液バッグに採血し
た患者の血液を入れ、この中で患者血液に抗炎症効果を
誘導し、誘導された血液を保存しておき、必要に応じて
患者に投与することにより有効な治療を行うことができ
る。この場合、患者に投与する血液量については特に限
定されない。
【0012】また、他の治療方法として、抗炎症剤を充
填したカラムに患者の血液を導入して、血液に抗炎症効
果を誘導し、得られた血液を患者にもどす、所謂体外循
環システム法による方法が挙げられる。この方法につい
て、詳しく述べると、まず、患者などの血液を血液チュ
ーブなどを用いて体外循環システムに導き、粒子状また
は繊維状などの形状の抗炎症剤が充填されたカラムに導
入する。カラム内では、血液が抗炎症剤に接触すること
によって血液に抗炎症効果が誘導される。この血液を患
者体内にもどす。
填したカラムに患者の血液を導入して、血液に抗炎症効
果を誘導し、得られた血液を患者にもどす、所謂体外循
環システム法による方法が挙げられる。この方法につい
て、詳しく述べると、まず、患者などの血液を血液チュ
ーブなどを用いて体外循環システムに導き、粒子状また
は繊維状などの形状の抗炎症剤が充填されたカラムに導
入する。カラム内では、血液が抗炎症剤に接触すること
によって血液に抗炎症効果が誘導される。この血液を患
者体内にもどす。
【0013】本発明の抗炎症剤を使用して治療する際に
は、抗炎症効果が誘導された血液から、血液構成成分の
一部、例えば、血漿だけを取り出し、それを患者にもど
してもよい。
は、抗炎症効果が誘導された血液から、血液構成成分の
一部、例えば、血漿だけを取り出し、それを患者にもど
してもよい。
【0014】また、抗炎症効果が誘導された血液から得
た血漿などを患者に投与する際には、全身投与に限らず
局所投与でもよい。
た血漿などを患者に投与する際には、全身投与に限らず
局所投与でもよい。
【0015】本発明の抗炎症剤を使用して治療する際に
は、本抗炎症剤のみを用いて治療しても構わないし、必
要に応じて、その他の治療法、例えば、非ステロイド性
抗炎症剤、ステロイド性抗炎症剤、免疫調節剤などと併
用しても構わない。上記の他の治療法と本抗炎症剤を使
用した治療法を併用すると、相互の薬効が増強されるた
め、安全な用量で効果が著しく増強される。
は、本抗炎症剤のみを用いて治療しても構わないし、必
要に応じて、その他の治療法、例えば、非ステロイド性
抗炎症剤、ステロイド性抗炎症剤、免疫調節剤などと併
用しても構わない。上記の他の治療法と本抗炎症剤を使
用した治療法を併用すると、相互の薬効が増強されるた
め、安全な用量で効果が著しく増強される。
【0016】請求項2記載の炎症性疾患治療用血液バッ
グは、血液もしくは血液成分の流入部を備えた袋状容器
に、請求項1記載の抗炎症剤からなる担体が収納されて
なることを特徴とする。
グは、血液もしくは血液成分の流入部を備えた袋状容器
に、請求項1記載の抗炎症剤からなる担体が収納されて
なることを特徴とする。
【0017】上記担体の形状は、いずれの形状でもよ
く、例えば、ビーズ状、粒子状、繊維状、中空糸状、膜
状などが挙げられる。
く、例えば、ビーズ状、粒子状、繊維状、中空糸状、膜
状などが挙げられる。
【0018】本発明の炎症性疾患治療用血液バッグにお
いて、袋状容器に微生物を固定化した材料からなる担体
を収納するに際して、該担体は、血液もしくは血液成分
を患者体内に戻す際にその中に担体が混入するのを防止
するために、担体を通過させない、例えば、ポリプロピ
レン製のメッシュ等により包まれていてもよい。
いて、袋状容器に微生物を固定化した材料からなる担体
を収納するに際して、該担体は、血液もしくは血液成分
を患者体内に戻す際にその中に担体が混入するのを防止
するために、担体を通過させない、例えば、ポリプロピ
レン製のメッシュ等により包まれていてもよい。
【0019】上記袋状容器は、従来より輸血用血液の保
存などに使用される血液バッグに用いられている容器と
同様な容器が挙げられ、材質としては、例えば、特開平
2−211160号公報に記載されている、塩化ビニル
系樹脂とエチレン・一酸化炭素・(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体を主成分とする樹脂組成物が挙
げられる。上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル
の単独重合体に限らず、塩化ビニルの共重合体であって
もよい。塩化ビニルの共重合体としては、例えば、塩化
ビニル・エチレン共重合体が挙げられる。
存などに使用される血液バッグに用いられている容器と
同様な容器が挙げられ、材質としては、例えば、特開平
2−211160号公報に記載されている、塩化ビニル
系樹脂とエチレン・一酸化炭素・(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体を主成分とする樹脂組成物が挙
げられる。上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル
の単独重合体に限らず、塩化ビニルの共重合体であって
もよい。塩化ビニルの共重合体としては、例えば、塩化
ビニル・エチレン共重合体が挙げられる。
【0020】本発明の炎症性疾患治療用血液バッグにお
いては、上記袋状容器に血液もしくは血液成分の流入部
が備えられている。上記流入部は、上記袋状容器に連結
され得るものであり、かつ内部を血液もしくは血液成分
が円滑に通過し得るものであれば、任意の材料からなる
ものが用いられ得、例えば、シリコーン樹脂や塩化ビニ
ル樹脂などからなる長さの短い筒体や合成樹脂チューブ
が挙げられる。
いては、上記袋状容器に血液もしくは血液成分の流入部
が備えられている。上記流入部は、上記袋状容器に連結
され得るものであり、かつ内部を血液もしくは血液成分
が円滑に通過し得るものであれば、任意の材料からなる
ものが用いられ得、例えば、シリコーン樹脂や塩化ビニ
ル樹脂などからなる長さの短い筒体や合成樹脂チューブ
が挙げられる。
【0021】本発明の炎症性疾患治療用血液バッグにお
いては、微生物を固定化した材料からなる担体と接触さ
れた血液もしくは血液成分を、炎症性疾患治療に使用す
るために該バッグから流出させるに際しては、前記流入
部から流出させてもよいが、必要に応じて、該バッグに
別に流出部を設け、そこから流出させてもよい。上記流
出部の材料としては、例えば、上記流入部の材料と同様
のものが挙げられる。
いては、微生物を固定化した材料からなる担体と接触さ
れた血液もしくは血液成分を、炎症性疾患治療に使用す
るために該バッグから流出させるに際しては、前記流入
部から流出させてもよいが、必要に応じて、該バッグに
別に流出部を設け、そこから流出させてもよい。上記流
出部の材料としては、例えば、上記流入部の材料と同様
のものが挙げられる。
【0022】本発明の炎症性疾患治療用血液バッグにお
いて、袋状容器内に、必要に応じて、血液の抗凝固剤が
収納されてもよい。血液の抗凝固剤としては、例えば、
ヘパリン、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
いて、袋状容器内に、必要に応じて、血液の抗凝固剤が
収納されてもよい。血液の抗凝固剤としては、例えば、
ヘパリン、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0023】次に、本発明の炎症性疾患治療用血液バッ
グの一例について図に基づいて説明する。図1におい
て、炎症性疾患治療用血液バッグ1は、短い円筒体から
なる血液もしくは血液成分の流入部3が接続された袋状
容器2内に、微生物を固定化した材料からなるビーズ状
の担体4が収納されて構成されている。袋状容器2は合
成樹脂製である。担体4は、ポリプロピレン製のメッシ
ュ5によって包まれている。この例では、血液もしくは
血液成分の流入部3には、チューブ6が接続されペリス
タポンプのような血流ポンプ7を介して採血針8に接続
されている。チューブ6、血流ポンプ7および採血針8
をこのように構成することにより、本発明の炎症性疾患
治療用血液バッグ1に患者血液を簡便に採取することが
できる。
グの一例について図に基づいて説明する。図1におい
て、炎症性疾患治療用血液バッグ1は、短い円筒体から
なる血液もしくは血液成分の流入部3が接続された袋状
容器2内に、微生物を固定化した材料からなるビーズ状
の担体4が収納されて構成されている。袋状容器2は合
成樹脂製である。担体4は、ポリプロピレン製のメッシ
ュ5によって包まれている。この例では、血液もしくは
血液成分の流入部3には、チューブ6が接続されペリス
タポンプのような血流ポンプ7を介して採血針8に接続
されている。チューブ6、血流ポンプ7および採血針8
をこのように構成することにより、本発明の炎症性疾患
治療用血液バッグ1に患者血液を簡便に採取することが
できる。
【0024】本発明の炎症性疾患治療用血液バッグの製
造方法の一例としては、例えば、前記の袋状容器の材質
に応じて相当する原料からフィルムを作製し、得られた
フィルムを2枚重ね合わせ、そのフィルムの間に上記担
体を挟み込み、上記2枚のフィルムの接続部分を高周波
またはヒートシールすることにより融着させた後、該袋
状容器に前記流入部を取り付けて製造する方法が挙げら
れる。
造方法の一例としては、例えば、前記の袋状容器の材質
に応じて相当する原料からフィルムを作製し、得られた
フィルムを2枚重ね合わせ、そのフィルムの間に上記担
体を挟み込み、上記2枚のフィルムの接続部分を高周波
またはヒートシールすることにより融着させた後、該袋
状容器に前記流入部を取り付けて製造する方法が挙げら
れる。
【0025】本発明の炎症性疾患治療用血液バッグの使
用方法としては、流入部から炎症性疾患患者の血液もし
くは血液成分を注入し、微生物を固定化した材料からな
る担体と血液もしくは血液成分とを接触させて、血液に
抗炎症効果を誘導する。次いで、抗炎症効果が誘導され
た血液もしくは血液成分を患者体内にもどす方法が挙げ
られる。患者体内にもどす際には、点滴投与などが挙げ
られる。
用方法としては、流入部から炎症性疾患患者の血液もし
くは血液成分を注入し、微生物を固定化した材料からな
る担体と血液もしくは血液成分とを接触させて、血液に
抗炎症効果を誘導する。次いで、抗炎症効果が誘導され
た血液もしくは血液成分を患者体内にもどす方法が挙げ
られる。患者体内にもどす際には、点滴投与などが挙げ
られる。
【0026】上記炎症性疾患治療用血液バッグの使用に
際しては、上記のようにして抗炎症効果が誘導された血
液もしくは血液成分を凍結保存しておき、必要に応じて
融解して炎症性疾患患者に投与することにより有効な治
療を行うこともできる。
