JP4207670B2 - 等速ジョイント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のドライブシャフトなどに用いられる等速ジョイントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の等速ジョイントとしては、例えば図15に模式的に示されるようなバーフィールド型等速ジョイント90が採用されている。こうしたバーフィールド型等速ジョイント90は、一対のシャフト91,92を互いに傾斜可能且つ一体回転可能に連結するものである。そして、これら等速ジョイント90及びシャフト91,92等によってドライブシャフトが構成される。
【0003】
バーフィールド型等速ジョイント90は、一方のシャフト91の端部に設けられたアウタレース93と、他方のシャフト92の端部に設けられてアウタレース93の内側に挿入されるインナレース94と、アウタレース93の内面とインナレース94の外面との間に設けられた複数のボール95とを備えている。
【0004】
これらのボール95は、シャフト91,92の周方向に連なるように設けられ、保持器96によって位置決めされている。従って、シャフト91,92が例えば図16に示されるように互いに傾くと、アウタレース93及びインナレース94が各ボール95に対して相対移動するとともに、各ボール95はアウタレース93の内面とインナレース94の外面との間で転がるようになる。
【0005】
また、シャフト91,92が一体回転するときの両者の間での回転伝達は、アウタレース93、インナレース94、及びボール95を通じて行われることとなる。
【0006】
ところで、インナレース94が設けられたシャフト92は、アウタレース93の開口部93aから突出した状態となっていることから、シャフト91とシャフト92との最大傾斜角度はアウタレース93の開口部93aの大きさによって制約される。即ち、上記シャフト92がシャフト91に対して傾いてアウタレース93の開口部93aに接触したとき、上記最大傾斜角度が得られるようになるのである。
【0007】
従って、シャフト91とシャフト92との最大傾斜角度を大きくとるためには、アウタレース93の開口部93aを大きくすることが有効である。しかし、開口部93aを過度に大きくすると、シャフト91とシャフト92との傾斜角度が例えば図16に示されるように最大傾斜角度付近の値になったとき、各ボール95のいくつかが開口部93aからアウタレース93の外に外れてしまうおそれがある。このため、アウタレース93の開口部93aを大きくしたとしても、それによる上記最大傾斜角度の拡大には限界がある。
【0008】
一方、産業用ロボット等の分野においては、一対のシャフトを互いに傾斜可能且つ一体回転可能に連結するものとして、図17に示されるようなクレメン継手101が知られている。このクレメン継手101は、一対のシャフト97,98の対向する端部に連結される二組のリンク97a,98aを備えている。これらリンク97a,98aの一端部は、シャフト97,98の中心軸線上で同軸線と直交する方向に延びるピン99を中心に回転可能に連結されている。また、リンク97a,98aの他端部は、一方のリンク97a,98aに設けられたボール100を中心として揺動可能に互いに連結されている。
【0009】
従って、一対のシャフト97,98の互いの傾斜は、リンク97a,98aのピン99を中心とした回転、及びボール100を中心とした揺動によって許容されることとなる。また、シャフト97,98が一体回転するときの両者の間での回転伝達は、リンク97a,98a、ピン99、及びボール100等を通じて行われる。
【0010】
こうしたクレメン継手101の構造を上記ドライブシャフトの等速ジョイントに適用した場合、バーフィールド型等速ジョイント90のように構造上の問題によるシャフトの傾斜角度の制限を受けないため、最大傾斜角度を拡大するという面ではバーフィールド型等速ジョイント90よりも有利になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クレメン継手101の構造では、一対のシャフト97,98の間で回転を伝達する際にリンク97a,98a及びボール100等に大きな力が働くため、自動車のドライブシャフトに用いられる等速ジョイントとしてクレメン継手101を用いる場合には強度が大幅に不足することは否めない。
【0012】
また、こうした強度不足を解消するため、一対のシャフト97,98が一体回転するときの一組当たりのリンク97a,98aに働く力を小さくすべく、三組以上のリンク97a,98aで一対のシャフト97,98を連結することも、クレメン継手101の構造上の問題から実現困難であった。
【0013】
即ち、シャフト97へのリンク97aの取り付け、及びシャフト98へのリンク98aの取り付けは、各々シャフト97,98の中心軸線上に設けられた一つのピン99で行われる。そのため、このピン99で三組以上のリンク97a、98aをシャフト97,98に取り付けることは、取付構造の面、及び取付スペースの面からみて困難である。
