JP4213053B2 - メモリコントローラ及びメモリコントローラを備えるフラッシュメモリシステム、並びに、フラッシュメモリの制御方法 - Google Patents

メモリコントローラ及びメモリコントローラを備えるフラッシュメモリシステム、並びに、フラッシュメモリの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、メモリコントローラ及びメモリコントローラを備えるフラッシュメモリシステム、並びに、フラッシュメモリの制御方法に関する。
近年、メモリカードやシリコンディスクなどのメモリシステムに用いられる半導体メモリとして、フラッシュメモリが用いられることが多い。このフラッシュメモリは不揮発性メモリの一種であり、電源が投入されているか否かに関わらず、データが保持されていることが要求される。
上記のような装置に用いられるNAND型フラッシュメモリは、メモリセルを消去状態(論理値の「1」)から書込状態(論理値の「0」)に変化させる場合には、メモリセル単位で行うことができるが、メモリセルを書込状態(論理値の「0」)から消去状態(論理値の「1」)に変化させる場合には、メモリセル単位で行うことができず、複数のメモリセルからなる所定の消去単位(ブロック)でしかこれを行うことができない。ここで、メモリセルを消去状態(論理値の「1」)から書込状態(論理値の「0」)に変化させる場合や、書込状態(論理値の「0」)から消去状態(論理値の「1」)に変化させる場合は、メモリセルに高電圧を印加して、電子の注入や排出を行なっている。又、このようにメモリセルに電子を注入してデータの書込みを行なっているので、データの書込み後、長期間が経過すると、メモリセルに注入されている電荷が放出されて、書込んだデータが劣化することがある。
又、フラッシュメモリを用いたメモリシステムでは、製品情報等を含むカード情報(CIS:Card Information Structure)がフラッシュメモリ内に書込まれている。このカード情報は、メモリシステムが接続されるホストシステムが、メモリシステムから読出して使用する重要情報であり、このカード情報が正常に読出せなくなると、ホストシステムがメモリシステムを認識できない等の問題が生じる。
上記カード情報は不変情報なので、通常は書替えられることがない。従って、上記のようなフラッシュメモリの特性により、時間経過に伴いデータが劣化して、カード情報を正常に読出せなくなることがある。このような場合に、特許文献1(特開2000−322533号公報)では、フラッシュメモリを制御しているMPU(Micro Processing Unit)に内蔵されているROM(Read Only Memory)から簡易CISを読込み、この簡易CISに基づいてホストシステムがメモリシステムを認識している。
特開2000−322533号公報
特許文献1(特開2000−322533)には、フラッシュメモリに記憶されているカード情報を正常に読出せなくなった場合に、ホストシステムにメモリシステムを認識させる手段は記載されているが、フラッシュメモリに記憶されているカード情報の劣化を抑制する手段については記載されていない。
そこで、本発明は、フラッシュメモリに記憶されているカード情報等の設定情報が劣化することを抑制することができるメモリコントローラ及びメモリコントローラを備えるフラッシュメモリシステム、並びに、フラッシュメモリの制御方法を提供することを目的と
する。
本発明に係る目的は、
複数個のページを含むブロック単位でデータ消去が行われるフラッシュメモリ内の所定のブロックに保存された設定情報に基づいて、前記フラッシュメモリに対するアクセスを制御するメモリコントローラであって、
前記所定のブロック内の前記設定情報が保存されているページの冗長領域から、前記ページに保存されている前記設定情報が有効であるか否かを示す情報を読み出す第1の読み出し機能と、
前記第1の読み出し機能によって読み出された情報に基づいて、前記所定のブロック内の最新の前記設定情報が保存されているページを特定する特定機能と、
前記特定機能によって特定されたページから前記最新の前記設定情報を読み出す第2の読み出し機能と
前記第2の読み出し機能によって読み出された前記最新の前記設定情報に含まれる誤りを検出し、訂正する訂正機能と、
