JP4206633B2 - 蓄熱装置を有する内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱装置を有する内燃機関に関し、詳しくは、保温容器による蓄熱技術を利用して早期暖機を図る蓄熱装置を有する内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関は、特に寒冷時において、暖機促進を図りその始動性を高めることが望まれる。
【0003】
そこで、機関運転中に加熱されて高温になった機関冷却水、エンジンオイル等の熱媒体を蓄熱装置の保温容器に貯留しておき、次回の機関始動に先だって前記保温容器に貯留しておいた熱媒体を内燃機関に設けた熱媒体循環路に戻して循環させ、当該循環路が例えば機関冷却水循環路であれば当該機関冷却水循環路上に配置してある機関本体内のウォータ・ジャケットや車室用ヒータその他の昇温必要箇所に送ることにより、機関暖機の効率を高めたり、車室用ヒータの効きを高めたりする、いわゆる早期暖機技術が周知である(例えば特開平8−183324号公報参照)。
【0004】
前記蓄熱装置は、機関運転中に加熱されて高温になった熱媒体を貯留しておく保温容器を備えており、保温容器は、その中に貯留した熱媒体の温度を長時間保てるように内外二層の壁材間に断熱層である空間部を設け、この空間部を真空にして熱の伝導・対流・輻射の程度が少なくなるようにした魔法瓶のごとき瓶体である。
【0005】
また保温容器の内壁には図示しない蓄熱材を充填してあり、これにより保温容器内に蓄熱空間が画成され当該空間に前記高温機関冷却水を貯留することで図示しない蓄熱室が形成される。
【0006】
また保温容器の一部には開口があり、そこにはパイプホルダを気密状態に介在させた状態で、前回の機関運転中に確保された高温熱媒体を前記熱媒体循環路から供給する熱媒体供給路と、高温熱媒体を保温容器から熱媒体循環路に排出する熱媒体排出路とを取り付けてあり、これら熱媒体供給路と熱媒体排出路とを機関内の熱媒体循環路と接続してある。
【0007】
また熱媒体排出路または熱媒体供給路の一方には、その途中に電動ウォータポンプを有し、この電動ウォータポンプを作動することで熱媒体は機関始動前であっても保温容器→熱媒体排出路→機関本体のウォータジャケット等の熱媒体循環路→熱媒体供給路→保温容器の順で循環する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のように保温容器は魔法瓶のごとき形態をした容器であるためその保温性が十分であろうという観点から、これまで保温容器の取り付け箇所については重要視されていなかった。すなわち、保温容器は前記のごとく魔法瓶のごとき形態をしているので、保温容器の取り付け箇所がその保温性能に悪影響を及ぼすかどうかなどは考慮の対象とされなかった。
【0009】
蓄熱装置は機関始動性を高めることを主たる目的としているのでその保温容器は一般にエンジン・ルームに配置されることが多い。しかし、エンジン・ルームは、車輌走行中に機関温度を下げるという必要上の観点から風通しを良くするという設計になっている。このためエンジン・ルームに保温容器を設置すると走行風の影響で保温容器の保温性能に悪影響を及ぼす虞があった。保温性能が悪化すると暖機性の低下を招来するので好ましくない。
【0010】
しかし、近年の排気ガス浄化規制の強化により、暖機性能を高めることが重要視されている現在においては、保温容器の保温性を高めることが重要でありそのため、これまで軽視されがちだった保温容器の取り付け位置についても考慮の対象とする必要が生じてきた。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、保温容器による蓄熱技術を利用して早期暖機を図る内燃機関において、車輌が走行している間に保温容器の保温性能に走行風による悪影響を及ぼすことがない蓄熱装置を有する内燃機関を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の蓄熱装置を有する内燃機関は次のようにした
【0015】
