JP4207493B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子の製造方法に関し、詳しくは、半導体基板の厚さ方向に電流が流れるダイオード、絶縁ゲート型電界効果トランジスタなどの半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイオードや絶縁ゲート型電界効果トランジスタなどの半導体素子は、半導体基板の上面と下面とにそれぞれ電極が形成され、半導体基板の厚さ方向に電流が流れるように構成されている。このような半導体素子では、半導体基板の下面側に、相対的に不純物濃度の高い半導体領域(例えば、カソード領域、ドレイン領域)が形成されるが、この半導体領域は、動作電圧の低減や放熱性の向上などを図るために、薄く形成することが好ましい。
【0003】
このような半導体領域を形成する方法としては、不純物拡散方法やエピタキシャル成長方法などがある。不純物拡散方法により半導体領域を形成すると、エピタキシャル成長方法により半導体領域を形成する場合に比較して、半導体領域の不純物濃度を高くすることができる。したがって、半導体基板の下面側に形成する、相対的に不純物濃度の高い半導体領域は、エピタキシャル成長方法よりも、不純物拡散方法によって形成することが好ましい。
【0004】
このように、半導体素子の製造方法においては、半導体領域を薄く形成するとともに、不純物拡散方法を用いて半導体領域の不純物濃度を高くすることが望まれている。
【0005】
図7に、不純物拡散方法により半導体領域(カソード領域)を形成するとともに、この半導体領域を薄く形成する、半導体素子(ダイオード)の製造方法を説明するための製造手順を示す。
【0006】
まず、図7(a)に示すように、n型の半導体基板21の上面側にp型の不純物を拡散してアノード領域(p型拡散領域)22を形成し、半導体基板21の下面側にn型の不純物を拡散してカソード領域(n+型拡散領域)23を形成する。
【0007】
次に、図7(b)に示すように、カソード領域23の下側(半導体基板21の下側)を切削して除去し、カソード領域23の厚さを薄くする。ここで、半導体基板21の下側を切削すると、半導体基板21の下面側に、半導体基板21の強度を劣化させる破砕層が形成されてしまうので、半導体基板21の下面側に化学エッチングを施してこの破砕層を除去することが好ましい。
【0008】
続いて、図7(c)に示すように、半導体基板21の下面に金属膜を被着し、カソード領域23に電気的に接続されたカソード電極24を半導体基板21の下面側に形成する。また、半導体基板21の上面に、半導体基板21のn型半導体層の上面とアノード領域22の外周側を被覆する絶縁膜25を形成し、半導体基板21の上面に金属膜を被着してアノード領域22に電気的に接続されたアノード電極26を半導体基板21の上面側に形成する。このように形成された半導体素子は、不純物拡散方法によりカソード領域23を形成するとともに、カソード領域23を薄くすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体素子の高耐圧化を図るため、アノード領域22の外周側に、アノード領域22を包囲するように環状に形成されたフィールドリミティングリング(FLR)を有する半導体素子が用いられることがある。このようなFLRを有する半導体素子では、例えば、耐圧の低下が生じないように、FLRの下方に位置するカソード領域23の厚さを薄くして、FLRとカソード領域23との距離を長くし、カソード領域23の厚さを変化させる場合がある。
【0010】
しかしながら、前述の半導体素子の製造方法では、カソード領域23の厚さの変化に対応した所定の位置に、アノード領域22及びFLRを形成することは困難であり、アノード領域22及びFLRとカソード領域23とが所定の位置関係を有するように精度よく形成することが困難であった。
【0011】
また、前述の半導体素子の製造方法では、カソード領域23を薄くするために、カソード領域23のうち、不純物濃度が高い表面(下面)の領域が除去されるので、カソード領域23の不純物濃度が低くなってしまう。このため、動作電圧を低減化することが困難であった。さらに、不純物拡散方法によりカソード領域23の不純物濃度を高めた利点が損なわれてしまう。
【0012】
さらに、不純物拡散方法によって形成されたカソード領域23では、半導体基板21の不純物濃度は、その厚さ方向で一定ではなく、濃度勾配が生じている。このため、カソード領域23を除去する厚さを高精度で制御しないと、除去後のカソード領域23の表面不純物濃度にばらつきが生じ、デバイス特性に変動が生じてしまう。このため、不純物濃度の高い半導体領域を薄く形成することは困難であった。
