JP2016141592A - 多孔質炭素系球状粒子及びその製造方法 - Google Patents

多孔質炭素系球状粒子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便なプロセスで造粒した数μmサイズの球状粒子であって、高温にて焼成することで、粒径が一定で比表面積(ポア特性含む)を容易に調整できる多孔質炭素系球状粒子及びその製造方法を提供する。【解決手段】炭素系材料と、前記炭素系材料を接合するバインダー樹脂とから少なくとも構成される平均粒径が50μm以下の球状造粒粒子を、使用バインダー樹脂の分解温度以上で熱処理することにより得られる比表面積が大きな多孔質炭素系球状粒子。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質炭素系球状粒子及びその製造方法に関する。
多孔質を有した炭素系球状粒子は、比表面積の大きさや形成されたポア(細孔)に特徴があり、導電性、耐薬品性、耐熱性と軽量化を備えることから、一般的な吸着材やリチウムイオン電池の負極材料及び、特殊サイズ排除クロマトグラフィー(GPC)分析用カラム剤等に幅広く使用され、近年普及が進んでいるスマートホンやタブレットPCに内蔵され高温環境下で使用される狭間ピッチとなるデバイス用電極間の接続材料(異方性接続粒子)としても使用が可能である(例えば、下記特許文献1参照)。
球状の多孔質炭素材料としては、有機合成した球状樹脂粒子を高温熱処理して、多孔性炭素材料を得る方法もある(例えば、下記特許文献2参照)。
特開昭62−188184号公報 特開2004−244414号公報
一般的に、特許文献1に記載されるような多孔質を有した炭素系球状粒子は、使用分野により粒子径や比表面積(ポア特性含む)が限定される。
通常の多孔質を有する炭素材料の製法としては、バインダー成分としてピッチを使用し、炭素原料と熱混合し冷却後、粉砕・成形・焼成処理・分級することで製造されるが、製造に長時間を要するばかりでなく、製造時の環境・安全面(発生ガス・粉塵等)に課題がある。また、得られる多孔性炭素材料の多孔質の度合いも不安定であり、形状に関しても球状とはかけ離れた破砕型となる。
特許文献2に記載される方法では、有機合成中に球状樹脂を得るため、溶媒中のモノマー(樹脂構成材料)成分量の制約(モノマー成分が多い場合、発現した球状樹脂同士が付着し凝集物となる)があり、製造量1バッチ当たりの生産量が制限され高コストとなる。また、樹脂分100%の粒子を焼成するため、経済性や環境面に課題を残す。更に、最終的に用途に合わせた多孔質炭素系球状粒子(比表面積やポア特性)を得るために、高精度の分級作業で粒度を揃える必要がある。
上記実情に鑑み、本発明の目的は、水分散系の微細有機粒子と水分散系の微細炭素粒子の混合物を簡便なプロセスで造粒した数μmサイズの球状粒子であって、高温にて焼成することで、粒径が一定で比表面積(ポア特性含む)を容易に調整できる多孔質炭素系球状粒子及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、炭素系材料と、炭素系材料同士を接合するバインダー樹脂とから少なくとも構成される平均粒径が50μm以下の球状造粒粒子を、使用するバインダー樹脂の分解温度以上で熱処理することにより、安定した比表面積・細孔径・細孔容量を用意に調整できる多孔質炭素系球状粒子を提供する。
本発明の多孔質炭素系球状粒子は、炭素系材料が炭素系導電材料であり、バインダー樹脂に対する炭素系材料の質量比が1/99〜30/70である、多孔質炭素系球状粒子であり得る。なお、バインダー樹脂に対する炭素系材料の質量比が1/99〜30/70であるとは、(炭素系材料の質量/バインダー樹脂の質量)の比が、1/99〜30/70であることを意味する。
このような粒子は、微細バインダー樹脂と微細炭素粉が交互に接続した数μmサイズの球状造粒粉が、簡便なプロセスで製造できるという特徴を有する。
上記にて作製した造粒球状粒子を、窒素雰囲気中にて使用バインダー樹脂の分解温度以上にて加熱処理することで、球状粒子に含有したバインダー樹脂の殆どが分解気化しこの際にポア(細孔)が形成され多孔質の炭素系球状粒子となる。
従って、使用するバインダー樹脂の性状(粒径・分解温度)及び配合量が細孔に大きく影響し、上記により細孔条件を自由に設計できる。
すなわち、本発明による多孔質炭素系球状粒子材料は、1次工程(造粒)で製造した炭素系材料とバインダー樹脂の複合粒子を、2次工程(熱処理)にて粒子に使用するバインダー樹脂を分解気化(ポア:細孔形成時)させ、有機物の存在は無くなり完全にカーボン化した比表面積の大きな安定した多孔質カーボン系球状粒子となる。
本発明の多孔質炭素系球状粒子は、このような特徴を有するもので、多孔質炭素系球状粒子が安価で製造でき、更に粒子に形成される細孔(径・容積)が安定して形成でき、また細孔条件を任意に設計できる.
