JP2004277249A - 金属酸化物の微小球とその製造方法 - Google Patents

金属酸化物の微小球とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多孔質で強度の高い金属酸化物の微小球を製造する。
【解決手段】金属酸化物の微小粉末と炭素の微小粉末とを混合した混合物を焼結した後、粉砕して所要粒度に分級し、分級した粒子をプラズマフレームにより加熱して溶融球状化し、球状化した粒子を酸化雰囲気中で加熱して炭素粉末を気化して除去することにより粒子の内部に空孔を形成させ、強度の高い多孔質の微小球を得る。あるいは前記炭素粉末の代わりに炭素生成化合物に混合してこれを炭素化し、同様の操作をして粒子の内部に空孔を形成させる。また、強度の低い市販の内部に空孔を有する金属酸化物を使用し、空孔に炭素生成化合物を浸透させて同様の操作をして強度の高い多孔質の微小球を得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばドラッグデリバリ基材、電子材料、触媒などに用いられる微小球など金属酸化物の微小球とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これらのドラッグデリバリ基材や電子材料、触媒などに用いられる金属酸化物の粒子の場合、中実の粒子では硬さは高いが比表面積が小さく、また比重が大きいという問題点があった。
【0003】
そこで、見掛け比重を軽くしたYの微小球が開発されている(特許文献1)。この製造方法はYの粉末を1μm以下に粉砕整粒して、ポリビニールアルコールをバインダとして添加し、ロータリーアトマイザを用いてスプレードライを行って5〜200μmに造粒した後、直流プラズマにより球状化し蒸留水中に回収することによりバインダを除去して内部に空洞を有する微小球を作る方法である。
【0004】
また、中空粒子の製造方法としては特許文献2の発明が開示されている方法がある。この方法は加水分解性金属塩の水溶液中にコアとなる球状重合体粒子を分散せしめ、加水分解反応にによりコアの球状重合体粒子上に金属化合物被覆層を形成させ、該球状重合体−金属化合物複合粒子を加熱して、重合体粒子をガス化することにより中空粒子を製造するものである。その他の多孔質微小球の製造方法としては、スプレイドライや転造造粒などがあり、これらにより製造された微小球が現在市販されている。
【0005】
【特許文献1】特表平9−508897号公報
【特許文献2】特開平2001−181403号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の発明の粒子は均一な粒度の粒子を得ることが困難で、粒度にばらつきがあり分級の歩留まりが低く、かつ粒径により密度差が生ずるという問題点があった。また、上記特許文献2及び市販の多孔質微粒子は、強度が低く取り扱いで粒子が壊れてしまうという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点を解決し、粒度が均一で強度が高く、かつ均一微細な空孔を有する低密度の微小粒子とその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明の金属酸化物の微小球とその製造方法は、粒度を調整した金属酸化物の微小粉末と炭素の微小粉末とを混合し、該混合物を焼結した後に粉砕して所要粒度に分級した粒子を不活性雰囲気または還元雰囲気あるいはO濃度1%以下の雰囲気中でプラズマフレームにより加熱して溶融球状化し、該球状化した粒子を酸化雰囲気中で加熱して、該粒子中の前記炭素粉末を酸化・気化して除去することにより内部に空孔を形成させたことを特徴とするものである。
【0009】
すなわち、本第1発明の金属酸化物の微小球は、空孔部の大きさに粒度を調整した炭素粉末を金属酸化物の微小粉末に混合して、この混合物を中性または還元雰囲気で焼成し、金属酸化物中に炭素粉末が分散した焼結体を作製する。この焼結体を粉砕して製品粒度に相当する所要粒度の粒子に分級する。この状態の粒子はまだ球形でなく破砕されたままの角張った形状をしている。そこで、この粒子を不活性雰囲気または還元雰囲気などの炭素粉末が酸化しない雰囲気でプラズマフレームにより溶融球状化して綺麗な球状の粒子にする。そしてこの球状粒子を酸化雰囲気中で加熱すると粒子中に分散した炭素粉末がCOガス化して放出されるので、炭素の部分が空孔化した微小球が得られる。
【0010】
また本発明の微小球は、その他SiO,Alなど金属酸化物の微小球としても電子材料などに使用する場合、低密度で強度が高いので取扱いが容易で用途が広い。
