JP4212642B2 - 抗菌性ガラスおよび抗菌性ガラスの製造方法 - Google Patents

抗菌性ガラスおよび抗菌性ガラスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、抗菌性ガラスおよび抗菌性ガラスの製造方法に関し、特に、無機系着色剤を含む、変色防止効果や識別性に優れた抗菌性ガラスおよび抗菌性ガラスの製造方法に関する。
近年、建材、家電製品(TV、パソコン、携帯電話、ビデオカメラなどを含む)、雑貨、包装用資材等において、抗菌効果を付与するために、所定粒径の抗菌性ガラスを、樹脂中に所定量混入させた抗菌性樹脂組成物が使用されている。
このような抗菌性樹脂組成物として、樹脂中に、銀イオンを溶出する硼ケイ酸抗菌性ガラスを含む合成樹脂成形体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、かかる合成樹脂成形体は、SiO、B、Pの一種もしくは二種以上の網目形成酸化物と、NaO、KO、CaO、ZnOの一種もしくは二種以上の網目修飾酸化物とからなるガラス固形物100重量部中に、一価のAgとして、AgOを0.1〜20重量部含有した硼ケイ酸抗菌性ガラスを合成樹脂中に含んで構成されている。そして、当該特許公報の実施例において、SiO:40モル%、B:50モル%、NaO:10モル%からなる混合物100重量部に対して、AgOを2重量部添加した、平均粒径が20μm以下の抗菌性ガラスを合成樹脂中に含んだ抗菌性樹脂組成物が開示されている。
また、抗菌性樹脂組成物として、抗菌性を有する粒径が10〜1000μm、厚さが0.1〜20μmの鱗片状ガラスを含む樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、かかる鱗片状ガラスの組成としては、Bを含有する場合には、SiO:20〜60重量%、B:30〜70重量%、NaO:5〜35重量%、AgO:0.5〜3重量%からなり、Bを含有しない場合には、SiO:55〜80重量%、Al:0.5〜30重量%、NaO:19.5〜42重量%、AgO:0.5〜3重量%である。
また、100℃の沸騰水に500〜1000時間浸漬後に、20℃の水または酸に24時間浸漬した場合、銀イオンの溶出量が0.5ng/cm/day以上である銀イオン含有無機系抗菌剤と、無機系充填剤と、を含有する抗菌性水周り製品が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
より具体的には、P:56〜59mol%、MgO+CaO+ZnO:33〜38mol%、Al:6〜8mol%からなるガラス成分に対して、AgOを0〜5重量%配合した平均粒径が2〜20μmの銀イオン含有無機系抗菌剤を、樹脂中に、0.5〜5重量%の範囲で添加するとともに、さらに、無機系充填剤を5〜80重量%の範囲で添加した抗菌性水周り製品が開示されている。
また、抗菌性ガラスの用途として、食器洗浄機、食器乾燥機、冷蔵庫、洗濯機、ポット等の電気製品を例示した抗菌性樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献4〜6参照)。
すなわち、特許文献4〜5によれば、かかる電気製品を構成する成形樹脂中に、平均粒径が20μm以下のZnO:40〜80モル%、SiO:5〜35モル%、CaO:5〜30モル%からなる抗菌性ガラスや、同じく平均粒径が20μm以下のZnO:54〜60モル%、B:25〜32モル%、SiO:7〜12モル%、アルカリ金属酸化物:5〜8モル%からなる抗菌性ガラスを、それぞれ所定量含む抗菌性樹脂組成物が提案されている。
また、特許文献6によれば、抗菌性ガラスの最大径(t1)を1〜50mmの範囲内の値とするとともに、銀イオンの溶出量を0.5〜100mg/(g・24Hrs)の範囲内の値とし、当該抗菌性ガラスを、水と直接的に接触させることにより、銀イオン含有水を作成して、洗濯中あるいは洗濯後の被抗菌物に対して所定の抗菌処理を施す抗菌性ガラスおよびその製造方法が開示されている。
さらに、抗菌性ガラスの用途として、貯水槽やクーリングタワー等の水処理装置において使用される硝子水処理剤が提案されている(例えば、特許文献7参照)。
すなわち、最長径が10mm以上のリン酸系ガラスであって、その重量組成比が、(RO+RO)/P=0.4〜1.2、RO/(RO+R)=0〜10であり(RはCa、Na等)、かつ、初期溶解速度をAとし、末期溶解速度をBとしたときに、B/A≧1/3であるとともに、金属イオンの含有量が0.005〜5重量%である硝子水処理剤である。
特開平1−313531号公報(特許請求の範囲) 特開平7−25635号公報(特許請求の範囲) 特開平10−72530(特許請求の範囲) 特開平2000−3238号公報(特許請求の範囲) 特開平2000−3239号公報(特許請求の範囲) WO 2005/087675号公報(特許請求の範囲) 特公平7−63701号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1〜6に開示されている抗菌性樹脂組成物は、いずれも抗菌性ガラスを樹脂中に混合して構成されていることから、抗菌性ガラスは、実質的に無色透明であって、含有する銀が、塩素イオン等と反応して、変色したり、不透明化したりする場合が多く見られた。
したがって、かかる抗菌性樹脂組成物を用いた場合、電気製品の部品等に対して所定の抗菌性を付与することはできても、使用中に、電気製品の外観性が著しく低下するという問題が見られた。
また、特許文献1、3〜5では、樹脂中に均一に混合するため、抗菌性ガラスの平均粒径を20μm以下が好ましいとし、特許文献2では、抗菌性ガラスを所定の大きさの鱗片状ガラスとしているものの、製造装置として分級装置等を併用し、これらの値を所定範囲に制限しなければならないという製造上の問題が見られた。
一方、特許文献6や7に開示されている抗菌性ガラスや硝子水処理剤は、最長径は比較的大きいものの、食器洗浄機、食器乾燥機、あるいは洗濯機等の流水を使用する電気製品に使用した場合には、変色防止効果に劣っていたり、あるいは破砕しやすかったりするという問題が見られた。
