JP4210267B2 - 仮焼粉末の製造方法 - Google Patents

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この発明は、固相反応を高温で行う一般的なセラミック材料の仮焼粉末を製造する技術に関する。
セラミックは、一般に、セラミック原料を混合し、調製された造粒粒子を成形、焼成することによって製造される。セラミック造粒粒子は、種々の方法から生成されるが、多くの場合は、固体の状態で合成し、反応させる固相反応が用いられる。
固相反応においては、まず出発原料を溶媒(水、有機溶剤等)に混合、粉砕、分散し、均一なスラリーを生成したのち、乾燥する。次いで、乾燥粉末を合成炉(仮焼炉ともいう)にて高温で化学反応を生じさせることによって、複数の出発原料が分解、反応を起し、セラミック仮焼粉末を生成する。
成形に供するセラミック造粒粒子は、仮焼粉末を再度、溶媒(水、有機溶剤等)に混合したのち微粉砕し、バインダ等を添加し適正なスラリー粘度に調整を行って噴霧乾燥等にて生成される。最近のスラリーは微粒子化すればする程、焼結体が緻密となり、かつ低温焼成化が図れるので、ナノレベルに匹敵する超微粉砕が求められている。ところが、一般には仮焼粉末は硬質であり、粉砕は容易ではない。粒度の不均一さや、粉砕メディア(玉石、ビーズ等)や分散装置内部の消耗部位からのコンタミ(汚染)が常に発生し、電気的、誘電的特性変動の元凶となっている。そこで、仮焼粉末の解砕、粉砕性を向上させるため、仮焼前のセラミックスラリーに酢酸ビニル等の樹脂を添加して乾燥する方法が行われている(特許文献1参照)。なお、一般に、セラミックの造粒粒子(「セラミック顆粒」とも呼ばれる)、セラミック原料の乾燥粉末(「乾燥顆粒」とも呼ばれる)等は、「顆粒」と総称される。
特許第3316621号公報
しかしながら、従来手法では、仮焼粉末が未だ硬質で、十分な解砕、粉砕性が得られないことがあった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、従来とは異なる方法によって、仮焼粉末の解砕性を向上させることを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の仮焼粉末の製造方法は、一般のセラミック仮焼に供する仮焼前駆体の製造方法であって、セラミック原料を溶媒(水、有機溶剤等)に混合し、粉砕、スラリー化する工程と、加熱によって反応し気体を発生する成分を含む発泡剤を前記セラミック原料スラリーに添加し発泡剤添加スラリーを生成する工程と、前記発泡剤添加スラリーを乾燥し、セラミック原料と発泡剤が均質に混合した乾燥粉末を生成する工程と、前記乾燥粉末を仮焼することにより、前記セラミック原料の固相反応物からなる多孔質の仮焼粉末を生成する工程と、を含む事を特徴とする。
この構成によれば、仮焼反応の前に発泡剤が発生するガスにより、乾燥粉末(乾燥顆粒)にガスの通り抜けのためのパスが生じ、多孔質化する。この後、仮焼されるが、多孔質化した状態は仮焼後も保持される。多孔質の仮焼粒子は、外力にて容易に破壊、損傷し得るので、本仮焼粉末は、解砕性に富んだものとなる。
前記発泡剤は、前記発泡剤中の前記発泡成分が熱分解する熱分解性発泡剤としても良い。
この構成によれば、発泡剤が分解してガスを発生する温度(熱分解温度)は、発泡剤固有の温度(100℃以上)であるので、乾燥工程以前に分解ガスが生ずることはなく、仮焼工程まで発泡性は維持される。そのため、仮焼工程において十分な分解ガスを発生でき、仮焼粉末の解砕性をより高めることができる。
前記熱分解性発泡剤中の前記発泡成分は、有機化合物としてもよい。
この構成によれば、発泡剤は分解残渣として有害な金属元素類を含まないので、添加できる発泡剤の量を自由に増すことができる。このために、所望の仮焼粉末を得るに足る十分な発泡剤を用いることにより、解砕性を更に高めることができる。
前記発泡成分はヒドラジン誘導体を含むものとしてもよい。
この構成によれば、仮焼時における刺激性のガスの発生のおそれを低減することができる。
前記ヒドラジン誘導体はシュウ酸ジヒドラジドとしてもよい。
