JP4211198B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、詳しくはいわゆるデュアルハードマスクを用いてデュアルダマシン構造を形成する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2層のハードマスクを用いてデュアルダマシン構造を形成する方法として、三つの方法がある。
【0003】
第1の従来の製造方法は、酸化シリコン系の層間絶縁膜にデュアルダマシン構造を形成する製造方法である。この第1の従来の製造方法を、図4の製造工程断面図によって説明する。
【0004】
図4の(1)に示すように、基体111上にバリア層112、接続層113、中間エッチングストッパ層114、配線層115を順に積層形成する。上記基体111は、例えば基板(図示せず)上に素子、配線等(図示せず)を形成し、それらの素子、配線等を被覆する絶縁膜131を形成してなる。バリア層112は例えば窒化シリコン膜を50nmの厚さに堆積して形成される。接続層113は例えば酸化シリコン膜を500nmの厚さに堆積して形成される。中間エッチングストッパ層114は例えば窒化シリコン膜を100nmの厚さに堆積して形成される。配線層115は例えば酸化シリコン膜を300nmの厚さに堆積して形成される。
【0005】
次いで、配線層115上に下層ハードマスク121を例えば酸化シリコンを200nmの厚さに堆積して形成する。さらに、下層ハードマスク121上に上層ハードマスク122を例えば窒化シリコンを100nmの厚さに堆積して形成する。次いで、レジスト塗布技術によってレジスト膜(図示せず)を形成した後、リソグラフィー技術によってレジスト膜に配線溝を形成するための溝パターン(図示せず)を形成する。次いで、レジスト膜をエッチングマスクに用いて、上層ハードマスク122に配線溝を形成するための溝パターン123を形成する。その後、レジスト膜を除去する。
【0006】
次に、図4の(2)に示すように、上層ハードマスク122および溝パターン123を被覆するように、レジスト塗布技術によってレジスト膜124を形成した後、リソグラフィー技術によってレジスト膜124に接続孔を形成するための孔パターン125を形成する。
【0007】
次に、図4の(3)に示すように、レジスト膜124をマスクに用いたエッチングによって、下層ハードマスク121に孔パターン125を延長形成する。さらに図4の(4)に示すように、レジスト膜124をマスクに用いたエッチングによって、配線層115に孔パターン125を延長形成する。さらに、図4の(5)に示すように、中間エッチングストッパ層114に孔パターン125を延長形成する。その後、レジスト膜124〔前記図4の(4)参照〕を除去する。
【0008】
次に、図4の(6)に示すように、上層ハードマスク122をエッチングマスクに用いて、下層ハードマスク121に溝パターン123を延長形成し、さらに、配線層115に配線溝116を形成するとともに、中間エッチングストッパ層114をエッチングマスクに用いて接続層113に接続孔117を形成する。
【0009】
次に、図4の(7)に示すように、上層ハードマスク122〔前記図4の(6)参照〕を除去する。その際、配線溝116底部に露出している中間エッチングストッパ層114をエッチング除去して配線溝116を延長形成するとともに、接続孔117底部に露出しているバリア層112をエッチング除去して接続孔117を延長形成する。
【0010】
第2の従来の製造方法は接続孔が形成される配線間絶縁膜(接続層)に酸化シリコン系の比誘電率が4.0程度の、ノンドープトシリケートガラス(NSG)、リンシリケートガラス(PSG)、ホウ素リンシリケートガラス(BPSG)や、比誘電率が3.5程度のフッ素リンシリケートガラス(FSG)を用い、配線層間の絶縁膜(配線層)に有機系の比誘電率が2.7程度のポリアリールエーテルを用いて、デュアルダマシン構造を形成する製造方法である。この第2の従来の製造方法を、図5の製造工程断面図によって説明する。
【0011】
図5の(1)に示すように、基体111上にバリア層112、接続層113、配線層115を順に積層形成する。基体111は、例えば基板(図示せず)上に素子、配線等(図示せず)を形成し、それらの素子、配線等を被覆する絶縁膜131を形成してなる。上記バリア層112は例えば窒化シリコン膜を50nmの厚さに堆積して形成される。接続層113は例えば酸化シリコン膜を500nmの厚さに堆積して形成される。配線層115は例えば有機膜を400nmの厚さに堆積して形成される。
