JP4215514B2 - J300冬虫夏草から抽出したhiv活性抑制剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、J300冬虫夏草から抽出したHIV活性抑制剤組成物に関するもので、より詳しくは、J300冬虫夏草から抽出し、HIV活性抑制機能を有する下記化学式(1)で表される3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸、下記化学式(2)で表される4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸又はそれらの誘導体を含有する薬剤学的組成物及び食品組成物に関するものである。
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冬虫夏草は、昔から神秘の名薬として分類されて来ており、特に、中国秦始皇が不老長生の名薬として使用したという説話がある。最近の研究によれば、冬虫夏草には、抗疲労効果、免疫増強効果及び抗癌効果など多様な効果があると知られている(ソウル大学校天然物科学研究所)。このような冬虫夏草の複合的な効能は、冬虫夏草が有用な物質を多様に含有しており、人体の恒常性に直接又は間接的に関与していることによると推定される。
冬虫夏草は、現在世界的に300余種が報告されているが、そのサイズが小さく、自生する数が少なくて、利用はもちろん研究に必要な試料確保も不可能な実情である。これより、韓国農村振興庁では、韓国に自生する各種の冬虫夏草を採集し、その菌を純粋分離した後、蚕に接種して、大量生産する技術を開発中にあり、2000年末、その裁培方法が開発された冬虫夏草は、パエシロミセスジャポニカ(Paecilomyces japonica)など5種がある。J300冬虫夏草は、パエシロミセス属菌株J300胞子を家蚕に接種して得られたもので、その裁培方法については、韓国特許第187,897号公報及び米国特許第5,930,310号公報に開示されている。
UNAIDSとWHOによれば、1997年末、世界的に3千万以上の人がHIVに感染されたと報告されている。1997年に新しく感染された人の数が580万で、彼らのうち59万が子供と推定している。このような増加傾向が持続する場合、2000年には、HIV感染者が4千万となると推定される。このようなHIV感染者の90%以上が開発途上国に居住しており、彼らの大部分は、自分が感染されたか否かを知らないという実情が問題の深刻性を一層高めている。
従って、AIDSを退治することは、世界的な関心事であって、副作用がなく且つ治療効果が高い新しい薬剤の開発が至急な実情である。
AIDSは、1981年最初のAIDS患者が報告された後、1984年AIDS患者からAIDSウイルスであるHIVを分離することによって、HIVがAIDSの重要な病原因であることが確認された。従って、全世界的にAIDS治療のための抗HIV物質を開発するために注力して来た。その結果、1987年、AIDS治療剤の代名詞のように呼ばれるAZTが開発された以来、1999年2月、米国FDAの許可下に市販中のAIDS治療剤は、13種に達している。しかし、既存のあらゆるAIDS治療剤は、投与した時、例外なく耐性ウイルスが出現し、程度の差異はあるが、副作用が現れるなど、明白な限界性を表している。
このような限界性を克服したり緩和することができる新しいAIDS治療剤を開発するために、韓国製薬業界はもちろん全世界の製薬業界及び関連研究機関で活発な研究が進行されている。
HIV(Human Immunodeficiency Virus)は、1984年AIDS患者から初めて分離することによって、AIDS病原体であることが明らかになった。発見初期には、HIV感染が同性恋愛者や一部国家にだけ限定されたものと誤解されることもあるが、今はあらゆる人を威嚇する世界的伝染病として確認され、深刻な社会的問題になっている。
HIVは、分類学上、レトロウイルスに属するもので、その中でもレンチウイルス(lentivirus)群に細分される。HIV粒子は、直径が10ミクロン程度で、外部は一般細胞膜のようにリン脂質(phospholipids)で囲まれており、内部には、RNAよりなるウイルスゲノム2個が蛋白の殻(capsid、core protein)内に保護されている。このようなHIVゲノムは、10個の遺伝子で構成されているが、これは、ゲノム全体サイズに比べて多くの遺伝子を有している。
このようなHIV感染は、ウイルス表面にある表皮蛋白質(envelop protein:gp120)と、標的細胞表面にある受容体とが接合することでなされる。この受容体は、CD4抗原と呼ばれる細胞表面蛋白質分子であり、細胞表面にCD4抗原を多く含んでいるCD4 T細胞(helper T cell)やマクロファ−ジがHIVの主要標的になる原因である。このウイルスと細胞の接合により、ウイルスのリン脂質外皮は、細胞表面に融合し、ウイルスのゲノムと核蛋白質は、細胞内部に流入するようになる。この際、ウイルスゲノムは、ウイルス粒子にある逆転写酵素によりRNAからDNAに転換された後、細胞核内に移送され、宿主細胞のゲノムの中に挿入される。この過程は、レトロウイルスだけが有する特性の1つである。HIVは、宿主細胞内の最も安全な所にこのように潜伏しながら生長に必要なあらゆる機作と資源を細胞から供給される。また、状況と条件によって増殖を抑制又は促進しながら兔疫体などから自分を保護しつつ生存する。
AIDSウイルスは、大別すれば、HIV−1とHIV−2の2種類がある。HIV−1は、韓国を含んだいろいろな国家の患者に発見されるので、AIDSウイルスの代名詞と呼ばれる。西アフリカ地域患者に主に発見されるHIV−2は、ゲノムの塩基配列がHIV−1とは55%程度同一であるだけ、猿AIDSウイルスであるSIV(Simian Immunodeficiency Virus)ともっと類似している。HIV−2の毒性は、HIV−1より弱いと知られている。
HIVは、遺伝的ばかりでなく生物学的にも非常に多様である。いろいろなAIDS患者から分離抽出したHIVの塩基配列が各々異なることはもちろん、同じ患者に採取したものでも、病気の進行状態によってウイルスの塩基配列が互いに異なる。はなはだしくは、ウイルスを一定の時間に同じ患者から分離する場合、組織部位によって塩基配列が異なるウイルスが検出される。このように多様な塩基配列は、ウイルスの多様な生物学的特性を決定するに多くの関連がある。塩基配列が異なるウイルス毎に特定の細胞に対する感染親和性、増殖率、ウイルス生産程度、細胞に対する毒性、多核巨大細胞形成率、潜伏期や活動期、中和抗体に対する敏感度などが各々違う。
このように多様な生物学的特性とAIDS発病との連関性についての現在までの研究結果によれば、初期患者から分離したウイルスは、多核巨大細胞を形成せず(NSI:Nonsyncytia-Inducing)、主としてマクロファ−ジにより感染される。しかし、AIDS末期に進行するほど、多核巨大細胞形成能力(SI:Syncytia-Inducing)が増加し、マクロファ−ジの代わりにヘルパーT細胞により感染されるウイルスに変わる。これは、HIVの生物学的特性と発病とは関連があることを示唆する。
HIVに感染された後1週間程度が経過すれば、ウイルスの増殖が活発し、患者の血液から容易にウイルスが検出されることができる。この段階をウイルス血症(viremia)という。このウイルスは、1〜2週間内に分離が難しい程度に急激に減少する。このような潜伏期状態を長期間維持した後、AIDSに進行するに伴って、さらにウイルス増殖が活発になり、ウイルス血症状態となる。最近、ポリメラーゼ連鎖重合反応を利用した研究結果、潜伏期中にも続いてウイルスが作られるとの報告があり、注目されている。
