JP4209021B2 - ビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

ビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤ、なかでも、偏平率が70%以下のラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の空気入りタイヤとしては、出願人が先に、特開平3−186409号、特開平4−362406号、特開平6−32122号等として提案したものがある。
これらのタイヤはいずれも、カーカス端部分の巻上げ端と、タイヤ最大幅位置との間で、タイヤ外表面に凹部を設けたものであり、それらによれば、タイヤの負荷転動に際するサイドウォール部の撓み変形に伴う内部応力の発生に起因して、カーカスの巻上げ端に生じることとなる圧縮歪を、上記凹部による内部応力の遮断によって低減させることで、そのカーカス巻上げ端へのセパレーションの発生を防止することができ、結果として、ビード部の耐久性を向上させることが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、かかる従来技術にあっては、凹部の曲率半径が小さいことに加えて、ビード部の耐久性が向上したことにより、タイヤの負荷転動に際する、その凹部への大きな圧縮歪の繰り返しの発生によって、とくには凹部底に、表面ゴムがオゾン劣化されることに起因して、オゾンクラックと称されるしわ状のひび割れが多数発生するという問題があった。
【0004】
またこの一方で、近年のタイヤの偏平化傾向に伴って、カーカス巻上げ端のセパレーションの発生原因も、それに生じる圧縮歪よりもむしろ周方向剪断歪が大きなウエイトを占めるに至っており、このような周方向剪断歪に対しては従来の凹部は余り有効ではなく、このことは偏平度が大きくなるほど重大であった。
【0005】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、凹部底へのオゾンクラックの発生を有効に防止するとともに、タイヤの偏平度の増加に伴う周方向剪断歪の増加に対しても十分に対処してカーカス巻上げ端へのセパレーションの発生を効果的に防止できるビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の、ビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤは、ビードコアの周りで内側から外側へ巻上げた端部分を有するカーカスと、カーカスのクラウン部外周側に配設したベルトと、サイドウォール部からビード部にわたってカーカスの外周面側を被覆するゴム層とを具える偏平率が70%以下のタイヤであり、標準リムにリム組みし、最高空気圧を充填したタイヤ姿勢において、タイヤ半径方向で、カーカス端部分の巻上げ端と、カーカスの最大幅位置との間に、タイヤ外表面が幅方向の内側に窪むたとえば環状の凹条を有しており、また、前記巻上げ端のタイヤ半径方向位置から、その巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離の範囲内での、カーカス端部分の仮想延長線分上での被覆ゴム層の厚みが、上記被覆ゴム層の厚みの0.7〜1.3倍のものである。
【0007】
ここで、最高空気圧とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、標準リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、“Approved Rim" 、“Recommended Rim") のことである。
そして、規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では“The Tire and Rim Association Inc. の Year Book" で、欧州では“The European Tire and Rim Technical Organizationの Standards Manual"で、そして日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA Year Book"で規定されている。
【0008】
このタイヤでは、タイヤの負荷転動時のサイドウォール部の撓み変形によって発生する内部応力の、カーカスの巻上げ端への伝達を、凹条部分の十分なる変形をもって阻止することで、カーカスの巻上げ端への圧縮歪の発生を有効に抑制して、その巻上げ端のセパレーションを有利に防止することができる。
【0009】
またここでは、とくに大きな周方向剪断歪が発生する、トレッド踏込部および蹴出部での屈曲変形を解析し、踏込および蹴出部の付近の、荷重から開放されることによる、幅撓み差によって生じるボディープライを軸としたねじれ変形がサイドウォール部からカーカス巻上げ端の付近にわたって生じていることに着目し、その巻上げ端付近より半径方向外方でゴムボリームを積極的に低減させてねじれ剛性の低下をもたらし、そこにねじれ変形を集中させることによって、カーカスの巻上げ端近傍でのねじれ変形を緩和することができ、ビード部の耐久性を有利に向上させることができる。