【0013】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、半導体基板の一方の主面及び他方の主面に精度よく半導体領域を形成することができる半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、不純物濃度の高い半導体領域を薄く形成することができる半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、動作電圧を低減し、かつ放熱性を向上させることができる半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、半導体領域の表面不純物濃度がばらつきにくい半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる半導体素子の製造方法は、第1導電型の半導体基板の一方の主面に第1導電型の不純物を拡散し、半導体基板の一方の主面に該半導体基板よりも不純物濃度が高い第1導電型の第1半導体領域を形成する第1半導体領域形成工程と、前記半導体基板の一方の主面に凹部を形成する凹部形成工程と、前記第1半導体領域形成工程及び前記凹部形成工程により第1半導体領域と凹部とが形成された半導体基板の一方の主面に、該半導体基板を支持する支持基板を固着する支持基板固着工程と、前記支持基板固着工程で支持基板が固着された半導体基板を、その他方の主面側から所定の厚さに切削して、前記半導体基板を薄くするとともに、前記凹部を前記他方の主面に露出させる薄厚化工程と、前記薄厚化工程で凹部が露出された半導体基板の他方の主面に第2導電型の不純物を拡散し、半導体基板の他方の主面に第2導電型の第2半導体領域を形成する第2半導体領域形成工程と、前記第2半導体領域形成工程で第2半導体領域が形成された半導体基板から、該半導体基板に固着された前記支持基板を除去する支持基板除去工程と、前記支持基板除去工程で支持基板が除去された半導体基板の一方の主面及び他方の主面に、それぞれ電極を形成する電極形成工程と、を備え、前記第1半導体領域形成工程では、前記半導体基板の一方の主面に拡散する不純物の拡散深さを、前記第2半導体領域に対応する領域で深くして、厚さの異なる領域を有する第1半導体領域を形成する、ことを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の観点にかかる半導体素子の製造方法は、第1導電型の半導体基板の一方の主面に第1導電型の不純物を拡散し、半導体基板の一方の主面に該半導体基板よりも不純物濃度が高い第1導電型の第1半導体領域を形成する第1半導体領域形成工程と、前記半導体基板の他方の主面に凹部を形成する凹部形成工程と、前記第1半導体領域形成工程及び前記凹部形成工程により第1半導体領域と凹部とが形成された半導体基板の一方の主面に、該半導体基板を支持する支持基板を固着する支持基板固着工程と、前記支持基板固着工程で支持基板が固着された半導体基板を、その他方の主面側から前記凹部が残存する厚さに切削して、前記半導体基板を薄くする薄厚化工程と、前記薄厚化工程で凹部が残存した半導体基板の他方の主面に第2導電型の不純物を拡散し、半導体基板の他方の主面に第2導電型の第2半導体領域を形成する第2半導体領域形成工程と、前記第2半導体領域形成工程で第2半導体領域が形成された半導体基板から、該半導体基板に固着された前記支持基板を除去する支持基板除去工程と、前記支持基板除去工程で支持基板が除去された半導体基板の一方の主面及び他方の主面に、それぞれ電極を形成する電極形成工程と、を備え、前記第1半導体領域形成工程では、前記半導体基板の一方の主面に拡散する不純物の拡散深さを、前記第2半導体領域に対応する領域で深くして、厚さの異なる領域を有する第1半導体領域を形成する、ことを特徴とする。
【0020】
前記第2半導体領域形成工程と前記支持基板除去工程との間、または、前記第2半導体領域形成工程と同時に、前記半導体基板の他方の主面に、前記第2半導体領域を包囲するように環状に第2導電型の不純物を拡散し、半導体基板の他方の主面にフィールドリミティングリングを形成するフィールドリミティングリング形成工程を、さらに備え、前記第1半導体領域形成工程では、前記半導体基板の一方の主面に拡散する不純物の拡散深さを、前記第2半導体領域に対応する領域で深く、前記フィールドリミティングリングに対応する領域で浅くして、厚さの異なる領域を有する第1半導体領域を形成してもよい。
【0024】
前記支持基板には、例えば、シリコン酸化膜が形成されている。そして、前記支持基板固着工程では、前記シリコン酸化膜を介して、前記半導体基板に前記支持基板を固着することが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体素子の製造方法について、フィールドリミティングリング(FLR)を有する高耐圧用のダイオードを製造する場合を例にして説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
本実施の形態のダイオードの構成について説明する。
図1にダイオードの断面図を示す。図1に示すように、ダイオード1は、半導体基板2と、絶縁膜3と上部電極4と、下部電極5と、を備えている。
【0027】
半導体基板2は、シリコン単結晶基板から構成された、第1導電型、例えば、n型の半導体基板に、n型(第1導電型)の不純物が拡散されたn+型半導体層6と、所定の領域に第2導電型、例えば、p型の不純物が拡散されたp型半導体領域7及びFLR8が形成されたn型半導体層9とから構成されている。
【0028】
n+型半導体層6は、半導体基板2の一方の主面、例えば、下面に形成されている。n+型半導体層6は、ダイオード1のカソード領域を構成する。n+型半導体層6は、動作電圧の低減及び放熱性の向上などを図ることが可能な厚さ、例えば、5μm〜15μmに形成されている。
【0029】
