JP4211094B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の並列回路に分割された熱源機側熱交換器を有する冷媒回路を備えた冷房サイクル装置の冷媒流路開閉機構と回路構成の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷凍サイクル装置の一例を図24に、また別の一例を図26に示す。図24は熱源機1台に対して複数台の室内機を接続した多室型ヒートポンプ空気調和機の一例で、全ての室内機を同時に冷房または暖房できるものである。図26は熱源機1台に対して複数台の室内機を接続した多室型ヒートポンプ空気調和機の一例で、ある室内機で冷房を選択しながら、別の室内機では暖房も同時に選択できるものである。
【0003】
まず、図24に示す空気調和装置の構成を、本図に従って説明する。Aは熱源機、B,C,Dは互いに並列接続された室内機でそれぞれ同じ構成となっている。
1は圧縮機、2は熱源機Aにおける冷媒流通方向を切換える四方弁、3は熱源機側熱交換器、18は熱源機側熱交換器3に空気を送風する送風量可変の熱源機側送風機であり、これらによって熱源機Aが構成されている。
10B,10C,10Dは3台の室内機B,C,Dに設けられた室内機側熱交換器、11B,11C,11Dは3台の室内機B,C,Dに設けられた第1の流量制御弁である。15Aは熱源機Aの四方弁2と室内機B,C,Dとを接続する第1の熱源機側接続配管、15B,15C,15Dは室内機B,C,Dの室内機側熱交換器10C,10D,10Eと第1の熱源機側接続配管15Aとを接続する第1の室内機側接続配管、5は第1の熱源機側接続配管15Aと第1の室内機側接続配管15B,15C,15Dとを分岐接続する第1の分岐部である。16Aは熱源機Aの熱源機側熱交換器3と室内機B,C,Dとを接続する第2の熱源機側接続配管、16B,16C,16Dは室内機B,C,Dの第1の流量制御弁11C,11D,11Eと第2の熱源機側接続配管16Aとを接続する第2の室内機側接続配管、6は第2の熱源機側接続配管16Aと第2の室内機側接続配管16B,16C,16Dとを分岐接続する第2の分岐部である。
19は冷凍サイクルの高圧部分に設けられた凝縮温度検出手段であり、この場合には圧縮機1の吐出配管に配せられている。20は冷凍サイクルの低圧部分に設けられた蒸発温度検出手段でこの場合には圧縮機1の吸入配管に配せられている。
また、熱源機側熱交換器3は互いに並列に分岐接続された第1の冷媒回路21、第2の冷媒回路22、第3の冷媒回路23より形成される。第1の冷媒回路21には第1の熱交換器24が配備され、その四方弁2側の一端には双方向の流れを開閉できる第1の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3aを、他の一端には双方向の流れを開閉できる第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3cを配してある。これら2個の電磁弁3a,3cの開閉により第1の冷媒回路21への冷媒流通を制御し、第1の熱交換器24における熱交換の有無を制御する。第2の冷媒回路22には第2の熱交換器25が配備され、その四方弁2側の一端には双方向の流れを開閉できる第2の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3bを、他の一端には双方向の流れを開閉できる第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3dを配してある。これら2個の電磁弁3b,3dの開閉により第2の冷媒回路22への冷媒流通を制御し、第2の熱交換器25における熱交換の有無を制御する。第3の冷媒回路23の配管途中には双方向の流れを開閉できる第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eが配備され、この電磁弁3eの開閉により第1の熱交換器24、第2の熱交換器25をバイパスする冷媒流れの有無を制御する。
【0004】
つぎに、この装置の冷媒の流れを図25に添って説明する。図中実線矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示し、破線矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示す。まず冷房運転時の流れを説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒が四方弁2を経て熱源機側熱交換器3へ流入し、ここで送風機18で送られる空気と熱交換して凝縮・液化する。凝縮・液化した高圧の液冷媒は第2の熱源機側接続配管16Aを経て第2の分岐部6に流入し、ここで第2の室内機側接続配管16B,16C,16Eに分流し、各室内機B,C,Dに流入する。各室内機B,C,Dに流入した高圧の液冷媒は第1の流量制御弁11B,11C,11Dで低圧二相状態まで減圧されて室内機側熱交換器10B,10C,10Dに流入し、ここで室内機の送風機(図示せず)によって送られる空気と熱交換してガス化する。ガス化した低温低圧のガス冷媒は室内機B,C,Dを流出後、第1の室内機側接続配管15B,15C,15Dを経て、第1の分岐部5で合流し、第1の熱源機側接続配管15Aを経て熱源機Aに流入する。熱源機Aでは四方弁2を経て圧縮機1へ戻る。このようにして冷房運転を行う。
【0005】
つぎに暖房運転時の流れを説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒が四方弁2を経て第1の熱源機側接続配管15Aに流入し、第1の分岐部5で第1の室内機側接続配管15B,15C,15Dに分流し、室内機B,C,Dに流入する。室内機B,C,Dでは室内機側熱交換器10B,10C,10Dで室内機の送風機(図示せず)によって送られる空気と熱交換して凝縮・液化し、第1の流量制御弁11B,11C,11Dで低圧二相状態まで減圧されて第2の室内機側接続配管16B,16C,16Eに流入し、第2の分岐部6で合流し、第2の熱源機側接続配管16Aを経て熱源機Aに流入する。ここで、低圧二相状態の冷媒は、熱源機側熱交換器3へ流入して、送風機18から送られる空気と熱交換してガス化する。ガス化した低温低圧のガス冷媒は四方弁2を経て圧縮機1へ戻る。このようにして暖房運転を行う。
【0006】
なお、熱源機側熱交換器3および送風機18の動作については、後述の図26に示す空気調和装置と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0007】
つぎに、図26に示す空気調和装置の構成を、本図に従って説明する。A,B,C,Dは図24と同じため説明を省略する。Eは後述するように第1の分岐部、第2の流量制御弁、気液分離器、第3の流量制御弁を内蔵した中継器である。熱源機Aを構成する1,2,3,18,19,20は図24と同じため説明を省略する。また、室内機B,C,Dを構成する10B,10C,10D,11B,11C,11Dも図24と同じため説明を省略する。15Aは熱源機Aの四方弁2と中継器Eとを接続する第1の熱源機側接続配管、15B,15C,15Dは室内機B,C,Dの室内機側熱交換器10C,10D,10Eと中継器Eとを接続し、第1の熱源機側接続配管15Aと対応する第1の室内機側接続配管、16Aは熱源機Aの熱源機側熱交換器3と中継器Eとを接続する第1の熱源機側接続配管15Aよりも細径の第2の熱源機側接続配管、16B,16C,16Dは室内機B,C,Dの第1の流量制御弁11C,11D,11Eと中継器Eとを接続し、第2の熱源機側接続配管16Aと対応する第2の室内機側接続配管である。
13C,13D,13Dは第1の室内機側接続配管15B,15C,15Dを第1の熱源機側接続配管15Aに開閉可能に接続し、開弁時に当該室内機が冷房を行うための冷房用電磁弁、14C,14D,14Dは第1の室内機側接続配管15CB,15C,15Dを第2の熱源機側接続配管16Aに開閉可能に接続し、開弁時に当該室内機が暖房を行うための暖房用電磁弁、5は第1の室内機側接続配管15B,15C,15Dと第1の熱源機側接続配管15Aまたは第2の熱源機側接続配管16Aとを切換可能に分岐接続する冷房用電磁弁13C,13D,13Dおよび暖房用電磁弁14C,14D,14Dよりなる第1の分岐部、6は第2の室内機側接続配管16B,16C,16Dと第2の熱源機側接続配管16Aとを分岐接続する第2の分岐部、7は第2の熱源機側接続配管16Aの途中に設けられた気液分離器で、その気相部は暖房用切換弁14B,14C,14Dと接続され、その液相部は第2の分岐部6と接続されている。8は気液分離器7と第2の分岐部6との間に接続する開閉自在な第2の流量制御弁(ここでは電気式膨張弁)、9は第2の分岐部6と第1の熱源機側接続配管15Aとの間を接続する開閉自在な第3の流量制御弁(ここでは電気式膨張弁)である。
4dは熱源機側熱交換器3と第2の熱源機側接続配管16Aとの間に設けられた第4の逆止弁であり、熱源機側熱交換器3から第2の熱源機側接続配管16Aへのみ冷媒流通を許容する。4aは熱源機Aの四方弁2と第1の熱源機側接続配管15Aとの間に設けられた第1の逆止弁であり、第1の熱源機側接続配管15Aから四方弁2へのみ冷媒流通を許容する。4cは熱源機Aの四方弁2と第2の熱源機側接続配管16Aとの間に設けられた第3の逆止弁であり、四方弁2から第2の熱源機側接続配管16Aへのみ冷媒流通を許容する。4bは熱源機側熱交換器3と第1の熱源機側接続配管15Aとの間に設けられた第2の逆止弁であり、第1の熱源機側接続配管15Aから熱源機側熱交換器3へのみ冷媒流通を許容する。第1、第2、第3、第4の逆止弁4a,4b,4c,4dから切換弁4が構成される。
熱源機側熱交換器3を構成する各要素21,22,23,24,25,3a,3b,3c,3dは図24と同じであり、説明を省略する。19,20も図24と同じであり、説明を省略する。
【0008】
つぎに、この装置の冷媒の流れを図27、図28、図29に添って説明する。図27では冷房のみの運転の場合(以下全冷房と称する)の流れと暖房運転のみの場合(以下全暖房と称する)を説明し、図29では冷房と暖房が混在し、熱源機側熱交換器3が凝縮器として作用する場合(以下冷房主体と称する)の流れを説明し、図28では冷房と暖房が混在し、熱源機側熱交換器3が蒸発器として作用する場合(以下暖房主体と称する)の流れを説明する。ここでは、まず、図27に添って全冷房と全暖房の流れを説明する。図中実線矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示し、破線矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示す。
まず全冷房時の流れを説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒が四方弁2を経て熱源機側熱交換器3へ流入し、ここで送風機18で送られる空気と熱交換して凝縮・液化する。凝縮・液化した高圧の液冷媒は第4の逆止弁4d、第2の熱源機側接続配管16A、気液分離器7、第2の流量制御弁8の順に通り、更に第2の分岐部6、第2の室内機側接続配管16B,16C,16Dを経て各室内機B,C,Dに流入する。そして、各室内機B,C,Dに流入した冷媒は、各室内機側熱交換器10B,10C,10Dの出口のスーパーヒート量により制御される第1の流量制御弁11B,11C,11Dにより低圧まで減圧され、室内機側熱交換器10B,10C,10Dで室内空気と熱交換して蒸発しガス化して室内を冷房する。そして、このガス状態となった冷媒は、第1の室内機側接続配管15B,15C,15D、冷房用電磁弁13B,13C,13D、第1の分岐部5、第1の熱源機側接続配管15A、第1の逆止弁4a、四方弁2を経て圧縮機1に吸入される循環サイクルを構成し、冷房運転を行う。
このとき、冷房用電磁弁13B,13C,13Dが開弁し、暖房用電磁弁14B,14C,14Dが閉弁しているので、第1の室内機側接続配管15B,15C,15D、第2の室内機側接続配管16B,16C,16D、室内機B,C,Dには実線矢印の向きに冷媒が流れる。また、第1の熱源機側接続配管15Aが低圧、第2の熱源機側接続配管16Aが高圧、熱源機側熱交換器3の切換弁4への接続端が高圧、四方弁2の切換弁4への接続端が低圧であるため、冷媒は必然的に第1の逆止弁4a、第4の逆止弁4dへ流通する。
【0009】
つぎに、全暖房時の流れを説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は四方弁2を経て第3の逆止弁4c、第2の熱源機側接続配管16A、気液分離器7を通り、第1の分岐部5、暖房用電磁弁14B,14C,14D、第1の室内機側接続配管15B,15C,15Dの順に通り、各室内機B,C,Dに流入し、ここで室内空気と熱交換して凝縮液化し、室内を暖房する。そして、この液状態となった冷媒は、各室内機側熱交換器10B,10C,10Dの出口のサブクール量により制御されてほぼ全開状態の第1の流量制御弁11B,11C,11Dを通り、第2の室内機側接続配管16B,16C,16Dから第2の分岐部6に流入して合流し、更に第3の流量制御弁9を通る。ここで、第1の流量制御弁11B,11C,11D、または第3の流量制御弁9のどちらか一方で低圧の気液二相状態まで減圧される。そして、低圧まで減圧された冷媒は第1の熱源機側接続配管15Aを経て熱源機Aの第2の逆止弁4b、熱源機側熱交換器3に流入する。ここで送風量可変の熱源機側送風機18によって送風される空気と熱交換して蒸発しガス状態となった冷媒は、熱源機の四方弁2を経て圧縮機1に吸入される循環サイクルを構成し、暖房運転を行う。
このとき、暖房用電磁弁14B,14C,14Dが開弁し、冷房用電磁弁13B,13C,13Dが閉弁しているので、第1の室内機側接続配管15B,15C,15D、第2の室内機側接続配管16B,16C,16D、室内機B,C,Dには破線矢印の向きに冷媒が流れる。また、第1の熱源機側接続配管15Aが低圧、第2の熱源機側接続配管16Aが高圧、熱源機側熱交換器3の切換弁4への接続端が低圧、四方弁2の切換弁4への接続端が高圧であるため、冷媒は必然的に第2の逆止弁4b、第3の逆止弁4cへ流通する。
【0010】
つぎに、暖房主体時の流れを図28に添って説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁2を経て第3の逆止弁4c、第2の熱源機側接続配管16A、気液分離器7を通り、第1の分岐部5、暖房用電磁弁14B,14C、第1の室内機側接続配管15B,15Cの順に通り、各室内機B,Cに流入し、室内空気と熱交換して凝縮液化し、室内を暖房する。そして、この液状態となった冷媒は、各室内機側熱交換器10B,10Cの出口のサブクール量により制御されてほぼ全開状態の第1の流量制御弁11B,11Cを通り少し減圧されて、第2の室内機側接続配管16B,16Cから第2の分岐部6に流入する。そして、この冷媒の一部は、第2の室内機側接続配管16Dを通って、冷房しようとする室内機Dに入り、室内機側熱交換器10D出口のスーパーヒート量により制御される第1の流量制御弁11Dに入って減圧される。減圧された冷媒は、室内機側熱交換器11Dで熱交換して蒸発しガス状態となって室内を冷房し、冷房用電磁弁13Dを経て、第1の熱源機側接続配管15Aに流入する。一方、第2の分岐部6における残りの冷媒は、高圧(たとえば第2の熱源機側接続配管16Aの圧力)と中間圧(たとえば第2の室内機側接続配管16B,16C,16Dの圧力)との差圧が所定範囲となるように制御される第3の流量制御弁9を通って、冷房しようとする室内機Dを通った冷媒と合流して太い第1の熱源機側接続配管15Aを経て熱源機Aの第2の逆止弁4b、熱源機側熱交換器3に流入し、ここで送風量可変の熱源機側送風機18によって送風される空気と熱交換して蒸発しガス状態となった冷媒は、熱源機の四方弁2を経て圧縮機1に吸入される循環サイクルを構成し、暖房主体運転を行う。
このとき、暖房用電磁弁14B,14Cが開弁し、冷房用電磁弁13B,13Cが閉弁しているので、第1の室内機側接続配管15B,15C、第2の室内機側接続配管16B,16C、室内機B,Cには破線矢印の向きに冷媒が流れて暖房する。また、暖房用電磁弁14Dが閉弁し、冷房用電磁弁13Dが開弁しているので、第1の室内機側接続配管15D、第2の室内機側接続配管16D、室内機Dには破線矢印の向きに冷媒が流れて冷房する。また、第1の熱源機側接続配管15Aが低圧、第2の熱源機側接続配管16Aが高圧、熱源機側熱交換器3の切換弁4への接続端が低圧、四方弁2の切換弁4への接続端が高圧であるため、冷媒は必然的に第2の逆止弁4b、第3の逆止弁4cへ流通する。
【0011】
つぎに、冷房主体時の流れを図29に添って説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒が四方弁2を経て熱源機側熱交換器3へ流入し、ここで送風機18で送られる空気と熱交換して半ば凝縮・液化して、高温・高圧の二相状態となる。この高温・高圧の二相状態の冷媒は第4の逆止弁4d、第2の熱源機側接続配管16Aを経て中継器Eの気液分離器7に流入する。ここで、ガス冷媒と液冷媒に分離され、分離したガス冷媒を第1の分岐部5、暖房用電磁弁14D、第1の室内機側接続配管15Dの順に通り、暖房しようとする室内機Dに流入し、室内機側熱交換器10Dで室内空気と熱交換して凝縮・液化し、室内を暖房する。更に、室内機側熱交換器10D出口のサブクール量により制御されほぼ全開状態の第1の流量制御弁11Dを通り少し減圧されて第2の室内機側接続配管16Dを経て第2の分岐部6に流入する。一方、残りの液冷媒は、高圧(たとえば第2の熱源機側接続配管16Aの圧力)と中間圧(たとえば第2の室内機側接続配管16B,16C,16Dの圧力)との差圧が所定範囲となるように制御される第2の流量制御弁8を通って第2の分岐部6に流入し、暖房しようとする室内機Dを通った冷媒と合流する。そして、第2の分岐部6、第2の室内機側接続配管16B,16Cの順に通り、各室内機B,Cに流入する。そして、各室内機B,Cに流入した冷媒は、室内機側熱交換器10B,10C出口のスーパーヒート量により制御される第1の流量制御弁11B,11Cにより低圧まで減圧されて室内空気と熱交換して蒸発しガス化され室内を冷房する。更に、このガス状態となった冷媒は、第1の室内機側接続配管15B,15C、冷房用電磁弁13B,13C、第1の分岐部5を通り、第1の熱源機側接続配管15A、第1の逆止弁4a、四方弁2を経て圧縮機1に吸入される循環サイクルを構成し、冷房主体運転を行う。
このとき、冷房用電磁弁13B,13Cが開弁、暖房用電磁弁14B,14Cが閉弁しているので、第1の室内機側接続配管15B,15C、第2の室内機側接続配管16B,16C、室内機B,Cには実線矢印の向きに冷媒が流れて冷房する。また、冷房用電磁弁13Dが閉弁、暖房用電磁弁14Dが開弁しているので、第1の室内機側接続配管15D、第2の室内機側接続配管16D、室内機Dには実線矢印の向きに冷媒が流れて暖房する。また、第1の熱源機側接続配管15Aが低圧、第2の熱源機側接続配管16Aが高圧、熱源機側熱交換器3の切換弁4への接続端が低圧、四方弁2の切換弁4への接続端が高圧であるため、冷媒は必然的に第2の逆止弁4b、第3の逆止弁4cへ流通する。