すなわち、従来技術では、局部的な凹部のみをもって、カーカス巻上げ端への圧縮歪の伝達を防止しているのに対し、このタイヤでは、とくに、ビード部からサイドウォール部にわたる被覆ゴム層の厚みを広い範囲で規定することで、ねじれ変形の分布を有効にコントロールすることができる。
【0010】
しかもここでは、凹条の曲率半径を十分大きく設定することで、それが小さな場合には、タイヤの負荷転動時の圧縮歪の集中に起因して発生することとなるオゾンクラックを効果的に防止することができる。
【0011】
ところでこの発明では、特定の半径方向領域内での、カーカス端部分の仮想延長線分上での被覆ゴム層の厚みを、カーカスの巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みの0.7〜1.3倍とすることで、カーカスの巻上げ端近傍部分の剛性を適正に高めて、半径方向歪および周方向歪のいずれに対しても、その巻上げ端のセパレーションをより有効に防止することができる。
【0012】
すなわち、それが0.7倍未満では、十分な剛性を確保することが難しく、一方、1.3倍を越えると、ビード部の発熱量が多くなって、ビード部が熱老化し易く、カーカスの巻上げ端での耐久性が低下する。
【0013】
またここで、上記の半径方向領域を、カーカスの巻上げ端のタイヤ半径方向位置から、その巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離の範囲とすることで、剛性を適正に高めることができる。いいかえれば、その範囲が狭いと、十分な剛性を確保することができない。
【0014】
このようなタイヤにおいてより好ましくは、前記巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、その巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離および、カーカス本体部分から、前記巻上げ端を経て測った被覆ゴム層の厚みの1.5倍に相当する半径方向距離のそれぞれを加えた位置と、カーカス最大幅位置との間での被覆ゴム層の厚みを、カーカス最大幅位置の被覆ゴム層の厚みの0.7〜1.3倍とする。
【0015】
これによれば、サイドウォール部の剛性を積極的に低下させて、タイヤの負荷転動時の撓み変形および周方向剪断変形のそれぞれを十分大ならしめることで、高い剛性を有するカーカスの巻上げ端近傍への変形の発生を一層有利に防止することができる。
【0016】
ここで数値範囲を0.7〜1.3倍とするのは、それが0.7倍未満では、ゴム厚みが薄くなりすぎて、耐サイドカット性、耐候性等が低下し、1.3倍を越えると、ビード部のねじれ変形に対する緩和効果が低下することになる。
【0017】
そして好ましくは、前記巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、その巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離を加えた位置から、カーカス本体部分から前記巻上げ端を経て測った被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離の範囲内での被覆ゴム層の厚みを、カーカス最大幅位置の被覆ゴム層の厚みの0.7倍を越えて4.0倍未満とし、かつ、前記巻上げ端からカーカス本体部分と平行に引いた線分を、上記範囲内の一個所でタイヤ外表面に交差させる。
【0018】
このような構成とした場合には、ねじれ剛性段差を急激すぎず、緩すぎない様に適正化して、表面クラックを防ぎつつ、ねじれ剛性分布を適正にコントロールすることができる。
またここで、その被覆ゴム層の厚みを、0.7倍以下としたときは、ゴム厚みが薄くなりすぎて耐サイドカット性、耐候性等が悪化し、4.0倍以上としたときは、被覆ゴム層厚みが急激に変化しすぎて、表面に歪が集中して亀裂が発生し易い。
【0019】
そしてまた、巻上げ端からカーカス本体部分と平行に引いた線分を、前記範囲内の一個所でタイヤ外表面に交差させることにより、ねじれ変形の、カーカス巻上げ端近傍への伝達を有効に防止する。すなわち、上記線分がタイヤ外表面に交差しない場合には、カーカスの巻上げ端近傍にねじれ変形を伝達する被覆ゴム層が存在することになって、ビード部の耐久性を向上させることができず、また、二個所以上で交差する場合は、ねじれ変形の吸収個所が分散することになり、ねじれ変形を一個所で局所的に大きく緩和できなくなる上に、分散された吸収箇所以外はねじれ変形を折り返し端へ伝えることになって、カーカス巻上げ端でのねじれ抑制効果が低下する。
【0020】
また好ましくは、前記凹条の最深部を、前記巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、その巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みの2倍に相当する半径方向距離を加えた位置より外方で、そのタイヤ半径方向距離に、上記被覆ゴム層の厚みの4倍に相当する半径方向距離を加えた位置より内方に位置させる。
【0021】