際しては、上記のようにして抗炎症効果が誘導された血
液もしくは血液成分を凍結保存しておき、必要に応じて
融解して炎症性疾患患者に投与することにより有効な治
療を行うこともできる。
【0027】これらの方法では、誘導された抗炎症因子
を高密度で含む血液もしくは血液成分を炎症性疾患患者
の体内に戻すことにより、炎症性疾患患者の体内に患者
由来の抗炎症因子が投与されることになり、有効な治療
効果が発揮される。この際、本発明のバッグを用いる方
法は、体外循環装置のような大がかりなシステムを必要
とせず、ベッドサイドで比較的簡便に使用可能であり有
用と考えられる。
を高密度で含む血液もしくは血液成分を炎症性疾患患者
の体内に戻すことにより、炎症性疾患患者の体内に患者
由来の抗炎症因子が投与されることになり、有効な治療
効果が発揮される。この際、本発明のバッグを用いる方
法は、体外循環装置のような大がかりなシステムを必要
とせず、ベッドサイドで比較的簡便に使用可能であり有
用と考えられる。
【0028】また、この治療に際しては、抗炎症効果が
誘導された血液から、血液構成成分の一部、例えば、血
漿だけを取り出し、それを患者にもどしてもよい。この
際、抗炎症効果が誘導された血液から取り出した血漿
を、通常の血液バッグに移した後、その直後または凍結
などで保存後、それを患者にもどしてもよい。
誘導された血液から、血液構成成分の一部、例えば、血
漿だけを取り出し、それを患者にもどしてもよい。この
際、抗炎症効果が誘導された血液から取り出した血漿
を、通常の血液バッグに移した後、その直後または凍結
などで保存後、それを患者にもどしてもよい。
【0029】また、この治療に際しては、抗炎症効果が
誘導された血液もしくは血液成分のみを用いて治療して
も構わないが、必要に応じて、その他の治療法、例え
ば、非ステロイド性抗炎症剤、ステロイド性抗炎症剤、
免疫調節剤などと併用しても構わない。本発明のバッグ
を用いて得られる血液もしくは血液成分と上記の他の治
療剤を併用すると、相互の薬効が増強されるため、安全
な用量で効果が著しく増強される。
誘導された血液もしくは血液成分のみを用いて治療して
も構わないが、必要に応じて、その他の治療法、例え
ば、非ステロイド性抗炎症剤、ステロイド性抗炎症剤、
免疫調節剤などと併用しても構わない。本発明のバッグ
を用いて得られる血液もしくは血液成分と上記の他の治
療剤を併用すると、相互の薬効が増強されるため、安全
な用量で効果が著しく増強される。
【0030】請求項3記載の炎症性疾患治療装置は、請
求項1記載の抗炎症剤をカラムに収納してなるカラム部
と、血液もしくは血液成分を該カラム部に流入させるた
めに該カラム部に連結された流入部と、該カラム部内に
流入された血液もしくは血液成分を該カラム部外に流出
させるために該カラム部に連結された流出部とを備える
ことを特徴とする。
求項1記載の抗炎症剤をカラムに収納してなるカラム部
と、血液もしくは血液成分を該カラム部に流入させるた
めに該カラム部に連結された流入部と、該カラム部内に
流入された血液もしくは血液成分を該カラム部外に流出
させるために該カラム部に連結された流出部とを備える
ことを特徴とする。
【0031】また、請求項4記載の炎症性疾患治療装置
は、請求項3記載の炎症性疾患治療装置におけるカラム
部及び流入部の少なくとも一方に、血液もしくは血液成
分を20〜42℃の範囲に加温させ得る加温手段が、更
に、備えられた該治療装置である。
は、請求項3記載の炎症性疾患治療装置におけるカラム
部及び流入部の少なくとも一方に、血液もしくは血液成
分を20〜42℃の範囲に加温させ得る加温手段が、更
に、備えられた該治療装置である。
【0032】本発明の炎症性疾患治療装置に使用される
カラム部としては、従来より体外循環法に使用されてい
る適宜の形状、例えば、任意の材料からなる円筒状の担
体収納用カラムが用いられ得る。また、流入部及び流出
部については、上記カラム部に連結され得るものであ
り、かつ内部を血液もしくは血液成分が円滑に通過し得
るものであれば、任意の材料からなるものが用いられ
得、例えば、シリコーン樹脂や塩化ビニル樹脂などから
なる合成樹脂チューブが挙げられる。
カラム部としては、従来より体外循環法に使用されてい
る適宜の形状、例えば、任意の材料からなる円筒状の担
体収納用カラムが用いられ得る。また、流入部及び流出
部については、上記カラム部に連結され得るものであ
り、かつ内部を血液もしくは血液成分が円滑に通過し得
るものであれば、任意の材料からなるものが用いられ
得、例えば、シリコーン樹脂や塩化ビニル樹脂などから
なる合成樹脂チューブが挙げられる。
【0033】本発明の炎症性疾患治療装置には、カラム
部及び流入部の少なくとも一方に、更に加温手段が備え
られてもよい。上記加温手段としては、カラム部及び流
入部の少なくとも一方を加熱し得、かつ、血液もしくは
血液成分を20〜42℃の範囲に加温させ得るものであ
れば、任意のものを用いることができる。例えば、カラ
ム部周囲に設けられた、温水などの熱媒体を利用したウ
ォータージャケット;カラム部周囲に設けられた、ヒー
ターなどが挙げられる。加温手段は、好ましくは、カラ
ム部と流入部の両方に設けられる。もっとも、血液の流
速が大きい場合には、流入部のみを加熱した場合でも、
上記のように20〜42℃の温度範囲で血液もしくは血
液成分を抗炎症剤と接触させることができる。
部及び流入部の少なくとも一方に、更に加温手段が備え
られてもよい。上記加温手段としては、カラム部及び流
入部の少なくとも一方を加熱し得、かつ、血液もしくは
血液成分を20〜42℃の範囲に加温させ得るものであ
れば、任意のものを用いることができる。例えば、カラ
ム部周囲に設けられた、温水などの熱媒体を利用したウ
ォータージャケット;カラム部周囲に設けられた、ヒー
ターなどが挙げられる。加温手段は、好ましくは、カラ
ム部と流入部の両方に設けられる。もっとも、血液の流
速が大きい場合には、流入部のみを加熱した場合でも、
上記のように20〜42℃の温度範囲で血液もしくは血
液成分を抗炎症剤と接触させることができる。
【0034】本発明の炎症性疾患治療装置には、上記加
熱手段によって、血液もしくは血液成分の温度が体温よ
り高くなった場合に、それらを体温に近づけるために、
流出部又はその下流に冷却手段を設けてもよい。
熱手段によって、血液もしくは血液成分の温度が体温よ
り高くなった場合に、それらを体温に近づけるために、
流出部又はその下流に冷却手段を設けてもよい。
【0035】図2は、本発明の一例の炎症性疾患治療装
置を説明するための概略構成図である。カラム部11内
には、血液に抗炎症因子を誘導させるための、微生物を
固定化した材料からなる抗炎症剤が収納されている。カ
ラム部11の一端には、被処理血液(患者血液)を該カ
ラム部11内に流入させるための流入部12が接続され
ている。また、カラム部11の他端には、カラム部11
から血液を流出させるための流出部13が接続されてい
る。
置を説明するための概略構成図である。カラム部11内
には、血液に抗炎症因子を誘導させるための、微生物を
固定化した材料からなる抗炎症剤が収納されている。カ
ラム部11の一端には、被処理血液(患者血液)を該カ
ラム部11内に流入させるための流入部12が接続され
ている。また、カラム部11の他端には、カラム部11
から血液を流出させるための流出部13が接続されてい
る。
【0036】上記カラム部11は、ガラスもしくは合成
樹脂からなる円筒状の容器で構成されており、その内部
に抗炎症因子を誘導するための微生物を固定化した材料
からなる抗炎症剤14が収納されている。微生物を固定
化した材料としては、前述のような、例えばビーズ状の
ものが用いられる。流入部12は、血液ポンプ15を間
に介して体外循環装置を構成する血液用チューブ22に
よって患者の動脈側に接続されている。なお、16はシ
リンジを示し、ヘパリンなどの薬物を体外循環装置内に
供給するために設けられている。また、上記血液ポンプ
15と流入部12との間においては、動脈圧計18が接
続されている。
樹脂からなる円筒状の容器で構成されており、その内部
に抗炎症因子を誘導するための微生物を固定化した材料
からなる抗炎症剤14が収納されている。微生物を固定
化した材料としては、前述のような、例えばビーズ状の
ものが用いられる。流入部12は、血液ポンプ15を間
に介して体外循環装置を構成する血液用チューブ22に
よって患者の動脈側に接続されている。なお、16はシ
リンジを示し、ヘパリンなどの薬物を体外循環装置内に
供給するために設けられている。また、上記血液ポンプ
15と流入部12との間においては、動脈圧計18が接
続されている。
【0037】他方、流出部13と患者の静脈との間が体
外循環装置を構成する血液用チューブ22に接続されて
おり、途中には定温器17が接続されている。定温器1
7は、血液が通過する部分として、例えば、螺旋状のガ
ラス管を有し、該ガラス管の周囲に体温近辺に温められ
た温水が供給されるように構成されており、血液を患者
に戻す際に体温と血液の温度を近づけるために設けられ
ている。
外循環装置を構成する血液用チューブ22に接続されて
おり、途中には定温器17が接続されている。定温器1
7は、血液が通過する部分として、例えば、螺旋状のガ
ラス管を有し、該ガラス管の周囲に体温近辺に温められ
た温水が供給されるように構成されており、血液を患者
に戻す際に体温と血液の温度を近づけるために設けられ
ている。
【0038】また、定温器17と患者の静脈との間に
は、静脈圧計19、薬物投与部材としてシリンジ20が
接続されている。シリンジ20は、例えば、体外循環に
際して注入されたヘパリンの作用を防止するための薬
剤、例えば、プロタミンを注入するために設けられてい
る。
は、静脈圧計19、薬物投与部材としてシリンジ20が
接続されている。シリンジ20は、例えば、体外循環に
際して注入されたヘパリンの作用を防止するための薬
剤、例えば、プロタミンを注入するために設けられてい
る。
【0039】本例の体外循環装置では、さらに加温手段
21内にカラム部11、流入部12及び流出部13が配
置されており、それによって血液が加熱された状態で微
生物を固定化した材料からなる抗炎症剤14と接触され
る。従って、前述のように、微生物を固定化した材料か
らなる抗炎症剤14の抗炎症因子誘導作用をより効率良
く行うことができる。
21内にカラム部11、流入部12及び流出部13が配
置されており、それによって血液が加熱された状態で微
生物を固定化した材料からなる抗炎症剤14と接触され
る。従って、前述のように、微生物を固定化した材料か
らなる抗炎症剤14の抗炎症因子誘導作用をより効率良
く行うことができる。
【0040】(作用)本発明の抗炎症剤の作用機序につ