前記訂正機能によって前記最新の前記設定情報に含まれる誤り検出されたときに、訂正後の前記設定情報を、前記所定のブロックに再保存すると共に前記設定情報が有効であるか否かを示す情報を設定若しくは更新する更新機能と、
を備え
前記更新機能は、前記最新の前記設定情報が保存されていたページの次のページに前記訂正後の前記設定情報を保存し、前記最新の前記設定情報が保存されていたページが前記所定のブロック内の末尾のページである場合は、前記所定のブロックの消去処理を行った後に、前記所定のブロック内の先頭ページに前記訂正後の前記設定情報を保存する、ことを特徴とするメモリコントローラによって達成される。又、本発明に係る目的は、前記メモリコントローラとフラッシュメモリを備えることを特徴とするフラッシュメモリシステムによっても達成される。
又、本発明に係る目的は、複数個のページを含むブロック単位でデータ消去が行われるフラッシュメモリ内の所定のブロックに保存された設定情報に基づいて、前記フラッシュメモリに対するアクセスを制御するフラッシュメモリの制御方法であって、
前記所定のブロック内の前記設定情報が保存されているページの冗長領域から、前記ページに保存されている前記設定情報が有効であるか否かを示す情報を読み出す第1の読み出し処理と、
前記第1の読み出し処理によって読み出された情報に基づいて、前記所定のブロック内の最新の前記設定情報が保存されているページを特定する特定処理と、
前記特定処理によって特定されたページから前記最新の前記設定情報を読み出す第2の読み出し処理と
前記第2の読み出し処理によって読み出された前記最新の前記設定情報に含まれる誤りを検出し、訂正する訂正処理と、
前記訂正処理によって前記最新の前記設定情報に含まれる誤りが検出されたときに、訂正後の前記設定情報を、前記所定のブロックに再保存すると共に前記設定情報が有効であるか否かを示す情報を設定若しくは更新する更新処理と、
を備え、
前記更新処理では、前記最新の前記設定情報が保存されていたページの次のページに前記訂正後の前記設定情報を保存し、前記最新の前記設定情報が保存されていたページが前記所定のブロック内の末尾のページである場合は、前記所定のブロックの消去処理を行った後に、前記所定のブロック内の先頭ページに前記訂正後の前記設定情報を保存する
ことを特徴とするフラッシュメモリの制御方法によって達成される。
本発明によれば、フラッシュメモリに記憶されている設定情報の劣化を、劣化の初期段階(エラー・コレクション・コードに基づいてデータに含まれる誤りを訂正できる段階)で検出し、正しい設定情報(訂正した設定情報)を再書込みしているので、フラッシュメモリに記憶されている設定情報の劣化を抑制することができる。
又、本発明は、カード情報(CIS:Card Information Structure)やシステム設定等の各種設定情報(フラッシュメモリに記憶されている設定情報)に適用することができる。従って、正しい設定情報を読出すことができなくなった場合に生じる問題、例えば、カード情報を正しく読出せなくなった場合に、ホストシステムがメモリシステムを認識できない等の問題が発生することを抑制することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[フラッシュメモリシステム1の説明]
図1は、本発明に係るフラッシュメモリシステム1を概略的に示すブロック図である。図1に示したようにフラッシュメモリシステム1は、フラッシュメモリ2と、それを制御するコントローラ3で構成されている。又、フラッシュメモリシステム1は、通常ホストシステム4に着脱可能に装着されて使用され、ホストシステム4に対して一種の外部記憶装置として用いられる。
尚、ホストシステム4としては、文字、音声、あるいは画像情報等の種々の情報を処理するパーソナルコンピュータやデジタルスチルカメラをはじめとする各種情報処理装置が挙げられる。
フラッシュメモリ2は、ページ単位で読出し又は書込みを、ブロック単位で消去を実行するデバイスであり、例えば、1ブロックは32ページで構成され、1ページは512バイトのユーザ領域と16バイトの冗長領域で構成されている。
