JP4211771B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載された車両用シートは、図6に示すように、車椅子として単独で使用可能なシート装置100と、そのシート装置100を連結して車室内外間で移動させるシート移動装置110(一部のみ記載)を備えている。
シート移動装置110は、シート装置100を支持するためのシート受け台112を有している。シート受け台112は、そのシート受け台112に対して車椅子として使用されているシート装置100が後退することで、そのシート装置100の下側に進入可能に構成されている。
前記車両用シートでは、シート装置100とシート移動装置110のシート受け台112とを連結するために、以下の手順で連結作業を行なう。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、連結作業における操作手順を削減して、作業を極力容易にすることである。
請求項1の発明は、車椅子として使用可能なシート装置と、該シート装置を連結して車室内外間で移動させるシート移動装置を備える車両用シートであって、前記シート装置は、前記シート移動装置に連結するための連結部を備えており、前記シート移動装置は、前記車椅子として使用されているシート装置が後退することで、前記連結部の下方にその連結部に対して間隔をあけた状態で進入し、前記連結部の下方に進入した状態で前記シート装置に対して相対的に上昇することにより前記連結部に係合し、さらに上昇することにより前記シート装置を持ち上げるシート受け台を備えており、前記シート受け台と前記シート装置との間には、前記シート受け台を前記連結部の下方に進入させたときに、前記シート装置を前記シート受け台に対する水平方向への移動を規制し、前記シート装置と前記シート受け台との上下方向の相対移動を許容した状態で保持する保持機構が設けられていることを特徴とする。
さらに、縦棒部の外周面が鉤部の外面に当接し、その縦棒部が凹部に押し込まれる過程で、前記鉤部は弾性力に抗して前記凹部の開口を開く方向に回動し、前記縦棒部の外周面が前記鉤部の内面に当接し、その縦棒部が前記凹部から引き出される過程で、前記鉤部は弾性力に抗して前記凹部の開口を開く方向に回動する。即ち、鉤部は弾性力で縦棒部を受け部材の凹部と嵌合した状態に保持する。
このため、保持機構がシート装置をシート受け台に保持している状態で、シート受け台を上昇させることにより、そのシート装置とシート受け台とを確実に連結できるようになる。また、シート装置に対してシート受け台を下降させことで、シート装置の横棒部とシート受け台の受け爪との連結を容易に解除できるようになる。
以下、図1〜図5に基づいて、本発明の実施形態1に係る車両用シートについて説明する。ここで、図1は本実施形態に係る車両用シートの保持機構及び位置決め機構を表す斜視図であり、図2は前記保持機構の動作を表す平面図、図3は前記保持機構及び位置決め機構を表す側面図(A図、B図)である。また、図4は前記車両用シートの全体斜視図、図5は車椅子として使用されるシート装置とシート移動装置との関係を表す背面図である。
ここで、図中の前後左右及び上下は車椅子として使用されるシート装置の前後左右及び上下を表している。
車両用シート10は、図4に示すように、車椅子として単独で使用可能なシート装置30と、そのシート装置30を連結して車室内外間で移動させるシート移動装置20とを備えている。
シート装置30は、図4、図5に示すように、シートクッション、シートバックからなるシート本体32と、前輪、後輪を備えシート本体32を支えるシートフレーム35とから構成されている。シートフレーム35には、シート移動装置20のシート受け台26(後記する)と重なる面に連結部が設けられている。
シート移動装置20は、車両フロアのメインベース21上に固定された回転盤22を備えており、その回転盤22に回転ベース23が支持されている。回転盤22は、相互に同軸で回転自在に組付けられた内輪(図示省略)と外輪22rとを備えており、外輪22rがメインベース21の上面に固定され、前記内輪が回転ベース23の下面側に固定されている。さらに、メインベース21上には、回転盤22の前記内輪を回転させるための回転モータ(図示省略)が取付けられている。