いては、明らかではないが、血液に微生物を接触するこ
とによるサイトカインの誘導が、白血球と生体防御(水
上茂樹、柿沼カッ子、竹重公一郎著、講談社発行、55
〜57頁、1990年)、マクロファージ(徳永徹著、
講談社発行、62〜67頁、1986年)などに開示さ
れているので、このことから考えて、血液と本発明の抗
炎症剤との接触により血液中の血液細胞から種々のサイ
トカインやその他の制御物質が生成し、その複合的作用
により抗炎症効果が現れるのではないかと考えられる。
すなわち、血液と本発明の抗炎症剤との接触により血液
中に種々の抗炎症因子が産生され、これらが炎症性疾患
の治療に有効となるものと考えられる。
いては、明らかではないが、血液に微生物を接触するこ
とによるサイトカインの誘導が、白血球と生体防御(水
上茂樹、柿沼カッ子、竹重公一郎著、講談社発行、55
〜57頁、1990年)、マクロファージ(徳永徹著、
講談社発行、62〜67頁、1986年)などに開示さ
れているので、このことから考えて、血液と本発明の抗
炎症剤との接触により血液中の血液細胞から種々のサイ
トカインやその他の制御物質が生成し、その複合的作用
により抗炎症効果が現れるのではないかと考えられる。
すなわち、血液と本発明の抗炎症剤との接触により血液
中に種々の抗炎症因子が産生され、これらが炎症性疾患
の治療に有効となるものと考えられる。
【0041】上記血液と本発明の抗炎症剤との接触によ
り血液中に種々の抗炎症因子を産生する血液細胞とは、
末梢血中の細胞に限らず、リンパ管、リンパ節、脾臓等
から得られる細胞も含まれる。また、抗炎症因子の産生
は、まず、血液と本発明の抗炎症剤との接触により抗炎
症因子が産生され、産生された抗炎症因子が上記の細胞
に作用して別の抗炎症因子の産生がなされる場合も考え
られる。
り血液中に種々の抗炎症因子を産生する血液細胞とは、
末梢血中の細胞に限らず、リンパ管、リンパ節、脾臓等
から得られる細胞も含まれる。また、抗炎症因子の産生
は、まず、血液と本発明の抗炎症剤との接触により抗炎
症因子が産生され、産生された抗炎症因子が上記の細胞
に作用して別の抗炎症因子の産生がなされる場合も考え
られる。
【0042】本発明の炎症性疾患治療用血液バッグで
は、袋状容器に流入した血液もしくは血液成分は、微生
物を固定化した材料からなる担体と接触される。従っ
て、後述の実施例から明らかなように、抗炎症因子が効
率よく誘導され、その結果、血液に抗炎症効果を付与で
きる。
は、袋状容器に流入した血液もしくは血液成分は、微生
物を固定化した材料からなる担体と接触される。従っ
て、後述の実施例から明らかなように、抗炎症因子が効
率よく誘導され、その結果、血液に抗炎症効果を付与で
きる。
【0043】本発明の炎症性疾患治療装置では、カラム
部に流入した血液もしくは血液成分は、微生物を固定化
した材料からなる抗炎症剤と接触される。従って、後述
の実施例から明らかなように、抗炎症因子が効率よく誘
導され、その結果、血液に抗炎症効果を付与できる。
部に流入した血液もしくは血液成分は、微生物を固定化
した材料からなる抗炎症剤と接触される。従って、後述
の実施例から明らかなように、抗炎症因子が効率よく誘
導され、その結果、血液に抗炎症効果を付与できる。
【0044】本発明の抗炎症剤の治療対象となる疾患と
しては、例えば、喘息、アトピー性皮膚炎、鼻炎、結膜
炎、花粉症、食品アレルギー、アレルギー性肺疾患、ア
ナフィラキシーショック、じんま疹、腎炎、肝炎、甲状
腺炎、薬物アレルギー、接触性皮膚炎、全身エリテマト
ーデス(SLE)、強皮症、皮膚筋炎、重力筋無力症、
慢性関節リウマチ等の関節炎などの自己免疫疾患が挙げ
られる。
しては、例えば、喘息、アトピー性皮膚炎、鼻炎、結膜
炎、花粉症、食品アレルギー、アレルギー性肺疾患、ア
ナフィラキシーショック、じんま疹、腎炎、肝炎、甲状
腺炎、薬物アレルギー、接触性皮膚炎、全身エリテマト
ーデス(SLE)、強皮症、皮膚筋炎、重力筋無力症、
慢性関節リウマチ等の関節炎などの自己免疫疾患が挙げ
られる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明を詳細に説明するが、本発
明は、以下の実施例に限定されるものではない。まず、
下記の実施例1、2及び比較例1〜3に記載する方法に
て、微生物を固定化した材料、および比較材料を作製
し、次いで得られた材料を用いて、血液を処理し抗炎症
効果を試験した。
を挙げることにより、本発明を詳細に説明するが、本発
明は、以下の実施例に限定されるものではない。まず、
下記の実施例1、2及び比較例1〜3に記載する方法に
て、微生物を固定化した材料、および比較材料を作製
し、次いで得られた材料を用いて、血液を処理し抗炎症
効果を試験した。
【0046】実施例1 ポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP-50 (三菱化成社
製)10gに、大腸菌(NIHJ JC2 株)1白金耳を接種
したチオグリコール酸液体培地(ニッスイ社製)を5m
l/g添加し、48時間、30℃で培養した後に、培地
を捨て、生理食塩水(大塚製薬社製)(50ml/g)
で洗浄した。これに、10重量%ホルマリン水溶液(和
光純薬社製)を5ml/g添加して一晩静置した後に、
生理食塩水で十分洗浄してホルマリンを除去した。この
大腸菌固定化粒子を、粒子の洩出を防ぐためにナイロン
ネットが予め敷かれ、かつ三方活栓が取り付けられた5
0ml注射用ディスポーザブルシリンジ(テルモ社製)
に、かさ体積で10ml充填した。これに注射用生理食
塩水(大塚製薬社製)を50ml添加して軽く攪拌した
後、素通りさせて生理食塩水を排出させることにより洗
浄した。この洗浄操作を3回行い、最後にできるだけ生
理食塩水を取り除き、大腸菌固定化材料充填シリンジを
得た。
製)10gに、大腸菌(NIHJ JC2 株)1白金耳を接種
したチオグリコール酸液体培地(ニッスイ社製)を5m
l/g添加し、48時間、30℃で培養した後に、培地
を捨て、生理食塩水(大塚製薬社製)(50ml/g)
で洗浄した。これに、10重量%ホルマリン水溶液(和
光純薬社製)を5ml/g添加して一晩静置した後に、
生理食塩水で十分洗浄してホルマリンを除去した。この
大腸菌固定化粒子を、粒子の洩出を防ぐためにナイロン
ネットが予め敷かれ、かつ三方活栓が取り付けられた5
0ml注射用ディスポーザブルシリンジ(テルモ社製)
に、かさ体積で10ml充填した。これに注射用生理食
塩水(大塚製薬社製)を50ml添加して軽く攪拌した
後、素通りさせて生理食塩水を排出させることにより洗
浄した。この洗浄操作を3回行い、最後にできるだけ生
理食塩水を取り除き、大腸菌固定化材料充填シリンジを
得た。
【0047】実施例2 ポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP-50 (三菱化成社
製)に代えて、アクリル系多孔性ダイヤイオンHP2MG
(三菱化成社製)を使用したことの他は、実施例1と同
様にして行ない、大腸菌固定化材料充填シリンジを得
た。
製)に代えて、アクリル系多孔性ダイヤイオンHP2MG
(三菱化成社製)を使用したことの他は、実施例1と同
様にして行ない、大腸菌固定化材料充填シリンジを得
た。
【0048】比較例1 ポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP-50 (三菱化成社
製)10gに、チオグリコール酸液体培地(ニッスイ社
製)を5ml/g添加し、48時間、30℃で培養した
後に、培地を捨て、生理食塩水(大塚製薬社製)(50
ml/g)で洗浄した。これに、10重量%ホルマリン
水溶液(和光純薬社製)を5ml/g添加して一晩静置
した後に、生理食塩水で十分洗浄してホルマリンを除去
した。大腸菌固定化粒子に代えて、この粒子を使用した
ことの他は、実施例1と同様にして行ない、ポリスチレ
ン多孔性ダイヤイオンHP-50 充填シリンジを得た。
製)10gに、チオグリコール酸液体培地(ニッスイ社
製)を5ml/g添加し、48時間、30℃で培養した
後に、培地を捨て、生理食塩水(大塚製薬社製)(50
ml/g)で洗浄した。これに、10重量%ホルマリン
水溶液(和光純薬社製)を5ml/g添加して一晩静置
した後に、生理食塩水で十分洗浄してホルマリンを除去
した。大腸菌固定化粒子に代えて、この粒子を使用した
ことの他は、実施例1と同様にして行ない、ポリスチレ
ン多孔性ダイヤイオンHP-50 充填シリンジを得た。
【0049】比較例2 ポリスチレン多孔性ダイヤイオンHP-50 (三菱化成社
製)に代えて、アクリル系多孔性ダイヤイオンHP2MG
(三菱化成社製)を使用したことの他は、比較例1と同
様にして行ない、アクリル系多孔性ダイヤイオンHP2MG
充填シリンジを得た。
製)に代えて、アクリル系多孔性ダイヤイオンHP2MG
(三菱化成社製)を使用したことの他は、比較例1と同
様にして行ない、アクリル系多孔性ダイヤイオンHP2MG
充填シリンジを得た。
【0050】比較例3 50ml注射用ディスポーザブルシリンジ(テルモ社
製)を注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄した
後、内部に何も充填しないものを比較例3とした。
製)を注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄した
後、内部に何も充填しないものを比較例3とした。
【0051】(血液に対する抗炎症効果の誘導)実施例
1、2および比較例1〜3で得た各シリンジに、ヘパリ
ン採血したウイスター系ラット(7週齢、雄性)の新鮮
血20mlを加え、このシリンジを回転円盤に取り付け
て、37℃で2時間、回転数26rpmで転倒混和し
た。混和後の血液を遠心分離して血漿を採取した。得ら
れた血漿に注射用生理食塩水を加えて、全量を12.8
mlとした。この血漿を以下の試験に用いた。
1、2および比較例1〜3で得た各シリンジに、ヘパリ
ン採血したウイスター系ラット(7週齢、雄性)の新鮮
血20mlを加え、このシリンジを回転円盤に取り付け
て、37℃で2時間、回転数26rpmで転倒混和し
た。混和後の血液を遠心分離して血漿を採取した。得ら
れた血漿に注射用生理食塩水を加えて、全量を12.8
mlとした。この血漿を以下の試験に用いた。
【0052】(カラゲニン足蹠浮腫反応に対する作用)
炎症に対する作用をみるために、ラットカラゲニン足蹠
浮腫反応に対する抗炎症効果を試験した。被検物質とし
て、上記で得られた血漿、アスピリン(シグマ社製)、
プレドニゾロン(シグマ社製)を用いた。アスピリン
は、アスピリン濃度が50mg/mlとなるように0.