本発明の多孔質炭素系球状粒子は、使用バインダー樹脂の分解温度以上にて熱処理することにより得られる粒子の比表面積が、50〜300m/gであることが好ましい。このような大きな比表面積を有すると、一般的な吸着材、リチウムイオン電池の負極材料、特殊サイズ排除クロマトグラフィー(GPC)分析用カラム剤、及び異方性接続粒子等として好適に用いることができる。
バインダー樹脂は、コスト、安全・環境面から非水溶性樹脂を含有することが好ましい。
非水溶性樹脂は安定したエマルジョン又はラテックス粒子として購入することができることから、粒子の製造が容易性である。
また、造粒時のカーボン材料同士の接続をより強固にしたい場合、バインダー樹脂は水溶性樹脂(ポリビニルアルコール等)を一定の範囲内で併用できる。
非水溶性樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が−30〜110℃の樹脂が有用である。Tgがこのような温度範囲にあることで、混合物(バインダー樹脂/炭素系材料)を作製する際の環境(暑い・寒い)に対応し易いばかりでなく、前記で造粒した粒子の最適熱処理温度を決定し易い。なお、Tgは、動的粘弾性を温度を変化させて測定したときの、Tanδのピークの温度として測定できる(動的粘弾性の測定周波数は例えば35Hzにすることができる。)。
また、使用するバインダー樹脂の粒径は50〜300nmが好ましい。
炭素系材料は、カーボンブラックであることが好ましく、水(分散剤含有)に均一に分散したカーボンブラックがより好ましい。カーボンブラックを用いることでバインダー成分と均一分散混合が可能となる。特に、ケッチェンブラックは中空構造を有し、分散剤を含有した水に分散し易く、前記バインダーの複合化に優れ、安定した造粒粉が得られる。
本発明はまた、炭素系材料とバインダー樹脂とが媒体中(水)で混合分散されており、バインダー樹脂に対する炭素系材料の質量比が1/99〜30/70である組成物(混合物)を噴霧して、媒体を揮発させると共に、バインダー樹脂で炭素系材料を接合しつつ造粒した球状粒子を窒素雰囲気中で焼成した多孔質炭素系球状粒子の製造方法を提供する。
この製造方法によれば、噴霧された材料(分散剤含有水/バインダー樹脂/炭素系材料混合物)が、造粒機(加熱容器)にて加熱され水分が除去され粒子状になった状態で、カーボン材料がバインダー樹脂で接合されることから、加熱処理時に均一な加熱が可能となり、その結果、バインダー樹脂の分解温度以上で安定した細孔を有した炭素球状系粒子を容易に製造できる。
この場合、製造される導電性粒子の平均粒径は30μm以下であることが好ましい。また、上述した理由から、バインダー材料が非水溶性樹脂を含有すること、また水溶性樹脂を更に含有することが好ましい。
炭素系導電性材料の平均粒径は10〜700nmであり、非水溶性樹脂の平均粒径は50〜700nmであると、平均粒径が50μm以下であり且つ上記特性を有する導電性粒子を容易に製造することができる。ここで、平均粒径は散乱法や電子顕微鏡画像に基づく測定、走査型プローブ顕微鏡による測定等で求めることができる。
本発明によれば、安定した比表面積及び細孔特性(径・容積)の設計が容易な多孔質炭素系球状粒子と、その製造方法を提供することが可能になる。
実施例1の焼成粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例1の焼成粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
実施形態に係る多孔質炭素系球状粒子は、炭素系材料と、炭素系材料を接合するバインダー材料とから少なくとも構成されている。