コントローラ3は、ホストインターフェース制御ブロック5と、マイクロプロセッサ6と、ホストインターフェースブロック7と、ワークエリア8と、バッファ9と、フラッシュメモリインターフェースブロック10と、ECC(エラー・コレクション・コード)ブロック11と、フラッシュメモリシーケンサブロック12とから構成される。これら機能ブロックによって構成されるコントローラ3は、一つの半導体チップ上に集積されている。以下に各ブロックの機能を説明する。
マイクロプロセッサ6は、コントローラ3を構成する各機能ブロック全体の動作を制御する機能ブロックである。
ホストインターフェース制御ブロック5は、ホストインターフェースブロック7の動作を制御する機能ブロックである。ここで、ホストインターフェース制御ブロック5は、ホストインターフェースブロック7の動作を設定する動作設定レジスタ(図示せず)を備えており、この動作設定レジスタに基づきホストインターフェースブロック7は動作する。
ホストインターフェースブロック7は、ホストシステム4とデータ、アドレス情報、ステータス情報及び外部コマンド情報の授受を行なう機能ブロックである。すなわち、フラッシュメモリシステム1がホストシステム4に装着されると、フラッシュメモリシステム1とホストシステム4は、外部バス13を介して相互に接続され、かかる状態において、ホストシステム4よりフラッシュメモリシステム1に供給されるデータ等は、ホストインタ―フェースブロック7を入口としてコントローラ3の内部に取り込まれ、フラッシュメモリシステム1からホストシステム4に供給されるデータ等は、ホストインターフェースブロック7を出口としてホストシステム4に供給される。
さらに、ホストインターフェースブロック7は、ホストシステム4より供給されるホストアドレス及び外部コマンドを一時的に格納するタスクファイルレジスタ(図示せず)及
びエラーが発生した場合にセットされるエラーレジスタ(図示せず)等を有している。
ワークエリア8は、フラッシュメモリ2の制御に必要なデータが一時的に記憶される作業領域であり、複数のSRAM(Static Random Access Memory)セルによって構成される機能ブロックである。
バッファ9は、フラッシュメモリ2から読出したデータ及びフラッシュメモリ2に書込むデータを一時的に保持する機能ブロックである。すなわち、フラッシュメモリ2から読出したデータは、ホストシステム4が受け取り可能な状態になるまでバッファ9に保持され、フラッシュメモリ2に書込むデータは、フラッシュメモリ2が書込み可能な状態となるまでバッファ9に保持される。
フラッシュメモリシーケンサブロック12は、内部コマンドに基づきフラッシュメモリ2の動作を制御する機能ブロックである。フラッシュメモリシーケンサブロック12は、複数のレジスタ(図示せず)を備え、この複数のレジスタに内部コマンドを実行する際に必要な情報が設定される。この複数のレジスタに内部コマンドを実行する際に必要な情報が設定されると、フラッシュメモリシーケンサブロック12は、その情報に基づいて処理を実行する。ここで、「内部コマンド」とは、コントローラ3からフラッシュメモリ2に与えられるコマンドであり、ホストシステム4からフラッシュメモリシステム1に与えられるコマンドである「外部コマンド」と区別される。
フラッシュメモリインターフェースブロック10は、内部バス14を介して、フラッシュメモリ2とデータ、アドレス情報、ステータス情報及び内部コマンド情報の授受を行う機能ブロックである。
ECCブロック11は、フラッシュメモリ2に書込むデ―タに付加するエラーコレクションコードを生成するとともに、読出しデータに付加されているエラーコレクションコードに基づいて、読出したデータに含まれる誤りを検出・訂正する機能ブロックである。
[メモリセルの説明]
次に、図2及び3参照して図1に示したフラッシュメモリ2を構成するメモリセル16の具体的な構造について説明する。
図2は、フラッシュメモリを構成するメモリセル16の構造を概略的に示す断面図である。同図に示したように、メモリセル16は、P型半導体基板17に形成されたN型のソース拡散領域18及びドレイン拡散領域19と、ソース拡散領域18とドレイン拡散領域19との間のP型半導体基板17を覆って形成されたトンネル酸化膜20と、トンネル酸化膜20上に形成されたフローティングゲ―ト電極21と、フローティングゲート電極21上に形成された絶縁膜22と、絶縁膜22上に形成されたコントロールゲ―ト電極23とから構成される。このような構成を有するメモリセル16が、フラッシュメモリ内で複数個直列に接続されている。