【0011】
また本第2発明の金属酸化物の微小球とその製造方法は、粒度を調整した金属酸化物の微小粉末と炭素生成化合物とを混合し、該混合物を乾燥成型した後、該成型物を加熱焼成して前記炭素生成化合物を炭素化し、該焼成した成型物を粉砕して所要の粒度の粒子に分級し、該分級した所要粒度の粒子を不活性雰囲気または還元雰囲気あるいはO濃度1%以下の雰囲気中でプラズマフレームにより加熱して溶融球状化し、該球状化した粒子を酸化雰囲気中で加熱して、該粒子中の前記炭素化した炭素を酸化・気化して除去することにより内部に空孔を形成させたことを特徴とするものである。
【0012】
すなわち、金属酸化物の微小粉末をポリアクリロニトリルやピッチなどの炭素生成化合物に混合し、この混合物の成形体を中性または還元性雰囲気中で焼成してポリアクリロニトリルやピッチなどを炭素化し、金属酸化物中に炭素が分散した焼成体を得る。そしてこの焼成体を粉砕して製品として所要の粒度の粒子に分級する。この粒子は前記炭素粉末を使用した場合と同様に球形をしていないので前記同様にプラズマフレームにより溶融球状化して球状の粒子にする。この球状粒子を酸化雰囲気中で加熱すると、分散した炭素がガス化して放出されて炭素の部分が空孔化した微小球が得られる。この微小球も第1発明と同様の効果が得られる。
【0013】
また本第3発明の金属酸化物の微小球とその製造方法は、内部に空孔を有する金属酸化物の所要粒度の微小粉末粒子と炭素生成化合物とを混合し、前記微小粉末粒子の空孔に炭素生成化合物を浸透させて乾燥させた後、該粒子の空孔中の炭素生成化合物を炭素化し、該粒子を不活性雰囲気または還元雰囲気あるいはO濃度1%以下の雰囲気中でプラズマフレームにより加熱して溶融球状化し、該球状化した粒子を酸化雰囲気中で加熱して、該粒子中の前記炭素化した炭素を酸化・気化して除去することにより金属酸化物の内部に空孔を形成させたことを特徴とするものである。
【0014】
前述のように内部に空孔を有する多孔質の金属酸化物の微小球には市販されているものがある。しかし、この市販の微小球は強度が低いので、簡単に崩れてしまい取り扱いが困難である。そこで発明者らは、これを利用して強度の高い微小球を製造することを見出だした。
【0015】
すなわち、本第3発明の金属酸化物の微小球は、市販等の空孔を有する金属酸化物の微小球と前述のポリアクリロニトリルやピッチなどの炭素生成化合物とを混合することにより粒子の空孔に炭素生成化合物を浸透させる。そして、この粒子に浸透させた炭素生成化合物を炭化させて空孔部に炭素が充満した粒子を作製し、この粒子をプラズマフレームにより溶融球状化する。その後、前記第1、第2発明と同様に酸化雰囲気中で加熱して炭素をガス化して放出することにより内部に空孔を形成させた微小球を得るものである。この微小球も前記第1、第2発明と同様の効果が得られる。
【0016】
また本発明の金属酸化物の微小球は、前記金属酸化物はAl,Si,Ti,Ca,Mg,Yの1種または2種以上からなる酸化物であり、前記球状化粒子における酸化物と炭素量の比率が体積%で90:10〜70:30であることが適当な多孔質の微小球を得るために望ましい。これにより金属酸化物の微小球の球径が5〜500μmで、(本微小球のタップ密度)/(同径の中実球のタップ密度)の比が0.9以下である微小球が容易に得られる。ここで同径の中実球のタップ密度とは、内部に空孔を有しない中実の微小球のタップ密度をいう。すなわち、本発明微小球は空孔を有するので空孔のない中実の微小球に比してタップ密度が小さいことを意味する。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明を図示の実施形態について具体的に説明する。図1は本発明第1実施形態の微小球の製造工程を示すフローチャートである。
【0018】
以下、図1に基づいて説明する。本第1実施形態では、Y(金属酸化物)粉末にC粉末を混合する方法について行った。
【0019】
まず0.3μm径のY(金属酸化物)の粉末と70nm径のCの粉末に純水を加え、ビーズミルを用いてY粉末が100nm径になるまで粉砕混合した。Y粉末とC粉末の比率を表1に示す。
【0020】
【表1】
Figure 2004277249
【0021】
この混合物をプレスによりφ50mm×t15mmのブロックに成型した後、Arまたは(Ar+CO)ガスの還元雰囲気の炉中で900℃×1Hr焼成した。そして、この焼成体を粉砕し、20〜30μmの粒子に分級した。
【0022】