(1)機関運転中に加熱され高温となった熱媒体を貯留し前記熱媒体の高温状態を維持して熱を蓄え、必要時に前記高温の熱媒体を昇温必要箇所に熱媒体循環路を介して流し、その時に当該熱媒体が運ぶ熱で前記昇温必要箇所の温度を上げるための保温容器と、この保温容器に前記高温熱媒体を供給する熱媒体供給路と、熱媒体供給路によって供給された前記高温熱媒体を前記保温容器から前記熱媒体循環路に排出する熱媒体排出路とを備え、
前記保温容器を機関本体に接触させた状態で取り付けたことを特徴とする蓄熱装置、を有する内燃機関。
【0016】
前記保温容器を機関本体に接触させた状態で取り付けるので、機関運転中に機関本体が放出する高熱により、保温容器の外殻が暖められる。よって、たとえ保温容器がエンジン・ルームに設置され車輌走行中にエンジン・ルームに入って来る走行風により保温容器が冷やされてしまう環境に保温容器があったとしても同時に保温容器はこれを暖める環境におかれているので、それらが相俟って結局保温容器の温度低下が抑制される。したがって、保温容器の保温性能に悪影響を及ぼすようなことがない。
【0017】
このため、保温容器内の熱媒体の温度低下が抑制されるので暖機性能を維持することができ、エミッションの悪化防止に寄与する。
)機関運転中に加熱され高温となった熱媒体を貯留し前記熱媒体の高温状態を維持して熱を蓄え、必要時に前記高温の熱媒体を昇温必要箇所に熱媒体循環路を介して流し、その時に当該熱媒体が運ぶ熱で前記昇温必要箇所の温度を上げるための保温容器と、この保温容器に前記高温熱媒体を供給する熱媒体供給路と、熱媒体供給路によって供給された前記高温熱媒体を前記保温容器から前記熱媒体循環路に排出する熱媒体排出路とを備え、前記保温容器をトランスミッションに接触させた状態で取り付けたことを特徴とする蓄熱装置、を有する内燃機関。
【0018】
前記保温容器をトランスミッションに接触させた状態で取り付けるので、車輌走行中にトランスミッションが放出する高熱により前記保温容器の外殻が暖められる。よって、たとえ保温容器がエンジン・ルームに設置され車輌走行中にエンジン・ルームに入って来る走行風により保温容器が冷やされてしまう環境にが保温容器にあったとしても同時に保温容器はこれを暖める環境におかれているので、それらが相俟って結局保温容器の温度低下が抑制される。したがって、保温容器の保温性能に悪影響を及ぼすようなことがない。
【0019】
よって、保温容器内の熱媒体の温度低下が抑制されるので暖機性能を維持することができ、エミッションの悪化防止に寄与する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蓄熱装置を有する内燃機関の実施形態を添付図面に基づいて例示する。
(第1実施形態)
第1実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0021】
図1および図2からわかるように、機関搭載車輌1は横置き式のフロント・エンジン・フロント・ドライブ(FF)車であり、そのフロント・ボディ3は、エンジン・ルーム5を有する。
【0022】
そして、エンジン・ルーム5の中には、内燃機関であるエンジン7,トランスミッション9,ラジエータ15や、図示しない、例えば排気マニホールド・シュラウド,エアクリーナ,吸気ダクト,吸気サージタンク,外気導入管等を搭載してある。
【0023】
横置き式は周知のごとくエンジンを横置きにし、エンジンと同一方向にトランスミッションを配置する方式である。
【0024】
エンジン・ルーム5は、図示しないボンネットや、左右のフロント・フェンダ8,10に対応して設けられる、サイドメンバ,フロント・フェンダ・エプロンその他の側方部材11等によって画成される空間部である。側方部材11は、機関搭載車輌1のボディ3内に配設される。
【0025】
そして、エンジン・ルーム5の中央部後方寄りにエンジン7が配置され、その右側にトランスミッション9が、また前方にはエンジン7のウォータ・ジャケットと機関冷却水循環路(図3で後述)を介してつながっているラジエータ15が配置されている。また、図1に符合16で示すものはフロント・ガラスである。
【0026】
なおこの実施形態でいう前,後,右および左は、図1にそれらの語句を用いて示した側をいう。
【0027】
エンジン・ルーム5は、ボンネットを閉めたときにエンジン7やトランスミッション9の周囲に複数のデッド・スペース17,17,・・・ができる(図2参照)。