【0014】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、自動車のドライブシャフト等に用いられる際に、シャフトの最大傾斜角度を拡大することができ、しかも強度不足が生じない等速ジョイントを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、一対のシャフトの間に設けられた二つ一組のリンクを備え、これらリンクの一端部を前記両シャフトの対向する端部に対し中心部を中心に回転できるように取り付け、これらリンクの他端部同士を揺動可能に連結した等速ジョイントにおいて、前記中心部を前記シャフトの軸線からオフセットした位置に設け、前記両シャフトの対向する端部に一つずつ二つ一組で設けられる前記中心部は、前記シャフトの軸線に対し互いに逆方向にオフセットするとともに、前記シャフトの軸線と直交する方向に延び、且つ前記中心部の軸線と前記シャフトの軸線とが交差するように設けられるものとした。
【0016】
上記構成によれば、リンクをシャフトに対し回転可能に取り付けるための中心部がシャフトの軸線からオフセットして位置するため、同中心部をシャフトの軸線を周方向に囲うように三つ以上設けることができる。こうした中心部の配置によって、三組以上のリンクをシャフトに取り付けようとするとき、その取り付けを構造上の問題やスペースの問題で行えなくなることはなくなる。そして、三組以上のリンクによって一対のシャフトの間での回転伝達を行うことで、この回転伝達の際に各組のリンクに働く力を小さくし、強度不足が生じるのを抑制することができる。また、上記のような二つ一組のリンクを利用して一対のシャフトを傾斜可能且つ一体回転可能に連結する場合、バーフィールド型等速ジョイントのように構造上の問題によるシャフトの傾斜角度の制限を受けないため、同シャフトの最大傾斜角度を拡大することができる。
【0020】
また一対のシャフトを互いに傾斜させたときにはリンクの一端部が中心部を中心に回転し、上記傾斜の方向によっては二つ一組のリンクが同シャフトの外側方に突出した状態になる。上記構成によれば、この二つ一組のリンクの突出方向と中心部のオフセット方向とが異なるため、上記リンクの突出量を中心部のオフセット分だけ小さく抑えることができる。従って、等速ジョイントを車両等に搭載する際の搭載スペースが小さくてすむようになる。
【0021】
請求項2記載の発明では、一対のシャフトの間に設けられた二つ一組のリンクを備え、これらリンクの一端部を前記両シャフトの対向する端部に対し中心部を中心に回転できるように取り付け、これらリンクの他端部同士を揺動可能に連結した等速ジョイントにおいて、前記中心部を前記シャフトの軸線からオフセットした位置に設け、前記両シャフトの対向する端部に一つずつ二つ一組で設けられる前記中心部は、前記シャフトの軸線に対し互いに同方向にオフセットするとともに、前記シャフトの軸線と直交する方向に延び、且つ前記中心部の軸線と前記シャフトの軸線とが交差するように設けられるものとした。
【0022】
上記構成によれば、リンクをシャフトに対し回転可能に取り付けるための中心部がシャフトの軸線からオフセットして位置するため、同中心部をシャフトの軸線を周方向に囲うように三つ以上設けることができる。こうした中心部の配置によって、三組以上のリンクをシャフトに取り付けようとするとき、その取り付けを構造上の問題やスペースの問題で行えなくなることはなくなる。そして、三組以上のリンクによって一対のシャフトの間での回転伝達を行うことで、この回転伝達の際に各組のリンクに働く力を小さくし、強度不足が生じるのを抑制することができる。また、上記のような二つ一組のリンクを利用して一対のシャフトを傾斜可能且つ一体回転可能に連結する場合、バーフィールド型等速ジョイントのように構造上の問題によるシャフトの傾斜角度の制限を受けないため、同シャフトの最大傾斜角度を拡大することができる。
また一対のシャフトを傾斜させたときにはリンクの一端部が中心部を中心に回転し、上記傾斜の方向によっては二つ一組のリンクが同シャフトの外側方に突出した状態になる。上記構成によれば、この二つ一組のリンクの突出方向と中心部のオフセット方向とが異なるため、上記リンクの突出量を中心部のオフセット分だけ小さく抑えることができる。従って、等速ジョイントを車両等に搭載する際の搭載スペースが小さくてすむようになる。
【0023】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記二つ一組の中心部に取り付けられる前記二つ一組のリンクは、前記中心部の軸線と直交する面に対し前記シャフト寄りに傾けて設けられるものとした。
【0024】
上記構成によれば、二つ一組のリンクがシャフト側に寄せられた状態になり、この状態にあっては二つ一組のリンクが同シャフトの軸線に対してより近くなる。このため、同シャフトの軸線と直交する方向についての上記リンクの突出が小さく抑えられ、等速ジョイントの一層の小型化が図られるようになる。
【0025】
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記二つ一組の中心部は前記シャフトの軸線を周方向に囲うように三組以上設けられ、前記二つ一組のリンクは前記各中心部に対応して三組以上設けられるものとした。
【0026】
上記構成によれば、一対のシャフトを一体回転させるときに働く力を三組以上のリンクによって分散して受けるため、各組のリンクに働く力を小さくすることができる。
【0027】