さらに、特許文献1〜7に開示されている抗菌性ガラスは、いずれも実質的に無色透明であって、被覆部材を備えて、カートリッジ化したような場合には、外からその存在を識別できないという問題が見られた。すなわち、カートリッジ化して、電気製品に使用した場合、抗菌性ガラスの補充時期や取替え時期を判断することが困難であるという問題も見られた。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、所定量の無機系着色剤を添加するとともに、抗菌性ガラスの大きさを所定範囲に制限することにより、水と直接的に接触した場合であっても、初期の外観や識別性を維持したまま、繰り返し所定量の銀イオンを放出できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、無機系着色剤を加えた場合であっても、銀イオンの放出量を所定範囲に維持したままで、優れた変色防止効果や識別性が得られる抗菌性ガラスおよび抗菌性ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、銀イオンを放出することによって抗菌効果を発揮する平板状の抗菌性ガラスであって、最大径(t1)を3〜30mmの範囲内の値とし、かつ、配合成分として、無機系着色剤を含有するとともに、当該無機系着色剤の添加量を、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の範囲内の値とした抗菌性ガラスが提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、銀イオンを放出することによって抗菌効果を発揮する平板状の抗菌性ガラスであって、最大径(t1)を3〜30mmの範囲内の値とし、かつ、配合成分として、無機系着色剤としての酸化コバルトを含有するとともに、当該無機系着色剤の添加量を、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の範囲内の値とし、さらに、銀イオンの溶出量を0.01〜0.45mg/(g・24Hrs)の範囲内の値とすることを特徴とする抗菌性ガラスである。
よって、本発明の抗菌性ガラスによれば、所定量の無機系着色剤を添加することにより、抗菌性ガラスの大きさや銀イオンの溶出量を所定範囲に容易に制限することができ、長期間にわたって、所定の抗菌効果を発揮しながら、初期の外観や識別性を維持することができる。したがって、無機系着色剤の働きによって、銀イオンに由来した、樹脂の変色防止効果を有効に発揮できるとともに、被覆部材を備えて、カートリッジ化したような場合であっても、外からその存在を容易に識別することができ、抗菌性ガラスの補充時期や取替え時期を正確に判断することができる。
また、このような大きな形態の抗菌性ガラスであれば、取り扱いが容易になるばかりか、従来の微粒子状の抗菌性ガラスと組み合わせるだけで、微粒子状の抗菌性ガラス同士が接触して、凝集することを有効に防止することができる。
また、無機系着色剤として、特に、酸化コバルトを使用することにより、極めて少量の添加により、優れた発色性が得られるばかりか、抗菌性ガラスの成形性や研磨性についても改良して、向上させることができる。
さらに、このような銀イオンの溶出量であれば、さらに長期間にわたって、所定の抗菌効果を発揮しながら、初期の外観や識別性を維持することができる。
また、本発明の抗菌性ガラスを構成するにあたり、抗菌性ガラスに含まれる無機系着色剤の添加量をC1(重量%)とし、同様に含まれる酸化銀の添加量をC2(重量%)としたときに、C1/C2で表される比率を0.01〜3の範囲内の値とすることが好ましい。
このように無機系着色剤の添加量を、酸化銀の添加量と関連つけて制御することにより、所定の抗菌効果の発揮を抑制することなく、初期の外観や識別性を維持することができる。
また、本発明の抗菌性ガラスを構成するにあたり、抗菌性ガラスを構成する辺に沿って面取りしてあることが好ましい。
このような形状とすることにより、さらに長期間にわたって、所定の抗菌効果を発揮しながら、初期の外観や識別性を維持することができる。また、このような面取り形状とすることにより、抗菌性ガラスの成形性や研磨性についても向上させることができる。
さらに、このような形態の抗菌性ガラスであれば、取り扱いや交換等が容易になるばかりか、比較的強い水流を用いた場合であっても、当該水流と一緒に外部に流出したり、破砕したりすることを有効に防止することができる。
また、本発明の別の態様は、上述した抗菌性ガラスと、全体量に対して、10〜90重量%の無機系着色剤を含有しない抗菌性ガラスと、を含むことを特徴とする抗菌性ガラス混合物である。
このように構成することにより、抗菌性ガラスの銀の溶出量を調整することができる一方、最大径(t1)が大きい抗菌性ガラスの変色防止効果によって、無機系着色剤を含有しない抗菌性ガラスの変色についても目だたなくすることができる。
なお、このように構成することにより、無機系着色剤を含有しない抗菌性ガラスの平均粒径が、例えば、100μm以下の微粒子状であっても、当該抗菌性ガラス同士が接触して、凝集することを有効に防止することができる。
また、本発明の別の態様は、銀イオンを放出することによって抗菌効果を発揮する平板状の抗菌性ガラスの製造方法であって、下記工程(A)〜(B)を含むことを特徴とする抗菌性ガラスの製造方法である。
(A)原材料を加熱溶融させて、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の無機系着色剤を含有する着色溶融ガラスを作成する溶融工程
(B)着色溶融ガラスを冷却しながら、最大径(t1)が3〜30mmの抗菌性ガラスとする成形工程
すなわち、 銀イオンを放出することによって抗菌効果を発揮する平板状の抗菌性ガラスの製造方法であって、下記工程(A)〜(B)を含むことを特徴とする抗菌性ガラスの製造方法。
(A)原材料を加熱溶融させて、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の無機系着色剤としての酸化コバルトを含有する着色溶融ガラスを作成する溶融工程
(B)着色溶融ガラスを冷却しながら、最大径(t1)が3〜30mmの抗菌性ガラスであって、前記銀イオンの溶出量を0.01〜0.45mg/(g・24Hrs)の範囲内の値とした抗菌性ガラスを得る成形工程
よって、本発明の抗菌性ガラスの製造方法によれば、直接的に水と接触した場合であっても、長期間にわたって、所定の抗菌効果を発揮しながら、初期の外観や識別性を維持可能な抗菌性ガラスを効率的に製造することができる。
また、本発明の抗菌性ガラスの製造方法を実施するにあたり、工程(B)において、抗菌性ガラスを研磨する工程をさらに含むことが好ましい。
このような抗菌性ガラスの製造方法によれば、初期段階から優れた抗菌効果を発揮しながら、長期間にわたって、初期の外観や識別性を維持可能な抗菌性ガラスを効率的に製造することができる。