【0028】
そしてサイドメンバやフロント・フェンダ・エプロン等の側方部材11が、エンジン・ルーム5と左右のフロント・フェンダ8,10との間の隔壁部材となっており、よって、フロント・フェンダ8,10内はエンジン・ルーム5から隔離された形態になる。
【0029】
そして、図2に示すように、当該フロント・フェンダ8または10のいずれか一方または両方の空間A(図2参照)内に、本発明に係る蓄熱装置14の保温容器58が前記側方部材11に取り付けられた状態で収納される(なお、この実施形態では右側のフロント・フェンダ10内にのみ保温容器58を取り付けた状態のものを示す。)。また、フェンダ10内に配置された保温容器58の前方,後方,上方,下方にはそれぞれヘッドライト,バンパー,ホイールハウスカバー,フード,アンダーカバー等の部材が配置されているので、保温容器58が収納されている空間Aは車輌外部と隔離された形態となる。
【0030】
図3は、エンジン7,蓄熱装置14(保温容器58)およびラジエータ15が熱媒体である機関冷却水を循環する通路(熱媒体循環路)である機関冷却水循環路50を介してつながっている状態を示す。
【0031】
機関冷却水はエンジン7,蓄熱装置14およびラジエータ15との間でウォータ・ポンプ52や電動ポンプ54によって循環する。そして機関運転中に加熱されて高温になった機関冷却水は、蓄熱装置14で蓄熱用に貯留され、機関始動時に当該貯留してあった高熱の機関冷却水をエンジン7の本体(機関本体)内に形成されたウォータジャケット21に連通する機関冷却水循環路50に戻して内燃機関の始動性の向上に寄与する(図中に示す矢印参照)。また符合56で示すものは、サーモスタットである。また、符合62および64は、蓄熱装置14の保温容器58を機関冷却水循環路50に接続して機関冷却水を保温容器58に対して流通させるための熱媒体供給路62と熱媒体排出路64である。なお、便宜上、内燃機関と機関本体とは同一のものとして取り扱うものとする。
【0032】
次に、蓄熱装置14を図4に基づいて詳しく説明する。
【0033】
蓄熱装置14は、前記のごとく機関冷却水循環路50に接続してあり、機関運転中に加熱され高温となった機関冷却水(図4の太線矢印参照)を貯留し前記機関冷却水の高温状態を維持して熱を蓄え、例えば機関始動時等の必要時に前記高温の機関冷却水をウォータジャケット21や図示しないキャビン内の室内用ヒータその他の昇温必要箇所に機関冷却水循環路50を介して流し、その時に当該機関冷却水が運ぶ熱で前記昇温必要箇所の温度を上げるための前記保温容器58を有する。
【0034】
保温容器58はその中に貯留した機関冷却水の温度を長時間保てるように内外二層の壁材(内側壁材58aおよび保温容器の外殻である外側壁材58b)間に真空層59を設け、この真空層59にシリカゲル等の表面積の大きいまたは気孔率の大きな熱伝導率の低い材料を細かくしたものを充填することで熱の伝導・対流・輻射の程度が少なくなるように蓄熱空間61が真空層59の内側に画成された魔法瓶のごとき瓶体である。なお、前記シリカゲル等の充填材を符合60で示す。また保温容器は必ずしも充填材を必要とするわけではなく、真空層を設けただけのものでも良い。
【0035】
前記蓄熱空間61に前記高温の機関冷却水を貯留する。
【0036】
そして、保温容器58は、前回の機関駆動時に高温になった機関冷却水をウォータジャケット21から供給する前記熱媒体供給路62と、熱媒体供給路62によって供給された前記高温の機関冷却水を前記保温容器58から前記機関冷却水循環路50に排出する前記熱媒体排出路64とを有する。
【0037】
また、熱媒体供給路62と熱媒体排出路64とには、保温容器58に対して熱媒体供給路62と熱媒体排出路64とを介して流通する機関冷却水の流れを制御する制御弁66を有する。制御弁66は電子制御ユニットである図示しないECUによって駆動制御される駆動機構67によりその開閉が好適に行われる。要するに制御弁は、ステッパモータやサーモバルブ等の制御指令により保温容器58に対する機関冷却水の流れを遮断できるものであればよい。
【0038】