次にこの粒子を特開平11−269511号公報に示したプラズマ装置を使用して溶融球状化し、20〜30μmの球状粒子を得た。そして、この球状粒子をN+2%Oの酸化雰囲気の炉中で900℃×1Hr加熱した。これによって、球状粒子中のC粒子がガス化して除去され、内部に空孔を有する20〜30μmの微小球が得られた。
【0023】
表1に得られた微小球のタップ密度と(本発明微小球のタップ密度)/(比較材(同径の中実球)のタップ密度)の比の数値を示す。比較材としてCを添加しないY100%の数値を示した。Cが0のY100%の比較材においても当然Yのタップ密度は真比重より小さい。
(本発明微小球のタップ密度)/(比較材(同径の中実球)のタップ密度)の比を0.90(タップ密度2.88)以下にするには、YとCの比率を90:10よりもC量を多くすればよいことが判った。
【0024】
表1の本発明試料No.3のタップ比重2.80((本微小球のタップ密度)/(同径の中実球のタップ密度)=0.88)の微小球のSEM写真を図4に示す。図に見られるように微小球は綺麗な球形をなしている。また、この微小球は50kg/cmの圧力を加えても割れることなく高い破砕強度を有することが判った。
【0025】
[第2実施形態]
図2は本発明第2実施形態の微小球の製造工程を示すフローチャートである。
【0026】
以下図2に基づいて説明する。本第2実施形態では、Y(金属酸化物)粉末と炭素生成化合物とを混合して製造する方法について試験した。
【0027】
まず0.3μm径のY(金属酸化物)の粉末をビーズミルを用いて100nm径まで粉砕した。そして、この粉砕したYの粉末にN.N−ジメチルホルムアミドに溶解したポリアクリロニトリル溶液(炭素生成化合物)を加えて混合した。Y粉末とポリアクリロニトリルの混合比率を表2に示す。
【0028】
【表2】
Figure 2004277249
【0029】
この混合物を乾燥してプレスを用いてブロックに成型した。そしてこのブロックをAr+Nガスの還元雰囲気の炉中で900℃×1Hr焼成し、混合物中のポリアクリロニトリルを炭素化した。
【0030】
この焼成体を粉砕し、20〜30μmの粒子に分級し、特開平11−269511号公報に示したプラズマ装置を使用して溶融球状化し、20〜30μmの球状粒子を得た。そして、この球状粒子をN+2%Oの酸化雰囲気の炉中で900℃×1Hr加熱した。これによって、球状粒子中のC粒子がガス化して除去され、内部に空孔を有する20〜30μmの微小球が得られた。
【0031】
表2に得られた微小球のタップ密度と(本発明微小球のタップ密度)/(比較材(同径の中実球)のタップ密度)の比の数値を示す。比較材は表1のY100%の数値と同一なので省略した。表から、(本発明微小球のタップ密度)/(比較材(同径の中実球)のタップ密度)の比を0.90(タップ密度0.88)以下にするには、Yとポリアクリロニトリルの比率を88:12よりもポリアクリロニトリルの量を多くすればよいことが判った。
【0032】
表2の本発明試料No.7のタップ密度2.87の微小球のSEM写真を図5に示す。前記図4と同様に微小球は綺麗な球形をなしている。また、この微小球は50kg/cmの圧力を加えても割れることなく高い破砕強度を有することが判った。
【0033】
本第2実施形態では炭素生成化合物としてポリアクリロニトリルを使用したがその他の炭素生成化合物、例えばピッチなどの相当炭素量を使用してもよい。
【0034】
[第3実施形態]
図3は本発明実施形態3の微小球の製造工程を示すフローチャートである。
【0035】
以下図3に基づいて説明する。本第3実施形態では市販のスプレードライヤなどで造粒したほぼ球状の空孔を有する金属酸化物粉末を使用して、強度を増加させる試験を行った。
【0036】
本実施形態では市販の金属酸化物粉末としてYの粉末を用いた。この粉末の粒度は20〜30μm径で、タップ密度は1.6g/cmであった。
【0037】
前記のYの粉末にN.N−ジメチルホルムアミドに溶解したポリアクリロニトリル溶液(炭素生成化合物)を加えて混合した。Y粉末とポリアクリロニトリルの混合比率を表3に示す。
【0038】
【表3】
Figure 2004277249
【0039】
この混合液を減圧撹拌してY粉末の空孔部にポリアクリロニトリルを浸透させた。その後乾燥し、このY粉末をAr不活性雰囲気の炉中で900℃×1Hr焼成し、ポリアクリロニトリルを炭素化した。
【0040】
この粉末を実施形態1、2と同様に特開平11−269511号公報に示したプラズマ装置を使用して不活性雰囲気中で溶融球状化し、20〜30μmの球状粒子を得た。そして、この球状粒子をN+2%Oの酸化雰囲気の炉中で900℃×1Hr加熱した。これによって、球状粒子中のC粒子がガス化して除去され、内部に空孔を有する20〜30μmの微小球が得られた。