(a)〜(f)は、第1実施形態の抗菌性ガラスの形状を説明するために供する図である。 抗菌性ガラスの最大径(t1)と残留率との関係を説明するために供する図である。 洗濯回数に伴う銀イオンの溶出量との関係を説明するために供する図である。 酸化コバルトの添加量と、発色性との関係を説明するために供する図である。 酸化コバルト及び酸化銅の添加量と、銀イオン溶出量との関係を説明するために供する図である。 (a)〜(b)は、抗菌性ガラスのカートリッジ化について説明するために供する図である。 (a)〜(c)は、抗菌性ガラスの被覆部材について説明するために供する図である。 抗菌性ガラスを適用した洗濯機の一例を示す図である。 (a)〜(b)は、抗菌性ガラスの製造方法について説明するために供する図である(その1)。 抗菌性ガラスの別の製造方法について説明するために供する図である。 (a)〜(b)は、抗菌性ガラスの変色防止効果について説明するために供する図である。 (a)〜(c)は、抗菌性ガラスの外観に対する表面処理工程の影響について説明するために供する図である。
以下、本発明の抗菌性ガラス、抗菌性ガラスの製造方法、および抗菌性ガラスの使用方法に関する実施の形態を具体的に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、銀イオンを放出することによって抗菌効果を発揮する平板状の抗菌性ガラスであって、最大径(t1)を3〜30mmの範囲内の値とし、かつ、配合成分として、無機系着色剤を含有するとともに、当該無機系着色剤の添加量を、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の範囲内の値とした抗菌性ガラスである。
すなわち、銀イオンを放出することによって抗菌効果を発揮する平板状の抗菌性ガラスであって、最大径(t1)を3〜30mmの範囲内の値とし、かつ、配合成分として、無機系着色剤としての酸化コバルトを含有するとともに、当該無機系着色剤の添加量を、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の範囲内の値とし、さらに、銀イオンの溶出量を0.01〜0.45mg/(g・24Hrs)の範囲内の値とすることを特徴とする抗菌性ガラスである。
1.抗菌性ガラス
(1)形状1
抗菌性ガラスの形状は特に制限されるものではないが、図1(a)〜(f)に示すように、矩形状、多角形状、円板状、楕円状、異形状、穴あき状等の平板状の抗菌性ガラス2(2a〜2f)であることが好ましい。
この理由は、抗菌性ガラスを、矩形状や円板状等の平板状とすることにより、所定箇所に載置し、水と直接的に接触させた場合であっても、水圧によって押し流され、所定箇所から流出するのを効果的に防止することができるためである。また、抗菌性ガラスが矩形状等であれば、製造時や使用時等に、抗菌性ガラスが隣接して凝集しにくいため、抗菌性ガラスの製造時における大きさや形状の制御や、使用する際の環境条件の制御についてもより容易となるためである。
また、図1(a)〜(f)に示すように、かかる抗菌性ガラスを構成する辺に沿って面取りしてあることが好ましい。
この理由は、このような形状とすることにより、さらに長期間にわたって、所定の抗菌効果を発揮しながら、初期の外観や識別性を維持することができるためである。また、このような面取り形状とすることにより、抗菌性ガラスの成形性や研磨性についても向上させることができるためである。
さらに、このような形態の抗菌性ガラスであれば、取り扱いや交換等が容易になるばかりか、比較的強い水流を用いた場合であっても、当該水流と一緒に外部に流出したり、破砕したりすることを有効に防止することができるためである。
(2)形状2
また、抗菌性ガラスの最大径(t1)を3〜30mmの範囲内の値とすることを特徴とする。ここで、抗菌性ガラスの最大径(t1)とは、例えば、図1(a)〜(f)に示すように、抗菌性ガラスの形状において、任意の線を引いたときの最大長さを意味する。
すなわち、この理由は、かかる最大径が3mm未満の値となると、所定箇所に載置し、水と直接的に接触させた場合に、水圧によって押し流され、所定箇所から流出しやすくなったり、長期間にわたって、所定濃度の銀イオンを放出することが困難になったり、さらには、保管時に凝集しやすくなったりする場合があるためである。
一方、かかる最大径が30mmを超えると、取り扱いが困難となったり、安定的に製造することが困難になったりするためである。
したがって、抗菌性ガラスの最大径を4〜25mmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜15mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる抗菌性ガラスの最大径(t1)は、抗菌性ガラスが、例えば平板状である場合には、平面方向の最大径となり、球状である場合には、球の直径となる。
また、かかる抗菌性ガラスが平板状である場合、抗菌性ガラスの厚さを0.1〜10mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる抗菌性ガラスの厚さが0.1mm未満の値となると、所定濃度の銀イオンを放出することが困難になったり、取り扱いが困難となったり、さらには安定的に製造することが困難になったりする場合があるためである。一方、かかる抗菌性ガラスの厚さが10mmを超えると、逆に取り扱いが困難となったり、安定的に製造したりすることが困難になったりするためである。
したがって、かかる抗菌性ガラスが平板状である場合、抗菌性ガラスの厚さを1〜8mmの範囲内の値とすることがより好ましく、2〜5mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、上述した抗菌性ガラスの最大径や厚さは、例えば、光学顕微鏡写真やノギスを用いて容易に測定することができる。
(3)形状3
次いで、抗菌性ガラスの形状に関して、図2を参照しつつ、抗菌性ガラスの平面方向の最大径(t1)と、当該抗菌性ガラスの使用時における残留率との関係を詳細に説明する。この図2の横軸は、抗菌性ガラスの平面方向の最大径(mm)を対数で示し、縦軸は、各粒径の抗菌性ガラスを使用したときに、後述の実施例における抗菌性ガラスの残留率の測定方法に準じて測定される残留率(%)を示している。
かかる図2から明らかなように、抗菌性ガラスの平面方向の最大径(t1)が5mm以上の値であれば、その残留率は比較的高い値、すなわち、50%以上の値を示し、長期間の使用にも耐え得ることが理解される。
