JP4214427B2 - 薄膜用高純度材料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属の薄膜を形成するために使用する、高純度金属材料の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属の蒸着、スパッターリング、イオンプレーティングなどの手法により金属の薄膜を形成することが、さまざまな技術分野で行なわれている。 この作業には、高純度の金属の電極板が必要である。 たとえば、ハードディスクの記録面には、Cr合金の下地材の上に、Co−Cr−Ta合金またはCo−Cr−Ta−Pt合金の薄膜を形成しており、この目的で、これら合金の高純度のターゲット材が使用されている。
【0003】
このような記録媒体の記録密度の増大は目覚ましいものがあり、現状で記録密度約1GB/in2のものが、10倍の約10GB/in2に達するのも遠くない。 ところが、そのような高い密度の記録を実現しようとすると、薄膜を構成する金属の純度がネックになることが明らかである。 つまり、薄膜用金属材料から不純物を如何にして除去するか、ということが大きな問題である。 不純物のうち金属成分の除去は、所望のレベルに比較的容易に達したが、困難は非金属成分とりわけC,NおよびOの除去にある。 これらの不純物は、ターゲット材の溶解・鋳造に際して混入し、使用時、スパッタリング中に雰囲気に放出され、薄膜に移行する。
【0004】
同様の問題は、いわゆるメタルテープの製造においても存在する。 そこではナイロンのフィルムにCoを蒸着させるが、形成されるCo薄膜は、低酸素含量であることが要求される。
【0005】
これまでの精錬技術では、真空脱ガス精錬において
C+O=CO(g)
2N =N2 (g)
の反応を利用して上記の不純物を除去していたが、これでは限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、薄膜用の高純度金属材料に対する上記の要求に応え、不純物とりわけC,NおよびOの含有量を低減した電極材を製造する方法と、その方法の実施に使用する装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜用高純度材料の製造方法は、導電性材料で製作したルツボに薄膜形成用の金属の材料を装入しておき、プラズマトーチに電力を供給するとともに上記ルツボと上記プラズマトーチとの間に直流電圧を印加して、プラズマのエネルギーで上記金属の材料を溶融し、溶融により生じた金属の溶湯をルツボから鋳型に注入して鋳塊を得ることからなり、プラズマ作動ガスとしてAr−H2混合ガスであって2〜20容積%のH2を含有するガスを使用し、H2の解離によって生じた活性なH原子と上記金属中の不純物であるC,OまたはNとを反応させて、これら不純物を除去することを特徴とする。
【0008】
本発明の薄膜用高純度材料の製造方法を実施するための装置は、図1に構成を示すように、雰囲気を制御することができる溶解・鋳造室(1)の内部に、薄膜形成用の金属の材料を溶解するプラズマトーチ(2)、導電性材料で製作したルツボ(3)、ならびに、金属材料の溶湯から鋳塊を得るためのタンディッシュ(4)、鋳型(5)およびルツボ傾動手段の組を配置し、外部に、上記プラズマトーチに電力を供給する電源およびプラズマトーチとルツボとの間に直流電圧を印加する電源(6)、ならびにプラズマトーチにAr−H2混合ガスを供給するガス源(7)を接続してなる装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
プラズマ作動ガスとしてAr−H2混合ガスを使用すると、その中のH2分子が高エネルギー下に解離してH原子になる。 このH原子はきわめて活性が高く、溶融した金属の表面および内部において、金属の不純物であるC,NまたはOと次のように反応し、
C+4H=CH4(g)
N+3H=NH3(g)
O+2H=H2O(g)
それぞれCH4,NH3およびH2O となる。 これらの反応生成物は、もはや溶融金属中にほとんど溶解しないから、金属の純度が向上する。
【0010】
本発明は、薄膜の形成に使用する任意の金属を対象とすることができ、たとえばCuやCoなどの純金属、Co−Ni,Ni−Fe,Ni−Mn,Co−Cr−TaおよびCo−Cr−Ta−Ptのような合金に適用できる。
【0011】
【実施例】
図1に示した構成の装置で、Ni−19wt.%Fe 合金を精製して鋳造した。プラズマ作動ガスとして、H2を5容積%含有するArガスを供給した。 比較のため、H2を添加せず、Arだけを使用した場合についても合金のプラズマ溶解・鋳造を行なった。 結果は、下記の表のとおりである。
【0012】
【0013】
【発明の効果】
本発明の方法にしたがって薄膜用高純度金属の製造を行なえば、従来の真空脱ガス精錬では到達できなかった低い不純物濃度、とくにC,N,Oの濃度を低下させた材料を提供することができる。 それにより、磁気記録媒体をはじめとする、薄膜を使用する種々の技術において、金属の純度がネックになって実現できないでいる進歩が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄膜用高純度材料の製造装置の全体の構成を示す図。
【符号の説明】
1 溶解・鋳造室
2 プラズマトーチ
3 導電性材料で製作したルツボ
4 タンディッシュ
5 鋳型
6 電源
7 ガス供給源
Claims (2)
- 導電性材料で製作したルツボに薄膜形成用の金属の材料を装入しておき、プラズマトーチに電力を供給するとともに上記ルツボと上記プラズマトーチとの間に直流電圧を印加して、プラズマのエネルギーで上記金属の材料を溶融し、溶融により生じた金属の溶湯をルツボから鋳型に注入して鋳塊を得ることからなり、プラズマ作動ガスとしてAr−H2混合ガスであって2〜20容積%のH2を含有するガスを使用し、H2の解離によって生じた活性なH原子と上記金属中の不純物であるC,OまたはNとを反応させて、これら不純物を除去することを特徴とする薄膜用高純度材料の製造方法。
- 薄膜形成用の金属の材料として、Cu,Co,Co−Ni,Ni−Fe,Ni−Mn,Co−Cr−TaおよびCo−Cr−Ta−Ptのいずれかを使用して実施する請求項1の製造方法。
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