JP4212053B2 - 結露防止構造を具えた溝型加熱成型乾燥機 - Google Patents
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このような処理手法のうちで、汚泥等の被処理物を乾燥させて粒状物・固形物を得る装置の一つとして、いわゆるバンド型通気乾燥装置がある。この装置は、ネットコンベヤに載置された被処理物間に、上方または下方から熱風を強制通過させて乾燥を図るものであり、熱風と被処理物との接触面が受熱面となるため、被処理物の表面面積が大きいほど有効伝熱面積が増して乾燥効率が高くなるものである。
このため汚泥等を被処理物とした場合には、このものをまず幅4〜7mm、長さ20〜60mm程度のスティック状に予備成型し、バンド型通気乾燥装置によって乾燥処理できるような形態としている。
そして被処理物H1から蒸発した水分は、前記駆動ローラ1A′及び従動ローラ1B′の下部に具えられたシュート4′の排出口4a′から乾燥室6′内に取りこまれた外気をキャリヤガスとして、乾燥室6′の上部に形成された排気口62′から排気される。
一方、乾燥品H2は、シュート4′の排出口4a′から排出するものであり、このシュート4′の下方に置かれたコンテナCに収容されることとなる。
すなわち前記乾燥室6′内の雰囲気を外部に排出するにあたっては、排気ファン64′によって吸引を行うものであるが、この際、シュート4′の排出口4a′から吸引された外気は乾燥室6′内の雰囲気よりも低温であるため、この外気と接触した多湿の雰囲気は温度が低下して過飽和と状態なり、乾燥室6′内や排気ダクト63′内で結露してしまうことがあった。
このような結露を防ぐためには、送風能力の過大な排気ファン64′を用い、より多くの外気を乾燥室6′内に取り込むことにより、過飽和状態を回避することができるが、シュート4′、乾燥室6′及び排気ダクト63′の全域において結露を防止するのは困難であった。
この発明によれば、乾燥室内に外気が取り込まれないため、被処理物から蒸発した水分が冷却されて乾燥室内や排気ダクト内等で凝縮してしまうのを回避することができる。また簡易な構成で乾燥室内に外気が取り込まれてしまうのを防ぐことができる。更にまた乾燥品の積み上げ高さに応じてファンネルを常時最適な高さに位置させることができる。
この発明によれば、乾燥室の排気口に接続された排気ファンの吸引作用によって負圧になった乾燥室内に、昇温した外気をキャリヤガスとして送り込むため、被処理物から蒸発した水分の凝縮を防ぎながら、乾燥機内の雰囲気を効率的に外部に排気することができる。
この発明によれば、ヒータによる圧力損失の影響が少ない状態で、外気を昇温して乾燥室内に供給することができるため、シュートの排出口から外気が入り込むのを防ぎつつ、乾燥室内の雰囲気の温度を上昇させて飽和水蒸気量を上昇させることができ、被処理物から蒸発した水分が乾燥室内や排気ダクト内で凝縮してしまうことを回避することができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
以下、溝型加熱成型乾燥機Dの構成を説明し、続いてその作動態様を説明する。
また前記溝10は同図に拡大して示すように、底面10aに対して側壁面10bを垂直に立ち上がるように凹状に形成されたり、あるいは底面10aに向かうにつれて幅広となったありみぞ状に形成されるものである。
なお底面10aの幅や側壁面10bの高さは、被処理物H1の性状(含水率や減容率)に応じて設定される。
そして駆動ローラ1A及び従動ローラ1Bは、機枠Fに具えられた軸受14によって軸支されるものであり、双方の動力伝達部11が密接した状態で位置することとなる。
なお前記駆動ローラ1Aと従動ローラ1Bとの接触個所の縦断面図は図4に拡大して示す状態となっており、駆動ローラ1Aにおける溝10と従動ローラ1Bにおける溝10とは互い違いに位置し、溝10の開口部は他方のローラの側周面1cによって閉鎖され、溝10内は閉空間となるものである。
なお前記爪35は基板31に対して櫛歯状に具えられるものであり、この実施例では1枚の基板31に対して溝10の数に対応した数の爪35を具えるようにした。
また前記付勢板32の下面にはリンク36が接続され、このリンク36の他端側に具えられたナットと、ハンドル37に具えられたボルトとの螺合位置を変化させることにより、溝10内での爪35の高さを調節可能としている。なお付勢板32の上面には、機枠Fに吊持されたスプリング38が係止されており、付勢板32等の重さによるネジ山への負荷を軽減させている。
