JP4210615B2 - 不快な味がマスキングされた製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、不快な薬物の味がマスキングされた服用感のよい製剤に関する。
医薬品が苦味等の不快な味を伴う場合、患者が散剤や粒剤として服用することは著しく困難となる。そこで服用時の口中での不快な味をマスキングするために(1)アスパルテーム等の甘味料や香料等を添加する方法(特許文献1)、(2)包接化合物を添加する方法(特許文献2)及び(3)胃溶性高分子、腸溶性高分子、水不溶性高分子、ワックス類等で被覆を施す方法(特許文献3及び4)がすでに提案されている。
しかし、上記(1)又は(2)の方法では苦味等の不快な味が強い場合は、マスキングは不可能であり、(3)の被覆による方法では、苦味等の強弱に応じて、被覆剤の量を増すことでマスキングすることは可能であるが、被覆剤特有の服用時のザラつき感が生じ、更に被覆剤により薬物の溶出が低下するおそれがあった。
特開平2−56416号公報 特開平3−236316号公報 特開昭57−58631号公報 特開平3−130214号公報
従って本発明の目的は、薬物の溶出性が良好で苦味等の不快な味を有するあらゆる薬物に対して有効にマスキングができる製剤を提供することにある。
斯かる実情に鑑み本発明者らは、鋭意研究を行った結果、薬物に一定量以上の水膨潤性物質を配合した組成物を水又は含水アルコールで湿式造粒すれば、薬物の溶出を低下させずに、不快な味がマスキングされることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、薬物及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する組成物であり、当該低置換度ヒドロキシプロピルセルロースをマスキング剤として組成物中30重量%以上含有するものを、水又は含水アルコールで湿式造粒して得られる経口用製剤を提供するものである。
本発明の製剤は、不快な薬物の味がマスキングされ服用感が良く、薬物の溶出も良好である。
本発明で用いる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、水を吸収して膨潤する水膨潤性物質であり、1種又は2種以上を混合して用いることができる。使用量は、薬物及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する組成物中30重量%以上、特に50〜95重量%とすることが好ましい。
本発明に適用する薬物は苦味等を有する薬物であれば特に限定されず、例えばイブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、スルピリン、アスピリン、ケトプロフェン等の解熱鎮痛消炎剤;カフェイン等の利尿剤;テオフィリン等の気管支拡張剤;マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロメタジン等の抗ヒスタミン剤;塩酸ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン、臭化水素デキストロメトルファン、クエン酸イソアミニル、リン酸ジメモルファン等の鎮咳去痰剤;塩酸タランピシリン、塩酸バカンピシリン、セファクロル、エリスロマイシン等の各種抗生物質;シメチジン、塩酸ピレンゼピン等の抗潰瘍剤;リン酸ジヒドロコデイン、dl−塩酸メチルエフェドリン等の交感神経興奮剤;塩酸デラプリル、塩酸メクロフェノキサート、塩酸ジルチアゼム等の循環器官用剤;ビンポセチン等の脳循環改善剤;クロルジアゼポキシド、ジアゼパム等の抗不安剤;フルスルチアミン、塩酸チアミン、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸、トラネキサム酸等のビタミン剤;塩酸キニーネ等の抗マラリア剤;塩酸エチレフリン、ジギトキシン等の強心剤;塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール等の抗不整脈剤;塩酸ロペラミド等の止瀉剤;クロルプロマジン等の向精神剤等を挙げることができる。
薬物の配合量は、目的に応じて適宜決定すればよいが、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの配合量の関係から、薬物及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する組成物中70重量%以下、50重量%以下とすることが好ましい。
本発明で用いる含水アルコール中のアルコールとしては、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール等の医薬品又はその製造に用いることができるアルコールが挙げられ、含水アルコールとしては、アルコールが50重量%以下のもの、特に30重量%以下のものが好ましい。水又は含水アルコールは湿式造粒の練合溶媒として使用し、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを膨潤状態とするためのものであり、その使用量は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースに対して2〜5重量倍とすることが好ましい。
水又は含水アルコールの練合溶媒には、目的により甘味料、精製白糖等の糖類、D−マンニトール等の糖アルコール、水に溶解又は分散した高分子等の医薬品で通常使用することのできる添加物を加えてもよい。
本発明における「薬物及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する組成物」とは、造粒の適用対象でこれらを含む粉体処方物をいい、薬物及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのみであってもよいが、一般にはこれらと添加剤とからなるものをいう。ここで用いられる添加剤としては、医薬品として添加できるものであれば特に限定されないが、例えば、賦形剤(希釈剤)、結合剤、崩壊剤、甘味料、着香料、色素等が挙げられる。ここで、賦形剤(希釈剤)としては、例えば糖類(乳糖、精製白糖、ブドウ糖等)、糖アルコール(D−マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等)等が挙げられる。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デキストリン、アルファー化デンプン等が挙げられる。崩壊剤としては、トウモロコシデンプン等のデンプン類等が挙げられる。甘味料としては、サッカリンナトリウムやアスパルテーム等が挙げられる。香料としては、オレンジやレモン等の柑橘系香料やメントールやハッカ油等が挙げられる。色素としては、天然色素や合成色素等が挙げられる。
本発明において湿式造粒に使用される方法は、攪拌造粒や流動層造粒そして押し出し造粒法等の通常医薬品等に利用される湿式造粒法であれば特に限定されないが、好ましくは押し出し造粒法である。
本発明の経口用製剤は、例えば次の如くして製造することができる。
まず、薬物と低置換度ヒドロキシプロピルセルロースそして必要に応じて他の添加物を加え、攪拌型混合機、例えばバーチカルグラニュレーター(パウレック(株)製)等の混合機で混合後、精製水又は10〜30重量%含水アルコールを低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの2倍から5倍程度加え練合し低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを膨潤状態とする。この練合物を押し出し造粒機、例えばファインリューザー(不二パウダル(株)製)押し出し造粒機にて造粒し、箱形乾燥機又は流動層造粒乾燥機にて乾燥する。この乾燥によって低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが収縮する際に不快な味を有する薬物を中に取り込みマスキングされると考えられる。そして、最後に篩を用いて目的の粒度の顆粒を得る。
一方、押し出し造粒後、マルメライザー(不二パウダル(株)製)にて球形処理を施したのち、箱形乾燥機又は流動層乾燥機にて乾燥し、最後に篩を用いて目的の粒度の球形顆粒を製造することもできる。
また、上記練合物を、直ちに箱形乾燥機又は流動層造粒乾燥機にて乾燥し、最後に篩を用いて目的の粒度の顆粒とすることもできる。
目的とする顆粒の粒度は、水又は含水アルコールの量を調節するか、押し出し造粒時のスクリーン径を0.3〜1.2mmの範囲で変えることにより散剤や細粒剤そして顆粒剤を得ることができる。
得られた顆粒剤に、更に服用感や薬物の安定性等を考慮して糖類や高分子等でコーティングを行うこともできる。
更に得られた顆粒に、賦形剤(希釈剤)、崩壊剤、滑沢剤等を添加して錠剤にすることもできる。
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1
