JP5381584B2 - 冷凍システム - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路において放熱器から流出した冷媒を、吸収式冷凍サイクルを行う補助冷凍装置により冷却する冷凍システムに関するものである。
従来より、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路において放熱器から流出した冷媒を、吸収式冷凍サイクルを行う補助冷凍装置により冷却する冷凍システムが知られている。例えば、特許文献1には、この種の冷凍システムが開示されている。
具体的に、特許文献1の冷凍システムは、蒸気圧縮式冷凍装置と吸収式冷凍装置とを組み合わせて構成されている。蒸気圧縮式冷凍装置の冷媒回路は、吸収式冷凍装置の蒸発器のプレート式熱交換器に接続されている。冷媒回路の凝縮器(放熱器)で凝縮した液冷媒は、蒸発器のプレート式熱交換器の内部に流入する。蒸発器のプレート式熱交換器では、その内部を流れる冷媒回路の冷媒が、その外表面を流れる吸収式冷凍装置の冷媒により過冷却される。この冷凍システムでは、冷媒回路において凝縮器で凝縮した冷媒を吸収式冷凍装置により冷却することにより、蒸気圧縮式冷凍装置の冷却能力を向上させている。
特開2009−85571号公報
ところで、この種の冷凍システムでは、吸収式冷凍サイクルを行う補助冷凍装置の冷却能力を調節して利用側熱交換器へ流入する冷媒のエンタルピーを変化させても、利用側熱交換器において得られる冷却能力(以下では、「利用側冷却能力」という。)が変化するし、圧縮機構の運転容量を調節して利用側熱交換器における冷媒流量を変化させても、利用側冷却能力が変化する。利用側冷却能力は、圧縮機構の運転容量と補助冷凍装置の冷却能力により調節される。しかし、従来の冷凍システムでは、圧縮機構の運転容量の調節と補助冷凍装置の冷却能力の調節をどのように連動させれば、省エネルギー化を図ることができるかは考えられていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸収式冷凍サイクルを行う補助冷凍装置により、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路において放熱器から流出した冷媒を冷却する冷凍システムにおいて、省エネルギー化を図ることができる能力制御を提供することにある。
第1の発明は、圧縮機構(14)と膨張機構(17)と熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(16)とが接続されて、上記熱源側熱交換器(15)が放熱器として動作して上記利用側熱交換器(16)が蒸発器として動作する蒸気圧縮式冷凍サイクルを冷却動作として行う冷媒回路(13)と、太陽熱及び排熱の少なくとも一方を熱源にして吸収式冷凍サイクルを行い、上記冷却動作中の冷媒回路(13)において上記熱源側熱交換器(15)から上記膨張機構(17)へ向かって流れる冷媒を冷却する補助冷凍装置(12)と、上記補助冷凍装置(12)を停止させて上記圧縮機構(14)を最低容量で運転させる低能力制御動作と、上記圧縮機構(14)を最低容量で運転させて上記補助冷凍装置(12)の冷却能力を調節する中能力制御動作と、上記補助冷凍装置(12)の冷却能力を最大値に設定して上記圧縮機構(14)の運転容量を調節する高能力制御動作とを実行可能に構成され、上記冷却動作中において上記低能力制御動作と上記中能力制御動作と上記高能力制御動作のうち何れか1つを、上記利用側熱交換器(16)において必要となる冷却能力に応じて選択して実行する制御手段(80)とを備えている冷凍システム(10)である。
第1の発明では、利用側熱交換器(16)において必要となる冷却能力である利用側冷却能力を制御する能力制御動作として、低能力制御動作と中能力制御動作と高能力制御動作とが実行可能になっている。低能力制御動作は、補助冷凍装置(12)を停止させて圧縮機構(14)を最低容量で運転させる動作であり、利用側冷却能力が一定値となる。低能力制御動作では、利用側熱交換器(16)における冷媒流量が最小値に調節される上に、利用側熱交換器(16)へ流入する冷媒のエンタルピーを補助冷凍装置(12)により低下させないので、利用側冷却能力が小さくなる。また、中能力制御動作は、圧縮機構(14)を最低容量で運転させて補助冷凍装置(12)の冷却能力を調節する動作であり、補助冷凍装置(12)の冷却能力の増減により利用側冷却能力が調節される。中能力制御動作では、利用側熱交換器(16)における冷媒流量が最小値に調節されるものの、利用側熱交換器(16)へ流入する冷媒のエンタルピーを補助冷凍装置(12)により低下させるので、低能力制御動作に比べて利用側冷却能力が大きくなる。また、高能力制御動作は、補助冷凍装置(12)の冷却能力を最大値に設定して圧縮機構(14)の運転容量を調節する動作であり、圧縮機構(14)の運転容量の増減により利用側冷却能力が調節される。高能力制御動作では、利用側熱交換器(16)における冷媒流量が最小値よりも多くなる上に、利用側熱交換器(16)へ流入する冷媒のエンタルピーを補助冷凍装置(12)により最大限低下させるので、中能力制御動作に比べて利用側冷却能力が大きくなる。そして、第1の発明では、利用側熱交換器(16)において必要となる冷却能力(以下では、「必要冷却能力」という。)に応じて、利用側冷却能力が大きくなる能力制御動作が行われる。必要冷却能力がそれほど大きくない場合は、圧縮機構(14)を最低容量で運転させる低能力制御動作又は中能力制御動作が行われ、圧縮機構(14)へ投入するエネルギーが最小値に保持される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記膨張機構(17)は、開度可変の膨張弁(17)により構成され、上記冷媒回路(13)では、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧が上記冷媒回路(13)の冷媒の臨界圧力以上の値に設定される一方、上記制御手段(80)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの成績係数がその時の冷媒回路(13)の動作状態において得られる最高の値となるように蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧の目標値を決定し、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧がその目標値になるように上記膨張弁(17)の開度を制御する。
第2の発明では、蒸気圧縮式冷凍サイクルの成績係数がその時の冷媒回路(13)の動作状態において得られる最高の値となるように、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧の目標値が決定される。そして、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧がその目標値になるように、膨張機構(17)が制御される。第2の発明では、蒸気圧縮式冷凍サイクルの成績係数がその時の冷媒回路(13)の動作状態において得られる最高の値となるように、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧が調節される。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記熱源側熱交換器(15)が、上記冷媒回路(13)の冷媒を空気と熱交換させ、上記補助冷凍装置(12)が備える凝縮器(32)は、該補助冷凍装置(12)の冷媒を空気と熱交換させる一方、上記熱源側熱交換器(15)と上記凝縮器(32)の両方へ空気を送るための送風機(27)が設けられ、上記制御手段(80)は、上記第2能力制御動作及び上記第3能力制御動作中に、上記送風機(27)の送風量を最大値に設定する。
