JP4206703B2 - ギヤードモータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ギヤードモータの被動機械への取付に係り、特にギヤードモータの取付部の共有化による取付の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のギヤードモータを被動機械に取付ける場合、取付け方法によりフランジ形とフェースマウント形の2種類があった。そのために、従来、減速機部のギヤケースには、モータとの取付部や出力軸の形状が同じで、ギヤケースの形状が異なる2種類の専用ギヤケースが必要であった。
【0003】
説明の都合上直交軸ギヤードモータを例にとって説明する。
図8は、ギヤードモータの正面図、図9は部分断面平面図である。
図8、図9において、22は駆動源であるモータ、20a、20bは後述するギヤを収納するギヤケースで、2分割されている。20cはギヤケースの分割面である。13はギヤケース20a、20bに設けられた被動機械との取付面部、15は取付面部13に設けられた被動機械との取付、固定のための嵌合部である。モータ22と、ギヤケース20a、20bは、ブラケット21を介して取付結合されている。ギヤケースはギヤケース20a、20bと二分割されているのでギヤケース20a、20bのブラケット21との嵌合部も図示されていないが二分割されている。さらにギヤケース20a、20bのブラケット21に結合する面は、ギヤ潤滑用グリースが漏れないようにギヤケース20a、20bとブラケット21の結合面が一致した面とすることが必要でありそのため精密加工が施されている。23はモータ軸で、ブラケット21を貫通しギヤケース20a、20b内に突出している。突出しているモータ軸23の先端部には、ハイポイドピニオン23aが施されている。24は中間軸でギヤケース20a、20bに装着された軸受40、41により回転自在に支承されている。25はハイポイドギヤで中間軸24に固着されモータ軸23先端部のハイポイドピニオン23aと螺合している。26は中間軸24に固着されたピニオンで、出力軸31に固着されたギヤ32と螺合している。30a、30bは軸受でギヤケース20a、20bに装着され、出力軸31を回転自在に支承している。33はオイルシールでギヤケース20a、20bに充填されたギヤ潤滑用グリースの油漏れを防止している。60は被動機械へ駆動力を伝達する被動軸である。
【0004】
次に動作について説明する。
図10は減速機部分の構成図、図11は出力軸と被動軸の結合部詳細図で、モータ22から駆動力がモータ軸23へ伝達されるとモータ軸23先端部のハイポイドピニオン23aと螺合しているハイポイドギヤ25が回転する。ハイポイドギヤ25が回転すると中間軸24が回転し中間軸24に固着されているピニオン26が回転し、ピニオン26と螺合しているギヤ32を介して出力軸31が回転する。
出力軸31と被動軸60は例えば図11に示すように被動軸60が出力軸31の中空軸部へ挿入されている。61は出力軸31の内径部に内設された被動軸60の移動防止用の止め輪で、出力軸31の回転力はキー64を介して被動軸60に回転力が伝達される。63は出力軸31と被動軸60固定用のボルトでスペーサ62を介して固定されている。
【0005】
次にギヤードモータと被動機械との取付方法について説明する。
図12は取付面部の詳細を示す斜視図、図13は取付穴の詳細を示す断面図である。
図において、ギヤードモータを被動機械に固定する取付面部13は、出力軸31の先端部31a、31bが露出している。さらに取付面部13には、出力軸31と同心でかつ突出するフランジ部14が形成されている。フランジ部14の外径部が被動機械との嵌合部15となる。
ギヤケース20aまたは20bの取付面部13には、4ヵ所に被動機械との取付用の座グリ穴付きボルト穴16、ねじ穴17が加工されている。被動機械の取付がフランジ取付の場合は図13(a)で示す座グリ穴付きボルト穴16を加工し、フェースマウント取付の場合は図13(b)で示すねじ17を加工したものを用いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のギヤードモータでは、被動機械とのフランジ形取付とフェースマウント形取付の取付方法によって、ギヤケースの取付穴が異なる2種類の専用ギヤケースが必要で、このために、ギヤードモータを構成する部品点数が多くなるなどの問題点があった。
また、フェースマウント形のギヤケースにおいては、有効ねじ長さ以上のギヤケース板厚が必要であるために質量が重くなり、ギヤケース内部形状に設計上の制約ができるなど高価なものとなる。