【0012】
つぎに、図24に示した空気調和装置および図26に示した空気調和装置における熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の動作について説明する。図30は熱源機側送風機18、第1、第2、第3、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3b,3c,3d、第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eの制御機構を示し、151は凝縮温度検出手段19、蒸発温度検出手段20の検出温度に応じて熱源機側送風機18の送風量、第1、第2、第3、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3b,3c,3d、第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eの開閉を制御する第1の熱源機側熱交換容量調整手段である。図31は熱源機側熱交換器3が凝縮器となる場合の第1の熱源機側熱交換容量調整手段の制御内容を示すフローチャートである。図32は熱源機側熱交換器3が蒸発器となる場合の第1の熱源機側熱交換容量調整手段151の制御内容を示すフローチャートである。
【0013】
まず、熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18を制御する目的について説明する。図24に示した空気調和装置の冷房運転、図26に示した空気調和装置の全冷房運転の場合について説明する。通常、外気温度が高い場合に熱源機側送風機18の送風量が全速となるように、熱源機側熱交換器3の容量および熱源機側送風機18の送風量は設計され、外気温度と凝縮温度との差は10℃前後となる。外気温度が低い場合に、もし熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の容量を外気温度が高い場合と同じにすると、凝縮温度は外気温度に約10℃を加算した温度となり、外気温度が高い場合に対して凝縮温度が非常に低くなり、冷凍サイクルの凝縮圧力も低くなる。この結果、第1の流量制御弁11B,11C,11Dの出入口圧力差が小さくなり、開度を大きくする必要がある。第1の流量制御弁11B,11C,11Dの開度は有限であり、ある一定以上には大きくできないので、その上限値よりも大きくする必要があれば、容量の大きな流量制御弁を選定する必要がでてくる。しかし、その場合には大形化する上に、最小開度幅当たりの流量変動量が大きくなり、きめこまかな制御ができなくなる。このため、凝縮温度が所定値となるように、熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の容量を制御することで、冷凍サイクルの凝縮圧力が低くなり過ぎないようにして、第1の流量制御弁11B,11C,11Dの容量が過大にならないようにしている。
【0014】
つぎに、図24に示した空気調和装置の暖房運転、図26に示した空気調和装置の全暖房運転の場合について説明する。通常、外気温度が低い場合に熱源機側送風機18の送風量が全速となるように、熱源機側熱交換器3の容量および熱源機側送風機18の送風量は設計されている。外気温度が高い場合に、もし熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の容量を外気温度が低い場合と同じにすると、蒸発温度は非常に高くなり、冷凍サイクルの蒸発圧力も高くなる。この結果、第1の流量制御弁11B,11C,11Dの出入口圧力差が小さくなり、開度を大きくする必要がある。第1の流量制御弁11B,11C,11Dの開度は有限であり、ある一定以上には大きくできないので、その上限値よりも大きくする必要があれば、容量の大きな流量制御弁を選定する必要がでてくる。しかし、その場合には大形化する上に、最小開度幅当たりの流量変動量が大きくなり、きめこまかな制御ができなくなる。このため、蒸発温度が所定値となるように、熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の容量を制御することで、冷凍サイクルの蒸発圧力が高くなり過ぎないようにして、第1の流量制御弁11B,11C,11Dの容量が過大にならないようにしている。
【0015】
つぎに、図26に示した空気調和装置の冷房主体運転の場合について説明する。通常、全冷房運転で外気温度が高い場合に熱源機側送風機18の送風量が全速となるように、熱源機側熱交換器3の容量および熱源機側送風機18の送風量は設計され、外気温度と凝縮温度との差は10℃前後となる。冷房主体運転は暖房負荷が発生しているので、通常は外気温度が低い。冷房主体運転の場合に、もし熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の容量を全冷房運転で外気温度が高い場合と同じにすると、外気温度が低い分、更に暖房室内機Dでの凝縮分、凝縮温度が低下してしまう。故に、暖房室内機Dの能力が不足する。このため、凝縮温度が所定値となるように、熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の容量を制御することで、暖房室内機Dの能力を確保するようにしている。
【0016】
つぎに、図26に示した空気調和装置の暖房主体運転の場合について説明する。通常、全暖房運転で外気温度が低い場合に熱源機側送風機18の送風量が全速となるように、熱源機側熱交換器3の容量および熱源機側送風機18の送風量は設計されている。暖房主体運転は冷房負荷が発生しているので、通常は外気温度が比較的高い。暖房主体運転の場合に、もし熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の容量を全暖房運転で外気温度が低い場合と同じにすると、外気温度が高い分、更に冷房室内機Dでの蒸発分、蒸発温度が上昇してしまう。故に、冷房室内機Dの能力が不足する。このため、蒸発温度が所定値となるように、熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の容量を制御することで、冷房室内機Dの能力を確保するようにしている。
【0017】
つぎに、第1の熱源機側熱交換容量調整手段151による熱源機側熱交換容量の調整方法を説明する。熱源機側熱交換容量を以下に示す4段階で調整する。
第1段階は最も大きな熱源機側熱交換容量を必要とする場合に対応し、第1、第2、第3、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3b,3c,3dを開弁し、第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eを閉弁することにより、第1および第2の冷媒回路21,22、すなわち第1および第2の熱交換器24,25の両方に冷媒を流通させ、かつ、第3の冷媒回路23には冷媒を流通させないで、熱源機側送風機18の送風量をインバータ等(図示せず)により停止から全速までの間で調整する。この場合、ビル風等の外風があれば、熱源機側送風機18を停止してもかなり大きな熱交換をしてしまい、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合には凝縮温度が低下し、蒸発器の場合には蒸発温度が上昇してしまう。また、外風がないときでも自然対流による熱交換量以下の熱交換容量は得られないので、外気温度と熱源機側熱交換器3における冷媒の凝縮温度または蒸発温度との温度差が大きいと、凝縮温度が低下しまたは蒸発温度が上昇してしまう。
第2段階は第1段階の次に大きな熱源機側熱交換容量を必要とする場合に対応し、第2、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3b,3dを開弁し、第1、第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3cを閉弁し、第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eを閉弁することにより、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25のみに冷媒を流通させ、かつ、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24および第3の冷媒回路23には冷媒を流通させないで、熱源機側熱交換器3の伝熱面積を大幅に減少させ、熱源機側送風機18の送風量をインバータ等(図示せず)により停止から全速までの間で調整する。この場合、ビル風等による外風による熱交換量も大幅に減少し、また、外風がない場合の自然対流による熱交換量も大幅に減少するので、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合には凝縮温度の低下、蒸発器の場合には蒸発温度の上昇が小さくなる。
第3段階は第2段階よりも小さな熱源機側熱交換容量を必要とする場合に対応し、第2、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3b,3dを開弁し、第1、第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3cを閉弁し、第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eを開弁することにより、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25および第3の冷媒回路23に冷媒を流通させ、かつ、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24には冷媒を流通させないで、熱源機側熱交換器3の伝熱面積を大幅に減少させ、かつ、第2の熱交換器25への冷媒流量を減少させ、熱源機側送風機18の送風量をインバータ等(図示せず)により停止から全速までの間で調整する。この場合、ビル風等の外風による熱交換量も第2段階よりも更に減少し、また、外風がないときの自然対流による熱交換量も同様に減少するので、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合には凝縮温度の低下、蒸発器の場合には蒸発温度の上昇が更に小さくなる。
第4段階は最も小さい熱源機側熱交換容量を必要とする場合に対応し、第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eを開弁し、第1、第2、第3、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3b,3c,3dを閉弁することにより、熱源機側熱交換器3の熱交換量を皆無にするようにしてある。
【0018】
次に、第1の熱源機側熱交換容量調整手段151による第1段階と第2段階、第2段階と第3段階の連続制御性について説明する。外風があっても、第2段階の熱源機側送風機18が全速のときの熱源機側熱交換容量AK2MAX が、第1段階の外風であって、かつ、熱源機側送風機18が停止のときの熱源機側熱交換容量AK1MAX より大きい、つまりAK2MAX >AK1MAX となる風速以下の外風であれば、第1段階と第2段階は連続的に制御可能である。同様に、外風があっても、第3段階の熱源機側送風機18が全速のときの熱源機側熱交換容量AK3MAX が、第2段階の外風であって、かつ、熱源機側送風機18が停止のときの熱源機側熱交換容量AK2MAX より大きい、つまりAK3MAX >AK2MAX となる風速以下の外風であれば、第2段階と第3段階は連続的に制御可能である。このように、熱源機側熱交換容量を4段階で調整することによって、ある程度の外風があっても、連続的な熱源機側熱交換容量が得られ、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合には凝縮温度を、蒸発器の場合には蒸発温度を所定値もしくは所定範囲内に制御することができる。
【0019】
次に、図31のフローチャートに添って、熱源機側熱交換器3が凝縮器となる場合の第1の熱源機側熱交換容量調整手段151の制御内容を説明する。ステップ160で凝縮温度検出手段19の検出温度TCと予め定められた第1の目標凝縮温度TC1とを比較し、TC>TC1であればステップ161へ進む。ステップ161で熱源機側送風機18が全速か否かを判定する。全速でなければステップ162へ進んで送風量を増加してステップ160へ戻る。全速であればステップ163で第1、第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3cの開閉を判定する。閉弁していればステップ164にて第1、第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3cを開弁し、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24を開路してステップ160に戻り、開弁していればステップ165へ進む。ステップ165では第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eの開閉を判定する。開弁していればステップ166にて第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eを閉弁してステップ160に戻り、閉弁していればステップ167に進む。ステップ167では第2、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3b,3dの開閉を判定する。閉弁していればステップ168にて第2、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3b,3dを開弁し、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25を開路してステップ160に戻り、開弁していてもステップ160に戻る。一方、ステップ160でTC≦TC1と判定されるとステップ170に進む。ステップ170で凝縮温度検出手段19の検出温度TCと第1の目標凝縮温度より小さく予め定められた第2の目標凝縮温度TC2と比較し、TC<TC2であればステップ171へ進み、TC≧TC2であればステップ160へ戻る。ステップ171では熱源機側送風機18が停止か否かを判定する。停止でなければステップ172へ進んで送風量を減少してステップ160へ戻る。停止であればステップ173で第2、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3b,3dの開閉を判定する。開弁していればステップ174にて第2、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3b,3dを閉弁し、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25を閉路してステップ160に戻り、閉弁していればステップ175へ進む。ステップ175では第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eの開閉を判定する。閉弁していればステップ176にて第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eを開弁してステップ160に戻り、開弁していればステップ177に進む。ステップ177では第1、第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3cの開閉を判定する。開弁していればステップ178にて第1、第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3cを閉弁し、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24を閉路してステップ160に戻り、ステップ177で閉弁していてもステップ160に戻る。このようにして、凝縮温度検出手段19の検出温度TCを第1の目標凝縮温度TC1と第2の目標凝縮温度TC2の間の温度に制御することができる。
【0020】
次に、図32のフローチャートに添って、熱源機側熱交換器3が蒸発器となる場合の第1の熱源機側熱交換容量調整手段151の制御内容を説明する。ステップ180で蒸発温度検出手段20の検出温度TEと予め定められた第1の目標蒸発温度TE1とを比較し、TE<TE1であればステップ181へ進む。ステップ181で熱源機側送風機18が全速か否かを判定する。全速でなければステップ182へ進んで送風量を増加してステップ180へ戻る。全速であればステップ183で第1、第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3cの開閉を判定する。閉弁していればステップ184にて第1、第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3cを開弁し、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24を開路してステップ180に戻り、開弁していればステップ185へ進む。ステップ185では第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eの開閉を判定する。開弁していればステップ186にて第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eを閉弁してステップ180に戻り、閉弁していればステップ187に進む。ステップ187では第2、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3b,3dの開閉を判定する。閉弁していればステップ188にて第2、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3b,3dを開弁し、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25を開路してステップ180に戻り、開弁していてもステップ180に戻る。一方、ステップ180でTE≧TE1と判定されるとステップ190に進む。ステップ190で蒸発温度検出手段20の検出温度TEと第1の目標蒸発温度よりも大きく予め定められた第2の目標蒸発温度TE2とを比較し、TE>TE2であればステップ191へ進み、TE≦TE2であればステップ180へ戻る。ステップ191では熱源機側送風機18が停止か否かを判定する。停止でなければステップ192へ進んで送風量を減少してステップ180へ戻る。停止であればステップ193で第2、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3b,3dの開閉を判定する。開弁していればステップ194にて第2、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3b,3dを閉弁し、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25を閉路してステップ180に戻り、閉弁していればステップ195へ進む。ステップ195では第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eの開閉を判定する。閉弁していればステップ196にて第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eを開弁してステップ180に戻り、開弁していればステップ197に進む。ステップ197では第1、第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3cの開閉を判定する。開弁していればステップ198にて第1、第3の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3cを閉弁し、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24を閉路してステップ180に戻り、ステップ197で閉弁していてもステップ180に戻る。このようにして、蒸発温度検出手段20の検出温度TEを第1の目標蒸発温度TE1と第2の目標蒸発温度TE2の間の温度に制御することができる。
