JP2005098451A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】ローラ・アセンブリの強度と耐久性を確保し、かつ、回転抵抗を小さくして自動車用ドライブシャフトとして強度と耐久性を高め、誘起スラストやスライド抵抗を一層低減させる。
【解決手段】円周方向に向き合って配置されたローラ案内面14を有する三つのトラック溝12が形成された外側継手部材10と、半径方向に突出した三つのトラニオン・ジャーナル22を備えたトリポード部材20と、トラック溝12に挿入されたローラ34と、トラニオン・ジャーナル22に外嵌してローラ34を回転自在に支持するリング32とを備え、ローラ34がローラ案内面14に沿って外側継手部材10の軸方向に移動可能であって、リング32とローラ34との間に複列のボール36を介在させ、かつ、リング32を合せ軌道輪としたトリポード型等速自在継手である。
【選択図】 図1


Description

本発明はトリポード型等速自在継手に関する。
トリポード型等速自在継手は摺動式等速自在継手の一種であって、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用される。
トリポード型等速自在継手は、円周方向に向き合って配置されたローラ案内面を有する三つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した三つのトラニオン・ジャーナルを備えたトリポード部材と、前記トラック溝に挿入されたローラと、前記トラニオン・ジャーナルに外嵌して前記ローラを回転自在に支持するリングとを備え、前記ローラが前記ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸方向に移動可能であって、前記リングと前記ローラを相対回転自在としてある。
特開2001−295855号公報には、前記リングと前記ローラとの間に転動体として複列のボールを介在させ、かつ、ボールの組み込みを可能にするためローラを二分割したトリポード型等速自在継手が記載されている。ローラを分割することによって、入れ溝をつけることなくボールの組み込みが容易になり、また、複列のボールで支持することによって、単列のボールで支持するよりもモーメント荷重に対する負荷容量がアップし、耐久性も向上する。
特開2002−323060号公報
特開2001−295855号公報に記載されたトリポード型等速自在継手では、ローラを二分割してあるため、予圧を与えることができず、また、強度を確保するため肉厚を大きくする必要がある。さらに、リングに止め輪をつけることによって二分割したローラを固定する(予圧を与える場合も含む)ことができるが、リングとローラが止め輪によって接触し、回転抵抗が大きくなるためNVH特性が悪化する。
そこで、本発明の目的は、ローラ・アセンブリの強度と耐久性を確保し、かつ、回転抵抗を小さくして自動車用ドライブシャフトとして強度と耐久性を高め、誘起スラストやスライド抵抗を一層低減させ得るトリポード型等速自在継手を提供することにある。
請求項1の発明は、円周方向に向き合って配置されたローラ案内面を有する三つのトラック溝12,112,212が形成された外側継手部材10,110,210と、半径方向に突出した三つのトラニオン・ジャーナル22,122,222を備えたトリポード部材20,120,220と、前記トラック溝12,112,212に挿入されたローラ34,134,234と、前記トラニオン・ジャーナル22,122,222に外嵌して前記ローラ34,134,234を回転自在に支持するリング32,132,232とを備え、前記ローラ34,134,234が前記ローラ案内面14,114,214に沿って外側継手部材10,110,210の軸方向に移動可能であって、前記リング32,132,232と前記ローラ34,134,234との間に複列のボール36,136,236を介在させ、かつ、前記リングを合せ軌道輪としたトリポード型等速自在継手である。リングを分割して合せ軌道輪とすることによって、組立てが容易になり、また、総ボール化することも可能であり、負荷容量のアップが可能となる。分割されたリングの結合はローラを分割した場合よりも容易であり、コンパクトでもある。たとえば止め輪を利用する場合でも、止め輪がローラに接触することはなく、転がり抵抗の障害にはならない。トラニオン・ジャーナルとの干渉も容易に回避できる。
請求項2の発明は、請求項1のトリポード型等速自在継手において、前記複列のボール36,136,236のそれぞれについての作用線がピッチ円の外側で交差することを特徴とするものである。この場合、作用線がピッチ円内で交差する場合と比べて、作用線間距離が大きいため、モーメント荷重の負荷容量が大きくなり、したがって、強度面において有利である。