【0012】
次いで、上記配線層115上に下層ハードマスク121を例えば酸化シリコンを200nmの厚さに堆積して形成する。さらに、下層ハードマスク121上に上層ハードマスク122を例えば窒化シリコンを100nmの厚さに堆積して形成する。次いで、レジスト塗布技術によってレジスト膜(図示せず)を形成した後、リソグラフィー技術によって上記レジスト膜に配線溝を形成するための溝パターン(図示せず)を形成する。次いで、上記レジスト膜をエッチングマスクに用いて、上層ハードマスク122に配線溝を形成するための溝パターン123を形成する。その後、レジスト膜を除去する。
【0013】
次に、図5の(2)に示すように、上層ハードマスク122および溝パターン123を被覆するように、レジスト塗布技術によってレジスト膜124を形成した後、リソグラフィー技術によってレジスト膜124に接続孔を形成するための孔パターン125を形成する。
【0014】
次に、図5の(3)に示すように、上記レジスト膜124をマスクに用いたエッチングによって、下層ハードマスク121に孔パターン125を延長形成する。さらに図5の(4)に示すように、レジスト膜124〔前記図5の(3)参照〕をマスクに用いたエッチングによって、配線層115に上記孔パターン125を延長形成する。このとき、レジスト膜124もエッチング除去される。そのため、エッチング途中から下層ハードマスク121がエッチングマスクとしての機能を有する。さらに、図5の(5)に示すように、上層ハードマスク122をエッチングマスクに用いて下層ハードマスク121に溝パターン123を形成するとともに、配線層115をエッチングマスクに用いて接続層113に接続孔117を形成する。
【0015】
次に、図5の(6)に示すように、上層ハードマスク122および下層ハードマスク121をエッチングマスクに用いて、上記配線層115に配線溝116を形成する。
【0016】
次に、図5の(7)に示すように、上層ハードマスク122〔前記図5の(6)参照〕を除去する。その際、配線溝116底部は接続層113によってエッチングが停止され、接続孔117底部に露出しているバリア層112がエッチング除去されて、接続孔117が延長形成される。
【0017】
第3の従来の製造方法は、有機系の層間絶縁膜にデュアルダマシン構造を形成する製造方法である。この第3の従来の製造方法を、図6の製造工程断面図によって説明する。
【0018】
図6の(1)に示すように、基体111上にバリア層112、接続層113、中間エッチングストッパ層114、配線層115を順に積層形成する。基体111は、例えば基板(図示せず)上に素子、配線等(図示せず)を形成し、それらの素子、配線等を被覆する絶縁膜131を形成してなる。上記バリア層112は例えば窒化シリコン膜を50nmの厚さに堆積して形成される。接続層113は例えば有機膜を400nmの厚さに堆積して形成される。中間エッチングストッパ層114は例えば酸化シリコン膜を100nmの厚さに堆積して形成される。配線層115は例えば有機膜を400nmの厚さに堆積して形成される。
【0019】
次いで、上記配線層115上に下層ハードマスク121を例えば酸化シリコンを200nmの厚さに堆積して形成する。さらに、下層ハードマスク121上に上層ハードマスク122を例えば窒化シリコンを100nmの厚さに堆積して形成する。次いで、レジスト塗布技術によってレジスト膜(図示せず)を形成した後、リソグラフィー技術によってレジスト膜に配線溝を形成するための溝パターン(図示せず)を形成する。次いで、レジスト膜をエッチングマスクに用いて、上層ハードマスク122に配線溝を形成するための溝パターン123を形成する。その後、レジスト膜を除去する。
【0020】
次に、図6の(2)に示すように、上層ハードマスク122および溝パターン123を被覆するように、レジスト塗布技術によってレジスト膜124を形成した後、リソグラフィー技術によって上記レジスト膜124に接続孔を形成するための孔パターン125を形成する。
【0021】
次に、図6の(3)に示すように、上記レジスト膜124をマスクに用いたエッチングによって、下層ハードマスク121に上記孔パターン125を延長形成する。さらに図6の(4)に示すように、レジスト膜124〔前記図6の(3)参照〕をマスクに用いたエッチングによって、配線層115に上記孔パターン125を延長形成する。このとき、レジスト膜124もエッチング除去される。そのため、エッチング途中から下層ハードマスク121がエッチングマスクとしての機能を有する。さらに、図6の(5)に示すように、上層ハードマスク122をエッチングマスクに用いて下層ハードマスク121に溝パターン123を延長形成するとともに、配線層115をエッチングマスクに用いて中間エッチングストッパ層114に接続孔117の上部を形成する。