5重量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液
に懸濁し、プレドニゾロンは、プレドニゾロン濃度が
2.5mg/mlとなるように0.5重量%カルボキシ
メチルセルロースナトリウム水溶液に懸濁して、それぞ
れ供試液とした。
炎症に対する作用をみるために、ラットカラゲニン足蹠
浮腫反応に対する抗炎症効果を試験した。被検物質とし
て、上記で得られた血漿、アスピリン(シグマ社製)、
プレドニゾロン(シグマ社製)を用いた。アスピリン
は、アスピリン濃度が50mg/mlとなるように0.
5重量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液
に懸濁し、プレドニゾロンは、プレドニゾロン濃度が
2.5mg/mlとなるように0.5重量%カルボキシ
メチルセルロースナトリウム水溶液に懸濁して、それぞ
れ供試液とした。
【0053】生理食塩水に懸濁した1重量%λ−カラゲ
ニン(逗子化学社製)液0.1mlを、体重140g〜
200gのウイスター系雄性ラットの右後肢足蹠皮下に
注射してカラゲニン足蹠浮腫を誘発した。上記の血漿は
誘発と同時に12.8ml/kgで静脈内投与し、アス
ピリン、プレドニゾロンおよびコントロール(コントロ
ールとは、0.5重量%カルボキシメチルセルロースナ
トリウム水溶液をさす)については、誘発の60分前に
2ml/kgで腹腔内投与した。
ニン(逗子化学社製)液0.1mlを、体重140g〜
200gのウイスター系雄性ラットの右後肢足蹠皮下に
注射してカラゲニン足蹠浮腫を誘発した。上記の血漿は
誘発と同時に12.8ml/kgで静脈内投与し、アス
ピリン、プレドニゾロンおよびコントロール(コントロ
ールとは、0.5重量%カルボキシメチルセルロースナ
トリウム水溶液をさす)については、誘発の60分前に
2ml/kgで腹腔内投与した。
【0054】足蹠浮腫を誘発されたラットの足容積を、
誘発後5時間まで1時間毎に、Plethysmometer(Ugo Bas
ile 社製) を用いて測定し、誘発前の足容積との差を求
め足蹠浮腫容積とした。
誘発後5時間まで1時間毎に、Plethysmometer(Ugo Bas
ile 社製) を用いて測定し、誘発前の足容積との差を求
め足蹠浮腫容積とした。
【0055】また、各供試液投与後24時間後のラット
の体重を測定し、誘発前の体重との差(誘発後体重−誘
発前体重)を求め体重変化量とした。
の体重を測定し、誘発前の体重との差(誘発後体重−誘
発前体重)を求め体重変化量とした。
【0056】なお、この試験はそれぞれ5匹のラットを
用いて試験し、足蹠浮腫容積および体重変化量は5匹の
結果の平均値で示した。
用いて試験し、足蹠浮腫容積および体重変化量は5匹の
結果の平均値で示した。
【0057】試験結果を表1(誘発4時間後の足蹠浮腫
容積および誘発24時間後の体重変化量)に示した。
容積および誘発24時間後の体重変化量)に示した。
【0058】
【表1】
【0059】表1から明らかなように本発明の抗炎症剤
によって抗炎症効果を誘導された血漿を用いた供試液は
足蹠浮腫反応を明らかに抑制し、その効果はアスピリン
よりも強く、プレドニゾロンとほぼ同等であった。ま
た、プレドニゾロン投与群のラットでは、コントロール
投与群のラットに比べて明らかな体重減少が認められた
が、本発明の抗炎症剤によって抗炎症効果を誘導された
血漿投与群のラットでは、そのような現象は認められな
かった。すなわち、本発明の抗炎症剤によって抗炎症効
果を誘導された血漿は、強い炎症抑制効果を示し、しか
もプレドニゾロンにみられるような副作用を示さないこ
とが分かった。
によって抗炎症効果を誘導された血漿を用いた供試液は
足蹠浮腫反応を明らかに抑制し、その効果はアスピリン
よりも強く、プレドニゾロンとほぼ同等であった。ま
た、プレドニゾロン投与群のラットでは、コントロール
投与群のラットに比べて明らかな体重減少が認められた
が、本発明の抗炎症剤によって抗炎症効果を誘導された
血漿投与群のラットでは、そのような現象は認められな
かった。すなわち、本発明の抗炎症剤によって抗炎症効
果を誘導された血漿は、強い炎症抑制効果を示し、しか
もプレドニゾロンにみられるような副作用を示さないこ
とが分かった。
【0060】(I型アレルギー性炎症に対する作用)次
に、I型アレルギー性炎症に対する作用をみるために、
ラット同種PCA反応(I型アレルギー性皮膚反応)に
対する抗炎症効果を試験した。 (1) ラット抗2,4−dinitrobenzene
Sulfonic Acid−ブタ回虫抽出物(DNP
−As)血清の調製 Tada and Okumuraの方法(Journal of
Immunology;106 巻、1002頁、1971年)に準じてDNP
−Asを調製した。豚回虫(Ascaris suum)の抽出物を
Strejan and Campbellaの方法
(Journal of Immunology;98巻、893 頁、1967年)に従
って調製し、次いでこれをEisenらの方法(Journa
l of American Chemical Society;75巻、4583頁、1953
年)で2,4−dinitrobenzene Sul
fonic Acid(DNP)と結合させ、DNP結
合Ascaris suum(DNP−As)を得た。
に、I型アレルギー性炎症に対する作用をみるために、
ラット同種PCA反応(I型アレルギー性皮膚反応)に
対する抗炎症効果を試験した。 (1) ラット抗2,4−dinitrobenzene
Sulfonic Acid−ブタ回虫抽出物(DNP
−As)血清の調製 Tada and Okumuraの方法(Journal of
Immunology;106 巻、1002頁、1971年)に準じてDNP
−Asを調製した。豚回虫(Ascaris suum)の抽出物を
Strejan and Campbellaの方法
(Journal of Immunology;98巻、893 頁、1967年)に従
って調製し、次いでこれをEisenらの方法(Journa
l of American Chemical Society;75巻、4583頁、1953
年)で2,4−dinitrobenzene Sul
fonic Acid(DNP)と結合させ、DNP結
合Ascaris suum(DNP−As)を得た。
【0061】上記DNP−Asの1mgを1×1010個
の百日咳死菌を浮遊させた生理的食塩水1mlに溶解
し、体重200g前後の雌性ラットの四肢足蹠皮下に注
射した。5日後にDNP−Asの0.5mgを生理的食
塩水0.5mlに溶解し、背部の左右の筋肉内に注射し
た。初回注射の8日後に腹部大動脈より採血し、血清を
分離してラット抗DNP−As血清として使用した。な
お、この抗血清のラット48時間同種PCA反応の力価
は1:512であった。
の百日咳死菌を浮遊させた生理的食塩水1mlに溶解
し、体重200g前後の雌性ラットの四肢足蹠皮下に注
射した。5日後にDNP−Asの0.5mgを生理的食
塩水0.5mlに溶解し、背部の左右の筋肉内に注射し
た。初回注射の8日後に腹部大動脈より採血し、血清を
分離してラット抗DNP−As血清として使用した。な
お、この抗血清のラット48時間同種PCA反応の力価
は1:512であった。
【0062】(2) ラット同種PCA反応(I型アレルギ
ー性皮膚反応)に対する作用 被検物質として、実施例1、2および比較例1〜3で得
られた血漿、プレドニゾロン(シグマ社製)を用いた。
プレドニゾロンは、5重量%アラビアゴム水溶液にジメ
チルスルホキサイドを5重量%添加してなる溶液に、プ
レドニゾロンを最終濃度が5mg/mlになるように懸
濁した懸濁液を供試液とした。被検動物としては、体重
120〜200gのウイスター雄性ラットを用いた。ま
ず、上記抗DNP−As血清を生理的食塩水で20倍に
希釈してなる注射液0.05mlを、上記ラットの背部
皮内に注射し、ラットを上記抗血清で感作した。
ー性皮膚反応)に対する作用 被検物質として、実施例1、2および比較例1〜3で得
られた血漿、プレドニゾロン(シグマ社製)を用いた。
プレドニゾロンは、5重量%アラビアゴム水溶液にジメ
チルスルホキサイドを5重量%添加してなる溶液に、プ
レドニゾロンを最終濃度が5mg/mlになるように懸
濁した懸濁液を供試液とした。被検動物としては、体重
120〜200gのウイスター雄性ラットを用いた。ま
ず、上記抗DNP−As血清を生理的食塩水で20倍に
希釈してなる注射液0.05mlを、上記ラットの背部
皮内に注射し、ラットを上記抗血清で感作した。
【0063】次に、抗血清投与の48時間後に、対応す
る抗原として2mg/mlのDNP−Asを含む0.5
重量%エヴァンスブルー生理的食塩水溶液を2.5ml
/kgの割合で静脈内注射し、PCA反応を誘発した。
る抗原として2mg/mlのDNP−Asを含む0.5
重量%エヴァンスブルー生理的食塩水溶液を2.5ml
/kgの割合で静脈内注射し、PCA反応を誘発した。
【0064】上記実施例1、2および比較例1〜3で得
られた血漿投与群のラットにおいては、上記血漿を1
2.5ml/kgの割合で誘発の18時間前および6時
間前の計2回静脈内投与し、プレドニゾロン投与群のラ
ットにおいては、プレドニゾロンを含有する上記供試液
を2ml/kg(プレドニゾロンとして10mg/k
g)の割合で誘発の3時間前に腹腔内投与した。