n+型半導体層6は、不純物拡散方法を用いてn型の不純物(例えば、リン)を拡散することにより形成されている。このため、n+型半導体層6は、その不純物濃度が半導体基板2の下面側で相対的に高く、半導体基板2の下面から離間するにつれて濃度が低下するという濃度勾配を有する。本実施の形態では、n+型半導体層6の表面不純物濃度(n+型半導体層6の下面での不純物濃度)を5×1018cm−3〜5×1020cm−3に設定した。
【0030】
また、n+型半導体層6は、半導体基板2の他方の主面、例えば、上面に形成する半導体領域(p型半導体領域7、FLR8)に応じて、厚さの異なる領域を有している。すなわち、p型半導体領域7に対応する第1n+型半導体領域6aと、FLR8に対応する第2n+型半導体領域6bとを有している。
【0031】
第1n+型半導体領域6aは、p型半導体領域7の下方(p型半導体領域7に対向する位置)に設けられ、その厚さが第2n+型半導体領域6bよりも厚く形成されている。これは、第1n+型半導体領域6aが電流の主通路を構成するので、抵抗が比較的大きいn型半導体層9の厚みを薄くするために、第1n+型半導体領域6aを第2n+型半導体領域6bよりも厚く形成したものである。
【0032】
第2n+型半導体領域6bは、FLR8の下方(FLR8に対向する位置)に設けられ、その厚さが第1n+型半導体領域6aよりも薄く形成されている。これは、FLR8とn型半導体層9との界面に形成されるpn接合に逆バイアスが印加されたときに、pn接合から延びる空乏層がn+型半導体層6(第2n+型半導体領域6b)に到達して耐圧の低下が生じないように、第1n+型半導体領域6aよりも薄く形成したものである。
【0033】
このような第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6bは、半導体基板2の下面側から拡散するn型の不純物の拡散深さを変化させることにより、所定の厚さに形成されている。本実施の形態では、第1n+型半導体領域6aの厚さを約50μm、第2n+型半導体領域6bの厚さを約10μmに形成した。
【0034】
p型半導体領域7は、半導体基板2の他方の主面、例えば、上面の所定の領域に形成されている。p型半導体領域7は、p型の不純物(例えば、ボロン)を半導体基板2の上面の所定の領域に選択拡散させることにより、半導体基板2の上面の所定の領域に形成されている。このp型半導体領域7は、ダイオード1のアノード領域を構成する。本実施の形態では、p型半導体領域7の厚さ(拡散深さ)を約15μmとした。
【0035】
FLR8は、n型半導体層9の上面に、p型半導体領域7を包囲するように環状に形成されている。FLR8は、p型半導体領域7と同じp型の不純物(例えば、ボロン)を、n型半導体層9の上面のp型半導体領域7を包囲するように環状に選択拡散させることにより形成される。FLR8は、n型半導体層9とp型半導体領域7との間のpn接合により形成される空乏層をFLR8の外周側にまで広げ、ダイオード1の高耐圧化を図ることができる。本実施の形態では、FLR8の厚さ(拡散深さ)を約15μmとした。また、図1に示すように、本実施の形態では、2つのFLR8が形成されているが、FLR8の数を多くするほど、ダイオード1を高耐圧化させることができるので、ダイオード1に必要な耐圧に応じてFLR8を所定数形成することが好ましい。
【0036】
絶縁膜3は、半導体基板2の上面の外周側、詳しくは、FLR8及びn型半導体層9の上面と、p型半導体領域7の上面の外周側とを被覆するように形成されている。本実施の形態では、絶縁膜3にシリコン酸化膜が用いられている。
【0037】
上部電極4は、半導体基板2(p型半導体領域7)の上面に形成されている。上部電極4は、金属膜からなるアノード電極を構成し、p型半導体領域7(アノード領域)に電気的に接続されている。
【0038】
下部電極5は、半導体基板2(n+型半導体層6)の下面に形成されている。下部電極5は、金属膜からなるカソード電極を構成し、n+型半導体層6(カソード領域)に電気的に接続されている。
【0039】
次に、以上のように構成されたダイオード1の製造方法について説明する。
【0040】
まず、不純物拡散処理などの種々のプロセスを施すにあたって十分な強度が得られる所定の厚さ、例えば、約400μmの厚さに形成された、n型の半導体基板2を準備する。次に、図2(a)に示すように、この半導体基板2の下面に、n型の不純物(例えば、リン)を不純物拡散方法、例えば、一般的な熱拡散方法を用いて拡散させ、半導体基板2よりも不純物濃度が高いn+型半導体層6を形成する(第1半導体領域形成工程)。
【0041】
ここで、半導体基板2の上面に形成されるp型半導体領域7に対応する領域のn型の不純物の拡散時間を長く設定することにより、第1n+型半導体領域6aと第2n+型半導体領域6bとの厚さの異なる2つの領域を有するn+型半導体層6を形成する。このn+型半導体層6(第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6b)は、動作電圧の低減及び放熱性の向上などを図ることが可能な厚さに形成され、第1n+型半導体領域6aの厚さが約50μm、第2n+型半導体領域6bの厚さが約10μmに形成されている。これにより、半導体基板2は、n型半導体層9と、第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6bを有するn+型半導体層6と、から構成される。