使用する炭素材料の平均粒径は、10〜700nmが好ましく、100〜600nmがより好ましい。
使用するカーボンブラックとしては、いずれの製造法のものも採用でき、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が適用可能である。カーボンブラックとしては、コスト、バインダー樹脂との造粒・複合性(粒径コントロール等)及び環境・安全性の観点から、水中に均一に分散したものを使用することが好ましい。水には分散剤が添加されていてもよい。
使用量・他材との混合性及び造粒性等を考慮すると、炭素系材料としては、比表面積が大きく中空シェル状の構造を有するケッチェンブラックが特に好ましい。ケッチェンブラックの性状としては、分散剤を含む水中に分散した、平均粒径が100〜600nmのケッチェンブラックが好ましい。このようなケッチェンブラックとしては、例えば、ライオンペーストW−310A、ライオンペーストW−311N、ライオンペーストW−356A、ライオンペーストW−376R、ライオンペーストW−370C(以上、ライオン株式会社製、商品名)が使用できる。
炭素系材料の使用量は、バインダー樹脂との質量総量に対し、30〜99質量%の範囲が好ましく、35〜95質量%の範囲がより好ましく、50〜95質量%が更に好ましく、50〜90質量%が特に好ましい。すなわち、バインダー樹脂に対する炭素系導電材料の質量比が1/99〜30/70が好ましく、5/95〜50/50がより好ましく、10/90〜50/50が更に好ましい。
炭素系材料の量が99質量%以下にすることにより、含有するバインダー樹脂が炭素系材料を接合する効果を高めることができ、複合化による造粒粒子のμmサイズの造粒が容易となる。また、炭素系材料の量が30質量%以上とすることで、焼成粉の比表面積と焼成後の粒子強度とのバランスを保つ事ができる。
造粒粒子を構成する他の必須成分であるバインダー樹脂は、炭素系材料を接合する機能を有する。
バインダー樹脂は、このような機能を有するものであればその種類は問わないが、非水溶性弾性樹脂を少なくとも含有することが好ましい。非水溶性弾性樹脂は、ラテックスの形態、すなわち水に分散されたゴム粒子の形態で提供されるものが好適である。ゴム粒子は、典型的には50〜700nm(好ましくは100〜600nm)の平均粒径を有しており、分散剤と共に水に分散されていてもよい。
ゴム粒子を構成するゴム成分としては、例えば、スチレン・ブタジエン系ゴム、ポリブタジエン系ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムが挙げられる。これらのゴム粒子は、1種類のみ又は2種類以上を混合して用いることができる。なお、ゴム成分としては、カルボキシル基等で変性されたものも採用でき、このようなゴム成分は親水性、混合性、密着性等に優れる。
ゴム粒子は、単層構造のものでも多層構造(コアシェル構造等)のものでもよい。また、中空構造のものも採用可能である。
造粒時(加熱)に得られる造粒粉同士の融着を無くし安定した粒度分布を有する造粒粉を設計する観点からは、ゴム成分のTgは、−30〜110℃であることが好ましく、0〜110℃であることがより好ましく、10〜110℃であることが特に好ましい。
多層構造のゴム粒子や、複数のゴム粒子の混合物の場合、Tgが複数生じる場合があるが、そのような場合は、いずれかのTgが上記範囲内に入っていればよい。