第3の発明では、冷却動作中に、送風量が最大値に設定された送風機(27)により送られる空気が、熱源側熱交換器(15)と補助冷凍装置(12)の凝縮器(32)とにそれぞれ供給される。補助冷凍装置(12)の凝縮器(32)への送風量は、補助冷凍装置(12)に求められる冷却能力の大小に関係なく多くなる。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記制御手段(80)が、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧と低圧の差が所定の差圧判定値以下になった場合に限り、上記送風機(27)の送風量を最大値から低下させる。
第4の発明では、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧と低圧の差(以下では、「蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧」という。)が所定の差圧判定値以下になった場合に限り、送風機(27)の送風量が最大値から低下させられる。送風機(27)の送風量を低下させると、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧が増大する。従って、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧が差圧判定値以下になる状態が継続することが回避される。
第5の発明は、上記第1乃至第4の何れか1つの発明において、上記補助冷凍装置(12)の冷却能力の最大値が、上記補助冷凍装置(12)を停止して上記圧縮機構(14)を最高容量に設定した場合に上記利用側熱交換器(16)において得られる冷却能力よりも大きい。
第5の発明では、補助冷凍装置(12)の冷却能力の最大値が、補助冷凍装置(12)を停止して圧縮機構(14)を最高容量に設定した場合の利用側冷却能力よりも大きい。従って、圧縮機構(14)を最低容量に固定する中能力制御動作の際の利用側冷却能力の制御範囲が比較的大きくなる。
第6の発明は、上記第1乃至第5の何れか1つの発明において、上記冷媒回路(13)の冷媒には、二酸化炭素が用いられる。
第6の発明では、冷媒回路(13)の冷媒が二酸化化炭素である。
本発明では、必要冷却能力がそれほど大きくない場合は、圧縮機構(14)を最低容量で運転させる低能力制御動作又は中能力制御動作が行われ、圧縮機構(14)へ投入するエネルギーが最小値に保持される。ここで、圧縮機構(14)を駆動するには、電力や燃料が必要である。一方、補助冷凍装置(12)は、太陽熱及び排熱の少なくとも一方を熱源にしている。このため、圧縮機構(14)の運転容量を増やして利用側冷却能力を増やす場合は、消費される電力や燃料が増大するのに対して、補助冷凍装置(12)の冷却能力を増やして利用側冷却能力を増やす場合は、消費される電力や燃料がほとんど増えない。そこで、本発明では、可能な限り、圧縮機構(14)へ投入するエネルギーを最小値に保持しつつ、利用側冷却能力を増やしても消費される電力や燃料がほとんど増えない補助冷凍装置(12)を活用している。従って、省エネルギー化を図ることができる能力制御を提供することができる。
また、上記第2の発明では、蒸気圧縮式冷凍サイクルの成績係数がその時の冷媒回路(13)の動作状態において得られる最高の値となるように、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧が調節される。従って、さらなる省エネルギー化を図ることができる。
また、上記第3の発明では、補助冷凍装置(12)の凝縮器(32)への送風量が、補助冷凍装置(12)に求められる冷却能力の大小に関係なく多くなる。このため、補助冷凍装置(12)の凝縮器(32)への送風量が不足することが原因で、補助冷凍装置(12)が発揮する冷却能力が不足することを回避できる。
また、上記第4の発明では、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧が差圧判定値以下になる状態が継続することが回避されるように、送風機(27)の送風量が制御される。従って、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧が低下して、大きい成績係数を得ることができない状態が継続することを回避できる。
また、上記第5の発明では、圧縮機構(14)を最低容量に固定する中能力制御動作の際の利用側冷却能力の制御範囲が比較的大きくなるようにしている。このため、高能力制御動作に切り換わるときの必要冷却能力が比較的大きくなる。従って、投入するエネルギーが少なくて済む補助冷凍装置(12)を多く活用でき、広い制御範囲で圧縮機構(14)へ投入するエネルギーを最小値に保持できるので、さらなる省エネルギー化を図ることができる。
図1は、実施形態の冷凍システムの概略構成図である。 図2は、実施形態の熱交換ユニットの斜視図である。 図3は、実施形態の熱交換ユニットの別の形態の斜視図である。 図4は、実施形態の冷凍システムの冷却能力と目標能力値との関係を表す図表である。 図5は、実施形態における高圧制御動作のフローチャートである。 図6は、実施形態における能力制御動作のフローチャートである。 図7は、実施形態におけるファン制御動作のフローチャートである。 図8は、実施形態における蒸気圧縮式冷凍サイクルの動作状態を表すモリエル線図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る冷凍システム(10)により構成されたヒートポンプユニット(10)を備えた空調システム(100)である。このヒートポンプユニット(10)は、本発明に係る冷凍システム(10)の一例であり、室外に設置される。
−空調システムの全体構成−
本実施形態の空調システム(100)では、ヒートポンプユニット(10)が、図1に示すように、第1冷凍装置(11)と第2冷凍装置(12)とを備えている。また、この空調システム(100)は、ヒートポンプユニット(10)に加えて、利用側回路(46)と熱源側回路(47)と太陽熱集熱装置(40)とを備えている。なお、以下では、第1冷凍装置(11)の冷媒を第1冷媒とし、第2冷凍装置(12)の冷媒を第2冷媒とする。
第1冷凍装置(11)は、圧縮機(14)と膨張弁(17)と熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(16)とが接続されて、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(13)を備えている。冷媒回路(13)は、熱源側熱交換器(15)が放熱器として動作して利用側熱交換器(16)が蒸発器として動作する冷房動作(冷却動作)と、利用側熱交換器(16)が放熱器として動作して熱源側熱交換器(15)が蒸発器として動作する暖房動作(加熱動作)とを切り換え可能に構成されている。第1冷凍装置(11)についての詳細は後述する。
第2冷凍装置(12)は、補助冷凍装置を構成している。第2冷凍装置(12)は、太陽熱を熱源にして吸収式冷凍サイクルを行う吸収側回路(70)を備えている。第2冷凍装置(12)は、冷房動作中の冷媒回路(13)において熱源側熱交換器(15)から膨張弁(17)へ向かって流れる第1冷媒を冷却する。第2冷凍装置(12)についての詳細は後述する。
利用側回路(46)は、熱媒体として水が充填された回路である。利用側回路(46)は、第1冷凍装置(11)の利用側熱交換器(16)に接続されている。利用側回路(46)は、利用側熱交換器(16)で温度調節された水が流れる。また、利用側回路(46)には、複数台(図1では2台)のファンコイルユニット(44a,44b)が互いに並列に接続され、複数台(図1では2台)の床暖房ユニット(45a,45b)(温水パネル)が互いに並列に接続されている。また、利用側回路(46)には、利用側ポンプ(49)と三方切換弁(48)と冷房用電磁弁(50a,50b)と暖房用電磁弁(51a,51b)とが設けられている。
三方切換弁(48)は、利用側熱交換器(16)で温度調節された水をファンコイルユニット(44a,44b)へ供給する第1状態(図1に実線で示す状態)と、利用側熱交換器(16)で温度調節された水を床暖房ユニット(45a,45b)へ供給する第2状態(図1に破線で示す状態)との切り換えを行う。三方切換弁(48)は、空調システム(100)が冷房運転を行う場合に第1状態に設定され、空調システム(100)が暖房運転を行う場合に第2状態に設定される。