次いで、抗菌性ガラスの形状に関して、図3を参照して、本発明に係る抗菌性ガラス(平面方向の最大径15mm)と平均粒径が20μmの抗菌性ガラス、それぞれを使用した場合における、洗濯回数と、銀イオンの溶出量の変化について詳細に説明する。すなわち、図3の横軸は、後述する図8に示すような洗濯機50を用いて、それぞれの抗菌性ガラスを使用して洗濯した回数を示し、図3の縦軸は、各回における水中への銀イオンの溶出量(mg/(g・24Hrs))を示している。また、図3中、本発明の抗菌性ガラスについてのデータを実線Aで示し、平均粒径が20μmの抗菌性ガラスについてのデータを点線Bで示す。
かかる図3に示すように、本発明の抗菌性ガラスは、平面方向の最大径が所定の大きさであり水圧等で押し流されることがないために、残留量が大幅に減少することがない。したがって、繰り返し使用したとしても、所望の溶出量を維持できることが理解される。よって、本発明の抗菌性ガラスは、長期間の使用にも耐えうることが理解される。
一方で、平均粒径が20μmの抗菌性ガラスは、図2に示されるように、使用する毎に抗菌性ガラスの残留量が減少していくために、洗濯回数が増加するに伴って、使用開始直後の銀イオンの溶出量と比較して、溶出量の値が大きく減少している。したがって、所望の銀イオンの溶出量を確保するためには、頻繁に抗菌性ガラスを補充することが必要であることが理解される。
(4)種類1
また、抗菌性ガラスの種類に関して、無機系着色剤を含まない状態で、以下の配合組成からなる抗菌性ガラスを使用することが好ましい。
すなわち、抗菌性ガラスにおける第1のガラス組成として、AgO、ZnO、CaO、BおよびPを含み、かつ、全体量を100重量%としたときに、AgOの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値、ZnOの含有量を1〜50重量%の範囲内の値、CaOの含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、Bの含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、およびPの含有量を30〜80重量%の範囲内の値とするとともに、ZnO/CaOの重量比率を1.1〜15の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるZnO/CaOの重量比率が1.1未満の値となると、抗菌性ガラスの黄変を効率的に防止することができない場合があり、一方、かかるZnO/CaOの重量比率が15を超えると、抗菌性ガラスが白濁したり、あるいは、逆に、黄変したりする場合があるためである。
したがって、かかるZnO/CaOで表される重量比率を1.2〜10の範囲内の値とすることがより好ましく、1.5〜8の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、第2のガラス組成として、ZnOを実質的に含まない代りに、AgO、CaO、BおよびPを含み、かつ、全体量を100重量%としたときに、AgOの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値、CaOの含有量を15〜50重量%の範囲内の値、Bの含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、およびPの含有量を30〜80重量%の範囲内の値とするとともに、CaO/AgOの重量比率を5〜15の範囲内の値とした抗菌性ガラスである。
この理由は、かかるCaO/AgOの重量比率が5未満の値となると、抗菌性ガラスの黄変を効率的に防止することができない場合があり、一方、かかるCaO/AgOの重量比率が15を超えると、抗菌性ガラスが白濁したり、あるいは、逆に、黄変したりする場合があるためである。
したがって、かかるCaO/AgOで表される重量比率を6〜12の範囲内の値とすることがより好ましく、7〜10の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
さらに、第3のガラス組成として、AgO、CaO、B、PおよびAlを含み、かつ、全体量を100重量%としたときに、Alの含有量を0.5〜10重量%の範囲内の値とした抗菌性ガラスである。
この理由は、このようにAlを添加することにより、潮解現象を抑制することができるためである。
すなわち、Alの含有量が0.5重量%未満になると、潮解現象を抑制する効果が発現しない場合があるためである。一方、Alの含有量が10重量%を超えると、(抗菌)効果が発現しない場合があるためである。
したがって、かかるAlの含有量を1〜5重量%の範囲内の値とすることがより好ましいといえる。
(5)種類2
また、抗菌性ガラスに、無機系着色剤を含むとともに、当該無機系着色剤の添加量を、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、所定量の無機系着色剤を添加することにより、抗菌性ガラスの大きさや銀イオンの溶出量を所定範囲に容易に制限することができためである。
したがって、長期間にわたって、所定の抗菌効果を発揮しながら、初期の外観や識別性を維持することができる。すなわち、無機系着色剤の働きによって、銀イオンに由来した、樹脂の変色防止効果を有効に発揮できるとともに、被覆部材を備えて、カートリッジ化したような場合であっても、外からその存在を容易に識別することができ、抗菌性ガラスの補充時期や取替え時期を正確に判断することができる。
また、このような大きな形態の抗菌性ガラスであれば、取り扱いが容易になるばかりか、従来の微粒子状の抗菌性ガラスと組み合わせるだけで、微粒子状の抗菌性ガラス同士が接触して、凝集することを有効に防止することができるためである。
したがって、抗菌性ガラスにおける無機系着色剤の添加量を、全体量に対して、0.003〜0.1重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.005〜0.05重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
ここで、抗菌性ガラスにおける無機系着色剤の添加量の影響を、図4及び図5を参照して説明する。
図4の横軸は、抗菌性ガラスにおける酸化コバルトの添加量(重量%)を対数で示しており、縦軸は、抗菌性ガラスの発色性(相対値)を示している。この抗菌性ガラスの発色性は、数字が大きいほど良好であることを示しており、可視光の吸収度に相当する値である。