また未分級にて粒径分布の安定した所定の粒径の造粒粉を作製する場合には、使用するラテックスにおけるゴム粒子の初期粒径の選択も重要となる。このような観点から、ラテックスとしては、例えば、Nipol LX430(含有ゴム粒子平均粒径:150nm、Tg:12℃)、Nipol LX433C(含有ゴム粒子平均粒径:100nm、Tg:50℃)、Nipol 2507H(含有ゴム平均粒径:250nm、Tg:58℃)、Nipol LX303A(含有ゴム平均粒径:160nm、Tg:100℃)、Nipol LX416(含有ゴム平均粒径:110nm、Tg:50℃)、Nipol PHT 8052(含有ゴム平均粒径:320nm、2層構造粒子(コア部Tg:100℃、シェル部Tg:0℃)(以上、日本ゼオン株式会社製、商品名(「Nipol」は登録商標。))を用いることが好適である。なお、上記のゴムの平均粒径は、走査型プローブ顕微鏡により測定したものである。
上述のように、バインダー樹脂に対する炭素系材料の質量比は、1/99〜30/70が好ましく、5/95〜50/50がより好ましく、10/90〜50/50が更に好ましい。
バインダー樹脂の含有量を、バインダー樹脂と炭素系材料の総量の1質量%以上とすることで、炭素系材料を接合するため十分な含有量となり、バインダー樹脂同士及びバインダー樹脂と造粒粉との接触数が少なくなることが防止され、目的とする粒径(μm)の造粒粒子を得やすくなる。また、バインダー樹脂の含有量を上記総量の70質量%以下にすることで、バインダー樹脂成分が増加することが防止され、得られる焼成粒子の強度を保つことができ、造粒粒子同士の凝集が防止され、微粒子としての機能の発現が良好になる。
上述したバインダー樹脂は、非水溶性弾性樹脂の他、水溶性樹脂を更に含有していてもよい。水溶性樹脂は、多孔質炭素系球状粒子を製造するに当り、造粒助剤として機能させることができる。
すなわち、造粒粒子の球状精度を向上させたい場合、上述した高Tgゴム粒子と低Tgゴム粒子とのブレンドでは、上記特性に限界が生じる。この場合、第3成分として水に溶解が可能な水溶性樹脂を造粒助剤として配合することが可能である。これにより、熱処理後得られる多孔性粒子の球状化精度向上が可能となる。
水溶性樹脂としては、分子量によって弾性率の調整が可能なポリビニルアルコール等を用いることが好適である。
得られる造粒粒子の平均粒径は、50μm以下である。回路電極の接続材料へ適用することを考慮した場合、導電性粒子の平均粒径は1〜20μmが好ましく、2〜15μmがより好ましく、3〜10μmが更に好ましい。
上記材料の混合方法としては、一般的な回転混合羽根を有する攪拌機にて上記成分を混合する方法や、超音波にて振動させ混合する方法又は攪拌混合と超音波振動を同時に行う方法等がある。使用成分が均一に混合したかどうかの判断は、例えば、混合物の粘度の測定(数箇所採取測定)や電子顕微鏡による観察、又は加熱による水分除去にて残る固形分量(数箇所採取測定)で判断できる。
熱処理粒子となる造粒粒子の製造は、噴霧材料を乾燥し、熱的に複合、造粒させる装置で行うことが好ましい。特に、液状混合物噴霧装置、噴霧物乾燥装置及び乾燥物回収装置を有した装置を使用して行うことが、安価で安定な製造が可能であることから効果的である。
具体的には、炭素系材料とバインダー樹脂とが媒体中で混合された組成物(バインダー樹脂に対するカーボン材料の質量比が1/99〜30/70)を噴霧して、媒体を揮発させると共に、バインダー樹脂で炭素系材料を接合しつつ造粒する方法が採用できる。
炭素系材料とバインダー樹脂とが存在する媒体としては、水、アルコール(炭素数1〜3の低級アルコール等)、非アルコール系有機溶媒等が挙げられるが、炭素系導電性材料が水分散物として提供可能であり、バインダー樹脂も水に分散されたラテックスとして提供可能であることから、媒体は水であることが好ましい。