冷房用電磁弁(50a,50b)は、各ファンコイルユニット(44a,44b)の上流にそれぞれ設けられている。各冷房用電磁弁(50a,50b)は、ファンコイルユニット(44a,44b)の上流の流路を開閉する。一方、暖房用電磁弁(51a,51b)は、各床暖房ユニット(45a,45b)の上流にそれぞれ設けられている。各暖房用電磁弁(51a,51b)は、床暖房ユニット(45a,45b)の上流の流路を開閉する。
熱源側回路(47)は、熱媒体として水が充填された回路である。熱源側回路(47)には、集熱タンク(41)と熱源側ポンプ(39)とが設けられている。熱源側ポンプ(39)の運転が行われると、集熱タンク(41)の上層部の温水が第2冷凍装置(12)の再生器(31)へ供給され、該再生器(31)を通過した温水が集熱タンク(41)の下層部に戻る。
太陽熱集熱装置(40)は、太陽熱を利用して集熱タンク(41)の水を加熱するための装置である。太陽熱集熱装置(40)は、太陽熱集熱パネル(61)と集熱ポンプ(60)を備えている。集熱ポンプ(60)の運転が行われると、集熱タンク(41)の底部から流出した水が、太陽熱集熱パネル(61)を通過する際に加熱される。そして、太陽熱集熱パネル(61)で加熱された水が、集熱タンク(41)へ戻る。その結果、集熱タンク(41)に蓄えられる温熱量が増加する。
−第1冷凍装置の構成−
第1冷凍装置(11)は、上述したように、冷媒回路(13)を備えている。冷媒回路(13)には、第1冷媒として二酸化炭素が充填されている。冷媒回路(13)では、冷凍サイクルの高圧が二酸化炭素の臨界圧力以上となる超臨界冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(13)には、圧縮機(14)と熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(16)と膨張弁(17)と四方切換弁(18)とが接続されている。圧縮機(14)は圧縮機構を構成し、膨張弁(17)は膨張機構を構成している。
圧縮機(14)は、容積型の流体機械(例えば、ロータリ式流体機械)をモータにより駆動して流体を圧縮するように構成されている。圧縮機(14)のモータには、インバータを介して電力が供給される。圧縮機(14)の運転周波数(すなわち、圧縮機構の運転容量)は、インバータの出力周波数を変化させることによって調節される。圧縮機(14)の吐出側は、四方切換弁(18)の第1ポート(P1)に接続されている。圧縮機(14)の吸入側は、アキュームレータ(19)を介して、四方切換弁(18)の第2ポート(P2)に接続されている。
熱源側熱交換器(15)は、空冷式の熱交換器(例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器)により構成されている。熱源側熱交換器(15)では、室外ファン(27)により供給される室外空気と第1冷媒との間で熱交換が行われる。室外ファン(27)の送風量は、複数段階に調節可能になっている。熱源側熱交換器(15)の一端は、四方切換弁(18)の第3ポート(P3)に接続されている。熱源側熱交換器(15)の他端は、膨張弁(17)に接続されている。
利用側熱交換器(16)は、水冷式の熱交換器(例えば、プレート式の熱交換器)により構成されている。利用側熱交換器(16)は、冷媒回路(13)に接続された第1管路(16a)と、接続回路(20)に接続された第2管路(16b)とを備えている。接続回路(20)は、閉鎖弁(28,29)を介して、利用側回路(46)に接続されている。利用側熱交換器(16)では、第1管路(16a)の第1冷媒と第2管路(16b)の水との間で熱交換が行われる。利用側熱交換器(16)の第1管路(16a)の一端は、四方切換弁(18)の第4ポート(P4)に接続されている。第1管路(16a)の他端は、膨張弁(17)に接続されている。
膨張弁(17)は、開度可変の電動膨張弁により構成されている。また、四方切換弁(18)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)が互いに連通して第2ポート(P2)と第4ポート(P4)が互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)が互いに連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)が互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能に構成されている。
熱源側熱交換器(15)と膨張弁(17)との間には、互いに並列に接続された冷房用流路(21)と暖房用流路(22)と補助流路(23)とが設けられている。冷房用流路(21)は、冷媒回路(13)が冷房動作を行う際に第1冷媒が流れる流路である。冷房用流路(21)には、第2冷凍装置(12)の蒸発器(24)が接続されている。暖房用流路(22)は、冷媒回路(13)が暖房動作を行う際に第1冷媒が流れる流路である。暖房用流路(22)には、熱源側熱交換器(15)から膨張弁(17)へ向かう第1冷媒の流れを禁止する逆止弁(26)が接続されている。補助流路(23)は、暖房運転時に熱源側熱交換器(15)に付着した氷を融かすデフロスト運転を行う際に第1冷媒が流れる流路である。補助流路(23)には、補助電磁弁(25)が接続されている。この補助電磁弁(25)は、デフロスト運転の際だけ開状態に設定される。
冷媒回路(13)には、高圧センサ(55)と第1温度センサ(56)と第2温度センサ(57)とが設けられている。高圧センサ(55)は、圧縮機(14)から吐出された高圧の第1冷媒の圧力を計測する。第1温度センサ(56)は、熱源側熱交換器(15)と膨張弁(17)との間を流れる第1冷媒の温度を計測する。第2温度センサ(57)は、利用側熱交換器(16)と膨張弁(17)との間を流れる第1冷媒の温度を計測する。
また、接続回路(20)には、入口温度センサ(52)と出口温度センサ(53)とが設けられている。入口温度センサ(52)は、利用側熱交換器(16)に流入する水の温度を計測する。出口温度センサ(53)は、利用側熱交換器(16)を通過した水の温度を計測する。
−第2冷凍装置の構成−
第2冷凍装置(12)は、吸収式冷凍サイクルを行う単効用の吸収式冷凍装置である。なお、第2冷凍装置(12)は、二重効用の吸収式冷凍装置であってもよい。
第2冷凍装置(12)は、上述したように、吸収側回路(70)を備えている。吸収側回路(70)には、図1に示すように、吸収器(30)と再生器(31)と凝縮器(32)と蒸発器(24)と溶液ポンプ(33)と溶液熱交換器(34)と溶液冷却器(35)と冷媒タンク(36)と吸収式電磁弁(37)と三方弁(38)とが接続されている。なお、本実施形態では、吸収溶液(吸収剤)として臭化リチウム水溶液が用いられ、第2冷媒として水が用いられている。
吸収器(30)は、流下液膜式の吸収器である。吸収器(30)は、蒸発器(24)と一体に形成されている。吸収器(30)では、蒸発器(24)から流入したガス状の第2冷媒が、冷却水が流れる管(30a)の表面上に散布された吸収溶液に吸入される。
再生器(31)は、温水が流れる熱交換器(31a)の表面に吸収溶液を散布することにより吸入溶液を加熱するように構成されている。再生器(31)では、吸入溶液から第2冷媒が分離される。なお、再生器(31)の熱交換器(31a)は、閉鎖弁(62,63)が設けられた配管を介して、熱源側回路(47)に接続されている。熱源側ポンプ(39)の運転が行われると、集熱タンク(41)から流出した温水が熱交換器(31a)の内部を流れる。
溶液ポンプ(33)は、運転容量が固定のポンプである。溶液ポンプ(33)の吸入側は、吸収器(30)の底部に接続されている。溶液ポンプ(33)の吐出側は、三方弁(38)の第1ポート(P1)に接続されている。なお、溶液ポンプ(33)は、運転容量を変更可能なポンプであってもよい。