メモリセル16は、フローティングゲート電極21に電子が注入されているか否かによって、「消去状態(電子が蓄積されていない状態)」と「書込状態(電子が蓄積されている状態)」のいずれかの状態が示される。ここで、1つのメモリセル16は1ビットのデータに対応し、メモリセル16の「消去状態」が論理値の「1」のデータに対応し、メモリセル16の「書込状態」が論理値の「0」のデータに対応する。
「消去状態」においては、フローティングゲート電極21に電子が蓄積されていないため、コントロールゲート電極23に読出し電圧(高レベル電圧)が印加されていないときには、ソース拡散領域18とドレイン拡散領域19との間の、P型半導体基板17の表面
にチャネルが形成されず、ソース拡散領域18とドレイン拡散領域19は電気的に絶縁される。一方、コントロールゲート電極23に読出し電圧(高レベル電圧)が印加されると、ソース拡散領域18とドレイン拡散領域19との間の、P型半導体基板17の表面にチャネル(図示せず)が形成され、ソース拡散領域18とドレイン拡散領域19は、このチャネルによって電気的に接続される。
すなわち、「消去状態」においてはコントロールゲート電極23に読出し電圧(高レベル電圧)が印加されていない状態では、ソース拡散領域18とドレイン拡散領域19とは電気的に絶縁され、コントロールゲート電極23に読出し電圧(高レベル電圧)が印加された状態では、ソース拡散領域18とドレイン拡散領域19とは電気的に接続される。
図3は、「書込状態」であるメモリセル16を概略的に示す断面図である。同図に示したように、「書込状態」とは、フローティングゲート電極21に電子が蓄積されている状態を指す。フローティングゲート電極21はトンネル酸化膜20及び絶縁膜22に挟まれているため、一旦、フローティングゲート電極21に注入された電子は、きわめて長時間フローティングゲート電極21内にとどまる。この「書込状態」においては、フローティングゲート電極21に電子が蓄積されているので、コントロールゲート電極23に読出し電圧(高レベル電圧)が印加されているか否かに関わらず、ソース拡散領域18とドレイン拡散領域19との間の、P型半導体基板17の表面にはチャネル24が形成される。したがって、「書込状態」においてはソース拡散領域18とドレイン拡散領域19とは、コントロ―ルゲート電極23に読出し電圧(高レベル電圧)が印加されているか否かに関わらず、チャネル24によって常に電気的に接続状態となる。
又、上記メモリセル16が消去状態であるか書込状態であるかは、次のようにして読み出すことができる。メモリセル16はフラッシュメモリ内で複数個直列に接続されている。この直列体の中で選択するメモリセル16に低レベル電圧を印加し、それ以外のメモリセル16のコントロールゲート電極23に高レベル電圧を印加する。この状態でメモリセル16の直列体が導通状態であるか否かの検出が行われる。その結果、この直列体が導通状態であれば、選択されたメモリセル16は書込状態であると判断され、絶縁状態であれば、選択されたフラッシュメモリセル16は消去状態であると判断される。このようにして、直列体に含まれる任意のメモリセル16に保持されたデータが「0」であるのか「1」であるのかを読み出すことができる。
又、消去状態であるメモリセル16を書込状態に変化させる場合は、コントロールゲート電極23が高電位側となる高電圧を印加し、トンネル酸化膜20を介してフローティングゲート電極21へ電子を注入する。この際、FN(ファウラ―ノルトハイム)トンネル電流が流れフロ―ティングゲート電極21に電子が注入される。一方、書込状態であるフラッシュメモリセル16を消去状態に変化させる場合は、コントロールゲート電極23が低電位側となる高電圧を印加し、トンネル酸化膜20を介してフローティングゲート電極21に蓄積された電子を排出する。
[フラッシュメモリのメモリ構造の説明]
次に、フラッシュメモリのメモリ構造を説明する。図4は、フラッシュメモリのメモリ構造を概略的に示す図である。図4に示したように、フラッシュメモリはデータの読出し及び書込みにおける処理単位であるページと、データの消去単位であるブロックで構成されている。