CD4細胞は、初めてウイルス血症期間中に突然にその数字が減ったが、ウイルス増殖が減少しながら、さらに一定値に回復するようになる(健康な人:500-1000 CD4 cells/mm3)。以後、数年にわたってCD4細胞が徐々に減少し、血液1mm3当たり200個以下に減少ずれば、ARC(AIDS-Related Complex)やAIDSに進行する。AIDS患者には、日和見感染(opportunistic infection)の確率が高まり、ニューモシスチスカリニ肺炎などにかかり亡くなる。
感染初期に増殖が増加したHIVが急速に減少する時期と、CD8細胞が増加する時期とが一致し、CD8 T細胞は、細胞の生長を抑制させたり、ウイルスに感染された細胞を選別して殺す役目をすると知られている。従って、初期に感染されたウイルスに対してはCD8細胞が重要な免疫効果を示すものと見られる。抗体は、時期的にウイルスが減少した後に生成される。感染初期からAIDS発病まで続いてCD8細胞と抗体などが存在するが、既にその機能を喪失又は変質し、はなはだしくはウイルス感染をむしろ促進させることもある。感染初期に抗ウイルス効果を示した兔疫体系がどのようにその機能を喪失するようになるかは解決すべき課題である。人間にだけ発病するAIDSの特殊性のため、HIVの発病原因に対する理解は極めて初歩的な段階と言える。
学者らは、CD4細胞の減少が免疫欠乏症を起こす直接的な原因になることには共感するが、HIVがCD4細胞をどのように減少させるかに対しては多くの異見がある。その減少に対する説明としては、多核巨大細胞形成、挿入されないウイルスDNAの蓄積、宿主細胞膜構造による影響、プログラムされた細胞死滅の遺棄、感染細胞から毒性物質の分泌、自己免疫による細胞破壊など多くの理論が提示されている。しかし、生体内で証明されたことはまだ何もない。猿と猿AIDSウイルス SIVを用いてHIV病の発生過程について多くの研究が進行されているが、重要な新しい発見はない。
一方、AIDS治療剤の代名詞のように呼ばれるAZT(Zidovudine)は、HIV逆転写酵素の機能を抑制する薬であって、その効果について最も多く研究された。感染初期に使用する場合、臨床状態をある程度好転させるが、患者の生命を延長させるには影響を及ぼさない。骨髄に毒性を及ぼすなど副作用があり、長期間使用時には耐性を有するウイルスが出現するなどAIDS治療剤として明らかな限界がある。同じ機能の薬剤としてFDAの承認を受けたDDI、DDC、d4Tなどもやはり耐性ウイルスが生じ、毒性は、AZTより少ない。このような薬を複合的に使用する場合、毒性と耐性ウイルス出現を低下させたり抑制することができるばかりでなく、治療効果を高めることができるという理論が最近に提起された。この仮定を検証するために、いろいろな機関で臨床実験した結果、ある程度肯定的な評価を得ている。
この他にもAIDSウイルス生長を抑制するために、多くの方法が開発され効能を検証されている。例えば、ウイルスが細胞に接合することを抑制する方法、ウイルスに感染された細胞だけを選別して殺す方法、ウイルス生長に重要な酵素機能を抑制する薬(protease、integrase、tatinhibitor、rev inhibitor)又はサイトカインを利用した治療法、CD8細胞を注入する法、遺伝子治療法などである。
HIVのワクチン開発にも多くの進展があった。死ウイルス又は弱毒化ウイルス(attenuated virus)を使用する方法、遺伝工学的方法を用いてウイルスの特定蛋白質を表現させた後これを使用する方法(subunit vaccine)、抗イディオタイプ抗体、DNA遺伝子を直接注射する方法など非常に多様に開発されている。ワクチン開発の根本的な問題点は、ウイルスが極めて多様であることにある。例えば、予防接種後、ワクチン開発のために使用した元来のウイルスを使用して病気に感染すれば、抗体によりウイルスの生長が抑制するが、患者から新しく採取した感染細胞やウイルスにより病気に感染する場合には、全く抑制しなかった。このようなウイルスの多様性を克服することが解決課題である。体液免疫を利用したワクチン開発以外に、CD8細胞などによる細胞免疫や粘膜などに存在する兔疫体系(mucosal immunity)を利用したワクチンを開発し、これらを混合して使用する場合、一層良い結果があると予想される。
これより、本発明者らは、前記のようなAIDS治療剤の問題点、すなわち副作用及び耐性ウイルス出現が少ないAIDS治療剤を開発するために努力した。
その結果、本発明者らは、J300冬虫夏草の抽出物が抗HIV活性があることを知見し、その活性分画を決定してその活性物質を分析し、またこの抗HIV活性物質を有機合成することによって、毒性が弱くて副作用症が軽微な新規のAIDS治療剤を開発した。
韓国特許第187,897号公報 米国特許第5,930,310号公報
本発明は、J300冬虫夏草から抽出したHIV活性抑制剤組成物を提供する。
また、本発明は、J300冬虫夏草から分離及び精製した抗HIV活性物質である、下記化学式(1)で表される3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸、下記化学式(2)で表される4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸、及びこれらの誘導体を提供する。
Figure 0004215514
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また、本発明では、前記3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸、4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸及び/又はこれらの誘導体を含有する抗HIV剤組成物、抗AIDS剤組成物及びAIDS治療補助用機能性食品組成物を提供する。
本発明では、冬虫夏草の抗HIV効能を確認するために、3種の冬虫夏草、すなわち、パエシロミセスジャポニカ(Paecilomyces japonica)、パエシロミセスファリノサ(Paecilomyces farinosa)及びパエシロミセスエスピ(Paecilomyces sp.)J300(J300冬虫夏草)を真空凍結乾燥し、粉末化した後、抽出して、抗HIV効能を試験した。その結果、J300冬虫夏草の水抽出物が抗HIV活性を有することを発見した。
前記J300冬虫夏草は、韓国農村振興庁で最初に分離し、かいこを利用して生産したもので、冬虫夏草を指し、分類学的には不完全菌類のパエシロミセス属に属する。参考に、前記J300冬虫夏草培養のためのパエシロミセス属の菌株J300は、1996年11月29日付で韓国種菌協会付設の韓国微生物保存センタ(KFCC)に受託番号KFCC−10938で寄託され、またブダペスト条約によって1997年11月27日に受託番号KCCM10116号を付与された。その裁培技術については、韓国特報第187,897号公報及び米国特許第5,930,310号公報に開示されている。
前記化学式(1)で表される3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸、及び化学式(2)で表される4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸は、J300冬虫夏草から初めて抽出されたが、有機合成法によっても製造できる。
先ず、化学式(1)で表される3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸は、下記の段階により製造できる。