溶液熱交換器(34)は、プレート式の熱交換器により構成されている。溶液熱交換器(34)は、再生器(31)に向かう吸収溶液が流れる低温側管路(34a)と、再生器(31)から流出した吸収溶液が流れる高温側管路(34b)とを備えている。低温側管路(34a)の一端は、三方弁(38)の第2ポート(P2)に接続され、低温側管路(34a)の他端は、再生器(31)の頂部に接続されている。また、高温側管路(34b)の一端は、再生器(31)の底部に接続され、高温側管路(34b)の他端は、溶液ポンプ(33)の吸入側に接続されている。溶液熱交換器(34)では、低温側管路(34a)の吸収溶液と高温側管路(34b)の吸収溶液との間で熱交換が行われ、再生器(31)に向かう吸収溶液が、再生器(31)から流出した吸収溶液により加熱される。
溶液冷却器(35)は、空冷式の熱交換器(例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器)により構成されている。溶液冷却器(35)の一端は、三方弁(38)の第3ポート(P3)に接続されている。溶液冷却器(35)の他端は、吸収器(30)の頂部に接続されている。
三方弁(38)は、溶液ポンプ(33)が吐出した吸入溶液を再生器(31)と溶液冷却器(35)とに分配する。三方弁(38)は、溶液冷却器(35)に分配される吸収溶液の流量が、再生器(31)に分配される吸収溶液の流量の例えば8倍になるように調整されている。
凝縮器(32)は、空冷式の熱交換器(例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器)により構成されている。凝縮器(32)の一端は、再生器(31)の頂部に接続されている。凝縮器(32)の他端は、冷媒タンク(36)の頂部に接続されている。
冷媒タンク(36)は、液冷媒を溜めるための密閉容器である。冷媒タンク(36)の底部には、蒸発器(24)に延びる冷媒配管が接続されている。この冷媒配管には、上記吸収式電磁弁(37)が設けられている。
蒸発器(24)は、冷媒タンク(36)の底部から流出した液冷媒(第2冷媒)を、プレート式の熱交換器(24a)の内部を流れる被冷却流体と熱交換させて蒸発させるように構成されている。熱交換器(24a)は、冷房用流路(21)に接続されている。熱交換器(24a)の内部には、被冷却流体として冷媒回路(13)の第1冷媒が流れる。蒸発器(24)では、プレート式の熱交換器(24a)の表面に吸収側回路(70)の第2冷媒(液冷媒)が散布され、その液冷媒の蒸発熱により、冷媒回路(13)の第1冷媒が冷却される。
本実施形態では、図2に示すように、第1冷凍装置(11)の熱源側熱交換器(15)と第2冷凍装置(12)の凝縮器(32)及び溶液冷却器(35)とが、一体化されて、熱交換ユニット(43)を構成している。熱交換ユニット(43)は、全体としてパネル状に形成されている。また、熱交換ユニット(43)では、凝縮器(32)、溶液冷却器(35)及び熱源側熱交換器(15)が、送風機を構成する1つの室外ファン(27)を共用している。凝縮器(32)、溶液冷却器(35)及び熱源側熱交換器(15)には、同じ室外ファン(27)が送る空気がそれぞれ供給される。本実施形態では、これらの構成により、ヒートポンプユニット(10)のコンパクト化が図られている。
また、熱交換ユニット(43)では、上側から順番に、凝縮器(32)、溶液冷却器(35)及び熱源側熱交換器(15)が配置されている。ここで、第2冷凍装置(12)では、凝縮器(32)における第2冷媒の凝縮圧力と蒸発器(24)における第2冷媒の蒸発圧力との差圧により、凝縮器(32)から蒸発器(24)へ第2冷媒が流れる。しかし、この差圧は、蒸気圧縮冷凍サイクルでの高圧と低圧との差に比べてかなり小さい。このため、凝縮器(32)の出口よりも蒸発器(24)の入口の方が高い位置に設けられている場合には、凝縮器(32)の出口と蒸発器(24)の入口とのヘッド差により、凝縮器(32)から蒸発器(24)へ第2冷媒を送ることが困難になる。これに対して、本実施形態の熱交換ユニット(43)では、凝縮器(32)が最も上側に配置されている。このため、蒸発器(24)を設置できる高さの範囲が広く、ヒートポンプユニット(10)内の設計の自由度が大きくなる。従って、ヒートポンプユニット(10)のコンパクト化をさらに図ることができる。
また、凝縮器(32)は、複数枚のフィン(85)のそれぞれに複数の伝熱管(86)を貫通させることにより構成されている。凝縮器(32)では、1本の真っ直ぐな伝熱管(86)により、第2冷媒が流れる冷媒流通路が構成されている。冷媒流通路は、1m以下に設計されている。各伝熱管(86)の一端は、第1のヘッダ(87)に接続され、各伝熱管(86)の他端は、第2のヘッダ(88)に接続されている。
溶液冷却器(35)は、複数枚のフィン(89)のそれぞれに複数のU字伝熱管(90)を貫通させることにより構成されている。溶液冷却器(35)では、1本のU字伝熱管(90)により、吸収溶液が流れる溶液流通路が構成されている。各U字伝熱管(90)の一端は、ヘッダ(91)に接続され、各U字伝熱管(90)の他端は、分流器(92)に接続されている。
熱源側熱交換器(15)は、溶液冷却器(35)と同様に、複数枚のフィン(93)のそれぞれに複数のU字伝熱管(94)を貫通させることにより構成されている。熱源側熱交換器(15)では、1本のU字伝熱管(94)により、第1冷媒が流れる冷媒流通路が構成されている。各U字伝熱管(94)の一端は、ヘッダ(95)に接続され、各U字伝熱管(94)の他端は、分流器(96)に接続されている。
熱交換ユニット(43)では、凝縮器(32)のフィン(85)と溶液冷却器(35)のフィン(89)と熱源側熱交換器(15)のフィン(93)とが、共通の金属プレートにより構成されている。つまり、金属プレートの上部が、凝縮器(32)のフィン(85)を構成し、金属プレートの中央部が、溶液冷却器(35)のフィン(89)を構成し、金属プレートの下部が、熱源側熱交換器(15)のフィン(93)を構成している。なお、凝縮器(32)のフィン(85)と溶液冷却器(35)のフィン(89)と熱源側熱交換器(15)のフィン(93)とを、別々の金属プレートにより構成し、これらのフィン(85,89,93)を溶接等により一体化してもよい。
また、本実施形態では、凝縮器(32)だけが、各伝熱管(86)の両端にヘッダ(87,88)を設ける両ヘッダ構造を採用している。また、凝縮器(32)の各冷媒流通路が、真っ直ぐな伝熱管(86)により構成されている。このため、凝縮器(32)の各冷媒流通路で生じる圧力損失が比較的小さくなる。凝縮器(32)の各冷媒流通路の長さは、溶液冷却器(35)の各溶液流通路の長さの半分以下であると共に、熱源側熱交換器(15)の各冷媒流通路の長さの半分以下である。
なお、凝縮器(32)の各冷媒流通路の長さがさらに短くなるように、図3に示すように、凝縮器(32)が、複数の熱交換器(32a,32b)に分割されていてもよい。複数の熱交換器(32a,32b)は、再生器(31)と冷媒タンク(36)とを接続する冷媒配管において、互いに並列に接続される。図3では、凝縮器(32)が、第1の熱交換器(32a)と第2の熱交換器(32b)とに分割されている。
−空調システムの運転動作−
本実施形態の空調システム(100)の運転動作について説明する。なお、本実施形態では、ヒートポンプユニット(10)が、商用電源に加えて、太陽光発電(又は太陽熱発電)を行う発電装置(図示省略)に接続されている。空調システム(100)の運転中は、この発電装置で得られた電力が、圧縮機(14)、室外ファン(27)及び溶液ポンプ(33)等の電力を消費する機器へ供給される。
<冷房運転>
空調システム(100)が冷房運転を行う場合について説明する。この場合、ヒートポンプユニット(10)では、第1冷凍装置(11)の運転が常に行われる。一方、第2冷凍装置(12)の運転は、利用側熱交換器(16)において必要となる冷却能力である必要冷却能力に応じて行われる。また、利用側回路(46)では、利用側ポンプ(49)の運転が行われ、三方切換弁(48)が第1状態に設定され、冷房用電磁弁(50a,50b)が開状態に設定され、暖房用電磁弁(51a,51b)が閉状態に設定される。また、熱源側回路(47)では、第2冷凍装置(12)の運転中だけ、熱源側ポンプ(39)の運転が行われる。各ファンコイルユニット(44a,44b)では、ファンの運転が行われる。以下では、第2冷凍装置(12)の運転動作について説明し、続いて第1冷凍装置(11)の運転動作について説明する。