この構成によれば、分解時に不要な中間生成物を生せず、また分解による発煙や刺激臭も発生しない。
前記熱分解性発泡剤中の前記発泡成分は、無機化合物としてもよい。
この構成によれば、分解後に若干の無機分を残渣として生ずるが、有毒な発煙や刺激臭は発生しない。
なお、本発明は、様々な様態で実現することが可能である。例えば、仮焼後に粉砕を必要とするセラミック一般の製造プロセス、更には多孔質のセラミック構造材、機能材そのものにも適用できる。
また、仮焼後のセラミックスラリー粒子を容易に解砕できるので、セラミック製造設備(特に、粉砕、分散、解砕設備)においては、粉砕エネルギーを抑制、低減できる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施の形態:
B.実施例:
A.実施の形態:
図1は、一般的な成形用のセラミック造粒粒子の製造工程を示す概略図である。本実施形態において、セラミック造粒粒子は、1:原料混合工程、2:合成工程、3:造粒工程の3つの工程を経て製造される。ここで、原料混合工程とは、各種原料を純水とを均一にスラリー混合分散し、脱水乾燥する工程である。また合成工程は、脱水乾燥粉末を固相反応を行って仮焼、合成する工程である。造粒工程は、仮焼粉末と純水を混合、分散し、バインダを加えたのち、噴霧乾燥機等で造粒しセラミック成形に供する顆粒を生成する工程である。
図2は、図1に示すセラミック造粒粒子の製造工程のうち、原料混合工程と合成工程との詳細図である。原料混合工程は、図1のSTEP S100に相当する混合・分散工程と、図1のSTEP S110に相当する脱水乾燥工程の2つの工程を有している。
混合・分散工程では、STEP S102にて各種原料と純水が均一に攪拌される。原料は、所望のセラミック材料組成となるようにあらかじめ用意された1種以上の原料で、最終セラミック材料によって適宜選択される。各種原料は、所定の配合表に基づき、適量が秤量され、純水とともに攪拌タンクに投入される。攪拌タンクにて十分な攪拌を行うことによって、純水中に原料粉末が均一に分散した懸濁スラリー(以下、「混合スラリー」と呼ぶ)が生成される。なお、投入される原料と純水量は、生産性、分散性、装置との整合性を考慮して決定された所定の値(例えば、原料60重量%に対し、純水40重量%)となるようにあらかじめ秤量される。
原料粉末としては、仮焼(後述する)によりセラミック材料が生成される原材料の粉末であればよい。例えば、セラミック材料としてチタン酸バリウム(BaTiO)を製造する場合には、炭酸バリウム(BaCO)の粉末と酸化チタン(TiO)の粉末とが使用される。また、セラミック材料として酸化マグネシウム(MgO)を製造する場合には、水酸化マグネシウム(Mg(OH))の粉末が使用され、ソフトフェライト(Ni1−XZnFe)を製造する場合には、酸化ニッケル(NiO)と酸化亜鉛(ZnO)と酸化第二鉄(Fe)とのそれぞれの粉末が使用される。
STEP S104では、仮焼に供する原料粒子の活性度をあげるために、混合スラリー中の原料粒子に分散処理が施される。分散の方法としては、例えば、ボールミルやビーズミル、アトライター等の媒体ミルの使用する方法が主流である。粒子が微細化され所望の粒度が得られたスラリーは、攪拌タンクに移送される。
STEP S106にて攪拌タンクに投入された混合スラリーに発泡剤が添加される。このような一連の工程を経て、原料、純水、発泡剤は均一に混合、スラリー化される。なお、分散工程(STEPS104)は、原料粒度や原料の性質等により省略することも可能である。この場合は、STEP S102とSTEP S106の2つの工程を1つに纏めることもできる。
原料スラリーに添加される発泡剤としては、熱分解により気体を発生する発泡成分を含む種々の発泡剤(熱分解性発泡剤)を使用することができる。この発泡成分が熱分解する温度は、STEP S102〜S106の混合分散工程におけるスラリーの温度よりも高く、仮焼の温度よりも低い任意の温度であればよい。なお、発泡剤としては、複数の成分の反応により気体を発生する発泡成分を含む反応性発泡剤を使用することもできるが、固有の熱分解温度より低温では熱分解の反応がほとんど進行しない点で熱分解性発泡剤が好ましい。