【0022】
次に、図6の(6)に示すように、上層、下層ハードマスク122、121をエッチングマスクに用いて、配線層115に配線溝116を形成するとともに、中間エッチングストッパ層114をエッチングマスクに用いて接続層113に接続孔117を形成する。
【0023】
次に、図6の(7)に示すように、上層ハードマスク122〔前記図6の(6)参照〕を除去する。その際、中間エッチングストッパ層114がエッチングマスクとなって、接続孔117底部に露出しているバリア層112をエッチング除去して接続孔117を延長形成する。
【0024】
上記従来の製造方法で配線層や接続層に用いた有機膜は、一般に酸化シリコン系の絶縁膜と比較して誘電率が低いため、配線の寄生容量が減少し信号遅延を下げることができる。そのため、高性能半導体装置への適用が検討されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の従来の製造方法では、配線層に対する上層ハードマスクのエッチング選択性が低いため、配線溝が拡大して形成される。その結果、配線層に形成される配線溝が設計寸法よりも拡大して形成されることになる。
【0026】
配線溝の拡大形成を防ぐには、上層ハードマスクを厚膜化することが効果的ではあるが、上層ハードマスクを厚膜化した場合には、その後の孔パターンを形成するリソグラフィー工程で解像度の低下を来たすことになる。
【0027】
そこで、フォトリソグラフィー工程では、膜厚が50nm〜100nmの反射防止膜を感光レジスト膜の下地に形成しておくことで、下地からの光線の反射を防ぎ、解像度を改善することが行なわれる。しかしながら、反射防止膜の形成時に段差があると反射防止膜を均一な膜厚に成膜することができない。その結果、フォトリソグラフィー工程における解像度が低下することになる。特に、段差が100nm以上の場合には、反射防止膜をカバリッジよく形成することができない。例えば、レジスト膜に接続孔を形成するための孔パターンを形成する工程においては、最小解像径は100nmの段差がある場合には0.22μmであり、200nmの段差がある場合には0.25μmとなる。このように、段差が少ないほどフォトリソグラフィー工程での解像度が高まる。そこで、孔径が0.13μmのような微細孔加工を安定して行なうには、段差を100nm以下に抑えることが重要となってくる。
【0028】
一方、リソグラフィー技術には、段差の影響を受けることが無い電子線直接描画リソグラフィー技術があるが、電子線直接描画リソグラフィー技術は製造コストが高いため、量産向きではない。
【0029】
配線溝の拡大の問題は、配線溝を形成する工程のエッチング量が多いほど大きくなる。第1、第2の従来の製造方法ではエッチング量がおよそ500nmあり、第3の従来の製造方法ではエッチング量がおよそ200nmある。そのため、第1、第2の従来の製造方法では、配線溝の拡大の問題がより賢著に現れる。実際の加工結果をもとに配線幅の広がり量Δを測定したところ、第1、第2の従来の製造方法ではΔ=120nmであり、第3の従来の製造方法ではΔ=40nmであった。例えば、配線ピッチが400nm(配線幅が200nmと配線間隔が200nm)の配線を形成するためには、配線幅の拡大は配線幅の5%以下、つまり上記例の場合には10nm以下に抑えることが要求される。そのため、第1〜第3の従来の製造方法を適用することが困難になる。
【0030】
配線溝が拡大して形成された場合には隣接する配線溝どうしが連結されるため、配線溝に導電性材料を埋め込んで配線を形成した場合には、隣接する配線どうしが短絡して短絡不良が起こすことになる。また、リソグラフィー精度が落ちると狙い通りの位置に狙い通りの大きさのパターンを形成することが困難になるため、接続不良、短絡不良が一層起こり易くなる。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた半導体装置の製造方法である。
【0032】
