JP4209982B2 - レース単板材を利用した板材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レース単板材を利用し、品質の安定した、長尺ならびに幅の制限のない板材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の板材として、突板材を利用した製品が知られている。この板材は、基材の表面に薄い突板材を貼り付けて製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の板材は、薄い突板材を使用しているため、表面に溝加工を施した場合、基材が見えて極めて不体裁になるという欠点がある。
【0004】
また、突板材の平面的な大きさに制限があるため、長尺ならびに幅広製品を得ることができないという問題がある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、厚剥きのレース単板材を利用し、表面に溝加工を施しても基材が見えるようなことがなく、しかも、品質が安定し、長尺ならびに幅広製品を得ることができるレース単板材を利用した板材の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、基材の表面にレース単板材を貼り付けて積層板を作る積層工程と、前記積層板を小割りして積層板ピースを切り出す切断工程と、前記積層板ピースにジョイント部を加工するジョイント加工工程と、前記ジョイント部を加工した積層板ピースをジョイント部の部分で接続してたて継ぎ板を形成する工程と、前記たて継ぎ板を用いて板材を形成する幅はぎ工程とを経る構成を採用したものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、積層板を作る積層工程において、基材の表面に張り付けるレース単板材に厚剥きレース単板材を用いる構成を採用したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0009】
図1は、この発明の製造方法の工程を示し、基材の表面にレース単板材を貼り付けて積層板を作る積層工程Aと、前記積層板を縦長に切断する小割り工程Bと、小割りした積層板から複数の積層板ピースを切り出す切断工程Cと、前記積層板ピースの端部にジョイント部を加工するジョイント加工工程Dと、前記ジョイント部を加工した積層板ピースをジョイント部の部分で接続してたて継ぎ板を形成する接続工程Eと、前記たて継ぎ板を用いて板材を形成する幅はぎ工程Fとを経て実施される。
【0010】
図2と図3は、積層工程Aを示し、基材1の表面に複数枚のレース単板材2を並べた状態で貼り付けて積層板3を形成する。上記基材1は、必要な大きさの合板、LVL、MDF、単板等を用いると共に、レース単板材2は、原木からかつら剥き状に切り出したものであり、例えば厚みが3mm以上の厚剥きのレース単板材を使用する。
【0011】
図示の場合、平面的に大きな長方形の基材1の表面に接着剤を塗布し、この基材1の表面に一定幅のレース単板材2を基材1の長さ方向に並べて重ね、加圧接着することにより積層板3を形成している。
【0012】
また、後述する積層板ピースを切り出す切断工程に対応するため、各レース単板材2の隣接端部間に鋸の厚みに対応する隙間を設けて貼り合わせ、切断工程のときこの隙間の部分に沿って切断をする例を示したが、各レース単板材2を密接して貼り合わせてもよい。
【0013】
図4(A)は、小割り工程Bを示し、積層板3を所定の幅で長さ方向に沿って切断し、長い帯板状の小割り積層板4を切り出す。従って、積層板3から多数本の小割り積層板4が形成されることになる。
【0014】
図4(B)は、小割り積層板4から複数の積層板ピース5を切り出す切断工程Cを示し、小割り積層板4を各レース単板材2の隣接端部間の隙間の部分で切断することにより、積層板ピース5を切り出す。
【0015】
図5は、ジョイント加工工程Dを示し、積層板ピース5の端部にフインガージョイントの如きジョイント部6を加工し、図6のように、次の接続工程Eでジョイント部6を接続してたて継ぎ板7を形成する。このように、積層板ピース5をジョイント部6の部分で順次接続してたて継ぎ板7を形成すると、接続する積層板ピース5を増やすことにより、長いたて継ぎ板7を簡単に得ることができるという利点がある。
【0016】
なお、ジョイント部6は、フインガージョイント以外の構造でもよく、たて継ぎ板7を形成するとき、中間の積層板ピース5は両端にジョイント部6を加工し、両端の積層板ピース5は一方の端部にジョイント6部を加工しておく。