られた血漿投与群のラットにおいては、上記血漿を1
2.5ml/kgの割合で誘発の18時間前および6時
間前の計2回静脈内投与し、プレドニゾロン投与群のラ
ットにおいては、プレドニゾロンを含有する上記供試液
を2ml/kg(プレドニゾロンとして10mg/k
g)の割合で誘発の3時間前に腹腔内投与した。
【0065】こうして皮内反応を誘発した部位の漏出色
素を、Haradaらの方法(Journal of Pharmaceuti
cs Pharmacology;23巻、218 頁、1971年)に従って抽出
定量した。すなわち、上記の抗原注射の1時間後に動物
を屠殺し、48時間同種PCA反応部の皮膚を細切し、
これを0.3%(W/V)硫酸ナトリウム水溶液:アセ
トン=3:7(体積比)の混合溶液中に、24時間浸漬
放置し漏出色素を抽出した。次いで抽出された色素を6
20nmで比色定量し、漏出色素量を求め、これをラッ
ト抗DNP−As血清を注射した部位(site)あた
りの漏出色素量(μg)として表した。
素を、Haradaらの方法(Journal of Pharmaceuti
cs Pharmacology;23巻、218 頁、1971年)に従って抽出
定量した。すなわち、上記の抗原注射の1時間後に動物
を屠殺し、48時間同種PCA反応部の皮膚を細切し、
これを0.3%(W/V)硫酸ナトリウム水溶液:アセ
トン=3:7(体積比)の混合溶液中に、24時間浸漬
放置し漏出色素を抽出した。次いで抽出された色素を6
20nmで比色定量し、漏出色素量を求め、これをラッ
ト抗DNP−As血清を注射した部位(site)あた
りの漏出色素量(μg)として表した。
【0066】なお、この試験のコントロールとして、プ
レドニゾロンを含有する上記供試液の代わりに、プレド
ニゾロンを含まない上記ジメチルスルホキサイド含有ア
ラビアゴム水溶液を用いた他は上記操作と同様に行っ
て、漏出色素量を測定した。
レドニゾロンを含有する上記供試液の代わりに、プレド
ニゾロンを含まない上記ジメチルスルホキサイド含有ア
ラビアゴム水溶液を用いた他は上記操作と同様に行っ
て、漏出色素量を測定した。
【0067】また、上記PCA反応の誘発24時間前と
誘発時にラットの体重を測定し、(誘発時の体重−誘発
24時間前の体重)を求め体重変化量とした。
誘発時にラットの体重を測定し、(誘発時の体重−誘発
24時間前の体重)を求め体重変化量とした。
【0068】本試験は、それぞれ5匹のラットを用いて
行ない、漏出色素量(μg/site)および体重変化
量はこれらラットについて得られた値の平均値をとっ
た。
行ない、漏出色素量(μg/site)および体重変化
量はこれらラットについて得られた値の平均値をとっ
た。
【0069】この試験結果を表2に示した。
【0070】
【表2】
【0071】表2から明らかなように、本発明の抗炎症
剤によって抗炎症効果を誘導された血漿を用いた供試液
(12.5ml/kg)を投与した群では、比較例1〜
3で得られた供試液を投与した群と比較して、ラット同
種PCA反応部の皮膚に漏出する色素量が大幅に減少
し、その効果はプレドニゾロン(10mg/kg)と同
等であった。また、プレドニゾロン投与群のラットで
は、コントロール群に比べて体重減少が明らかに認めら
れたが、本発明によって得られた血漿を供試液として投
与した群では、そのような現象は認められなかった。す
なわち、本発明の抗炎症剤によって抗炎症効果を誘導さ
れた血漿は、顕著なI型アレルギー性炎症抑制活性を有
し、しかもプレドニゾロンに見られるような副作用を示
さないことが分かった。
剤によって抗炎症効果を誘導された血漿を用いた供試液
(12.5ml/kg)を投与した群では、比較例1〜
3で得られた供試液を投与した群と比較して、ラット同
種PCA反応部の皮膚に漏出する色素量が大幅に減少
し、その効果はプレドニゾロン(10mg/kg)と同
等であった。また、プレドニゾロン投与群のラットで
は、コントロール群に比べて体重減少が明らかに認めら
れたが、本発明によって得られた血漿を供試液として投
与した群では、そのような現象は認められなかった。す
なわち、本発明の抗炎症剤によって抗炎症効果を誘導さ
れた血漿は、顕著なI型アレルギー性炎症抑制活性を有
し、しかもプレドニゾロンに見られるような副作用を示
さないことが分かった。
【0072】(IV型アレルギー性炎症に対する作用)次
に、IV型アレルギー性炎症に対する作用をみるために、
ラットツベルクリン反応に対する抗炎症効果を試験し
た。被検物質として、実施例1、2及び比較例1〜3で
得られた血漿、プレドニゾロン(シグマ社製)を用い
た。プレドニゾロンは、5重量%アラビアゴム水溶液に
ジメチルスルホキサイドを5重量%添加してなる溶液
に、プレドニゾロンを最終濃度が5mg/mlになるよ
うに懸濁した懸濁液を供試液とした。
に、IV型アレルギー性炎症に対する作用をみるために、
ラットツベルクリン反応に対する抗炎症効果を試験し
た。被検物質として、実施例1、2及び比較例1〜3で
得られた血漿、プレドニゾロン(シグマ社製)を用い
た。プレドニゾロンは、5重量%アラビアゴム水溶液に
ジメチルスルホキサイドを5重量%添加してなる溶液
に、プレドニゾロンを最終濃度が5mg/mlになるよ
うに懸濁した懸濁液を供試液とした。
【0073】被検動物としては体重170〜250gの
ウイスター雄性ラットを用いた。
ウイスター雄性ラットを用いた。
【0074】具体的な試験手順は、以下のようにした。
栗山らの方法(日本薬理学会誌94巻、113〜118
頁、1989年)に従って、上記ラットにツベルクリン
反応を誘発した。上記血漿投与群のラットにおいては、
上記血漿12.5ml/kgを誘発の6時間後及び18
時間後の合計2回静脈内投与し、プレドニゾロン投与群
のラットにおいては、プレドニゾロンを含有する上記供
試液2ml/kg(プレドニゾロン10mg/kg)を
誘発の6時間後に腹腔内投与した。
栗山らの方法(日本薬理学会誌94巻、113〜118
頁、1989年)に従って、上記ラットにツベルクリン
反応を誘発した。上記血漿投与群のラットにおいては、
上記血漿12.5ml/kgを誘発の6時間後及び18
時間後の合計2回静脈内投与し、プレドニゾロン投与群
のラットにおいては、プレドニゾロンを含有する上記供
試液2ml/kg(プレドニゾロン10mg/kg)を
誘発の6時間後に腹腔内投与した。
【0075】誘発24時間後に、Draizeの判定基準に準
じて反応誘発部位の紅斑強度の測定を行った後、直径
1.8cmのポンチで反応部皮膚を打ち抜き皮膚重量を
測定した。
じて反応誘発部位の紅斑強度の測定を行った後、直径
1.8cmのポンチで反応部皮膚を打ち抜き皮膚重量を
測定した。
【0076】なお、この試験のコントロールとして、プ
レドニゾロンを含有する上記供試液の代わりに、プレド
ニゾロンを含まない上記ジメチルスルホキサイド含有ア
ラビアゴム水溶液を用いた他は上記操作と同様に行っ
て、反応部位の紅斑強度及び皮膚重量を測定した。
レドニゾロンを含有する上記供試液の代わりに、プレド
ニゾロンを含まない上記ジメチルスルホキサイド含有ア
ラビアゴム水溶液を用いた他は上記操作と同様に行っ
て、反応部位の紅斑強度及び皮膚重量を測定した。
【0077】また、誘発24時間後のラットの体重を測
定し、誘発前の体重との差(誘発後体重−誘発前体重)
を求め体重変化量とした。
定し、誘発前の体重との差(誘発後体重−誘発前体重)
を求め体重変化量とした。
【0078】本試験は、それぞれ5匹のラットを用いて
行ない、紅斑強度、皮膚重量及び体重変化量はこれらラ
ットについて得られた値の平均値をとった。
行ない、紅斑強度、皮膚重量及び体重変化量はこれらラ
ットについて得られた値の平均値をとった。
【0079】この試験結果を表3に示した。
【0080】
【表3】
【0081】表3から明らかなように、本発明の抗炎症
剤によって抗炎症効果を誘導された血漿を用いた供試液
(12.5ml/kg)を投与した群では、比較例1〜
3で得られた供試液を投与した群と比較して、紅斑強度
及び皮膚重量が大幅に減少し、その効果はプレドニゾロ
ン(10mg/kg)と同等であった。また、プレドニ
ゾロン投与群のラットでは、コントロール群に比べて体
重減少が明らかに顕著であったが、本発明によって得ら
れた血漿を供試液として投与した群では、そのような現
象は認められなかった。すなわち、本発明の抗炎症剤に
よって抗炎症効果を誘導された血漿は、顕著なIV型アレ
ルギー性炎症抑制活性を有し、しかもプレドニゾロンに
見られるような副作用を示さないことが分かった。
剤によって抗炎症効果を誘導された血漿を用いた供試液
(12.5ml/kg)を投与した群では、比較例1〜
3で得られた供試液を投与した群と比較して、紅斑強度
及び皮膚重量が大幅に減少し、その効果はプレドニゾロ
ン(10mg/kg)と同等であった。また、プレドニ
ゾロン投与群のラットでは、コントロール群に比べて体
重減少が明らかに顕著であったが、本発明によって得ら
れた血漿を供試液として投与した群では、そのような現
象は認められなかった。すなわち、本発明の抗炎症剤に
よって抗炎症効果を誘導された血漿は、顕著なIV型アレ
ルギー性炎症抑制活性を有し、しかもプレドニゾロンに
見られるような副作用を示さないことが分かった。
【0082】(ラットアジュバント関節炎に対する作
用)被検物質として、実施例1及び比較例1で得られた
血漿を用い供試液とした。被検動物としては体重120
