JP4214983B2 - 浴室異常検知システム - Google Patents

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本発明は、浴室における人体の異常を検知する浴室異常検知システムの改良に関する。
近時、高齢化社会に相まって、独居老人が増えてきており、浴室、脱衣室内で倒れたりした場合、発見が困難となっている。
こうした社会情勢に合わせて、下記特許文献1に示すような浴室異常検知システムが開発され、浴室で倒れたり、意識を失った場合の早期発見に努めている。このシステムは、浴室に設けた人体検知センサが浴室内の人の体動を検知している間は異常なしと判定し、人の体動が一定時間の間なくなった場合には、異常発生の旨を報知して、近隣の人や予め登録された通報先を呼び出すようにしたものである。
特開2004−53464号公報
ところが、上記した従来システムでは、一定時間の間、人の体動を検知しない場合に異常と判定するため、使用者が浴室から退出しているにも関わらず、人体検知センサが一定時間体動を検知しなくなることにより、異常判定がなされて誤報が出力されてしまうことが考えられる。
本発明は、このような事情を考慮して提案されるものであり、使用者が、浴室から退出したか否かを正確に判定することにより、異常発生の誤報を極力防止することができる浴室異常検知システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1では、浴室内に設けられ、浴室内作業領域と浴室出入口とを検知エリアとして該検知エリアにおける人の体動を検知する第1の人体検知センサと、第1の人体検知センサで所定時間継続して体動を検知しない場合に浴室の使用者に異常が生じたと判断して報知する報知手段と、脱衣室側に設けられ、浴室出入口を検知エリアとして該検知エリアの体動を検知する第2の人体検知センサと、脱衣室側に設けられ、脱衣領域を検知エリアとして該検知エリアの体動を検知する第3の人体検知センサと、第1〜第3の人体検知センサでの体動の検知結果に基づいて使用者が浴室から退出したか否かを判断する退出判断手段と、退出判断手段で使用者が浴室から退出したと判断した場合に、報知手段での報知を行わないようにする報知解除手段とを備え、退出判断手段は、第1の人体検知センサと第2の人体検知センサとで同時に体動を検知した後、第1の所定時間内に第3の人体検知センサで体動を検知し、かつ、第3の人体検知センサでの体動の検知から第2の所定時間が経過するまでの間に第1の人体検知センサで体動を検知しない場合に、使用者が浴室から退出したと判断することを特徴とする。
本発明の請求項1によれば、退出判断手段が使用者の浴室からの退出を判断した場合には、報知手段の作動を禁止することで、第1の人体検知センサが、浴室内領域と浴室出入口との領域で所定時間継続して人体の体動を検知しない場合でも、報知手段による警報を発生しないようにできるので、使用者が浴室から退出したにも関わらず、浴室内での体動がないとして誤報をしてしまうということが未然に防止できる。
また、退出判断手段は、第1、2の人体検知センサが浴室出入口の体動を検知した後、第1の所定時間内に、第3の人体検知センサが脱衣領域の体動を検知し、かつ、それから第2の所定時間が経過しない間に第1の人体検知センサが浴室出入口の体動を検知しない場合に、使用者が浴室から退出したと判断するので、使用者が浴室から退出したことを正確に判定できる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明システムの要部構成の一例を示す図である。
このシステムは、パッジブセンサで構成される第1〜第3の人体検知センサ3A〜3C(設置場所、監視エリアは後述する)に、コントローラ本体1を接続して構成されている。また、コントローラ1には、通信ネットワークNを通じ、予め登録された通報先2に異常通報するようにしている。
