JP4215200B2 - 表面処理された金属材の製造方法と製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面改質された金属材の製造方法と製造装置に関する。さらに詳しくは、大気圧非熱プラズマ(非熱平衡プラズマ、非平衡プラズマ、低温プラズマ、ノンサーマルプラズマともいう)によって形成されたイオン性あるいは無極性ラジカルを豊富に含む活性の高いガスを、金属材に照射することによって、金属剤表面を脱脂、さらに表面を活性化させることにより耐食剤の塗布性及び密着性を向上させ、最終的には従来の湿式クロメート処理法と同等あるいはそれ以上の耐食性が得られる表面改質された金属材の製造方法と製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材の表面処理は様々な方法が提案されている。例えば、アルミ材を例に挙げると、フィンや飲料缶等の材料に加工する前処理として、脱脂処理・クロメート処理・プライマー処理(専用処理液による化学反応処理)などを行い、アルミ材に耐食性や親水性を付加させている(下記特許文献1)。脱脂処理では主にアルカリ溶剤を用いた洗浄が行われている。クロメート処理は耐食性や塗装密着性を兼ね備え、かつ、それを安価に実現させるという点で、非常にコストパフォーマンスの高い表面処理方法である。プライマー処理はクロメート処理されたアルミ表面に耐食剤を塗布することで更に強い耐食性を付加させるものである。例えば図12に示すように、デコイラ51にセットしたアルミ基材(シート)1の巻き取り体52からガイドロール53〜56を通過させて脱脂処理槽57に入れ、約200℃の乾燥機58で乾燥し、ガイドロール59〜62を通過させてクロメート処理槽に入れ、約200℃の乾燥機58で乾燥し、表面コーティング工程65で親水性樹脂をコーティングし、得られたクロメート処理アルミ材50をリコイラ67によって巻き取り体66に巻き取る。このようにして得られたクロメート処理アルミ材50の断面図を図13に示す。アルミ基材1の表面に、厚み0.5μm以下のクロメート被膜41と、耐腐食膜42と、親水性樹脂被膜43が積層されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−62931号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来行われている脱脂処理やクロメート処理は湿式工程であることから作業環境の悪化・廃液処理などの問題がある。特に、クロメート処理工程の廃液には6価クロムが含まれており、これは人体にとって有毒な物質である。6価クロムを含む廃液を処理するには、排水全体を一旦硫酸酸性とした後、還元剤で6価クロムを3価クロムに還元し、さらにそれを高アルカリとして水酸化クロムとして沈殿させ、これにポリ塩化アルミニウム(PAC)を加え、高分子溶液でフロックを形成させ除去し、中和処理してから排出するという非常に煩雑でコストがかかる工程を経なければならない。
【0005】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、金属材表面の脱脂と、さらに表面を活性化させることにより耐食剤の塗布性及び密着性を向上させ、最終的に従来のクロメート処理法を用いた場合と同等あるいはそれ以上の耐食性を得ること、及び作業環境の悪化の原因や廃液処理が必要となる湿式工程を不要とする表面改質された金属材の製造方法と製造装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の表面改質された金属材の製造方法は、処理対象の金属材の上部に一対の電極を設置するか、又は処理対象の前記金属材を挟むように電極を設置し、前記電極間に非熱プラズマを発生させることが可能な電源が接続されたプラズマ発生装置を用いて、水蒸気、空気、窒素、酸素、ヘリウム及びアルゴンから選ばれる少なくとも一つのガスを活性化させ、イオンまたはラジカルを発生させ、空気中で前記金属表面に照射することにより、前記金属表面の脱脂および表面処理を乾式で行い、前記金属表面を活性化させ、次に、水性塗料を塗布し、焼き付け処理して耐腐食剤を形成することを特徴とする。
【0008】