熱分解性の発泡成分としては、有機化合物(以下、「有機系発泡成分」も呼ぶ)と、無機化合物(以下、「無機系発泡成分」とも呼ぶ)と、のいずれもが使用可能である。有機系発泡成分は、金属元素および半金属元素(以下、これらを合わせて「金属元素類」と呼ぶ)を組成に含まないため、仮焼粉末への金属元素類の残存を抑制できる点で好ましい。一方、無機系発泡成分は、分解生成物が無機化合物となるので、仮焼時に分解生成物の炭化に伴う煙の発生を抑制できる点で好ましい。なお、無機系発泡成分は、分解残渣として無機化合物が生成するので、分解ガスの発生量と生成する残渣の製品への影響を勘案して使用を選択することが望ましい。
無機系発泡成分としては、例えば、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)や炭酸水素アンモニウム(NHHCO)等の炭酸水素塩が使用可能である。なお、発泡剤に含まれる無機系発泡材料は、金属元素類を含んでいてもよい。この場合、原料スラリーに添加される発泡剤の量は、金属元素類の量が製造されるセラミック材料ごとに定められる所定の量以下となるように決定される。例えば、セラミック材料としてチタン酸バリウムを製造する場合、無機系発泡材料は任意の金属元素を含んでいてもよい。この場合、原料粉末の重量に対する金属元素の重量の比が1重量%以下となるように、無機系発泡剤の添加量が定められる。
有機系発泡成分としては、所定の温度以上で熱分解する種々の有機化合物を使用することができる。有機系発泡成分としては、例えば、アゾジカルボンアミド等のアゾ化合物や、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物や、種々のヒドラジン誘導体(シュウ酸ジヒドラジドやベンゼンスルホニルヒドラジド等)が使用可能である。これらの有機系発泡成分のうち、ヒドラジン誘導体は、仮焼時の刺激性ガスの発生を抑制することができる点で好ましい。さらに、シュウ酸ジヒドラジドは、分解生成物が残留しないのでより好ましい。シュウ酸ジヒドラジドを発泡成分とする発泡剤を添加する際には、原料スラリー中の原料粉末の重量に対するシュウ酸ジヒドラジドの重量の比(発泡成分重量比)を、2.5重量%〜50重量%とするのが好ましい。さらに、発泡成分重量比は、5重量%〜20重量%とするのがより好ましい。
STEP S112では、発泡剤添加スラリーの脱水乾燥が行われる。脱水乾燥は、発泡剤添加スラリーをスプレードライヤに供給することにより行われる。スプレードライヤでは、乾燥用の加熱空気中に発泡剤添加スラリーが霧状の液滴として噴霧される。この霧状の液滴は、加熱空気中で瞬時乾燥し、原料と発泡剤が均一分散した乾燥粉末(乾燥顆粒)となる。
STEP S114では、異常に粗大凝集化した乾燥粉末(粒子径 500μm以上)を除去する目的で、篩分級が行われる。分級は、篩分級等の任意の方法で行うことができる。なお、STEP S114の分級の工程は、乾燥粉末の粒度分布によっては、省略することが可能である。
STEP S202では、このように乾燥、分級された乾燥粉末をセラミック製のサヤに充填する。サヤに充填された乾燥粉末は、STEP S204において、仮焼される。仮焼は、各種セラミック原料が所望の固相反応を生じ、目的とする組成に合成できる条件で行われる。なお、サヤとしては、仮焼の温度での耐熱性があり、原材料との間で反応が起きないような種々の材質のものが使用できる。このようなサヤとしては、例えば、ムライト、コージライト、アルミナ、ジルコニア等のサヤ材が使用される。
仮焼の条件は、セラミック材料と原材料の種類によって適宜決定される。例えば、炭酸バリウムと酸化チタンからチタン酸バリウムを生成する場合、乾燥粉末を充填したサヤを900〜1300℃の温度で、1〜4時間熟成する。このように加熱処理を行うことにより、原料は合成され、固相反応を起こして所望のセラミック組成となる。原料に含まれる発泡成分は、サヤの昇温の過程で激しく分解ガスを発生して消滅する。この分解ガスは、乾燥粉末(乾燥顆粒)中から放出される際に、クラックや開口部を生ぜしめ、多孔質化し、仮焼粉を易解砕化する。