本発明の半導体装置の製造方法は、基体上に接続孔が形成される第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜上に配線溝が形成される第2の絶縁膜を形成する工程と、前記第2の絶縁膜上に接続孔を形成するための孔パターンが形成される酸化シリコンからなる第1のマスク下層を形成する工程と、前記第1のマスク下層上に配線溝を形成するための溝パターンを形成した窒化シリコンからなる第2のマスク層を形成する工程と、前記溝パターン内に酸化シリコンを埋め込んで、前記第2のマスク層の上面と面一にした上面を有する第1のマスク上層を形成して前記第1のマスク下層と前記第2のマスク上層とで第1のマスク層を構成する工程と、少なくとも前記溝パターンに一部が重なるように前記第1のマスクに孔パターンを形成する工程とを備えた製造方法である。
【0033】
上記半導体装置の製造方法では、前記溝パターン内に前記第1のマスク下層と同種の材料を埋め込んで第1のマスク上層を形成して前記第1のマスク下層と前記第2のマスク上層とで第1のマスク層を構成する工程を備えていることから、上層マスクの第2のマスク層を厚膜化しても、第1、第2のマスク層表面は平坦化された状態になり、従来の製造方法で生じていた第2のマスク層の段差を軽減することが可能になる。そのため、第1のマスク層に孔パターンを形成する際のリソグラフィー工程では、平坦化された第1、第2のマスク層上にレジスト膜を形成してリソグラフィー工程を実施することが可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置の製造方法に係る第1の実施の形態を、図1の製造工程断面図によって説明する。
【0035】
図1の(1)に示すように、基体11上に第1の絶縁膜12としてバリア層13と接続層14とを下層より順に形成する。さらに第1の絶縁膜12上に、第2の絶縁膜15として中間エッチングストッパ層16と配線層17とを下層より順に積層形成する。上記基体11は、例えば基板(図示せず)上に素子、配線等(図示せず)を形成し、それらの素子、配線等を被覆する絶縁膜31を形成してなる。上記バリア層13は例えば窒化シリコン膜を50nmの厚さに堆積して形成される。接続層14は例えば酸化シリコン膜を500nmの厚さに堆積して形成される。中間エッチングストッパ層16は例えば窒化シリコン膜を100nmの厚さに堆積して形成される。配線層17は例えば酸化シリコン膜を300nmの厚さに堆積して形成される。
【0036】
次いで、上記第2の絶縁膜15上に下層ハードマスクとして第1のマスク下層21を例えば酸化シリコンを200nmの厚さに堆積して形成する。さらに、上記第1のマスク下層21上に上層ハードマスクとなる第2のマスク層22を例えば窒化シリコンを200nmの厚さに堆積して形成する。この第2のマスク層22は100nmよりも厚く形成されることが必要であり、望ましくは150nm〜250nmの厚さに形成する。第2のマスク層22を上記厚さに形成することにより、エッチングマスクとしての十分なエッチング耐性が確保される。なお、第2mのマスク層22は比誘電率が比較的高い窒化シリコンで形成されているので、最終的には除去されることが望ましい。しかしながら、第2のマスク層22を250nmよりも厚く形成すると、配線溝および接続孔を形成した後に行うエッチング工程で除去することが難しくなる。
【0037】
次いで、レジスト塗布技術によってレジスト膜(図示せず)を形成した後、リソグラフィー技術によって上記レジスト膜に配線溝を形成するための溝パターン(図示せず)を形成する。次いで、上記レジスト膜をエッチングマスクに用いて、上記第2のマスク層22に溝パターン23を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。
【0038】
図1の(2)に示すように、上記第2のマスク層22上に上記溝パターン23を埋め込む第1のマスク上層24を例えば酸化シリコン膜を400nmの厚さに堆積して形成する。その後、化学的機械研磨によって、上記第1のマスク上層24を第2のマスク層22の表面が露出するまで研磨して除去し、溝パターン23の内部に第1のマスク上層24を残す。この結果、上記第1のマスク上層24と第1のマスク下層21とで第1のマスク層25が形成される。なお、図面では研磨後の状態を示した。
【0039】
次に、図1の(3)に示すように、上記第2のマスク層22および上記第1のマスク層25を被覆するように、レジスト塗布技術によってレジスト膜26を形成した後、リソグラフィー技術によって上記レジスト膜26に接続孔を形成するための孔パターン27を形成する。
【0040】