回転ベース23上には、左右一対の四節リンクアーム24,24の基端部が前後スライド可能に支持されており、その四節リンクアーム24,24の先端部に補助スライド機構を介してシート受け台26の基端部が連結されている。なお、回転ベース23には、四節リンクアーム24,24の基端部を前後スライドさせるためのスライド機構(図示省略)が設けられている。
このようにして、四節リンクアーム24,24の基端部が回転ベース23上を後退限位置まで後進すると、四節リンクアーム24,24の先端部が回転ベース23の位置まで引き込まれ、シート受け台26は回転ベース23よりも若干高い位置に保持される。次に、補助スライド機構が動作することにより、シート受け台26及びシート装置30が車室内の回転ベース23上に引き込まれる。この状態で、次に、回転盤22が動作し、回転ベース23が左方向に約90°回転することにより、シート装置30等は車両前方を向く運転位置まで戻される。
なお、シート装置30を地上に降ろす場合には、上記手順と逆の手順でシート移動装置20が作動される。
保持機構40は、上記したようにシート移動装置20のシート受け台26がシート装置30の下側に所定位置まで進入したときに、上下方向の相対移動を許容した状態でシート装置30をシート受け台26に保持する機構である。
保持機構40は、図1、図2に示すように、シート装置30に設けられた縦棒部42と、シート受け台26に設けられた受け部材44及び鉤部45等から構成されている。
縦棒部42は、シート装置30のシートフレーム35におけるフロントブラケット39に固定されている。フロントブラケット39は、図1に示すように、固定板39rと支持板39sとにより断面略L字形に形成されており、その固定板39rの部分がシートフレーム35の下側先端縁に固定されている。そして、フロントブラケット39の支持板39sがシートフレーム35の先端から下方に塀状に突出している。なお、図1ではシートフレーム35は省略されている。
縦棒部42は、図1に示すように、上下方向に延びる直線部42sと、上端に形成された曲げ部42wとにより側面形状が略逆L字形に形成されている。そして、縦棒部42の曲げ部42wの端部がフロントブラケット39の支持板39sの前面に固定されており、直線部42sの下端が上記したように横棒部52に固定されている。
鉤部本体45mは、図2に示すように、受け部材44の右側面44xから凹部46の開口46wまでを囲むように平面略L字形に形成されている。そして、鉤部本体45mが受け部材44の凹部46の開口46wを塞いだ状態で、鉤部本体45mの左端面45fが受け部材44の右側面44xに当接するとともに、その鉤部本体45mの先端が受け部材44のカイド部44eに当接するようになる(図2の実線参照)。
鉤部45の連結板45cの右後端には、凹部46の開口46wを塞ぐ方向に鉤部45を回動させるコイルバネ48の一端が掛けられており、そのコイルバネ48の他端がシート受け台26のバネ受け26x(図1参照)に掛けられている。これにより、鉤部45はコイルバネ48のバネ力で受け部材44の凹部46の開口46wを塞ぐ位置に保持されている。
上記したように、シート受け台26に設けられた受け部材44の凹部46及び鉤部45は、シート装置30の縦棒部42を半径方向から拘束する構成のため、シート装置30の縦棒部42とシート受け台26の受け部材44等とが嵌合した状態で、シート受け台26はシート装置30に対して上下方向に移動が可能となる。
即ち、コイルバネ48のバネ力が本発明における弾性力に相当する。
位置決め機構50は、上記した保持機構40によってシート装置30がシート移動装置20のシート受け台26に保持された状態で、そのシート受け台26が上昇する際に、シート装置30とシート受け台26とを位置決めする機構である。
位置決め機構50は、上記したシート装置30の横棒部52と、シート受け台26に設けられた受け爪55とから構成されている。受け爪55は、図1、図3に示すように、シート装置30の横棒部52の湾曲部52wを下方から受けられるように側面U字形のフック状に形成されている。受け爪55は、シート受け台26の先端中央左側で下方に折り曲げ成形された支持部26sに固定されている。
前記受け爪55は、図3(A)に示すように、保持機構40を構成するシート装置30の縦棒部42がシート受け台26における受け部材44の凹部46と嵌合した状態で、そのシート装置30の横棒部52(湾曲部52w)の真下に配置されるように、位置決めされている。
次に、車両用シート10の保持機構40及び位置決め機構50の動作について説明する。