【0042】
続いて、図2(b)に示すように、半導体基板2の下面の所定の領域に選択的にエッチングを施し、半導体基板2の下面から上面に向かう凹部10を形成する(凹部形成工程)。この凹部10は、n型半導体層9の上面に形成されるp型半導体領域7及びFLR8の外周側に位置するように形成されている。また、凹部10の底面(上端)は、半導体基板2(n型半導体層9)の上面まで達しておらず、半導体基板2の厚みのほぼ中央まで形成されている。このように、凹部10がn型半導体層9の上面まで達していないので、凹部10の幅を比較的小さくすることができる。この凹部10は、n型半導体層9の上面にp型半導体領域7及びFLR8を形成する際の位置決めとしての機能を有する。
【0043】
次に、図3(a)に示すような支持基板11を用意する。この支持基板11は、半導体基板2の機械的強度を補強するための支持部材として機能する。この支持基板11は、後述する半導体基板2の上面にp型の不純物を選択拡散させるにあたって、半導体基板2に固着された状態で十分な強度が得られるような所定の厚さ、例えば、200μm〜400μmに形成されている。本実施の形態では、支持基板11の厚さを約300μmとした。
【0044】
また、支持基板11は、例えば、単結晶シリコン基板から構成されており、その上面には、例えば、熱酸化によって形成されたシリコン酸化膜12が形成されている。この支持基板11を構成する材料は、単結晶シリコン基板以外であってもよい。すなわち、支持基板11は、後述するように、最終的には除去されるので、半導体基板2と良好に固着して半導体基板2を支持(補強)できる材料で構成されていればよく、例えば、電気的特性が良好に得られない材料から構成されていてもよい。
【0045】
続いて、図3(b)に示すように、半導体基板2の下面(n+型半導体層6の下面)と、支持基板11の上面(シリコン酸化膜12の上面)とを、一般的な半導体ウエハ張り合わせ技術を使用して固着する(支持基板固着工程)。これにより、半導体基板2の下面と支持基板11の上面とがシリコン酸化膜12を介して固着される。
【0046】
次に、図3(c)に示すように、半導体基板2と支持基板11とが固着された状態で、半導体基板2が所定の厚さ、例えば、約半分の厚さのように、不純物拡散処理などの種々のプロセスを施すにあたって半導体基板2のみでは十分な強度が得られないような厚さであって、凹部10がn型半導体層9の上面に露出される厚さに、半導体基板2のn型半導体層9を切削除去する。これにより、半導体基板2を薄くするとともに、凹部10をn型半導体層9の上面に露出する(薄厚化工程)。
【0047】
このように、半導体基板2のn型半導体層9を切削除去することにより、半導体基板2の厚さを薄厚化することができる。また、n型半導体層9を切削除去することにより、n型半導体層9の上面に凹部10が露出され、この凹部10がn型半導体層9の上面にp型半導体領域7及びFLR8を形成する際の位置決めとして機能する。本実施の形態では、半導体基板2のn型半導体層9を約200μm切削して、支持基板11の上面に形成されたシリコン酸化膜12の上面に、厚さ約100μmの半導体基板2を残存させた。
【0048】
また、半導体基板2の厚さを薄厚化するのに、半導体基板2のn型半導体層9を切削除去しているので、厚さ方向に濃度勾配を有するn+型半導体層6(カソード領域)を切削除去する場合(従来の場合)に比較して、切削除去する厚さを高精度で制御しなくてもよくなる。このため、薄厚化工程(半導体基板2の切削除去)を容易にすることができる。
【0049】
続いて、図4(a)に示すように、半導体基板2(n型半導体層9)の上面の所定の領域に不純物拡散処理、例えば、周知の熱拡散方法によって、p型の不純物を選択拡散させて、半導体基板2(n型半導体層9)の上面の所定の領域にp型半導体領域7を形成する(第2半導体領域形成工程)。
【0050】
また、p型半導体領域7と同じp型の不純物(例えば、ボロン)を、p型半導体領域7を包囲するように環状に選択拡散させて、半導体基板2(n型半導体層9)の上面にFLR8を形成する(フィールドリミティングリング形成工程)。この工程は、例えば、第2半導体領域形成工程で、同じp型の不純物(例えば、ボロン)を拡散することにより同時に形成してもよい。
【0051】
ここで、p型半導体領域7及びFLR8が形成されるn型半導体層9の上面には凹部10が露出されているので、露出された凹部10からp型半導体領域7及びFLR8を形成する領域を決定することができる。このように、決定された領域にp型半導体領域7及びFLR8を形成することにより、p型半導体領域7及びFLR8を第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6bに対して正確な位置に精度よく形成することができる。
【0052】
また、半導体基板2のみでは不純物拡散処理を施すのに十分な強度が得られないが、半導体基板2と支持基板11とが固着された状態で不純物拡散処理を施しているので、不純物拡散処理を施すのに十分な強度が得られる。このため、半導体基板2を薄くしても、半導体基板2(n型半導体層9)の上面の所定の領域にp型半導体領域7及びFLR8を形成することができる。
【0053】