よって、制御弁66に逆止弁を適用することもできる。この場合、一定以上の圧力が弁にかからなければ高熱の機関冷却水が保温容器58とその外部との間で流通しないあるいは流通しにくくなる。
【0039】
またこのような構造の蓄熱装置14の側方部材11への取り付けは、ゴム等の弾性材を用いたいわゆる振動低減のための定寸締めで行うとよい。図5に定寸締めの一例を示す。
【0040】
図5に符合70で示すものは、保温容器58に固着したブラケットである。そして、図5は、このブラケット70を介して側方部材11へ保温容器58をボルト72で締め付け固定した状態を示す図であるが、その際にブラケット70と側方部材11との間に金属74とその周囲をゴム等の弾性材76で囲ってなるリング体78を介在させた状態でボルト締めしてある。なお図6は、リング体78の平面図である。
【0041】
次に図7および図8に蓄熱装置14の別のタイプを示す。
【0042】
図7および図8それぞれに示す蓄熱装置14Aおよび14Bについては、図4の蓄熱装置14と相違する点のみ説明し、同一部分には同一符合を付して説明を省略する。
【0043】
図7の蓄熱装置14Aが蓄熱装置14と相違する点は、保温容器58内を高温の機関冷却水が流通する間に蓄熱空間61と機関冷却水との間で熱交換を行う熱交換器68を備えるようにした点にある。ただし、図7では、制御弁66は省略してある。
【0044】
図8の蓄熱装置14Bが蓄熱装置14と相違する点は、保温容器58の前記真空層59に断熱材から形成された支持体71,71,・・・を複数配置して、内側壁材58aを外側壁材58bで支える構造とした点にある。ただし、図8でも制御弁66は省略してある。
【0045】
また、支持体71の設置場所は、内側壁材58aに生ずる変位が大きな部位であることが好ましい。
(第1実施形態の作用効果)
次にこのような構成の第1実施形態の作用効果を述べる。
【0046】
側方部材11が、フロント・ボディ3のエンジン・ルーム5とフロント・フェンダ8,10との間の隔壁部材として機能するので、フェンダ8,10内がエンジン・ルーム5から隔離された形態となるとともに、フェンダ10の空間A内に配置された保温容器58の前方,後方,上方,下方にはそれぞれヘッドライト,バンパー,ホイールハウスカバー,フード,アンダーカバー等の部材が配置されているので、それらの部材によりフェンダ10内の保温容器58は車輌外部と隔離された形態となる。このため、車輌走行中にエンジン・ルーム5内に走行風が流れても、エンジン・ルーム5から隔離されたフロント・フェンダ10内にある保温容器58には当該走行風が当たらないようにできる。また、車輌停車中の自然の風も当たり難くなる。この結果、車輌が走行している間や車輌停車中でも保温容器の保温性能に悪影響が出ることがない。
【0047】
よって、保温容器58内の機関冷却水の温度低下が抑制されるので、暖機性能を高められ、エミッションの悪化防止に寄与する。
【0048】
また、蓄熱装置14は内外二層の壁材58aと58bとの間に真空層59を設け、この真空層59にシリカゲル等の表面積の大きいまたは気孔率の大きな熱伝導率の低い材料を細かくしたものを充填材60として用いているので、蓄熱装置14の保温性能は若干低下するものの、当該充填材が内側壁材58aの強度を高める補強剤として機能する。よって車輌走行中の振動を蓄熱装置14が受けても内側壁材58aがその影響を受けて破損したりすることもないので、安定して蓄熱装置14内の機関冷却水の保温状態を維持できる。
【0049】
また、真空層59のすべての空間内に充填材60を入れて充填しなくても真空層59に断熱材から形成された支持体71,71,・・・を複数配置し、その配置場所を内側壁材58aのうち特に外力に対して大きな変位の発生し易い箇所としておけば、真空層59による蓄熱装置14の保温性能を維持しつつ内側壁材58aの強度も維持できる。この場合、真空層59に充填材を満遍なく充填した場合と比べ変位の発生し易い箇所へ補強という形態となるので、保温性の低下を最小限に抑えるとともにコスト的にも好ましい。
【0050】
さらに定寸締めで蓄熱装置14を取り付けてあるので、蓄熱装置14の振動低減効果を期待できる。
【0051】