【0021】
つぎに、第1、第2、第3、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3b,3c,3d、第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eの内部構造と動作原理について説明する。熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合と蒸発器の場合で、冷媒の流通方向は逆である。つまり、電磁弁3a,3b,3c,3d,3eは双方向の流れを許容する双方向性電磁弁である。図33は双方向性電磁弁の構造の一例を示す図である。この図に添って内部構造と動作原理を説明する。X−Xを中心に左右対象の構造をしている。符号301はボディ、302,302’はメインバルブ、303,303’はメインバルブ302,302’をその背後から押し付けるスプリング、304はプランジャー組立、305はシャトル、306,306’はストッパー、307はプランジャー組立304の背後から押し付けるスプリング、308はコイルである。AA,AA’は出入口配管、BB,BB’は弁室、CC,CC’はメインバルブ302,302’の側面に設けられたブリードポート、DD,DD’はメインバルブ302,302’の背室、GGはストッパー306,306’に挟まれたシャトル305が摺動する空間、FF,FF’は空間GGの両端のストッパー306,306’の内部に設けられた通路、EE,EE’は背室DD,DD’と通路FF,FF’とを連通する連通路、JJはメインポート、IIはメインポートJJと背室DD,DD’とを連通させるパイロットポート、HHは空間GGとパイロットポートIIとを連結する空間である。
【0022】
まず、コイル308が非通電時のときの動作について説明する。AAが入口、AA’が出口の場合で説明する。入口配管AAが出口配管AA’に対して高圧である場合、入口配管AAから入った流体は弁室BBに入り、ボディ301とメインバルブ302のクリアランスおよびブリードポートCCを通って背室DDに入る。
更に、連通路EE、通路FFを通り、空間GGへ入った流体は、シャトル305を低圧側のストッパー306’へ押し付け、低圧側との通路FF’を塞ぐ。
空間GGの流体は空間HHまで達するが、プランジャー組立304がパイロットポートIIを塞いでいるため、メインバルブ302の背圧は抜ける個所がない。そのため、メインバルブ302は閉まったままであり、したがって電磁弁は閉止している。
【0023】
つぎに、コイル308に通電した場合の動作について説明する。コイル308に通電すると、プランジャー組立304が磁気力で浮上してパイロットポートIIが開き、空間HHに溜まった圧力がパイロットポートIIを通りメインポートJJに達する。メインポートJJに溜まった圧力がメインバルブ302’を押し開け、弁室BB’より出口配管AA’側に抜ける。以上より、メインバルブ302の背室DDの圧力は弁室BBより低くなり圧力差が生じる。
この圧力差により弁室BB側の圧力がスプリング303を抗してメインバルブ302を押し開く。このようにして、2つのメインバルブ302,302’が開き、電磁弁が開状態となる。
【0024】
つぎに、コイル308が通電状態より非通電状態となった場合の動作について説明する。コイル308の通電をOFFにすると、プランジャー組立304は自重およびスプリング307により落下して、パイロットポートIIを塞ぐ。その結果、空間HH、空間GG、通路FF、連通路EE、背室DDに圧力が溜まる。このため、弁室BBと背室DDが同圧となり、スプリング303によってメインバルブ302がメインポートJJを閉じる。
【0025】
配管AA’側が高圧になった場合も同様に動作するので、ここでは説明を省略する。
【0026】
つぎに、図24に示した空気調和装置、図26に示した空気調和装置の熱源機Aの構造について図34の熱源機Aの構造図に添って説明する。符号24,25は図24、図25と同じものであり説明を省略する。141は熱源機側送風機18の吹き出し側にあるファンガード、142は熱源機側熱交換器3の第1の熱交換器24の吸い込み側にある第1のフィンガード、143は熱源機側熱交換器3の第2の熱交換器25の吸い込み側にある第2のフィンガード、144,145,146,147はフィンガード142,143の上下に配せられたパネルである。148は第1、第2の熱交換器24,25の下部に設けられた機械室で、圧縮機1、四方弁2、第1、第2、第3、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3b,3c,3d、第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3e、第1、第2、第3、第4の逆止弁4a,4b,4c,4dおよびこれらを接続する配管が内蔵されている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の冷凍サイクル装置では以下に示すような問題があった。
まず、第1、第2、第3、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3b,3c,3d、第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3eは図33に示す構造を持つ双方向性電磁弁である。双方向性電磁弁は図33に示すように、メインバルブ302,302’、シャトル305、プランジャー組立304、コイル308、スプリング303,303’,307といったように、非常に多くの部品により構成された複雑な構造をしている。双方向性電磁弁を構成する部品ひとつひとつの信頼性は高くても、それらを集結した双方向性電磁弁は、構成部品の少ない通常の片方向流れ用の電磁弁よりも信頼性が低下する。加えて、双方向性電磁弁を多数具備している熱源機側熱交換器3全体としては、更に信頼性が低下する。
【0028】
また、第1、第2、第3、第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3a,3b,3c,3d、第1の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3e、第1、第2、第3、第4の逆止弁4a,4b,4c,4dはそれぞれ単独のものが配管で接続されているため、製造時の組立性や保守時の交換容易性を確保するためもあり、空間容積効率が悪く、図34に示すように、機械室148の占めるスペースを大きくせざるを得なかった。したがって、機械室148が第1、第2の熱交換器24,25の吸込み空間を塞ぐ配置となり、熱源機側熱交換器3の熱交換容量が低下してエネルギー効率が低下し、結果として炭酸ガス排出量は増加し、地球温暖化の促進につながっている。また、熱源機側熱交換器3は複雑な冷媒回路構成をしていて、かつ、双方向性電磁弁が全て単独のものであることから、配管経路が非常に長くなっている。また、この部分との干渉を避けるため、他の部分の配管経路も迂回の分だけ長くなっている。したがって、配管を流れる冷媒の圧力損失が大きくなってエネルギー効率が低下し、結果として炭酸ガス排出量は増加し、地球温暖化を促進している。
【0029】
また、熱源機側熱交換器3の冷媒の流れは、凝縮器の場合と蒸発器の場合とで逆になっている。すなわち、この場合の冷媒流れは、熱源媒体に対して凝縮時に対向流となれば蒸発時には並向流となり、蒸発時に対向流となれば凝縮時に並向流となる。凝縮器は顕熱変化をする過熱ガス部と過冷却部があるので、並向流となれば熱源媒体との温度差を確保できず、熱交換容量が低下する。熱源機側熱交換器3において蒸発時には蒸発温度と外気温度の温度差は通常小さい。このような場合に並向流となれば、顕熱変化をする過熱ガス部で温度差がとれなくなるため、過熱ガス部がなくなって熱交換容量が低下するか、あるいは温度差を確保するために蒸発温度が低下して圧縮機1の圧縮比が大きくなる。したがって、エネルギー効率が低下し、結果として炭酸ガス排出量は増加し、地球温暖化を促進している。
【0030】
また、冷凍サイクル装置に用いる冷媒として沸点の異なる複数種の冷媒を混合した混合冷媒を用いる場合は、熱源機側熱交換器3の二相部での温度勾配があるため、並向流となった場合の熱交換容量の低下が非常に大きくなってエネルギー効率が低下し、結果として炭酸ガス排出量が増加し、地球温暖化を促進している。
【0031】
また、従来の空気調和装置では冷媒としてHCFC22が使用されてきたが、これは塩素を含むのでオゾン層の破壊につながるとされるため、国際的に規制されている。これに代替する冷媒としてオゾン層を破壊しない、すなわち塩素を含まないHFCが使用されはじめており、沸点の異なるHFC32、HFC125、HFC134aの3種類のうちの2種類乃至3種類を含む混合冷媒が主流となっている。これらは、熱物性上、従来のHCFC22と比べてエネルギー効率が低く、更に沸点の異なる複数の冷媒を混合した混合冷媒であることから、熱源機側熱交換器3で熱源媒体と並向流となった場合に、熱交換容量の低下が非常に大きくなってエネルギー効率が低下し、結果として炭酸ガス排出量が増加し、地球温暖化を促進している。
【0032】
また、双方向性電磁弁は図33に示したように、構成部品が多いため、万一故障した場合に故障部位を特定し、構成部品を交換するのに多大な労力を要する。特に、メインバルブ302,302’、シャトル305、プランジャー組立304を、ボディ301に、溶接、ロウ付け、接着などで接合した場合は構成部品の交換が不可能で、電磁弁全体を交換する必要があり、資源の無駄遣いとなっている。更に、冷凍サイクル装置全体の寿命がきて、装置全体を廃棄する場合にも、分解が容易でない場合は再生が容易でない。
【0033】
この発明は、上述のような従来の課題を解決するためになされたものであり、冷凍サイクルの複数の並列の回路に分割された熱源機側熱交換器の開閉機構と回路構成に関するもので、オゾン層を破壊せず、地球温暖化を促進することなく、省資源化につながる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、この請求項1の発明による冷凍サイクル装置は、圧縮機、凝縮器、流量制御弁、蒸発器を順次配管接続して冷媒回路を形成し、蒸発器または凝縮器のいずれかを複数の並列熱交換器に分割し、蒸発器または凝縮器のいずれかを配置する位置の冷媒回路を複数の並列回路に分岐して構成し、複数の並列熱交換器を複数の並列回路に配備した冷凍サイクル装置において、複数の並列回路のうちの少なくともひとつの並列回路に、並列回路の冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁を設けるとともに、並列回路における並列熱交換器の冷媒出側に、冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れは許容するが冷媒合流部から冷媒分岐部へ向かう流れを許容しない逆止弁を設けたものである。
【0035】
また、この請求項2の発明による冷凍サイクル装置は、圧縮機から、複数の並列熱交換器に分割された熱源機側熱交換器と流量制御弁と利用側熱交換器とを順次経て圧縮機に冷媒を循環させる冷房用の冷媒回路と、圧縮機から、利用側熱交換器と流量制御弁と熱源機側熱交換器とを順次経て圧縮機に冷媒を循環させる暖房用の冷媒回路と、冷房用の冷媒回路と暖房用の冷媒回路の両方において複数の並列熱交換器における冷媒流れ方向を並列回路の冷媒分岐部へ向かう同一方向とする切換弁と、熱源機側熱交換器を配置する位置の冷媒回路を分岐して構成され並列熱交換器が配備される複数の並列回路とを備えた冷凍サイクル装置において、複数の並列回路のうちの少なくともひとつの並列回路に、並列回路の冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁を設けるとともに、並列回路における並列熱交換器の冷媒出側に、冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れは許容するが冷媒合流部から冷媒分岐部へ向かう流れを許容しない逆止弁を設けたものである。
【0036】
そして、この請求項3の発明による冷凍サイクル装置は、圧縮機、切換弁、複数の並列熱交換器に分割された熱源機側熱交換器を備えてなる熱源機と、室内機側熱交換器、第1の流量制御弁よりなる複数の室内機とを第1、第2の接続配管を介して接続し、室内機の室内機側熱交換器の一方を第1の接続配管または第2の接続配管のいずれかに切換可能に接続する弁装置を有する第1の分岐部と、室内機の室内機側熱交換器の他方を第1の流量制御弁を介して接続し、かつ、第2の接続配管と接続する第2の分岐部とを備え、更に第2の分岐部と第1の接続配管とを接続し、熱源機側熱交換器を配置する位置の冷媒回路を複数の並列回路に分岐して構成するとともに、複数の並列熱交換器を複数の並列回路に配備してなる冷凍サイクル装置において、複数の並列回路のうちの少なくともひとつの並列回路に、並列回路の冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁を設けるとともに、並列回路における並列熱交換器の冷媒出側に、冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れは許容するが冷媒合流部から冷媒分岐部へ向かう流れを許容しない逆止弁を設けたものである。
【0037】
更に、この請求項4の発明による冷凍サイクル装置は、上記の各構成において、複数の並列熱交換器における熱源媒体と冷媒とが対向流となるように回路構成したものである。
【0038】
また、この請求項5の発明による冷凍サイクル装置は、上記の各構成において、沸点の異なる複数種の冷媒を混合した混合冷媒を使用するものである。
【0039】
そして、この請求項6の発明による冷凍サイクル装置は、上記構成において、混合冷媒が、HFC32、HFC125、HFC134aのうち、少なくとも2種類が混合されてなるものである。
【0040】
更に、この請求項7の発明による冷凍サイクル装置は、前記構成において、複数の逆止弁および/または複数の電磁弁を共通のボディに一体的に構成したものである。
【0041】
また、この請求項8の発明による冷凍サイクル装置は、上記構成において、逆止弁または電磁弁の弁体を出し入れ自在にするための蓋を共通のボディにそれぞれ着脱可能に備えたものである。
【0042】
そして、この請求項9の発明による冷凍サイクル装置は、上記構成において、蓋に、並列回路に接続される接続配管が一体的に接続されているものである。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図中で同一または相当する部分には同一符号を付して説明を省略または簡略化する。
発明の実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路を示す図である。図中符号A,B,C,D,1,2,3,5,6,10B,10C,10D,11B,11C,11D,15A,15B,15C,15D,16A,16B,16C,16D,18,19,20,21,22,23,24,25は図24に示した空気調和装置と同一または相当する部分のため、説明を省略する。
図中符号3kは第1の冷媒回路21、第2の冷媒回路22、または第3の冷媒回路23(それぞれ並列回路の例)へ分岐する冷媒分岐部、3lは第1の冷媒回路21、第2の冷媒回路22、および第3の冷媒回路23からの冷媒合流部、3fは冷媒分岐部3kと第1の熱交換器24(並列熱交換器の例)との間に設けられた第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁、3gは冷媒分岐部3kと第2の熱交換器25(並列熱交換器の例)との間に設けられた第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁、3hは冷媒合流部3lと第1の熱交換器24との間に設けられた第1の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁、3iは冷媒合流部3lと第2の熱交換器25との間に設けられた第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁、3jは第3の冷媒回路23の配管途中に設けられた第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁である。第5、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3f,3g、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jはそれぞれ片方向流れ用の電磁弁で、冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lの方向が流れ方向である。そして、17aは四方弁2と熱源機側熱交換器3の冷媒分岐部3kとの間に設けられ、四方弁2から冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しない第6の逆止弁、17bは四方弁2と熱源機側熱交換器3の冷媒合流部3lの間に設けられ、冷媒合流部3lから四方弁2への流れは許容するがその逆の流れは許容しない第7の逆止弁、17cは第2の熱源機側接続配管16Aの熱源機側の一端と熱源機側熱交換器3の冷媒分岐部3kとの間に設けられ、第2の熱源機側接続配管16Aから冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しない第8の逆止弁、17dは第2の熱源機側接続配管16Aの熱源機側の一端と熱源機側熱交換器3の冷媒合流部3lとの間に設けられ、冷媒合流部3lから第2の熱源機側接続配管16Aへの流れは許容するがその逆の流れは許容しない第9の逆止弁である。