次に、図4(b)に示すように、支持基板11を切削除去し、シリコン酸化膜12の下面を露出させる(支持基板除去工程)。なお、支持基板11の除去する方法は、半導体基板2に固着された支持基板11を半導体基板2から除去できる方法であればよく、例えば、エッチング処理により支持基板11を除去してもよい。続いて、図4(c)に示すように、シリコン酸化膜12をエッチング処理により除去して、n+型半導体層6を露出させる。
【0054】
本実施の形態では、シリコン酸化膜12を介して、半導体基板2(n+型半導体層6)の下面と支持基板11の上面とが固着しているので、支持基板11を切削除去しても、半導体基板2の下面まで切削されにくくなる。このため、半導体基板2の下面に、半導体基板2の強度を劣化させるような破砕層が形成されにくくなる。また、支持基板11の切削除去を高精度で制御しなくてもよくなり、支持基板除去工程(支持基板11の切削除去)を容易にすることができる。
【0055】
続いて、半導体基板2の上面に、n型半導体層9及びFLR8の上面と、p型半導体領域7の上面の外周側とを覆うように、絶縁膜3を形成した後、p型半導体領域7の上面に金属膜を蒸着させて、p型半導体領域7に電気的に接続された上部電極4(アノード電極)を形成する。また、n+型半導体層6の下面に金属膜を蒸着させて、n+型半導体層6に電気的に接続された下部電極5(カソード電極)を形成する。
このようにして、図1に示すようなダイオード1が製造される。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態によれば、凹部10が露出されたn型半導体層9の上面にp型半導体領域7及びFLR8を形成しているので、露出された凹部10からp型半導体領域7及びFLR8を形成する領域を決定することができる。このように、決定された領域にp型半導体領域7及びFLR8を形成することにより、p型半導体領域7及びFLR8を第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6bに対して正確な位置に精度よく形成することができる。したがって、半導体基板の上面及び下面に精度よく半導体領域を形成することができる。
【0057】
本実施の形態によれば、半導体基板2のn+型半導体層6が切削されないので、n+型半導体層6の表面不純物濃度をばらつきにくくすることができる。また、任意の不純物濃度及び厚さを有するn+型半導体層6が製造しやすくなる。
【0058】
本実施の形態によれば、n+型半導体層6が動作電圧の低減及び放熱性の向上などを図ることが可能な厚さに形成されているので、動作電圧の低減及び放熱性の向上などを図ることができる。
【0059】
本実施の形態によれば、半導体基板2のn型半導体層9が切削除去され、n+型半導体層6は切削されないので、厚さ方向に濃度勾配を有するn+型半導体層6(カソード領域)を切削除去する場合(従来の場合)に比較して、切削除去する厚さを高精度で制御しなくてもよくなる。このため、薄厚化工程(半導体基板2の切削除去)を容易にすることができる。
【0060】
本実施の形態によれば、シリコン酸化膜12を介して、半導体基板2(n+型半導体層6)の下面と支持基板11の上面とが固着しているので、支持基板11を切削除去しても、半導体基板2の下面まで切削されにくくなる。
【0061】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様のダイオード1を、凹部10に替えて凹部13を形成して製造した点が第1の実施の形態と異なっている。以下、第2の実施の形態の半導体素子(ダイオード1)の製造方法について説明する。
【0062】
まず、第1の実施の形態と同様に、所定の厚さ、例えば、約400μmの厚さに形成された、n型の半導体基板2を準備する。次に、図5(a)に示すように、この半導体基板2の下面に、n型の不純物(例えば、リン)を不純物拡散方法、例えば、一般的な熱拡散方法を用いて拡散させ、半導体基板2よりも不純物濃度が高いn+型半導体層6を形成する(第1半導体領域形成工程)。n+型半導体層6(第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6b)は、動作電圧の低減及び放熱性の向上などを図ることが可能な厚さに形成され、例えば、第1n+型半導体領域6aの厚さが約50μm、第2n+型半導体領域6bの厚さが約10μmに形成されている。
【0063】
また、半導体基板2の上面の所定の領域に選択的にエッチングを施し、半導体基板2の上面から下面に向かう凹部13を形成する(凹部形成工程)。凹部13の底面(下端)は、第2n+型半導体領域6bまで達しておらず、半導体基板2の厚みのほぼ中央まで形成されている。このように、凹部13が第2n+型半導体領域6bまで達していないので、凹部13の幅を比較的小さくすることができる。この凹部13は、n型半導体層9の上面にp型半導体領域7及びFLR8を形成する際の位置決めとしての機能を有する。
【0064】