凹条の最深部を、被覆ゴム層の厚みの2倍に相当する距離より、タイヤ半径方向内側に位置させると、被覆ゴム層の厚みの急激な変化によって、そこに大きな変形が集中し、亀裂が発生し易くなる。この一方で、4倍に相当する距離より外側に位置させると、タイヤの転動時の屈曲歪が凹条部分で最大となって、それの最深部に亀裂が発生し易くなる。
【0022】
さらに好ましくは、前記巻上げ端からカーカス本体部分と平行に引いた線分の、タイヤ外表面との交点を、その巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離を加えた位置より外方で、そのタイヤ半径方向距離に、上記被覆ゴム層の厚みの6倍に相当する半径方向距離を加えた位置より内方に位置させる。
【0023】
巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、その位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離を加えた位置より半径方向内方に前記交点を位置させた場合は、被覆ゴム層の厚みの急激な変位の故に、ねじれ変形が集中して亀裂が発生し易くなり、またその交点を、前記タイヤ半径方向距離に、被覆ゴム層の厚みの6倍に相当する半径方向距離を加えた位置より外方に位置させた場合は、ねじれ変形の緩和効果が小さくなる。
【0024】
また好ましくは、凹条の曲率半径を、ベルト端を通ってタイヤ軸線に直交する平面と、カーカス本体部分の厚み中心線との二つの交点を通るとともに、カーカス最大幅位置での前記中心線を通る円弧の曲率半径の0.5〜2.0倍とする。
【0025】
通常は、カーカスの巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、その巻上げ端での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離を加えた位置から、カーカス本体部分よりカーカス巻上げ端を経て測った被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離の範囲内に大部分が存在する凹条の曲率半径を、上述のような比較的大きな値とすることで、その凹条の圧縮変形に際するそこへの歪の集中に起因するオゾンクラックの発生を十分に防止し、併せて、急激な剛性段差を要因とする周方向歪による表面亀裂の発生をも防止する。
【0026】
ここで、凹条の曲率半径を0.5倍未満とした場合には、歪の集中が不可避となる他、耐候性の低下が否めず、一方、2.0倍を越える値とした場合には、ねじれ変形の緩和機能が不足するおそれがある。
【0027】
さらに好ましくは、ビードコアの周りで、カーカスに外接させて配設されるワイヤチェーファの、カーカス本体部分に沿って位置する部分の半径方向外端を、カーカス巻上げ端の半径方向位置より外方で、前記巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、その巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離および、カーカス本体部分から、前記巻上げ端を経て測った被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離のそれぞれを加えたタイヤ半径方向位置より内方に位置させる。
【0028】
これによれば、ワイヤチェーファをもって、カーカス巻上げ端の近傍部分の剛性を高めて、そこへの歪の発生を抑制する一方で、それより外方の剛性増加を防止して、各方向への歪を許容することで、巻上げ端のセパレーションを一層有利に防止することができる。
ワイヤチェーファの半径方向外端を、上記限界位置より半径方向外方に位置させると、ねじれ変形緩和領域の剛性が大きくなって、十分なる変形緩和を実現し得ないおそれが高く、加えて、ワイヤチェーファの外端部に、剛性段差に起因するセパレーションが発生し易い。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態をタイヤの半部について示す幅方向断面図であり、図2はそれの要部拡大図である。
【0030】
このタイヤでは一対のビードコア1の周りで内側から外側へ巻上げた端部分を有する、一プライ以上のカーカスプライからなるトロイド状のカーカス2のクラウン部の外周側にベルト3およびトレッド4を順次に配設し、このトレッド4の各端部を、サイドウォール部5を介して、ビードコア1を埋設したビード部6に連続させる。
これにより、このタイヤは、サイドウォール部5からビード部6にわたってカーカス2の外周面側を被覆するゴム層7を有する。
【0031】
ここでは、タイヤの断面幅に対する断面高さの比率として表されるタイヤ偏平率を70%以下とし、標準リムRIにリム組みして、最高空気圧を充填したタイヤ姿勢の下で、タイヤの半径方向で、カーカス端部分2aの巻上げ端2bのタイヤ半径方向位置と、カーカス2が最大幅となるタイヤ半径方向位置との間に、タイヤ外表面が幅方向内側に窪み、周方向に環状に連続する凹条8を設ける。
【0032】
この凹条8は、通常は、カーカス巻上げ端2bのタイヤ半径方向距離Hoに、その巻上げ端位置での被覆ゴム層7の厚みG0 に相当する半径方向距離B(B=G0 )を加えた位置から、カーカス本体部分2cからカーカス巻上げ端2bを経て測ったゴム層7の厚みDに相当する半径方向距離T(T=D)の範囲内にその大部分を形成される。