本発明の表面改質された金属材の製造装置は、処理対象の金属材の上部に一対の電極を設置するか、又は処理対象の前記金属材を挟むように電極を設置し、前記電極間に非熱プラズマを発生させることが可能な電源が接続されたプラズマ発生装置と、前記金属表面に向かって水蒸気、空気、窒素、酸素、ヘリウム及びアルゴンから選ばれる少なくとも一つのガスを活性化させ、イオンまたはラジカルを発生させ、空気中で前記金属表面に照射することにより、前記金属表面の脱脂および表面処理を乾式で行い前記金属表面を活性化させる装置と、耐腐食剤である水性塗料を塗布する装置と、焼き付け装置を含むことを特徴とする。
前記本発明の方法及び装置においては、前記プラズマ発生装置が,少なくとも一方が誘電体バリアで覆われた一対の板状金属電極を有し,パルス高電圧電源により駆動される非熱プラズマリアクタであることが好ましい。
また、前記電源から供給される電流が、電圧が1kV以上の直流電流、ピーク電圧が1V以上かつ1秒あたりのパルス数が1以上であるパルス電流、ピーク電圧が1V以上かつ周波数が1以上である交流電流、またはこれらのいずれか二つを重畳してなる電流であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、例えば低温非熱プラズマリアクタを用いて、空気中の水分、空気、窒素あるいはヘリウムガスのいずれかを活性化させ、イオン性あるいは無極性のラジカルを発生させ、金属材に照射することによって、金属材表面を脱脂、さらに表面を活性化させることにより耐食剤の塗布性及び密着性を向上させ、最終的に従来のクロメート処理法を用いた場合と同等あるいはそれ以上の耐食性を得ることができる。前記乾式プラズマ処理により、金属材の表面は酸化されたり、水酸基が付与されたり、表面が凹凸又は粗面になるなどの改質がなされる。
【0010】
本発明において、前記金属材は、アルミ、ステンレス、炭素鋼、銅、アルマイトおよびそれらの合金のいずれかに適用することが好ましい。
【0011】
また、前記耐腐食層の厚さは、0.1μm以上1mm以下であることが好ましい。前記耐腐食層のさらに好ましい厚みは0.1〜100μmの範囲であり、特に好ましくは0.1〜50μmの範囲である。
【0012】
前記耐腐食層として使用する樹脂は、アクリル系、アクリルフェノール系、ウレタン系、エポキシ系、エポキシアクリル系などの水性塗料である。本発明においては、前記の水性塗料を塗布した後、例えば200〜260℃で、10〜40秒程度焼付け処理することが好ましい。このようにすると、前記プラズマ処理により活性化された金属材表面と樹脂焼き付け層とが強固に結合し、クロメート処理と同等あるいはそれ以上の耐腐食性を発揮するようになる。
【0013】
本発明においては、前記耐腐食層の表面に、さらに親水性被膜を形成したことが好ましい。ここで親水性被膜とは、アクリル系、ウレタン系、エチレンアクリル系、エポキシアクリル系などの水性塗料をコーティングした膜をいう。親水性被膜の好ましい膜厚は、0.1〜100μmの範囲である。
【0014】
図1は本発明の一実施形態における表面改質したアルミ材10の概念断面図である。アルミ基材1の表面に、乾式プラズマを照射し、その上に樹脂焼き付け層からなる耐腐食層2を形成している。また、必要により耐腐食層2の表面に親水性被膜3を形成する。親水性被膜3を形成すると、耐腐食性(耐食性と同じ)はさらに向上して好ましい。
【0015】
図2は本発明の一実施形態における製造方法を示す。デコイラ11にセットしたアルミ基材(シート)1の巻き取り体12からガイドロール13,14,17,18を通過させて表裏にプラズマ処理装置15,16からプラズマを照射し、次いで表面コーティング工程19で耐腐食層となる樹脂をコーティングした後、焼き付けをし、得られたアルミ材10をリコイラ21によって巻き取り体20に巻き取る。
【0016】
【実施例】
以下実施例を用いてさらに具体的に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0017】
(プラズマ発生装置)