イブプロフェン100gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)900gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液2900gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
実施例2
イブプロフェン300gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)700gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液2200gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
実施例3
イブプロフェン500gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)500gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液1600gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
実施例4
イブプロフェン700gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)300gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液950gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
比較例1
イブプロフェン900gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)100gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液250gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.45mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
比較例2
イブプロフェン100g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)100g及び乳糖800gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液120gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.45mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
試験例1
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた細粒剤について、下記の試験方法により苦味試験及び溶出試験を実施した。その結果を表1に示した。
試験方法
苦味試験:イブプロフェン150mg相当量を口み含みイブプロフェンの刺激的な苦味を感じる時間を測定した。
溶出試験:パドル法 100rpm 試験液:日局第2液(pH6.8)
Figure 0004210615
表1より、本発明の実施例1〜4は、比較例1〜2よりもイブプロフェンの刺激的な苦味が明らかに抑制されていることが苦味試験結果よりわかる(苦味を感じる時間が30秒以上の時マスキングされたと評価した)。そして、溶出性をみると2分ではイブプロフェンの溶出は実施例では比較例に比較して低いが、10〜20分で良好に溶出し、溶出性には問題ないことが溶出試験の結果からわかる(10分で50%以上、20分で80%以上の場合、薬物の放出は速溶性であると評価した)。
実施例5
無水カフェイン100gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)900gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液2800gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.8mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、24と30メッシュの篩で整粒し24−30メッシュの顆粒剤を製造した。
実施例6
無水カフェイン300gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)700gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液2100gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.8mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、24と30メッシュの篩で整粒し24−30メッシュの顆粒剤を製造した。
実施例7
無水カフェイン500gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)500gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液1550gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.8mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、24と30メッシュの篩で整粒し24−30メッシュの顆粒剤を製造した。
実施例8
無水カフェイン700gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)300gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液850gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.8mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、24と30メッシュの篩で整粒し24−30メッシュの顆粒剤を製造した。
比較例3
無水カフェイン900gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)100gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液200gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、24と30メッシュの篩で整粒し24−30メッシュの顆粒剤を製造した。
比較例4
無水カフェイン100g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)100g及び乳糖800gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液100gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、24と30メッシュの篩で整粒し24−30メッシュの顆粒剤を製造した。
試験例2
実施例5〜8及び比較例3〜4で得られた顆粒剤について、下記の試験方法により苦味試験及び溶出試験を実施した。その結果を表2に示した。
試験方法
苦味試験:無水カフェイン80mg相当量を口み含み無水カフェインの苦味を感じる時間を測定した。
溶出試験:パドル法 100rpm 試験液:水
Figure 0004210615
表2より、無水カフェインの場合もイブプロフェンの場合と同様に実施例5〜8は比較例3〜4よりも無水カフェインの苦味が抑制されていることがわかる。
実施例9
マレイン酸クロルフェニラミン100gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)900gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液2900gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(1.0mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、20と24メッシュの篩で整粒し20−24メッシュの顆粒剤を製造した。
実施例10
ジクロフェナクナトリウム100gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)900gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液2900gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.8mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、24と30メッシュの篩で整粒し24−30メッシュの顆粒剤を製造した。
実施例11
