JP4214376B2 - 感光性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、プリント配線板の材料として使用される感光性樹脂組成物に関する。より詳細には、本発明は、良好な解像性を有し、吸湿下での耐熱性と電気絶縁性に優れ、かつ可撓性があるプリント配線板の材料となる感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型高密度化の要望に対し、プリント配線基板もより小型高精細化、軽量薄型化への対応が重要となっている。これまで、基板上に塗布されるソルダーレジスト材料には紫外線硬化し希アルカリ現像が可能で耐メッキ性、耐溶剤性の優れたものが一般に使用されてきたが、近年の配線の微細化に伴いソルダーレジストの絶縁信頼性の向上が要求されている。また、BGA、CSP等の半導体パッケージではソルダーレジスト/封止樹脂界面でポップコーン現象を引き起こすなど、ソルダーレジストの吸湿時の耐熱性に問題が出てきた。さらに、半導体パッケージでは材料の熱膨張率の違いにより冷熱サイクル試験においてマイクロクラックが発生することから、感光性樹脂硬化物に対して耐クラック性、可撓性の付与が要求されている。
【0003】
吸湿時の耐熱性や電気絶縁信頼性の向上のためにBT樹脂などのシアン酸エステル化合物を利用したレジストも開発された(例えば、特許文献1及び2参照。)。しかし、アルカリ現像時にシアン酸エステル化合物の現像残りが生じるため、レジスト塗布後の無電解ニッケル、無電解金めっき工程時に問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−142797号公報
【特許文献2】
特開2000−256437号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑み、吸湿時の耐熱性や電気絶縁信頼性に優れ、可撓性がある、アルカリ現像型で無電解めっき時に問題を生じない現像性を有する感光性樹脂組成物およびその硬化物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】
本発明者等は、前記目標を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、構造式(1)で示されるエポキシ樹脂を不飽和基含有モノカルボン酸と反応させて得られるエポキシアクリレート化合物(a)とシアン酸エステル化合物(b)を反応させ、次いで、その反応物を多塩基酸無水物(c)と反応させてなる樹脂を使用することにより、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
【化2】
(式中、Aは水素原子または2,3-エポキシプロピル基を示す。Bは水素原子またはメチル基を示す。nは1以上の整数である。ただし、nが1の場合はAは2,3-エポキシプロピル基を示し、nが2以上の場合は少なくとも1個は2,3-エポキシプロピル基を示す。)
【0007】
すなわち本発明は、シアン酸エステル化合物を分子内に含む感光性樹脂および該樹脂を含む感光性樹脂組成物に関し、さらにそれを硬化させてなる硬化物に関する。
【0008】
本発明に使用するエポキシアクリレート化合物(a)は上記構造式(1)で示されるエポキシ樹脂と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物である。不飽和基含有モノカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等が挙げられる。これらのモノカルボン酸は単独あるいは混合して用いることができる。エポキシアクリレート化合物(a)の具体例としては、ZAA205(日本化薬製)、ZFA201(日本化薬製)等を挙げることができる。
【0009】
本発明で使用されるシアン酸エステル化合物(b)とは、シアナト基(-OCN)を分子中に1個または2個以上、通常、5個以下有する化合物であり、より好ましくは芳香族性の有機基であって、2〜5個のシアナト基が芳香環に直接結合しているものである。
【0010】
具体的に例示すると、1,3-または1,4-ジシアネートベンゼン、1,3,5-トリシアネートベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-または2,7-ジシアネートナフタレン、1,3、6-トリシアネートナフタレン、4,4’-ジシアネートビフェニル、ビス(4-シアネートフェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアネートフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-シアネートフェニル)プロパン、ビス(4-シアネートフェニル)エーテル、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアネートフェニル)スルホン、トリス(4-シアネートフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアネートフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類である。