すなわち、この実施の形態による冷凍サイクル装置では、熱源機側熱交換器3を構成する3つの冷媒回路21,22,23に、各冷媒回路21,22,23の冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lへ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁3f,3g,3jをそれぞれ設け、2つの冷媒回路21,22における熱交換器24,25の冷媒出側に、冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lへ向かう方向の流れは許容するが冷媒合流部3lから冷媒分岐部3kへ向かう流れを許容しない逆止弁3h,3iを設けてある。
一方、第6、第7、第8、第9の逆止弁17a,17b,17c,17dにより後述するように、熱源機側熱交換器3の流れ方向は、冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lへ向かう1方向流れ(片方向流れ)となる。これにより、熱源機側熱交換器3が凝縮器となる場合も蒸発器となる場合も、熱源機側熱交換器3の冷媒のパスパターンとしては、熱源媒体(この場合は空気)と対向するように構成することができる。その一例を以下に示す。複数列で構成された熱交換器において、冷媒の入口を空気の流れに対して最も風下側の列に設け、冷媒の流れが進むにつれて、空気の流れに対して風上側の列へと配置し、冷媒の出口を空気の流れに対して最も風上側の列に設けることにより、熱源媒体の流れに対し冷媒の流れが対向流となる。
【0044】
つぎに、冷媒の流れについて説明する。図2は、この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷房運転時および暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。図2中実線矢印が冷房運転時の冷媒の流れ方向を、図中破線矢印が暖房運転時の冷媒の流れ方向を示す。
図2に添って、まず冷房運転時の流れを説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒が四方弁2に流入する。四方弁2を出た冷媒は、第6の逆止弁17a、または第7の逆止弁17bへ流入しようとする。第6の逆止弁17aは四方弁2から冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入可能である。第7の逆止弁17bは冷媒合流部3lから四方弁2への流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入できない。したがって、四方弁2を出た冷媒は第7の逆止弁17bには流入せず、第6の逆止弁17aに流入する。第6の逆止弁17aを出た冷媒は、熱源機側熱交換器3、または第8の逆止弁17cへ流入しようとする。第8の逆止弁17cは第2の熱源機側接続配管16Aから冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、第8の逆止弁17cへは流入できない。したがって、第6の逆止弁17aからの冷媒は熱源機側熱交換器3へ流入する。熱源機側熱交換器3へ流入した冷媒は、ここで送風機18で送られる空気と熱交換して凝縮・液化する。凝縮・液化した高圧の液冷媒は第7の逆止弁17b、または第9の逆止弁17dに流入しようとする。第7の逆止弁17bの出口側は入口側よりも冷媒の流れとしては上流側に接続されているため、出口側の方が入口側よりも圧力が高く、流入できない。第9の逆止弁17dは冷媒合流部3lから第2の熱源機側接続配管16Aへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入可能である。したがって、熱源機側熱交換器3を出た冷媒は、第7の逆止弁17bに流入できず、第9の逆止弁17dを経て、第2の熱源機側接続配管16Aに流入する。第2の熱源機側接続配管16Aから第1の熱源機側接続配管15Aまでの流れは図24に示した従来の冷凍サイクル装置の一例として空気調和装置と同一であり、ここでは説明を省略する。第1の熱源機側接続配管15Aから熱源機Aに流入した低圧のガス冷媒は、四方弁2を経て圧縮機1へ戻る。このようにして冷房運転を行う。また、上記のように熱源機側熱交換器3が凝縮器である場合に、熱源機側熱交換器3での冷媒の流れ方向は冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lの方向である。
【0045】
つぎに暖房運転時の流れを説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒が四方弁2を経て第1の熱源機側接続配管15Aに流入する。第1の熱源機側接続配管15Aから第2の熱源機側接続配管16Aまでの流れは図24に示した従来の冷凍サイクル装置の一例としての空気調和装置と同一であり、ここでは説明を省略する。第2の熱源機側接続配管16Aに流入した低圧二相状態の冷媒は、熱源機Aに流入し、第8の逆止弁17c、または第9の逆止弁17dに流入しようとする。第8の逆止弁17cは第2の熱源機側接続配管16Aから冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、第8の逆止弁17cへは流入可能である。第9の逆止弁17dは冷媒合流部3lから第2の熱源機側接続配管16Aへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入できない。したがって、熱源機Aに流入した冷媒は第8の逆止弁17cを経て、熱源機側熱交換器3、または第6の逆止弁17aに流入しようとする。このとき、第6の逆止弁17aは四方弁2から冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入できない。したがって、第8の逆止弁17cを出た冷媒は、熱源機側熱交換器3へ流入して、送風機18で送られる空気と熱交換してガス化する。ガス化した低温低圧のガス冷媒は第7の逆止弁17b、または第9の逆止弁17dへ流入しようとする。第7の逆止弁17bは冷媒合流部3lから四方弁2への流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入可能である。第9の逆止弁17dの出口側は入口側よりも冷媒の流れとしては上流側に接続されているため、出口側の方が入口側よりも圧力が高く、流入できない。したがって、熱源機側熱交換器3を出た冷媒は、第7の逆止弁17bから四方弁2を経て圧縮機1へ戻る。このようにして暖房運転を行う。また、上記のように熱源機側熱交換器3が蒸発器である場合も、熱源機側熱交換器3の冷媒の流れ方向は冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lの方向である。
【0046】
つぎに、熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の動作について説明する。図3は熱源機側送風機18、第5、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3f,3g、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jの制御機構を示し、152は凝縮温度検出手段19、蒸発温度検出手段20の検出温度に応じて熱源機側送風機18の送風量、第5、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3f,3g、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jの開閉を制御する第2の熱源機側熱交換容量調整手段である。図4は熱源機側熱交換器3が凝縮器となる場合の第2の熱源機側熱交換容量調整手段152の制御内容を示すフローチャートである。図5は熱源機側熱交換器3が蒸発器となる場合の第2の熱源機側熱交換容量調整手段152の制御内容を示すフローチャートである。
【0047】
熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18を制御する目的については、従来の冷凍サイクル装置の一例である図24、図26に示した空気調和装置と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0048】
つぎに、第2の熱源機側熱交換容量調整手段152による熱源機側熱交換容量の調整方法を説明する。従来の冷凍サイクル装置の一例である図24、図26に示した空気調和装置と同様に熱源機側熱交換容量を以下に示す4段階で調整する。
第1段階は最も大きな熱源機側熱交換容量を必要とする場合に対応し、第5、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3f,3gを開弁し、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを閉弁することにより第1および第2の冷媒回路21,22すなわち第1および第2の熱交換器24,25の両方に冷媒を流通させ、かつ、第3の冷媒回路23には冷媒を流通させないで、熱源機側送風機18の送風量をインバータ等(図示せず)により停止から全速までの間で調整する。なお、第6、第7、第8、第9の逆止弁17a,17b,17c,17dがあるので、熱源機側熱交換器3の流れ方向は凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも同一である。したがって、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも、第1、第2の冷媒回路21,22の入口側にある第5、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3f,3gが開弁していると、第1、第2の冷媒回路21,22の出口側にある第1、第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3h,3iにも冷媒が流れて、第1、第2の冷媒回路21,22、すなわち第1および第2の熱交換器24,25の両方に冷媒を流通させることができる。また、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも流れ方向は同一であるので、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを閉弁することで、凝縮器・蒸発器によらず、第3の冷媒回路23は遮断できる。
第2段階は第1段階の次に大きな熱源機側熱交換容量を必要とする場合に対応し、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gを開弁し、第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fを閉弁し、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを閉弁することにより、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25のみに冷媒を流通させ、かつ、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24および第3の冷媒回路23には冷媒を流通させないで、熱源機側熱交換器3の伝熱面積を大幅に減少させ、熱源機側送風機18の送風量をインバータ等(図示せず)により停止から全速までの間で調整する。なお、第6、第7、第8、第9の逆止弁17a,17b,17c,17dがあるので、熱源機側熱交換器3の流れ方向は凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも同一である。したがって、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも、第2の冷媒回路22の入口側にある第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gが開弁していると、第2の冷媒回路22の出口側にある第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3iにも冷媒が流れて、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25に冷媒を流通させることができる。また、第1の冷媒回路21の入口側にある第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fが閉弁していると、第1の冷媒回路21への入口側からの流入することはできない。また、第1の冷媒回路21の出口側にある第1の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3hに出口側から流入することはできない。したがって、第1の冷媒回路21すなわち第1の熱交換器24への冷媒の流れを遮断することができる。また、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも流れ方向は同一であるので、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを閉弁することで、凝縮器・蒸発器によらず、第3の冷媒回路23を遮断できる。
第3段階は第2段階よりも小さな熱源機側熱交換容量を必要とする場合に対応し、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gを開弁し、第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fを閉弁し、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを開弁することにより、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25および第3の冷媒回路23に冷媒を流通させ、かつ、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24には冷媒を流通させないで、熱源機側熱交換器3の伝熱面積を大幅に減少させ、かつ、第2の熱交換器25への冷媒流量を減少させ、熱源機側送風機18の送風量をインバータ等(図示せず)により停止から全速までの間で調整する。なお、第6、第7、第8、第9の逆止弁17a,17b,17c,17dがあるので、熱源機側熱交換器3の流れ方向は凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも同一である。したがって、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも、第2の冷媒回路22の入口側にある第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gが開弁していると、第2の冷媒回路22の出口側にある第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3iにも冷媒が流れて、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25に冷媒を流通させることができる。また、第1の冷媒回路21の入口側にある第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fが閉弁していると、第1の冷媒回路21へ入口側からは流入することができない。また、第1の冷媒回路21の出口側にある第1の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3hに出口側から流入することができない。したがって、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24への冷媒の流れを遮断することができる。また、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも流れ方向は同一であるので、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを開弁することで、凝縮器・蒸発器によらず、第3の冷媒回路23は流通状態にできる。
第4段階は最も小さい熱源機側熱交換容量を必要とする場合に対応し、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを開弁し、第5、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3f,3gを閉弁することにより、熱源機側熱交換器3の熱交換量を皆無にする。なお、第6、第7、第8、第9の逆止弁17a,17b,17c,17dがあるので、熱源機側熱交換器3における冷媒の流れ方向は凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも同一である。したがって、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも、第1、第2の冷媒回路21,22の入口側にある第5、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3f,3gが閉弁していると、第1、第2の冷媒回路21,22へ入口側からは流入することができない。また、第1、第2の冷媒回路21,22の出口側にある第1、第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3h,3iに出口側から流入することはできない。したがって、第1、第2の冷媒回路21,22、すなわち第1、第2の熱交換器24,25への冷媒の流れを遮断することができる。また、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも流れ方向は同一であるので、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを開弁することで、凝縮器・蒸発器によらず、第3の冷媒回路23は流通状態にできる。
【0049】
なお、第2の熱源機側熱交換容量調整手段152による第1段階と第2段階、第2段階と第3段階の連続制御性については、従来の冷凍サイクル装置の一例である図24、図26に示した空気調和装置における第1の熱源機側熱交換容量調整手段151と同じであるので、説明を省略する。
【0050】