請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明において、前記二つ一組の中心部及び前記二つ一組のリンクは、前記シャフトの周方向について等間隔をおいて設けられるものとした。
【0028】
上記構成によれば、一対のシャフトを一体回転させるときに働く力を三組以上のリンクによって分散して受ける際、各組のリンクに働く力を均等にして一部のリンクに大きな力が偏って働くのを抑制することができる。
【0029】
請求項6記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記シャフトの端部には大径部が形成されていることを要旨とした。
上記構成によれば、大径部を形成することで中心部を設ける位置の自由度が高められ、同中心部をシャフトの軸線からオフセットした位置に設けることが容易になる。
【0030】
請求項7記載の発明では、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記二つ一組のリンクにおける他端部同士は、片方の他端部に取り付けられたボールを中心に揺動可能に連結されるものとした。
【0031】
上記構成によれば、二つ一組のリンク同士の揺動はボールを中心に行われることから、その揺動が滑らかなものとされる。
請求項8記載の発明では、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記二つ一組のリンクにおける他端部同士は、揺動時に片方の他端部に形成された球面に沿って摺動するよう連結されるものとした。
【0032】
上記構成によれば、二つ一組のリンク同士の揺動時には、リンクにおける他端部同士が上記球面に沿って摺動した状態となることから、その揺動が滑らかなものとされる。
【0033】
請求項9記載の発明では、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記各リンクの一端部と前記中心部との間には、前記リンクの回転方向に転がることの可能な転動体が設けられていることを要旨とした。
【0034】
上記構成によれば、一対のシャフトが互いに傾斜した状態となってリンクが中心部を中心に回転するとき、その中心部とリンクの一端部との間の転動体が転がることにより、上記回転の際の摩擦抵抗が極めて小さいものとなる。この摩擦抵抗が大きい場合、例えば一対のシャフトが互いに傾斜した状態で両シャフトの間での回転伝達が行われるとき、中心部を中心とするリンクの回転が滑らかに行われなくなり、それに伴いシャフトの軸方向についての荷重が変動するようになる。しかし、中心部を中心とするリンクの回転は、転動体の転がりによって滑らかに行われるため、上記のようなシャフトの軸方向についての荷重の変動を抑制することができる。
【0035】
請求項10記載の発明では、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記二つ一組のリンクの他端部については、当該他端部と前記両シャフトの端部との距離が互いに等しくなるよう位置するものとした。
【0036】
上記構成によれば、一対のシャフト間の回転伝達を的確に両シャフトの回転速度を等速に維持した状態で行うことができる。
請求項11記載の発明では、請求項10記載の発明において、前記各組のリンクは互いに等しい長さに形成されていることを要旨とした。
【0037】
上記構成によれば、一対のシャフト間の回転伝達を的確に両シャフトの回転速度を等速に維持した状態で行うことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車のドライブシャフトに用いられる等速ジョイントに具体化した第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0039】
図1に示される等速ジョイント1は、同軸上に延びる一対のシャフト2,3を互いに傾斜可能且つ一体回転可能に連結するものであって、上記シャフト2,3の間に設けられた二つ一組のリンク4a,4bを合計三組備えている。これらリンク4a,4bの各組は互いに等しい長さに形成されている。また、各組のリンク4a,4bにおいて、リンク4aとリンク4bとは互いに等しい長さに形成されている。更に、これら各組のリンク4a,4bは、シャフト2,3の周方向について等間隔をおいて設けられている。
【0040】
そして、リンク4a,4bにおいて、一端部5はそれぞれシャフト2,3の対向する部分に形成されて同シャフト2,3の他の部分よりも大径となる大径部2a,3aに連結され、他端部6同士は互いに連結されている。従って、シャフト2とシャフト3との間での回転伝達が等速ジョイント1を介して行われるとき、等速ジョイント1のリンク4a,4bにはシャフト2,3の回転方向についての力が働くことになる。
【0041】
なお、二つ一組のリンク4a,4bの他端部6は、各組のリンク4a,4bが互いに等しい長さであり、且つリンク4aとリンク4bとが互いに等しい長さであることから、両シャフト2,3の大径部2a,3aから他端部6までの距離が互いに等しくなるように位置する。このように他端部6の位置が設定されることにより、一対のシャフト2,3間での等速ジョイント1による回転伝達が、的確に両シャフト2,3の回転速度を等速に維持した状態で行われるようになる。