1)Amination(アミノ化)of L-Boc-Glu and L-Threonine(GT−2)
2-(2-tert-butoxycarbonylamino-4-methoxycarbonyl-butyrylamino)-3-hydroxy-butyric acid methyl esterの製造
Figure 0004215514
L-Boc-glutamic acid 5-methylesterと3-hydroxy-benzo-triazine-2(H)-4-oneを無水メチレンクロライド(anhydrous methylenechloride;無水MC)に溶かした後、N2条件下でDCC(dicyclohexylcarbodiimide)を添加し、冷却させながら10分程度攪拌する。L-threonine methyl ester hydrochlorideとTEA(triethanolamine)を無水MCに溶かし、前記溶液に添加した後、3時間程度攪拌する。前記溶液をフィルタリングして尿素(urea)を除去し、ろ過液をMCと水で抽出する。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム(sat. NaHCO3)と塩水(brine)で抽出し、有機抽出物を乾燥する。得られた抽出物を精製する。前記精製で、好ましくは、ヘキサン(hexane):酢酸エチル(ethyl acetate;EA)=2:1であるシリカゲルコラムを使用する。
このようにして得られた2-(2-tert-butoxycarbonylamino-4-methoxycarbonyl-butyrylamino)-3-hydroxy-butyric acid methyl esterをGT−2という。
2)BOC基(tert-butyl dicarbonate group)の除去(GT−3)
2-(2-Amino-4-methoxycarbonyl-butyrylamino)-3-hydroxy-butyric acid methyl esterの製造
Figure 0004215514
前記製造されたGT−2をジクロロメタン(CH2Cl2)に溶かした後、TFAで処理し、常温で12時間攪拌する。次いで、溶媒を蒸発させ、乾燥する。
このようにして製造された2-(2-Amino-4-methoxycarbonyl-butyrylamino)-3-hydroxy-butyric acid methyl esterをGT−3という。
3)環化(Cyclization)(GT−4)
3-[5-(1-Hydroxy-ethyl)-3,6-dioxo-piperazin-2-yl]-propionic acid methyl esterの製造
Figure 0004215514
前記得られたGT−3をTHFに溶かし、TEAで処理した後、常温で12時間攪拌する。前記混合物をMCと水で抽出する。水層をさらにMCで2回抽出する。これを硫酸マグネシウム(Mg2SO4)で乾燥する。前記結果物を精製する。精製において、好ましくは、ヘキサン:酢酸エチル=4:1であるシリカゲルコラムを使用する。
得られた化合物3-[5-(1-hydroxy-ethyl)-3,6-dioxo-piperazin-2-yl]-propionic acid methyl esterをGT−4という。
4)脱炭酸(Decarboxylation)(GT−5)
3-[5-(1-Hydroxy-ehtyl)-3,6-dioxo-piperazin-2-yl]-propionic acidの製造
Figure 0004215514
前記得られたGT−4を水に溶かし、20%-NaOHで処理した後、常温で30分間攪拌する。溶媒を蒸発させ、乾燥した後、これを精製する。前記精製で、好ましくは、酢酸エチル(EA):メタノール(MeOH)=2:1であるシリカゲルコラムを使用する。
前記得られた3-[5-(1-Hydroxy-ehtyl)-3,6-dioxo-piperazin-2-yl]-propionic acidをGT−5という。
5)デプロテクション(Deprotection)とメチル化(methylation)
前記得られたGT−5をデプロテクション及びメチル化して、所望の最終結果物である3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸を得る。
一方、化学式(2)で表される4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸は、下記の段階により製造できる。
1)Amination(アミノ化)of L-Boc-Proline and L-Leucine(LP−3)
2-(1-Methoxycarbonyl-3-methyl-butylcarbamoyl)-pyrrolidine-1-carboxylic acid tert-butyl esterの製造
Figure 0004215514
L-Boc-Prolineと3-hydroxy-benzotriazine-2(H)-4-oneを無水MCに溶かす。N2条件下で冷却しながらDCCを添加し、10分程度攪拌する。L-ロイシンメチルエステル(L-leucine methyl ester)とTEAを少量の無水DMF及び無水MCに溶かした溶液を前記溶液に添加し、15時間攪拌する。得られた混合物をフィルタリングして尿素(urea)を除去し、ろ過液をMCと水で抽出する。水層をさらにMCで2回抽出し、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥する。最終生産物を精製する。前記精製過程で、好ましくは、ヘキサン:酢酸エチル=4:1であるシリカゲルコラムを使用する。
前記得られた2-(1-Methoxycarbonyl-3-methyl-butylcarbamoyl)-pyrrolidine-1-carboxylic acid tert-butyl esterをLP−3という。
2)BOC基の除去(LP−4)
4-Methyl-2-[(pyrrolidine-2-carbonyl)-amino]-pentanoic acid methyl esterの製造
Figure 0004215514
前記得られたLP−3をジクロロメタンに溶かした後、TFA(trifluoroacetic acid)で処理し、常温で12時間攪拌する。次いで、溶媒を蒸発させ、乾燥する。前記結果物を精製する。精製は、好ましくは、酢酸エチル:メタノール=20:1であるシリカゲルコラムを使用することが良い。このように製造された4-Methyl-2-[(pyrrolidine-2-carbonyl)-amino]-pentanoic acid methyl esterをLP−4という。
3)加水分解(Hydrolysis)(LP−5)
4-Methyl-2-[(pyrrolidine-2-carbonyl)-2-amino]pentanoic acidの製造
Figure 0004215514
前記得られたLP−4を水に溶かした後、20%-NaOHで処理し、常温で30分間攪拌する。次いで、溶媒を蒸発させ、乾燥する。得られた結果物を精製する。前記精製で、好ましくは、酢酸エチル:メタノール=2:1であるシリカゲルコラムを使用することがよい。
一方、当業者なら前記方法によって3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸の誘導体又は4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸の誘導体をも製造できる。