次に、図4のフローチャートに添って、熱源機側熱交換器3が凝縮器となる場合における第2の熱源機側熱交換容量調整手段152の制御内容を説明する。ステップ200で凝縮温度検出手段19の検出温度TCと予め定められた第1の目標凝縮温度TC1とを比較し、TC>TC1であればステップ201へ進む。ステップ201で熱源機側送風機18が全速か否かを判定し、全速でなければステップ202へ進んで送風量を増加してステップ160へ戻る。全速であればステップ203で第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fの開閉を判定する。閉弁していればステップ204にて第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fを開弁し、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24を開路してステップ200に戻り、開弁していればステップ205へ進む。ステップ205では第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jの開閉を判定する。開弁していればステップ206にて第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを閉弁してステップ200に戻り、閉弁していればステップ207に進む。ステップ207では第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gの開閉を判定する。閉弁していればステップ208にて第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gを開弁し、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25を開路してステップ200に戻り、ステップ207で開弁していてもステップ200に戻る。
一方、ステップ200でTC≦TC1と判定されるとステップ210に進む。ステップ210で凝縮温度検出手段19の検出温度TCと第1の目標凝縮温度より小さく予め定められた第2の目標凝縮温度TC2と比較し、TC<TC2であればステップ211へ進み、TC≧TC2であればステップ200へ戻る。ステップ211で熱源機側送風機18が停止か否かを判定し、停止でなければステップ212へ進んで送風量を減少してステップ200へ戻る。停止であればステップ213で第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gの開閉を判定する。開弁していればステップ214にて第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gを閉弁し、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25を閉路してステップ200に戻り、閉弁していればステップ215へ進む。ステップ215では第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jの開閉を判定する。閉弁していればステップ216にて第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを開弁してステップ200に戻り、開弁していればステップ217に進む。ステップ217では第4の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fの開閉を判定する。開弁していればステップ218にて第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fを閉弁し、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24を閉路してステップ200に戻り、ステップ217で閉弁していてもステップ200に戻る。このようにして、凝縮温度検出手段19の検出温度TCを目標凝縮温度TC1と第2の目標凝縮温度TC2との間の温度に制御することができる。
【0051】
次に、図5のフローチャートに添って、熱源機側熱交換器3が蒸発器となる場合における第2の熱源機側熱交換容量調整手段152の制御内容を説明する。ステップ220で蒸発温度検出手段20の検出温度TEと予め定められた第1の目標蒸発温度TE1とを比較しTE<TE1であればステップ221へ進む。ステップ221で熱源機側送風機18が全速か否かを判定し、全速でなければステップ222へ進んで送風量を増加してステップ220へ戻る。全速であればステップ223で第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fの開閉を判定する。閉弁していればステップ224にて第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fを開弁し、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24を開路してステップ220に戻り、開弁していればステップ225へ進む。ステップ225では第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jの開閉を判定する。開弁していればステップ226にて第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを閉弁してステップ220に戻り、閉弁していればステップ227に進む。ステップ227では第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gの開閉を判定する。閉弁していればステップ228にて第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gを開弁し、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25を開路してステップ220に戻り、ステップ227で開弁していてもステップ220に戻る。
一方、ステップ220でTE≧TE1と判定されるとステップ230に進む。ステップ230で蒸発温度検出手段20の検出温度TEと第1の目標蒸発温度より大きく予め定められた第2の目標蒸発温度TE2と比較し、TE>TE2であればステップ231へ進み、TE≦TE2であればステップ220へ戻る。ステップ231では熱源機側送風機18が停止か否かを判定し、停止でなければステップ232へ進んで送風量を減少してステップ220へ戻る。停止であればステップ233で第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gの開閉を判定する。開弁していればステップ234にて第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3gを閉弁し、第2の冷媒回路22、すなわち第2の熱交換器25を閉路してステップ220に戻り、閉弁していればステップ235へ進む。ステップ235では第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jの開閉を判定する。閉弁していればステップ236にて第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jを開弁してステップ220に戻り、開弁していればステップ237に進む。ステップ237では第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fの開閉を判定する。開弁していればステップ238にて第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fを閉弁し、第1の冷媒回路21、すなわち第1の熱交換器24を閉路してステップ220に戻り、ステップ237で閉弁していてもステップ220に戻る。このようにして、蒸発温度検出手段20の検出温度TEを第1の目標蒸発温度TE1と第2の目標蒸発温度TE2との間の温度に制御することができる。
【0052】
つぎに、第5、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3fn3g、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jの内部構造と動作原理について説明する。この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置においては、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合と蒸発器の場合のいずれでも、冷媒の流通方向は一方向である。つまり、電磁弁3f,3g,3jは双方向の流れを許容する従来のような双方向性電磁弁である必要はなく、流入方向のみを開閉する、すなわち片方向流れ用の電磁弁でよい。図6、図7は片方向流れ用電磁弁の構造の一例を示す図である。これらの図に添って内部構造と動作原理を説明する。図6は閉弁状態の図で、図7は開弁状態の図である。図6、図7において同一部分は同一の符号を付している。
まず、内部構造について説明する。31は入口配管、32は出口配管、33はメインボディ、34はメインバルブ(弁体の例)、35はサブボディ、36はボールなどからなるサブバルブ、37はプランジャー、38はヘッド、39はコイル、40はスプリング、41はOリング、42は弁室、43は流出室、44はメインバルブ34の背室、45はパイロット流入管、46はパイロット弁室、47はパイロットポート、48は第1のパイロット流出管、49はパイロット流出室、50は第2のパイロット流出管、50Aはパイロット流出部である。51はメインバルブ34の摺動側面、52はメインバルブ34の摺動側面51の下部にある非摺動側面、53はテーパー状に加工したメインバルブ34のバルブシート面、54はメインバルブ33のボディシート面、55はメインポートである。56はサブボディ35に設けられた雌ネジ、57はサブボディ35に設けられたサブメタルタッチ面、58はメインボディ33に設けられ、サブメタルタッチ面57と金属接触して電磁弁の内部空間と外部との流通を遮断して気密性を確保するメインメタルタッチ面、59はメインボディ33に設けられ、雌ネジ56とのペアでサブボディ35をメインボディ33へねじ込む雄ネジである。
メインバルブ34の非摺動面52は摺動面51よりもその外径がやや小さくなっているため、弁室42に横穴(この実施の形態1では流入配管の弁室42の一端)があっても、引っかかりを生じないので、動作不良は発生しない。
すなわち、この電磁弁は、メインボディ33に設けられて冷媒を流入させる入口配管31と、メインボディ33に設けられて冷媒を流出させる流出室43と、入口配管31と流出室43の境に設けられたメインポート55と、メインポート55の手前で入口配管31から分岐して形成された弁室42と、弁室42内で摺動してメインポート55を開閉するメインバルブ34と、弁室42のメタルタッチ面58に装着され弁室42と外部とを遮断するサブボディ35と、弁室42とパイロット流入管45を介して連通するパイロット弁室46と、パイロット弁室46と流出室43とを連通するパイロット流出部50Aと、コイル39による電磁駆動によりパイロット弁室46内で摺動してパイロット流出部50Aを開閉するパイロットバルブ36とを有してなり、入口配管31内の圧力と弁室42のパイロット流入管45寄りの空間の圧力との圧力差によりメインバルブ34を駆動してメインポート55を開閉するようにしたものである。
そして、この電磁弁は、特に、パイロット弁室46およびパイロット流入管45がサブボディ35に形成されるとともに、サブボディ35に形成されるパイロットポート47、第1のパイロット流出管48、パイロット流出室49と、メインボディ33に形成されてパイロットポート47に連通する第2のパイロット流出管50とから、パイロット流出部50Aが構成されていて、サブボディ35のパイロット弁室46内でパイロットバルブ36を摺動させてパイロット流出部50Aのパイロットポート47を開閉するように構成されている。
【0053】
つぎに、図6、図7に示す電磁弁の動作について説明する。まず、コイル39が非通電の場合について説明する。一般に、入口配管31の圧力の方が出口配管32の圧力よりも高い。入口配管31から入った流体は弁室42に入り、更にメインボディ33とメインバルブ34とのクリアランスを通って背室44に入る。背室44に入った流体はパイロット流入管45を経て、パイロット弁室46へ入るが、プランジャー37によりサブバルブ36が押し付けられ、パイロットポート47を塞いでいるため、背室44の圧力はパイロットポート47を経ては流出室43に抜けない。また、背室44とパイロット流出室49とはOリング41でシールされているため、この経路を経由しても背室44の圧力は流出室43に抜けない。故に、メインバルブ34はリフトすることなく、メインポート55をメインバルブ34が塞いで、バルブシート面53とボディシート面54が接触するため、図6に示すように電磁弁は閉止したままである。
【0054】
つぎに、コイル39に通電した場合の動作について説明する。コイル39に通電すると、プランジャー37がヘッド38の磁気力で吸引されて浮上し、パイロットポート47が開き、パイロット弁室49に溜まった圧力がパイロットポート47を通り、第1のパイロット流出管48、パイロット流出室49、第2のパイロット流出管50を経て流出室43へと抜ける。これにより、背室44の圧力は流出室43の圧力とほぼ等しくなり、弁室42の圧力より低くなる。これにより、メインバルブ34には上向きの力が作用し、メインバルブ34は自重に抗して上向きにリフトし、その結果、メインポート55が開かれ、図7に示すように、電磁弁は開状態となる。
【0055】
つぎに、コイル39が通電状態より非通電状態となった場合の動作について説明する。コイル39の通電をOFFにすると、プランジャー37は自重およびスプリング37により落下して、パイロットポート47を塞ぐ。その結果、パイロット弁室46、パイロット流入管45、背室44に圧力が溜まる。このため、弁室42と背室44が同圧となり自重により、図6に示すように、メインバルブ34がメインポート55を閉じる。
【0056】
つぎに、第1、第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3h,3iの内部構造と動作原理について説明する。この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置においては、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合と蒸発器の場合のいずれでも、冷媒の流通方向は一方向である。つまり、第1、第2の熱交換器24,25の出口側の開閉弁としては電磁弁である必要がなく、第1、第2の熱交換器24,25に対して冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lに向けて流出は許容するが流入は許容しない逆止弁でも十分な作用を得ることができる。
図8、図9は逆止弁の構造の一例を示す図である。この図に添って内部構造と動作原理を説明する。図8は閉弁状態の図で、図9は開弁状態の図である。図8、図9において同一部分は同一の符号を付している。
まず、内部構造について説明する。61は入口配管、62は出口配管、63はボディ、64はバルブ、65は弁室、66はボディ63に設けられたシート面、67はメインポートである。
図10、図11は逆止弁のバルブ64の詳細構造である。72は逆止弁のバルブ64の側面の上部に設けられた摺動部、71は逆止弁のバルブ64のシート面である。
【0057】
つぎに、図8、図9に示す逆止弁の動作について説明する。まず、出口配管62の圧力の方が入口配管61の圧力より高く、逆止弁が閉弁状態となっている場合について説明する。出口配管62の圧力の方が入口配管61の圧力よりも高いため、バルブ64には上から下への力が作用してバルブ64がメインポート67を塞ぎ、逆止弁は図8に示すように閉弁状態となる。このように出口側から入口側への流れは許容されない。
【0058】
つぎに、出口配管62の圧力の方が入口配管61の圧力よりも低く、逆止弁が開弁状態となっている場合について説明する。入口配管61に流入した流体によりバルブ64は押し上げられるが、バルブ64の摺動部72の間を、流体が流れて出口配管62に達する。流体がバルブ64とボディ63の間を流れる場合に、損失を生じて圧力が低下する。これにより、バルブ64には下部からの圧力の方が上部の圧力よりも高く、下から上への力が作用する。したがって、バルブ64はリフトしたままの状態で維持され、図9に示すように、開弁状態が維持される。このように入口側から出口側への冷媒流れが許容される。
【0059】
以上のように、熱源機側熱交換器3の互いに並列に分岐した第1、第2、第3の冷媒回路21,22,23を個別に開閉するのに、冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lへ向かう方向の流れのみ許容する片方向流れ用の電磁弁3f,3g,3jを配し、第1、第2の熱交換器24,25の冷媒出側に、冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lへ向かう方向の流れは許容するが冷媒合流部3lから冷媒分岐部3kへ向かう流れを許容しない逆止弁3h,3iを配したことで、出入口に従来のような双方向性電磁弁を配する場合と比べて、電磁弁や逆止弁の内部の構成部品の数が少なくなり、信頼性が向上する。
【0060】
また、冷房運転時と暖房運転時の2種類の冷媒流れを有する冷凍サイクル装置(以下ヒートポンプ装置と呼ぶ)において、第6、第7、第8、第9の逆止弁17a,17b,17c,17dを用いて熱源機側熱交換器3における冷媒の流れを凝縮器の場合も蒸発器の場合も同一方向に流し、しかも熱源機側熱交換器3の入口側に流入を開閉する片方向流れ用の電磁弁3f,3g,3jを配し、出口側に流出方向の流れは許容するが流入方向の流れを許容しない逆止弁3h,3iを配することで、ヒートポンプ装置であっても、熱交換器出入口に従来のような双方向性電磁弁を配する必要がなく、電磁弁や逆止弁の内部の構成部品の数が少なくなって、信頼性が向上する。
【0061】
更に第6、第7、第8、第9の逆止弁を設けて、熱源機側熱交換器3の流れ方向を、熱源機側熱交換器3が凝縮器となる場合も蒸発器となる場合も同一方向とし、しかも熱源機側熱交換器3の冷媒のパスパターンとしては、凝縮器となる場合も冷媒の流れが蒸発器となる場合も熱源媒体(この場合は空気)に対し対向流となるように並列熱交換器や冷媒配管を配置したので、以下のような効果を奏する。すなわち、凝縮器の場合には、顕熱変化をする過熱ガス部と過冷却部と熱源媒体との温度差を十分に確保できるため、熱交換容量が増加する。一方、蒸発器の場合にも、顕熱変化をする過熱ガス部と熱源媒体との温度差を十分に確保できるため、熱交換容量が増加する。したがって、エネルギー効率が向上し、結果として炭酸ガス排出量は減少して地球温暖化を防止するという効果を奏する。
【0062】
この実施の形態では、熱源機側熱交換器3を並列回路に3分割しその全てを開閉する例について説明したが、2分割または4分割以上の並列回路に分割した冷凍サイクル装置でも、また、分割した並列回路の一部のみを開閉するようにした冷凍サイクル装置でも、同様の効果を奏するのは言うまでもない。
また、この実施の形態では、熱源機側熱交換器3を分割した冷凍サイクル装置の説明を実施したが、室内機側熱交換器や氷蓄熱槽の熱交換器を複数の並列熱交換器に分割した冷凍サイクル装置でも、同様の効果を奏するのは言うまでもない。
また、この実施の形態では、熱源媒体が空気である空冷式の冷凍サイクル装置の説明を実施したが、熱源媒体が水である水冷式の冷凍サイクル装置でも、同様の効果を奏するのは言うまでもない。
また、この実施の形態では、熱源機が1台である冷凍サイクル装置の説明を実施したが、熱源機を複数台並列に接続した冷凍サイクル装置でも、同様の効果を奏するのは言うまでもない。
【0063】
発明の実施の形態2.