第2冷凍装置(12)の運転は、吸収式電磁弁(37)が開状態に設定され、溶液ポンプ(33)が起動されると開始される。なお、再生器(31)の熱交換器(31a)には、熱源側ポンプ(39)により、集熱タンク(41)の上層部の温水が供給される。第2冷凍装置(12)では、太陽熱を熱源にして吸収式冷凍サイクルが行われる。
具体的に、吸収器(30)において、蒸発器(24)で蒸発した第2冷媒が吸収溶液に吸収される。第2冷媒を吸収した吸収溶液は、溶液ポンプ(33)によって加圧されて、その一部が溶液冷却器(35)へ供給され、残りが溶液熱交換器(34)へ供給される。
溶液冷却器(35)では、室外ファン(27)により供給された室外空気により、吸収溶液が冷却される。溶液冷却器(35)で冷却された吸収溶液は、吸収器(30)へ戻って散布される。
一方、溶液熱交換器(34)では、溶液ポンプ(33)により供給された吸収溶液が、再生器(31)の底部から流出した吸収溶液により加熱される。溶液熱交換器(34)で加熱された吸入溶液は、再生器(31)において、熱交換器(31a)を流れる温水により加熱される。その結果、第2冷媒が気化して吸収溶液から分離される。再生器(31)内の吸収溶液は、その底部から流出し、溶液熱交換器(34)で冷却された後に、溶液ポンプ(33)の上流において、吸収器(30)から流出した吸収溶液と合流する。
再生器(31)内のガス冷媒(第2冷媒)は、凝縮器(32)において、室外ファン(27)により供給された室外空気に放熱して凝縮する。凝縮器(32)で凝縮した液冷媒(第2冷媒)は、冷媒タンク(36)を通過した後に、蒸発器(24)に至るまでに細管により減圧されて、蒸発器(24)に流入する。
蒸発器(24)では、液冷媒(第2冷媒)が熱交換器(24a)の表面に散布される。蒸発器(24)では、熱交換器(24a)の表面を流れる吸収側回路(70)の液冷媒(第2冷媒)と、熱交換器(24a)の内部を流れる冷媒回路(13)の第1冷媒との間で熱交換が行われる。その結果、熱交換器(24a)の表面の液冷媒(第2冷媒)が蒸発し、熱交換器(24a)内の第1冷媒が冷却される。蒸発器(24)で蒸発した第2冷媒(水蒸気)は、吸収器(30)において吸収溶液に吸収される。なお、蒸発器(24)で蒸発しなかった第2冷媒(水)は、蒸発器(24)の底部に落下して、吸収器(30)の底部の液溜まり(30b)に流れ込む。
第1冷凍装置(11)の運転は、圧縮機(14)及び室外ファン(27)がそれぞれ起動されると開始される。四方切換弁(18)は第1状態(図1に実線で示す状態)に設定される。また、補助電磁弁(25)が閉鎖される。冷媒回路(13)では、熱源側熱交換器(15)が放熱器として動作して利用側熱交換器(16)が蒸発器として動作する冷房動作が行われる。なお、利用側熱交換器(16)の第2管路(16b)には、利用側ポンプ(49)により、各ファンコイルユニット(44a,44b)を通過した水が供給される。
具体的に、圧縮機(14)では、利用側熱交換器(16)で蒸発した第1冷媒が圧縮される。圧縮機(14)では、第1冷媒がその臨界圧力よりも高い圧力に圧縮される。圧縮機(14)で圧縮された第1冷媒は、熱源側熱交換器(15)において、室外ファン(27)により供給された室外空気に放熱して冷却される。熱源側熱交換器(15)で冷却された第1冷媒は、第2冷凍装置(12)が運転中であれば、第2冷凍装置(12)の蒸発器(24)においてさらに冷却される。
第2冷凍装置(12)の蒸発器(24)を通過した第1冷媒は、膨張弁(17)で減圧された後に、利用側熱交換器(16)に流入する。利用側熱交換器(16)では、第1冷媒と利用側回路(46)の冷水との間で熱交換が行われ、第1冷媒が加熱されて蒸発し、利用側回路(46)の冷水が冷却される。利用側熱交換器(16)で蒸発した第1冷媒は、圧縮機(14)に吸入されて再び圧縮される。
なお、本実施形態では、第2冷凍装置(12)を停止させて圧縮機(14)だけを運転させている状態の利用側冷却能力を「第1冷凍装置(11)の冷却能力」と定義すると、冷房の定格条件では、第1冷凍装置(11)の冷却能力の最小値が例えば1kWとなり、第1冷凍装置(11)の冷却能力の最大値(定格冷却能力)が例えば2kWとなる。また、冷房の定格条件では、第2冷凍装置(12)の冷却能力の最大値(定格冷却能力)が例えば6kWとなる。
<暖房運転>
空調システム(100)が暖房運転を行う場合について説明する。この場合、ヒートポンプユニット(10)では、第1冷凍装置(11)の運転が常に行われ、第2冷凍装置(12)が常に停止される。また、利用側回路(46)では、利用側ポンプ(49)の運転が行われ、三方切換弁(48)が第2状態に設定され、暖房用電磁弁(51a,51b)が開状態に設定され、冷房用電磁弁(50a,50b)が閉状態に設定される。また、熱源側回路(47)では、熱源側ポンプ(39)が停止される。
第1冷凍装置(11)の運転は、圧縮機(14)及び室外ファン(27)がそれぞれ起動されると開始される。四方切換弁(18)は第2状態(図1に破線で示す状態)に設定される。また、補助電磁弁(25)が閉鎖される。冷媒回路(13)では、利用側熱交換器(16)が放熱器として動作して熱源側熱交換器(15)が蒸発器として動作する暖房動作が行われる。なお、利用側熱交換器(16)の第2管路(16b)には、利用側ポンプ(49)により、各床暖房ユニット(45a,45b)を通過した水が供給される。
具体的に、圧縮機(14)では、熱源側熱交換器(15)で蒸発した第1冷媒が圧縮される。圧縮機(14)では、第1冷媒がその臨界圧力よりも高い圧力に圧縮される。圧縮機(14)で圧縮された第1冷媒は、利用側熱交換器(16)に流入する。利用側熱交換器(16)では、第1冷媒が冷却され、利用側回路(46)の冷水が加熱される。利用側熱交換器(16)で冷却された第1冷媒は、膨張弁(17)で減圧された後に、熱源側熱交換器(15)において室外空気から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(15)で蒸発した第1冷媒は、圧縮機(14)に吸入されて再び圧縮される。
−コントローラの構成−
本実施形態に係るヒートポンプユニット(10)は、制御手段を構成するコントローラ(80)を備えている。コントローラ(80)は、能力制御部(81)と高圧制御部(82)とファン制御部(83)とを備えている。
能力制御部(81)は、空調システム(100)の冷房運転中(即ち、冷媒回路(13)の冷房動作中)に、利用側熱交換器(16)を通過後の冷水の温度の現在値と、利用側熱交換器(16)を通過後の冷水の温度の目標値(以下では、「目標冷水温度」という。)を比較して、利用側冷却能力を制御する能力制御動作を行うように構成されている。能力制御部(81)は、利用側熱交換器(16)を通過後の冷水の温度の現在値として、出口温度センサ(53)の計測値を用いる。また、能力制御部(81)では、目標冷水温度が所定の温度(例えば、5℃)に固定されている。なお、能力制御部(81)は、目標冷水温度を固定せずに、ファンコイルユニット(44a,44b)における顕熱負荷に応じて目標冷水温度を変更するように構成されていてもよい。
能力制御部(81)は、冷却動作中の能力制御動作として、第2冷凍装置(12)を停止させて圧縮機(14)を最低容量で運転させる低能力制御動作と、圧縮機(14)を最低容量で運転させて第2冷凍装置(12)の冷却能力を調節する中能力制御動作と、第2冷凍装置(12)の冷却能力を最大値に設定して圧縮機(14)の運転容量を調節する高能力制御動作の何れかを行う。能力制御部(81)は、利用側熱交換器(16)で得られる冷却能力の目標値(以下では、「目標能力値」という。)に応じて、低能力制御動作、中能力制御動作、高能力制御動作の中から選択した能力制御動作を実行する。