図4に示すように、地上に降ろされたシート装置30をシート移動装置20のシート受け台26に連結する際は、前述のように、シート装置30を後退させて、シート受け台26をシート装置30の左右の後輪の間を通して連結部(図示省略)の下方に相対的に進入させる。このとき、シート装置30のガイド板37の働きにより、シート受け台26はシート装置30と中心をほぼ一致させた状態で、そのシート装置30の下側に進入するようになる。そして、シート装置30の後退により、先ず、そのシート装置30の下側先端部に設けられた縦棒部42がシート受け台26の先端部に設けられた鉤部45の外面45u(図2参照)に当接する。この状態からシート装置30がさらに後退すると、シート装置30の縦棒部42は鉤部45の外面45uにより受け部材44のガイド面44mまで導かれ、そのガイド面44mに沿って凹部46に押し込まれる。このとき、鉤部45の外面45uが縦棒部42の押圧力を受けることで、その鉤部45がコイルバネ48のバネ力に抗し、受け部材44の凹部46の開口46wを開く方向に回動する。これにより、シート装置30の縦棒部42は、シート受け台26の受け部材44の凹部46と半径方向から嵌合する。そして、縦棒部42と受け部材44の凹部46とが嵌合することで、鉤部45はコイルバネ48のバネ力によりその凹部46の開口46wを閉じる位置まで戻される。
即ち、シート装置30は、保持機構40の働きで、上下方向の相対移動を許容された状態で、シート受け台26に保持される(図3(A)参照)。また、この状態で、シート装置30とシート受け台26とは上下方向に所定距離離れている。
また、シート装置30とシート移動装置20のシート受け台26との連結を解除する場合には、シート装置30を地上に降ろした後、シート受け台26をさらに所定位置まで下降させる。これにより、シート装置30とシート受け台26との連結が解除されるとともに、図3(A)に示すように、シート受け台26の受け爪55とシート装置30の横棒部52との係合も解除される。さらに、図3(A)に示す状態から、シート装置30を車椅子として前進させると、鉤部45の内面45cが縦棒部42の押圧力を受けて、その鉤部45はコイルバネ48のバネ力に抗して凹部46の開口46wを開く方向に回動する。これにより、シート装置30の縦棒部42はシート受け台26の受け部材44の凹部46から引き抜かれる。そして、シート装置30の縦棒部42がシート受け台26の受け部材44から離れると、鉤部45はコイルバネ48のバネ力で再び凹部46の開口46wを閉じる位置まで戻される。
本実施形態に係る車両用シート10によると、シート装置30が保持機構40によってシート移動装置20のシート受け台26に保持されている状態で、そのシート装置30に対してシート受け台26を上昇させて、両者30,26を連結させることができる。このため、シート受け台26を上昇させる際にシート装置30がシート受け台26に対して水平方向に位置ずれを起こすことがない。したがって、シート装置30がシート受け台26によって持ち上げられるまでの間、そのシート装置30をブレーキでその位置に保持しておく必要がなくなる。即ち、シート装置30にブレーキを掛ける作業が不要になり、シート装置30とシート移動装置20のシート受け台26との連結作業が容易になる。
さらに、保持機構40は、車椅子として使用されるシート装置30の移動を妨げない程度の所定の保持力(バネ力)でシート装置30をシート受け台26に保持する。このため、シート装置30が地上に降ろされた状態で、そのシート装置30を移動させることにより、保持機構40による保持状態を容易に解消することができる。
さらに、シート装置30には横棒部52が設けられており、シート移動装置20のシート受け台26には横棒部52と係合可能な受け爪55が設けられている。そして、受け爪55は、保持機構40がシート装置30をシート受け台26に保持している状態で、シート受け台26が上昇することにより、横棒部52と係合する。このため、シート装置30とシート受け台26とを確実に連結できるようになる。また、シート装置30に対してシート受け台26を下降させことで、シート装置30の横棒部52とシート受け台26の受け爪55との連結を容易に解除できるようになる。
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、保持機構40の受け部材44、凹部46及び鉤部45をシート受け台26側に設け、縦棒部42をシート装置30側に設けた例を示したが、前記受け部材44、凹部46及び鉤部45をシート装置30側に設け、縦棒部42をシート受け台26側に設けることも可能である。