図12は、この発明の実施の形態2による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路を示す図である。図中符号A,B,C,D,E,1,2,3,4a,4c,4d,5,6,7,8,9,10B,10C,10D,11B,11C,11D,13B,13C,13D,14B,14C,14D,15A,15B,15C,15D,16A,16B,16C,16D,18,19,20,21,22,23,24,25は図26に示した従来の冷凍サイクル装置と同一または相当する部分のため、説明を省略する。
3f,3g,3h,3i,3j,3k,3l,17a,17bは図1に示した実施の形態1による冷凍サイクル装置と同一または相当する部分のため、説明を省略する。
4eは第1の熱源機側接続配管15Aの熱源機側の一端と熱源機側熱交換器3の冷媒分岐部3kとの間に設けられ、第1の熱源機側接続配管15Aから熱源機側熱交換器3の冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆は許容しない第5の逆止弁、4は第1、第3、第4、第5の逆止弁4a,4c,4d,4eより構成される切換弁である。
【0064】
つぎに、この装置の冷媒の流れを図13、図14、図15に添って説明する。図13では冷房のみの運転の場合(以下全冷房と称する)の流れと暖房運転のみの場合(以下全暖房と称する)を説明し、図15では冷房と暖房が混在し、熱源機側熱交換器3が凝縮器として作用する場合(以下冷房主体と称する)の流れを説明し、図14では冷房と暖房が混在し、熱源機側熱交換器3が蒸発器として作用する場合(以下暖房主体と称する)の流れを説明する。
ここでは、まず、図13に添って全冷房と全暖房の流れを説明する。図中実線矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示し、破線矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示す。まず全冷房時の流れを説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒が四方弁2に流入する。四方弁2を出た冷媒は、第6の逆止弁17a、または第7の逆止弁17bへ流入しようとする。第6の逆止弁17aは四方弁2から冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入可能である。第7の逆止弁17bは冷媒合流部3lから四方弁2への流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入できない。したがって、四方弁2を出た冷媒は第7の逆止弁17bには流入せず、第6の逆止弁17aに流入する。そして、第6の逆止弁17aを出た冷媒は、熱源機側熱交換器3、または第5の逆止弁4eへ流入しようとする。第5の逆止弁4eは第1の熱源機側接続配管15Aから冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、第5の逆止弁4eへは流入できない。したがって、第6の逆止弁17aを出た冷媒は、熱源機側熱交換器3へ流入する。熱源機側熱交換器3へ流入した冷媒は、ここで送風機18から送られる空気と熱交換して凝縮・液化する。凝縮・液化した高圧の液冷媒は第7の逆止弁17b、または第4の逆止弁4dに流入しようとする。第7の逆止弁17bの出口側は入口側よりも冷媒の流れとしては上流側に接続されているため、出口側の方が入口側よりも圧力が高く、流入できない。第4の逆止弁4dは冷媒合流部3lから第2の熱源機側接続配管16Aへの流れは許容するが、その逆の流れは許容しないので、流入可能である。したがって、熱源機側熱交換器3を出た冷媒は、第7の逆止弁17bに流入できず、第4の逆止弁4dを経て、第2の熱源機側接続配管16Aに流入する。第2の熱源機側接続配管16Aから第1の熱源機側接続配管15Aまでの流れは図26に示した従来の冷凍サイクル装置の一例としての空気調和装置と同一であり、ここでは説明を省略する。第1の熱源機側接続配管15Aから熱源機Aに流入した低圧のガス冷媒は、第1の逆止弁4a、四方弁2を経て圧縮機1に吸入される循環サイクルを構成し、冷房運転を行う。
このとき、冷房用電磁弁13B,13C,13Dが開弁し、暖房用電磁弁14B,14C,14Dが閉弁しているので、第1の室内機側接続配管15B,15C,15D、第2の室内機側接続配管16B,16C,16D、室内機B,C,Dには実線矢印の向きに冷媒が流れる。また、第1の熱源機側接続配管15Aが低圧、第2の熱源機側接続配管16Aが高圧、熱源機側熱交換器3の冷媒分岐部3kが高圧、四方弁2の切換弁4への接続端が低圧であるため、冷媒は必然的に第1の逆止弁4a、第4の逆止弁4dへ流通する。
【0065】
つぎに、全暖房時の流れを説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は四方弁2、第3の逆止弁4cを経て第1の熱源機側接続配管15Aに流入する。第1の熱源機側接続配管15Aから第2の熱源機側接続配管16Aまでの流れは図26に示した従来の冷凍サイクル装置の一例としての空気調和装置と同一であり、ここでは説明を省略する。第1の熱源機側接続配管15Aに流入した低圧二相状態の冷媒は、熱源機Aに流入し、第5の逆止弁4eを経て、熱源機側熱交換器3、または第6の逆止弁17aへ流入しようとする。第6の逆止弁17aは四方弁2から冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、第6の逆止弁17aへは流入できない。したがって、第5の逆止弁4eを出た冷媒は、熱源機側熱交換器3へ流入する。熱源機側熱交換器3へ流入した冷媒は熱源機側熱交換器3に流入し、ここで送風量可変の熱源機側送風機18によって送風される空気と熱交換して蒸発しガス状態となる。ガス状態となった冷媒は、第7の逆止弁17b、または第4の逆止弁4dに流入しようとする。第4の逆止弁4dの出口側は入口側よりも圧力が高く、流入できない。第7の逆止弁17bは冷媒合流部3lから四方弁2への流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入可能である。したがって、熱源機側熱交換器3を出た冷媒は、第4の逆止弁4dに流入できず、第7の逆止弁17bを経て、四方弁2または第6の逆止弁17aに流入しようとする。第6の逆止弁17aの出口側は入口側よりも冷媒の流れとして上流側に接続されているため、出口側の方が入口側よりも圧力が高く、流入できない。したがって、第7の逆止弁17bを出た冷媒は、熱源機の四方弁2を経て圧縮機1に吸入される循環サイクルを構成し、暖房運転を行う。
このとき、暖房用電磁弁14B,14C,14Dが開弁し、冷房用電磁弁13B,13C,13Dが閉弁しているので、第1の室内機側接続配管15B,15C,15D、第2の室内機側接続配管16B,16C,16D、室内機B,C,Dには破線矢印の向きに冷媒が流れる。また、第1の熱源機側接続配管15Aが低圧、第2の熱源機側接続配管16Aが高圧、熱源機側熱交換器3の冷媒分岐部3kが低圧、四方弁2の切換弁4への接続端が高圧であるため、冷媒は必然的に第5の逆止弁4e、第3の逆止弁4cへ流通する。
【0066】
つぎに、暖房主体時の流れを図14に添って説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は四方弁2、第3の逆止弁4cを経て第1の熱源機側接続配管15Aに流入する。第1の熱源機側接続配管15Aから第2の熱源機側接続配管16Aまでの流れは図26に示した従来の冷凍サイクル装置の一例としての空気調和装置と同一であり、ここでは説明を省略する。第1の熱源機側接続配管15Aに流入した低圧二相状態の冷媒は、熱源機Aに流入し、第5の逆止弁4eを経て、熱源機側熱交換器3、または第6の逆止弁17aへ流入しようとする。第6の逆止弁17aは四方弁2から冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、第6の逆止弁17aへは流入できない。したがって、第5の逆止弁4eを出た冷媒は、熱源機側熱交換器3へ流入する。熱源機側熱交換器3へ流入した冷媒は熱源機側熱交換器3に流入する。ここで送風量可変の熱源機側送風機18によって送風される空気と熱交換して蒸発しガス状態となった冷媒は、第7の逆止弁17bまたは第4の逆止弁4dに流入しようとする。第4の逆止弁4dの出口側は入口側よりも圧力が高く、流入できない。第7の逆止弁17bは冷媒合流部3lから四方弁2への流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入可能である。したがって、熱源機側熱交換器3を出た冷媒は、第4の逆止弁4dに流入できず、第7の逆止弁17bを経て、四方弁2または第6の逆止弁17aに流入しようとする。第6の逆止弁17aの出口側は入口側よりも冷媒の流れとしては上流側に接続されているため、出口側の方が入口側よりも圧力が高く、流入できない。したがって、第7の逆止弁17bを出た冷媒は、熱源機の四方弁2を経て圧縮機1に吸入される循環サイクルを構成し、暖房主体運転を行う。
このとき、暖房用電磁弁14B,14Cが開弁し、冷房用電磁弁13B,13Cが閉弁しているので、第1の室内機側接続配管15B,15C、第2の室内機側接続配管16B,16C、室内機B,Cには破線矢印の向きに冷媒が流れて暖房する。また、暖房用電磁弁14Dが閉弁し、冷房用電磁弁13Dが開弁しているので、第1の室内機側接続配管15D、第2の室内機側接続配管16D、室内機Dには破線矢印の向きに冷媒が流れて冷房する。また、第1の熱源機側接続配管15Aが低圧、第2の熱源機側接続配管16Aが高圧、熱源機側熱交換器3の冷媒分岐部3kが低圧、四方弁2の切換弁4への接続端が高圧であるため、冷媒は必然的に第5の逆止弁4e、第3の逆止弁4cへ流通する。
【0067】
つぎに、冷房主体時の流れを図15に添って説明する。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒が四方弁2に流入する。四方弁2を出た冷媒は、第6の逆止弁17aまたは第7の逆止弁17bへ流入しようとする。第6の逆止弁17aは四方弁2から冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入可能である。第7の逆止弁17bは冷媒合流部3lから四方弁2への流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入できない。したがって、四方弁2を出た冷媒は第7の逆止弁17bには流入せず、第6の逆止弁17aに流入する。第6の逆止弁17aを出た冷媒は、熱源機側熱交換器3または第5の逆止弁4eへ流入しようとする。第5の逆止弁4eは第1の熱源機側接続配管15Aから冷媒分岐部3kへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、第5の逆止弁4eへは流入できない。したがって、第6の逆止弁17aを出た冷媒は、熱源機側熱交換器3へ流入する。熱源機側熱交換器3へ流入した冷媒は、ここで送風機18から送られる空気と熱交換し半ば凝縮・液化して、高温・高圧の二相状態となる。この高温・高圧の二相状態の冷媒は第7の逆止弁17b、または第4の逆止弁4dに流入しようとする。第7の逆止弁17bの出口側は入口側よりも冷媒の流れとしては上流側に接続されているため、出口側の方が入口側よりも圧力が高く、流入できない。第4の逆止弁4dは冷媒合流部3lから第2の熱源機側接続配管16Aへの流れは許容するがその逆の流れは許容しないので、流入可能である。したがって、熱源機側熱交換器3を出た冷媒は、第7の逆止弁17bに流入できず、第4の逆止弁4dを経て、第2の熱源機側接続配管16Aに流入する。第2の熱源機側接続配管16Aから第1の熱源機側接続配管15Aまでの流れは図26に示した従来の冷凍サイクル装置の一例としての空気調和装置と同一であり、ここでは説明を省略する。第1の熱源機側接続配管15Aから熱源機Aに流入した低圧のガス冷媒は、第1の逆止弁4a、四方弁2を経て圧縮機1に吸入される循環サイクルを構成し、冷房主体運転を行う。
このとき、冷房用電磁弁13B,13Cが開弁し、暖房用電磁弁14B,14Cが閉弁しているので、第1の室内機側接続配管15B,15C、第2の室内機側接続配管16B,16C、室内機B,Cには実線矢印の向きに冷媒が流れて冷房する。また、冷房用電磁弁13Dが閉弁し、暖房用電磁弁14Dが開弁しているので、第1の室内機側接続配管15D、第2の室内機側接続配管16D、室内機Dには実線矢印の向きに冷媒が流れて暖房する。また、第1の熱源機側接続配管15Aが低圧、第2の熱源機側接続配管16Aが高圧、熱源機側熱交換器3の冷媒分岐部3kが高圧、四方弁2の切換弁4への接続端が低圧であるため、冷媒は必然的に第1の逆止弁4a、第4の逆止弁4dへ流通する。
【0068】
つぎに、熱源機側熱交換器3および熱源機側送風機18の動作については実施の形態1と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0069】
つぎに、第5、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3f,3g、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jの内部構造と動作原理、および、第1、第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3h,3iの内部構造と動作原理についても、実施の形態1と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0070】
以上のように、切換弁4における第2の逆止弁4bの接続を変更して第5の逆止弁4eとし、第6、第7の逆止弁17a,17bを追加することで、図26に示した従来の冷凍サイクル装置の一例において、熱源機側熱交換器3の流れ方向を凝縮器の場合も蒸発器の場合も同一方向とすることができる。このような冷媒回路構成とした上で、更に熱源機側熱交換器3の互いに並列に分岐した第1、第2、第3の冷媒回路21,22,23(それぞれ並列回路)を個別に開閉するのに、冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lへ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁3f,3g,3jを配し、第1、第2の熱交換器24,25の冷媒出側に、冷媒分岐部3kから冷媒合流部3lへ向かう方向の流れは許容するが冷媒合流部3lから冷媒分岐部3kへ向かう流れを許容しない逆止弁3h,3iを配したことで、図26は熱源機1台に対して複数台の室内機を接続し、ある室内機で冷房を選択しながら暖房も同時に選択できる多室型ヒートポンプ空気調和機でも、出入口に従来のような双方向性電磁弁を配する必要がなく、電磁弁や逆止弁の内部の構成部品の数が少なくなって、信頼性が向上する。
【0071】
更に、熱源機側熱交換器3が凝縮器となる場合も蒸発器となる場合も同一方向とし、しかも熱源機側熱交換器3の冷媒のパスパターンとしては、凝縮器となる場合も蒸発器となる場合も熱源媒体(この場合は空気)に対し対向流となるように並列熱交換器や冷媒配管を配置したので、以下のような効果を奏する。すなわち、凝縮器の場合には、顕熱変化をする過熱ガス部と過冷却部と熱源媒体との温度差を十分に確保できるため、熱交換容量が増加する。一方、蒸発器の場合にも、顕熱変化をする過熱ガス部と熱源媒体との温度差を十分に確保できるため、熱交換容量が増加する。したがって、エネルギー効率が向上し、結果として炭酸ガス排出量は減少し、地球温暖化を防止するという効果を奏する。
【0072】
この実施の形態では、熱源機側熱交換器3を並列に3分割しその全てを開閉する例について説明したが、2分割または4分割以上に並列に分割した冷凍サイクル装置でも、また、分割した回路の一部のみを開閉するようにした冷凍サイクル装置でも、同様の効果を奏するのは言うまでもない。
また、この実施の形態では、熱源機側熱交換器3を分割した冷凍サイクル装置の説明を実施したが、室内機側熱交換器(利用側熱交換器)や氷蓄熱槽の熱交換器を複数の並列熱交換器に分割した冷凍サイクル装置でも、同様の効果を奏するのは言うまでもない。
また、この実施の形態では、熱源媒体が空気である空冷式の冷凍サイクル装置の説明を実施したが、熱源媒体が水である水冷式の冷凍サイクル装置でも、同様の効果を奏するのは言うまでもない。
また、この実施の形態では、熱源機が1台である冷凍サイクル装置の説明を実施したが、熱源機を複数台並列に接続した冷凍サイクル装置でも、同様の効果を奏するのは言うまでもない。
【0073】
発明の実施の形態3.
この発明の実施の形態3では、実施の形態1、実施の形態2の冷凍サイクル装置において、冷媒をR22とR13B1などの沸点の異なる複数の冷媒を混合したものを使用するようにしてある。沸点の異なる複数種の冷媒を混合した混合冷媒は、熱源機側熱交換器3における気液二相部で温度勾配がある。すなわち、凝縮器では、気液二相部は冷媒の流れ方向に従って凝縮・液化が進み、凝縮温度も低下する。また、蒸発器では、気液二相部は冷媒の流れ方向に従って蒸発・ガス化が進み、蒸発温度も上昇する。この実施の形態の冷凍サイクル装置では、熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも冷媒の流れ方向が一方向で、かつ、熱源媒体と冷媒とがいずれの場合でも対向流となるように構成されているので、熱源機側熱交換器3の気液二相部において冷媒と熱源媒体の温度差が十分に確保される。以上から、熱源機側熱交換器3の熱交換容量が増加してエネルギー効率が向上し、結果として炭酸ガス排出量は減少して地球温暖化を防止するという効果を奏する。
【0074】
発明の実施の形態4.
この発明の実施の形態4では、実施の形態3の冷凍サイクル装置において、冷媒として、オゾン層を破壊するとされる塩素を含まないHFC系で沸点の異なるHFC32、HFC125、HFC134aのうち少なくとも2種類を混合したものを使用する。この混合冷媒は沸点の異なる複数種の冷媒を混合した混合冷媒であることから、熱源機側熱交換器3における気液二相部で温度勾配がある。この発明の実施の形態では熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも冷媒の流れ方向が一方向で、かつ熱源媒体と冷媒がいずれの場合でも対向流となるように構成されているので、熱源機側熱交換器3の気液二相部で、冷媒と熱源媒体の温度差が十分に確保される。以上から、熱源機側熱交換器3の熱交換容量が増加してエネルギー効率が向上し、結果として炭酸ガス排出量は減少して地球温暖化を防止するという効果を奏する。
更に、この混合冷媒は塩素を含まないので、オゾン層を破壊するおそれがなく、地球環境を保全するという効果を奏する。
【0075】
発明の実施の形態5.