STEP S300(図1)において、仮焼粉末と純水は、STEP S102(図2)と同様の手順で秤量混合される。仮焼粉末に純水を加えて均一に混合する。セラミックスラリーは、易解砕性に富んでおり簡単な衝撃力で解砕が可能となる。すなわち、わずかな解砕エネルギーで十分な粉砕効果が期待できる。例えば、小型のホモジナイザー(超音波式または循環式や攪拌式等)にて、容易に仮焼粒子の最大径を10μm以下にできる。
発泡ガスの効果によって、易解砕形状化した仮焼粉末は、短時間で解砕が可能であり、一次粒子レベルのセラミックスラリーが30分未満で得られる。この場合、解砕は、主に表面粉砕であり、粒子の機械的ダメージは少ない。形状は、丸味を帯び、粒子1粒1粒の特徴、性質を保持したままで微粒化を図ることができる。STEP S310では、STEP S104(図2)と同様に分散が行われる。しかし、既に解砕で所望の粒度が得られている場合、または粒子を著しく破壊、破損することができない場合は、解砕のみとし、分散工程を省く事ができる。
STEP S320では、微粉砕が行われたセラミックスラリーにバインダが添加される。セラミックスラリーに添加するバインダとしては、例えば、酢酸ビニルのエマルジョンが用いられる。STEP S330では、バインダが添加されたセラミックスラリーから鉄分を除去するための磁選と、粗大粒子および異物の除去のための濾過とが行われる。なお、セラミック材料としてソフトフェライトを製造する場合、磁選の工程は行われない。STEP S340では、セラミックスラリーに濾過を行ったのち、造粒がなされ、セラミック顆粒が生成される。生成されたセラミック顆粒は、成形に好適な粉体特性(例えば、充填性、流動性、成形性等)を具備するよう分級(例えば50μm以上を使用、未満は除去)を行う。尚、分級工程はSTEP S114(図2)と同様であるが、S114は上限カット、S340は下限カットの相違がある。
B.実施例:
[実施例1]
実施例1では、まず、1.973kgの炭酸バリウム粉末と、0.799kgの酸化チタン粉末と、を秤量して原料粉末を準備した。原料粉末60重量%に対して純水40重量%の割合で原料粉末と純水とを混合し、混合スラリーを生成した。この混合スラリーをボールミルで粉砕、分散し、攪拌タンクヘ投入した。尚、粉砕、分散により、混合スラリーの平均粒子径は、約1μmから約0.6μmヘと微細化した。
次いで、攪拌タンクにて、微細化した混合スラリーに発泡剤としてシュウ酸ジヒドラジドの粉末を添加した。なお、添加したシュウ酸ジヒドラジドの重量は、原料粉末の重量の2.5%(69g)である。シュウ酸ジヒドラジドを添加した発泡剤添加スラリーを十分攪拌した後、噴霧乾燥機で脱水乾燥、その後、振動篩にて分級を行い、最大粒子径250μmの脱水乾燥粉末(乾燥顆粒)を得た。得られた乾燥粉末をアルミナ製のサヤに充填し、電気炉にて、仮焼温度1100℃×2時間の条件で仮焼を行うことにより実施例1の仮焼粉末を生成した。
生成された仮焼粉末の評価のため、仮焼粉末の電子顕微鏡像を撮影した。電子顕微鏡撮影の後、仮焼粉末60重量%に対して40重量%の純水を加え、混合攪拌して、セラミックスラリーを生成した。生成したスラリーを超音波式ホモジナイザーにより循環、解砕した。尚、解砕時間は、5分、10分、15分、20分及び30分とし、解砕分散前後のセラミックスラリー粒度をレーザ式の粒度分布測定装置で評価した。
[実施例2]
実施例2は、発泡剤として添加したシュウ酸ジヒドラジドの重量が、原料粉末の重量の5%(139g)である点で、実施例1と異なっている。また、得られた仮焼粉末の最大粒径が約150μmであった点で、実施例1と異なっている。他の点は、実施例1と同じである。
[実施例3]
実施例3は、発泡剤として添加したシュウ酸ジヒドラジドの重量が、原料粉末の重量の10%(277g)である点と、解砕時間を5分及び10分のみとした点とで、実施例1と異なっている。他の点は、実施例1と同じである。
[比較例]
比較例は、発泡剤を添加しなかった点と、解砕時間を5分、10分、15分および20分とした点で、実施例1と異なっている。他の点は、実施例1と同じである。
[仮焼粉末の評価]