また、この実施形態ではフロント・フェンダ内に保温容器58を配置したものを例示したが、これはエンジンが車輌前方に位置するFF車だからであり、フロント・フェンダ内に限られるものではないことは勿論である。要はエンジンが車輌のどの位置に取り付けられるかによって保温容器58の取り付け箇所を決める。そしてその場合、エンジンルームから遠く離れた箇所でなく走行風の流れから隔離された箇所であればよい。
(第2実施形態)
図9から図12を参照して第2実施形態を説明する。
【0052】
この第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、蓄熱装置14の保温容器58の取り付け箇所だけである。よって、第1実施形態と同一部分には同一符合を付して説明を省略する。
【0053】
この第2実施形態に係る蓄熱装置14は、その保温容器58がエンジン7の周囲にある前記デッド・スペース17を利用してエンジン7に接触させた状態で取り付けてある(図9および図10参照)。
【0054】
ここで、保温容器58に関して、接触させた状態で取り付ける、とは、保温容器58自体の表面の一部をエンジン7に接触させて取り付ける他、保温容器58またはエンジン7に設けた取り付け座を介してエンジン7に直接取り付けることを指す。このようにすることで保温容器58とエンジン7との距離を短くして放熱による保温容器58の加熱が促進され、また、取り付け部や接触部を熱伝達部として保温容器58そのものを直接加熱することもできる。
【0055】
保温容器58とエンジン7は、別体としも良いし、エンジン7またはその構成部材である例えばエキゾーストマニホールドやインテークマニホールドなどと一体としても良い。この場合、その位置は、機械本体の直上部やエキゾーストマニホールドやインテークマニホールドなどのエンジン7の構成部材により覆われる内部側に配置するものであっても良い。
【0056】
そして蓄熱装置14への機関振動ができるだけ少なくなるように、保温容器58のエンジン7への取り付け場所を設定することが好ましい。要はエンジン振動が大きく減衰しない部位が好ましい。
【0057】
また、配管性の良さから熱媒体供給路62や熱媒体排出路64は耐熱性のゴム管を用いている。しかしいくら耐熱性とはいえエンジン7はその作動中に高熱を発する。よってできるだけエンジン7の発する熱の影響を熱媒体供給路62や熱媒体排出路64が受けなくなる場所に保温容器58を取り付けることが好ましい。よってエンジン7のうち保温容器58に与える熱害の少ないインテーク側のブロックに保温容器58を設置することも好適である。加えてインマニ側は搭載性の自由度が他の部位に比べて高いので、その点を考慮しても当該箇所は保温容器58の設置場所として好例である。
【0058】
また走行風の悪影響を受けても蓄熱装置14が冷えにくくなるように、機関周りの雰囲気温度が比較的高いエキマニ側に保温容器58を設けることも考えられる。しかし、その場合は、熱媒体供給路62や熱媒体排出路64がエンジン7の高熱にも十分耐えられるよう一層耐熱性の高い材質からなるものを使用することが望まれる。
【0059】
加えて、保温容器58への走行風の悪影響を回避するために、走行風の当たりにくいエンジンルーム内の乗員室側に保温容器58を設けることも考えられる。
【0060】
保温容器58のエンジン7への取り付け場所はすべてエンジン7の外壁面に接した状態のものであったが、エンジン内部、例えば図示しないオイルパン内に保温容器58を設けることも一法である。
【0061】
また図11は第1実施形態の図3に相当するものであり、両者は保温容器58の取り付け位置の違いでしかないので図3の説明を参照されたい。
(第2実施形態の応用例)
図12は、第2実施形態の応用例を示す。
【0062】
この図は、自動変速機用潤滑油であるオートマチック・トランスミッション・フルード(以下「ATF」という。)を暖めるATFウォーマ80を機関冷却水循環路50に設置することで、エンジン7の蓄熱加熱を行う場合にATFウォーマ80を介してオートマッチク・トランスミッションを暖気する場合にも適用できることを示す。
(第2実施形態の作用効果)
次にこのような構成の第2実施形態の作用効果を述べる。
【0063】