次に、図1の(4)に示すように、上記レジスト膜26をマスクに用いたエッチングによって、上記第1のマスク層25に上記孔パターン27を延長形成する。さらに図1の(5)に示すように、上記レジスト膜26をマスクに用いたエッチングによって、配線層17に上記孔パターン27を延長形成する。さらに、図1の(6)に示すように、中間エッチングストッパ層16に孔パターン27を延長形成する。その後、レジスト膜26〔前記図1の(5)参照〕を除去する。
【0041】
次に、図1の(7)に示すように、上記第2のマスク層22をエッチングマスクに用いて、第1のマスク層25に溝パターン23を形成する。さらに、上記配線層17に配線溝18を形成する。それとともに、上記中間エッチングストッパ層16をエッチングマスクに用いて上記接続層14に接続孔19を形成する。
【0042】
次に、図1の(8)に示すように、第2のマスク層22〔前記図1の(7)参照〕を除去する。その際、配線溝18底部に露出している中間エッチングストッパ層16を除去して配線溝18を延長形成するとともに、接続孔19底部に露出しているバリア層13を除去して接続孔19を延長形成する。
【0043】
上記第1の実施の形態では、溝パターン23内に第1のマスク下層21と同種の材料を埋め込んで第1のマスク上層24を形成して、第1のマスク下層21と第2のマスク上層24とで第1のマスク層25を構成する工程を備えていることから、第2のマスク層22を厚膜化しても、第1、第2のマスク層25、22表面は平坦化された状態になり、従来の製造方法で生じていた第2のマスク層22の段差を軽減もしくは無くすことが可能になる。そのため、第1のマスク層25に孔パターン27を形成する際のリソグラフィー工程では、平坦化された第1、第2のマスク層25、22上にレジスト膜26を形成してリソグラフィー工程を実施することが可能になる。さらに、第2のマスク層22を厚膜化することが可能になるため、配線溝18を形成する際に生じていた第2のマスク層22の後退を抑制することができるので、配線溝18の拡大が軽減される。
【0044】
本発明の半導体装置の製造方法に係る第2の実施の形態を、図2の製造工程断面図によって説明する。
【0045】
図2の(1)に示すように、基体11上に第1の絶縁膜12としてバリア層13と接続層14とを下層より順に形成する。さらに第1の絶縁膜12上に、第2の絶縁膜15を形成する。上記基体11は、例えば基板(図示せず)上に素子、配線等(図示せず)を形成し、それらの素子、配線等を被覆する絶縁膜31を形成してなる。バリア層13は例えば窒化シリコン膜を50nmの厚さに堆積して形成される。接続層14は例えば酸化シリコン膜を500nmの厚さに堆積して形成される。第2の絶縁膜15は例えば有機膜を400nmの厚さに堆積して形成される。
【0046】
次いで、上記第2の絶縁膜15上に第1のマスク下層21を例えば酸化シリコンを200nmの厚さに堆積して形成する。さらに、上記第1のマスク下層21上に第2のマスク層22を例えば窒化シリコンを200nmの厚さに堆積して形成する。この第2のマスク層22は100nmよりも厚く形成されることが必要であり、望ましくは150nm〜250nmの厚さに形成する。この厚さに形成することにより、エッチングマスクとしての十分なエッチング耐性が確保される。なお、第2のマスク層22は比誘電率が比較的高い窒化シリコンで形成されているので、最終的には除去されることが望ましい。しかしながら、第2のマスク層22を250nmよりも厚く形成すると、配線溝および接続孔を形成した後に行うエッチング工程で除去することが難しくなる。
【0047】
次いで、レジスト塗布技術によってレジスト膜(図示せず)を形成した後、リソグラフィー技術によって上記レジスト膜に配線溝を形成するための溝パターン(図示せず)を形成する。次いで、上記レジスト膜をエッチングマスクに用いて、上記第2のマスク層22に溝パターン23を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。
【0048】
図2の(2)に示すように、上記第2のマスク層22上に上記溝パターン23を埋め込む第1のマスク上層24を例えば酸化シリコン膜を400nmの厚さに堆積して形成する。その後、化学的機械研磨によって、上記第1のマスク上層24を第2のマスク層22の表面が露出するまで研磨して除去し、溝パターン23の内部に第1のマスク上層24を残す。この結果、上記第1のマスク上層24と第1のマスク下層21とで第1のマスク層25が形成される。なお、図面では研磨後の状態を示した。
【0049】