具体的に、能力制御部(81)は、利用側ポンプ(49)の運転容量から検出した「利用側回路(46)における水の循環量」に、入口温度センサ(52)の計測値と出口温度センサ(53)の計測値との差を掛けた値を、目標能力値として算出する。目標能力値は、運転中のファンコイルユニット(44a,44b)における顕熱負荷の合計値であり、必要冷却能力に相当する。そして、能力制御部(81)は、図4に示すように、目標能力値が第1切換判定値KA以下になる場合に低能力制御動作を行い、目標能力値が第1切換判定値KAを上回り且つ第1切換判定値KB以下となる場合に中能力制御動作を行い、目標能力値が第2切換判定値KBを上回る場合に高能力制御動作を行う。
なお、第1切換判定値KAは、冷房の定格条件における第1冷凍装置(11)の冷却能力の最小値(1kW)に等しい。また、第2切換判定値KBは、冷房の定格条件における第1冷凍装置(11)の冷却能力の最小値(1kW)と、冷房の定格条件における第2冷凍装置(12)の冷却能力の最大値(6kW)との合計値(7kW)に等しい。
能力制御部(81)は、中能力制御動作において、膨張弁(17)で減圧される前の第1冷媒の温度の目標値(以下では、「冷却目標値」という。)を設定し、膨張弁(17)で減圧される前の第1冷媒の温度の現在値が冷却目標値になるように、第2冷凍装置(12)の冷却能力を調節する。能力制御部(81)は、第2冷凍装置(12)におけるオン時間(作動時間)のデューティ比(オン時間/オン時間とオフ時間(停止時間)の合計時間)を調節することにより、第2冷凍装置(12)の冷却能力(時間平均値)を調節する。
具体的に、能力制御部(81)は、出口温度センサ(53)の計測値と目標冷水温度との差に基づいて冷却目標値を設定する。そして、能力制御部(81)は、第1温度センサ(56)の計測値と冷却目標値との差に基づいて、第2冷凍装置(12)におけるオン時間のデューティ比を決定する。そして、能力制御部(81)は、決定したデューティ比で、吸収式電磁弁(37)を開閉するとともに、溶液ポンプ(33)をオン/オフする。
なお、吸収式電磁弁(37)を開閉するタイミングと溶液ポンプ(33)をオン/オフするタイミングとには、タイムラグがある。このタイムラグは、溶液ポンプ(33)から吐出された吸収溶液中の第2冷媒が吸収式電磁弁(37)に至るまでの時間を考慮して設定されている。
高圧制御部(82)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルのCOP(成績係数)がその時の冷媒回路(13)の動作状態において得られる最高の値となるように、冷媒回路(13)の動作状態に基づいて蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧を調節する高圧制御動作を行うように構成されている。高圧制御部(82)は、膨張弁(17)の開度を制御することによって冷凍サイクルの高圧を調節する。
ここで、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以上となる冷凍サイクル(いわゆる超臨界冷凍サイクル)では、「蒸気圧縮式冷凍サイクルの低圧」と「膨張弁(17)で減圧される前の冷媒の温度」とを固定すると、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧に応じてCOPが変化し、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧が特定の値になった場合にCOPが最高となる。超臨界冷凍サイクルでは、「蒸気圧縮式冷凍サイクルの低圧」と「膨張弁(17)で減圧される前の冷媒の温度」とを固定すると、COPが最高となる冷凍サイクルの高圧が一義的に決まる。
高圧制御部(82)は、「蒸気圧縮式冷凍サイクルの低圧の現在値」と「膨張弁(17)で減圧される前の第1冷媒の温度の現在値」とをそれぞれ検出する。高圧制御部(82)は、例えば、第2温度センサ(57)の計測値を利用側熱交換器(16)における第1冷媒の蒸発温度として、その蒸発温度の相当飽和圧力を蒸気圧縮式冷凍サイクルの低圧の現在値として検出する。高圧制御部(82)は、膨張弁(17)で減圧される前の第1冷媒の温度の現在値として、第1温度センサ(56)の計測値を用いる。そして、高圧制御部(82)は、「蒸気圧縮式冷凍サイクルの低圧」と「膨張弁(17)で減圧される前の第1冷媒の温度」とがそれぞれ検出した値となる場合に成績係数が最高となる「蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧の値」を検出する。高圧制御部(82)は、検出した蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧の値を、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧の目標値(以下では、「目標高圧値」という。)に設定する。高圧制御部(82)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧の現在値が目標高圧値になるように、膨張弁(17)の開度を制御する。高圧制御部(82)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧の現在値として、高圧センサ(55)の計測値を用いる。
ファン制御部(83)は、冷却動作中に室外ファン(27)の送風量を最大値に設定するように構成されている。ファン制御部(83)は、ヒートポンプユニット(10)の起動時に室外ファン(27)を最高回転数(例えば、800rpm)に設定する。但し、ファン制御部(83)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧の現在値と冷凍サイクルの低圧の現在値との差(以下では、「蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧」という。)が所定の差圧判定値以下になった場合に限り、室外ファン(27)の送風量を最大値から低下させるファン制御動作を行うように構成されている。室外ファン(27)の送風量を低下させると、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧が増大する。従って、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧が差圧判定値以下になる状態が継続することが回避される。
−コントローラの動作−
冷房運転時のコントローラ(80)の動作について説明する。まず、図5を参照しながら、高圧制御動作について説明する。
ステップ1(ST1)では、高圧制御部(82)が、出口温度センサ(53)の計測値(現在値)と目標冷水温度とを比較する第1比較動作を行う。高圧制御部(82)は、出口温度センサ(53)の計測値が目標冷水温度と等しい場合には、ステップ2(ST2)へ移行し、出口温度センサ(53)の計測値が目標冷水温度に等しくない場合には、ステップ5(ST5)へ移行する。
ステップ2(ST2)では、高圧制御部(82)が、第2温度センサ(57)の計測値に基づいて「蒸気圧縮式冷凍サイクルの低圧の現在値」を検出し、第1温度センサ(56)の計測値に基づいて「膨張弁(17)で減圧される前の第1冷媒の温度の現在値」を検出する。そして、高圧制御部(82)は、「蒸気圧縮式冷凍サイクルの低圧の現在値」と「膨張弁(17)で減圧される前の第1冷媒の温度の現在値」とを用いて、目標高圧値を設定する。目標高圧値は、COPがその時の運転状態において得られる最高値となるように設定される。
ステップ3(ST3)では、高圧制御部(82)が、高圧センサ(55)の計測値(現在値)と目標高圧値とを比較する第2比較動作を行う。高圧制御部(82)は、高圧センサ(55)の計測値が目標高圧値と等しい場合には、高圧制御動作を終了させ、高圧センサ(55)の計測値が目標高圧値に等しくない場合には、ステップ4(ST4)へ移行する。