請求項3の発明は、請求項1のトリポード型等速自在継手において、前記複列のボール36,136,236のそれぞれについての作用線が平行であることを特徴とするものである。この場合、一方向のアキシアル荷重を大きく受けることができるので、ある方向に強い当りがあるような用途に採用して負荷容量を増やせる。
請求項4の発明は、請求項1、2または3のトリポード型等速自在継手において、前記リング32,132,232が、リングの内周面を形成するとともに外周に軌道33の一部を形成したスリーブ31aと、スリーブ31aの外周に嵌合して軌道33の一部を構成する軌道部材31bとからなり、前記軌道部材31bを止め輪31cによって固定したことを特徴とするものである。リング32を分割したことによってローラ・アセンブリ30に予圧を与えることができる。したがって、ローラ34の回転を安定させることができ、トリポード型等速自在継手のNVHを下げ、かつ耐久性を高めることができる。
請求項5の発明は、請求項1、2または3のトリポード型等速自在継手において、前記リング32,132,232を、リングの内周面を形成するスリーブ32aと、スリーブ32aの外周に嵌合して軌道を構成する一対の軌道部材32bとに三分割したことを特徴とするものである。軌道を構成する一対の軌道部材が対称形となるため、量産に適する。また、これらの軌道部材をスリーブに圧入する場合、同じ膨張量になるため、軌道面の寸法管理が容易である。
請求項6の発明は、請求項5のトリポード型等速自在継手において、前記一対の軌道部材31bの両側に止め輪を配置したことを特徴とするものである。この場合、軌道部材間にすきまを設けることによって、止め輪を用いて予圧をかけることができる。また、対称設計にすることができるため、バランスよく回転させることができ、NVH特性が向上するばかりでなく、対称であるため逆組みのおそれがなく、組立て性の面でも優れている。
請求項7の発明は、請求項5のトリポード型等速自在継手において、スリーブ31aの一端部に形成した大径部と、スリーブの他端部に配置した止め輪31cとで前記一対の軌道部材31bを固定したことを特徴とするものである。この場合、組立てが一方向からできるため組立てが容易である。
請求項8の発明は、請求項4、6または7のトリポード型等速自在継手において、前記止め輪31cがC型止め輪であることを特徴とするものである。C型止め輪は市販されているため、これを採用することによって、安価に、かつ、容易に実施をすることができる。
請求項9の発明は、請求項4、6または7のトリポード型等速自在継手において、前記止め輪31cがベベル型止め輪であることを特徴とするものである。ベベル型止め輪を採用することにより、簡単な加工で予圧構造とすることができ、耐久性の向上を図ることができる。
請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれかのトリポード型等速自在継手において、ローラ34,134,234の外形が球形状であることを特徴とするものである。接触の全方向に対して自由度を持たせることができるため、NVH特性が向上する。
請求項11の発明は、請求項1ないし9のいずれかのトリポード型等速自在継手において、ローラ34,134,234の外形がトーラス形状であることを特徴とするものである。ローラと外側継手部材とが同じ接触角の場合、球形状の場合に比べて接触率を小さく取ることができるため、接触面圧を下げることができる。
請求項12の発明は、請求項1ないし11のいずれかのトリポード型等速自在継手において、前記リング32の内周面が凸円弧状断面を有し、前記トラニオン・ジャーナル22の外周面が、継手の軸線と直交する方向で前記リング32の内周面と接触するとともに継手の軸線方向で前記リング32の内周面との間にすきまを形成する断面形状を有することを特徴とするものである。トラニオン・ジャーナル22の横断面形状について、「継手の軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触するとともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間にすきまを形成する断面形状」とは、言い換えれば、トリポード部材20の軸方向で互いに向き合った面部分が相互方向に、つまり、仮想円筒面よりも小径側に、退避している形状を意味する。その一つの具体例として楕円形が挙げられる。ここで、楕円形とは、字義どおりの楕円に限らず、一般に卵形、小判形等と称される形状を含むものとする。