【0042】
次に、リンク4a,4bの一端部の大径部2a,3aに対する連結構造、及びリンク4a,4bの他端部同士の連結構造について、図2を参照して説明する。なお、図2において、(a)は等速ジョイント1を模式的に示す側面図であって、(b)は上記(a)の等速ジョイント1を矢印A−A方向から見た正面図である。
【0043】
図2(a)に示される各リンク4a,4bの一端部5は、大径部2a,3aにおいてシャフト2,3の軸線Lからオフセットした位置に設けられた中心部7a,7bを中心に回転可能に取り付けられている。このようにリンク4a,4bをシャフト2,3に対し回転可能に取り付けるための中心部7a,7bを、同シャフト2,3の軸線Lからオフセットした位置に設けることで、三組のリンク4a,4bを構造上の問題及びスペース上の問題なしにシャフト2,3に対し回転可能に取り付けることができる。
【0044】
上記中心部7aは、図2(b)に示されるように、シャフト2(大径部2a)の軸線Lからオフセットした位置で同軸線Lと直交する方向に延び、且つ中心部7aの軸線L1と前記シャフト2の軸線Lとの間に所定間隔Hをあけて設けられている。また、各中心部7aは、シャフト2の周方向について等間隔をおいて設けられている。
【0045】
一方、中心部7bについては、中心部7aが大径部2aに設けられるのと同じ態様で、シャフト3の大径部3aに設けられている。そして、各中心部7bは、各中心部7aに対応して位置するとともに、対応する中心部7aにおけるシャフト2の軸線Lに対するオフセット方向と同方向に、シャフト3の軸線Lに対してオフセットされている。従って、互いに対応する中心部7a,7bは、シャフト2,3の軸線Lに対し同方向にオフセットされた状態となっている。
【0046】
各リンク4a,4bは、上記中心部7a,7bを中心に回転可能となっている。一方、各リンク4bの他端部6にはボール8が設けられ、各リンク4aの他端部6には上記ボール8を転動可能に支持するカップ9が取り付けられている。そして、カップ9の内部にはボール8が嵌め込まれ、これによりリンク4a,4bの他端部6同士がボール8を中心に揺動可能に連結される。
【0047】
上記のようなリンク4a,4bを備える等速ジョイント1によってシャフト2,3を連結することにより、シャフト2,3が互いに傾斜しようとすると、リンク4a,4bが中心部7a,7bを中心に回転するとともに、ボール8を中心に揺動し、これにより一対のシャフト2,3の傾斜が許容される。その結果、シャフト2,3が例えば図3に示されるように互いに傾斜した状態となり、この状態での等速ジョイント1を介してのシャフト2とシャフト3との間の回転伝達が可能とされる。なお、上記シャフト2,3の傾斜に伴うリンク4a,4bの中心部7a,7bを中心とする回転は、三組のリンク4a,4bにおいて同時に行われるが、上記のように中心部7a,7bを設けることにより、三組のリンク4a,4bにおける各リンク4a,4bが上記回転時に互いに干渉することは抑制される。
【0048】
ここで、シャフト2とシャフト3との間で等速ジョイント1を介して回転伝達が行われるとき、同ジョイント1に対しシャフト2,3の回転方向に働く力(荷重)が、シャフト2,3の回転位相に応じてどのように推移するかを図4に実線で示す。ちなみに、図4において破線は、一対のシャフトの間での回転伝達を従来のようなバーフィールド型等速ジョイントで行った場合、同ジョイントに対しシャフトの回転方向に働く力がシャフトの回転位相に応じてどのように推移するかを示している。
【0049】
等速ジョイント1に働く上記荷重については、同ジョイント1に設けられた三組のリンク4a,4bが分散して受けることになるため、一組のリンク4a,4bが受ける荷重を小さく抑えることができる。また、上記の図から、シャフト2,3が回転したときに等速ジョイント1に働く上記荷重の変動が、従来のバーフィールド型等速ジョイントに働く荷重の変動よりも小さくなることが分かる。そのため、上記荷重変動のピーク値が大きくなることに伴い、等速ジョイント1に必要とされる強度が大となり、同ジョイント1の強度不足が生じるのを抑制することができる。
【0050】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)リンク4a,4bをシャフト2,3に対し回転可能に取り付けるための中心部7a,7bがシャフト2,3の軸線Lからオフセットして位置するため、一つのシャフト2,3につき三つの中心部7a,7bを、シャフト2,3の軸線Lを周方向に囲うように設けることができる。こうした中心部7a,7bの配置によって、三組のリンク4a,4bをシャフト2,3に取り付けるときに、構造上の問題やスペース上の問題が生じることはなくなる。そして、三組のリンク4a,4bを備える等速ジョイント1でシャフト2とシャフト3との間での回転伝達を行うことにより、この回転伝達の際に等速ジョイント1に働く荷重を三組のリンク4a,4bが分散して受けることになる。従って、一組のリンク4a,4bが受けなければならない荷重を小さくし、等速ジョイント1に強度不足が生じるのを抑制することができる。また、二つ一組のリンク4a,4bを備えた等速ジョイント1でシャフト2,3を連結する場合、従来のバーフィールド型等速ジョイントのように構造上の問題によるシャフト2,3の傾斜角度の制限を受けないため、シャフト2,3の最大傾斜角度を拡大することができる。