前記保温容器58を機関本体であるエンジン7に接触させた状態で取り付けるので、エンジン7の運転中にエンジン7が放出する高熱により前記保温容器58の外殻である外側壁材58bが暖められる。よって、たとえ保温容器58がエンジン・ルーム5に設置され車輌走行中にエンジン・ルーム5に入って来る走行風により保温容器58が冷やされてしまう環境に保温容器58があったとしても同時に保温容器58はこれを暖める環境におかれているので、それらが相俟って結局保温容器58の温度低下が抑制される。したがって、保温容器58の保温性能に悪影響を及ぼすことがない。
【0064】
このため、保温容器58内の機関冷却水の温度低下が抑制されるので暖機性能を維持することができ、エミッションの悪化防止に寄与する。
(第3実施形態)
図13〜図16を参照して第3実施形態を説明する。
【0065】
この第3実施形態が第1実施形態や第2実施形態と異なる点は、蓄熱装置14の保温容器58取り付け箇所だけである。よって、第1および第2実施形態と同一部分には同一符合を付して説明を省略する。
【0066】
この第3実施形態に係る蓄熱装置14の保温容器58は、エンジン7の周囲にある前記デッド・スペース17を利用してトランスミッション9に接触させた状態で取り付けてある(図13および図14参照)。そしてこの場合も蓄熱装置14への機関振動ができるだけ少なくなるように、保温容器58のトランスミッション9への取り付け場所を設定することが好ましい。
【0067】
また保温容器58をトランスミッション9に取り付ける場合にあっても保温容器58をエンジン7に取り付ける場合と同様、保温容器58をトランスミッション9に接触させた状態で取り付ける、とは、保温容器58自体の表面の一部をトランスミッション9に接触させて取り付ける他、保温容器58またはトランスミッション9に設けた取り付け座を介してトランスミッション9に直接取り付けることを指す。このようにすることで保温容器58とトランスミッション9との距離を短くして放熱による保温容器58の加熱が促進され、また、取り付け部や接触部を熱伝達部として保温容器58そのものを直接加熱することもできる。
【0068】
保温容器58とトランスミッション9は、別体としも良いし一体としても良い。この場合、その位置は、トランスミッション9の直上部であっても良い。
【0069】
加えて、保温容器58への走行風の悪影響を回避するために、走行風の当たりにくいエンジンルーム内の乗員室側に保温容器58を設けることも考えられる。
【0070】
図15は第1実施形態の図3および第2実施形態の図11に相当するものである。図15が図3や図11と異なる点は、保温容器58の取り付け位置の違いと、水冷式のトランスミッション潤滑油クーラ84を蓄熱装置14の保温容器58と接続した点にある。
(第3実施形態の作用効果)
次にこのような構成の第3実施形態の作用効果を述べる。
【0071】
前記保温容器58をトランスミッション9に接触させた状態で取り付けるので、エンジン7の運転中にトランスミッション9が放出する高熱により保温容器58の外殻である外側壁材58bが暖められる。よって、たとえ保温容器58がエンジン・ルーム5に設置され車輌走行中にエンジン・ルーム5に入って来る走行風により保温容器58が冷やされてしまう環境に保温容器58があったとしても同時に保温容器58はこれを暖める環境におかれているので、それらが相俟って結局保温容器58の温度低下が抑制される。したがって、保温容器58の保温性能に悪影響を及ぼすことがない。
【0072】
このため、保温容器58内の機関冷却水の温度低下が抑制されるので暖機性能を維持することができ、エミッションの悪化防止に寄与する。
【0073】
また、トランスミッション潤滑油クーラ84を蓄熱装置14の保温容器58と接続してあるので、機関冷却水温度が低い機関始動時に保温容器58内の蓄熱温水でトランスミッション潤滑油を加熱できるため、潤滑油の暖気を早めることができる。
【0074】
なお、以上述べた各実施形態では、蓄熱装置14の熱媒体として機関冷却水を例示したが、エンジンオイルやトランスミッション潤滑油の適用もできる。
【0075】
また、前記各蓄熱装置には保温容器58に対して熱媒体を流通させる熱媒体供給路62と熱媒体排出路64とを有するが、これらの両方あるいは一方をエンジン7またはトランスミッション9と直接接続し、配管レスにすることも考えられる。
【0076】