次に、図2の(3)に示すように、上記第2のマスク層22および上記第1のマスク層25を被覆するように、レジスト塗布技術によってレジスト膜26を形成した後、リソグラフィー技術によって上記レジスト膜26に接続孔を形成するための孔パターン27を形成する。
【0050】
次に、図2の(4)に示すように、上記レジスト膜26をマスクに用いたエッチングによって、上記第1のマスク層25に上記孔パターン27を延長形成する。さらに図2の(5)に示すように、上記レジスト膜26〔前記図2の(4)参照〕をマスクに用いたエッチングによって、上記第2の絶縁膜15に上記孔パターン27を延長形成する。このとき、有機膜であるレジスト膜26もエッチング除去される。そのため、エッチング途中から第1のマスク層25がエッチングマスクとしての機能を果たす。したがって、上記レジスト膜26を除去する工程は行なう必要がない。さらに、図2の(6)に示すように、第2のマスク層22をエッチングマスクに用いて第2のマスク層22に溝パターン23を再び開口する。さらに第1のマスク層25に溝パターン23を延長形成する。それとともに、第2の絶縁膜15をエッチングマスクに用いて接続層14に接続孔19を形成する。
【0051】
次に、図2の(7)に示すように、上記第2のマスク層22および第1のマスク層25をエッチングマスクに用いて、上記第2の絶縁膜15に配線溝18を形成する。
【0052】
次に、図2の(8)に示すように、第2のマスク層22〔前記図2の(7)参照〕を除去する。その際、配線溝18底部に露出している接続層14はエッチングマスクとしての機能を果たし、接続孔19底部に露出しているバリア層13がエッチング除去される。
【0053】
上記第2の実施の形態では、溝パターン23内に第1のマスク下層21と同種の材料を埋め込んで第1のマスク上層24を形成して第1のマスク下層21と第2のマスク上層24とで第1のマスク層25を構成する工程を備えていることから、第2のマスク層22を厚膜化しても、第1、第2のマスク層25、22表面は平坦化された状態になり、従来の製造方法で生じていた第2のマスク層22の段差を軽減もしくは無くすことが可能になる。そのため、第1のマスク層25に孔パターン27を形成する際のリソグラフィー工程では、平坦化された第1、第2のマスク層25、22上にレジスト膜26を形成してリソグラフィー工程を実施することが可能になる。さらに、第2のマスク層22を厚膜化することが可能になるため、配線溝18を形成する際に生じていた第2のマスク層22の後退を抑制することができるので、配線溝18の拡大が軽減される。
【0054】
次に本発明の半導体装置の製造方法に係る第3の実施の形態を、図3の製造工程断面図によって説明する。
【0055】
図3の(1)に示すように、基体11上に第1の絶縁膜12としてバリア層13と接続層14と中間エッチングストッパ層16とを下層より順に形成する。さらに第1の絶縁膜12上に、配線層となる第2の絶縁膜15を形成する。上記基体11は、例えば基板(図示せず)上に素子、配線等(図示せず)を形成し、それらの素子、配線等を被覆する絶縁膜31を形成してなる。上記バリア層13は例えば窒化シリコン膜を50nmの厚さに堆積して形成される。接続層14は例えば有機膜を400nmの厚さに堆積して形成される。中間エッチングストッパ層16は例えば酸化シリコン膜を100nmの厚さに堆積して形成される。第2の絶縁膜15は例えば有機膜を400nmの厚さに堆積して形成される。
【0056】
次いで、上記第2の絶縁膜15上に第1のマスク下層21を例えば酸化シリコンを200nmの厚さに堆積して形成する。さらに、上記第1のマスク下層21上に第2のマスク層22を例えば窒化シリコンを200nmの厚さに堆積して形成する。この第2のマスク層22は100nmよりも厚く形成されることが必要であり、望ましくは150nm〜250nmの厚さに形成する。この厚さに形成することにより、エッチングマスクとしての十分なエッチング耐性が確保される。なお、第2のマスク層22は比誘電率が比較的高い窒化シリコンで形成されているので、最終的には除去されることが望ましい。しかしながら、第2のマスク層22を250nmよりも厚く形成すると、配線溝および接続孔を形成した後に行うエッチング工程で除去することが難しくなる。
【0057】
次いで、レジスト塗布技術によってレジスト膜(図示せず)を形成した後、リソグラフィー技術によって上記レジスト膜に配線溝を形成するための溝パターン(図示せず)を形成する。次いで、上記レジスト膜をエッチングマスクに用いて、上記第2のマスク層22に溝パターン23を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。