【0033】
そして好ましくは、かかる凹条8の曲率半径Rを、前記タイヤ姿勢において、ベルト端を通って、図示しないタイヤ軸線と直交する平面Vと、カーカス本体部分2cの厚み中心線との二つの交点9,10を通るとともに、その中心線の、カーカス2の最大幅位置の点11を通る円弧の曲率半径Roの0.5〜2.0倍とする。
【0034】
またこのタイヤでは、カーカス巻上げ端位置でのゴム層7の厚みG0 に相当する前記半径方向距離Bの範囲内での、カーカス端部分2aの仮想延長線分上での被覆ゴム層7の厚みGを、上記厚みG0 の0.7〜1.3倍の範囲とする。
【0035】
さらにここでは、カーカス巻上げ端2bのタイヤ半径方向距離Hoに、先に述べたそれぞれの半径方向距離Bと、半径方向距離Tの1.5倍とを加えたタイヤ半径方向位置12と、カーカス最大幅位置13との間での被覆ゴム層7の厚みSを、カーカス最大幅位置13でのゴム層7の厚みS0 の0.7〜1.3倍の範囲とする。
【0036】
加えて、図に示すところでは、ビードコア1の周りに配設されて、カーカス2に外接するワイヤチェーファ14の、カーカス本体部分2cに沿って位置する部分の半径方向外端14aを、カーカス巻上げ端2bのタイヤ半径方向位置より外方で、その巻上げ端2bのタイヤ半径方向距離Hoに、巻上げ端位置でのゴム層厚みおよび、カーカス本体部分から巻上げ端2bを経て測ったゴム層厚みのそれぞれに相当するそれぞれの半径方向距離BおよびTを加えた半径方向位置15よりタイヤ半径方向内方に位置させる。
【0037】
このように構成してなる空気入りタイヤでは、タイヤの負荷転動時のサイドウォール部5の撓み変形によって発生する内部応力の、カーカス2の巻上げ端2bへの伝達を、その近傍部分の剛性の増加とも相俟って、凹条部分の十分な変形の下に有効に阻止して、その巻上げ端2bのセパレーションを有利に防止することができる。
【0038】
そしてこのことは、タイヤの周方向剪断歪に対してもほぼ同様であり、剛性の比較的低い、凹条部分からカーカス最大幅位置13に至る範囲で比較的大きく変形させる一方で、カーカス巻上げ端近傍部分の剛性を十分に高めることで、その近傍部分の変形を抑制して巻上げ端2bのセパレーションを防止することができる。
【0039】
しかもここでは、凹条8の曲率半径を大きくして、その凹条部分の圧縮変形に際する、そこへの歪の集中を防止することで、オゾンクラックの発生を防止することもできる。
【0040】
かかるタイヤにおいて好ましくは、タイヤ半径方向距離Hoに、半径方向距離Bを加えた半径方向位置から、半径方向距離Tの範囲内でのゴム層7の厚みを、カーカス最大幅位置13でのゴム層7の厚みSoの0.7倍を越えて4.0倍未満、好適には3.5倍未満とし、併せて図3に示すように、巻上げ端2bから、カーカス本体部分2cと平行に引いた線分Lを、上記半径方向距離Tの範囲内の一個所でタイヤ外表面に交差させる。
【0041】
また好ましくは、凹条8の最深部、すなわち底部Eを、図3に示すところから明らかなように、タイヤ半径方向距離Hoに、半径方向距離Bの2倍を加えた位置より外方で、4倍を加えた位置より内方に位置させる。
さらに好ましくは、巻上げ端2bから引いた前記線分Lのタイヤ外表面との交点Cを、タイヤ半径方向距離Hoに、半径方向距離Bを加えた位置より外方で、半径方向距離Bの6倍を加えた位置より内方に位置させる。
このような構成によれば、先に述べた通りのそれぞれの作用効果をもたらすことができる。
【0042】
【実施例】
以上に述べた構成を有し、下記の表1〜3に示す寸法諸元を有する実施例タイヤにつき、オゾン雰囲気中で下記の試験を行ったところ、表1〜3に指数をもって示す通りとなった。
ここで、表中の指数値は大きいほどすぐれた結果を示すものとする。
ところで、表1中の従来例タイヤは、凹条を有しないものであり、表3中の比較例タイヤは、凹条は有するも、数値範囲でこの発明に係る被覆ゴムの厚みから外れるものである。
【0043】
なお、試験に供したタイヤのサイズは285/60 R22.5であり、用いたリムは9.00×22.5、充填空気圧は9kgf/cm2 であり、試験速度は60km/h、荷重は5000kgf/本とし、カーカス巻上げ端の耐久試験は、50℃の温度下で、故障を生じるまでの走行距離を測定することにより行い、また、表面亀裂(オゾンクラック)試験は、オゾン濃度50pphmの室温下に240時間放置後の視認可能な亀裂数を数えて、その逆数を指数化することにより行った。
【0044】
【表1】
Figure 0004209021
【0045】
【表2】
Figure 0004209021
【0046】
【表3】
Figure 0004209021
【0047】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、タイヤの負荷転動に際するサイドウォール部の撓み変形に起因する、カーカス巻上げ端のセパレーションを防止し得ることはもちろん、高い偏平度のタイヤの、周方向剪断歪に起因する巻上げ端セパレーションをも十分に防止することができ、凹条底へのオゾンクラックの発生をもまた有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態をタイヤの半部について示す幅方向断面図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 図2と同様の図である。