また、ギヤケース20a、20bのブラケット21との嵌合部も二分割されている。さらにギヤケース20a、20bのブラケット21に結合する面は、ギヤ潤滑用グリースが漏れないようにギヤケース20a、20bとブラケット21の結合面が一致した面とすることが必要であり、そのため精度が要求されるとともに加工が難しく高価なものとなっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明のギヤードモータは、駆動力を伝達する回転軸を有するモータと、上記回転軸の伝達力が伝達される減速機と、箱体状を成し、二分割可能に形成されるとともに分割面と反対側の面には、被動機械との取付面部を有するギヤケースを備えたギヤードモータにおいて、
上記取付面部には、複数箇所に、フランジ形取付の場合にボルトを通す貫通穴を設けさらに上記貫通穴同一穴位置に、フェースマウント形取付の場合にねじ締めに使用するねじ穴を設けたものである。
また、駆動力を伝達する回転軸を有するモータと、上記回転軸の伝達力が伝達される減速機と、箱体状を成し、二分割可能に形成されるとともに分割面と反対側の面には、被動機械との取付面部を有するギヤケースを備えたギヤードモータにおいて、
上記ギヤケースは、二分割される少なくとも一方側が、上記減速機がほぼ収納可能な深さを有するとともに、この一方側に上記モータと連結すべく嵌合部を設け、かつ上記取付面部には、複数箇所に、フランジ形取付の場合にボルトを通す貫通穴を設けさらに上記貫通穴同一穴位置に、フェースマウント形取付の場合にねじ締めに使用するねじ穴を設けたものである。
また、上記ギヤケースは、軸受を介して上記回転軸を回転自在に支承するブラケットを一体形成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るギヤードモータの被動機械との取付面部の詳細を示す断面図で、13は被動機械との取付面部、50は下穴、16は座グリ穴付き穴、17はねじ穴で、座グリ穴付き穴16、ねじ穴17は下穴50と同じ穴位置に加工されている。
フェースマウント形取付の場合は、図2に示すように図1に示すねじ部51に対応したねじサイズのボルト11を使用し、被動機械とギヤケース20aまたは20bの取付面部13との間にフランジ54をはさみ、ボルト11をねじ部51に螺合させて固定する。
フランジ形取付の場合は、図3に示すようにギヤケース20bの座グリ穴付きボルト穴に下穴径50より小さいサイズのボルト10でギヤケース20b、ギヤケース20aを合わせ被動機械の取付面53に固定する。
以上のように、ギヤケース20aおよびギヤケース20bに、図1に示すようなねじ部51と下穴50を形成することでギヤードモータのフランジ形取付、フェースマウント形取付のどちらでも対応が可能となる。なお上記図3のフランジ形取付の場合において、ギヤケース20bの座グリ穴付きボルト穴16にボルト10を挿入し被動機械に取付の場合について説明したが、被動機械に取付面がギヤケース20b側にあればギヤケース20aの座グリ穴付きボルト穴16にボルト10を挿入すればよい。
【0009】
実施の形態2.
図4は、例えば一方のギヤケース20bの両端面部にねじ加工52を施すことにより他方のギヤケース20aの最大厚さは、座グリ穴付きボルト穴16の座グリ深さまたはねじ穴17のねじ穴深さとほぼ同じ厚さtにすることが可能となり、ギヤケース20aの形状を簡素化でき部品コストの削減することができる。
なお、この場合ギヤケース20bの幅は上述した減速機が収納可能な幅(深さ)を有することが必要である。
また、上記実施例では、ギヤケース20a側にねじ加工52を施す場合について説明したが、ギヤケース20a側に限定されるものではなくギヤケース20b側にねじ加工52を施して、ギヤケース20bを厚さtとしてもよい。
【0010】
実施の形態3..
図5はギヤードモータの部分断面平面図、図6は取付面部の詳細を示す斜視図で、図において、13、14、16、17、22、23、23a、31、33、40、41は図9と同様であり、その説明を省略する。
この実施の形態では、ギヤケース20bは取付面部13からギヤケース20aとの合わせ面までの幅寸法は上述した減速機部がほぼ収納可能な幅寸法である。ギヤケース20bにブラケット21との嵌合部21aを設け、他方のギヤケース20aはギヤケース20bとの嵌合部だけ設けてある。
従来のようにギヤケース20a、20bのブラケット21との嵌合部21aが分割されていないのでギヤケース20a、20b双方の精密加工が不要となり、ギヤケース20aにはブラケット21との嵌合部の加工が不要であるのでギヤケース20aの加工が容易となる。
なお、上記実施例ではブラケット21との嵌合部21をギヤケース20bに設けた場合について説明したが、ギヤケース20bに限定されるものではなくギヤケース20a側にブラケット21との嵌合部21aを設けてもよい。この場合は取付面部13からギヤケース20aとの合わせ面までの幅寸法を減速機部がほぼ収納可能な幅寸法とすればよい。
【0011】
実施の形態4.