前記3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸及び/又は4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸を含有する抗HIV剤、抗AIDS剤及びAIDS治療補助用機能性食品は、剤型において特別な制限が無く、当業者の必要に応じて必要な剤型を製造できる。
本発明による抗HIV剤組成物又は抗AIDS剤組成物は、1つ又はそれ以上の薬剤学的に許容可能な担体、補助剤又は希釈液、又は他の活性成分と一緒に、前記化学式(1)及び/又は化学式(2)の化合物を治療学的に有効な量で含有して製造できる。本発明の組成物は、オイル又は水性媒質で溶液、懸濁液又は乳化液の形態、又は、無菌、又は発熱物質が除去された水で溶かして乾燥粉末の形態で、経口用剤型、又は皮下注射、静脈注射、筋肉注射などの非経口型剤型として剤型化できる。
経口用剤型の場合、本発明の組成物は、薬剤学的に許容可能な担体と賦形剤を用いて公知の方法で、例えば、錠剤、トローチ剤、含糖錠剤、水性又は油性懸濁液、分散可能粉体あるいは粒子、乳化液、軟質あるいは硬質カプセル、シロップ、エリキシル剤のような形態で製剤化され、これは、単位投与量形態及び多容量容器に込めて完成品を製造できる。
経口用剤型のうち、錠剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、燐酸カルシウム、燐酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;とうもろこし、澱粉、アルギン酸などの粒子化剤;崩解剤;澱粉、ゼラチン、アカシアなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム(magnesium stearate)、ステアリン酸、タルクなどの潤滑剤のように、錠剤の製造に使用可能な賦形剤と混合された状態で製造できる。錠剤は、コーティングされない状態で使用したり、胃腸管内の吸収と錠剤の分解を阻害するためにコーティングして使われることができる。例えば、モノステアリン酸グリセリンとジステアリン酸グリセリンなどの時間阻害物質を適用してもよい。硬質カプセルは、本発明の化合物を炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、カオリンなどの不活性固体希釈剤に混合したもので、軟質カプセルは、水、又は混合可能なポリプロピレングリコール(polypropyleneglycol)、PEGs(polyethyleneglycol)、エタノールなどの溶媒と、ピーナッツ油、液状パラフィン、オリーブオイルなどの油性溶媒に活性成分を混合したものである。
水溶性懸濁剤は、水溶性懸濁剤の製造に適当な賦形剤と活性成分を共に混合したもので、賦形剤として、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガントガム(gum tragacanth)、アカシアガム(gum acacia)などの懸濁化剤;ポリオキシエチレンステアレートのような脂肪酸とアルキレンオキシドを縮合した化合物;ヘプタデカエチレンオキシセタノール(heptadecaethyleneoxycetanol)のように長い脂肪酸にアルキレンオキシドを縮合した化合物;ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのように無水ヘキシトール(hexitol anhydride)と脂肪酸から由来した部分エステルをエチレンオキサイドと縮合した化合物;湿潤剤;又は分散化剤などがある。水溶性懸濁剤は、防腐剤、着色剤、香辛料、甘味料などを含有する。
油性懸濁剤は、オリーブ油、セサミオイル(sesami oil)などの植物性オイル又は液状パラフィンのような鉱物性オイルに活性成分を懸濁させたもので、例えば、ビーズワックス、硬化パラフィン、セチルアルコールなどの増粘剤(thickening agent)を含有する。また、防腐剤、着色剤、香辛料、甘味料などを含有し、このような組成は、ビタミンCのような抗酸化剤を加えて保存できる。
分散性のパウダーと粒子は、分散化剤、湿潤剤、懸濁化剤、保存剤などを添加して一緒に混合した状態で活性成分を有している。適切な分散化剤、湿潤剤や懸濁化剤は、上述したものを使用することができる。付加的な賦形剤は、例えば、甘味料、香辛料、着色剤などがある。
油中水型乳化液は、オリーブ油のような植物性油又は液状パラフィンのような鉱物性オイルを油相とし、大豆レシチン(soy bean lecithin)などの自然産リン脂質、ソルビタンモノオレエートのような無水ヘキシトールや脂肪酸のエステルから由来したもの、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのように無水ヘキシトール(hexitol anhydride)と脂肪酸から由来した部分エステルをエチレンオキサイドと縮合した化合物を乳化剤として活性成分を乳化させたものなどがある。
シロップとエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、シュークロスなどの甘味料と一緒に活性成分を混合して製造できる。
非経口型剤型は、滅菌された注射可能溶液あるいは無毒性の使用可能な希釈剤や溶媒、例えば、1,3-ブタンジオールなどの溶媒に活性成分を懸濁させた懸濁液に製剤化して注射できる。使用可能な賦形剤や溶媒中には、水、リンゲル液及び等方性食塩水溶液がある。また、エタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのような共溶媒を使用することができる。また、滅菌された非揮発性オイルを慣習的に溶媒あるいは懸濁溶媒に使用することができる。このような目的のために添加される無刺激、非揮発性オイル(bland fixed oil)は、合成モノ−、ジ−グリセリドを含んで使用する。また、オレイン酸のような脂肪酸を注射剤の製造に使用することができる。坐剤形態は、薬物が常温では固体であるが直腸内の温度では液体となり、直腸内で溶けて薬物を放出するようにする適切な無刺激性賦形剤、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールと混合して、製剤化した後、直腸に投与する。
本発明の組成物を使用して疾病を治療する場合、活性成分物質の容量は、患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬物併用、治療する間の疾病の程度などによって異なるが、J300冬虫夏草粉末を経口投与する場合、体重60kgである人を基準にして1日当り1〜3gまでを毎日使用することができる。一方、1つの剤型を決定づけるために、担体物質と混合する本発明の化合物の量は、投与経路別方式と治療する患者によって変わる。
本発明のJ300冬虫夏草から分離した抗HIV活性物質である3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸と4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸を食品添加物として添加したAIDS治療補助食品は、当業者なら通常的に考えることができる飲料形態のような任意の食品形態に製造できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明の範囲は、下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕J300冬虫夏草の抽出物の抗HIV活性比較
先ず、J300冬虫夏草抽出物の抗HIV活性を確認するために、J300冬虫夏草の水抽出物及びメタノール抽出物の抗HIV活性を比較した。