図3に放電電極部を示したプラズマジェット、図4に放電電極部を示したRFプラズマ、図5にリアクタを示したパルスプラズマの3種類のプラズマ発生装置を用いた。図3において、22は高電圧抵抗体、23は絶縁体、24は電極、矢印25は空気中のプラズマの流れであり、アルミ基材1へ照射していることを示している。図4において、26は陰極、27は陽極、28,29は絶縁体、30は水分、空気、窒素、酸素、ヘリウム及びアルゴンから選ばれる少なくとも一つのガスまたはこれらの混合のガス流通路、31はプラズマ照射領域を示している。図5において、32は交流電源、33はガス流通路、34は樹脂製バリヤーである。それぞれの図中に示した距離dは照射距離及び電極間距離である。例えば図3におけるdは10mm、図4におけるdは5mm、図5におけるdは5mmとした。前記プラズマ発生装置のうち、鋭い高電圧パルス波形により、低い周波数(例えば300Hz)で高活性なプラズマを発生でき、従来法の1/2以下のコストと試算され、省エネルギーで使用できる図5に示すパルスプラズマ装置を用いるのが好ましい。
【0018】
これらの装置を用いアルミ基材表面にプラズマを照射し、アルミ基材表面に付着している有機物(油脂)を除去し、同時にアルミ基材表面を親水面に改質した。有機物の除去、表面の改質の評価には、接触角計を用いた。有機物の付着した状態でのアルミ材の接触角は90〜98°程度であるが、500℃の炉に10分間入れ有機物を除去した状態では65〜70°程度である。よってプラズマ照射により、接触角が70°程度であれば有機物を除去できていると判断した。
【0019】
プラズマ照射後、アルミ材に耐腐食処理剤(エポキシ樹脂塗料)を塗布し、200〜260℃で20秒間焼き付け、厚さ2.4μmの耐腐食層を形成し、その上に親水剤を塗布したアルミ材サンプルを作成した。そのサンプルをアルカリ洗浄、500℃の炉に10分間入れ有機物を除去したもの、クロメート処理のサンプルと共にキャス試験をおこない、耐腐食性を評価した。
【0020】
(実施例1)
プラズマジェットを用いた場合の実験条件は、照射距離10 mm、背景ガスAir、周波数60 Hzとし、照射時間を1分、3分、5分と変化させアルミ材表面の接触角の時間的変化を測定した。図6にプラズマ照射1〜60分後までの接触角変化を、図7に5日後までの接触角変化を示す。図6より、プラズマ照射直後には各照射時間においてアルミ材表面を親水面に改質できたことがわかる。また、照射時間5分の場合の方が、照射時間1分3分の場合と比べ30分後までの接触角は小さくなっている。しかし時間の経過とともにその差はほとんどなくなっており、図7に示すように5日後の接触角は70°程度であることがわかる。5日を経過しても接触角にはほとんど変化は見られなかった。よって、プラズマジェットを用い有機物を除去し、表面を改質することができた。
【0021】
(実施例2)
RFプラズマを用いた場合の実験条件は、照射距離5 mm、背景ガスHe、流量1 L/min、電力250 Wとし、照射時間を10秒、30秒、45秒、60秒と変化させアルミ材表面の接触角の時間的変化を測定した。図8に照射1〜60分後までの接触角変化を、図9に5日後までの接触角変化を示す。図8より、照射時間45秒と60秒の場合にはプラズマ照射直後に接触角10°以下の超親水面を得ることができた。照射時間45秒と60秒ではプラズマ照射後15分間は、接触角について両者にほとんど違いは見られない。これよりRFプラズマを用いてアルミ材表面を接触角10°以下超親水面に改質させるためには、少なくとも照射時間45秒以上必要である。また、図9より照射時間10秒であってもプラズマ照射5日後の接触角は58°であることがわかる。よってRFプラズマを用いた場合に、照射時間10秒以上であればアルミ材表面に付着している有機物を除去することができる。また、照射直後の接触角が非常に小さくなっているのはプラズマ照射によりアルミ材表面にOH基などの親水基が形成されているためと考えられる。時間経過と共に接触角が大きくなるのは、形成された親水基が大気と反応し、親水基が減少していくためと思われる。照射時間60秒の場合プラズマ照射5日後の接触角は43°であり、有機物を除去した場合のアルミ材の接触角65〜70°に比べ小さくなっている。これは、プラズマ照射により、アルミ材表面に微細な凹凸ができているためと思われる。
【0022】
(実施例3)