【0011】
これらのほかに特公昭41−1928、同43−18468、同44−4791、同45−11712、同46−1112、同47−26853、および特開昭51−63149などに記載の多官能性シアン酸エステル化合物類も用いられうる。これらは、単独あるいは2種類以上組み合わせて使用される。これら成分中には加水分解性Cl、Naなどの不純物が極めて少なく、本発明の1成分として配合することによって全体の不純物量が少なくなり、電子材料としては最適である。
【0012】
また、これら多官能性シアン酸エステル化合物のシアネート基の三量化によって形成されるトリアジン環を有する分子量200〜6000のプレポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官能性シアン酸エステル化合物モノマーを、例えば、鉱酸、ルイス酸などの酸;ナトリウムアルコラート、第三級アミン類などの塩基;炭酸ナトリウムなどの塩類などを触媒として重合させることにより得られる。このプレポリマー中には一部モノマーが含まれており、モノマーとポリマーとの混合物の形態をしており、このような原料は本発明の用途に好適に使用される。
【0013】
本発明に使用する多塩基酸無水物(c)としては、1分子中に2つ以上のカルボン酸を有するもので、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセリンビス(アンヒドロトリメテート)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物等が挙げられる。これらは単独または2種類以上混合して用いることができる。
【0014】
本発明を実施するにあたり実施方法を説明する。第一にエポキシアクリレート化合物(a)とシアン酸エステル化合物(b)を反応させて反応物(A)とする。使用量は一般的に、エポキシアクリレート化合物(a)100重量部に対してシアン酸エステル化合物(b)0.1〜40重量部である。反応温度は50〜100℃、反応時間は5〜100時間である。反応時の粘度調整などのために溶剤を用いることも可能で、特に制限はないが、感光性樹脂組成物塗膜の乾燥時にほとんどが蒸発できるような範囲の沸点を持つものが好ましい。たとえば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類、ソルベントナフサ、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類などが単独または2種類以上混合して用いられる。
【0015】
次に樹脂をアルカリ現像型にするために多塩基酸無水物(c)と反応させてカルボキシル基含有感光性樹脂(B)とする。多塩基酸無水物(c)は上記反応物(A)の水酸基に対して、水酸基1当量あたり無水酸基を0.1〜1当量反応させるのが好ましい。反応温度は50〜100℃、反応時間は5〜100時間である。この場合にも粘度調整などの目的で溶剤を使用することが可能であり、上述の溶剤種を使用することができる。このようにして得られたカルボン酸基含有感光性樹脂(B)の樹脂酸価は40〜120mgKOH/gが好ましく、とくに好ましくは50〜110mgKOH/gである。
【0016】
感光性樹脂(B)を感光性樹脂組成物(e)として使用する場合について説明する。レジストインクとして使用する場合には、感光性樹脂(B)のほかに密着性、耐熱性、耐メッキ性等の諸特性を向上させるエポキシ樹脂(d)や、重合を開始させる光重合開始剤等が必要である。本発明で使用されるエポキシ樹脂(d)としては一般に公知のものが使用可能であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が例示される。これらのエポキシ樹脂は単独または2種以上混合して用いられる。エポキシ樹脂(d)の量は、エポキシ基が感光性樹脂中のカルボキシル基1当量に対して0.5〜2当量になるように配合するのが好ましく。さらに好ましくは0.7〜1.6当量である。
【0017】