トラニオン・ジャーナル22の横断面形状を上記の形状とすることにより、継手が作動角をとったとき、ローラ・アセンブリ30の姿勢を変えることなく、トラニオン・ジャーナル22が外側継手部材10に対して傾くことができる。しかも、トラニオン・ジャーナル22の外周面とリング32との接触楕円が横長から点に近づくため、ローラ・アセンブリ30を傾けようとする摩擦モーメントが低減する。したがって、ローラ・アセンブリ30の姿勢が常に安定し、ローラ34がローラ案内面14と平行に保持されるため円滑に転動することができる。これにより、スライド抵抗の低減ひいては誘起スラストの低減に寄与する。さらに、トラニオン・ジャーナル22の根元部の断面係数が増加することによるトラニオン・ジャーナル22の曲げ強度が向上するという利点もある。なお、リング32の内周面は全長にわたって円弧状である必要はなく、トラニオン・ジャーナル22と接触する中央部分のみ円弧状とし、両端部はトラニオン・ジャーナルが傾いたとき干渉を避けるための逃げ部32bを形成してもよい。
ローラ・アセンブリ30はトラニオン・ジャーナル22と外側継手部材10との間に介在してトルクを伝達する役割を果たすものであるが、この種の等速自在継手におけるトルクの伝達方向は常に継手の軸線に直交する方向であるため、当該トルクの伝達方向においてトラニオン・ジャーナル22とリング32とが接していることでトルクの伝達は可能であり、継手の軸線方向において両者間にすきまがあってもトルク伝達に支障を来すことはない。しかも、リング32を傾かせることなくトラニオン・ジャーナル22が傾くことができるため、ローラ34が傾くことなく円滑にローラ案内面14を転動することができる。したがって、ローラ34の傾きを規制する目的で外側継手部材のトラック溝14に設けることのある鍔あるいは肩面16を省略することができる。肩面16を省略することにより、外側継手部材10の軽量化、加工の簡素化が図れるばかりでなく、ローラ34と肩面16との滑り接触を原因とするスライド抵抗が皆無となる結果、スライド抵抗の一層の減少と誘起スラストの低減が達成される。
本発明は、上述のようにトラニオン・ジャーナル22の横断面を略楕円形状としたものに限らず、たとえば次のような構成のものにも適用可能である。すなわち、請求項13の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載のトリポード型等速自在継手において、前記リング132の内周面が円筒状で、前記トラニオン・ジャーナル132の外周面が球状であることを特徴とするものである。請求項14の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載のトリポード型等速自在継手において、前記リング232の凹球状内周面と、前記トラニオン・ジャーナル222の円筒状外周面との間に、外周面が凸球面状で内周面が円筒状のブッシュ223が介在していることを特徴とするものである。
本発明によれば、ローラ・アセンブリの強度と耐久性を確保し、かつ、回転抵抗を小さくして自動車用ドライブシャフトとして強度と耐久性を高め、誘起スラストやスライド抵抗を一層低減させ得るトリポード型等速自在継手を提供することができる。
以下、図面に例示した本発明の実施の形態を説明する。
ここで、図1(a)は一部を断面にした継手の端面図であり、図1(b)は図1(a)におけるトラニオン・ジャーナルに垂直な断面図である。図2は作動角θをとった状態の継手の縦断面を示す。図3(a)はローラ・アセンブリの断面図、図3(b)は平面図、図4(a)は図1(a)の要部拡大図、図4(b)は変形例を示す図4(a)と類似の図である。
図示するように、トリポード型等速自在継手は外側継手部材10とトリポード部材20とを有し、連結すべき二軸の一方が外側継手部材10と接続され、他方がトリポード部材20と接続される。
外側継手部材10は有底筒状で、図1および図2に示すように、内周に軸方向に延びる三本のトラック溝12を有する。各トラック溝12の円周方向で向き合った側壁にローラ案内面14が形成されている。トリポード部材20は半径方向に突出した三本のトラニオン・ジャーナル22を有し、各トラニオン・ジャーナル22にローラ・アセンブリ30(32,34,36)が担持されている。
この実施の形態では、トラニオン・ジャーナル22の外周面は、横断面(図1(b))で見ると長軸が継手の軸線に直交する楕円形状であり、縦断面(図2)で見るとトラニオン・ジャーナル22の軸線と平行なストレート形状である。つまり、横断面はトラニオン・ジャーナル22の軸方向のあらゆる位置で合同になっている。トラニオン・ジャーナル22の楕円形状は、トリポード部材20の軸方向で見た肉厚を減少させて略円弧状としてある。言い換えれば、トラニオン・ジャーナル22の横断面形状は、トリポード部材20の軸方向で互いに向き合った面が相互方向に、つまり、仮想円筒面よりも小径側に退避している。