ここで、n+型半導体層6は、半導体基板2の上面に形成されるp型半導体領域7の位置に応じて、例えば、n型の不純物の拡散時間を変化することにより、第1n+型半導体領域6aと第2n+型半導体領域6bとの厚さの異なる2つの領域が形成される。また、凹部13は、n型半導体層9の上面に形成されるp型半導体領域7及びFLR8の外周側に位置するように、半導体基板2の上面の所定の領域に形成される。このように、半導体基板2の下面にn+型半導体層6(第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6b)を形成し、半導体基板2の上面に凹部13を形成することから、両者の位置関係を精度良く定めることが必要になる。本実施の形態では、一般的な両面露光技術を用いて、半導体基板2の上面及び下面の両面を同時に露光し、n+型半導体層6と凹部13との相対的な位置関係を精度良く定めている。
【0065】
次に、第1の実施の形態と同様に、図3(a)に示す支持基板11を用意する。この支持基板11は、半導体基板2の上面にp型の不純物を選択拡散させるにあたって、半導体基板2に固着された状態で十分な強度が得られるような所定の厚さ、例えば、200μm〜400μmに形成されている。本実施の形態では、支持基板11の厚さを約300μmとした。また、支持基板11は、例えば、単結晶シリコン基板から構成されており、その上面には、例えば、熱酸化によって形成されたシリコン酸化膜12が形成されている。
【0066】
続いて、図5(b)に示すように、半導体基板2の下面(n+型半導体層6の下面)と、支持基板11の上面(シリコン酸化膜12の上面)とを、一般的な半導体ウエハ張り合わせ技術を使用して固着する(支持基板固着工程)。
【0067】
次に、図5(c)に示すように、半導体基板2と支持基板11とが固着された状態で、半導体基板2が所定の厚さ、例えば、約半分の厚さのように、不純物拡散処理などの種々のプロセスを施すにあたって半導体基板2のみでは十分な強度が得られないような厚さであって、かつ、凹部13の底面側がn型半導体層9の上面に残存する厚さに、半導体基板2のn型半導体層9を切削除去する。(薄厚化工程)。
【0068】
このように、半導体基板2のn型半導体層9を切削除去することにより、半導体基板2の厚さを薄厚化することができる。また、n型半導体層9を切削除去しても、n型半導体層9の上面に凹部13の底面側が残存し、この凹部13がn型半導体層9の上面にp型半導体領域7及びFLR8を形成する際の位置決めとして機能する。本実施の形態では、半導体基板2のn型半導体層9を約200μm切削して、支持基板11の上面に形成されたシリコン酸化膜12の上面に、厚さ約100μmの半導体基板2を残存させた。
【0069】
また、半導体基板2を薄厚化するのに、半導体基板2のn型半導体層9を切削除去しているので、従来の場合に比較して、切削除去する厚さを高精度で制御しなくてもよくなる。このため、薄厚化工程(半導体基板2の切削除去)を容易にすることができる。
【0070】
続いて、図6(a)に示すように、半導体基板2の上面の所定の領域に不純物拡散処理、例えば、周知の熱拡散方法によって、p型の不純物を選択拡散させて、半導体基板2の上面の所定の領域にp型半導体領域7を形成する(第2半導体領域形成工程)。また、p型半導体領域7と同じp型の不純物を、p型半導体領域7を包囲するように環状に選択拡散させて、半導体基板2の上面にFLR8を形成する(フィールドリミティングリング形成工程)。
【0071】
ここで、p型半導体領域7及びFLR8が形成されるn型半導体層9の上面には凹部13が存在しているので、凹部13からp型半導体領域7及びFLR8を形成する領域を決定することができる。このように、決定された領域にp型半導体領域7及びFLR8を形成することにより、p型半導体領域7及びFLR8を第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6bに対して正確な位置に精度よく形成することができる。
【0072】
また、半導体基板2と支持基板11とが固着された状態で不純物拡散処理を施しているので、不純物拡散処理を施すのに十分な強度が得られる。このため、半導体基板2を薄くしても、半導体基板2(n型半導体層9)の上面の所定の領域にp型半導体領域7及びFLR8を形成することができる。
【0073】
次に、図6(b)に示すように、支持基板11を切削除去し、シリコン酸化膜12の下面を露出させた後(支持基板除去工程)、図6(c)に示すように、シリコン酸化膜12をエッチング処理により除去して、n+型半導体層6を露出させる。
【0074】
続いて、半導体基板2の上面に、n型半導体層9及びFLR8の上面と、p型半導体領域7の上面の外周側とを覆うように、絶縁膜3を形成した後、p型半導体領域7の上面に金属膜を蒸着させて、p型半導体領域7に電気的に接続された上部電極4(アノード電極)を形成する。また、n+型半導体層6の下面に金属膜を蒸着させて、n+型半導体層6に電気的に接続された下部電極5(カソード電極)を形成する。
このようにして、図1に示すようなダイオード1が製造される。
【0075】
以上説明したように、本実施の形態によれば、凹部13が残存するn型半導体層9の上面にp型半導体領域7及びFLR8を形成しているので、凹部13からp型半導体領域7及びFLR8を形成する領域を決定することができる。このため、p型半導体領域7及びFLR8を第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6bに対して正確な位置に精度よく形成することができる。したがって、半導体基板の上面及び下面に精度よく半導体領域を形成することができる。
【0076】