さらに、保温容器58の振動低減のため既述した定寸締めを採用したが、機関振動による保温容器58全体の変移を避けるためエンジン7やトランスミッション9にリジッドに締結することも考えられる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明蓄熱装置を有する内燃機関によれば、保温容器による蓄熱技術を利用して早期暖機を図る内燃機関において、車輌が走行している間に保温容器の保温性能に走行風による悪影響を及ぼすことがないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明蓄熱装置を有する内燃機関を車輌に搭載した状態を示す第1実施形態の概略平面図
【図2】図1のII−II線断面図
【図3】第1実施形態に係る蓄熱装置を有する内燃機関の機関冷却水循環路を示す図
【図4】蓄熱装置の構成図
【図5】定寸締めを説明する図
【図6】定寸締めを説明する別の図
【図7】図4に示した蓄熱装置とは別の構成の蓄熱装置の構成図
【図8】図4および図7に示した蓄熱装置とは別の構成の蓄熱装置の構成図
【図9】本発明蓄熱装置を有する内燃機関を車輌に搭載した状態を示す第2実施形態の概略平面図
【図10】図9のX−X線断面図
【図11】第2実施形態に係る蓄熱装置を有する内燃機関の機関冷却水循環路を示す図
【図12】第2実施形態の応用例を示す図
【図13】本発明蓄熱装置を有する内燃機関を車輌に搭載した状態を示す第3実施形態の概略平面図
【図14】図1のXIV−XIV線断面図
【図15】第3実施形態に係る蓄熱装置を有する内燃機関の機関冷却水循環路を示す図
【符号の説明】
1 車輌
3 フロント・ボディ
5 エンジン・ルーム
7 エンジン(内燃機関,機関本体)
8 フロント・フェンダ(フェンダ)
9 トランスミッション
10 フロント・フェンダ(フェンダ)
11 側方部材
14 蓄熱装置
14A 蓄熱装置
14B 蓄熱装置
15 ラジエータ
16 フロント・ガラス
17 デッド・スペース
21 ウォータジャケット(昇温必要箇所)
50 機関冷却水循環路(熱媒体循環路)
52 ウォータ・ポンプ
54 電動ポンプ
56 サーモスタット
58 保温容器
58a 内側壁材
58b 外側壁材
59 真空層
60 充填材
61 蓄熱空間
62 熱媒体供給路
64 熱媒体排出路
66 制御弁
67 駆動機構
68 熱交換器
70 ブラケット
71 支持体
72 ボルト
74 金属
76 弾性材
78 リング体
80 ATFウォーマ
84 水冷式のトランスミッション潤滑油クーラ
A フロント・フェンダ内の空間

Claims (3)

  1. 機関運転中に加熱され高温となった熱媒体を貯留し前記熱媒体の高温状態を維持して熱を蓄え、必要時に前記高温の熱媒体を昇温必要箇所に熱媒体循環路を介して流し、その時に当該熱媒体が運ぶ熱で前記昇温必要箇所の温度を上げるための保温容器と、
    この保温容器に前記高温熱媒体を供給する熱媒体供給路と、
    熱媒体供給路によって供給された前記高温熱媒体を前記保温容器から前記熱媒体循環路に排出する熱媒体排出路とを備え、
    前記保温容器を機関本体に接触させた状態で取り付けたことを特徴とする蓄熱装置、を有する内燃機関。
  2. 機関運転中に加熱され高温となった熱媒体を貯留し前記熱媒体の高温状態を維持して熱を蓄え、必要時に前記高温の熱媒体を昇温必要箇所に熱媒体循環路を介して流し、その時に当該熱媒体が運ぶ熱で前記昇温必要箇所の温度を上げるための保温容器と、
    この保温容器に前記高温熱媒体を供給する熱媒体供給路と、
    熱媒体供給路によって供給された前記高温熱媒体を前記保温容器から前記熱媒体循環路に排出する熱媒体排出路とを備え、
    前記保温容器をトランスミッションに接触させた状態で取り付けたことを特徴とする蓄熱装置、を有する内燃機関。
  3. 前記保温容器自体の表面の一部が、前記保温容器が取り付けられる前記機関本体又は前記トランスミッションと接触している
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄熱装置を有する内燃機関。
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