【0051】
(2)上記中心部7a,7bは、シャフト2,3の軸線Lに対し互いに同方向にオフセットするとともに、これら軸線Lと直交する方向に延び、且つ中心部7a,7bの軸線L1とシャフト2,3の軸線Lとの間に所定間隔Hをあけて設けられている。このように中心部7a,7bを設けることで、一対のシャフト2,3の傾斜に伴い三組のリンク4a,4bにおける各リンク4a,4bが同時に中心部7a,7bを中心に回転するとき、それら各リンク4a,4bが互いに干渉するのを抑制することができる。
【0052】
(3)三組のリンク4a,4bは、シャフト2,3の周方向について等間隔をおいて設けられている。そのため、シャフト2とシャフト3との間で回転伝達を行う際に等速ジョイント1に働く荷重を三組のリンク4a,4bによって分散して受ける際、各組のリンク4a,4bに働く力を均等にすることができる。これにより、所定のリンク4a,4bに偏って荷重が働くのを抑制し、一組当たりのリンク4a,4bが受ける荷重を最小限に抑えることができる。
【0053】
(4)シャフト2,3には、リンク4a,4bの一端部5をシャフト2,3に取り付けるための中心部7a,7bを設けるための大径部2a,3aが形成されている。このため、シャフト2,3に対する中心部7a,7bの配置の自由度が高められ、同中心部7a,7bをシャフト2,3の軸線Lからオフセットした位置に設けることが容易になる。
【0054】
(5)リンク4a,4bの他端部6同士は、リンク4bの他端部6に設けられたボール8と、リンク4aの他端部6に設けられたカップ9とによって連結され、これによりリンク4a,4bがボール8を中心に揺動可能とされる。従って、シャフト2,3が互いに傾斜してリンク4a,4bがボール8を中心に揺動するとき、カップ9とボール8とが相対的に転動して上記揺動が滑らかに行われるようになる。
【0055】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第1実施形態においては、等速ジョイント1に二つ一組のリンク4a,4bを三組設けたが、その数を更に増やしてもよい。例えば、六組のリンク4a,4bを用いる場合、等速ジョイント1は図5に示されるようなものとなる。この場合も、各リンク4a,4bをシャフト2,3の周方向に等間隔をおいて設けることが好ましい。
【0056】
・第1実施形態におけるリンク4a,4bのシャフト2,3(大径部2a,3a)に対する連結構造として、図6及び図7に示される構造を採用することもできる。即ち、リンク4a,4b(4aのみ図示)の一端部5と中心部7a,7b(7aのみ図示)との間に、例えば球状の転動体10を少なくともリンク4a,4bの回転方向(中心部7a,7bの周方向)に転がることができるように設ける。この場合、シャフト2,3が互いに傾斜した状態となってリンク4a、4bが中心部7a,7bを中心に回転するとき、その中心部7a,7bとリンク4a、4bの一端部5との間の転動体10が転がることにより、上記回転の際の摩擦抵抗が極めて小さいものとなる。この摩擦抵抗が大きい場合、例えばシャフト2,3が互いに傾斜した状態で両シャフト2,3の間での回転伝達が行われるとき、中心部7a,7を中心とするリンク4a,4bの回転が滑らかに行われなくなり、それに伴い図8に破線で示されるようにシャフト2,3の軸方向についての荷重が変動するようになる。しかし、中心部7a,7bを中心とするリンク4a,4bの回転は、転動体10の転がりによって滑らかに行われるため、上記のようなシャフト2,3の軸方向の荷重変動については、図8に実線で示されるように抑制される。
【0057】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図9〜図12に基づき説明する。
図9は、この実施形態の等速ジョイント1を示す斜視図である。また、図10において、(a)は図9の等速ジョイント1を矢印B−B方向から見た状態を示す図であって、(b)は上記(a)の等速ジョイント1を矢印C−C方向から見た状態を示す図である。
【0058】
図9に示されるように、上記等速ジョイント1においても、第1実施形態と同様に、一対のシャフト2,3、大径部2a,3a、三組のリンク4a,4b、及び中心部7a,7b等が設けられている。
【0059】
同等速ジョイント1における中心部7a,7bは、図10(a)に示されるように、シャフト2,3の軸線Lと直交する方向に延び、且つ前記中心部7a,7bの軸線L1がシャフト2,3の軸線Lと交差するように設けられている。更に、中心部7a,7bはシャフト2,3の周方向に等間隔をおいて位置しており、各中心部7aに対する各中心部7bのシャフト2,3の周方向についての位置関係は軸線Lを中心とする回転方向に約60°ずれた状態となっている。
【0060】
図10(b)に示されるように、二つ一組のリンク4a,4bは、シャフト2,3の軸線Lに対し互いに逆方向にオフセットされた中心部7a,7bの間をつなぐように設けられている。従って、等速ジョイント1においては、これら互いに逆方向にオフセットされる中心部7a,7bが二つ一組として合計三組設けられ、一組の中心部7a,7b毎に一組のリンク4a,4bが設けられることになる。
【0061】