水抽出物は、J300冬虫夏草粉末を70℃で30分間水中で加熱して得られた水溶液分画を使用し、メタノールに対しても同じ方法で抽出した。
その結果は図面を参考にして説明する。
図2乃至図8、図11及び図18から、共通的に“Infected”(ダイヤモンド表示◆)は、細胞にウイルスを感染させた後、試薬を添加したもので、試薬によりHIVの細胞殺傷効果から保護された事項を表示したものである。“Uninfected”(四角表示■)は、細胞に濃度が各々異なる試薬だけを添加したもので、濃度別試薬の毒性を示す。X座標は、試料の濃度別希釈比率を示すもので、Y座標は、細胞生存率を百分率(%)で示したものである。
図2は、J300冬虫夏草の水抽出物分画の抗HIV活性検索グラフであって、抗HIV活性物質が存在することが分かる。すなわち、J300冬虫夏草の水抽出物の濃度を高めるに応じて比例して抗HIV効果があることが確認された。一方、1.25×10-1より高い濃度では、“Infected”と“Uninfected”が共に減少する傾向があり、これは、この濃度で細胞毒性があるという意味である。
図3は、J300冬虫夏草のメタノール抽出物分画の抗HIV活性検索のグラフであって、J300冬虫夏草のメタノール抽出物の濃度を高めても、抗HIV効果には何らの変化がないことが分かる。すなわち、このグラフでは、“Infected”グラフが、活性のある分画物がある図2の場合とは対照的に、試料の濃度が高まるに応じて比例して宿主細胞が保護されない。従って、この分画物には、抗HIV効果がないことが判定された。
一方、図4は、J300冬虫夏草の水抽出物の中で非蛋白質層の抗HIV活性を検索したもので、非蛋白質分画の抗HIV活性が優れていることが分かる。
図5は、J300冬虫夏草の水抽出物の中で、1,000D以下部分に対する活性を検索した結果で、その抗HIV活性が優れていることが分かる。
〔実施例2〕J300冬虫夏草から抗HIV活性物質を精製及び分離
J300冬虫夏草から抗HIV活性物質を精製及び分離する方法は、図1を参考にして説明する。
1)J300冬虫夏草粉末を70℃で30分間水中で加熱し、その水溶液分画を凍結乾燥して得られた粉末であるJ300冬虫夏草粗抽出物2.63gに対してHP20吸着クロマトグラフィ(adsorption chromatography)を実施した。
溶離溶媒には、100%-蒸留水、50%-水性メタノール、50%-水性アセトン、100%-メタノール、100%-アセトンを順に使用し、50%-水性メタノールと50%-水性アセトンの場合には、2分画に分けて溶離させた。それぞれの分画に関して反復的にHPLC(高性能液体クロマトグラフィ:High Performance Liquid Chromatography)を実施しながら抗HIV活性を検査した。
各溶離溶液により溶離されたクロマトグラフィ分画で溶媒を除去した後、得られた抽出物分画を各々Dong 1乃至7と指定し、その重さは、各々2.55g(Dong 1)、0.390g(Dong 2)、0.044g(Dong 3)、0.030g(Dong 4)、0.015g(Dong 5)、0.004g(Dong 6)、0.003g(Dong 7)であった。
2)前記分画の中でDong 1をさらにHPLCして、前記と同じ溶離溶液の順に溶離して、AIDS活性検索した結果、Dong 1-1、Dong 1-2で強い活性が確認され、Dong 1-2は、Dong 1-1より1000倍程度強い活性を示した。
また、Dong 1-2を活性炭を用いて再クロマトグラフィを実施し、溶離溶媒は、上記と類似に、100%-蒸留水、50%-水性メタノール、50%-水性アセトン、100%-メタノールを使用した。溶媒を除去して得られた抽出物は、各々Dong 1-2-1乃至1-2-8と指定した。それらのうち抽出量が多い分画は、Dong 1-2-1、4、5及び8であり、その量は、各々0.446(Dong 1-2-1)g、0.469(Dong 1-2-4)g、0.190(Dong 1-2-5)g、0.006(Dong 1-2-4)gであった。この分画に対するAIDS活性を再検査した結果、Dong 1-2-4とDong 1-2-5で強い活性が確認された。
3)活性炭クロマトグラフィの100%-蒸留水分画(Dong 1)を35%-水性アセトニトリルに溶かし、HPLC(YMC amino column, 2×25cm, 2ml/min, MeOH)分離を実施し、保持時間(retension time;Rt)10、12、14、15、18、22、29分で各々9.9、2.8、10.9、7.7、32.7、10.3、21.4、13.7mgが得られた。Rt 10分ピーク(peak)は、グルタミン酸が主成分として存在し、トレオニン(threonine)が少量存在する。Rt 12分ピークは、グルタミン酸とトレオニンで構成されている。Rt 14分ピークは、トレオニンのOH基がメトキシに変わった物質である。Rt 15分ピークは、プロリンが主成分であり、トレオニンのOH基がメトキシ基に変わった物質とグルタミンが少量存在している。Rt 18分ピークは、アルギニンが主成分であり、グルタミンが少量存在し、他の不明な成分なども見える。Rt 22分ピークは、アラニンである。Rt 29分ピークは、グルタミン酸でアミノ基が遠い側のカルボン酸基がエステル化した物質と見える。
引続き、活性炭クロマトグラフィの50%-水性メタノール分画(Dong 1-2)も40%-水性アセトニトリルに溶かし、同様にHPLC(YMC amino column, 2×25cm, 2ml/min, MeOH)分離を実施した。残留時間13、13.5、14.5分で各々21.6、36.6、93.6mgが得られた。Rt 13分で得られた物質は、プロリンとロイシンのディペプチド、すなわちルイシールプロリン、Rt 13.5分に現れたピークは、グリセロール、Rt 14.5分に現れたピークは、糖誘導体と判断された。
最終的に、HP 20吸着クロマトグラフィで分離して得られた50%-水性メタノール分画(Dong 1-2)を、25%-水性アセトニトリルに溶かし、HPLC(YMC アミノコラム, 2×25cm, RI測定器, 2ml/min)分離を実施し、残留時間8、10、12、19、26、32、36分で各々2.4、3.2、5.0、3.1、7.2、14.9、6.7mgが分離された。1H-NMR分析結果、Rt 10分で得られたピークは、デオキシアデノシンとチミジンの3:2混合物と見え、Rt 12、19、26、32、36分に得られたピークは、各々アデノシン、ウリジン、トリプトファン、フェニルアラニン、グアノチジン(guanotidine)と判断された。HPLCした後、確認されない物質の混合物が残渣として207.4mg得られた。また、これらのアミノ酸以外にも少量のアミノ酸置換体が2種類あることがNMR研究結果で明らかになった。
4)Rt 19分の化合物は、グルタミン酸とトレオニンのディペプチド誘導体(GT:Dong 1-2-4)であることが分かる。活性物質が存在する最小単位の分画物を使用して、構成物質に対する化学的構造を明らかにするために、NMR分析方法を使用し、その技法として1H(Proton)、Cosy45、13C、DEPT、HSQC、HMBCを採用して構造を分析した。分析結果を図12乃至図17に示した。NMR分析の結果である図12乃至17の結果を分析した結果、その分画が3-[4-(1-ヒドロキシエチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル-プロピオン酸]であることがわかった。