パルスプラズマリアクタは、図5に示したように高電圧側にアクリル製の厚さ2 mmのバリアが取り付けられている。このリアクタを用いた場合の実験条件は、電極間距離5 mm、背景ガスAir、流量1 L/min、電力4.5 W、周波数300 Hzとし、照射時間を30秒、1分、5分と変化させアルミ材表面の接触角の時間的変化を測定した。図10にプラズマ照射1〜60分後までの接触角変化を、図11に5日後までの接触角変化を示す。図10より、照射時間30秒では接触角は22°であるのに対し、照射時間1分以上であれば照射直後に接触角10°以下の超親水面を得ることができた。その後、60分以内であれば、接触角の時間的変化において照射時間1分と3分のものにほとんど違いは見られない。しかし、図11よりプラズマ照射後5日間では、照射時間3分のものが照射時間30秒、1分のものに比べ接触角は小さくなっており、5日後の接触角は照射時間30秒、1分で51〜55°であり、照射時間3分では43°となっている。これはプラズマ照射による粗面効果が関係していると考えられる。
【0023】
以上の結果より、照射時間30秒以上でアルミ材表面に付着している有機物を除去することができ、照射時間3分以上でアルミ材表面を著しく改質できることがわかった。
【0024】
(実施例4)
次に、腐食試験を行った。クロメート処理被膜と耐腐食剤被膜を含めた膜厚は、2.5μm程度である。よって、耐腐食処理剤の膜厚を2.4μmとしてキャス試験をおこなった。今回のキャス試験に用いたサンプルは、以下の(1)〜(7)である。それそれぞれの条件においてサンプルを3個用意した。
(1)500℃の炉の中に10分間入れ、アルミ材表面の有機物を除去
(2)アルカリ洗浄
(3)プラズマジェットを用いプラズマ照射
(4)RFプラズマを用いプラズマ照射
(5)アルカリ洗浄したものにプラズマジェットを用いプラズマ照射
(6)パルスプラズマリアクタを用いプラズマ照射
(7)クロメート処理
キャス試験は8時間おこない、評価方法としてはアルミ材表面600 mm2中の腐食面積で評価した。結果を表1に示す。表1より、RFプラズマ照射したものが最も耐腐食性に優れていることがわかる。ここでのRFプラズマ照射時間は28秒である。プラズマ照射により、表面を親水面に改質し耐腐食処理剤との密着性が上がったことによって、耐腐食性も向上したと考えられる。
【0025】
【表1】
【0026】
(実施例5)
次に、RFプラズマ照射時間による影響を調べた。前記したようにRFプラズマ照射によりクロメート処理よりも高い耐腐食性が得られることがわかったが、この場合のプラズマ照射時間は28秒であり、図8に示したように45秒以上照射した場合の方がより表面が改質されている。よって、RFプラズマを用いた場合の照射時間の違いによるキャス試験への影響を調べた。照射時間10秒、28秒、45秒の3つの条件について調べた。結果を表2に示す。表2より、プラズマ照射時間の増加とともに腐食面積は減少するが、その減少割合は28〜45秒の間よりも10〜28秒の間の方が大きいことがわかる。クロメート処理と比較してみると、照射時間10秒ではクロメート処理の方が腐食面積は小さいが、照射時間28秒以上で腐食面積をクロメート処理より減少させることができた。
【0027】
【表2】
【0028】
以上説明した本発明の実施例から明らかになった結果を以下に列挙する。
(1)プラズマジェット、RFプラズマ、パルスプラズマを用いアルミ材表面に付着している有機物を除去できることがわかった。
(2)プラズマジェットを用いた場合、照射時間5分の場合が照射直後最も接触角が小さいが、60分経過した後は照射時間1分、3分の場合と比べても変化は見られなかった。
(3)RFプラズマを用いた場合照射時間10秒以上でアルミ材表面に付着している有機物を除去できることがわかった。また、照射時間45秒でアルミ材表面を超親水面に改質できた。照射時間の増加にともないプラズマ照射5日後の接触角が小さくなっている。
(4)耐腐食処理剤の膜厚2.4μmの場合キャス試験において RFプラズマ>クロメート処理≧パルスプラズマ>アルカリ洗浄+プラズマジェット>プラズマジェット>500℃>アルカリ洗浄 の順で耐腐食性に優れていることがわかった。
キャス試験において、RFプラズマを用いると照射時間28秒以上で腐食面積をクロメート処理より減少させることができ、腐食面積は照射時間28秒ではクロメート処理の1/2、照射時間45秒では1/3となることがわかった。
【0029】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明は、一連の金属材の表面処理工程を湿式から乾式へ移行できるため作業環境が改善される。また例えばアルミ材に対するクロメート処理工程が不要となるために、アルカリや6価クロムを含む廃液処理が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における表面改質したアルミ材の概念断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における製造方法を示す。