本実施の形態によれば、両面露光技術を用いてn+型半導体層6と凹部13とを形成しているので、n+型半導体層6と凹部13との相対的な位置関係を精度良く定めることができる。このため、p型半導体領域7及びFLR8を第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6bに対して正確な位置に精度よく形成することができる。したがって、半導体基板の上面及び下面に、さらに精度よく半導体領域を形成することができる。
【0077】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、n+型半導体層6の表面不純物濃度をばらつきにくくすることができる。また、任意の不純物濃度及び厚さを有するn+型半導体層6が製造しやすくなる。さらに、動作電圧の低減及び放熱性の向上などを図ることができる。
【0078】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限らず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
【0079】
上記実施の形態では、第1の実施の形態において、半導体基板2の下面にn+型半導体層6を形成した後、凹部10を形成した場合を例に本発明を説明したが、例えば、半導体基板2の下面に凹部10を形成した後、n+型半導体層6を形成してもよい。この場合にも、半導体基板の上面及び下面に精度よく半導体領域を形成することができる。
【0080】
上記実施の形態では、第2の実施の形態において、両面露光技術を用いてn+型半導体層6及び凹部13を形成した場合を例に本発明を説明したが、両面露光技術を用いずに、例えば、半導体基板2の下面にn+型半導体層6を形成した後、半導体基板2の上面に凹部13を形成してもよい。また、半導体基板2の上面に凹部13を形成した後、半導体基板2の下面にn+型半導体層6を形成してもよい。これらの場合にも、半導体基板2の上面に凹部13が形成されているので、半導体基板の上面及び下面に精度よく半導体領域を形成することができる。
【0081】
上記実施の形態では、凹部10及び凹部13の底面が半導体基板2の厚みのほぼ中央まで形成されている場合を例に本発明を説明したが、凹部10及び凹部13は、半導体基板2が切削除去された状態で、n型半導体層9の上面に存在し、p型半導体領域7及びFLR8を形成する際の位置決めとして機能するものであればよく、所定の形状、数等で本発明に適用することができる。例えば、第1の実施の形態において、凹部10を半導体基板2の上面まで形成してもよい。
【0082】
上記実施の形態では、n型半導体層9の上面に形成されるp型半導体領域7及びFLR8に応じて、第1n+型半導体領域6a及び第2n+型半導体領域6bを有するn+型半導体層6を形成した場合を例に本発明を説明したが、例えば、n+型半導体層6の厚さが均一であってもよい。この場合にも、半導体基板の上面及び下面に精度よく半導体領域を形成することができる。
【0083】
上記実施の形態では、FLR8を有する高耐圧用のダイオード1の場合を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、FLR8を有しないn型半導体層9の上面にp型半導体領域7が形成されたダイオードであってもよい。
【0084】
上記実施の形態では、シリコン酸化膜12を介して、半導体基板2の下面と支持基板11の上面とが固着している場合を例に本発明を説明したが、例えば、シリコン酸化膜12を形成せずに、半導体基板2の下面と支持基板11の上面とを直接固着してもよい。ただし、支持基板除去工程で、半導体基板2の下面に、半導体基板2の強度を劣化させるような破砕層が形成されないように、半導体基板2近傍では、例えば、エッチング処理によって除去することが好ましい。
【0085】
上記実施の形態では、薄厚化工程において、半導体基板2のn型半導体層9を、半導体基板2のみでは不純物拡散処理を施すにあたって十分な強度が得られないような厚さまで切削除去した場合を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ただし、半導体基板2に支持基板11を固着することから、薄厚化工程において、半導体基板2のみでは不純物拡散処理を施すにあたって十分な強度が得られないような厚さまで切削除去することが好ましい。
【0086】
上記実施の形態では、n+型半導体層6が動作電圧の低減及び放熱性の向上を図ることが可能な厚さに形成した場合を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、放熱性を向上しないような厚さであってもよい。この場合にも、n+型半導体層6の表面不純物濃度をばらつきにくくすることができる。
【0087】
上記実施の形態では、第1導電型をn型とし、半導体基板2に半導体基板を用いた場合を例に本発明を説明したが、第1導電型をp型として各部材の導電型を反転してもよい。また、上記実施の形態では、ダイオード1を製造する場合を例に本発明を説明したが、半導体素子としては半導体基板の厚さ方向に電流が流れるものであればよく、例えば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタであってもよい。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、半導体基板の一方の主面及び他方の主面に精度よく半導体領域を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のダイオードの断面図である。