【符号の説明】
1 ビードコア
2 カーカス
2a カーカス端部分
2b 巻上げ端
2c カーカス本体部分
3 ベルト
4 トレッド
5 サイドウォール部
6 ビード部
7 ゴム層
8 凹条
9,10 交点
11 点
12 タイヤ半径方向位置
13 カーカス最大幅位置
14 ワイヤチェーファ
14a 半径方向外端
15 半径方向位置
D,G0 ,G,S0 ,S 厚み
Ho タイヤ半径方向距離
B,T 半径方向距離
V 平面
Ro,R 曲率半径
RI 標準リム
C 交点
E 底部

Claims (7)

  1. ビードコアの周りで内側から外側へ巻上げた端部分を有するカーカスと、カーカスのクラウン部外周側に配設したベルトと、サイドウォール部からビード部にわたってカーカスの外周面側を被覆するゴム層とを具える偏平率が70%以下のタイヤであり、
    標準リムにリム組みし、最高空気圧を充填したタイヤ姿勢において、タイヤ半径方向で、カーカス端部分の巻上げ端と、カーカスの最大幅位置との間に、タイヤ外表面が幅方向の内側に窪む凹条を有するとともに、前記巻上げ端のタイヤ半径方向位置から、その巻き上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離の範囲内での、カーカス端部分の仮想延長線分上での被覆ゴム層の厚みが、上記被覆ゴム層の厚みの0.7〜1.3倍であるビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、その巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離および、カーカス本体部分から、前記巻上げ端を経て測った被覆ゴム層の厚みの1.5倍に相当する半径方向距離のそれぞれを加えた位置と、カーカス最大幅位置との間での被覆ゴム層の厚みが、カーカス最大幅位置の被覆ゴム層の厚みの0.7〜1.3倍である請求項1に記載のビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、その巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離を加えた位置から、カーカス本体部分から前記巻上げ端を経て測った被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離の範囲内での被覆ゴム層の厚みが、カーカス最大幅位置での被覆ゴム層の厚みの0.7倍を越えて4.0倍未満であり、かつ、前記巻上げ端からカーカス本体部分と平行に引いた線分が、上記範囲内の一個所でタイヤ外表面に交差する請求項1もしくは2に記載のビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 前記凹条の最深部が、前記巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、その巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みの2倍に相当する半径方向距離を加えた位置より外方で、そのタイヤ半径方向距離に、上記被覆ゴム層の厚みの4倍に相当する半径方向距離を加えた位置より内方に存在する請求項1〜3のいずれかに記載のビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤ。
  5. 前記巻上げ端からカーカス本体部分と平行に引いた線分の、タイヤ外表面との交点が、その巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離を加えた位置より外方で、そのタイヤ半径方向距離に、上記被覆ゴム層の厚みの6倍に相当する半径方向距離を加えた位置より内方に存在する請求項3に記載のビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤ。
  6. 前記凹条の曲率半径が、ベルト端を通ってタイヤ軸線に直交する平面と、カーカス本体部分の厚み中心線との二つの交点を通るとともに、カーカス最大幅位置での前記中心線を通る円弧の曲率半径の0.5〜2.0倍である請求項1〜5のいずれかに記載のビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤ。
  7. ビードコアの周りに配設されて、カーカスに外接するワイヤチェーファの、カーカス本体部分に沿って位置する部分の半径方向外端が、前記巻上げ端のタイヤ半径方向位置より外方で、前記巻上げ端のタイヤ半径方向距離に、その巻上げ端位置での被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離および、カーカス本体部分から、前記巻上げ端を経て測った被覆ゴム層の厚みに相当する半径方向距離のそれぞれを加えた位置より内方に存在する請求項1〜6のいずれかに記載のビード部耐久性にすぐれる重荷重用空気入りタイヤ。
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