本発明に使用される光重合開始剤は、公知のもので、たとえばベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類、ベンゾイルエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類、チオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類、ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、アセトフェノン、2,2’-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、β-メトキシアセトフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン等のアセトフェノン類、アントラキノン、1,4-ナフトキノンなどのキノン類、ジ-t-ブチルパーオキサイド等の過酸化物などが1種類あるいは2種類以上組み合わせて使用される。使用量は、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%である。
【0018】
樹脂の混合は、三本ロールミル、ホモジナイザーなどの一般に公知の均一分散を行える方法で混錬する。また、使途により感光性樹脂組成物(e)中に光重合性モノマー、充填剤、硬化促進剤、消泡剤、表面処理剤、難燃剤、顔料、染料等の公知の添加剤を添加することが出来る。充填剤としては、天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ等のシリカ類、ホワイトカーボン、チタンホワイト、アエロジル、アルミナ、タルク、天然マイカ、合成マイカ、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、E−ガラス、A−ガラス、C−ガラス、L−ガラス、D−ガラス、S−ガラス、M−ガラスG20−ガラス等を、硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ベンジルジメチルアミン等の第三アミン類、ホスフィン系やホスホニウム系のリン化合物、ジシアンジアミド、メラミン等を挙げることが出来る。
【0019】
本発明の感光性樹脂組成物(e)は、エッチングレジスト、及びソルダーレジスト、ビルトアップ配線板用絶縁レジストのような永久レジストのレジストインクに有用であるほか、塗料、コーティング剤、接着剤等として使用できる。本発明の感光性樹脂組成物は、例えば次のようにして硬化し、硬化物を得る。すなわち、プリント配線板に、スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテンコート法などの方法により10〜160μmの膜厚で本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、塗膜を60〜110℃で乾燥させた後、ネガフィルムを介して紫外線を照射し、未露光部分を希アルカリ水溶液で現像した後、さらに物性向上のために紫外線の照射、または加熱によって十分硬化させ、硬化被膜を得る。
【0020】
本発明の感光性樹脂組成物(e)を硬化させるための活性エネルギー線の照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプあるいはメタルハイドライドランプなどがある。露光量は50〜2000mJ/cm2、好ましくは、100〜1000mJ/cm2である。露光量が少ないと照射した部分が硬化せず、現像時に溶解する。
【0021】
本発明の感光性樹脂組成物(e)を光照射した後の現像方法としては、スプレーで噴霧するスプレー現像法、現像液にプリント配線板を浸漬し、振動させるディップ現像法など、公知の方法が使用できる。現像液の温度は5〜50℃、好ましくは25〜40℃である。温度が低いと現像時間がかかる、現像性が悪いなどの問題を生じる。温度が高いと光照射した硬化部分が溶解してしまう。現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムあるいはアンモニウムハイドロオキサイドの水溶液など公知の希アルカリ水溶液が使用できる。水溶液中のアルカリ剤の量は、0.1〜5.0重量%が好適である。
【0022】
本発明の感光性樹脂組成物(e)を現像後に加熱硬化を行う場合には、硬化温度は100〜250℃、好ましくは120〜200℃である。温度が低いと硬化に時間がかかり、温度が高いと変色、一部膨れ等の問題が生じる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。なお、数平均分子量および重量平均分子量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により求めた。
(合成例1)
攪拌装置、還流管、温度計を備えた反応器にエポキシアクリレート化合物(日本化薬製 ZAA205)100重量部とビスフェノールA型シアン酸エステル化合物(三菱ガス化学製 BT2070)5重量部を仕込み、溶剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/ソルベントナフサ(50/50)を加え固形分含量50%になるようにした。70℃加熱下で機械攪拌を行い、赤外線吸収スペクトルによりシアネートピーク(2300cm−1付近)を追跡したところ、15時間後にシアネートピークが消滅したので反応の終点とした。