【0041】
表3に得られた微小球のタップ密度と(本発明微小球のタップ密度)/(比較材(同径の中実球)のタップ密度)の比を示すように、タップ密度は2.76、(本発明微小球のタップ密度)/(比較材(同径の中実球)のタップ密度)の比は0.86であった。
【0042】
得られた微小球のSEM写真を図6に示すが微小球は綺麗な球形をなしている。また、破砕強度は元の市販粉末では10kg/cmであったが、本発明実施形態3の微小球は50kg/cmの力で破砕せず高い破砕強度を有することが判った。
【0043】
本第3実施形態でも炭素生成化合物としてポリアクリロニトリルを使用したがその他の炭素生成化合物、例えばピッチなどの相当炭素量を使用してもよい。
【0044】
以上述べたように、本発明の第1実施形態の金属酸化物の微小球とその製造方法は、炭素の微小粉末と金属酸化物の微小粉末との混合物を焼成して金属酸化物中に炭素粉末が分散した焼結体を作製し、この焼結体を粉砕して製品粒度に相当する所要粒度の粒子に分級する。そして、この粒子を雰囲気プラズマフレームにより溶融球状化した後、酸化雰囲気中で加熱して粒子中に分散した炭素粉末をガス化して炭素の部分が空孔化した微小球を得るものである。
【0045】
また、本発明の実施形態2の金属酸化物の微小球とその製造方法は、金属酸化物の微小粉末とポリアクリロニトリルやピッチなどの炭素生成化合物との混合物の成形体を作り、これを焼成してポリアクリロニトリルやピッチなどを炭素化して金属酸化物中に炭素が分散した焼成体を得る。そして、この焼成体を粉砕して、製品として所要の粒度に分級した粒子をプラズマフレームにより溶融球状化し、この球状化粒子を酸化雰囲気中で加熱して分散した炭素粉末をガス化して炭素の部分が空孔化した微小球を得るものである。
【0046】
上記本発明の金属酸化物の微小球は、内部に均一な空孔が分布されるのでタップ密度が小さいが、強度が高く扱いが容易である。
【0047】
また本第3発明の金属酸化物の微小球とその製造方法は、市販等の内部に空孔を有する金属酸化物の微小球の空孔部にポリアクリロニトリルやピッチなどの炭素生成化合物を浸透させ、この炭素生成化合物を炭化させて空孔部に炭素が充満した粒子を作製し、この粒子をプラズマフレームにより溶融球状化した後、酸化雰囲気中で加熱して炭素をガス化して放出することにより空孔化した微小球を得るものである。
【0048】
スプレードライアヤなどにより造粒された市販の多孔質でほぼ球状の微粉末は、市販の状態では強度が低いので簡単に崩れてしまい取り扱いが困難であるが、上記本第3発明の方法により強度の高い微小球を製造することができる。
【0049】
また本発明によるYの金属酸化物の微小球は、Al,Si,Ti,Ca,Mg,Yの1種または2種以上からなる酸化物と炭素量の比率を体積%で90:10〜70:30にすることにより、球径が5〜500μmで、(本微小球のタップ密度)/(同径の中実球のタップ密度)の比が0.9以下の該金属酸化物の微小球を得ることができる。
【0050】
このように本発明の金属酸化物の微小球は、空孔が内部に均一に分布しているため、タップ密度が小さく、かつ強度が高いので取り扱いが容易になり、医療材料である放射線治療用粉末やドラックデリバリ用粉末、電子材料のスペーサやガスクロマトグラフのカラム充填材など用途が可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の金属酸化物の微小球とその製造方法によれば、強度が高く粒度が均一でタップ密度の小さい微小球が容易に得られるので、医学、電子工学などの分野で広く応用でき、医療、電子機器の発達に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の金属酸化物の微小球の製造工程を示すフローチャート
【図2】本発明第2実施形態の金属酸化物の微小球の製造工程を示すフローチャート
【図3】本発明第3実施形態の金属酸化物の微小球の製造工程を示すフローチャート
【図4】本発明第1実施形態の金属酸化物の微小球のSEM写真
【図5】本発明第2実施形態の金属酸化物の微小球のSEM写真
【図6】本発明第3実施形態の金属酸化物の微小球のSEM写真

Claims (10)