図3に示すように、ローラ・アセンブリ30はリング32とローラ34と複列のボール36を含んでいる。
リング32は合せ軌道輪である。すなわち、中心軸に垂直な平面で突き合わせた二つの環状部品で構成されている。一つはスリーブ31a、もう一つは軌道部材31bであって、スリーブ31aに形成した止め輪溝に止め輪31cを装着することによって両者を一体化してある。スリーブ31aはリングの内周面を形成し、外周には一方のボール列用の内側軌道33aを備えている。軌道部材31bはスリーブ31aの段部に嵌合し、外周にもう一方のボール列用の内側軌道33bを備えている。
リング32の内周面は円弧状凸断面を有する。すなわち、内周面の母線が凸円弧である。このことと、トラニオン・ジャーナル22の縦断面形状が上述のように略楕円形状であり、トラニオン・ジャーナル22とリング32との間には所定のすきまが設けてあることから、リング32はトラニオン・ジャーナル22に外嵌してトラニオン・ジャーナル22の軸方向での移動が可能であるばかりでなく、トラニオン・ジャーナル22に対して首振り揺動自在である。また、上述のとおりリング32とローラ34はボール36を介して相対回転自在にユニット化されているため、トラニオン・ジャーナル22に対し、リング32とローラ34がユニットとして首振り揺動可能な関係にある。ここで、「首振り」とは、トラニオン・ジャーナル22の軸線を含む平面内で、トラニオン・ジャーナル22の軸線に対してリング32およびローラ34の軸線が傾くことをいう(図2参照)。
リング32の内周面をほぼ全長にわたって凸円弧とすることも可能であるが、ここでは、リング32の内周面の母線は、中央の円弧部32aと下側の逃げ部32bとの組合せで形成されている。逃げ部32bは、図2のように作動角θをとったときのトラニオン・ジャーナル22との干渉を避けるための部分であり、円弧部32aの端からリング32の端部に向かって徐々に拡径した直線または曲線で構成する。なお、リング32の上側の端部は、軸方向にわずかに延長して止め輪溝を設ける部分を確保してある。
ローラ34は円環状で、内周に複列の外側軌道35を備えている。リング32とローラ34とは複列のボール36を介してユニット化され、相対回転可能なローラ・アセンブリ30を構成している。すなわち、リング32の外周の内側軌道33a,33bと、ローラ34の内周の外側軌道35との間に、複列のボール36が転動自在に介在する。図3(b)に示すように、ボール36は、できるだけ多くのボールを入れた、いわゆる総玉状態で組み込まれている。ちなみに総転動体軸受とは、転動体間のすきまの和(円周方向すきま)が、転動体の直径を越えず、かつ、軸受に満足な機能をもたせるのに十分小さな量である、保持器なしの軸受と定義されている。リング32を合せ軌道輪としてあるため、ボールの組み込みは容易である。
上述のローラ・アセンブリ30(32,34,36)をトラニオン・ジャーナル22に担持させた状態で外側継手部材10のトラック溝12に収容させる。ローラ34の外周面と接する外側継手部材10のローラ案内面14は、ローラ34の外周面と適合する断面形状を有している。たとえば、ローラ案内面14を軸線が外側継手部材10の軸線と平行な円筒面の一部で構成し、その断面形状をローラ34の外周面の母線に対応する円弧とすることもできる。図1の実施の形態では、図4(a)に若干拡大して示すように、ローラ34の外周面はローラ中心に曲率中心をもった球面の一部である。外側継手部材10のローラ案内面14は、ローラ34の外周面と実質的に同じ曲率半径をもった円筒面の一部である。したがって、幾何学的には、ローラ34はローラ案内面14内であらゆる方向へ回転することができる。ただし、この実施の形態では、ローラ34がその面取りした端面にて外側継手部材10の肩面16と接することにより、ローラ34の傾きが規制される。
なお、図示は省略したが、ローラ案内面14とローラ34との各形状は、両者がアンギュラ・コンタクトするような形状の組合せとすることも可能である。ローラ案内面14とローラ34の外周面とがアンギュラ・コンタクトをなすことにより、ローラ34が振れにくくなってその姿勢が安定するため、ローラ34が外側継手部材10の軸方向に移動する際に、ローラ案内面14上をより少ない抵抗で円滑に転動する。アンギュラ・コンタクトが成立する例としては、ローラ案内面14aがゴシック・アーチ状断面形状で、ローラ34の外周面が凸円弧断面状である場合が挙げられる。あるいは、ローラ案内面14の断面形状をテーパ形状としても、同様にローラ案内面14とローラ34の外周面とがアンギュラ・コンタクトをもって接触するようになすことができる。
図4(b)に示す変形例は、ローラ34の外周面を、ローラ半径よりも小さい曲率半径の円弧を母線とするトーラス形状としたものである。ローラ案内面14はここではゴシックアーチ形状で、ローラ34の外周面と2点で当たる(アンギュラ・コンタクト)。したがって、この場合、ローラ34が傾きにくい。