ここで、二つ一組のリンク4a,4bにおける一端部5の中心部7a,7bに対する連結構造、及び上記リンク4a,4bにおける他端部6同士の連結構造について説明する。
【0062】
図11は、中心部7a(7b)にリンク4a(4b)の一端部5が連結された状態を示す拡大断面図である。同図から分かるように、中心部7aは一端部5を貫通した状態となっており、中心部7aの外周面と一端部5の内周面との間には複数のコロ11が周方向に並べられている。これらコロ11は、スナップリング12によって中心部7a(7b)に固定されたリテーナ13、及び当該中心部7a(7b)に形成された段差部14によって、中心部7a(7b)の外周面と一端部5の内周面との間において周方向に転動可能な状態で保持されている。このため、リンク4a(4b)の一端部5が中心部7a(7b)を中心に回転するときには、上記コロ11が転がって当該回転が滑らかに行われる。
【0063】
一方、図9に示されるように、リンク4aの他端部6は、リンク4bの他端部6に設けられたカップ9内に挿入され、当該カップ9内で揺動可能に連結されている。また、リンク4aの他端部6の外周面6aは、球面状に形成されてカップ9の内周面と接している。従って、二つ一組のリンク4a,4bの揺動時には、リンク4aのカップ9の内周面がリンク4aの他端部6の外周面に沿って摺動した状態となることから、その揺動が滑らかなものとされる。
【0064】
上記等速ジョイント1によって連結された一対のシャフト2,3が、例えば図10(b)に矢印Dで示されるように互いに傾斜しようとすると、リンク4a,4bが中心部7a,7bを中心に回転するとともにリンク4aの他端部6を中心に揺動し、これにより一対のシャフト2,3の傾斜が許容される。一対のシャフト2,3が互いに傾斜するときには、三組のリンク4a,4bのうちの少なくとも一つが他端部6を中心に折り曲がって、シャフト2,3の外側方に突出した状態になる。
【0065】
なお、上記のように一対のシャフト2,3を矢印Dで示されるように互いに傾斜させた状態にあっては、図10(a)において最も下側に位置するリンク4a,4b(図中にはリンク4bのみ図示)がシャフト2,3の外側方、即ち矢印E方向に突出することとなる。こうしたリンク4a,4bの突出方向は、当該リンク4a,4bが連結される中心部7a,7bの軸線Lに対するオフセット方向(矢印F,G)とは、シャフト2,3の周方向において約90°異なるものとなる。
【0066】
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1)、(3)、及び(4)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(6)一対のシャフト2,3を互いに傾斜させたとき、三組のリンク4a,4bの少なくとも一つが折り曲がってシャフト2,3の外側方に突出した状態になる。こうしたリンク4a,4bの突出方向(矢印E方向等)と、当該リンク4a,4bが連結される中心部7a,7bの軸線Lに対するオフセット方向(矢印F,G等)とは、互いに異なるものとなる。これは、二つ一組の中心部7a,7bがシャフト2,3の軸線Lに対し直交する方向に延び、且つ中心部7a,7bの軸線L1とシャフト2,3の軸線Lとが交差するように設けられているためである。上記のようにリンク4a,4bの突出方向と中心部7a,7bのオフセット方向とを異ならせることで、当該リンク4a,4bの突出量を中心部7a,7bのオフセット分だけ小さく抑えることができる。仮に、等速ジョイント1の構成として、リンク4a,4bの突出方向と中心部7a,7bの突出方向とが同じとなるような構成が採用されている場合には、矢印Eの方向が矢印F又は矢印Gと同じになり、軸線Lに対するリンク4a,4bの突出量が中心部7a,7bのオフセット分だけ大きくなる。なお、こうした構成が採用される等速ジョイントの例としては、第1実施形態の等速ジョイント1をあげることができる。
【0067】
ここで、リンク4a,4bの突出方向と中心部7a,7bのオフセット方向とが同じの場合と上記のように異なっている場合とで、上述した軸線Lに対するリンク4a,4bの突出量がどのように異なるかを図12に示す。
【0068】
同図は、シャフト2,3の回転時におけるリンク4a,4bの互いに連結される他端部6同士の軌跡を示すものである。図12において、(a)はリンク4a,4bの突出方向と中心部7a,7bのオフセット方向とが同じになる場合の上記軌跡を表しており、(b)はリンク4a,4bの突出方向と中心部7a,7bのオフセット方向とが異なる場合の上記軌跡を表している。また、図12(a)及び図12(b)において、実線はシャフト2,3が互いに傾斜するときの傾斜角度が所定値αであるときの軌跡を示し、破線は上記所定値αが「0」であってシャフト2,3が互いに傾斜してはいないときの軌跡を示している。なお、図12(a)の破線で示される軌跡と図12(b)の破線で示される軌跡とは互いに一致するよう設定されている。
【0069】
図12(a)から分かるように、リンク4a,4bの突出方向と中心部7a,7bのオフセット方向とが同じになるものにあっては、所定値αの傾斜角度をもってシャフト2,3が互いに傾斜するとき、リンク4a,4bの他端部6同士の軸線Lに対する最大突出量が所定値β1という値をとる。これに対し、リンク4a,4bの突出方向と中心部7a,7bのオフセット方向とが上記のように異なるものにあっては、所定値αの傾斜角度をもってシャフト2,3が互いに傾斜するとき、図12(b)に示されるように上記他端部6同士の軸線Lに対する最大突出量が所定値β2(<β1)という値をとる。