【図2】第1の実施の形態のダイオードの製造工程を示す図である。
【図3】第1の実施の形態のダイオードの製造工程を示す図である。
【図4】第1の実施の形態のダイオードの製造工程を示す図である。
【図5】第2の実施の形態のダイオードの製造工程を示す図である。
【図6】第2の実施の形態のダイオードの製造工程を示す図である。
【図7】従来のダイオードの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1 ダイオード
2 半導体基板
3 絶縁膜
4 上部電極
5 下部電極
6 n+型半導体層
6a 第1n+型半導体領域
6b 第2n+型半導体領域
7 p型半導体領域
8 フィールドリミティングリング(FLR)
9 n型半導体層
10 凹部
11 支持基板
12 シリコン酸化膜
13 凹部
Claims (4)
- 第1導電型の半導体基板の一方の主面に第1導電型の不純物を拡散し、半導体基板の一方の主面に該半導体基板よりも不純物濃度が高い第1導電型の第1半導体領域を形成する第1半導体領域形成工程と、
前記半導体基板の一方の主面に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記第1半導体領域形成工程及び前記凹部形成工程により第1半導体領域と凹部とが形成された半導体基板の一方の主面に、該半導体基板を支持する支持基板を固着する支持基板固着工程と、
前記支持基板固着工程で支持基板が固着された半導体基板を、その他方の主面側から所定の厚さに切削して、前記半導体基板を薄くするとともに、前記凹部を前記他方の主面に露出させる薄厚化工程と、
前記薄厚化工程で凹部が露出された半導体基板の他方の主面に第2導電型の不純物を拡散し、半導体基板の他方の主面に第2導電型の第2半導体領域を形成する第2半導体領域形成工程と、
前記第2半導体領域形成工程で第2半導体領域が形成された半導体基板から、該半導体基板に固着された前記支持基板を除去する支持基板除去工程と、
前記支持基板除去工程で支持基板が除去された半導体基板の一方の主面及び他方の主面に、それぞれ電極を形成する電極形成工程と、
を備え、
前記第1半導体領域形成工程では、前記半導体基板の一方の主面に拡散する不純物の拡散深さを、前記第2半導体領域に対応する領域で深くして、厚さの異なる領域を有する第1半導体領域を形成する、ことを特徴とする半導体素子の製造方法。 - 第1導電型の半導体基板の一方の主面に第1導電型の不純物を拡散し、半導体基板の一方の主面に該半導体基板よりも不純物濃度が高い第1導電型の第1半導体領域を形成する第1半導体領域形成工程と、
前記半導体基板の他方の主面に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記第1半導体領域形成工程及び前記凹部形成工程により第1半導体領域と凹部とが形成された半導体基板の一方の主面に、該半導体基板を支持する支持基板を固着する支持基板固着工程と、
前記支持基板固着工程で支持基板が固着された半導体基板を、その他方の主面側から前記凹部が残存する厚さに切削して、前記半導体基板を薄くする薄厚化工程と、
前記薄厚化工程で凹部が残存した半導体基板の他方の主面に第2導電型の不純物を拡散し、半導体基板の他方の主面に第2導電型の第2半導体領域を形成する第2半導体領域形成工程と、
前記第2半導体領域形成工程で第2半導体領域が形成された半導体基板から、該半導体基板に固着された前記支持基板を除去する支持基板除去工程と、
前記支持基板除去工程で支持基板が除去された半導体基板の一方の主面及び他方の主面に、それぞれ電極を形成する電極形成工程と、
を備え、
前記第1半導体領域形成工程では、前記半導体基板の一方の主面に拡散する不純物の拡散深さを、前記第2半導体領域に対応する領域で深くして、厚さの異なる領域を有する第1半導体領域を形成する、ことを特徴とする半導体素子の製造方法。 - 前記第2半導体領域形成工程と前記支持基板除去工程との間、または、前記第2半導体領域形成工程と同時に、前記半導体基板の他方の主面に、前記第2半導体領域を包囲するように環状に第2導電型の不純物を拡散し、半導体基板の他方の主面にフィールドリミティングリングを形成するフィールドリミティングリング形成工程を、さらに備え、
前記第1半導体領域形成工程では、前記半導体基板の一方の主面に拡散する不純物の拡 散深さを、前記第2半導体領域に対応する領域で深く、前記フィールドリミティングリングに対応する領域で浅くして、厚さの異なる領域を有する第1半導体領域を形成する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記支持基板にはシリコン酸化膜が形成され、
前記支持基板固着工程では、前記シリコン酸化膜を介して、前記半導体基板に前記支持基板を固着する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
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