この発明の実施の形態5では、図12に示した実施の形態2の冷凍サイクル装置において、熱源機Aの中で一点鎖線で囲まれた符号26の部分を集積・一体化させる。すなわち、26は、第1、第3、第4、第5、第7の逆止弁4a,4c,4d,4e,17b、第1、第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3h,3iおよびその周辺の冷媒配管を共通のボディに内蔵・集積・一体化した逆止弁ブロックである。26aは逆止弁ブロック26の四方弁2との第1の接続部(熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合に圧縮機1の吐出配管が接続される接続端側)、26bは逆止弁ブロック26の第6の逆止弁17aとの第2の接続部、26cは逆止弁ブロック26の熱源機側熱交換器3の冷媒分岐部3k側の第3の接続部、26dは逆止弁ブロック26の第1の熱源機側接続配管15Aとの第4の接続部、26eは逆止弁ブロック26の第2の熱源機側接続配管16Aとの第5の接続部、26fは逆止弁ブロック26の第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3jとの第6の接続部、26gは逆止弁ブロック26の熱源機側熱交換器3の第2の熱交換器25の出口端との第7の接続部、26hは逆止弁ブロック26の熱源機側熱交換器3の第1の熱交換器24の出口端との第8の接続部、26iは逆止弁ブロック26の四方弁2との第9の接続部(熱源機側熱交換器3が凝縮器の場合に圧縮機1の吸入配管が接続される接続端側)である。
【0076】
つぎに、逆止弁ブロック26の構造を、図16、図17、図18、図19、図20、図21、図22に添って説明する。図16は逆止弁ブロック26を上方から見た図であり、フランジ式の蓋のパッキンは破線で示してある。図17はフランジ式の蓋、ネジ式の蓋を取り外した逆止弁ブロック26を上方から見た図であり、フランジ式の蓋を固定するボルトのネジ穴は図示していない。この図では、連通路・連通空間を破線で示している。図18は図16のA−A断面を示す断面図、図19は図16のB−B断面を示す断面図、図20は図16のC−C断面を示す断面図、図21は図16のD−D断面を示す断面図、図22は図16のE−E断面を示す断面図である。26aから26iは図12に同一符号で示した逆止弁ブロック26の各接続端に相当する。また、81は逆止弁ブロック26における各逆止弁共通のボディである。まず、各逆止弁を中心にして構造および動作を説明する。
【0077】
まず、第1の逆止弁4aの説明をする。96はバルブ、106は弁室、114は流入空間である。この場合、バルブ96が弁室106を上下に動き、流入空間114の最上端のメインポートを開閉することで、第1の逆止弁4aが開閉する。流入空間114に第9の接続部26iより高圧がかかると、バルブ96は上にリフトして流入空間114の最上端のメインポートを開く。また、第9の接続部26iに流入空間114より高圧がかかると、バルブ96は下に動いて流入空間114の最上端のメインポートを閉じる。詳細の動作原理は実施の形態1の図8から図11に示した逆止弁と同じである。
116は弁室106の下方に接し、流入空間114の上方に接する連通室、87aは第9の接続部26iと一体化したフランジ式の蓋、87bは蓋87aとボディ81との間に挟まれて、逆止弁の内部空間と外部とをシールするパッキン、87c,87d,87e,87fは蓋87aをボディ81に締結・固定するボルトである。
【0078】
つぎに、第3の逆止弁4cの説明をする。95はバルブ、105は弁室、117は流入空間である。120は流出空間で、弁室105の下部側面と連通している。121は弁室105の上端部と流出空間120とを連通するパイロット管である。バルブ95が弁室105を上下に動き、流入空間117の最上端のメインポートを開閉することで第3の逆止弁4cが開閉する。流入空間117に流出空間120より高圧がかかると、弁室105の側面とバルブ95の側面のクリアランスおよびパイロット管121を経て流出空間へ圧力が抜けるため、バルブ95の上方の圧力は流出空間120とほぼ等しくなる。これにより、弁室105におけるバルブ95の下方の圧力が上方の圧力よりも高くなり、バルブ95には上向きの力が作用する。この結果、バルブ95は上にリフトし、流入空間117の最上端のメインポートを開く。また、流出空間120に流入空間117よりも高圧がかかると、その高圧がパイロット管121を経て弁室105におけるバルブ95の上方に導入される。また、流出空間から弁室105を経て流入空間117へと流体が流れて、弁室105のバルブ95の下方部の圧力は圧力損失の分だけ低圧となる。これにより、バルブ95には下向きの力が作用し、また自重により下向きの力が加算されるため、バルブ95は下に動いて流入空間117の最上端のメインポートを閉じる。
85はネジ式の蓋であり、その側面に雄ネジが設けられている。また、ボディ81には雌ネジが設けられ、蓋85がねじ込まれる。これにより、蓋85はボディ81に着脱可能に挿入され、金属接触により逆止弁の内部空間と外部とをシールする。詳細の構造は実施の形態1の図6、図7の電磁弁におけるサブボディ35と同じである。
【0079】
つぎに、第4の逆止弁4dの説明をする。94はバルブ、104は弁室、118は流入空間である。120は第3の逆止弁4cとの共通の流出空間で、弁室105の下部側面と連通している。121は弁室105の上端部と流出空間120とを連通するパイロット管である。バルブ94は弁室104を上下に動き、流入空間118の最上端のメインポートを開閉することで、第4の逆止弁4dが開閉する。詳細の動作原理は第3の逆止弁4cと同じであり、説明を省略する。
84はネジ式の蓋であり、その側面に雄ネジが設けられている。また、ボディ81には雌ネジが設けられ、蓋84がねじ込まれる。これにより、蓋84はボディ81に着脱可能に挿入され、金属接触により逆止弁の内部空間と外部とをシールする。詳細の構造は実施の形態1の図6、図7の電磁弁におけるサブボディ35と同じである。
【0080】
つぎに、第5の逆止弁4eの説明をする。97はバルブ、107は弁室、113は流入空間である。バルブ97が弁室107を上下に動き、流入空間113の最上端のメインポートを開閉することで、第5の逆止弁4eが開閉する。詳細の動作原理は第1の逆止弁4aと同じであり、説明を省略する。
86aは第3の接続部26cと一体化したフランジ式の蓋、86bは蓋86aとボディ81との間に挟まれて、逆止弁の内部空間と外部とをシールするパッキン、86c,86d,86e,86fは蓋86aをボディ81に締結・固定するボルトである。
【0081】
つぎに、第7の逆止弁17bの説明をする。93はバルブ、103は弁室、110は流入空間である。バルブ93が弁室103を上下に動き、流入空間110の最上端のメインポートを開閉することで、第7の逆止弁17bが開閉する。詳細の動作原理は第1の逆止弁4aと同じであり、説明を省略する。
112は弁室103の下方に接し、流入空間110の上方に接する連通室、88aは第1の接続部26aと一体化したフランジ式の蓋、88bは蓋88aとボディ81との間に挟まれて、逆止弁の内部空間と外部とをシールするパッキン、88c,88d,88e,88fは蓋88aをボディ81に締結・固定するボルトである。
【0082】
つぎに、第1の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3hの説明をする。91はバルブ、101は弁室、108は流入空間である。125は連通空間で、弁室102の下部側面と連通穴128を介して接続されている。124は弁室101の上端部と連通空間125とを連通するパイロット管である。バルブ91は弁室101を上下に動き、流入空間108の最上端のメインポートを開閉することで、第1の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3hが開閉する。詳細の動作原理は第3の逆止弁4cと同じであり、説明を省略する。
82はネジ式の蓋であり、その側面に雄ネジが設けられている。また、ボディ81には雌ネジが設けられ、蓋82がねじ込まれる。これにより、蓋82はボディ81に着脱可能に挿入され、金属接触により逆止弁の内部空間と外部とをシールする。詳細の構造は実施の形態1の図6、図7の電磁弁におけるサブボディ35と同じである。
【0083】
つぎに、第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3iの説明をする。92はバルブ、102は弁室、109は流入空間である。連通空間125は弁室102の下部側面と連通穴127を介して接続されている。123は弁室102の上端部と連通空間125とを連通するパイロット管である。バルブ92は弁室102を上下に動き、流入空間109の最上端のメインポートを開閉することで、第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3iが開閉する。詳細の動作原理は第3の逆止弁4cと同じであり、説明を省略する。
83はネジ式の蓋であり、その側面に雄ネジが設けられている。また、ボディ81には雌ネジが設けられ、蓋83がねじ込まれる。これにより、蓋83はボディ81に着脱可能に挿入され、金属接触により逆止弁の内部空間と外部とをシールする。詳細の構造は実施の形態1の図6、図7の電磁弁におけるサブボディ35と同じである。
【0084】
ここで、逆止弁ブロック26に内蔵された、各逆止弁の周辺の接続通路の説明をする。115は第4の接続部26dと流入空間113および流入空間114とを互いに連通する連通路、118は連通室116と流入空間117とを連通する連通路、126は連通室112と第2の接続部26bとを連通する連通路、111は連通空間125と流入空間110とを連通する連通路、119は連通空間125と流入空間118とを連通する連通路である。
【0085】
引続き、逆止弁ブロック26の冷媒の流れについて説明する。冷媒流通路としては以下に記す6つのパスがある。
第1パスは、熱源機側熱交換器3が凝縮器となる全冷房運転時、あるいは冷房主体運転時の流れで、第8の接続部26h、第9の接続部26i、第6の接続部26fから流入し、第5の接続部26eに至る経路である。すなわち、第8の接続部26hから流入空間108、弁室101、連通穴128を経て連通空間125へ達する経路と、第9の接続部26iから流入空間109、弁室102、連通穴127を経て連通空間125へ達する経路と、第6の接続部26fから流入空間110、連通路111を経て連通空間125へ達する経路とが、連通空間125で一旦合流する。その後、連通路119を経て流入空間118に達し、更に弁室104、流出空間122を経て第5の接続部26eに至る。
第2パスは、熱源機側熱交換器3が凝縮器となる全冷房運転時、冷房主体運転時の流れで、第4の接続部26dから流入し、第9の接続部26iに至る経路である。すなわち、第4の接続部26dから連通路115を経て流入空間114に達し、連通室116、弁室106を経て第9の接続部26iへ至る。
第3パスは、熱源機側熱交換器3が凝縮器となる全冷房運転時、冷房主体運転時の流れで、第1の接続部26aから流入し、第2の接続部26bに至る経路である。すなわち、第1の接続部26aから冷媒が流入し、弁室103に至る。第6の接続部26fは全冷房運転時、冷房主体運転時には第1の接続部26aより下流側にあるので、第6の接続部26fの圧力は第1の接続部26aの圧力より低い。したがって、バルブ93には下向きの力が作用して、下に移動する。バルブ93は実施の形態1における図10、図11に示したものと同じであり、4個ある摺動部72の間の1/4円状の空間が、4個所形成されている。弁室103に至った冷媒は、4個ある摺動部72の間の1/4円状の空間を経由して、連通室112へと流れ、第2の接続部26bに至る。
第4パスは、熱源機側熱交換器3が蒸発器となる全暖房運転時、暖房主体運転時の流れで、第8の接続部26h、第9の接続部26i、第6の接続部26fから流入し、第1の接続部26aに至る経路である。すなわち、第8の接続部26hから流入空間108、弁室101、連通穴128を経て連通空間125へ達する経路と、第9の接続部26iから流入空間109、弁室102、連通穴127を経て連通空間125へ達する経路とが連通空間125で一旦合流する。その後、連通路111を経て流入空間110に達し、ここで第6の接続部26fから流入したものとさらに合流する。その後、連通室112、弁室103を経て第1の接続部26aに至る。
第5パスは、熱源機側熱交換器3が蒸発器となる全暖房運転時、暖房主体運転時の流れで、第4の接続部26dから流入し、第3の接続部26cに至る経路である。すなわち、第4の接続部26dから連通路115を経て流入空間113に達し、弁室107を経て第3の接続部26cへ至る。
第6パスは、熱源機側熱交換器3が蒸発器となる全暖房運転時、暖房主体運転時の流れで、第9の接続部26iから流入し、第5の接続部26eに至る経路である。すなわち、第9の接続部26iから冷媒が流入し、弁室106に至る。第4の接続部26dは圧縮機1の吸入圧力とほぼ同じ低圧で、第9の接続部26iの圧力は圧縮機1の吸入圧力とほぼ同じ高圧であり、バルブ96には下向きの力が作用して、下に移動する。バルブ96は実施の形態1における図10、図11に示したものと同じであり、4個ある摺動部72の間の1/4円状の空間が、4個所形成される。弁室106に至った冷媒は、4個ある摺動部72の間の1/4円状の空間を経由して、連通室116へと流れ、連通路118を経て流入空間117に至る。その後、弁室105、流入空間122を経て第5の接続部26eに至る。
【0086】
つぎに、本発明の実施の形態5の熱源機Aの構造について図23の熱源機Aの構造図に添って説明する。24,25は第1、第2の熱交換器であり、図12に示したものと同じであり説明を省略する。141は熱源機側送風機18の吹き出し側にあるファンガード、142は熱源機側熱交換器3の第1の熱交換器24の吸い込み側にある第1のフィンガード、143は熱源機側熱交換器3の第2の熱交換器25の吸い込み側にある第2のフィンガード、144,145,146,147はフィンガード142,143の上下に配せられたパネルである。148は第1、第2の熱交換器24,25の下部に設けられた機械室で、圧縮機1、四方弁2、第5、第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁3f,3g、第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁3j、逆止弁ブロック26、第6の逆止弁17aおよびこれらを接続する配管が内蔵されている。
第1、第3、第4、第5、第7の逆止弁4a,4c,4d,4e,17b、第1、第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3h,3iおよびその周辺の冷媒配管を共通のボディ81に内蔵・集積・一体化して逆止弁ブロック26を形成しているので、空間容積効率がよく、コンパクト化され、しかも周辺の冷媒配管も迂回させる必要がないため、機械室18は小さくなる。したがって、機械室148が第1、第2の熱交換器24,25の吸い込み空間を塞ぐことはなく、熱源機側熱交換器3の熱交換容量が向上する。また、逆止弁ブロック26内部の配管経路も短くなっている上に、他の部分の配管経路も迂回させる必要がない分だけ短くなっている。したがって、配管を流れる冷媒の圧力損失が小さくなる。
【0087】
以上のように、第1、第3、第4、第5、第7の逆止弁4a,4c,4d,4e,17b、第1、第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁3h,3iおよびその周辺の冷媒配管を共通のボディ81に内蔵・集積・一体化して逆止弁ブロック26を形成することで、機械室148は小型化され、熱源機側熱交換器3の吸い込み空気流れを塞ぐことがないため、熱交換容量が向上する。また、冷媒配管の圧力損失が小さくなる。したがって、エネルギー効率が向上し、結果として炭酸ガス排出量は減少し、地球温暖化を防止するという効果を奏する。
【0088】
また、蓋82,83,84,85は金属接触のねじ込み式で容易に開け閉めが可能であり、蓋86a,87a,88aはパッキンシールによるフランジ式で容易に開け閉めが可能であるため、万一ごみかみなどで動作不良に陥った場合にでも、バルブ91,92,93,94,95,96,97を容易に取り出すことができ、保全性に優れているという効果を奏する。また、冷凍サイクル装置全体の寿命がきて、装置全体を廃却する場合においても、逆止弁ブロック26の各接続部から取り外して蓋を外すと、内蔵されているバルブ91,92,93,94,95,96,97が最利用可能か否かを判断することができる。因みに、バルブのシート面は閉止性を確保するために、一般に樹脂を使用しているが、これらは冷凍サイクル装置内部の高温高圧環境下に長時間置かれるため、装置全体の寿命がきた場合には劣化している。そこで、最利用可能であれば、再度弁室へ挿入すればよく、最利用不可能な場合には交換することが容易である。また、逆止弁ブロック26の内部の清浄度も容易に判断でき、汚れが著しい場合にも容易に洗浄が可能である。したがって、逆止弁ブロック26はボディ81および蓋のリサイクルが可能であり、省資源化できるという効果を奏する。
【0089】
また、蓋86a,87a,88aは第1、第3、第9の接続部26a,26c,26iと一体化しているため、装置全体を廃却する場合に、再度、新しい装置に組み込む場合でも接続部が組み込みにくい状態となることがなく、逆止弁ブロック26の各接続部から取り外すのが容易であるという効果を奏する。
【0090】
この実施の形態では、複数の逆止弁およびその周辺の冷媒配管を共通ボディに内蔵・集積・一体化して逆止弁ブロックを形成しているが、図12において電磁弁3f,3g,3jおよび冷媒分岐部3k、更には逆止弁および電磁弁の双方を共通ボディに一体化しても同様の効果を奏することは言うまでもない。
また、この実施の形態では、実施の形態2における複数の逆止弁およびその周辺の冷媒配管を内蔵・集積・一体化して逆止弁ブロック26を形成しているが、実施の形態1における複数の逆止弁およびその周辺の冷媒配管を内蔵・集積・一体化しても同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0091】
【発明の効果】
この発明は以上のように構成されているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、熱源機側熱交換器を構成する複数の並列回路のうちの少なくともひとつの並列回路に、並列回路の冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁を設けるとともに、並列回路における並列熱交換器の冷媒出側に、冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れは許容するが冷媒合流部から冷媒分岐部へ向かう流れを許容しない逆止弁を設けたことで、一方向流れの電磁弁は構成が簡素であるため、装置全体として電磁弁や逆止弁の内部の構成部品の数が少なくなり、信頼性が向上する。