上記ページは、例えば512バイトのユーザ領域25と、16バイトの冗長領域26によって構成される。ユーザ領域25は、主に、ホストシステム4から供給されるデ―タが記憶される領域であり、冗長領域26は、エラーコレクションコード、対応論理ブロックアドレス及びブロックステータス等の付加情報が記憶される領域である。
エラ―コレクションコードは、ユーザ領域25に記憶されたデータに含まれる誤りを訂正するための付加情報であり、ECCブロックによって生成される。このエラ―コレクションコードに基づき、ユーザ領域25に記憶されたデータに含まれる誤りが所定数以下であれば、その誤りが訂正される。
対応論理ブロックアドレスは、そのブロックにデータが記憶されている場合に、そのブロックがどの論理ブロックアドレスに対応するかを示している。尚、そのブロックにデータが記憶されていない場合は、対応論理ブロックアドレスも記憶されていないので、対応論理ブロックアドレスが記憶されているか否かで、そのブロックが消去済ブロックであるか否かを判断することができる。つまり、対応論理ブロックアドレスが記憶されていない場合は消去済ブロックであると判断する。
ブロックステータスは、そのブロックが不良ブロック(正常にデータの書込み等を行なうことができないブロック)であるか否かを示すフラグであり、そのブロックが不良ブロックであると判断された場合には、不良ブロックであることを示すフラグが設定される。
又、フラッシュメモリはデータの上書きができないため、データの書替えを行なう場合には、ブロック消去されている消去済ブロックに新たなデータ(書替後のデータ)を書込み、古いデータ(書替前のデータ)が書込まれていたブロックを消去するという処理を行なわなければならない。この際、消去はブロック単位で処理されるため、古いデータ(書替前のデータ)が書込まれていたページが含まれるブロックの、全ページのデータが消去されてしまう。従って、データの書替えを行なう場合、書替えるページが含まれるブロックの、他のページのデータについても、消去済ブロックに移動させる処理が必要となる。
上記のようにデータを書替える場合、書替後のデータは書替前と異なるブロックに書込まれるため、ホストシステム側から与えられる論理ブロックアドレスと、フラッシュメモリ内でのブロックアドレスである物理ブロックアドレスとの対応関係は、データを書替える毎に動的に変化する。このため、論理ブロックアドレスと物理ブロックアドレスの対応関係を示したアドレス変換テーブルが必要となる。尚、このアドレス変換テーブルは、フラッシュメモリの冗長領域に書込まれている対応論理ブロックアドレスに基づいて作成され、データが書替えられる毎に、その書替えに関わった部分の対応関係が更新される。
[カード情報を更新する処理の説明]
カード情報(CIS:Card Information Structure)は、フラッシュメモリの特定のブロックに記憶されている製品情報等を含む情報であり、ホストシステムはこのカード情報に基づいてフラッシュメモリシステムを認識している。このカード情報は、通常、フラッシュメモリの先頭ブロックの先頭ページに記憶されており、情報内容が変更されることがないので、書替の対象になることがなかった。従って、時間の経過と共に、メモリセルに注入されている電荷が放出されて、記憶されているカード情報が劣化することがあった。本発明に係るフラッシュメモリシステムでは、このような問題を解消するために、読出したカード情報に含まれる誤りを検出したときに、正しいカード情報を再度書込み、カード情報が劣化することを抑制している。
このカード情報を更新する処理では、まず、カード情報に含まれる誤りの検出が行なわれる。このカード情報に含まれる誤りの検出は、読出したカード情報に付加されているエラーコレクションコードに基づいて行なわれる。ここで、エラーコレクションコードは、図1に示したECCブロック11によって生成され、付加されたものである。又、ECCブロック11は、読出したカード情報に付加されているエラーコレクションコードに基づいて、読出したカード情報に含まれる誤りを検出するだけででなく、誤りの訂正も行う。従って、フラッシュメモリ2から読出されたカード情報は、誤りが訂正された状態でバッ
ファ9に保持される。尚、誤りが軽微なうちは、エラーコレクションコードに基づいて誤りを訂正できるが、誤りが重度になると誤りの訂正を行なうことができなくなる。従って、本発明に係るフラッシュメモリシステムでは、誤りが軽微な初期段階で誤りを訂正し、正しいカード情報を再度書込んでいる。