上記組成物の噴霧及び上記媒体の揮発を効率的に行うために、組成物が吐出される孔と圧搾空気が吐出される孔とを有するノズルを用い、110〜200℃に保たれた乾燥室に向けて、組成物及び圧搾空気を同時に吐出することが好適である。
なお、得られた造粒粒子に更なる耐熱性や強度を付与したい場合、得られた造粒粒子を熱処理する手段を実施してもよい。熱処理は、加熱炉を使用し炉内温度100〜150℃で1時間程度処理を行うことで実施できる。このようにすることで、残存した水分の除去や造粒時にゴムの架橋成分が未処理で残存したとしても、架橋を進めることができる。
上記で得られた造粒粒子を焼成することにより、多孔性炭素系球状粒子が製造される。焼成装置及び焼成方法に制限は無いが、窒素雰囲気にて昇温プログラムを有した焼成炉を使用することが好ましい。また、焼成温度は600℃以上が好ましい。
より均一な粒度が要求される場合、得られた焼成粒子を分級することができる。分級の方法としては、例えば、サイクロン分級等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)造粒粉(バインダー/カーボン複合粒子)材料の調整
ゴム粒子として、日本ゼオン株式会社製ラテックスゴム、商品名:Nipol LX430(スチレン・ブタジエンゴム、平均粒径:150nm、Tg:12℃、ゴム固形分:48%):100g(ゴム成分:48g)及びカーボン材料として、ライオン株式会社製水分散系ケッチェンブラック、商品名:ライオンペーストW−311N(一次粒子径:40nm、水分散粒子径:400nm以下、ケッチェンブラック含有量8.1質量%):1770g(ケッチェンブラック量143.4g)を秤量(ゴム固形分量/ケッチェンブラック量の比率が質量換算で25/75)し、更に純水200gを追加した。
得られた配合物を、攪拌羽根をセットしたモータで1時間攪拌混合し(室温:25℃)、水分散型の導電性粒子用材料を作製した。
(2)造粒粉(複合粒子)の製造
スプレードライヤー装置(大川原化工機株式会社製、商品名:NL−5)を使用し、噴霧エア圧力:0.2MPa、乾燥装置入り口温度:160℃、出口温度:70℃、材料処理量:2.3kg/hの条件にて、上記(1)で調整した水分散型の造粒粒子用材料を噴霧し、造粒粒子を得た。
(3)熱処理粉(気孔を有したカーボン粒子)の製造
焼成炉(窒素雰囲気炉、株式会社モトヤマ製)を使用し、磁器ルツボに入れた造粒粒子(1)をカーボンケースに入れ、窒素雰囲気中にて昇温速度100℃/hにて850℃まで昇温し、850℃にて2時間焼成を行い、冷却した。また、熱処理温度は日本工業規格:JIS K 6227(1998)を参照した。
(4)(3)作製粒子の外観
形状観察:走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、商品名:S−4500)を使用し、上記(3)で作製した造粒粒子の形状を観察した。図1に(3)作製粒子の観察結果を示す。
(5)(3)作製粒子の粒度分布
粒度分布:測定粒子を分散剤を含む水に分散(振動機使用)させ、レーザ型湿式粒度分布測定機(株式会社島津製作所製、商品名:SALD−3000J(「SALD」は登録商標。))を使用し測定した。
(6)(3)作製粒子の比表面積及び細孔に関する測定
比表面積及び細孔に関する測定の前処理として、真空装置(装置名:BELPREP−vacII、日本ベル株式会社製)を用い、処理温度60℃にて真空状態で1時間処理した。
上記処理粒子(0.1g)の比表面積及び細孔(平均細孔直径・全細孔容積)の測定は、窒素吸着法にて測定装置(装置名:BELSORP−miniII、日本ベル株式会社製(「BELSORP」は登録商標。))を用い、吸着温度77.0Kにて測定した。
(比較例1)