この実施例では前記遮断機構5として、乾燥品H2を用いたマテリアルシールが採用されるものであり、具体的には前記シュート4の排出口4aに蛇腹シュート5Aを連設し、更にこの蛇腹シュート5Aの下端にファンネル51を具えるとともに、前記ファンネル51の下端部が、図2及び図5(c)に示すように、シュート4の排出口4aから排出された乾燥品H2に載置状態となるものである。
前記蛇腹シュート5Aは、布または樹脂素材等で作られた伸縮自在の筒状部材である。また前記ファンネル51は、漏斗形の部材であり、広口部か下方に位置するように、前記蛇腹シュート5Aの下端に具えられる。
(1)乾燥機の準備
まず被処理物H1の投入に先立って、溝型加熱成型乾燥機Dにおける駆動ローラ1A及び従動ローラ1Bを昇温しておくものであり、モータMを起動してこれら駆動ローラ1A及び従動ローラ1Bを回転させた状態で、ロータリージョイント19に蒸気(一例として0.5MPa(約160℃))を供給する。そしてロータリージョイント19に供給された蒸気は駆動ローラ1A及び従動ローラ1B内を通過しながらこれらを内側から昇温し、やがてドレンとなって他端側のロータリージョイント19から外部に排出される。
そしてシュート4の下方にコンテナCを配し、蛇腹シュート5Aを伸長させ、図5(b)に示すようにファンネル51の下端部がコンテナCの底部に密接するようにしておく。
次いでホッパ2に被処理物H1を投入すると、被処理物H1は駆動ローラ1Aと従動ローラ1Bとの接触個所において溝10内に順次圧入されるものであり、底面10aまで詰まった状態となる。そして駆動ローラ1A及び従動ローラ1Bの回転にともなって図3に示すように円軌道上を移動し、やがてスクレーパ3に至り、充分な加熱時間が確保されて所望の乾燥状態を得ることができるものである。
なおもちろんこのためには、被処理物H1の性状(含水率等)に応じて、ロータリージョイント19に供給される蒸気の温度及び量並びに駆動ローラ1A及び従動ローラ1Bの回転速度を適宜調節するものである。
そして図3に示すように、スクレーパ3に至った被処理物H1はこのものに掻き取られ、この際受ける衝撃や重力の作用によって幅4〜7mm、長さ20〜60mm程度のスティック状に分断され、乾燥品H2となってシュート4からコンテナC内に回収されることとなる。
そして上述したような被処理物H1の乾燥にともなって乾燥室6内には蒸気が充満してくるため、連続的あるいは断続的に排気ファン64を起動して蒸気の排出を図るものである。
この際、図5(b)に示すように、ファンネル51の下端部がコンテナCの底部に密接しているため、ここから乾燥室6内に外気が取り込まれてしまうことがなく、被処理物H1から蒸発した水分が外気によって冷却されて乾燥室6内や排気ダクト63内で凝縮してしまうのを回避することができる。
そしてファンネル51内において乾燥品H2が適量堆積した時点でウインチ54を起動して、図5(c)に示すようにファンネル51を上昇させ、ファンネル51から抜け出た乾燥品H2を崩落させるとともに、崩落した乾燥品H2にファンネル51の下端部が載置状態となるようにすることにより、乾燥品H2によるマテリアルシールを形成するものである。
やがてその後も、ファンネル51内において乾燥品H2が所定の高さまで堆積した時点でウインチ54を起動してファンネル51を上昇させ、蛇腹シュート5Aから乾燥品H2を排出しつつ、常時ファンネル51の下端部が乾燥品H2に載置状態となるようにする。
なおこの実施例で示した溝型加熱成型乾燥機Dは、前記蛇腹シュート5Aに具えたファンネル51と乾燥品H2とによって、外気と乾燥室6内の雰囲気との遮断を図るものであるため乾燥品H2の隙間からの洩れは完全に防ぐことはできない。このため例えば一定時間毎にファン57を起動して、ヒータ56によって昇温された外気をファンネル51及び蛇腹シュート5A内に供給し、これら個所での結露防止を図るものである。なおこの昇温された外気は、被処理物H1から蒸発した水分のキャリヤガスとしても機能することとなる。
すなわちこの実施例で示す溝型加熱成型乾燥機Dは図6に示すように、実施例1で示した溝型加熱成型乾燥機Dにおける蛇腹シュート5Aに替えて、給気機構5Bをシュート4の排出口4a付近に具えて成るものである。