1H-NMR data(ppm);δ1.2(d,3H)、δ2.0(m,2H)、δ2.3(m,2H)、δ3.0(s,3H)、3.2(m,1H)、δ3.5(m,1H)、δ3.65(m,1H):13C NMR data(ppm);δ13,27,33,55,60.5,60.6,66,170,174,180
一方、Rt 26分化合物は、ロイシンとプロリンよりなるディペプチド誘導体(LP:Dong 1-2-5)であることが分かり、上記と同様な方法で、NMR分析の結果である図19乃至図24の結果を分析し、その分画が4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸であることがわかった。
1H-NMR data(ppm);δ0.86(d,6H)、δ 1.55(m,2H)、δ1.6(m,1H)、δ1.9(m, 2H)、δ3.2(m,2H)、3.3(m,2H)、3.5(m,1H)、4.0(m,1H):13C NMR data(ppm):δ10、20、23.8、29、40、46、54、61.5、63.2、172、173
〔実施例3〕J300冬虫夏草の抗HIV活性検査
1. 活性物質の安定性確認
活性物質を捜し出すために活性が安定に維持されることができる最適の条件を捜し出し、分離精製過程でこの条件を維持することは、極めて重要である。温度と保存期間を体系的に変化させ、活性の程度を測定した;−20℃、4℃、22℃及び37℃などで1週間保管してから活性検査を実施した。前記それぞれの場合において、変質が発見されないところ、前記抽出物は、安定した物質であることを確認することができた。
2. 抗HIV活性検査
本実施例で使用した抗HIV活性検査は、米国の癌研究所(National Cancer Institute)で開発されて使用しているもので、処理した試料により宿主細胞がHIVの殺傷効果から保護される細胞生存程度を測定することによって、試料の抗HIV効果有無及びその程度を決定する。
検査方法を具体的に説明すれば、細胞+HIV+試料を入れ、1週間培養した後、XTT方法で細胞の生存程度を測定する。この時、各実験毎に次のような対照群を添加し、J300冬虫夏草の分画区に対する活性可否を判定する参考基準で定めた。
(1)細胞だけを添加して培養させた対照群:陽性対照群であって、この対照群に現れた細胞の生存状態を細胞生存率100%にした。
(2)細胞+HIV処理区:陰性対照群であって、大部分の細胞がHIVにより殺傷され、これを細胞生存率0%にした。
(3)細胞+それぞれ異なる濃度の試料を添加した群:細胞毒性を測定するための処理群である。
(4)各濃度の試料だけを処理:試料により生ずる背景色を測定するための処理区である。
(5)細胞+HIV+AZT:AZTは、既に知られた抗HIV活性物質であるから、グラフ上に一定のパターンが予想される。このパターンを調べることによって、実験のための全条件の適合性を確認することができる処理区である。
この実験に使用したウイルスは、HIV発現に重要な遺伝子であるtatrevを変形させて作った突然変異ウイルスであり、宿主細胞では、この遺伝子が持続的に発現されて該当遺伝子生成物を作ることができるように処理した。このような遺伝工学的な処理により、HIVが一般細胞では生長が不可能であり、特定の宿主細胞でだけ生長するようにして、安全性が非常に高い特徴がある。
この実験で、細胞の生長と死は、比色検定を使用したが、これは、テトラゾール塩(MTT、XTT、WST-1)が生きている細胞だけにより破られ、色を帯びた不溶性構造であるホルマザン構造をなすようになる。この時、生成されたホルマザンの量をELISAにより測定することで、生きている細胞の量を定量することができる。
使われた試料は、HPLC後の各段階の冬虫夏草水抽出物分画から由来した物質である。本発明の物質である3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸を使用した実験結果が図11に示されており、4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸を使用した実験結果は図18に示されている。
3. 抗HIV活性物質と非活性物質の検索結果比較
J300冬虫夏草の分画物を上記で説明した方法で検索した時、活性成分の有無によって次のように区別される。
宿主細胞であるT細胞にHIVを感染させれば、大部分の細胞は死滅するようになる。しかし、試料に抗HIV効果があれば、濃度を高めて添加するに応じて、試料の活性物質がウイルスの増殖を抑制することによって、細胞の殺傷が保護される。
4. 活性物質の作用機作
活性物質が細胞内で作用するかについて調べるために、細胞と試料を30分間インキュベーションしウイルスを感染させた。細胞に冬虫夏草分画(Dong 1-2-4)を共に入れ、30分後ウイルスを感染させた場合、活性を現した。冬虫夏草分画(Dong 1-2-5)を共に入れ、30分後、ウイルスを感染させた場合にも、活性を現した。この場合、試料が細胞膜を透過して細胞内側でウイルスの増殖を抑制する時ばかりでなく、細胞膜外部に付着してウイルスの侵入を遮断する時にも、このような現象が発生することができる(図7)。
一方、細胞にウイルスを感染させた後、30分間インキュベーションと、前記冬虫夏草抽出物を添加した。仮りに活性物質の作用位置が細胞外部なら、抗HIV効果が現れないで、細胞内部の場合でだけ活性が現れる。実験結果、活性を示した。この場合は、細胞とウイルスの充分な感染時間を与え、試料を添加したもので、細胞内でウイルスの増殖を抑制すると判断される(図8)。
〔実施例4〕トランスジェニックマウスを利用した毒性検査
HIVが特異的に脳だけで発現されるように遺伝工学的処理をしたトランスジェニックマウスを用いてin vivo実験をした。
本発明の物質を含んだ冬虫夏草の水抽出物を経口又は静脈投与する方法で亜急性検査を実施した。
経口投与の場合、投与量100mg、40mg、10mg及び抽出物投与なし(normal)の群(group)に分けて投与試験をした。100mg投与で体重の増加が停滞されることから、マウスに最小限の毒性が現れるものと見え、外形的な形態(運動性、給食状態)はないものと見える。投与後、体重変化の観測結果、40mgの投与までは、マウスに異常がないものと見える(図9参照)。
その結果を表1に示す。
Figure 0004215514
静脈投与の場合、投与量50mg、25mg、10mg、2mg及び抽出物投与なし(normal)の群に分けて投与試験した。50mgでは、投与直後、マウスが死に、25mg投与の場合には、投与後1日後に体重減少と一部マウスで平衡感覚を喪失し、寝た状態となり、残りも運動性が完全に消失された状態にあってから3日ぶりに全部死んだ。25mg及び10mgの投与の場合に、マウスは、外形上毛が立つなどの反応現象はなかった。2mgを投与した場合、外形的問題は見えないが、体重減少が1日目現れ、以後に正常に上昇した(図10参照)。
結果を表2に示す。
Figure 0004215514
〔実施例5〕3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸の製造(有機合成)
1)Amination(アミノ化)of L-Boc-Glu and L-Threonine
2-(2-tert-butoxycarbonylamino-4-methoxycarbonyl-butyrylamino)-3-hydroxy-butyric acid methyl esterの製造