【図3】本発明の一実施形態におけるプラズマジェット電極部の模式的断面図を示す。
【図4】本発明の一実施形態におけるプラズマ放電電極部の模式的断面図を示す。
【図5】本発明の一実施形態におけるパルスプラズマリアクタの模式的断面図を示す。
【図6】本発明の実施例1におけるプラズマ照射後1〜60分までの接触角変化を示すグラフ。
【図7】本発明の実施例1における5日後までの接触角変化を示すグラフ。
【図8】本発明の実施例2におけるプラズマ照射後1〜60分までの接触角変化を示すグラフ。
【図9】本発明の実施例2における5日後までの接触角変化を示すグラフ。
【図10】本発明の実施例3におけるプラズマ照射後1〜60分までの接触角変化を示すグラフ。
【図11】本発明の実施例3における5日後までの接触角変化を示すグラフ。
【図12】従来のクロメート処理方法を示す工程概念図。
【図13】従来のクロメート処理方法によって得られたアルミ材の断面図。
【符号の説明】
1 金属材(アルミ基材)
2 耐腐食層
3 親水性被膜
10 改質されたアルミ材
11 デコイラ
12 巻き取り体
13,14,17,18 ガイドロール
15,16 プラズマ処理装置
19 表面コーティング工程
20 巻き取り体
21 リコイラ
Claims (10)
- 処理対象の金属材の上部に一対の電極を設置するか、又は処理対象の前記金属材を挟むように電極を設置し、前記電極間に非熱プラズマを発生させることが可能な電源が接続されたプラズマ発生装置を用いて、水蒸気、空気、窒素、酸素、ヘリウム及びアルゴンから選ばれる少なくとも一つのガスを活性化させ、イオンまたはラジカルを発生させ、空気中で前記金属材表面に照射することにより、前記金属材表面の脱脂および表面処理を乾式で行い、前記金属材表面を活性化させ、
次に、水性塗料を塗布し、焼き付け処理して耐腐食剤を形成することを特徴とする表面処理された金属材の製造方法。 - 前記プラズマ発生装置が、少なくとも一方が誘電体バリアで覆われた一対の板状金属電極を有し、パルス高電圧電源により駆動される非熱プラズマリアクタである請求項1に記載の金属材の製造方法。
- 前記電源から供給される電流が、電圧が1kV以上の直流電流、ピーク電圧が1V以上かつ1秒あたりのパルス数が1以上であるパルス電流、ピーク電圧が1V以上かつ周波数が1以上である交流電流、またはこれらのいずれか二つを重畳してなる電流である請求項1又は2に記載の金属材の製造方法。
- 前記プラズマ処理により、金属材の表面を酸化及び/又は水酸基を付与する請求項1に記載の金属材の製造方法。
- 前記金属材がアルミ、ステンレス、炭素鋼、銅、アルマイトおよびそれらの合金のいずれかである請求項1に記載の金属材の製造方法。
- 前記耐腐食層の厚さが0.1μm以上1mm以下である請求項1に記載の金属材の製造方法。
- 前記耐腐食層の表面に、さらに親水性被膜を形成する請求項1又は6に記載の金属材の製造方法。
- 処理対象の金属材の上部に一対の電極を設置するか、又は処理対象の前記金属材を挟むように電極を設置し、前記電極間に非熱プラズマを発生させることが可能な電源が接続されたプラズマ発生装置と、
前記金属表面に向かって水蒸気、空気、窒素、酸素、ヘリウム及びアルゴンから選ばれる少なくとも一つのガスを活性化させ、イオンまたはラジカルを発生させ、空気中で前記金属表面に照射することにより、前記金属表面の脱脂および表面処理を乾式で行い前記金属表面を活性化させる装置と、
耐腐食剤である水性塗料を塗布する装置と、焼き付け装置を含むことを特徴とする表面処理された金属材の製造装置。 - 前記プラズマ発生装置が,少なくとも一方が誘電体バリアで覆われた一対の板状金属電極を有し,パルス高電圧電源により駆動される非熱プラズマリアクタである請求項8に記載の金属材の製造装置。
- 前記電源から供給される電流が、電圧が1kV以上の直流電流、ピーク電圧が1V以上かつ1秒あたりのパルス数が1以上であるパルス電流、ピーク電圧が1V以上かつ周波数が1以上である交流電流、またはこれらのいずれか二つを重畳してなる電流である請求項8または9に記載の金属材の製造装置。
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