コントローラ本体1は、マイコン、タイマ部10Aで構成された退出判断手段10と、スピーカSPを有した報知手段を構成する警報回路11と、予め通報先2が登録され、通信ネットワークNを通じて異常通報をする移報出力部12と、報知解除手段13とを備え、報知解除部13では、退出判断手段10が、後述するアルゴリズムに従って人の浴室からの退出を判定したときには警報回路11の動作を禁止する構成となっている。
第1〜第3の人体検知センサ3A〜3Cの設置場所と監視エリアとは、図2に示すようになっている。
すなわち、第1の人体検知センサ3Aは、浴室20内に設けられ、浴室における人の体動を検知をする。
図2の実施例では、第1の人体検知センサ3Aは、内部に2つの赤外線検知素子を備え、それぞれの検知素子で浴室出入口D1を含む監視エリアA1と、脱衣室出入口D2を含む浴室内領域を含む監視エリアA2とを監視領域としているが、監視エリアA1,A2を含む1つの監視エリアを1つの赤外線検知素子で検出する構成にしてもよい。
一方、第2、第3の人体検知センサ3B,3Cのそれぞれは、脱衣室30に設けられ、内部に1つの赤外線検知素子を備えており、それぞれの検知素子が、浴室出入口D1を含む監視エリアA3、脱衣領域を含む監視エリアA4を監視領域としている。
図3のステップ100〜113は、退出判断手段10によって実行されるフローチャートを示している。なお、このフローチャートでは、第1〜第3の人体検知センサは、センサ3A〜3Cとして示している。
第1の人体検知センサ3Aが体動を検知し、更に第2の人体検知センサ3Bが、浴室出入口D1での体動を検知したときには、タイマ部10Aを作動させる。
そして、時間t1が経過するまでに第3の人体検知センサ3Cが、脱衣室30の脱衣領域A4内の体動を検知した場合には、タイマ10Aをリセットし、再度タイマ10Aを起動させ、時間t2が経過するまでに第1の人体検知センサ3Aが浴室20内での体動を検知しない場合、使用者が浴室20より外に退出したと判定する。
そして、第1、第2の人体検知センサ3A,3Bにより浴室出入口D1の体動を検知してから、時間t1が経過するまでの間に、第3の人体検知センサ3Cが体動を検知せずに、再度第1の人体検知センサ3Aが浴室20の体動を検知した場合には、使用者が浴室から退出していないと判断をして、ステップ101の処理に移行する。
一方、第1の人体検知センサ3Aが浴室領域A1、A2あるいは浴室出入口D1の体動を検知してから、時間txが経過するまでの間、第1の人体検知センサ3Aが体動を一切検知しない場合には、人が浴室20内で倒れている可能性が高いので警報回路11により警報を出力する。ここに、txは浴室内での体動を監視する時間で、前述した時間t1と同じであってもよい。
また、このフローチャートでは、第1の人体検知センサ3A、第2の人体検知センサ3Bにより浴室出入口D1の体動を検知してから、第3の人体検知センサ3Cが脱衣領域A4の体動を検知せずに時間t1が経過した場合も人が倒れたものと判断して警報を出力させている。
なお、この実施例では、3つの人体検知センサ3A〜3Cを設けているが、これは一例に過ぎず、最低限、浴室出入口D1の体動を浴室側と脱衣室側の双方から監視するとともに、脱衣室の脱衣領域A4を監視できる構成であればよい。
図4は、図3に示した退出判断処理を時系列的に示すタイムチャートである。すなわち、第1の人体検知センサ3Aが体動検知をし、その検知をマイコン10が認識した後、更に第2の人体検知センサ3Bが体動検知すると時間t1の計測が開始される。なお、Δtは、第1、第2の人体検知センサ3A,3Bが検知を確定するための遅延時間である。
そして、時間t1の間では、使用者は、浴室出入口D1から脱衣領域A4へと移動していると考えられる。そして、脱衣領域A4に移動がすむと、浴室出入口D1を監視する第1の人体検知センサ3Aは体動を検知しなくなる一方、第3の人体検知センサ3Cが体動を検知するようになる。