(1)造粒粉(バインダー樹脂/カーボン材料複合粒子)材料の調整
実施例1(1)と同配合・同方法にて調整した。
(2)造粒粉(複合粒子)の製造
実施例1(2)と同じ装置及び条件にて作製した。
(3)焼成粉(気孔を有したカーボン粒子)の製造
焼成なし
(4)(2)作製粒子の外観
実施例1(4)と同じ装置及び条件にて測定を行った。図2に(2)作製粒子の観察結果を示す。
(5)(2)作製粒子の粒度分布
実施例1(5)と同じ装置及び条件にて測定を行った。
(6)(2)作製粒子の比表面積及び細孔に関する測定
実施例1(6)と同じ装置及び条件にて測定を行った。
表1に実施例1及び比較例1の評価結果を示す。
Figure 2016141592
表1の評価結果より、
(1)実施例1(熱処理粒子)及び比較例1(未処理粒子)の形状観察から、粒子形状は全て球状であり、熱処理による形状の変化は確認できなかった。
(2)粒度分布の評価結果より、各粒子の平均粒は約7μmであり、また粒子径範囲も同等であることから、熱処理(実施例1)による粒度分布の変化は確認できなかった。
(3−1)比表面積及び細孔の評価結果より、比表面積は焼成粒子(実施例1)は、未焼成粒子(比較例1)に比べ、約8倍大きくなった。
(3−2)平均細孔直径及び全細孔容積も、熱処理粒子(実施例1)は、未処理粒子(比較例1)に比べ大きくなった。
上記結果から、本発明によれば、粒径が一定で比表面積(ポア特性含む)を容易に調整できる多孔質炭素系球状粒子及びその製造方法を提供することができることが確認された。

Claims (10)

  1. 炭素系材料と、前記炭素系材料を接合するバインダー樹脂とから少なくとも構成される平均粒径が50μm以下の球状造粒粒子を、使用バインダー樹脂の分解温度以上で熱処理することにより得られる多孔質炭素系球状粒子。
  2. 前記炭素系材料が炭素系導電材料であり、平均粒径が50μm以下の導電性粒子であって、前記バインダー樹脂に対する前記炭素系導電材料の質量比が1/99〜30/70である請求項1に記載の多孔質炭素系球状粒子。
  3. 前記バインダー樹脂は非水溶性樹脂を含有する、請求項1又は2に記載の多孔質炭素系球状粒子。
  4. 前記バインダー樹脂は水溶性樹脂を更に含有する請求項3に記載の多孔質炭素系球状粒子。
  5. 前記非水溶性弾性樹脂のガラス転移温度(Tg)は−30〜110℃である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔質炭素系球状粒子。
  6. 前記炭素系材料はカーボンブラックである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔質炭素系球状粒子。
  7. 前記炭素系材料はケッチェンブラックである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔質炭素系球状粒子。
  8. 前記球状粒子を窒素雰囲気中で、使用バインダー樹脂の分解温度以上で熱処理して得られる請求項1〜7のいずれか一項に記載の多孔質炭素系球状粒子。
  9. 前記熱処理により得られる粒子の比表面積が、50〜300m/gである請求項1〜8のいずれか一項に記載の多孔質炭素系球状粒子。
  10. 炭素系導電性材料とバインダー樹脂とが媒体中で混合されており、前記バインダー樹脂に対する前記炭素系導電材料の質量比が1/99〜30/70である組成物を噴霧して、前記媒体を揮発させると共に、前記バインダー樹脂で前記炭素系導電性材料を接合しつつ造粒する、多孔質炭素系球状粒子の製造方法。
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