また、図5の横軸は、抗菌性ガラスにおける無機系着色剤(酸化コバルトおよび酸化銅)の添加量(重量%)を対数で示しており、縦軸は、抗菌性ガラスにおける銀イオン溶出量(mg/(g・24Hrs))を示している。そして、図5中、記号Aが付された特性曲線が、無機系着色剤として、酸化コバルトを用いた場合であって、記号Bが付された特性曲線が、無機系着色剤として、酸化銅を用いた場合である。
したがって、図4から明らかなように、抗菌性ガラスにおける酸化コバルトの添加量が0.001重量%以上であれば、所定の発色性が得られ、さらに酸化コバルトの添加量が多くなるにつれ、発色性も良好となり、0.1重量%を越えるとそれが飽和する傾向が見られている。
一方、図5から明らかなように、抗菌性ガラスにおける無機系着色剤(酸化コバルトおよび酸化銅)の添加量が多くなるにつれて、銀イオン溶出量(mg/(g・24Hrs))が除々に低下する傾向が見られている。
したがって、図4及び図5を参照すると、抗菌性ガラスにおける発色性と、銀イオン溶出量とのバランスをとるために、無機系着色剤の添加量を、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の範囲内の値とすることが有効であると理解できる。
なお、抗菌性ガラスに含まれる無機系着色剤の添加量を考慮するにあたり、酸化銀の添加量についても考慮することが好ましい。
すなわち、抗菌性ガラスに含まれる無機系着色剤の添加量をC1とし、同様に含まれる酸化銀の添加量をC2としたときに、C1/C2で表される比率を0.01〜3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように無機系着色剤の添加量を、酸化銀の添加量と関連付けて制御することにより、所定の抗菌効果の発揮を抑制することなく、初期の外観や識別性を維持することができるためである。すなわち、C1/C2で表される比率が0.01未満となると、変色防止効果の発現が乏しくなる場合があるためである。一方、C1/C2で表される比率が3を超えると、抗菌効果の発現が乏しくなる場合があるためである。
したがって、C1/C2で表される比率を0.01〜2の範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜1の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)種類3
また、無機系着色剤の種類は特に制限されるものではないが、酸化雰囲気で発色しやすいように、酸化コバルト(CoO)、酸化銅(CuO)、酸化クロム(Cr)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(MnO)、酸化ネオジウム(Nd)、酸化エルビウム(Er)、及び酸化セリウム(CeO)等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
例えば、酸化コバルトであれば、極めて少量添加、例えば、0.005重量%であっても、優れたあざやかなインクブルーの発色性が得られ、所定の抗菌効果を抑制することなく、初期の外観や識別性を維持することができる。
また、酸化銅であれば、比較的少量の添加でスカイブルーの発色性が得られ、抗菌効果を抑制することなく、初期の外観や識別性を維持することができる。
また、酸化クロムであれば、比較的少量の添加で若草色の発色性が得られ、初期の外観や識別性を維持することができる。
また、酸化ニッケルであれば、カリ成分が多いことを条件に、比較的少量の添加で渋いグリーン色の発色性が得られ、初期の外観や識別性を維持することができる。
また、酸化マンガンであれば、酸化剤の存在を条件に、比較的少量の添加で鮮やかな紫色の発色性が得られ、初期の外観や識別性を維持することができる。
また、酸化ネオジウムであれば、添加量がばらついたとしても、幅広い範囲で、ラベンダー紫色の発色性が得られ、初期の外観や識別性を維持することができる。また、鉄分等が多いガラス原料を用いた場合には、その消色効果を発揮することもできる。
さらに、酸化エルビウムや酸化セリウムであれば、ピンク色の発色性が得られ、初期の外観や識別性を維持することができる。
(7)銀イオン溶出量
また、抗菌性ガラスにおける銀イオンの溶出量を0.01〜0.45mg/(g・24Hrs)の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる銀イオンの溶出量が0.01mg/(g・24Hrs)未満の値となると、水と直接的に接触させた場合に、迅速に所定濃度の銀イオンを放出し、所定の抗菌効果を発揮することが困難になる場合があるためである。
一方、かかる銀イオンの溶出量が0.45mg/(g・24Hrs)を超えると、長期間にわたって所定濃度の銀イオンを放出することが困難になったり、取り扱いが困難となったり、あるいは安定的に製造することが困難になったりするためである。
したがって、抗菌性ガラスにおける銀イオンの溶出量を0.01〜0.40mg/(g・24Hrs)の範囲内の値とすることが好ましい。さらに、0.02〜0.35mg/(g・24Hrs)の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、抗菌性ガラスにおける銀イオンの溶出量は、後述する実施例1に記載の測定方法に準じて、測定することができる。さらに、従来、洗濯機等に使用する場合、抗菌性ガラスにおける銀イオンの溶出量は0.5〜100mg/(g・24Hrs)の範囲内の値が良いと考えられてきたが、洗濯を繰り返すことにより抗菌効果が増加するため、より少量の銀イオンの溶出量であっても、同等の抗菌効果が得られる知見が得られている。
2.被覆部材または添加剤
(1)錯体形成化合物
銀イオンと錯体を形成することが可能な錯体形成化合物、例えば、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、硫化アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、酢酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、およびリン酸アンモニウム等の一種単独または二種以上の組合せを添加することが好ましい。
この理由は、このような錯体形成化合物を添加することにより、抗菌性ガラスの変色や、着色を著しく防止することができるためである。
なお、雰囲気が強アルカリ、例えばpH値が10以上であっても、銀イオンと容易に錯体を形成して、着色防止することができることから、錯体形成化合物として、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、およびチオ硫酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一つの化合物を使用することがより好ましい。