【0070】
以上のことから、リンク4a,4bの突出方向と中心部7a,7bのオフセット方向を上記のように異ならせることで、軸線Lに対するリンク4a,4bの突出量を小さく抑えることが可能なのは明らかである。そして、上記のようにリンク4a,4bの突出量を小さく抑えることができるため、等速ジョイント1を自動車等に搭載する際の搭載スペースが小さくてすむようになる。
【0071】
(7)一対のシャフト2,3が互いに傾斜した状態となってリンク4a,4bが中心部7a,7bを中心に回転するとき、その中心部7a,7bとリンク4a,4bの一端部5との間のコロ11が転がることにより、上記回転の際の摩擦抵抗が極めて小さいものとなる。この摩擦抵抗が大きい場合、例えば一対のシャフト2,3が互いに傾斜した状態で両シャフト2,3の間での回転伝達が行われるとき、中心部7a,7bを中心とするリンク4a,4bの回転が滑らかに行われなくなり、それに伴いシャフト2,3の軸方向についての荷重が変動するようになる。しかし、中心部7a,7bを中心とするリンク4a,4bの回転は、コロ11の転がりによって滑らかに行われるため、上記のようなシャフト2,3の軸方向についての荷重の変動を抑制することができる。
【0072】
(8)上記のようにリンク4a,4bが中心部7a,7bを中心に回転するときには、二つ一組のリンク4a,4bがリンク4aの他端部6を中心に揺動するようになる。こうした二つ一組のリンク4a,4b同士の揺動時には、リンク4bのカップ9の内周面がリンク4aの他端部6の球面状をなす外周面6aと摺動した状態となることから、その揺動を滑らかなものとすることができる。
【0073】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図13に基づき説明する。
この実施形態の等速ジョイント1では、二つ一組の中心部7a,7bを第2実施形態のようにシャフト2,3の軸線Lに対し互いに逆方向にオフセットするのではなく、図13(a)に示されるように同方向にオフセットしている。このため、上記中心部7a,7bはシャフト2,3の間で向かい合って位置し、それら中心部7a,7bを繋ぐよう二つ一組のリンク4a,4bが設けられている。
【0074】
上記等速ジョイント1によって連結された一対のシャフト2,3が、例えば図13(a)に矢印Dで示されるように互いに傾斜しようとすると、リンク4a,4bが中心部7a,7bを中心に回転するとともにリンク4aの他端部6を中心に揺動する。その結果、三組のリンク4a,4bのうち、図13(b)の最も下側に位置する組のリンク4a,4bが他端部6を中心に折り曲がって、矢印E方向に突出した状態になる。同リンク4a,4bの突出方向(矢印E)も、当該リンク4a,4bが連結される中心部7a,7bの軸線Lに対するオフセット方向(矢印F)とは異なるものとなる。
【0075】
この実施形態においても、第2実施形態と同等の効果を得ることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図14に基づき説明する。
【0076】
この実施形態の等速ジョイント1でも、二つ一組の中心部7a,7bを第2実施形態のようにシャフト2,3の軸線Lに対し互いに逆方向にオフセットするのではなく、図14(a)に示されるように同方向にオフセットしている。このため、上記中心部7a,7bはシャフト2,3の間で向かい合って位置し、それら中心部7a,7bを繋ぐよう二つ一組のリンク4a,4bが設けられている。
【0077】
上記等速ジョイント1によって連結された一対のシャフト2,3が、例えば図14(a)に矢印Dで示されるように互いに傾斜しようとすると、リンク4a,4bが中心部7a,7bを中心に回転するとともにリンク4aの他端部6を中心に揺動する。その結果、三組のリンク4a,4bのうち、図14(b)の最も下側に位置する組のリンク4a,4bが他端部6を中心に折り曲がって、矢印E方向に突出した状態になる。同リンク4a,4bの突出方向(矢印E)も、当該リンク4a,4bが連結される中心部7a,7bの軸線Lに対するオフセット方向(矢印F)とは異なるものとなる。
【0078】
また、二つ一組の中心部7a,7bに連結されるリンク4a,4bは、中心部7a,7bの軸線L1と直交する面FAに対しシャフト2,3寄りに傾けて設けられている。このため、二つ一組のリンク4a,4bがシャフト2,3側に寄せられた状態になり、それらリンク4a,4bが同シャフト2,3の軸線Lに対してより近くなる。従って、同シャフト2,3の軸線Lと直交する方向についてのリンク4a,4bの突出が小さく抑えられ、等速ジョイント1の一層の小型化が図られるようになる。
【0079】
この実施形態によれば、第2実施形態と同等の効果が得られ、更に一層の小型化が図られるという効果を得ることもできる。
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
【0080】
・各リンク4a,4bを必ずしもシャフト2,3の周方向に等間隔をおいて設ける必要はない。