次に、上記のようにして訂正されたカード情報が、カード情報を記憶する領域に割当てられているブロックに、再度書込まれる。この再書込みを行なう場合には、カード情報を記憶する領域に割当てられているブロックをブロック消去してから書込んでも、又は、そのブロック内の未使用ページ(データが書込まれていないページ)に書込んでもよい。
例えば、フラッシュメモリの先頭ブロックがカード情報を記憶する領域に割当てられている場合、フラッシュメモリの先頭ブロックをブロック消去した後、先頭ブロックの先頭ページに誤りが訂正されたカード情報を書込まれる。
又、ブロック消去を行なわずに、データが書込まれていないページに誤りが訂正されたカード情報を書込む場合には、カード情報を記憶する領域に割当てられているブロック内のページに、訂正されたカード情報が順次書込まれる。つまり、ページ0(P0)に記憶されているカード情報を読出したときに、カード情報に含まれる誤りが検出されたときは、訂正されたカード情報をページ1(P1)に書込み、ページ1(P1)に記憶されているカード情報を読出したときに、カード情報に含まれる誤りが検出されたときは、訂正されたカード情報をページ2(P2)に書込み、以下同様にして、順次書込んでいき、ページ30(P30)に記憶されているカード情報を読出したときに、カード情報に含まれる誤りが検出されたときは、訂正されたカード情報をページ31(P31)に書込む。尚、ページ31(P31)に記憶されているカード情報を読出したときに、カード情報に含まれる誤りが検出されたときは、このブロックをブロック消去して、訂正されたカード情報をページ0(P0)に書込む。
又、ブロック消去を行なわずに、データが書込まれていないページに誤りが訂正されたカード情報を書込む場合には、そのブロックの複数のページにカード情報が書込まれるので、どのページに記憶されているカード情報が、最も近い時期に書込まれたカード情報であるかを示す情報を記憶させておくことが好ましい。例えば、図5に示した例では、最も近い時期にカード情報が書込まれたページを識別するため、各ページの冗長領域に、カード情報の有効無効を示す情報を設定している。ここで、ページ0〜7(P0〜7)にカード情報が記憶されており、ページ0〜6(P0〜6)の冗長領域には、カード情報が無効であることを示す情報が設定されている。従って、冗長領域に設定されている情報に基づいて、ページ7(P7)に記憶されているカード情報が、最も近い時期に書込まれたカード情報であることが分かる。
上記カード情報の有効無効を示す情報を設定する方法としては、例えば、冗長領域の特定のビットをカード情報の有効無効を示すビットに割当て、そのビットの論理値によってカード情報の有効無効を示す方法が挙げられる。又、上記カード情報の有効無効を示す情報を設定は、未使用ページに訂正されたカード情報を書込む際に行なうことが好ましい。例えば、訂正されたカード情報をページ1(P1)に書込んだときに、ページ0(P0)の冗長領域にカード情報が無効であることを示す情報を設定し、訂正されたカード情報をページ2(P2)に書込んだときに、ページ1(P1)の冗長領域にカード情報が無効であることを示す情報を設定し、以下同様にして、カード情報が無効であることを示す情報を設定していく。このようにカード情報が無効であることを示す情報を設定していくことにより、カード情報が記憶されているページのうち、最も近い時期にカード情報が書込まれたページを除いたページに、カード情報が無効であることを示す情報が設定される。
以上に説明したように、本発明によれば、読出したカード情報に含まれる誤りを検出したときに、正しいカード情報の再度書込みが行なわれるので、カード情報の劣化を抑制することができる。尚、上記説明では、本発明をカード情報に適用した場合について述べたが、本発明は、カード情報だけでなく、製品情報やシステム設定等を含む各種の設定情報(フラッシュメモリに記憶されている設定情報)に適用することができる。
図1は、本発明に係るフラッシュメモリシステムを概略的に示すブロック図である。 図2は、フラッシュメモリを構成するメモリセルの構造を概略的に示す断面図である。 図3は、書込状態であるメモリセルを概略的に示す断面図である。 図4は、フラッシュメモリのアドレス空間の構造を概略的に示す図である。 図5は、カード情報が記憶されているブロックを示す図である。