同様に、本実施形態では、位置決め機構50の受け爪55をシート受け台26側に設け、横棒部52をシート装置30側に設けた例を示したが、受け爪55をシート装置30側に設け、横棒部52をシート受け台26側に設けることも可能である。
さらに、保持機構40や位置決め機構50の設置位置を変更することも可能である。例えば、シート装置30の下側先端部とシート受け台26の先端部とが当接したときに、シート装置30及びシート受け台26の側面あるいは後部に位置する保持機構40が動作するような構成も可能である。同様に、位置決め機構50もシート装置30及びシート受け台26の側面あるいは後部に設置することが可能である。
また、本実施形態に係る保持機構40は、機械的な嵌合によりシート装置30をシート受け台26に保持する例を示したが、例えば、シート装置30側の第1の部材と、シート受け台26側の第2の部材とを磁力により互いに吸着可能に構成しておき、その第2の部材をシート受け台26に対して上下動可能に連結しておくことも可能である。
26 シート受け台
30 シート装置(車椅子)
40 保持機構
42 縦棒部
44 受け部材
45 鉤部
45u 外面
45e 内面
46 凹部
48 コイルバネ
50 位置決め機構
52 横棒部
55 受け爪
Claims (4)
- 車椅子として使用可能なシート装置と、該シート装置を連結して車室内外間で移動させるシート移動装置を備える車両用シートであって、
前記シート装置は、前記シート移動装置に連結するための連結部を備えており、
前記シート移動装置は、前記車椅子として使用されているシート装置が後退することで、前記連結部の下方にその連結部に対して間隔をあけた状態で進入し、前記連結部の下方に進入した状態で前記シート装置に対して相対的に上昇することにより前記連結部に係合し、さらに上昇することにより前記シート装置を持ち上げるシート受け台を備えており、
前記シート受け台と前記シート装置との間には、前記シート受け台を前記連結部の下方に進入させたときに、前記シート装置を前記シート受け台に対する水平方向への移動を規制し、前記シート装置と前記シート受け台との上下方向の相対移動を許容した状態に保持する保持機構が設けられていることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートであって、
前記保持機構は、前記シート装置に対して前方へ向けて所定値以上の力を作用させると、前記シート装置の保持状態を解消することを特徴とする車両用シート。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の車両用シートであって、
前記保持機構は、
前記シート装置、あるいは前記シート受け台に縦向きに固定された縦棒部と、
前記縦棒部が固定されていない前記シート受け台、あるいは前記シート装置に固定されており、前記縦棒部が半径方向から嵌合する切欠き状の凹部を備える受け部材と、
前記受け部材に回動可能な状態で装着されて、弾性力で前記凹部の開口を塞ぐ位置に保持されており、前記縦棒部の外周面が当接する外面と内面とを備える鉤部とを有しており、
前記縦棒部の外周面が前記鉤部の外面に当接し、その縦棒部が前記凹部に押し込まれる過程で、前記鉤部は弾性力に抗して前記凹部の開口を開く方向に回動し、
前記縦棒部の外周面が前記鉤部の内面に当接し、その縦棒部が前記凹部から引き出される過程で、前記鉤部は弾性力に抗して前記凹部の開口を開く方向に回動することを特徴とする車両用シート。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用シートであって、
前記シート装置、あるいは前記シート受け台に横向きに固定されている横棒部と、
前記横棒部が固定されていない前記シート受け台、あるいは前記シート装置に固定されており、前記横棒部と係合可能な受け爪とを有しており、
前記受け爪は、前記保持機構が前記シート装置を前記シート受け台に保持している状態で、前記シート受け台が上昇することにより、前記横棒部と係合することを特徴とする車両用シート。
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2005
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