図5(a)は図1(a)におけるローラ・アセンブリ30を拡大して示したもので、図中、リング32およびローラ34から各ボール36へ伝えられる力の合力の作用線を一点鎖線で示してある。これらの作用線はピッチ円の外側で交差する。これは、玉軸受の分野で言われる背面組み合わせ(DB)に相当する。このタイプはラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を負荷できる。作用点位置寸法が大きいのでモーメントがかかる場合に適している。図5(b)に示す変形例では、図中に一点鎖線で示してある作用線が平行である。これは、玉軸受の分野で言われる並列組み合わせ(DT)に相当する。このタイプはラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重を負荷できる。アキシアル荷重を2個の軸受で受けるので、一方向のアキシアル荷重が大きい場合に適する。
図6に示す変形例はリング32を三分割したものである。つまり、リング32は、スリーブ31aと、スリーブ31aの外周に嵌合した一対の軌道部材31bとからなる。一対の軌道部材31bはそれぞれ、外周に軌道33を形成している。そして、図6(a)の場合、スリーブ31aの両端部に形成された止め輪溝に装着された二つの止め輪31cで一対の軌道部材31bが固定されている。図6(b)の場合、スリーブ31aの軸方向一端に形成された大径部と、他端部に形成された止め輪溝に装着された一つの止め輪31cとで一対の軌道部材31bが固定されている。
止め輪31cに関して、図7(a)は通常のC型止め輪の場合、図7(b)はベベル型止め輪の場合を示す。後者は止め輪溝のベベル部と止め輪のベベルとの協働により軸方向のガタを詰めることができる。
次に、図8および図9に示すトリポード型等速自在継手は、円周方向に向き合って配置されたローラ案内面114を有する三つのトラック溝112が形成された外側継手部材110と、半径方向に突出した三つのトラニオン・ジャーナル122を備えたトリポード部材120と、前記トラック溝114に挿入されたローラ136と、前記トラニオン・ジャーナル122に外嵌して前記ローラ136を回転自在に支持するリング132とを備え、前記ローラ134が前記ローラ案内面114に沿って外側継手部材110の軸方向に移動可能であって、前記リング132と前記ローラ134との間に複列のボール136を介在させ、かつ、前記リングを合せ軌道輪としたものである。この実施の形態では、ボール136を複列で介在させた二段式ローラからなるローラ・アセンブリ130(132,134,136)を、球形状のトラニオン・ジャーナル122に外嵌させてある。球形状のトラニオン・ジャーナル122にリング132がその円筒形内周面にて外嵌し、両者は点接触している。ローラ・アセンブリ130はトラニオン・ジャーナル122に対して首振り揺動自在である。
また、図10および図11に示すトリポード型等速自在継手は、円周方向に向き合って配置されたローラ案内面214を有する三つのトラック溝212が形成された外側継手部材210と、半径方向に突出した三つのトラニオン・ジャーナル222を備えたトリポード部材220と、前記トラック溝214に挿入されたローラ236と、前記トラニオン・ジャーナル222に外嵌して前記ローラ236を回転自在に支持するリング232とを備え、前記ローラ234が前記ローラ案内面214に沿って外側継手部材210の軸方向に移動可能であって、前記リング232と前記ローラ234との間に複列のボール236を介在させ、かつ、前記リングを合せ軌道輪としたものである。この実施の形態では、ボール236を複列で介在させた2段式ローラからなるローラ・アセンブリ230(232,234,236)が、スリーブ223を介して、円筒状のトラニオン・ジャーナル222に支持されている。そして、スリーブ223はその円筒形内周面にてトラニオン・ジャーナル222と摺動自在に嵌合し、球状外周面にてリング232と球面接触している。
なお、図1および図2の実施の形態について図4ないし図7に関連して述べた構成は、図8および図9ならびに図10および図11の実施の形態にも同様に適用することができる。
(a)は本発明の実施の形態を示す一部を断面にした端面図、(b)はトラニオン・ジャーナルに垂直な断面図である。 図1の等速自在継手の作動角をとった状態を示す縦断面図である。 (a)はローラ・アセンブリの断面図、(b)は平面図である。 (a)(b)は図1(a)と類似の一部を断面にした端面図である。 (a)(b)はローラ・アセンブリの断面図である。 (a)(b)はローラ・アセンブリの断面図である。 (a)(b)は止め輪部分の拡大図である。 (a)は一部を断面にしたトリポード型等速自在継手の端面図、(b)はトラニオン・ジャーナルに垂直な断面図である。 図8の継手の作動角をとった状態を示す縦断面図である。 (a)は一部を断面にしたトリポード型等速自在継手の端面図、(b)はトラニオン・ジャーナルに垂直な断面図である。 図10の継手の作動角をとった状態を示す縦断面図である。