〜200gのウイスタールイス雄性ラットを用いた。
用)被検物質として、実施例1及び比較例1で得られた
血漿を用い供試液とした。被検動物としては体重120
〜200gのウイスタールイス雄性ラットを用いた。
【0083】流動パラフィンに懸濁したMycobacterium
tuberculosis H37RA(6mg/ml)0.1mlをラット右後肢
皮下に注射して、関節炎を誘発した。ラットの右後肢の
腫れの度合いを調べるため、関節炎誘発前後にラットの
右後肢の容積をPlethysmometer(Ugo Basile 社製) を用
いて測定し、関節炎誘発前の容積と誘発後の容積との差
を求め足蹠浮腫容積とした。
tuberculosis H37RA(6mg/ml)0.1mlをラット右後肢
皮下に注射して、関節炎を誘発した。ラットの右後肢の
腫れの度合いを調べるため、関節炎誘発前後にラットの
右後肢の容積をPlethysmometer(Ugo Basile 社製) を用
いて測定し、関節炎誘発前の容積と誘発後の容積との差
を求め足蹠浮腫容積とした。
【0084】実施例1にて抗炎症効果を誘導された血漿
もしくは比較例1にて得られた血漿を用いた供試液(1
2.5ml/kg/day)を投与した群は、誘発後0
日、4日、7日、11日、14日、18日後の合計6回
静脈内投与した。本試験は、それぞれ5匹のラットを用
いて行ない、腫れの度合いはこれらラットについて得ら
れた値の平均値をとった。この試験結果を図3に示し
た。図3から明らかなように、実施例1にて抗炎症効果
を誘導された血漿を投与した群では、比較例1にて得ら
れた血漿を投与した群に比べて、右後肢足蹠の腫れの度
合いが明らかに抑制された。すなわち、本発明の抗炎症
剤によって抗炎症効果を誘導された血漿は、顕著なアレ
ルギー性炎症抑制活性を有することが分かった。
もしくは比較例1にて得られた血漿を用いた供試液(1
2.5ml/kg/day)を投与した群は、誘発後0
日、4日、7日、11日、14日、18日後の合計6回
静脈内投与した。本試験は、それぞれ5匹のラットを用
いて行ない、腫れの度合いはこれらラットについて得ら
れた値の平均値をとった。この試験結果を図3に示し
た。図3から明らかなように、実施例1にて抗炎症効果
を誘導された血漿を投与した群では、比較例1にて得ら
れた血漿を投与した群に比べて、右後肢足蹠の腫れの度
合いが明らかに抑制された。すなわち、本発明の抗炎症
剤によって抗炎症効果を誘導された血漿は、顕著なアレ
ルギー性炎症抑制活性を有することが分かった。
【0085】次に、下記の実施例3、4及び比較例4〜
6に記載する方法にて、炎症性疾患治療用血液バッグを
作製し、次いで得られたバッグを用いて血液を処理し、
得られた血液から血漿を分離し、その抗炎症効果を試験
した。
6に記載する方法にて、炎症性疾患治療用血液バッグを
作製し、次いで得られたバッグを用いて血液を処理し、
得られた血液から血漿を分離し、その抗炎症効果を試験
した。
【0086】実施例3 実施例1と同様にして調製した大腸菌固定化粒子を、5
0ml用ポリプロピレン試験管(岩城硝子社製)に、か
さ体積で10ml充填した。これに注射用生理食塩水
(大塚製薬社製)を40ml添加して軽く攪拌し、この
試験管を500rpmで5分間遠心分離し、しかる後、
上澄を吸引して捨てることにより洗浄した。この洗浄操
作を3回行い、4℃にて一晩放置した。その後、同じ洗
浄操作を5回行い、最後にできるだけ生理食塩水を取り
除き、洗浄粒子を得た。
0ml用ポリプロピレン試験管(岩城硝子社製)に、か
さ体積で10ml充填した。これに注射用生理食塩水
(大塚製薬社製)を40ml添加して軽く攪拌し、この
試験管を500rpmで5分間遠心分離し、しかる後、
上澄を吸引して捨てることにより洗浄した。この洗浄操
作を3回行い、4℃にて一晩放置した。その後、同じ洗
浄操作を5回行い、最後にできるだけ生理食塩水を取り
除き、洗浄粒子を得た。
【0087】塩化ビニル・エチレン共重合体とエチレン
・一酸化炭素・アクリル酸n−ブチルエステル共重合体
を主成分とする樹脂組成物を押し出し成形して厚み40
0μmのフィルムを作成した。これを2枚重ね合わせ、
上記で得られた洗浄粒子10mlを挟み込んだ後、周囲
を高周波シールし、さらに円筒体からなる血液の流入部
を取り付け、20ml用の炎症性疾患治療用血液バッグ
を製造した。これを37℃に加温されたウオーターバス
にて加温し、ヘパリン採血したウイスター系ラット(7
週齢、雄性)新鮮血20mlを注入して180分間静置
した。次いで、血液を遠心分離して血漿を採取し、得ら
れた血漿に注射用生理食塩水を加えて、全量を12.8
mlとして以下の試験に供した。
・一酸化炭素・アクリル酸n−ブチルエステル共重合体
を主成分とする樹脂組成物を押し出し成形して厚み40
0μmのフィルムを作成した。これを2枚重ね合わせ、
上記で得られた洗浄粒子10mlを挟み込んだ後、周囲
を高周波シールし、さらに円筒体からなる血液の流入部
を取り付け、20ml用の炎症性疾患治療用血液バッグ
を製造した。これを37℃に加温されたウオーターバス
にて加温し、ヘパリン採血したウイスター系ラット(7
週齢、雄性)新鮮血20mlを注入して180分間静置
した。次いで、血液を遠心分離して血漿を採取し、得ら
れた血漿に注射用生理食塩水を加えて、全量を12.8
mlとして以下の試験に供した。
【0088】実施例4 実施例1と同様にして調製した大腸菌固定化粒子に代え
て、実施例2と同様にして調製した大腸菌固定化粒子を
使用したことの他は、実施例3と同様にして行い、血漿
を採取し、得られた血漿に注射用生理食塩水を加えて、
全量を12.8mlとして以下の試験に供した。
て、実施例2と同様にして調製した大腸菌固定化粒子を
使用したことの他は、実施例3と同様にして行い、血漿
を採取し、得られた血漿に注射用生理食塩水を加えて、
全量を12.8mlとして以下の試験に供した。
【0089】比較例4 実施例1と同様にして調製した大腸菌固定化粒子に代え
て、比較例1と同様にして調製したポリスチレン多孔性
ダイヤイオンHP-50 粒子を使用したことの他は、実施例
3と同様にして行い、血漿を採取し、得られた血漿に注
射用生理食塩水を加えて、全量を12.8mlとして以
下の試験に供した。
て、比較例1と同様にして調製したポリスチレン多孔性
ダイヤイオンHP-50 粒子を使用したことの他は、実施例
3と同様にして行い、血漿を採取し、得られた血漿に注
射用生理食塩水を加えて、全量を12.8mlとして以
下の試験に供した。
【0090】比較例5 実施例1と同様にして調製した大腸菌固定化粒子に代え
て、比較例2と同様にして調製したアクリル系多孔性ダ
イヤイオンHP2MG 粒子を使用したことの他は、実施例3
と同様にして行い、血漿を採取し、得られた血漿に注射
用生理食塩水を加えて、全量を12.8mlとして以下
の試験に供した。
て、比較例2と同様にして調製したアクリル系多孔性ダ
イヤイオンHP2MG 粒子を使用したことの他は、実施例3
と同様にして行い、血漿を採取し、得られた血漿に注射
用生理食塩水を加えて、全量を12.8mlとして以下
の試験に供した。
【0091】比較例6 実施例3において、大腸菌固定化粒子を使用せずに炎症
性疾患治療用血液バッグを作製し、実施例3と同様にし
て血漿を採取し、得られた血漿に注射用生理食塩水を加
えて、全量を12.8mlとして以下の試験に供した。
性疾患治療用血液バッグを作製し、実施例3と同様にし
て血漿を採取し、得られた血漿に注射用生理食塩水を加
えて、全量を12.8mlとして以下の試験に供した。
【0092】以上のようにして得られた血漿を以下の抗
炎症効果の試験に用いた。
炎症効果の試験に用いた。
【0093】(カラゲニン足蹠浮腫反応に対する作用)
実施例3、4および比較例4〜6で得た血漿の炎症に対
する作用をみるために、被検物質として、上記で得られ
た血漿を用いて、ラットカラゲニン足蹠浮腫反応に対す
る抗炎症効果を前述の方法と同様にして試験した。被検
物質として、アスピリン(シグマ社製)、プレドニゾロ
ン(シグマ社製)及びコントロールについても、前述の
方法と同様にして試験した。
実施例3、4および比較例4〜6で得た血漿の炎症に対
する作用をみるために、被検物質として、上記で得られ
た血漿を用いて、ラットカラゲニン足蹠浮腫反応に対す
る抗炎症効果を前述の方法と同様にして試験した。被検
物質として、アスピリン(シグマ社製)、プレドニゾロ
ン(シグマ社製)及びコントロールについても、前述の
方法と同様にして試験した。
【0094】試験結果を表4(誘発4時間後の足蹠浮腫
容積および誘発24時間後の体重変化量)に示した。
容積および誘発24時間後の体重変化量)に示した。
【0095】
【表4】
【0096】表4から明らかなように本発明の炎症性疾
患治療用血液バッグを用いて抗炎症効果を誘導された血
漿を用いた供試液は足蹠浮腫反応を明らかに抑制し、そ
の効果はアスピリンよりも強く、プレドニゾロンとほぼ
同等であった。また、プレドニゾロン投与群のラットで
は、コントロール投与群のラットに比べて明らかな体重
減少が認められたが、本発明の炎症性疾患治療用血液バ
ッグを用いて抗炎症効果を誘導された血漿投与群のラッ
トでは、そのような現象は認められなかった。すなわ
ち、本発明の炎症性疾患治療用血液バッグを用いて抗炎
症効果を誘導された血漿は、強い炎症抑制効果を示し、
しかもプレドニゾロンにみられるような副作用を示さな
いことが分かった。