図3は、解砕前の比較例および実施例1〜3における仮焼粉末の電子顕微鏡像を示している。図3(a)に示す比較例の仮焼粉末の表面状態と、図3(b)に示す実施例1の仮焼粉末の表面状態とには顕著な差が認められなかった。一方、図3(a)に示す比較例と比べ、図3(c)に示す実施例2の仮焼粉末と、図3(d)に示す実施例3の仮焼粉末とのいずれの仮焼粉末の表面にも多数の孔が形成されている。このように、原料粉末の重量に対するシュウ酸ジヒドラジドの重量の比(発泡成分重量比)が5重量%以上では、シュウ酸ジヒドラジドの添加により仮焼粉末の多孔質化が顕著になる。
図4は、比較例および実施例1〜3における仮焼粉末の解砕後の最大粒径を示すグラフである。図4の2つのグラフの横軸は、いずれも解砕時間を表しており、縦軸は、いずれも最大粒径を表している。図4(b)は、図4(a)の縦軸の目盛りを変えたものである。図4では、実施例1の最大粒径を丸(○印)で表している。同様に、実施例2の最大粒径は三角(△印)で、実施例3の最大粒径は四角(□印)で、比較例の最大粒径は菱形(◇印)で、それぞれ表している。
図4に示すように、実施例1〜3の仮焼粉末では、5分の解砕後の最大粒径が比較例よりも小さくなる。このことから、原料スラリーに発泡剤を添加することにより、仮焼粉末の粉砕が容易になることが分かる。特に、実施例3では、5分の解砕で最大粒径が約15μmとなる。このことから、発泡成分重量比で10重量%の発泡剤を添加することにより、解砕性が極めて高くなることがわかる。
[発明の効果]
本発明によれば、原料スラリーに発泡剤を添加することにより、仮焼の際に発泡剤が発生ずるガスにより多孔性の仮焼粉末を得ることができる。そして、仮焼粉末が多孔性となることにより、仮焼粉末の解砕性をより促進することができる。
成形用セラミック造粒粒子の製造工程を示す説明図。 セラミック造粒粒子の製造工程の内、混合工程と合成工程の詳細を示す説明図。 解砕前の比較例および実施例1〜3における仮焼粉末の電子顕微鏡像。 比較例および実施例1〜3における仮焼粉末の解砕後の最大粒径を示すグラフ。

Claims (8)

  1. セラミック材料を含む仮焼粉末の製造方法であって、
    前記セラミック材料の原料粉末を含む原料スラリーを生成する工程と、
    加熱することにより反応して気体を発生する発泡成分を含む発泡剤を前記原料スラリーに添加することにより、発泡剤添加スラリーを生成する工程と、
    前記発泡剤添加スラリーから、前記原料粉末と前記発泡成分とを含む顆粒を生成する工程と、
    前記顆粒を仮焼することにより、前記セラミック材料を含む多孔質の仮焼粉末を生成する工程と、
    を含む、仮焼粉末の製造方法。
  2. 請求項1記載の仮焼粉末の製造方法であって、
    前記発泡剤は、前記発泡剤中の前記発泡成分が熱分解する熱分解性発泡剤である、仮焼粉末の製造方法。
  3. 請求項2記載の仮焼粉末の製造方法であって、
    前記熱分解性発泡剤中の前記発泡成分は有機化合物である、仮焼粉末の製造方法。
  4. 請求項3記載の仮焼粉末の製造方法であって、
    前記発泡成分はヒドラジン誘導体を含む、仮焼粉末の製造方法。
  5. 請求項4記載の仮焼粉末の製造方法であって、
    前記ヒドラジン誘導体はシュウ酸ジヒドラジドである、仮焼粉末の製造方法。
  6. 請求項5記載の仮焼粉末の製造方法であって、
    前記原料スラリーに添加される発泡剤は、前記原料スラリー中の前記原料粉末の重量に対する前記シュウ酸ジヒドラジドの重量の比である発泡成分重量比が、2.5重量%から50重量%の範囲内となるように添加される、仮焼粉末の製造方法。
  7. 請求項6記載の仮焼粉末の製造方法であって、
    前記原料スラリーに添加される発泡剤は、前記発泡成分重量比が、5重量%から20重量%の範囲内となるように添加される、仮焼粉末の製造方法。
  8. 請求項2記載の仮焼粉末の製造方法であって、
    前記熱分解性発泡剤中の前記発泡成分は、無機化合物である、仮焼粉末の製造方法。
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