L-Boc-glutamic acid 5-methylester 240mg(0.919mmol)と3-hydroxy-benzo-triazine-2(H)-4-one 195mg(1.19mmol)を3mlの無水メチレンクロライド(MC)に溶かした後、N2条件下でDCC247mg(1.19mmol)を添加し、氷水で冷却させながら10分間攪拌した。L-threonine methyl ester hydrochloride 171mg(1.01mmol)とTEA169μLを2mlの無水MCに溶かして、前記溶液に添加した後、3時間程度攪拌した。前記溶液をフィルタリングして尿素(urea)を除去し、ろ過液をMCと水で抽出した。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウムと塩水(brine)で二回抽出し、有機抽出物を乾燥した。得られた抽出物をヘキサン:酢酸エチル=2:1であるシリカゲルコラムを使用して精製した。
前記得られた結果を分析した。前記分析で、コラムクロマトグラフィは、Merck Silica Gel 60 (70-230mesh)を使用した。TLCは、マックで製造されたシリカゲル60F254でコーティングされたガラスを使用した。以下、同一である。
得られた結果物であるGT-2;2-(2-tert-butoxycarbonylamino-4-methoxycarbonyl-butylamino)-3-hydroxy-butyric acid methyl esterに対する分析結果は下記のようである。
収量(Yield) 340mg(94%)
Rf値 0.55(EA)
1H-NMR (CDCl3、300MHz);δ7.31(d、1H、J=8.4Hz)、5.54(d、1H、J=7.8Hz)、4.54(dd、1H、J=2.5、9.0Hz)、4.29(m、2H)、3.72(s、3H)、3.70(s、3H)、2.43(t、2H、J=7.3Hz)、2.09(m、1H)、1.93(m、1H)、1。38(s、9H)、1.16(d、3H、J=5.0Hz)
2)BOC基の除去(GT−3)
2-(2-Amino-4-methoxycarbonyl-butyrylamino)-3-hydroxy-butyric acid methyl esterの製造
前記製造されたGT−2の100mg(0.266mmol)を5mlのジクロロメタンに溶かした後、72μL(0.932mmol)のTFAで処理し、常温で12時間攪拌した。次いで、溶媒を蒸発させて乾燥する。
このように製造されたGT-3;2-(2-Amino-4-methoxycarbonyl-butyrylamino)-3-hydroxy-butyric acid methyl esterの分析結果は、下記のようである。
Rf値 0.40(EA:MeOH=3:1)
1H-NMR(D2O、300MHz)δ5.00(m、1H)、4.84(m、1H)、4.64(m、1H)、4.21(s、3H)、4.19(s、3H)、3.05(t、2H、J=7.4Hz)、2.66(m、2H)、1.63(d、3H、J=6.6Hz)
3)環化(Cyclization)(GT−4)
3-[5-(1-hydroxy-ethyl)-3,6-dioxo-piperazin-2-yl]-propionic acid methyl esterの製造
前記得られたGT−3の50mg(0.181mmol)を3mlのTHFに溶かし、151μL(1.09mmol)のTEAで処理した後、常温で12時間攪拌した。前記混合物をMCと水で抽出する。水層をさらにMCで2回抽出する。これを硫酸マグネシウム(Mg2SO4)で乾燥した。前記結果物をヘキサン:酢酸エチル=4:1であるシリカゲルコラムを使用して精製した。
得られた化合物GT-4;3-[5-(1-hydroxy-ethyl)-3,6-dioxo-piperazin-2-yl]-propionic acid methyl esterに対する分析結果は、下記のようである。
Rf値 0.67(EA)
1H-NMR(CDCl3、300MHz)δ7.67(d、1H、J=4. 1Hz)、7.30(d、1H、J=8.9Hz)、4.64(dd、1H、J=7.8、12.8Hz)、4.53(d、1H、J=8.9Hz)、4.40(m、1H)、3.80(s、3H)、3.68(s、3H)、2.51(m、2H)、2.21(m、1H)、2.04(m、1H)、1.20(d、3H、J=6.5Hz)
4)脱炭酸(Decarboxylation)(GT-5)及びメチル化(methylation)
3-[5-(1-Hydroxy-ehtyl)-3,6-dioxo-piperazin-2-yl]-propionic acid及び3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸の製造
前記得られたGT−4の35mg(0.146mmol)を水に溶かした後、20%-NaOHで処理した後、常温で30分間攪拌する。溶媒を蒸発させ乾燥した後、これを精製してGT−5を得た。次いで、これをメチル化(methylation)して、最終結果物である3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸を得た。
前記精製では、酢酸エチル:メタノール=2:1であるシリカゲルコラムを使用した。一方、前記得られたGT-5(3-[5-(1-Hydroxy-ehtyl)-3,6-dioxo-piperazin-2-yl]-propionic acid)の分析結果は、下記のようである。
Rf値 0.12(酢酸エチル:メタノール=1:3)
1H-NMR (D2O、300MHz)δ4.19(m、2H)、3.90(t、1H、J=6.5Hz)、2.36(m、2H)、2.05(m、2H)、1.20(d、3H、J=6.2Hz)
〔実施例6〕4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸の製造(有機合成)
1)Amination(アミノ化)of L-Boc-Proline and L-Leucine(LP-3)
2-(1-Methoxycarbonyl-3-methyl-butylcarbamoyl)-pyrrolidine-1-carboxylic acid tert-butyl esterの製造
50mg(0.232mmol)のL-Boc-Prolineと45mg(1.2mmol)の3-hydroxy-benzotriazine-2(H)-4-oneを、3mlの無水MCに溶かした。N2条件下で、氷水で冷却しながらDCC57mg(1.2mmol)を添加し、10分間攪拌した。L-leucine methyl ester 51mg(0.278mmol)とTEA38μL(0.278mmol)を少量の無水DMF及び3mlの無水MCに溶かした溶液を前記溶液に添加し、15時間攪拌した。得られた混合物をフィルタリングして、尿素を除去し、ろ過液をMCと水で抽出した。水層をさらにMCで2回抽出し、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。最終生産物をヘキサン:酢酸エチル=4:1のシリカゲルコラムを使用して精製した。
得られた結果物であるLP-3;2-(1-Methoxycarbonyl-3-methyl-butylcarbamoyl)-pyrrolidine-1-carboxylic acid tert-butylesterの分析結果は、下記のようである。
Rf値 0.67(EA)
1H-NMR(CDCl3、300MHz)δ7.36(m、1H)、4.52(m、1H)、4.27(m、1H)、3.72(s、3H)、3.31(m、2H)、2.17-1.59(m、7H)、1.46(s、9H)、0.91(d、6H、J=5.8Hz)
2)BOC基の除去(LP−4)
4-Methyl-2-[(pyrrolidine-2-carbonyl)-amino]-pentanoic acid methyl
esterの製造