患治療用血液バッグを用いて抗炎症効果を誘導された血
漿を用いた供試液は足蹠浮腫反応を明らかに抑制し、そ
の効果はアスピリンよりも強く、プレドニゾロンとほぼ
同等であった。また、プレドニゾロン投与群のラットで
は、コントロール投与群のラットに比べて明らかな体重
減少が認められたが、本発明の炎症性疾患治療用血液バ
ッグを用いて抗炎症効果を誘導された血漿投与群のラッ
トでは、そのような現象は認められなかった。すなわ
ち、本発明の炎症性疾患治療用血液バッグを用いて抗炎
症効果を誘導された血漿は、強い炎症抑制効果を示し、
しかもプレドニゾロンにみられるような副作用を示さな
いことが分かった。
【0097】(I型アレルギー性炎症に対する作用)実
施例3、4および比較例4〜6で得た血漿のI型アレル
ギー性炎症に対する作用をみるために、被検物質とし
て、上記で得られた血漿を用いて、ラット同種PCA反
応に対する抗炎症効果を前述の方法と同様にして試験し
た。被検物質として、プレドニゾロン(シグマ社製)及
びコントロールについても、前述の方法と同様にして試
験した。
施例3、4および比較例4〜6で得た血漿のI型アレル
ギー性炎症に対する作用をみるために、被検物質とし
て、上記で得られた血漿を用いて、ラット同種PCA反
応に対する抗炎症効果を前述の方法と同様にして試験し
た。被検物質として、プレドニゾロン(シグマ社製)及
びコントロールについても、前述の方法と同様にして試
験した。
【0098】試験結果を表5に示した。
【0099】
【表5】
【0100】表5から明らかなように、本発明の炎症性
疾患治療用血液バッグを用いて抗炎症効果を誘導された
血漿を用いた供試液(12.5ml/kg)を投与した
群では、比較例4〜6で得られた供試液を投与した群と
比較して、ラット同種PCA反応部の皮膚に漏出する色
素量が大幅に減少し、その効果はプレドニゾロン(10
mg/kg)と同等であった。また、プレドニゾロン投
与群のラットでは、コントロール群に比べて体重減少が
明らかに認められたが、本発明の炎症性疾患治療用血液
バッグを用いて得られた血漿を供試液として投与した群
では、そのような現象は認められなかった。すなわち、
本発明の炎症性疾患治療用血液バッグを用いて抗炎症効
果を誘導された血漿は、顕著なI型アレルギー性炎症抑
制活性を有し、しかもプレドニゾロンに見られるような
副作用を示さないことが分かった。
疾患治療用血液バッグを用いて抗炎症効果を誘導された
血漿を用いた供試液(12.5ml/kg)を投与した
群では、比較例4〜6で得られた供試液を投与した群と
比較して、ラット同種PCA反応部の皮膚に漏出する色
素量が大幅に減少し、その効果はプレドニゾロン(10
mg/kg)と同等であった。また、プレドニゾロン投
与群のラットでは、コントロール群に比べて体重減少が
明らかに認められたが、本発明の炎症性疾患治療用血液
バッグを用いて得られた血漿を供試液として投与した群
では、そのような現象は認められなかった。すなわち、
本発明の炎症性疾患治療用血液バッグを用いて抗炎症効
果を誘導された血漿は、顕著なI型アレルギー性炎症抑
制活性を有し、しかもプレドニゾロンに見られるような
副作用を示さないことが分かった。
【0101】(IV型アレルギー性炎症に対する作用)被
検物質として、実施例3、4及び比較例4〜6で得られ
た血漿を用いて、ラットツベルクリン反応に対する抗炎
症効果を前述の方法と同様にして試験した。被検物質と
して、プレドニゾロン(シグマ社製)及びコントロール
についても、前述の方法と同様にして試験した。
検物質として、実施例3、4及び比較例4〜6で得られ
た血漿を用いて、ラットツベルクリン反応に対する抗炎
症効果を前述の方法と同様にして試験した。被検物質と
して、プレドニゾロン(シグマ社製)及びコントロール
についても、前述の方法と同様にして試験した。
【0102】試験結果を表6(誘発24時間後の紅斑強
度、皮膚重量及び体重変化量)に示した。
度、皮膚重量及び体重変化量)に示した。
【0103】
【表6】
【0104】表6から明らかなように本発明の炎症性疾
患治療用血液バッグを用いて抗炎症効果を誘導された血
漿を用いた供試液(12.5ml/kg)を投与した群
では、比較例4〜6で得られた供試液を投与した群と比
較して、紅斑強度及び皮膚重量が大幅に減少し、その効
果はプレドニゾロン(10mg/kg)と同等であっ
た。また、プレドニゾロン投与群のラットでは、コント
ロール群に比べて体重減少が明らかに顕著であったが、
本発明の炎症性疾患治療用血液バッグを用いて得られた
血漿を供試液として投与した群では、そのような現象は
認められなかった。すなわち、本発明の炎症性疾患治療
用血液バッグを用いて抗炎症効果を誘導された血漿は、
顕著なIV型アレルギー性炎症抑制活性を有し、しかもプ
レドニゾロンに見られるような副作用を示さないことが
分かった。
患治療用血液バッグを用いて抗炎症効果を誘導された血
漿を用いた供試液(12.5ml/kg)を投与した群
では、比較例4〜6で得られた供試液を投与した群と比
較して、紅斑強度及び皮膚重量が大幅に減少し、その効
果はプレドニゾロン(10mg/kg)と同等であっ
た。また、プレドニゾロン投与群のラットでは、コント
ロール群に比べて体重減少が明らかに顕著であったが、
本発明の炎症性疾患治療用血液バッグを用いて得られた
血漿を供試液として投与した群では、そのような現象は
認められなかった。すなわち、本発明の炎症性疾患治療
用血液バッグを用いて抗炎症効果を誘導された血漿は、
顕著なIV型アレルギー性炎症抑制活性を有し、しかもプ
レドニゾロンに見られるような副作用を示さないことが
分かった。
【0105】次に、下記の実施例5、6及び比較例7〜
9に記載する方法にて、炎症性疾患治療装置を用いて、
血液を処理し得られた血漿の抗炎症効果を試験した。
9に記載する方法にて、炎症性疾患治療装置を用いて、
血液を処理し得られた血漿の抗炎症効果を試験した。
【0106】実施例5 実施例1と同様にして調製した大腸菌固定化粒子を、カ
ラム部としての10ml用ポリプロピレン製ディスポー
ザブルシリンジ(テルモ社製)に充填し、軟質ポリ塩化
ビニルチューブ(東京理科器械社製、商品名 タイゴ
ン)をカラム部の両端に、流入部及び流出部として接続
し、37℃のウオーターバス中に浸漬して加温し、ヘパ
リン採血したウイスター系ラット(7週齢、雄性)新鮮
血20mlをペリスタポンプを用いて180分間循環さ
せた。その後、血液を回収し、遠心分離により血漿を採
取し、12.8mlまで注射用生理食塩水を加えて増量
したものを以下の試験に供した。
ラム部としての10ml用ポリプロピレン製ディスポー
ザブルシリンジ(テルモ社製)に充填し、軟質ポリ塩化
ビニルチューブ(東京理科器械社製、商品名 タイゴ
ン)をカラム部の両端に、流入部及び流出部として接続
し、37℃のウオーターバス中に浸漬して加温し、ヘパ
リン採血したウイスター系ラット(7週齢、雄性)新鮮
血20mlをペリスタポンプを用いて180分間循環さ
せた。その後、血液を回収し、遠心分離により血漿を採
取し、12.8mlまで注射用生理食塩水を加えて増量
したものを以下の試験に供した。
【0107】実施例6 実施例1と同様にして調製した大腸菌固定化粒子に代え
て、実施例2と同様にして調製した大腸菌固定化粒子を
使用したことの他は、実施例5と同様にして行い、血漿
を採取し、得られた血漿に注射用生理食塩水を加えて、
全量を12.8mlとして以下の試験に供した。
て、実施例2と同様にして調製した大腸菌固定化粒子を
使用したことの他は、実施例5と同様にして行い、血漿
を採取し、得られた血漿に注射用生理食塩水を加えて、
全量を12.8mlとして以下の試験に供した。
【0108】比較例7 実施例1と同様にして調製した大腸菌固定化粒子に代え
て、比較例1と同様にして調製したポリスチレン多孔性
ダイヤイオンHP-50 粒子を使用したことの他は、実施例
5と同様にして行い、血漿を採取し、得られた血漿に注
射用生理食塩水を加えて、全量を12.8mlとして以
下の試験に供した。
て、比較例1と同様にして調製したポリスチレン多孔性
ダイヤイオンHP-50 粒子を使用したことの他は、実施例
5と同様にして行い、血漿を採取し、得られた血漿に注
射用生理食塩水を加えて、全量を12.8mlとして以
下の試験に供した。
【0109】比較例8 実施例1と同様にして調製した大腸菌固定化粒子に代え
て、比較例2と同様にして調製したアクリル系多孔性ダ
イヤイオンHP2MG 粒子を使用したことの他は、実施例5
と同様にして行い、血漿を採取し、得られた血漿に注射
用生理食塩水を加えて、全量を12.8mlとして以下
の試験に供した。
て、比較例2と同様にして調製したアクリル系多孔性ダ
イヤイオンHP2MG 粒子を使用したことの他は、実施例5
と同様にして行い、血漿を採取し、得られた血漿に注射
用生理食塩水を加えて、全量を12.8mlとして以下
の試験に供した。
【0110】比較例9 実施例5で使用したものと同様の10ml用ポリプロピ
レン製ディスポーザブルシリンジを注射用生理食塩水で
洗浄し、内部に何も充填しないものをカラム部とした他
は、実施例5と同様にして行い、血漿を採取し、12.
8mlまで注射用生理食塩水を加えて増量したものを以
下の試験に供した。
レン製ディスポーザブルシリンジを注射用生理食塩水で
洗浄し、内部に何も充填しないものをカラム部とした他
は、実施例5と同様にして行い、血漿を採取し、12.