符号の説明
1 フラッシュメモリシステム
2 フラッシュメモリ
3 コントローラ
4 ホストコンピュータ
5 ホストインターフェース制御ブロック
6 マイクロプロセッサ
7 ホストインターフェースブロック
8 ワークエリア
9 バッファ
10 フラッシュメモリインターフェースブロック
11 ECCブロック
12 フラッシュメモリシーケンサブロック
13 外部バス
14 内部バス
16 メモリセル
17 P型半導体基板
18 ソース拡散領域
19 ドレイン拡散領域
20 トンネル酸化膜
21 フローティングゲート電極
22 絶縁膜
23 コントロールゲート電極
24 チャネル
25 ユーザ領域
26 冗長領域

Claims (3)

  1. 複数個のページを含むブロック単位でデータ消去が行われるフラッシュメモリ内の所定のブロックに保存された設定情報に基づいて、前記フラッシュメモリに対するアクセスを制御するメモリコントローラであって、
    前記所定のブロック内の前記設定情報が保存されているページの冗長領域から、前記ページに保存されている前記設定情報が有効であるか否かを示す情報を読み出す第1の読み出し機能と、
    前記第1の読み出し機能によって読み出された情報に基づいて、前記所定のブロック内の最新の前記設定情報が保存されているページを特定する特定機能と、
    前記特定機能によって特定されたページから前記最新の前記設定情報を読み出す第2の読み出し機能と
    前記第2の読み出し機能によって読み出された前記最新の前記設定情報に含まれる誤りを検出し、訂正する訂正機能と、
    前記訂正機能によって前記最新の前記設定情報に含まれる誤り検出されたときに、訂正後の前記設定情報を、前記所定のブロックに再保存すると共に前記設定情報が有効であるか否かを示す情報を設定若しくは更新する更新機能と、
    を備え
    前記更新機能は、前記最新の前記設定情報が保存されていたページの次のページに前記訂正後の前記設定情報を保存し、前記最新の前記設定情報が保存されていたページが前記所定のブロック内の末尾のページである場合は、前記所定のブロックの消去処理を行った後に、前記所定のブロック内の先頭ページに前記訂正後の前記設定情報を保存する
    ことを特徴とするメモリコントローラ。
  2. 請求項1に記載のメモリコントローラと
    複数個のページを含むブロック単位でデータ消去が行われるフラッシュメモリを備えることを特徴とするフラッシュメモリシステム。
  3. 複数個のページを含むブロック単位でデータ消去が行われるフラッシュメモリ内の所定のブロックに保存された設定情報に基づいて、前記フラッシュメモリに対するアクセスを制御するフラッシュメモリの制御方法であって、
    前記所定のブロック内の前記設定情報が保存されているページの冗長領域から、前記ページに保存されている前記設定情報が有効であるか否かを示す情報を読み出す第1の読み出し処理と、
    前記第1の読み出し処理によって読み出された情報に基づいて、前記所定のブロック内の最新の前記設定情報が保存されているページを特定する特定処理と、
    前記特定処理によって特定されたページから前記最新の前記設定情報を読み出す第2の読み出し処理と
    前記第2の読み出し処理によって読み出された前記最新の前記設定情報に含まれる誤りを検出し、訂正する訂正処理と、
    前記訂正処理によって前記最新の前記設定情報に含まれる誤りが検出されたときに、訂正後の前記設定情報を、前記所定のブロックに再保存すると共に前記設定情報が有効であるか否かを示す情報を設定若しくは更新する更新処理と、
    を備え、
    前記更新処理では、前記最新の前記設定情報が保存されていたページの次のページに前記訂正後の前記設定情報を保存し、前記最新の前記設定情報が保存されていたページが前記所定のブロック内の末尾のページである場合は、前記所定のブロックの消去処理を行った後に、前記所定のブロック内の先頭ページに前記訂正後の前記設定情報を保存する
    ことを特徴とするフラッシュメモリの制御方法。
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