符号の説明
10,110,210 外側継手部材
12,112,212 トラック溝
14,114,214 ローラ案内面
16,116,216 肩面
20,120,220 トリポード部材
22,122,222 トラニオン・ジャーナル
30,130,230 ローラ・アセンブリ
32,132,232 リング
32a 円弧部
32b 逃げ部
33a,33b 軌道
34,134,234 ローラ
35a,35b 軌道
36,136,236 ボール

Claims (14)

  1. 円周方向に向き合って配置されたローラ案内面を有する三つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した三つのトラニオン・ジャーナルを備えたトリポード部材と、前記トラック溝に挿入されたローラと、前記トラニオン・ジャーナルに外嵌して前記ローラを回転自在に支持するリングとを備え、前記ローラが前記ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸方向に移動可能であって、前記リングと前記ローラとの間に複列のボールを介在させ、かつ、前記リングを合せ軌道輪としたトリポード型等速自在継手。
  2. 前記複列のボールのそれぞれについての作用線がピッチ円の外側で交差する請求項1のトリポード型等速自在継手。
  3. 前記複列のボールのそれぞれについての作用線が平行である請求項1のトリポード型等速自在継手。
  4. 前記リングが、リングの内周面を形成するとともに外周に軌道の一部を形成したスリーブと、スリーブの外周に嵌合して軌道の一部を構成する軌道部材とからなり、前記軌道部材を止め輪によって固定した請求項1、2または3のトリポード型等速自在継手。
  5. 前記リングを、リングの内周面を形成するスリーブと、スリーブの外周に嵌合して軌道を構成する一対の軌道部材とに三分割した請求項1、2または3のトリポード型等速自在継手。
  6. 前記一対の軌道部材の両側に止め輪を配置した請求項5のトリポード型等速自在継手。
  7. 前記スリーブの一端部に形成した大径部と、他端部に配置した止め輪とで前記一対の軌道部材を固定した請求項5のトリポード型等速自在継手。
  8. 前記止め輪がC型止め輪である請求項4、6または7のトリポード型等速自在継手。
  9. 前記止め輪がベベル型止め輪である請求項4、6または7のトリポード型等速自在継手。
  10. 前記ローラの外形が球形状である請求項1ないし9のいずれかのトリポード型等速自在継手。
  11. 前記ローラの外形がトーラス形状である請求項1ないし9のいずれかのトリポード型等速自在継手。
  12. 前記リングの内周面が凸円弧状断面を有し、前記トラニオン・ジャーナルの外周面が、継手の軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触するとともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間にすきまを形成する断面形状を有する請求項1ないし11のいずれかのトリポード型等速自在継手。
  13. 前記リングの内周面が円筒状で、前記トラニオン・ジャーナルの外周面が球状である請求項1ないし11のいずれかのトリポード型等速自在継手。
  14. 前記リングの凹球状内周面と、前記トラニオン・ジャーナルの円筒状外周面との間に、外周面が凸球面状で内周面が円筒状のスリーブが介在している請求項1ないし11のいずれかのトリポード型等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100706080B1 (ko) * 2005-11-22 2007-04-12 한국프랜지공업 주식회사 볼베어링을 갖는 트라이포드 등속조인트의 구조
WO2015071877A1 (en) * 2013-11-13 2015-05-21 Steering Solutions Ip Holding Corporation Improved torque-transmitting joint and joint components, methods of manufacturing, and methods of inspection

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