【0058】
図3の(2)に示すように、上記第2のマスク層22上に上記溝パターン23を埋め込む第1のマスク上層24を例えば酸化シリコン膜を400nmの厚さに堆積して形成する。その後、化学的機械研磨によって、上記第1のマスク上層24を第2のマスク層22の表面が露出するまで研磨して除去し、溝パターン23の内部に第1のマスク上層24を残す。この結果、上記第1のマスク上層24と第1のマスク下層21とで第1のマスク層25が形成される。なお、図面では研磨後の状態を示した。
【0059】
次に、図3の(3)に示すように、上記第2のマスク層22および上記第1のマスク層25を被覆するように、レジスト塗布技術によってレジスト膜26を形成した後、リソグラフィー技術によって上記レジスト膜26に接続孔を形成するための孔パターン27を形成する。
【0060】
次に、図3の(4)に示すように、上記レジスト膜26をマスクに用いたエッチングによって、上記第1のマスク層25に上記孔パターン27を延長形成する。さらに図3の(5)に示すように、上記レジスト膜26〔前記図3の(4)参照〕をマスクに用いたエッチングによって、第2の絶縁膜15に上記孔パターン27を延長形成する。このとき、有機膜であるレジスト膜26もエッチング除去される。そのため、エッチング途中から第1のマスク層25がエッチングマスクとしての機能を果たす。したがって、上記レジスト膜26を除去する工程は行なう必要がない。さらに、図3の(6)に示すように、第2のマスク層22をエッチングマスクに用いて第2のマスク層22に溝パターン23を再び開口する。さらに第1のマスク層25に溝パターン23を延長形成する。それとともに、第2の絶縁膜15をエッチングマスクに用いて上記中間エッチングストッパ層16に孔パターン27を延長形成する。
【0061】
次に、図3の(7)に示すように、上記第2のマスク層22および上記第1のマスク層25をエッチングマスクに用いて、上記第2の絶縁膜15に配線溝18を形成するとともに、上記中間エッチングストッパ層16をエッチングマスクに用いて接続層14に接続孔19を形成する。
【0062】
次に、図3の(8)に示すように、第2のマスク層22〔前記図3の(7)参照〕を除去する。その際、中間エッチングストッパ層16がマスクとなって接続孔19底部に露出しているバリア層13もエッチング除去される。
【0063】
上記第3の実施の形態では、溝パターン23内に第1のマスク下層21と同種の材料を埋め込んで第1のマスク上層24を形成して第1のマスク下層21と第2のマスク上層24とで第1のマスク層25を構成する工程を備えていることから、第2のマスク層22を厚膜化しても、第1、第2のマスク層25、22表面は平坦化された状態になり、従来の製造方法で生じていた第2のマスク層22の段差を軽減もしくは無くすことが可能になる。そのため、第1のマスク層25に孔パターン27を形成する際のリソグラフィー工程では、平坦化された第1、第2のマスク層25、22上にレジスト膜26を形成してリソグラフィー工程を実施することが可能になる。さらに、第2のマスク層22を厚膜化することが可能になるため、配線溝18を形成する際に生じていた第2のマスク層22の後退を抑制することができるので、配線溝18の拡大が軽減される。
【0064】
なお、上記各実施の形態において、酸化シリコン膜の成膜では、段差を平坦化できる高密度プラズマCVD装置を用いて成膜することができる。または、平行平板型プラズマCVD装置を用いて成膜することもできる。または回転塗布装置を用いてSOGを成膜することによって形成してもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の半導体装置の製造方法によれば、第2のマスク層を厚膜化しても、第1、第2のマスク層表面は平坦化された状態にできるので、従来の製造方法で生じていた第2のマスク層の段差を軽減もしくは無くすことができる。そのため、第1のマスク層に孔パターンを形成する際のリソグラフィー工程の加工マージンを少なくすることができるので、微細化が可能になり高集積化が図れる。さらに、第2のマスク層を厚膜化することが可能になるため、配線溝を形成する際に生じていた第2のマスク層の後退を抑制することができるので、配線溝の拡大を軽減することができる。よって、信頼性の高い配線形成が可能になり、歩留まりの向上も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法に係る第1の実施の形態を示す製造工程断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法に係る第2の実施の形態を示す製造工程断面図である。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法に係る第3の実施の形態を示す製造工程断面図である。