8mlまで注射用生理食塩水を加えて増量したものを以
下の試験に供した。
【0111】(カラゲニン足蹠浮腫反応に対する作用)
実施例5、6および比較例7〜9で得た血漿の炎症に対
する作用をみるために、被検物質として、上記で得られ
た血漿を用いて、ラットカラゲニン足蹠浮腫反応に対す
る抗炎症効果を前述の方法と同様にして試験した。被検
物質として、アスピリン(シグマ社製)、プレドニゾロ
ン(シグマ社製)及びコントロールについても、前述の
方法と同様にして試験した。
実施例5、6および比較例7〜9で得た血漿の炎症に対
する作用をみるために、被検物質として、上記で得られ
た血漿を用いて、ラットカラゲニン足蹠浮腫反応に対す
る抗炎症効果を前述の方法と同様にして試験した。被検
物質として、アスピリン(シグマ社製)、プレドニゾロ
ン(シグマ社製)及びコントロールについても、前述の
方法と同様にして試験した。
【0112】試験結果を表7(誘発4時間後の足蹠浮腫
容積および誘発24時間後の体重変化量)に示した。
容積および誘発24時間後の体重変化量)に示した。
【0113】
【表7】
【0114】表7から明らかなように本発明の炎症性疾
患治療装置を用いて抗炎症効果を誘導された血漿を用い
た供試液は足蹠浮腫反応を明らかに抑制し、その効果は
アスピリンよりも強く、プレドニゾロンとほぼ同等であ
った。また、プレドニゾロン投与群のラットでは、コン
トロール投与群のラットに比べて明らかな体重減少が認
められたが、本発明の炎症性疾患治療装置を用いて抗炎
症効果を誘導された血漿投与群のラットでは、そのよう
な現象は認められなかった。すなわち、本発明の炎症性
疾患治療装置を用いて抗炎症効果を誘導された血漿は、
強い炎症抑制効果を示し、しかもプレドニゾロンにみら
れるような副作用を示さないことが分かった。
患治療装置を用いて抗炎症効果を誘導された血漿を用い
た供試液は足蹠浮腫反応を明らかに抑制し、その効果は
アスピリンよりも強く、プレドニゾロンとほぼ同等であ
った。また、プレドニゾロン投与群のラットでは、コン
トロール投与群のラットに比べて明らかな体重減少が認
められたが、本発明の炎症性疾患治療装置を用いて抗炎
症効果を誘導された血漿投与群のラットでは、そのよう
な現象は認められなかった。すなわち、本発明の炎症性
疾患治療装置を用いて抗炎症効果を誘導された血漿は、
強い炎症抑制効果を示し、しかもプレドニゾロンにみら
れるような副作用を示さないことが分かった。
【0115】(I型アレルギー性炎症に対する作用)被
検物質として、実施例5、6及び比較例7〜9で得られ
た血漿を用いて、ラット同種PCA反応に対する抗炎症
効果を前述の方法と同様にして試験した。被検物質とし
て、プレドニゾロン(シグマ社製)及びコントロールに
ついても、前述の方法と同様にして試験した。
検物質として、実施例5、6及び比較例7〜9で得られ
た血漿を用いて、ラット同種PCA反応に対する抗炎症
効果を前述の方法と同様にして試験した。被検物質とし
て、プレドニゾロン(シグマ社製)及びコントロールに
ついても、前述の方法と同様にして試験した。
【0116】試験結果を表8に示した。
【0117】
【表8】
【0118】表8から明らかなように本発明の炎症性疾
患治療装置を用いて抗炎症効果を誘導された血漿を用い
た供試液(12.5ml/kg)を投与した群では、比
較例7〜9で得られた供試液を投与した群と比較して、
ラット同種PCA反応部の皮膚に漏出する色素量が大幅
に減少し、その効果はプレドニゾロン(10mg/k
g)と同等であった。また、プレドニゾロン投与群のラ
ットでは、コントロール群に比べて体重減少が明らかに
認められたが、本発明の炎症性疾患治療装置を用いて得
られた血漿を供試液として投与した群では、そのような
現象は認められなかった。すなわち、本発明の炎症性疾
患治療装置を用いて抗炎症効果を誘導された血漿は、顕
著なI型アレルギー性炎症抑制活性を有し、しかもプレ
ドニゾロンに見られるような副作用を示さないことが分
かった。
患治療装置を用いて抗炎症効果を誘導された血漿を用い
た供試液(12.5ml/kg)を投与した群では、比
較例7〜9で得られた供試液を投与した群と比較して、
ラット同種PCA反応部の皮膚に漏出する色素量が大幅
に減少し、その効果はプレドニゾロン(10mg/k
g)と同等であった。また、プレドニゾロン投与群のラ
ットでは、コントロール群に比べて体重減少が明らかに
認められたが、本発明の炎症性疾患治療装置を用いて得
られた血漿を供試液として投与した群では、そのような
現象は認められなかった。すなわち、本発明の炎症性疾
患治療装置を用いて抗炎症効果を誘導された血漿は、顕
著なI型アレルギー性炎症抑制活性を有し、しかもプレ
ドニゾロンに見られるような副作用を示さないことが分
かった。
【0119】(IV型アレルギー性炎症に対する作用)被
検物質として、実施例5、6及び比較例7〜9で得られ
た血漿を用いて、ラットツベルクリン反応に対する抗炎
症効果を前述の方法と同様にして試験した。被検物質と
して、プレドニゾロン(シグマ社製)及びコントロール
についても、前述の方法と同様にして試験した。
検物質として、実施例5、6及び比較例7〜9で得られ
た血漿を用いて、ラットツベルクリン反応に対する抗炎
症効果を前述の方法と同様にして試験した。被検物質と
して、プレドニゾロン(シグマ社製)及びコントロール
についても、前述の方法と同様にして試験した。
【0120】試験結果を表9(誘発24時間後の紅斑強
度、皮膚重量及び体重変化量)に示した。
度、皮膚重量及び体重変化量)に示した。
【0121】
【表9】
【0122】表9から明らかなように本発明の炎症性疾
患治療装置を用いて抗炎症効果を誘導された血漿を用い
た供試液(12.5ml/kg)を投与した群では、比
較例7〜9で得られた供試液を投与した群と比較して、
紅斑強度及び皮膚重量が大幅に減少し、その効果はプレ
ドニゾロン(10mg/kg)と同等であった。また、
プレドニゾロン投与群のラットでは、コントロール群に
比べて体重減少が明らかに顕著であったが、本発明の炎
症性疾患治療装置を用いて得られた血漿を供試液として
投与した群では、そのような現象は認められなかった。
すなわち、本発明の炎症性疾患治療装置を用いて抗炎症
効果を誘導された血漿は、顕著なIV型アレルギー性炎症
抑制活性を有し、しかもプレドニゾロンに見られるよう
な副作用を示さないことが分かった。
患治療装置を用いて抗炎症効果を誘導された血漿を用い
た供試液(12.5ml/kg)を投与した群では、比
較例7〜9で得られた供試液を投与した群と比較して、
紅斑強度及び皮膚重量が大幅に減少し、その効果はプレ
ドニゾロン(10mg/kg)と同等であった。また、
プレドニゾロン投与群のラットでは、コントロール群に
比べて体重減少が明らかに顕著であったが、本発明の炎
症性疾患治療装置を用いて得られた血漿を供試液として
投与した群では、そのような現象は認められなかった。
すなわち、本発明の炎症性疾患治療装置を用いて抗炎症
効果を誘導された血漿は、顕著なIV型アレルギー性炎症
抑制活性を有し、しかもプレドニゾロンに見られるよう
な副作用を示さないことが分かった。
【0123】
【発明の効果】本発明の抗炎症剤の構成は上記の通りで
あり、血液と接触することにより、血液に抗炎症効果を
誘導する、微生物を固定化した材料からなる、抗炎症効
果に優れると共に副作用の少ない抗炎症剤を提供する。
本発明の炎症性疾患治療用血液バッグの構成は上記の通
りであり、血液と担体とが接触することにより、抗炎症
効果に優れると共に副作用の少ない抗炎症効果を血液に
誘導し得る炎症性疾患治療用血液バッグを提供する。本
発明の炎症性疾患治療装置の構成は上記の通りであり、
カラム部に流入した血液もしくは血液成分は、微生物を
固定化した材料からなる抗炎症剤と接触される。従っ
て、抗炎症因子が効率よく誘導され、その結果、血液に
抗炎症効果を付与できる。上記の炎症性疾患治療装置に
おいて、カラム部及び流入部の少なくとも一方に、更に
加温手段が備えられると、血液が加熱された状態で微生
物を固定化した材料からなる抗炎症剤と接触される。そ
の結果、抗炎症因子がより一層効率よく誘導され、血液
に抗炎症効果をより一層付与できる。従って、本発明の
抗炎症剤、炎症性疾患治療用血液バッグ又は炎症性疾患
治療装置を使用すると、炎症性疾患の治療を効果的に行
える。
あり、血液と接触することにより、血液に抗炎症効果を
誘導する、微生物を固定化した材料からなる、抗炎症効
果に優れると共に副作用の少ない抗炎症剤を提供する。
本発明の炎症性疾患治療用血液バッグの構成は上記の通
りであり、血液と担体とが接触することにより、抗炎症
効果に優れると共に副作用の少ない抗炎症効果を血液に
誘導し得る炎症性疾患治療用血液バッグを提供する。本
発明の炎症性疾患治療装置の構成は上記の通りであり、
カラム部に流入した血液もしくは血液成分は、微生物を
固定化した材料からなる抗炎症剤と接触される。従っ
て、抗炎症因子が効率よく誘導され、その結果、血液に
抗炎症効果を付与できる。上記の炎症性疾患治療装置に
おいて、カラム部及び流入部の少なくとも一方に、更に
加温手段が備えられると、血液が加熱された状態で微生
物を固定化した材料からなる抗炎症剤と接触される。そ
の結果、抗炎症因子がより一層効率よく誘導され、血液
に抗炎症効果をより一層付与できる。従って、本発明の
抗炎症剤、炎症性疾患治療用血液バッグ又は炎症性疾患
治療装置を使用すると、炎症性疾患の治療を効果的に行
える。
【図1】本発明の一例の炎症性疾患治療用血液バッグを
説明するための概略構成図である。
説明するための概略構成図である。
【図2】本発明の一例の炎症性疾患治療装置を説明する
ための概略構成図である。
ための概略構成図である。
【図3】実施例1及び比較例1で得られた血漿を供試液
として、ラットアジュバント関節炎に対する作用を試験
した結果を示すグラフであり、横軸は誘発後時間(da
y)、縦軸は足蹠浮腫容積(ml)である。
として、ラットアジュバント関節炎に対する作用を試験
した結果を示すグラフであり、横軸は誘発後時間(da
y)、縦軸は足蹠浮腫容積(ml)である。
1 炎症性疾患治療用血液バッグ 2 袋状容器 3 流入部 4 担体 5 メッシュ 6 チューブ 7 血流ポンプ 8 採血針 11 カラム部 12 流入部 13 流出部 14 抗炎症剤 21 加温手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/80 A61K 35/84 A 35/84 A61M 1/36 500 A61M 1/36 500 510 510 5/14 345 5/14 345 A61J 1/00 330A
Claims (4)
- 【請求項1】 血液と接触することにより、血液に抗炎
症効果を誘導する、微生物を固定化した材料からなるこ
とを特徴とする抗炎症剤。 - 【請求項2】 血液もしくは血液成分の流入部を備えた
袋状容器に、請求項1記載の抗炎症剤からなる担体が収
納されてなることを特徴とする炎症性疾患治療用血液バ
ッグ。 - 【請求項3】 請求項1記載の抗炎症剤をカラムに収納
してなるカラム部と、血液もしくは血液成分を該カラム
部に流入させるために該カラム部に連結された流入部
と、該カラム部内に流入された血液もしくは血液成分を
該カラム部外に流出させるために該カラム部に連結され
た流出部とを備えることを特徴とする炎症性疾患治療装
置。 - 【請求項4】 血液もしくは血液成分を20〜42℃の
範囲に加温させるために、請求項3記載のカラム部及び
流入部の少なくとも一方に、更に加温手段が備えられた
請求項3記載の炎症性疾患治療装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9037661A JPH107576A (ja) | 1996-04-26 | 1997-02-21 | 抗炎症剤、炎症性疾患治療用血液バッグ及び炎症性疾患治療装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10806696 | 1996-04-26 | ||
JP8-108066 | 1996-04-26 | ||
JP9037661A JPH107576A (ja) | 1996-04-26 | 1997-02-21 | 抗炎症剤、炎症性疾患治療用血液バッグ及び炎症性疾患治療装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH107576A true JPH107576A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=26376793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9037661A Pending JPH107576A (ja) | 1996-04-26 | 1997-02-21 | 抗炎症剤、炎症性疾患治療用血液バッグ及び炎症性疾患治療装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH107576A (ja) |
-
1997
- 1997-02-21 JP JP9037661A patent/JPH107576A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060329 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070110 |