また、錯体形成化合物の添加量を、全体量に対して、0.01〜30重量%の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、かかる錯体形成化合物の添加量が0.01重量%未満となると、変色を有効に防止することが困難となる場合があるためである。一方、かかる錯体形成化合物の添加量が30重量%を超えると、抗菌性ガラスにおける抗菌性が低下したり、均一に混合したりすることが困難となる場合があるためである。
したがって、かかる抗菌性ガラスにおける耐変色性と、抗菌性等とのバランスがより好ましいことから、錯体形成化合物の添加量を、全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、0.5〜10重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)被覆部材
また、被覆部材として、抗菌性ガラスの周囲に無機物および有機物を被覆した形態とすることも好ましい。
この理由は、このように構成することにより、銀イオンの溶出速度の制御を容易にし、また、抗菌性ガラスの凝集防止性を良好なものとすることができるためである。
また、抗菌性ガラスを被覆する粒子としては、酸化チタン、酸化ケイ素、コロイダルシリカ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉛、ホワイトカーボン、アクリル粒子、スチレン粒子、ポリカーボネート粒子等の一種単独または二種以上の組合せが好ましい。
さらに、抗菌性ガラスを粒子により被覆する方法も特に制限されるものでないが、例えば、抗菌性ガラスと、粒子とを均一に混合後、600〜1200℃の温度で加熱してガラスに融着させるか、あるいは、結合剤を介して、固定することが好ましい。
また、図6(a)や(b)に示すように、抗菌性ガラス10´の周囲に対して、被覆部材としての包装部材18´を備えたり、筐体を備えたりして、カートリッジ化することが好ましい。
この理由は、このような被覆部材を設けることにより、保存時において、取り扱いが容易になったり、抗菌性ガラスの凝集化を防止したりすることができるためである。また、使用時においては、使用性が向上するとともに、比較的強い水流を用いた場合であっても、所定場所から流出を防止したりすることができるためである。さらに、カートリッジ化してあることから、取り扱いや交換等についても容易に実施することができるためである。
また、図7(a)に示すように、アルミニウム積層フィルム16等の防湿材料を用いて、複数の抗菌性ガラス10をパッケージしたり、図7(b)に示すように、小分けした状態で、パッケージしたり、さらに、図7(c)に示すように、穴開き部材18で周囲を覆うことも好ましい。
(3)表面処理
また、抗菌性ガラスに対して、酸化防止、あるいは着色化等の目的のために、分散剤としての界面活性剤、ステアリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸ナトリウム、またはシランカップリング剤等、酸化防止剤としてのヒンダードフェノール化合物やヒンダードアミン化合物等、着色剤としての顔料や染料等を添加することが好ましい。
なお、これらの添加剤の添加量は、添加効果等を考慮して定めることが好ましいが、例えば、それぞれ、全体量に対して、0.01〜30重量%の範囲内の値とするのがより好ましい。
3.使用例1
また、本発明の抗菌性ガラスを使用するにあたって、当該抗菌性ガラスに対して、無機系着色剤を含有しない抗菌性ガラスを、全体量に対して、10〜90重量%の範囲で添加し、混合物とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、抗菌性ガラスの銀の溶出量を調整することができる一方、最大径(t1)が大きい抗菌性ガラスの変色防止効果によって、無機系着色剤を含有しない抗菌性ガラスの変色についても目ただなくすることができるためである。
また、このように構成することにより、無機系着色剤を含有しない抗菌性ガラスの平均粒径が、例えば、100μm以下の微粒子状であっても、無機系着色剤を含有した抗菌性ガラスが、無機系着色剤を含有しない抗菌性ガラス同士が接触して、凝集することを有効に防止することもできる。
したがって、無機系着色剤を含有しない抗菌性ガラスを、全体量に対して、20〜80重量%の範囲で添加することがより好ましく、30〜70重量%の範囲で添加することがさらに好ましい。
4.使用例2
また、本発明の抗菌性ガラスを使用するにあたって、下記工程(C)〜(D)を含むことが好ましい。
(C)抗菌性ガラスと、水とを、直接的に接触させて、銀イオン含有水を作成する工程(接触工程と称する場合がある。)
(D)銀イオン含有水により被抗菌物を処理して、抗菌処理を施す工程(抗菌工程と称する場合がある。)
以下、図8に示す洗濯機50に用いた場合を想定して、かかる抗菌性ガラスの使用方法を具体的に説明する。なお、説明が容易なように、図8中、洗濯水のリサイクル用のユニットを洗濯槽25の外部に記載しているが、通常は、洗濯槽25の内部に備わっているものである。
(1)接触工程
抗菌性ガラスと、水との直接的な接触方法は特に制限されるものではないが、例えば、抗菌性ガラスを水中へ浸漬させたり、抗菌性ガラスを水流中へ投入したりすることにより抗菌性ガラスと、水とを直接的に接触させて、銀イオン含有水を作成することが好ましい。
その際、例えば、抗菌性ガラスを洗濯機において使用する場合には、図8の上方に示すように、バイパス26を設けて、そこにカートリッジ化された抗菌性ガラス27を載置しておき、必要なときにバイパス26に通じるバルブ28を開閉して、水を流入させて、抗菌性ガラス27と直接的に接触させて、銀イオン含有水を得ることが好ましい。
この理由は、例えば、洗濯の最終段階でのみ銀イオン含有水を使用することにより、銀イオンを無駄に流してしまうことがなく、すなわち、被洗浄物に対して抗菌処理を施すに際して、抗菌性ガラスの使用量を効率的に制限することができるためである。
一方、図8の下方に示すように、一旦使用した水をリサイクルする際に、糸くず等をフィルター処理するとともに、抗菌性ガラス31と接触させることも好ましい、すなわち、ポンプ32及びバルブ33を介して、抗菌処理した水を再利用することが好ましい。
(2)抗菌工程
また、銀イオン含有水をシャワリングしたり、直接浸漬したりすることにより被抗菌物を処理して、抗菌処理を施すことも好ましい。