【0092】
また、請求項2に記載の発明によれば、熱源機側熱交換器を構成する複数の並列回路のうちの少なくともひとつの並列回路に、並列回路の冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁を設けるとともに、並列回路における並列熱交換器の冷媒出側に、冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れは許容するが冷媒合流部から冷媒分岐部へ向かう流れを許容しない逆止弁を設けたことで、一方向流れの電磁弁は構成が簡素であるため、冷暖房切替え可能な冷房用の冷媒回路と暖房用の冷媒回路を備えながらにして、装置全体で電磁弁や逆止弁の内部の構成部品の数が少なくなり、信頼性を向上させることができる。
【0093】
そして、請求項3に記載の発明によれば、熱源機側熱交換器を構成する複数の並列回路のうちの少なくともひとつの並列回路に、並列回路の冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁を設けるとともに、並列回路における並列熱交換器の冷媒出側に、冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れは許容するが冷媒合流部から冷媒分岐部へ向かう流れを許容しない逆止弁を設けたことで、一方向流れの電磁弁は構成が簡素であるため、冷房と暖房の同時運転が可能な冷媒回路を備えながらにして、装置全体で電磁弁や逆止弁の内部の構成部品の数が少なくなり、信頼性を向上させることができる。
【0094】
更に、請求項4に記載の発明によれば、複数の並列熱交換器における熱源媒体と冷媒とが対向流となるように構成したので、熱源機側熱交換器が凝縮器の場合には、顕熱変化をする過熱ガス部と過冷却部と熱源媒体との温度差を十分に確保できるため、熱交換容量が増加する。また、蒸発器となる場合にも、顕熱変化をする過熱ガス部と熱源媒体との温度差を十分に確保できるため、熱交換容量が増加する。したがって、エネルギー効率が向上し、結果として炭酸ガス排出量が減少して地球温暖化を防止するという効果を奏する。
【0095】
また、請求項5に記載の発明によれば、沸点の異なる複数種の冷媒を混合した混合冷媒を使用したので、熱源機側熱交換器の気液二相部に温度勾配ができる。ゆえに、熱源機側熱交換器が凝縮器の場合は気液二相部は冷媒の流れ方向に従って凝縮・液化が進み、凝縮温度も低下する。一方、蒸発器となる場合は気液二相部は冷媒の流れ方向に従って蒸発・ガス化が進み、蒸発温度も上昇する。すなわち、熱源機側熱交換器が凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも冷媒の流れ方向が一方向であり、かつ、いずれの場合でも熱源媒体と冷媒が対向流となるように回路構成されているので、熱源機側熱交換器の気液二相部において冷媒と熱源媒体の温度差が十分に確保される。以上から、熱交換容量が増加してエネルギー効率が向上し、結果として炭酸ガス排出量が減少して地球温暖化を防止するという効果を奏する。
【0096】
そして、請求項6に記載の発明によれば、オゾン層を破壊するとされる塩素を含まないHFC系であって沸点の異なるHFC32、HFC125、HFC134aのうち、少なくとも2種類を混合した混合冷媒を使用するようにしたが、この混合冷媒は沸点の異なる複数種の冷媒を混合した混合冷媒であることから、熱源機側熱交換器における気液二相部に温度勾配ができる。加えて、凝縮器の場合でも蒸発器の場合でも冷媒の流れ方向が一方向であり、かつ、いずれの場合でも熱源媒体と冷媒が対向流となるように回路構成されているので、熱源機側熱交換器の気液二相部は冷媒と熱源媒体の温度差が十分に確保される。以上から、熱源機側熱交換器の熱交換容量が増加してエネルギー効率が向上し、結果として炭酸ガス排出量が減少して地球温暖化を防止するという効果を奏する。更に、この混合冷媒は塩素を含まないので、オゾン層を破壊するおそれがなく、地球環境を保全するという効果を奏する。
【0097】
更に、請求項7に記載の発明によれば、複数の逆止弁および/または複数の電磁弁、並びにそれら周辺の冷媒配管を共通のボディに内蔵・集積・一体化したことで、機械室が小型化され、熱源機側熱交換器の吸い込み空気流路を塞ぐことがないため、熱交換容量が向上する。また、冷媒配管の圧力損失が小さくなる。したがって、エネルギー効率が向上し、結果として炭酸ガス排出量が減少して地球温暖化を防止するという効果を奏する。
【0098】
また、請求項8に記載の発明によれば、逆止弁の弁体または電磁弁の弁体を出し入れ自在にするための、ねじ込み式またはフランジ式などといった蓋を共通ボディに着脱可能に備えたので、万一、ごみのかみ込みなどで動作不良に陥った場合でも、バルブを容易に取り出すことができ、保全性に優れているという効果を奏する。また、冷凍サイクル装置全体の寿命がきて装置全体を廃却する場合においても、複数の逆止弁を集積・一体化したものを取り出すことにより、内蔵されているバルブが最利用可能か否かを判断することができ、最利用可能であれば再度挿入して元に戻し、最利用不可能な場合でも交換することが容易である。また、複数の逆止弁を集積・一体化したものの内部の清浄度も容易に判断でき、汚れが著しい場合には容易に洗浄が可能である。したがって、リサイクルが可能であり、省資源化できるという効果を奏する。
【0099】
そして、請求項9に記載の発明によれば、逆止弁または電磁弁の蓋に、並列回路に接続される接続配管が一体化されているので、装置全体を廃却する場合で、再度、新しい装置に組み込む場合でも接続部が組み込みにくい状態となることがなく、複数の逆止弁を集積・一体化したものにおける各接続部から取り外すのが容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路の冷房運転時と暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の第2の熱源機側熱交換容量制御手段の制御内容を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の第2の熱源機側熱交換容量制御手段の凝縮器の場合の制御の流れを示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の第2の熱源機側熱交換容量制御手段の蒸発器の場合の制御の流れを示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の電磁弁の構造(閉弁時)を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の電磁弁の構造(開弁時)を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁の構造(閉弁時)を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁の構造(開弁時)を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁のバルブを示す図(上からみた図)である。
【図11】 この発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁のバルブを示す図(横からみた図)である。
【図12】 この発明の実施の形態2による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態2による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路の全冷房運転時と全暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態2による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路の暖房主体運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態2による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路の冷房主体運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態5による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁ブロックの構造図(上からみた図)である。
【図17】 この発明の実施の形態5による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁ブロックの構造図(連通路の説明図)である。
【図18】 この発明の実施の形態5による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁ブロックの断面図(図16のA−A断面)である。
【図19】 この発明の実施の形態5による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁ブロックの断面図(図16のB−B断面)である。
【図20】 この発明の実施の形態5による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁ブロックの断面図(図16のC−C断面)である。
【図21】 この発明の実施の形態5による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁ブロックの断面図(図16のD−D断面)である。
【図22】 この発明の実施の形態5による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の逆止弁ブロックの断面図(図16のE−E断面)である。
【図23】 この発明の実施の形態5による冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の熱源機の構造図である。
【図24】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路を示す図である。
【図25】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路の冷房運転時と暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図26】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路を示す図である。
【図27】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路の全冷房運転時と全暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図28】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路の暖房主体運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図29】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の冷媒回路の冷房主体運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図30】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の第1の熱源機側熱交換容量制御手段の制御内容を示す図である。
【図31】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の第1の熱源機側熱交換容量制御手段の凝縮器の場合の制御の流れを示す図である。
【図32】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の第1の熱源機側熱交換容量制御手段の蒸発器の場合の制御の流れを示す図である。
【図33】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の電磁弁の構造を示す図である。
【図34】 従来の冷凍サイクル装置の一例として、空気調和装置の熱源機の構造図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、2 四方弁、3 熱源機側熱交換器、3f 第5の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁、3g 第6の熱源機側熱交換器開閉用電磁弁、3h 第1の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁、3i 第2の熱源機側熱交換器開閉用逆止弁、3j 第2の熱源機側熱交換器バイパス用電磁弁、3k 冷媒分岐部、3l 冷媒合流部、4 熱源機側切換弁、4a 第1の逆止弁、4c 第3の逆止弁、4d 第4の逆止弁、4e 第5の逆止弁、5 第1の分岐部、6 第2の分岐部、7 気液分離器、8 第2の流量制御弁、9 第3の流量制御弁、10B,10C,10D 室内機側熱交換器、11B,11C,11D 第1の流量制御弁、13B,13C,13D 冷房用電磁弁、14B,14C,14D 暖房用電磁弁、15A 第1の熱源機側接続配管、15B,15C,15D 第1の室内機側接続配管、16A 第2の熱源機側接続配管、16B,16C,16D 第2の室内機側接続配管、17a 第6の逆止弁、17b 第7の逆止弁、17c第8の逆止弁、17d 第9の逆止弁、18 熱源機側送風機、21 第1の冷媒回路、22 第2の冷媒回路、23 第3の冷媒回路、24 第1の熱交換器、25 第2の熱交換器、26 逆止弁ブロック、81 ボディ、82,83,84,85,86a,87a,88a 蓋。
Claims (9)
- 圧縮機、凝縮器、流量制御弁、蒸発器を順次配管接続して冷媒回路を形成し、上記蒸発器または上記凝縮器のいずれかを複数の並列熱交換器に分割し、上記蒸発器または上記凝縮器のいずれかを配置する位置の上記冷媒回路を複数の並列回路に分岐して構成し、上記複数の並列熱交換器を上記複数の並列回路に配備した冷凍サイクル装置において、
上記複数の並列回路のうちの少なくともひとつの並列回路に、上記並列回路の冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁を設けるとともに、上記並列回路における上記並列熱交換器の冷媒出側に、上記冷媒分岐部から上記冷媒合流部へ向かう方向の流れは許容するが上記冷媒合流部から上記冷媒分岐部へ向かう流れを許容しない逆止弁を設けたことを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 圧縮機から、複数の並列熱交換器に分割された熱源機側熱交換器と流量制御弁と利用側熱交換器とを順次経て上記圧縮機に冷媒を循環させる冷房用の冷媒回路と、上記圧縮機から、上記利用側熱交換器と上記流量制御弁と上記熱源機側熱交換器とを順次経て上記圧縮機に冷媒を循環させる暖房用の冷媒回路と、上記冷房用の冷媒回路と暖房用の冷媒回路の両方において上記複数の並列熱交換器における冷媒流れ方向を上記並列回路の冷媒分岐部へ向かう同一方向とする切換弁と、上記熱源機側熱交換器を配置する位置の冷媒回路を分岐して構成され上記並列熱交換器が配備される複数の並列回路とを備えた冷凍サイクル装置において、
上記複数の並列回路のうちの少なくともひとつの並列回路に、上記並列回路の冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁を設けるとともに、上記並列回路における上記並列熱交換器の冷媒出側に、上記冷媒分岐部から上記冷媒合流部へ向かう方向の流れは許容するが上記冷媒合流部から上記冷媒分岐部へ向かう流れを許容しない逆止弁を設けたことを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 圧縮機、切換弁、複数の並列熱交換器に分割された熱源機側熱交換器を備えてなる熱源機と、室内機側熱交換器、第1の流量制御弁よりなる複数の室内機とを第1、第2の接続配管を介して接続し、上記室内機の室内機側熱交換器の一方を上記第1の接続配管または上記第2の接続配管のいずれかに切換可能に接続する弁装置を有する第1の分岐部と、上記室内機の室内機側熱交換器の他方を上記第1の流量制御弁を介して接続し、かつ、上記第2の接続配管と接続する第2の分岐部とを備え、更に上記第2の分岐部と上記第1の接続配管とを接続し、上記熱源機側熱交換器を配置する位置の冷媒回路を複数の並列回路に分岐して構成するとともに、上記複数の並列熱交換器を上記複数の並列回路に配備してなる冷凍サイクル装置において、
上記複数の並列回路のうちの少なくともひとつの並列回路に、上記並列回路の冷媒分岐部から冷媒合流部へ向かう方向の流れのみ許容する電磁弁を設けるとともに、上記並列回路における上記並列熱交換器の冷媒出側に、上記冷媒分岐部から上記冷媒合流部へ向かう方向の流れは許容するが上記冷媒合流部から上記冷媒分岐部へ向かう流れを許容しない逆止弁を設けたことを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 複数の並列熱交換器における熱源媒体と冷媒とが対向流となるように回路構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
- 沸点の異なる複数種の冷媒を混合した混合冷媒を使用することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
- 混合冷媒は、HFC32、HFC125、HFC134aのうち、少なくとも2種類が混合されてなることを特徴とする請求項5に記載の冷凍サイクル装置。
- 複数の逆止弁および/または複数の電磁弁を共通のボディに一体的に構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
- 逆止弁または電磁弁の弁体を出し入れ自在にするための蓋を共通のボディにそれぞれ着脱可能に備えたことを特徴とする請求項7に記載の冷凍サイクル装置。
- 蓋に、並列回路に接続される接続配管が一体的に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の冷凍サイクル装置。
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