ステップ4(ST4)では、高圧制御部(82)が、高圧センサ(55)の計測値が目標高圧値になるように膨張弁(17)の開度を制御する。高圧制御部(82)は、高圧センサ(55)の計測値が目標高圧値を上回る場合には膨張弁(17)の開度を拡大し、高圧センサ(55)の計測値が目標高圧値を下回る場合には膨張弁(17)の開度を縮小する。その結果、COPがその時の運転状態において得られる最高値となるように、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧が調節される。
ステップ5(ST5)では、目標能力値が変更される。まず、能力制御部(81)は、利用側ポンプ(49)の運転容量から、利用側回路(46)における水の循環量を検出する。そして、能力制御部(81)は、利用側回路(46)における水の循環量に、入口温度センサ(52)の計測値と出口温度センサ(53)の計測値との差を掛けた値を、変更後の目標能力値に設定する。高圧制御動作では、ステップ5(ST5)が終了すると、ステップ1(ST1)が行われる。また、ステップ5(ST5)において目標能力値が変更されると、能力制御動作が行われる。
続いて、図6を参照しながら、能力制御動作について説明する。
ステップ11(ST11)において、能力制御部(81)が、目標能力値と第1切換判定値KAとを比較する第3比較動作を行う。能力制御部(81)は、目標能力値が第1切換判定値KAを上回る場合には、ステップ12(ST12)へ移行し、目標能力値が第1切換判定値KA以下となる場合には、ステップ13(ST13)へ移行する。
ステップ12(ST12)では、能力制御部(81)が、目標能力値と第2切換判定値KBとを比較する第4比較動作を行う。能力制御部(81)は、目標能力値が第2切換判定値KBを上回る場合には、ステップ15(ST15)へ移行し、目標能力値が第2切換判定値KB以下となる場合には、ステップ14(ST14)へ移行する。
ステップ13(ST13)では、能力制御部(81)が、低能力制御動作として、第2冷凍装置(12)を停止させて圧縮機(14)を最低容量で運転させる動作を行う。能力制御部(81)は、溶液ポンプ(33)及び熱源側ポンプ(39)をそれぞれ停止させ、吸収式電磁弁(37)を全閉に設定する。低能力制御動作では、利用側熱交換器(16)における第1冷媒の流量が最小値に調節される上に、利用側熱交換器(16)へ流入する第1冷媒のエンタルピーを第2冷凍装置(12)により低下させないので、利用側冷却能力が小さくなる。
ステップ14(ST14)では、能力制御部(81)が、中能力制御動作として、圧縮機(14)を最低容量で運転させて第2冷凍装置(12)の冷却能力を増減させる動作(能力比例制御)を行う。能力制御部(81)は、必要冷却能力に比例して第2冷凍装置(12)の冷却能力を増減する能力比例制御を行う。中能力制御動作では、利用側熱交換器(16)における第1冷媒の流量が最小値に調節されるものの、利用側熱交換器(16)へ流入する第1冷媒のエンタルピーを第2冷凍装置(12)により低下させるので、低能力制御動作に比べて利用側冷却能力が大きくなる。
具体的に、ステップ14(ST14)では、能力制御部(81)が、冷却目標値を変更する。能力制御部(81)は、出口温度センサ(53)の計測値と目標冷水温度との差(出口温度センサ(53)の計測値から目標冷水温度を引いた値)が大きいほど、変更前に比べて冷却目標値を低い値に変更する。冷却目標値が変更されると、第1温度センサ(56)の計測値と冷却目標値との差(第1温度センサ(56)の計測値から冷却目標値を引いた値)が変化するので、能力制御部(81)は、第1温度センサ(56)の計測値が冷却目標値に近づくように、第2冷凍装置(12)におけるオン時間のデューティ比を変更し、変更後のデューティ比になるように吸収式電磁弁(37)を開閉すると共に、変更後のデューティ比になるように溶液ポンプ(33)をオン/オフする。
例えば、ステップ14(ST14)において冷却目標値が変更前に比べて低い値に変更されると、第1温度センサ(56)の計測値と冷却目標値との差が大きくなる。そのような場合は、第2冷凍装置(12)におけるオン時間のデューティ比が大きくなり、第2冷凍装置(12)の冷却能力が増大する。逆に、ステップ14(ST14)において冷却目標値が変更前に比べて高い値に変更されると、第1温度センサ(56)の計測値と冷却目標値との差が小さくなる。そのような場合は、第2冷凍装置(12)におけるオン時間のデューティ比が小さくなり、第2冷凍装置(12)の冷却能力が低下する。
ステップ15(ST15)では、能力制御部(81)が、高能力制御動作として、第2冷凍装置(12)の冷却能力を最大値に設定して圧縮機(14)の運転容量を増減させる動作を行う。能力制御部(81)は、必要冷却能力に比例して圧縮機(14)の運転容量を増減する能力比例制御を行う。高能力制御動作では、利用側熱交換器(16)における第1冷媒の流量が最小値よりも多くなる上に、利用側熱交換器(16)へ流入する第1冷媒のエンタルピーを第2冷凍装置(12)により最大限低下させるので、中能力制御動作に比べて利用側冷却能力が大きくなる。
具体的に、能力制御部(81)は、吸収式電磁弁(37)を常に全開に設定すると共に、溶液ポンプ(33)を常にオンに設定する。そして、能力制御部(81)は、出口温度センサ(53)の計測値と目標冷水温度との差が大きいほど、圧縮機(14)の運転容量を大きな値に設定する。
続いて、図7を参照しながら、ファン制御動作について説明する。
ステップ21(ST21)において、ファン制御部(83)が、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧と差圧判定値とを比較する第5比較動作を行う。ファン制御部(83)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧が差圧判定値以上となる場合には、ファン制御動作を終了させ、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧が差圧判定値を下回る場合には、ステップ22(ST22)へ移行する。
ステップ22(ST2)では、ファン制御部(83)が、室外ファン(27)の回転数を所定の変更値(例えば、100rpm)だけ減らす減速動作を行う。減速動作では、室外ファン(27)の回転数が、現在値から変更値だけ減らされる。
−実施形態の効果−
本実施形態では、必要冷却能力がそれほど大きくない場合は、圧縮機(14)を最低容量で運転させる低能力制御動作又は中能力制御動作が行われ、圧縮機(14)へ投入するエネルギーが最小値に保持される。ここで、圧縮機(14)を駆動するには、電力や燃料が必要である。一方、第2冷凍装置(12)は、太陽熱及び排熱の少なくとも一方を熱源にしている。このため、圧縮機(14)の運転容量を増やして利用側冷却能力を増やす場合は、消費される電力や燃料が増大するのに対して、第2冷凍装置(12)の冷却能力を増やして利用側冷却能力を増やす場合は、消費される電力や燃料がほとんど増えない。そこで、本実施形態では、可能な限り、圧縮機(14)へ投入するエネルギーを最小値に保持しつつ、利用側冷却能力を増やしても消費される電力や燃料がほとんど増えない第2冷凍装置(12)を活用している。従って、省エネルギー化を図ることができる能力制御を提供することができる。
また、本実施形態では、蒸気圧縮式冷凍サイクルの成績係数がその時の冷媒回路(13)の動作状態において得られる最高の値となるように、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧を調節する高圧制御動作が行われる。従って、さらなる省エネルギー化を図ることができる。
本実施形態の高圧制御動作によれば、中能力制御動作において、第2冷凍装置(12)の冷却能力が大きくなるほど、第2冷凍装置(12)の蒸発器(24)を通過した冷媒回路(13)の第1冷媒の温度が低くなり、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧の目標値が低くなる。図8に示すように、第2冷凍装置(12)の冷却能力がゼロの状態では、第2冷凍装置(12)の蒸発器(24)を通過した第1冷媒の状態が点Aで表され、第2冷凍装置(12)の冷却能力を最高値に設定している状態では、第2冷凍装置(12)の蒸発器(24)を通過した第1冷媒の状態が点A’で表される。第2冷凍装置(12)の冷却能力が大きくなるほど、第2冷凍装置(12)の蒸発器(24)を通過した第1冷媒の状態は点A’に近づく。