【0024】
得られた反応液にテトラヒドロ無水フタル酸を30重量部および上記溶剤30重量部を加え、温度70℃で攪拌した。赤外線吸収スペクトルにより無水カルボン酸のピーク(1850cm−1)を追跡したところ、48時間後に消滅したので反応の終点とした。この樹脂(イ)のカルボン酸価は80.5mgKOH/g、数平均分子量は1667、重量平均分子量は11024であった。
【0025】
(合成例2)
攪拌装置、還流管、温度計を備えた反応器にエポキシアクリレート化合物(日本化薬製 ZAA205)100重量部とビスフェノールA型シアン酸エステル化合物(BT2070)5重量部を仕込み、溶剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/ソルベントナフサ(50/50)を加え固形分含量50%になるようにした。70℃加熱下で機械攪拌を行い、赤外線吸収スペクトルによりシアネートピーク(2300cm−1付近)を追跡したところ、15時間後にシアネートピークが消滅したので反応の終点とした。
【0026】
得られた反応液に無水コハク酸を17重量部および上記溶剤17重量部を加え、温度70℃で攪拌した。赤外線吸収スペクトルにより無水カルボン酸のピーク(1850cm−1)を追跡したところ、48時間後に消滅したので反応の終点とした。この樹脂(ロ)のカルボン酸価は80.1mgKOH/g、数平均分子量は1566、重量平均分子量は10844であった。
【0027】
(合成例3)
攪拌装置、還流管、温度計を備えた反応器にエポキシアクリレート化合物(日本化薬製 ZAA205)100重量部とビスフェノールA型シアン酸エステル化合物(BT2070)15重量部を仕込み、溶剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/ソルベントナフサ(50/50)を加え固形分含量50%になるようにした。70℃加熱下で機械攪拌を行い、赤外線吸収スペクトルによりシアネートピーク(2300cm−1付近)を追跡したところ、17時間後にシアネートピークが消滅したので反応の終点とした。
【0028】
得られた反応液に無水コハク酸を20重量部および上記溶剤20重量部を加え、温度70℃で攪拌した。赤外線吸収スペクトルにより無水カルボン酸のピーク(1850cm−1)を追跡したところ、48時間後に消滅したので反応の終点とした。この樹脂(ハ)のカルボン酸価は79.5mgKOH/g、数平均分子量は1795、重量平均分子量は14195であった。
【0029】
(比較合成例1)
攪拌装置、還流管、温度計を備えた反応器にエポキシアクリレート化合物(日本化薬製 ZAA205)100重量部とテトラヒドロ無水フタル酸28重量部を仕込み、溶剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/ソルベントナフサ(50/50)を加え固形分含量50%になるようにした。70℃加熱下で機械攪拌を行い、赤外線吸収スペクトルにより無水カルボン酸のピーク(1850cm−1)を追跡したところ、40時間後に消滅したので反応の終点とした。この樹脂(ニ)のカルボン酸価は79.2mgKOH/g、数平均分子量は1790、重量平均分子量は6967であった。
【0030】
(比較合成例2)
攪拌装置、還流管、温度計を備えた反応器にノボラック型エポキシアクリレート化合物(昭和高分子製 SP4010)100重量部とビスフェノールA型シアン酸エステル化合物(BT2070)5重量部を仕込み、溶剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/ソルベントナフサ(50/50)を加え固形分含量50%になるようにした。70℃加熱下で機械攪拌を行い、赤外線吸収スペクトルによりシアネートピーク(2300cm−1付近)を追跡したところ、15時間後にシアネートピークが消滅したので反応の終点とした。
【0031】
得られた反応液に無水コハク酸を20重量部および上記溶剤20重量部を加え、温度70℃で攪拌した。赤外線吸収スペクトルにより無水カルボン酸のピーク(1850cm−1)を追跡したところ、48時間後に消滅したので反応の終点とした。この樹脂(ホ)のカルボン酸価は80.2mgKOH/g、数平均分子量は1420、重量平均分子量は4511であった。
【0032】
(実施例1〜3、比較例1〜3)
合成した主樹脂(イ〜ホ)を用いて表1のような組成で混ぜ、三本ロールミル(アイメックス社製)により混練して感光性樹脂組成物の溶液を調整した。
