JP4214566B2 - 害虫駆除用水性ベイト剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は害虫駆除用水性ベイト剤および該水性ベイト剤を用いる害虫の駆除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ネオニコチノイド系化合物の一種として知られる(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体を用いるベイト剤は、例えば特開平10−139604に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ベイト剤は、処理が簡便であることからゴキブリ等の防除剤としてよく用いられている。しかしながら、従来のネオニコチノイド系化合物を用いるベイト剤の害虫駆除効力は必ずしも充分ではなく、駆除効力の高いベイト剤が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
かかる状況下、本発明者は、ネオニコチノイド系化合物を用いるベイト剤につき検討を重ねた結果、ネオニコチノイド系化合物及び水を特定量含有するベイト剤が、極めて高い害虫駆除活性を示すことを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、一般式(1)、(2)または(3)
Figure 0004214566
(式中、Aは6−クロロ−3−ピリジニル基、2−クロロ−5−チアゾリル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロフラン−3−イル基、5−メチルテトラヒドロフラン−3−イル基、3−ピリジニル基、6−ブロモ−3−ピリジニル基、3−シアノフェニル基、2−メチル−5−チアゾリル基、2−フェニル−5−チアゾリル基または2−ブロモ−5−チアゾリル基を表わし、R1は水素原子、メチル基、エチル基、ホルミル基またはアセチル基を表わし、R2はメチル基、アミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N −メチル−N−エチルアミノ基、1−ピロリジニル基、(6−クロロ−3−ピリジニル)メチルアミノ基、N−メチル−N−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチルアミノ基を表わし、R3はメチル基、エチル基、プロピル基、プロペニル基またはプロピニル基を表わし、Xは窒素原子またはCH基を表わし、Yはシアノ基、ニトロ基またはトリフルオロアセチル基を表わし、ZはNH基またはイオウ原子を表わし、Dは酸素原子または−N(CH3)−基を表わし、mは0または1を表わし、nは2または3を表わす)
で示されるネオニコチノイド系化合物(以下、本化合物と記す。)を0.0001〜0.1重量%及び水を90〜99.9999重量%含有することを特徴とする害虫駆除用水性ベイト剤(以下、本水性ベイト剤と記す。)及び、該水性ベイト剤を用いる害虫駆除方法に関するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
本化合物は、農業用殺虫剤の有効成分として知られているものである。
一般式(1)の化合物としては例えば、(E)−N1−〔(6−クロロ-3-ピリジル)メチル〕−N2−シアノ−N1−メチルアセトアミジン、N−〔(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル〕−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロ−1,1−エチリデンジアミン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−3−メチル−2−シアノグアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−1,3−ジメチル−2−シアノグアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−1−エチル−3−メチル−2−シアノグアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−1,3−ジメチル−3−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−2−シアノグアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−3,3−ジメチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−1−メチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−1,3−ジメチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−3−エチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−3−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−3−メチル−2−トリフルオロアセチルグアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−1−エチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−1,3,3−トリメチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−1−エチル−2−ニトログアニジン、1−(3−ピリジニル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(6−ブロモ−3−ピリジニル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(3−シアノフェニル)−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(4−クロロフェニル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−3,3−ジメチル−1−ホルミル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−3,3−ジメチル−1−アセチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)−3−メチル−2−シアノグアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3,3−ジメチル−2−ニトログアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1−エチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1−アセチル−3,3−ジメチル−2−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル−1−メチル−2−トリフルオロアセチルグアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,3−ジメチル−2−ニトログアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1−メチル−2−ニトログアニジン、1−(5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(2−メチル−5−チアゾリル)メチル−3,3−ジメチル−2−ニトログアニジン、1−(2−メチル−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(2−フェニル−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3,3−ジエチル−2−ニトログアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−3−エチル−2−ニトログアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−(1−ピロリジニル)−2−ニトログアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−1,3,3−トリメチル−2−ニトログアニジン、1−(2−ブロモ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(2−ブロモ−5−チアゾリル)メチル−3,3−ジメチル−2−ニトログアニジン、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−シアノグアニジン、1−(テトラヒドロフラン−3−イル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン、1−(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン等を挙げることができる。