その後は再度、浴室20に戻らない限り、使用者は脱衣室30内でのみ移動すると考えられるため、第2、第3の人体検知センサ3B、3Cのみが体動を検知し続けるということになるが、使用者が浴室20より完全に退出した場合には、第1の人体検知センサ3Aは全く体動を検知することがないので、このような状態が時間t2の間継続したときには、使用者が浴室20から退出したと判断する。
図5は、脱衣室30内における第2、第3の人体検知センサの設置場所と、監視エリアとを説明する図である。
この例では、第2、第3の人体検知センサ3B、3Cは、浴室出入口D1の横壁(床面より1m程度の高さ)に設置された、1つのセンサ装置40の内部に内蔵されており、それぞれのセンサ3B、3Cは浴室出入口D1の直近を検知する方向(監視エリアA3)、脱衣室30の中央付近を検知する方向(監視エリアA4)を監視領域としており、このため、人の移動に準じて、第2、第3の人体検知センサ3B、3Cが順番に体動を検知できる。
また、それぞれの監視領域A3,A4は、床面に対して、水平方向かつ床面より1m程度の高さを有しているので、子供のように、身長の小さな使用者の体動も確実に検知できる。
図6は、壁面埋込設置型の人体検知センサの一例を示している。
本体部40の内部に、第2、第3の人体検知センサ3B,3Cに対応して、2つの検知領域を規定する検知素子41,42を設けている。第2の人体検知センサ3Bに対応した検知素子41は、床面に対して水平方向、かつ、脱衣室30の中央付近方向に向ける一方、第3の人体検知センサ3Cに対応させた検知素子42を床面に対して水平方向、かつ、浴室出入口D1方向に向けている。なお、検知素子レンズ41,42は、その方向が、水平方向、垂直方向、双方調整可能である。
また、以上のような第2、第3の人体検知センサ3B,3Cを脱衣室30に設ける場合、浴室出入口D1の横壁に設置場所として余裕がない場合には、図7に示すように、床面より1m程度の高さを持たせた上で側壁に設置することもできる。更に、図8,9のそれぞれに示すように天井あるいは上壁に取り付けることもできる。
本発明システムの要部構成の一例を示す図 第1〜第3の人体検知センサの設置場所と監視エリアとを示す図 退出判断処理について示すフローチャート 退出判断処理について示すタイムチャート 第2、第3の人体検知センサの設置態様を示す図 壁面設置型の人体検知センサの構造を示す図 第2、第3の人体検知センサの設置態様を示す他例図 第2、第3の人体検知センサの設置態様を示す他例図 第2、第3の人体検知センサの設置態様を示す他例図
符号の説明
10 マイコン
11 警報回路
12 移報出力部
13 報知解除部
3A〜3C 第1〜第3の人体検知センサ
2 通報先
A1〜A4 監視エリア
D1 浴室出入口
D2 脱衣室出入口

Claims (1)

  1. 浴室内に設けられ、浴室内領域と浴室出入口とを検知エリアとして該検知エリアにおける人の体動を検知する第1の人体検知センサと、
    第1の人体検知センサで所定時間継続して体動を検知しない場合に浴室の使用者に異常が生じたと判断して報知する報知手段と、
    脱衣室側に設けられ、浴室出入口を検知エリアとして該検知エリアの体動を検知する第2の人体検知センサと、
    脱衣室側に設けられ、脱衣領域を検知エリアとして該検知エリアの体動を検知する第3の人体検知センサと、
    上記第1〜第3の人体検知センサでの体動の検知結果に基づいて使用者が浴室から退出したか否かを判断する退出判断手段と、
    退出判断手段で使用者が浴室から退出したと判断した場合に、上記報知手段での報知を行わないようにする報知解除手段とを備え、
    上記退出判断手段は、第1の人体検知センサと第2の人体検知センサとで同時に体動を検知した後、第1の所定時間内に第3の人体検知センサで体動を検知し、かつ、第3の人体検知センサでの体動の検知から第2の所定時間は経過するまでの間に第1の人体検知センサで体動を検知しない場合に、使用者が浴室から退出したと判断することを特徴とする浴室異常検知システム。
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