なお、被抗菌物の代表例としては、洗濯機の場合、織物、繊維物、不織布、マット状物、衣服、タオル類、履物、下着等が挙げられる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、銀イオンを放出することによって抗菌効果を発揮する平板状の抗菌性ガラスの製造方法であって、下記工程(A)〜(B)を含むことを特徴とする抗菌性ガラスの製造方法である。
(A)原材料を加熱溶融させて、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の無機系着色剤を含有する着色溶融ガラスを作成する溶融工程
(B)着色溶融ガラスを冷却しながら、最大径(t1)が3〜30mmの抗菌性ガラスとする成形工程
すなわち、本発明の抗菌性ガラスの製造方法によれば、直接的に水と接触した場合であっても、長期間にわたって、所定の抗菌効果を発揮しながら、初期の外観や識別性を維持可能な抗菌性ガラスを効率的に製造することができる。
1.溶融工程
原材料として、上述した第1のガラス組成や第2のガラス組成となるように、万能混合機を用いて、回転数250rpm、30分の条件で、均一に混合されるまで攪拌する。また、このとき、酸化コバルト等の無機系着色剤を0.001〜0.05重量%の範囲内の値となるように添加する。
次いで、溶融炉を用いて、一例として、1280℃、3時間半の条件でガラス原料を加熱して、ガラス融液を作成する。
なお、原材料の種類や配合比率に応じて、溶融炉における加熱条件については、適宜変更することができる。
2.成形工程
成形工程は、ガラス原料を溶融して得た溶融ガラスを、所定形状の抗菌性ガラスとする工程である。
具体的には、図9(a)〜(b)に示すように、所定の回転部材20a、20bを用いて製造することにより、いわゆる薄肉部を利用したチョコレートカットが可能であって、取り扱いや、面積や形状の調整が容易な抗菌性ガラス10を効率的に得ることができる。
すなわち、上方から溶融ガラス22を、一対の回転部材20a、20bの間に自然落下させるとともに、回転部材20aの表面に設けた凹部24を利用して、所定の抗菌性ガラス10を成形することができる。また、一対の回転部材20a、20bの中心部には、冷却パイプ(図示せず。)が備えてあり、回転部材20a、20bの表面温度を制御できるように構成してあることが好ましい。さらに、抗菌性ガラスは、薄肉部を介して、短冊状に成形してあるためが所定温度を維持しているため、さらに冷却するためには、抗菌性ガラスの表面に冷却風を吹きつけることが好ましい。
なお、図9(a)〜(b)に示す成形装置は、一対の回転部材20a、20bを備えているが、変形例として、図10に示すように、一方の回転部材20bのかわりに、平坦な壁部材20cを用いても、実質的に同様の形状であって、平板状の抗菌性ガラス10を得ることもできる。
3.表面研磨工程
Vブレンダー、ボールミル、振動ボールミル等の攪拌装置や粉砕装置を用いて、得られた平板状の抗菌性ガラスと、水あるいはアルコール(イソプロピルアルコール等)と、室温、10分〜24時間程度、混合攪拌し、抗菌性ガラスの表面に付着した異物等を除去等して、清浄面を確保するとともに、バリ取りして、さらには平板状の抗菌性ガラスの辺に沿って、面取りすることが好ましい。
すなわち、このように表面研磨工程を実施することにより、初期から銀の溶出量が多くなって、銀の溶出量の制御についても容易になるためである。
例えば、実施例1において得られる抗菌性ガラスにおいて、振動ボールミル中で、水あるいはイソプロピルアルコールを用いた表面研磨工程(室温、30分)を実施した場合には、銀の溶出量は0.45mg/(g・24Hrs)であるのに対して、かかる表面研磨工程を省略すると、銀の溶出量は約1/3の0.16mg/(g・24Hrs)に低下することが確認されている。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。但し、以下の説明は本発明を例示的に示すものであり、本発明はこれらの記載に制限されるものではない。
[実施例1]
1.抗菌性ガラス作成
(1)溶融工程
第1のガラス組成として、表1に示すように、全体量を100重量%としたときに、AgOが3重量%、ZnOが30重量%、CaOが20重量%、Bが5重量%、Pが42重量%、および着色剤としてのCoOが0.01重量%となるように、それぞれのガラス組成に対応したガラス原料を、万能混合機を用いて、回転数250rpm、30分の条件で、均一に混合するまで攪拌した。
次いで、ガラス溶融炉を用いて、1280℃、3時間半の条件でガラス原料を加熱して、溶融ガラスを作成した。
(2)成形工程
ガラス溶融炉から取り出した溶融ガラスを、図9に示すような成形装置40に導入し、円板状の抗菌性ガラス(矩形状小片、最大径(t1):15mm、厚さ(t2):4mm)を成形した。
(3)表面研磨工程
得られた円板状の抗菌性ガラス500gを、メディアを使用しない振動ボールミル中に投入した。次いで、500gのイソプロピルアルコールあるいは水を添加し、その状態で、振動ボールミルを室温、30分の条件で稼働させて、バリ取り工程を含む表面研磨工程を実施した。
その結果、図12(a)に示すように、表面研磨工程処理前は、微小凹凸が見られたものが、図12(b)に示すように、表面研磨工程処理後には、表面が平滑化して、光沢を発するようになった。
2.抗菌性ガラスの評価
(1)銀イオン溶出性評価
得られた抗菌性ガラス10gを、100mlの蒸留水(20℃)中に浸漬し、振とう機を用いて24時間振とうした。遠心分離器を用いて銀イオン溶出液を分離後、さらにろ紙(5C)でろ過して、測定試料とした。次いで、測定試料中の銀イオンを、ICP発光分光分析法により測定し、抗菌性ガラスにおける銀イオン溶出量(mg/(g・24Hrs))を算出した。
(2)流出性評価
厚さ1mm、面積20cm×20cmのステンレス板の表面に、深さ0.5mm、面積5cm×5cmの凹部を設けておき、そこに100g(W1)の抗菌性ガラスを充填した状態で、流量が1リットル/分の水道水を横方向から吹きつけた。その状態を1分間続けた後、ステンレス板の上に、残っている抗菌性ガラスの重量(W2)を測定し、抗菌性ガラスの残留率((W1−W2)/W1×100)を算出した。そして、算出した残留率から、以下の基準により、抗菌性ガラスの流出性を評価した。
◎:残留率は90〜100重量%である。
○:残留率は70〜90重量%未満である。
△:残留率は30〜70重量%未満である。
×:残留率は30重量%未満である。
(3)抗菌性評価
洗濯機を用いて、得られた抗菌性ガラスによる木綿布に対する抗菌性評価を実施した。すなわち、図8に示す洗濯機を用い、洗剤入りの水道水を循環させながら、3kgの木綿布を洗濯した。