前記LP−3の50mg(0.146mmol)をジクロロメタンに溶かした後、39μL(0.511mmol)のTFAで処理し、常温で12時間攪拌した。次いで、溶媒を蒸発させ乾燥した。前記結果物を酢酸エチル:メタノール=20:1であるシリカゲルコラムを使用して精製した。
このように製造されたLP-4;4-Methyl-2-[(pyrrolidine-2-carbonyl)-amino]-pentanoic acid methyl esterの分析結果は、下記のようである。
Rf値 0.27(EA:MeOH=3:1)
1H-NMR(CDCl3、300MHz)δ8.30(d、1H、J=7.5Hz)、4.69(t、1H、J=7.3Hz)、4.45(dd、1H、J=3.0、7.3Hz)、3.70(s、3H)、3.39(m、2H)、2.43(m、1H)、2.10(m、2H)、2.01(m、1H)、1.62(m、3H)、0.90(d、3H、J=5.9Hz)、0.88(d、3H、J=5.7Hz)
3)加水分解(LP−5)
4-Methyl-2-[(pyrrolidine-2-carbonyl)-2-amino]pentanoic acidの製造
前記得られたLP−4の35mg(0.146mmol)を水に溶かした後、20%-NaOHで処理し、常温で30分間攪拌した。次いで、溶媒を蒸発させ乾燥した。得られた結果物を酢酸エチル:メタノール=2:1であるシリカゲルコラムを使用して精製した。
分析結果は、下記のようである。
Rf値 0.24(酢酸エチル:メタノール=1:3)
1H-NMR(D2O、300MHz)δ4.20(m、2H)、3.76(m、1H)、3.24(m、1H)、2.36-1. 58(m、7H)、0.88(d、3HJ=5. 7Hz)、0.87(d、3H、J=6.5Hz)
以上説明したように、本発明のJ300冬虫夏草抽出物は、抗HIV活性を示し、特に、前記抽出物から分離した3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸及び4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸は、通常的なAIDS治療剤より毒性が弱くて副作用が少なく、天産物から抽出した特性上、食品添加物にも添加できるものと期待される。
図1は、J300冬虫夏草から抗HIV活性分画Dong 1-2-4, [3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸)及びDong 1-2-5, [4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸]を分離精製する工程を示す概略図である。
図2は、J300冬虫夏草の水抽出物の抗HIV活性検索を示す図である。 図3は、J300冬虫夏草のメタノール抽出物の抗HIV活性検索を示す図である。
図4はJ300冬虫夏草の水抽出物のうち非蛋白質層の抗HIV活性を検索した図である。 図5は、J300冬虫夏草の水抽出物のうち分子量が1,000D以下の部分に対する活性を検索した結果である。
図6は、J300冬虫夏草の水抽出物(J300W)のHPLCスペクトルの結果を示す図である。 図7は、J300冬虫夏草水抽出物と細胞を30分間インキュベーションした後、ウイルスを感染させた結果のグラフである。
図8は、細胞をウイルスで感染させ、30分後、J300冬虫夏草水抽出物を添加して活性を観察したグラフである。 図9は、J300冬虫夏草水抽出物の経口投与時、マウスの体重の変化を示す図である。
図10は、J300冬虫夏草水抽出物のHIVマウスに対する致死量を示すグラフ及びJ300冬虫夏草水抽出物を投与したマウスのLD50値を示す図である。 図11は、本発明の3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸の抗HIV活性検索グラフである。
図12は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-4の活性物質の構造を分析するための1H NMR結果を示す図である。 図13は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-4の活性物質の構造を分析するためのcosy 45の結果を示す図である。
図14は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-4の活性物質の構造を分析するための13C-NMR結果を示す図である。 図15は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-4の活性物質の構造を分析するためのDept結果を示す図である。
図16は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-4の活性物質の構造を分析するためのHSQC結果を示す図である。 図17は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-4の活性物質の構造を分析するためのHMBC結果を示す図である。
図18は、本発明の3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸の抗HIV活性グラフである。 図19は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-5の活性物質の構造を分析するための1H-NMR結果を示す図である。
図20は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-5の活性物質の構造を分析するためのCosy45の結果を示す図である。 図21は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-5の活性物質の構造を分析するための13C-NMR結果を示す図である。
図22は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-5の活性物質の構造を分析するためのDept結果を示す図である。 図23は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-5の活性物質の構造を分析するためのHSQC結果を示す図である。 図24は、J300冬虫夏草の水抽出物Dong 1-2-5の活性物質の構造を分析するためのHMBC結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 下記化学式(1)で表される3-[5-(メトキシ-エチル)-3,6-ジオキソ-ピペラジン-2-イル]-プロピオン酸。
    Figure 0004215514
  2. 請求項1に記載の化合物を有効成分として含有するHIV活性抑制剤組成物。
  3. 請求項1に記載の化合物を有効成分として含有するAIDS治療剤。
  4. 請求項1に記載の化合物を有効成分として含有するAIDS用補助食品。
  5. 下記化学式(2)
    Figure 0004215514
    で表される4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸を有効成分として含有するHIV活性抑制剤組成物。
  6. 下記化学式(2)
    Figure 0004215514
    で表される4-メチル-2-[(ピロリジン-2-カルボニル)-2-アミノ]-ペンタノン酸を有効成分として含有するAIDS治療剤。
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