図7はギヤードモータの部分断面平面図で、図において、22、23、23a、31、33、40、41は図9と同様であり、その説明を省略する。
図5、図6で説明したギヤケース20bにブラケット21を一体形成されている。ギヤケース20bは取付面部13からギヤケース20aとの合わせ面までの幅寸法は上述した減速機部がほぼ収納可能な幅寸法である。他方のギヤケース20aはギヤケース20bとの嵌合部だけ設けてある。
従来のようにギヤケース20a、20bのブラケット21との嵌合部21aが分割されておらず、またギヤケース20bとブラケット21との嵌合部もないのでギヤケース20a、20b双方の精密加工が不要となる。またブラケットとギヤケースとの結合部でシールする必要もなくシール用部材が不要となり品質も向上する。
なお、上記実施例ではギヤケース20bにブラケット21を設けた場合について説明したが、ギヤケース20bに限定されるものではなくギヤケース20a側にブラケット21を設けてもよい。この場合は取付面部13からギヤケース20aとの合わせ面までの幅寸法を減速機部がほぼ収納可能な幅寸法とすればよい。
【0012】
なお、上記実施例では直交軸ギヤードモータを例にとって説明したが、直交軸ギヤードモータに限定されるものではなく直交軸ギヤードモータ以外の例えば平行軸ギヤードモータであっても同様の効果を奏する。
【0013】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
駆動力を伝達する回転軸を有するモータと、上記回転軸の伝達力が伝達される減速機と、箱体状を成し、二分割可能に形成されるとともに分割面と反対側の面には、被動機械との取付面部を有するギヤケースを備えたギヤードモータにおいて、上記取付面部には、複数箇所に、フランジ形取付の場合にボルトを通す貫通穴を設けさらに上記貫通穴同一穴位置に、フェースマウント形取付の場合にねじ締めに使用するねじ穴を設けたので、フランジ形取付、フェースマウント形取付それぞれ専用のギヤケースを設ける必要がなく共有化することができ、ギヤードモータを構成する部品点数を削減することができる。
【0015】
駆動力を伝達する回転軸を有するモータと、上記回転軸の伝達力が伝達される減速機と、箱体状を成し、二分割可能に形成されるとともに分割面と反対側の面には、被動機械との取付面部を有するギヤケースを備えたギヤードモータにおいて、上記ギヤケースは、二分割される少なくとも一方側が、上記減速機がほぼ収納可能な深さを有するとともに、この一方側に上記モータと連結すべく嵌合部を設け、かつ上記取付面部には、複数箇所に、フランジ形取付の場合にボルトを通す貫通穴を設けさらに上記貫通穴同一穴位置に、フェースマウント形取付の場合にねじ締めに使用するねじ穴を設けたので、フランジ形取付、フェースマウント形取付それぞれ専用のギヤケースを設ける必要がなく共有化することができ、ギヤードモータを構成する部品点数を削減することができる。
さらに、従来のように双方のギヤケースにブラケットとの嵌合部がなく片方のギヤケースにブラケットとの嵌合部を設けたので精密加工が不要となり、ギヤケースの加工が容易となる。
【0017】
ギヤケースは、軸受を介して上記回転軸を回転自在に支承するブラケットを一体形成したので、部品点数を削減することができ、ギヤケースにブラケットとの嵌合部を設ける必要がないので精密加工が不要となり生産性の向上となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態であるギヤードモータの被動機械との取付面部の詳細を示す断面図である。
【図2】 この発明の一実施の形態であるフェースマウント形取付の場合の取付面部の詳細を示す断面図である。
【図3】 この発明の一実施の形態であるフランジ形取付の場合の取付面部の詳細を示す断面図である。
【図4】 この発明の一実施の形態である取付面部の詳細を示す断面図である。
【図5】 この発明の一実施の形態であるギヤードモータの部分断面平面図である。
【図6】 この発明の一実施の形態であるギヤードモータの取付面部の詳細を示す斜視図である。
【図7】 この発明の一実施の形態であるギヤードモータの部分断面平面図である。
【図8】 従来のギヤードモータの正面図である。
【図9】 従来のギヤードモータの部分断面平面図である。
【図10】 ギヤードモータの減速機部分の構成図である。
【図11】 出力軸と被動軸の結合部詳細図である。
【図12】 従来のギヤードモータの取付面部詳細を示す斜視図である。
【図13】 従来のギヤードモータの被動機械との取付面部の詳細を示す断面図である。
【符号の説明】
13 取付面部、 14 フランジ部、 16 座グリ穴付きボルト穴、 17 ねじ穴、20a ギヤケース、20b ギヤケース、 21 ブラケット、22 モータ、 23 モータ軸、31 出力軸、 50 下穴、 51 ねじ部。

Claims (3)

  1. 駆動力を伝達する回転軸を有するモータと、上記回転軸の伝達力が伝達される減速機と、箱体状を成し、二分割可能に形成されるとともに分割面と反対側の面には、被動機械との取付面部を有するギヤケースを備えたギヤードモータにおいて、
    上記取付面部には、複数箇所に、フランジ形取付の場合にボルトを通す貫通穴を設けさらに上記貫通穴同一穴位置に、フェースマウント形取付の場合にねじ締めに使用するねじ穴を設けたことを特徴とするギヤードモータ。
  2. 駆動力を伝達する回転軸を有するモータと、上記回転軸の伝達力が伝達される減速機と、箱体状を成し、二分割可能に形成されるとともに分割面と反対側の面には、被動機械との取付面部を有するギヤケースを備えたギヤードモータにおいて、
    上記ギヤケースは、二分割される少なくとも一方側が、上記減速機がほぼ収納可能な深さを有するとともに、この一方側に上記モータと連結すべく嵌合部を設け、かつ上記取付面部には、複数箇所に、フランジ形取付の場合にボルトを通す貫通穴を設けさらに上記貫通穴同一穴位置に、フェースマウント形取付の場合にねじ締めに使用するねじ穴を設けたことを特徴とするギヤードモータ。
  3. 上記ギヤケースは、軸受を介して上記回転軸を回転自在に支承するブラケットを一体形成したことを特徴とする請求項2記載のギヤードモータ。
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