洗濯終了後、カートリッジ化された抗菌性ガラスを載置したバイパスに通じるバルブを開閉して、水を流入させて、抗菌性ガラスと水とを直接的に接触させて、銀イオン含有水を作成した。また、抗菌性ガラスによって、適宜抗菌処理した水をリサイクルした。そして、被抗菌物としての木綿布に対して、抗菌処理した水を供給して、抗菌処理を施した。
このようにして得られた木綿布を、35℃、95%Rh、48時間の環境条件に放置し、以下の条件で抗菌性を評価した。
◎:臭いや黒ずみの発生が全く観察されない。
○:臭いや黒ずみの発生がほとんど観察されない。
△:臭いや黒ずみの発生が一部観察される。
×:顕著な臭いや黒ずみの発生が観察される。
(4)変色防止効果
上述したように、洗濯機を用いて抗菌性評価等を行なうとともに、得られた抗菌性ガラスの変色防止効果を評価した。すなわち、図8に示す洗濯機を用い、抗菌性評価を48時間行った後、抗菌性ガラスを取り出し、以下の条件で変色防止効果を評価した。なお、図12(a)に、評価開始前の抗菌性ガラス及び評価終了後の抗菌性ガラスの写真を示す。
◎:抗菌性ガラスに変色等が全く観察されない。
○:抗菌性ガラスに変色等がほとんど観察されない。
△:抗菌性ガラスに変色等が少々観察される。
×:顕著な抗菌性ガラスの変色等が観察される。
(5)識別性評価
上述したように、洗濯機を用いて抗菌性評価等を行なうとともに、得られた抗菌性ガラスの変色防止効果を評価した。すなわち、図8に示す洗濯機を用い、抗菌性評価を48時間行った後、図7(c)のように、カートリッジ化された抗菌性ガラスを取り出し、以下の条件で識別性評価を行なった。
◎:カートリッジ内の抗菌性ガラスの存在が顕著に識別される。
○:カートリッジ内の抗菌性ガラスの存在が容易に識別される。
△:カートリッジ内の抗菌性ガラスの存在が、一部識別されない。
×:カートリッジ内の抗菌性ガラスの存在が、全く識別されない。
[実施例2〜5]
実施例2〜5では、表1に示すように実施例1で使用したガラスの組成比及び無機系着色剤(酸化コバルト)を変えたほかは、実施例1と同様に、それぞれ抗菌性ガラスを作成して、評価した。
[比較例1〜3]
比較例1では、実施例1における酸化コバルトの添加量を0.0001重量%としたほかは、実施例1と同様に評価した。
また、比較例2では、実施例1における酸化コバルト(CoO)のかわりに、酸化鉄(Fe)を添加するとともに、その添加量を0.0001重量%としたほかは、実施例1と同様に評価した。
さらに、比較例3では、実施例1における酸化コバルトの添加量を0重量%、すなわち、酸化コバルトを添加しなかったほかは、実施例1と同様に評価した。
なお、図11(a)〜(b)に、比較例1〜3における変色防止効果の評価開始前の抗菌性ガラス及び評価終了後の抗菌性ガラスの写真をそれぞれ示す。
本発明の抗菌性ガラスによれば、最大径(t1)を所定範囲に制限するとともに、配合成分として、所定量の無機系着色剤を含有することにより、水と直接的に接触した場合であっても、初期の外観や識別性を維持したまま、繰り返し所定量の銀イオンを放出できるようになった。
また、本発明の抗菌性ガラスの製造方法によれば、このような最大径(t1)が所定範囲であって、配合成分として、所定量の無機系着色剤を含む抗菌性ガラスを効率的に得ることができるようになった。
したがって、最大径(t1)が所定範囲であって、所定量の無機系着色剤を含む抗菌性ガラスと、水とを、直接的に接触させて得られた銀イオン含有水により被抗菌物を処理することにより、例えば、洗濯中の被抗菌物に対しても、所定量の銀イオンを迅速に放出し、所定の抗菌処理を効率的に施すことができるとともに、繰り返し洗濯した被抗菌物において、同様の抗菌効果を発揮することができる。
よって、本発明の抗菌性ガラスは、洗濯機、食洗機、アイロン、加湿器、食材洗浄槽、医療用器具洗浄器、水洗式トイレ用水タンク、畜舎洗浄装置、人工芝グラウンド回転ノズル式洗浄装置、浴槽循環水装置、冷房用クーリングタワー、噴霧器、園芸用ホース等の各種装置に好適に使用することができる。
特に、アイロンや洗濯機、あるいは食洗機のように、相当の振動が加わるような装置においても、本発明の抗菌性ガラスは、優れた機械的特性や耐久性を示すことができ、かつ、外観的にも黒色化しないことから、本発明の抗菌性ガラスにとって、好適な用途である。

Claims (6)

  1. 銀イオンを放出することによって抗菌効果を発揮する平板状の抗菌性ガラスであって、最大径(t1)を3〜30mmの範囲内の値とし、かつ、
    配合成分として、無機系着色剤としての酸化コバルトを含有するとともに、当該無機系着色剤の添加量を、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の範囲内の値とし、
    さらに、前記銀イオンの溶出量を0.01〜0.45mg/(g・24Hrs)の範囲内の値とする
    ことを特徴とする抗菌性ガラス。
  2. 前記抗菌性ガラスに含まれる無機系着色剤の添加量をC1とし、同様に含まれる酸化銀の添加量をC2としたときに、C1/C2で表される比率を0.01〜3の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性ガラス。
  3. 前記抗菌性ガラスが、表面研磨処理してあることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性ガラス。
  4. 請求項1に記載の抗菌性ガラスと、全体量に対して、10〜90重量%の無機系着色剤を含有しない抗菌性ガラスと、を含むことを特徴とする抗菌性ガラス混合物。
  5. 銀イオンを放出することによって抗菌効果を発揮する平板状の抗菌性ガラスの製造方法であって、下記工程(A)〜(B)を含むことを特徴とする抗菌性ガラスの製造方法。
    (A)原材料を加熱溶融させて、全体量に対して、0.001〜0.5重量%の無機系着色剤としての酸化コバルトを含有する着色溶融ガラスを作成する溶融工程
    (B)着色溶融ガラスを冷却しながら、最大径(t1)が3〜30mmの抗菌性ガラスであって、前記銀イオンの溶出量を0.01〜0.45mg/(g・24Hrs)の範囲内の値とした抗菌性ガラスを得る成形工程
  6. 前記工程(B)において、抗菌性ガラスを研磨する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の抗菌性ガラスの製造方法。
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