これらの塗料を銅張積層板の上に塗布し、80℃の乾燥機で30分乾燥して溶剤を飛ばし、その上にフィルムを配置して、紫外線を500mJ/cm2照射した後、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液で60秒間2.0kg/cm2のスプレー圧で現像を行った。水洗を行った後150℃1時間熱風乾燥機に入れ加熱硬化を行った。
【0033】
塗膜とした樹脂組成物の特性を以下の方法により評価した。特性評価結果を表2に示した。
密着性 : JIS K 5400 に準じて、試験片に1mmの碁盤目を100個作成し、セロファンテープにて引き剥がし試験を行い、碁盤目の剥離状態を見た。
○:剥離なし
×:剥離有り
可撓性: 0.3mm厚の銅板上に厚さ40μmの塗膜を作成し、エリクセン試験(JIS K 5400)を行った。
半田耐熱性: 260℃の半田槽に30秒間浸漬後、レジストの異常の有無を目視観察した。吸湿後の半田耐熱性は、プレッシャークッカーに1時間入れた後、260℃の半田槽に30秒間浸漬後、レジストの異常の有無を目視観察した。
○:塗膜に異常なし
×:塗膜に膨れ、剥離有り
耐屈曲性: 0.3mm厚の銅板上に厚さ40μmの塗膜を作成し、JIS K 5400 に準じて、直径2mmの心棒を用いて耐屈曲性の試験を行い、クラック発生の有無を観察した。
○:クラックなし
×:クラック有り
現像性: 現像後、150℃で1時間熱硬化してから、現像面を目視で観察するとともに、無電解ニッケルメッキ(PH 4.5、浸漬 90℃・20分)を施し、ニッケルメッキの付着状態を観察して現像性を判定した。
耐酸性: 10重量%塩酸に30分間浸漬したのち、塗膜の常態を目視により観察した。
○:塗膜に異常なし
×:塗膜に膨れ、剥離あり
電気絶縁性: 得られた塗料を、櫛形パターンを50個形成した(使用銅張積層板商品名:CCC-HL830、三菱ガス化学製、ライン/スペース=60/60μm)基板上にスクリーン印刷法にて乾燥後の厚みが30〜40μmとなるように塗布し、80℃の熱風乾燥機で30分乾燥した。その後、ネガフィルムを密着させ、500mJ/cm2の紫外線を照射してから1wt%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、更に150℃にて1時間熱硬化させた。これを85℃,85%RH,50VDCの条件下で400時間処理してから、25℃、60%RH雰囲気下に10分放置後の絶縁抵抗値を測定した
耐クラック性: 銅張積層板(商品名:CCL-HL830HS 0.1mm 18μm 両面銅箔、三菱ガス化学製 )に回路を形成し、その上に塗膜厚が40μmとなるように全面に塗布し、80℃の乾燥機で30分乾燥して、UV照射を500mJ/cm2行い、更に裏面にも同様に塗布、乾燥、UV照射を行ってから、中央の回路の上に400μmの半導体チップを、ダイヤタッチ(商品名:BT-S657D、三菱ガス化学製)で貼り付け、110℃・2時間+160℃・2時間硬化させて、その上にポッティング樹脂(商品名:BT-S657、三菱ガス化学製)で被覆し、110℃・2時間+160℃・3時間硬化させて試験片を作成した。これを-55℃と+125℃の二つの液槽に交互に5分間ずつ浸漬する冷熱衝撃試験を300サイクル実施後、レジストのクラック及びプリント配線板の回路切断について100枚試験を行った。表2には分母に試験数、分子にクラック又は回路切断数を記した。
【0034】
【表1】
【0035】
BT2070(シアン酸エステル化合物、三菱ガス化学製)、BYK354(消泡剤、ビックケミー製)、イルガキュア907(光重合開始剤、チバスペシャリティケミカル製)、DETX-S(光重合開始剤、日本化薬製)、エピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン製)、EPPN201L(ノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬製)、DPCA120(アクリレート化合物、日本化薬製)
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
本発明のエポキシアクリレートにシアン酸エステル化合物を反応させ、更に、酸無水物と反応させてなる変性エポキシアクリレート化合物を用いる感光性樹脂組成物は、良好な現像性を有し、その硬化物は吸湿下での耐熱性、吸湿後の電気絶縁信頼性および可撓性に優れる。
Claims (3)
- 請求項1記載の感光性樹脂(B)とエポキシ樹脂(d)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物(e)
- 請求項2に記載の感光性組成物を硬化させてなる硬化物(f)
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