イブプロフェン100gとカルメロースカルシウム(ECG−505、五徳薬品(株)製)900gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液2900gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
実施例12
イブプロフェン100gとクロスカルメロースナトリウム(Ac−di−sol、旭化成工業(株)製)900gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液3000gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの棒状細粒剤を製造した。
比較例5
マレイン酸クロルフェニラミン100gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)100g及び乳糖800gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液300gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.8mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、20と24メッシュの篩で整粒し20−24メッシュの顆粒剤を製造した。
比較例6
ジクロフェナクナトリウム100gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)100g及び乳糖800gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液300gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、24と30メッシュの篩で整粒し24−30メッシュの顆粒剤を製造した。
比較例7
イブプロフェン100gとカルメロースカルシウム(ECG−505、五徳薬品(株)製)100g及び乳糖800gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液250gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.45mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
比較例8
イブプロフェン100gとクロスカルメロースナトリウム(Ac−di−sol、旭化成工業(株)製)100g及び乳糖800gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これに10%エタノール水溶液320gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.45mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの棒状細粒剤を製造した。
試験例3
実施例9〜12及び比較例5〜8で得られた細粒剤や顆粒剤について、下記の試験方法で苦味試験及び溶出試験を実施した。この結果を表3に示す。
試験方法
苦味試験:マレイン酸クロルフェニラミン20mg、ジクロフェナクナトリウム25mg、イブプロフェン150mg相当量を口に含みそれぞれの薬物の苦味を感じる時間を測定した。
溶出試験:パドル法 100rpm
試験液:水(マレイン酸クロルフェニラミン、ジクロフェナクナトリウム)、日局第2液pH6.8(イブプロフェン)
Figure 0004210615
表3より実施例9〜12では、マレイン酸クロルフェニラミン、ジクロフェナクナトリウム及びイブプロフェン等の薬物は、ECG−505、Ac−di−sol等の水膨潤性物質を用いても比較例よりも薬物の苦味が抑制されていることがわかる。
実施例13
イブプロフェン150g、アリルイソプロピルアセチル尿素60g、無水カフェイン80g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)997gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これにアスパルテーム13gを含む10%エタノール水溶液2900gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
実施例14
イブプロフェン150g、アリルイソプロピルアセチル尿素60g、無水カフェイン80g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)650g、エリスリトール(日研化学(株)製)347gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これにアスパルテーム13gを含む10%エタノール水溶液2100gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
実施例15
イブプロフェン150g、アリルイソプロピルアセチル尿素60g、無水カフェイン80g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)390g、エリスリトール(日研化学(株)製)607gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これにアスパルテーム13gを含む10%エタノール水溶液1100gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.6mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
実施例16
イブプロフェン150g、アリルイソプロピルアセチル尿素60g、無水カフェイン80g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)997gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これにアスパルテーム13gを含む10%エタノール水溶液2100gを加えて練合し、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と150メッシュの篩で整粒し30−150メッシュの細粒剤を製造した。
比較例9
イブプロフェン150g、アリルイソプロピルアセチル尿素60g、無水カフェイン80g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)260g、エリスリトール(日研化学(株)製)737gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これにアスパルテーム13gを含む10%エタノール水溶液700gを加えて練合し、ファインリュザーEXR−60(0.45mm径スクリーン、不二パウダル(株)製)で造粒し、マルメライザーQ400(不二パウダル(株)製)で球形化処理を施した後、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と42メッシュの篩で整粒し30−42メッシュの細粒剤を製造した。
比較例10
イブプロフェン150g、アリルイソプロピルアセチル尿素60g、無水カフェイン80g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH31、信越化学工業(株)製)260g、エリスリトール(日研化学(株)製)737gをバーチカルグラニュレーターFM−VG−25(パウレック(株)製)で混合した。これにアスパルテーム13gを含む10%エタノール水溶液500gを加えて練合し、流動層乾燥機WSG−5型(大川原製作所(株)製)で乾燥し、30と150メッシュの篩で整粒し30−150メッシュの細粒剤を製造した。
試験例4
実施例13〜16及び比較例9〜10で得られた細粒剤や顆粒剤について、下記試験方法によりイブプロフェンについて苦味試験及び溶出試験を実施した。その結果を表4に示した。
試験方法
苦味試験:イブプロフェン150mg相当量を口に含みイブプロフェンの刺激的な苦味を感じる時間を測定した。
溶出試験:パドル法 100rpm 試験液:日局2液(pH6.8)
Figure 0004210615
表4より、本発明の実施例13〜16は、比較例9〜10よりもイブプロフェンの不快な味が明らかに抑制されていることがわかる。

Claims (1)

  1. 薬物及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する組成物(但し、アルギン酸ナトリウム及び乳酸カルシウムを含むものを除く)であり、当該低置換度ヒドロキシプロピルセルロースをマスキング剤として組成物中30重量%以上含有するものを、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの2〜5倍の水又は含水アルコールで湿式造粒し、次いで乾燥することにより得られる経口用製剤。
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