【0017】
図7は、幅はぎ工程Fを示し、多数のたて継ぎ板7を平面的に並列状に並べ、側面に接着剤を塗布した状態で並列方向に加圧して各たて継ぎ板7を接着することにより、平面的にフラットな板材8を形成する。
【0018】
なお、図7では平はぎの例を示したが、たて継ぎ板7の側面に本ざねはぎや相じゃくりはぎ等の加工を施して接合してもよい。
【0019】
上記たて継ぎ板7の長さの選択と、たて継ぎ板7の並列接続数の選択とにより、長尺ならびに幅広の板材8を得ることができる。
【0020】
このようにして得られた板材8は、基材1の表面をレース単板材2で仕上げた製品となり、たて継ぎ板7の並列接続時に隣接するたて継ぎ板7のジョイント部6での接続部分の位置を変えることにより、レース単板材2の木目を生かした意匠性に優れた製品を得ることができる。
【0021】
この板材8は、例えば、建築物の壁材、床材等の内装材として使用し、レース単板材2が厚剥きの単板であるので、見た目に高級感があり、基材1の上に積層することにより、厚みが十分に確保でき、表面から見た状態では厚みのある単材からの製品に見え、商品的な価値の大きなものになると共に、表面に溝加工しても基材が見えるようなことがない。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、基材の表面にレース単板材を貼り付けて積層板を作り、この積層板を小割りして積層板ピースを切り出し、前記積層板ピースにジョイント部を加工し、ジョイント部を加工した積層板ピースをジョイント部の部分で接続してたて継ぎ板を形成した後、該たて継ぎ板を用いて板材を形成成するようにしたので、表面にレース単板材を貼り付けることにより品質が安定し、かつ、たて継ぎ板の長さの選択と、たて継ぎ板の並列接続数の選択とにより、長尺ならびに幅広の板材を得ることができる。
【0023】
また、厚剥きのレース単板材を使用することにより、表面に溝加工を施しても基材が見えるようなことのない板材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】板材の製造方法を示す工程図
【図2】板材の積層工程を示す分解斜視図
【図3】積層工程で形成した積層板の斜視図
【図4】 (A)は小割り工程により形成した小割り積層板の斜視図、(B)は切断工程で切り出した積層板ピースの斜視図
【図5】(A)はジョイント加工工程を示す積層板ピースの分解斜視図、(B)は積層板ピースに施したジョイント部を示す分解斜視図
【図6】(A)は接続工程でジョイント部を接続したたて継ぎ板の斜視図、(B)はジョイント部での接続部分を示す分解斜視図
【図7】幅はぎ工程で形成した板材の斜視図
【符号の説明】
1 基材
2 レース単板材
3 積層板
4 小割り積層板
5 積層板ピース
6 ジョイント部
7 たて継ぎ板
8 板材
Claims (2)
- 基材の表面にレース単板材を貼り付けて積層板を作る積層工程と、前記積層板を小割りして積層板ピースを切り出す切断工程と、前記積層板ピースにジョイント部を加工するジョイント加工工程と、前記ジョイント部を加工した積層板ピースをジョイント部の部分で接続してたて継ぎ板を形成する工程と、前記たて継ぎ板を用いて板材を形成する幅はぎ工程とを経ることを特徴とするレース単板材を利用した板材の製造方法。
- 積層板を作る積層工程において、基材の表面に張り付けるレース単板材に厚剥きレース単板材を用いる請求項1に記載のレース単板材を利用した板材の製造方法。
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JP00763099A JP4209982B2 (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | レース単板材を利用した板材の製造方法 |
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JP4209982B2 true JP4209982B2 (ja) | 2009-01-14 |
Family
ID=11671163
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1999
- 1999-01-14 JP JP00763099A patent/JP4209982B2/ja not_active Expired - Lifetime
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