  1. 粒度を調整した金属酸化物の微小粉末と炭素の微小粉末とを混合し、該混合物を焼結した後に粉砕して所要粒度に分級した粒子を不活性雰囲気または還元雰囲気あるいはO濃度1%以下の雰囲気中でプラズマフレームにより加熱して溶融球状化し、該球状化した粒子を酸化雰囲気中で加熱して、該粒子中の前記炭素粉末を酸化・気化して除去することにより内部に空孔を形成させたことを特徴とする金属酸化物の微小球。
  2. 粒度を調整した金属酸化物の微小粉末と炭素生成化合物とを混合し、該混合物を乾燥成型した後、該成型物を加熱焼成して前記炭素生成化合物を炭素化し、該焼成した成型物を粉砕して所要の粒度の粒子に分級し、該分級した所要粒度の粒子を不活性雰囲気または還元雰囲気あるいはO濃度1%以下の雰囲気中でプラズマフレームにより加熱して溶融球状化し、該球状化した粒子を酸化雰囲気中で加熱して、該粒子中の前記炭素化した炭素を酸化・気化して除去することにより内部に空孔を形成させたことを特徴とする金属酸化物の微小球。
  3. 内部に空孔を有する金属酸化物の所要粒度の微小粉末粒子と炭素生成化合物とを混合し、前記微小粉末粒子の空孔に炭素生成化合物を浸透させて乾燥させた後、該粒子の空孔中の炭素生成化合物を炭素化し、該粒子を不活性雰囲気または還元雰囲気あるいはO濃度1%以下の雰囲気中でプラズマフレームにより加熱して溶融球状化し、該球状化した粒子を酸化雰囲気中で加熱して、該粒子中の前記炭素化した炭素を酸化・気化して除去することにより金属酸化物の内部に空孔を形成させたことを特徴とする金属酸化物の微小球。
  4. 前記金属酸化物はAl,Si,Ti,Ca,Mg,Yの1種または2種以上からなる酸化物であり、前記球状化粒子における酸化物と炭素量の比率が体積%で90:10〜70:30であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の金属酸化物の微小球。
  5. 前記金属酸化物はAl,Si,Ti,Ca,Mg,Yの1種または2種以上からなる酸化物であり、該金属酸化物の微小球の球径が5〜500μmで、(本微小球のタップ密度)/(同径の中実球のタップ密度)の比が0.9以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の金属酸化物の微小球。
  6. 粒度を調整した金属酸化物の微小粉末と炭素の微小粉末とを混合し、該混合物を焼結した後に粉砕して所要粒度に分級した粒子を不活性雰囲気または還元雰囲気あるいはO濃度1%以下の雰囲気中でプラズマフレームにより加熱して溶融球状化し、該球状化した粒子を酸化雰囲気中で加熱して、該粒子中の前記炭素粉末を酸化・気化して除去することにより内部に空孔を形成させることを特徴とする金属酸化物の微小球。
  7. 粒度を調整した金属酸化物の微小粉末と炭素生成化合物とを混合し、該混合物を乾燥成型した後、該成型物を加熱焼成して前記炭素生成化合物を炭素化し、該焼成した成型物を粉砕して所要の粒度の粒子に分級し、該分級した所要粒度の粒子を不活性雰囲気または還元雰囲気あるいはO濃度1%以下の雰囲気中でプラズマフレームにより加熱して溶融球状化し、該球状化した粒子を酸化雰囲気中で加熱して、該粒子中の前記炭素化した炭素を酸化・気化して除去することにより内部に空孔を形成させたことを特徴とする金属酸化物の微小球の製造方法。
  8. 内部に空孔を有する金属酸化物の所要粒度の微小粉末粒子と炭素生成化合物とを混合し、前記微小粉末粒子の空孔に炭素生成化合物を浸透させて乾燥させた後、該粒子の空孔中の炭素生成化合物を炭素化し、該粒子を不活性雰囲気または還元雰囲気あるいはO濃度1%以下の雰囲気中でプラズマフレームにより加熱して溶融球状化し、該球状化した粒子を酸化雰囲気中で加熱して、該粒子中の前記炭素化した炭素を酸化・気化して除去することにより金属酸化物の内部に空孔を形成させることを特徴とする金属酸化物の微小球の製造方法。
  9. 前記金属酸化物はAl,Si,Ti,Ca,Mg,Yの1種または2種以上からなる酸化物であり、前記球状化粒子における酸化物と炭素量の比率が体積%で90:10〜70:30であることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の金属酸化物の微小球の製造方法。
  10. 前記金属酸化物はAl,Si,Ti,Ca,Mg,Yの1種または2種以上からなる酸化物であり、該金属酸化物の微小球の球径が5〜500μmで、(本微小球のタップ密度)/(同径の中実球のタップ密度)の比が0.9以下であることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の金属酸化物の微小球の製造方法。
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