前記給気機構5Bは、シュート4の排出口4a付近に具えられた給気管55と、この給気管55に接続されるヒータ56及び押し込み型のファン57とを具えて成る。なお前記給気管55における給気孔55aは、前記給気管55の長手方向に沿って複数形成されるものであり、且つ、シュート4内に臨むようにして形成されるものである。
このとき、排気ファン64の作用によって乾燥室6内は負圧となっているため、乾燥室6とシュート4との境界部分での気圧がほぼ0mmAgとなるような風圧・風量で、昇温された外気を供給するものである。これにより、昇温されていない外気がシュート4の排出口4aから乾燥室6内に取り込まれてしまうことがなく、被処理物H1から蒸発した水分が冷却されて乾燥室6内や排気ダクト63内で凝縮してしまうのを回避することができる。
なおこの実施例では、ファン57として押し込み型のものを採用しているため、ヒータ56による圧力損失の影響が少ない状態で、外気を昇温して乾燥室6内に供給することができるものである。なおこの昇温された外気は、被処理物H1から蒸発した水分のキャリヤガスとしても機能することとなる。
上述したように遮断機構5として給気機構5Bを採用した溝型加熱成型乾燥機Dは、シュート4の排出口4aから外気が入り込むのを防ぎつつ、乾燥室6内の雰囲気の温度を上昇させて飽和水蒸気量を上昇させることができ、被処理物H1から蒸発した水分が乾燥室6内や排気ダクト63内で凝縮してしまうことを回避することができる。
1A 駆動ローラ
1B 従動ローラ
1c 側周面
10 溝
10a 底面
10b 側壁面
11 動力伝達部
12 側板
13 フランジ
13a 孔
13b 軸
14 軸受
15 駆動スプロケット
16 従動スプロケット
17 チェーン
18 減速機
19 ロータリージョイント
2 ホッパ
3 スクレーパ
30 軸
31 基板
32 付勢板
33 スリーブ
35 爪
36 リンク
37 ハンドル
38 スプリング
4 シュート
4a 排出口
5 遮断機構
5A 蛇腹シュート
5B 給気機構
51 ファンネル
51a 給気口
52 ワイヤロープ
53 滑車
54 ウインチ
55 給気管
55a 給気孔
56 ヒータ
57 ファン
6 乾燥室
60 側板
61 天板
62 排気口
63 排気ダクト
64 排気ファン
C コンテナ
F 機枠
H1 被処理物
H2 乾燥品
M モータ
Claims (3)
- 乾燥室内に、側周部に溝が形成された一対のローラを互いに接触状態に配設し、これらローラの上方に配されたホッパから供給される被処理物を、前記溝内に圧入するとともにローラからの伝導熱によって乾燥させ、その後、乾燥された被処理物をスクレーパによって前記溝内から取り出して乾燥品を得る装置において、この装置は、前記一対のローラの下方に乾燥品排出用のシュートが具えられ、このシュートの排出口付近に、外気と乾燥室内の雰囲気との遮断機構が形成されて成るものであり、この遮断機構は、前記シュートの排出口に蛇腹シュートを連設し、更にこの蛇腹シュートの下端にファンネルを具えて成るものであり、更に蛇腹シュートの伸縮機構を具えることにより、前記ファンネルの高さ調整を可能とし、始発状態においてファンネルの下端部がシュートの下方に配されたコンテナの底部に密接して乾燥室内に外気が取り込まれてしまうのを防止し、その後は乾燥室から排出された乾燥品にファンネルの下端部が載置状態となるようにして乾燥室内に外気が取り込まれてしまうのを防止するように構成されたものであることを特徴とする結露防止構造を具えた溝型加熱成型乾燥機。
- 前記蛇腹シュートには、昇温した外気を供給するための給気機構が接続されていることを特徴とする請求項1記載の結露防止構造を具えた溝型加熱成型乾燥機。
- 乾燥室内に、側周部に溝が形成された一対のローラを互いに接触状態に配設し、これらローラの上方に配されたホッパから供給される被処理物を、前記溝内に圧入するとともにローラからの伝導熱によって乾燥させ、その後、乾燥された被処理物をスクレーパによって前記溝内から取り出して乾燥品を得る装置において、この装置は、前記一対のローラの下方に乾燥品排出用のシュートが具えられ、このシュートの排出口付近に、外気と乾燥室内の雰囲気との遮断機構が形成されて成るものであり、この遮断機構は、給気機構であり、シュートの排出口付近に具えられた給気管と、この給気管に接続されるヒータ及び外気を供給するためのファンとを具えて成ることを特徴とする結露防止構造を具えた溝型加熱成型乾燥機。
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