・シャフト2,3の径が中心部7a、7bをシャフト2,3の軸線Lからオフセットさせることの可能な値であるならば、大径部2a,3aを必ずしも設ける必要はない。
【0081】
・等速ジョイント1を自動車のドライブシャフト以外のものに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の等速ジョイントを示す斜視図。
【図2】(a)及び(b)は、上記等速ジョイントを模式的に示す側面図及び正面図。
【図3】シャフトを傾斜させたときの等速ジョイントの状態を模式的に示す側面図。
【図4】等速ジョイントに働くシャフト回転方向についての力が、同シャフトの回転位相に応じてどのように推移するかを示すグラフ。
【図5】等速ジョイントの他の例を示す斜視図。
【図6】リンクとシャフトとの連結構造の他の例を示す拡大断面図。
【図7】図6におけるリンクとシャフトとの連結部分を矢印VII−VII方向から見た断面図。
【図8】等速ジョイントに働くシャフト軸方向についての力が、同シャフトの回転位相に応じてどのように推移するかを示すグラフ。
【図9】第2実施形態の等速ジョイントを示す斜視図。
【図10】(a)は図9の等速ジョイントを矢印B−B方向から見た状態を示す図であり、(b)は上記(a)の等速ジョイントを矢印C−C方向から見た状態を示す図。
【図11】シャフトに形成された中心部に対するリンクの一端部の連結状態を示す拡大断面図。
【図12】(a)及び(b)は、シャフトの回転時における二つ一組のリンクの互いに連結される他端部同士の軌跡を示す図である。
【図13】(a)及び(b)は、第3実施形態の等速ジョイントを示す側面図及び正面図。
【図14】(a)及び(b)は、第4実施形態の等速ジョイントを示す側面図及び正面図。
【図15】従来のバーフィールド型等速ジョイントを示す略図。
【図16】従来のバーフィールド型等速ジョイントを示す略図。
【図17】等速ジョイントに適用されるクレメン継手の構造を示す略図。
【符号の説明】
1…等速ジョイント、2,3…シャフト、2a,3a…大径部、4a,4b…リンク、5…一端部、6…他端部、6a…外周面、7a,7b…中心部、8…ボール,9…カップ、10…転動体、11…コロ、12…スナップリング、13…リテーナ、14…段差部。
Claims (11)
- 一対のシャフトの間に設けられた二つ一組のリンクを備え、これらリンクの一端部を前記両シャフトの対向する端部に対し中心部を中心に回転できるように取り付け、これらリンクの他端部同士を揺動可能に連結した等速ジョイントにおいて、
前記中心部を前記シャフトの軸線からオフセットした位置に設け、
前記両シャフトの対向する端部に一つずつ二つ一組で設けられる前記中心部は、前記シャフトの軸線に対し互いに逆方向にオフセットするとともに、前記シャフトの軸線と直交する方向に延び、且つ前記中心部の軸線と前記シャフトの軸線とが交差するように設けられていることを特徴とする等速ジョイント。 - 一対のシャフトの間に設けられた二つ一組のリンクを備え、これらリンクの一端部を前記両シャフトの対向する端部に対し中心部を中心に回転できるように取り付け、これらリンクの他端部同士を揺動可能に連結した等速ジョイントにおいて、
前記中心部を前記シャフトの軸線からオフセットした位置に設け、
前記両シャフトの対向する端部に一つずつ二つ一組で設けられる前記中心部は、前記シャフトの軸線に対し互いに同方向にオフセットするとともに、前記シャフトの軸線と直交する方向に延び、且つ前記中心部の軸線と前記シャフトの軸線とが交差するように設けられていることを特徴とする等速ジョイント。 - 前記二つ一組の中心部に取り付けられる前記二つ一組のリンクは、前記中心部の軸線と直交する面に対し前記シャフト寄りに傾けて設けられている請求項2記載の等速ジョイント。
- 前記二つ一組の中心部は前記シャフトの軸線を周方向に囲うように三組以上設けられ、前記二つ一組のリンクは前記各中心部に対応して三組以上設けられる請求項1〜3のいずれかに記載の等速ジョイント。
- 前記二つ一組の中心部及び前記二つ一組のリンクは、前記シャフトの周方向について等間隔をおいて設けられる請求項4記載の等速ジョイント。
- 前記シャフトの端部には大径部が形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の等速ジョイント。
- 前記二つ一組のリンクにおける他端部同士は、片方の他端部に取り付けられたボールを中心に揺動可能に連結される請求項1〜6のいずれかに記載の等速ジョイント。
- 前記二つ一組のリンクにおける他端部同士は、揺動時に片方の他端部に形成された球面に沿って摺動するよう連結される請求項1〜6のいずれかに記載の等速ジョイント。
- 前記各リンクの一端部と前記中心部との間には、前記リンクの回転方向に転がることの可能な転動体が設けられている請求項1〜8のいずれかに記載の等速ジョイント。
- 前記二つ一組のリンクの他端部については、当該他端部と前記両シャフトの端部との距離が互いに等しくなるよう位置する請求項1〜9のいずれかに記載の等速ジョイント。
- 前記各組のリンクは互いに等しい長さに形成されている請求項10記載の等速ジョイント。
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