【0005】
一般式(2)の化合物としては例えば、3−〔(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル〕−N−シアノ−2−チアゾリジンイミン、1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−N−ニトロテトラヒドロピリミジン−2−イミン等を挙げることができる。
【0006】
一般式(3)の化合物としては例えば、3−〔(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル〕−5−メチル−4−ニトロイミノテトラヒドロ−1,3,5−オキサジアジン、3,5−ジメチル−1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−N−ニトロヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−イミン、3,5−ジメチル−1−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]−2−ニトロイミノヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、3−エチル−5−メチル−1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−N−ニトロヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−イミン、3−n−プロピル−5−メチル−1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−N−ニトロヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−イミン、3−n−プロピル−5−メチル−1−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]−N−ニトロヘキサヒドロ-1,3,5−トリアジン−2−イミン、3−(2−プロペニル)−5−メチル−1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−N−ニトロヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−イミン、3−(2−プロピニル)−5−メチル−1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−N−ニトロヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−イミン等を挙げることができる。
【0007】
本水性ベイト剤中に本化合物は0.0001〜0.1重量%、好ましくは0.001〜0.05重量%含まれ、水は90〜99.9999重量%好ましくは91〜99.999重量%含まれる。
【0008】
また、本水性ベイト剤には、本化合物以外の活性成分を適宜含有することも可能である。他の活性成分としては、例えば、有機燐化合物、カーバメート化合物、キチン形成阻害物質、幼若ホルモン様物質、フェニルアゾール系化合物、天然殺虫成分、ホウ酸等を挙げることができる。
【0009】
また、必要により糖、炭水化物、乳成分などの摂取性向上成分、共力剤、誤食防止剤、保存剤、香料、誘引剤等を含有しても良い。
本水性ベイト剤は、通常、本化合物及び水、必要により上記した他の成分を混
【0010】
合することにより調製することができる。本水性ベイト剤の調製において、本化合物は、本化合物そのものであってもよいし、粉剤、水和剤、マイクロカプセル化剤、フロアブル剤等の製剤された形態であってもよい。
【0011】
本発明により、効果的に防除できる害虫としては、ワモンゴキブリ、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ等のゴキブリ、ヒメアリ、クロヤマアリ等のアリ、タバコシバンムシ、ジンサンシバンムシ等のシバンムシ、コクヌストモドキ、ヒラタコクヌストモドキ等のコクヌストモドキ、ノコギリヒラタムシ、カクムネヒラタムシ等のヒラタムシ、イエシロアリ、ヤマトシロアリ等のシロアリ、イエバエ、ヒメイエバエ、ノミバエ、チョウバエ等のハエ、アカイエカ、ヒトスジシマカ、ハマダラカ、ユスリカ等のカが挙げられる。
【0012】
本水性ベイト剤の施用形態としては、本水性ベイト剤そのままであってもよいし、例えば不織布、スポンジ、脱脂綿等に含浸させた状態であってもよい。
本水性ベイト剤や、本ベイト剤を含浸した不織布、スポンジ、脱脂綿等は、例えばカップ、トレイ、瓶等の容器に入れて害虫駆除に供される。その際、該本水性ベイト入り容器の外側を覆い、害虫が本水性ベイト剤摂取のために滞在できうるある程度の空間を有する装置とすれば、一般的に摂取性が向上し、効果的である。
【0013】
【実施例】
以下、実施例にて本発明をより詳細に説明する。
製剤例1
1−(テトラヒドロフラン−3−イル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン(以下、化合物Aと記す。)0.0031重量部、水99.9969重量部を混合し水性ベイト剤を得る。
【0014】
製剤例2
化合物A0.0125重量部、水99.9875重量部を混合し水性ベイト剤を得る。
【0015】
製剤例3
化合物A0.0031重量部、水94.9969重量部及びサッカロース5重量部を混合し水性ベイト剤を得る。
【0016】
比較製剤例1
化合物A0.0031重量部、ラット、マウス用粉末飼料99.9969重量部を混合しベイト剤を得る。
【0017】
比較製剤例2
化合物A0.0125重量部、ラット、マウス用粉末飼料99.9875重量部を混合しベイト剤を得る。
【0018】
試験例1
底面積450cm2の容器内にチャバネゴキブリ成虫雄雌各10頭を入れ、製剤例1に従い調製した水性ベイト剤5gおよびラット、マウス用粉末飼料5gを置き、飼育した(処理区)。経時的に致死率を調査した。
別途、比較製剤例1に従い調製したベイト剤5gおよび水5gを置いた以外は処理区と同様にチャバネゴキブリ成虫雄雌各10頭を飼育し(対照区)、同様に致死率を調査した。
その結果、処理区では飼育8日目に致死率100%となった。対照区では飼育8日目における致死率は0%であった。
【0019】
試験例2
底面積450cm2の容器内にチャバネゴキブリ成虫雄雌各10頭を入れ、製剤例2に従い調製した水性ベイト剤5gおよびラット、マウス用粉末飼料5gを置き、飼育した(処理区)。経時的に致死率を調査した。
別途、比較製剤例2に従い調製したベイト剤および水を置いた以外は処理区と同様にチャバネゴキブリ成虫雌雄各10頭を飼育し(対照区)、同様に致死率を調査した。
その結果、処理区では処理3日後に致死率100%となった。対照区では飼育3日目における致死率は0%であった。
【0020】
【発明の効果】
本発明の水性ベイト剤は、極めて高い害虫駆除効力を有し、よって、極めて低薬量で害虫に対し、優れた駆除効果を示す。

Claims (3)

  1. 1−(テトラヒドロフラン−3−イル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジンを0.0001〜0.1重量%及び水を90〜99.9999重量%含有することを特徴とする害虫駆除用水性ベイト剤。
  2. さらに摂取性向上成分、共力剤、誤食防止剤、保存剤、香料及び誘引剤から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載の害虫駆除用水性ベイト剤。
  3. 請求項1に記載の水性ベイト剤を処理することを特徴とする害虫の駆除方法。
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