【図4】第1の従来の製造方法を示す製造工程断面図である。
【図5】第2の従来の製造方法を示す製造工程断面図である。
【図6】第3の従来の製造方法を示す製造工程断面図である。
【符号の説明】
11…基体、12…第1の絶縁膜、15…第2の絶縁膜、18…配線溝、19…接続孔、21…第1のマスク下層、22…第2のマスク層、27…孔パターン、23…溝パターン、24…第1のマスク上層、25…第1のマスク層

Claims (4)

  1. 基体上に接続孔が形成される第1の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜上に配線溝が形成される第2の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の絶縁膜上に接続孔を形成するための孔パターンが形成される酸化シリコンからなる第1のマスク下層を形成する工程と、
    前記第1のマスク下層上に配線溝を形成するための溝パターンを形成した窒化シリコンからなる第2のマスク層を形成する工程と、
    前記溝パターン内に酸化シリコンを埋め込んで、前記第2のマスク層の上面と面一にした上面を有する第1のマスク上層を形成して前記第1のマスク下層と前記第1のマスク上層とで第1のマスク層を構成する工程と、
    少なくとも前記溝パターンに一部が重なるように前記第1のマスク層に孔パターンを形成する工程と
    を備えた半導体装置の製造方法。
  2. 前記第2の絶縁膜はエッチングストッパ層と配線間絶縁膜とを積層して形成されたものからなり、
    前記第1のマスク層に孔パターンを形成した後、
    前記孔パターンが形成された第1のマスク層および第2のマスク層を用いて前記第2の絶縁膜に前記エッチングストッパ層も含めて前記孔パターンをさらに延長形成する工程と、
    前記溝パターン内の前記第1のマスク上層を除去して再び前記溝パターンを開口する工程と、
    前記第2のマスク層とともに前記エッチングストッパ層をマスクに用いて、前記第2の絶縁膜に配線溝を形成するとともに、前記第1の絶縁膜に接続孔を形成する工程と
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1のマスク層に孔パターンを形成した後、
    前記孔パターンが形成された第1のマスク層および第2のマスク層を用いて前記第2の絶縁膜に前記孔パターンを延長形成する工程と、
    前記溝パターン内の前記第1のマスク上層を除去して再び前記溝パターンを開口する工程と、
    前記第2のマスク層を用いて前記第1のマスク層に配線溝を形成する工程と、
    前記第2のマスクおよび前記第2の絶縁膜をマスクに用いて前記第1の絶縁膜に接続孔を形成する工程と、
    前記第2のマスクをマスクに用い、かつ前記第1の絶縁膜をエッチングストッパとして前記第2の絶縁膜に配線溝を形成する工程と
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1の絶縁膜は配線層間絶縁膜とエッチングストッパ層とを積層して形成されたものからなり、
    前記第1のマスク層に孔パターンを形成した後、
    前記孔パターンが形成された第1のマスク層および第2のマスク層を用いて前記第2の絶縁膜に前記孔パターンを延長形成する工程と、
    前記孔パターンが形成された第1のマスク層および第2のマスク層を用いて前記第2の絶縁膜に前記エッチングストッパ層も含めて前記孔パターンをさらに延長形成する工程と、
    前記第2のマスク層を用いて前記第1のマスク層に溝パターンを形成する工程と、
    前記第2のマスク層とともに前記エッチングストッパ層をマスクに用いて、前記第2の絶縁膜に配線溝を形成するとともに、前記第1の絶縁膜に接続孔を形成する工程と
    を備えた請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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