また、本実施形態では、第2冷凍装置(12)の凝縮器(32)への送風量が、第2冷凍装置(12)に求められる冷却能力の大小に関係なく多くなる。このため、第2冷凍装置(12)の凝縮器(32)への送風量が不足することが原因で、第2冷凍装置(12)が発揮する冷却能力が不足することを回避できる。
また、本実施形態では、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧が差圧判定値以下になる状態が継続することが回避されるように、送風機(27)の送風量が制御される。従って、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高低差圧が低下して、大きい成績係数を得ることができない状態が継続することを回避できる。
また、本実施形態では、圧縮機(14)を最低容量に固定する中能力制御動作の際の利用側冷却能力の制御範囲が比較的大きくなるようにしている。このため、高能力制御動作に切り換わるときの必要冷却能力が比較的大きくなる。従って、投入するエネルギーが少なくて済む第2冷凍装置(12)を多く活用でき、広い制御範囲で圧縮機(14)へ投入するエネルギーを最小値に保持できるので、さらなる省エネルギー化を図ることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下の変形例のように構成してもよい。
−第1変形例−
上記実施形態について、能力制御部(81)は、実行する制御動作を、目標能力値に基づいて決定するのではなく、実行する制御動作を、出口温度センサ(53)の計測値から目標冷水温度を引いた値(以下、「冷水温度差」という。)を用いて決定してもよい。
能力制御部(81)は、低能力制御動作において、冷水温度差が所定の第1温度判定値(第1温度判定値は正の値)を上回ると、低能力制御動作では利用側冷却能力を必要冷却能力に調節できないと判断して中能力制御動作を行い、中能力制御動作において、冷水温度差が所定の第2温度判定値(第2温度判定値は正の値)を上回ると、中能力制御動作では利用側冷却能力を必要冷却能力に調節できないと判断して高能力制御動作を行う。
また、能力制御部(81)は、高能力制御動作において、冷水温度差が所定の第3温度判定値(第3温度判定値は負の値)を下回ると、高能力制御動作では必要冷却能力に対して利用側冷却能力が余ると判断して中能力制御動作を行い、中能力制御動作において、冷水温度差が所定の第4温度判定値(第4温度判定値は負の値)を下回ると、中能力制御動作では必要冷却能力に対して利用側冷却能力が余ると判断して低能力制御動作を行う。
第1変形例によれば、目標能力値を算出する必要がないので、入口温度センサ(52)を省略することが可能になる。
−第2変形例−
上記実施形態について、第2冷凍装置(12)の再生器(31)の熱交換器(31a)に供給する水を、太陽熱集熱装置(40)ではなく、燃料電池(例えば、固体酸化物燃料電池(SOFC))の排熱により加熱してもよいし、エンジンの排熱により加熱してもよい。
−第3変形例−
上記実施形態について、第1冷凍装置(11)の冷媒回路(13)が、冷凍サイクルの高圧が第1冷媒の臨界圧力よりも低くなる蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように構成されていてもよい。この場合、冷媒回路(13)の第1冷媒として、例えばR410Aが使用される。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路において放熱器から流出した冷媒を、吸収式冷凍サイクルを行う補助冷凍装置により冷却する冷凍システムについて有用である。
10 冷凍装置
11 第1冷凍装置
12 第2冷凍装置(補助冷凍装置)
13 冷媒回路
14 圧縮機(圧縮機構)
15 熱源側熱交換器
16 利用側熱交換器
17 膨張弁(膨張機構)
27 室外ファン(送風機)
80 コントローラ(制御手段)

Claims (6)

  1. 圧縮機構(14)と膨張機構(17)と熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(16)とが接続されて、上記熱源側熱交換器(15)が放熱器として動作して上記利用側熱交換器(16)が蒸発器として動作する蒸気圧縮式冷凍サイクルを冷却動作として行う冷媒回路(13)と、
    太陽熱及び排熱の少なくとも一方を熱源にして吸収式冷凍サイクルを行い、上記冷却動作中の冷媒回路(13)において上記熱源側熱交換器(15)から上記膨張機構(17)へ向かって流れる冷媒を冷却する補助冷凍装置(12)と、
    上記補助冷凍装置(12)を停止させて上記圧縮機構(14)を最低容量で運転させる低能力制御動作と、上記圧縮機構(14)を最低容量で運転させて上記補助冷凍装置(12)の冷却能力を調節する中能力制御動作と、上記補助冷凍装置(12)の冷却能力を最大値に設定して上記圧縮機構(14)の運転容量を調節する高能力制御動作とを実行可能に構成され、上記冷却動作中において上記低能力制御動作と上記中能力制御動作と上記高能力制御動作のうち何れか1つを、上記利用側熱交換器(16)において必要となる冷却能力に応じて選択して実行する制御手段(80)とを備えている
    ことを特徴とする冷凍システム。
  2. 請求項1において、
    上記膨張機構(17)は、開度可変の膨張弁(17)により構成され、
    上記冷媒回路(13)では、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧が上記冷媒回路(13)の冷媒の臨界圧力以上の値に設定される一方、
    上記制御手段(80)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの成績係数がその時の冷媒回路(13)の動作状態において得られる最高の値となるように蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧の目標値を決定し、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧がその目標値になるように上記膨張弁(17)の開度を制御する
    ことを特徴とする冷凍システム。
  3. 請求項1又は2において、
    上記熱源側熱交換器(15)は、上記冷媒回路(13)の冷媒を空気と熱交換させ、
    上記補助冷凍装置(12)が備える凝縮器(32)は、該補助冷凍装置(12)の冷媒を空気と熱交換させる一方、
    上記熱源側熱交換器(15)と上記凝縮器(32)の両方へ空気を送るための送風機(27)が設けられ、
    上記制御手段(80)は、上記第2能力制御動作及び上記第3能力制御動作中に、上記送風機(27)の送風量を最大値に設定する
    ことを特徴とする冷凍システム。
  4. 請求項3において、
    上記制御手段(80)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの高圧と低圧の差が所定の差圧判定値以下になった場合に限り、上記送風機(27)の送風量を最大値から低下させる
    ことを特徴とする冷凍システム。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
    上記補助冷凍装置(12)の冷却能力の最大値は、上記補助冷凍装置(12)を停止して上記圧縮機構(14)を最高容量に設定した場合に上記利用側熱交換器(16)において得られる冷却能力よりも大きい
    ことを特徴とする冷凍システム。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
    上記冷媒回路(13)の冷媒には、二酸化炭素が用いられている
    ことを特徴とする冷凍システム。
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