JP5853911B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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本発明は内燃機関の冷却装置に係る。特に、本発明は、冷却水循環回路に複数のサーモバルブを備え、これらサーモバルブの開閉動作によって冷却水の流路が切り換わる冷却装置の改良に関する。
従来より、自動車用エンジン等において、冬期等のように外気温度が低い場合には、吸気中に含まれる水分がスロットルバルブの周辺で凍結(アイシング)し、このスロットルバルブが吸気管内面(スロットルボディの吸気通路内面)に凍結固着してしまう可能性がある。
前記スロットルバルブの凍結固着を防止または解消するために、スロットルボディ内に冷却水通路を形成し、エンジンの冷間始動時等において、この冷却水通路にエンジン冷却水を流すことによってスロットルボディを加熱することが行われている(例えば下記の特許文献1および特許文献2を参照)。また、エンジン冷却水の温度が所定温度以上になった際にはスロットルボディ内の冷却水通路への冷却水の供給を停止するようにしている。この冷却水の供給停止は、スロットルボディ内の冷却水通路の上流側に設けられた温水カットバルブが閉鎖されることにより行われる。
特開平3−78537号公報 特開2008−106625号公報 特開2009−74381号公報
ところで、特許文献3に開示されているように、エンジンのシリンダヘッドのウォータジャケット(以下「ヘッド側ウォータジャケット」と呼ぶ場合もある)およびシリンダブロックのウォータジャケット(以下「ブロック側ウォータジャケット」と呼ぶ場合もある)に対して冷却水を並列に循環させるようにしたエンジンの冷却装置(一般に「二系統冷却装置」と呼ばれている)が提案されている。
この種の冷却装置では、例えばエンジンの冷間始動時に、ブロック側ウォータジャケットへの冷却水の供給を停止し、ヘッド側ウォータジャケットへ冷却水を供給する。これにより、シリンダヘッドの温度の過上昇を抑制しながらも、シリンダブロックの温度を早急に高めることができ、エンジン始動後の短期間のうちにエンジン内各所でのフリクションロスの低減が図れるようにして燃料消費率の改善を図ることができる。
また、この二系統冷却装置の一例としては、2つのサーモバルブを備えさせ、これらサーモバルブの開閉動作によって冷却水の流路を切り換えるようにしている。
具体的には、メインサーモバルブおよびブロックサーモバルブを備えさせている。メインサーモバルブは、エンジン本体から導出された冷却水を、ラジエータをバイパスして流す閉鎖状態と、ラジエータに流す開放状態との間で切り換え可能となっている。一方、ブロックサーモバルブは、ウォータポンプから吐出された冷却水を、ブロック側ウォータジャケットには流さず、ヘッド側ウォータジャケットに流す閉鎖状態と、両ウォータジャケットに流す開放状態との間で切り換え可能となっている。そして、エンジンの冷間始動時には、各サーモバルブが共に閉鎖状態となり、ラジエータおよびブロック側ウォータジャケットそれぞれに冷却水を流さないようにしてエンジンの早期暖機を図る。また、エンジンの暖機完了後には、各サーモバルブが共に開放状態となり、ラジエータおよびブロック側ウォータジャケットそれぞれに冷却水を流し、ラジエータによる放熱およびシリンダブロックの冷却が行われるようにする。これにより、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの温度の適正化を図る。
なお、上述した冷却装置に使用される一般的なサーモバルブは、冷却水中に配置される感温筒を有している。この感温筒内には、感温筒の壁を介して伝わる冷却水の熱に応じて膨張および収縮するサーモワックスが収容されている。そして、このサーモワックスの膨張および収縮に応じてサーモバルブが前記閉鎖状態と開放状態との間で切り換えられる構成となっている。
ところが、このような二系統冷却装置に対して上述した温水カットバルブ(スロットルボディ内の冷却水通路の上流側に設けられたサーモバルブ)が適用される場合、以下に述べる不具合を招く可能性がある。
まず、エンジンの冷間始動時には、メインサーモバルブおよびブロックサーモバルブが共に前記閉鎖状態となっている。その後、冷却水温度が上昇して温水カットバルブが開放状態から閉鎖状態に切り換わった場合に、メインサーモバルブおよびブロックサーモバルブの閉鎖状態が維持されていると、エンジン内部のウォータジャケットにおける圧力損失が上昇することになる。つまり、ウォータポンプから吐出された冷却水の略全量がヘッド側ウォータジャケットのみに流れることになるため、このヘッド側ウォータジャケット内での圧力損失が上昇することになる。このような状況では、ヘッド側ウォータジャケットの冷却水出口側とウォータポンプの吸込口側との間に配置されているメインサーモバルブの上流側圧力と下流側圧力との差が大きくなり、この圧力差によってメインサーモバルブが強制的に開放されてしまう可能性がある。このようにメインサーモバルブが強制的に開放されてしまうと、ラジエータ内部に滞留していた比較的低温度の冷却水が冷却水循環回路内を循環することになり、この冷却水が例えばヒータ(車室内暖房用のヒータ)に流れ込んでしまって、ヒータでの熱交換量(冷却水と車室内空気との間の熱交換量)が減少し、車室内の暖房能力が十分に得られなくなる可能性がある。
また、エンジンの暖機が完了してメインサーモバルブおよびブロックサーモバルブが共に前記開放状態となる状況で、未だ温水カットバルブの開放状態が維持されている場合には、ウォータポンプから吐出された冷却水の一部がスロットルボディ内の冷却水通路に流れ込むことになる。このような状況では、ラジエータに流れる冷却水量を十分に確保することができなくなり、ラジエータでの冷却水の放熱量が不足して冷却水の温度が適正温度よりも高くなり易い状況を招いてしまう。その結果、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの温度の適正化を図ることができなくなる可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数のサーモバルブを備えた冷却装置に対し、各サーモバルブの開閉切り換え温度の適正化を図ることにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、温水カットバルブと、ブロックサーモバルブと、メインサーモバルブとを備えた内燃機関の冷却装置を前提とする。温水カットバルブは、内燃機関の冷間時にスロットルボディの冷却水通路に冷却水を供給し、内燃機関の暖機後に前記スロットルボディの冷却水通路への冷却水の供給を停止する。ブロックサーモバルブは、内燃機関の冷間時にシリンダヘッドの冷却水通路に冷却水を供給し、内燃機関の暖機後に前記シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給する。メインサーモバルブは、内燃機関の冷間時にラジエータと内燃機関本体との間での冷却水の流れを停止し、内燃機関の暖機後に前記ラジエータと前記内燃機関本体との間で冷却水を循環させる。そして、前記ブロックサーモバルブが、前記シリンダヘッドの冷却水通路に冷却水を供給する状態から、前記シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給する状態に移行する冷却水温度であるブロックサーモ切り換え温度よりも、前記温水カットバルブが、前記スロットルボディの冷却水通路に冷却水を供給する状態から、前記スロットルボディの冷却水通路への冷却水の供給を停止する状態に移行する冷却水温度である温水カット切り換え温度を高く設定する。また、この温水カット切り換え温度よりも、前記メインサーモバルブが、前記ラジエータと内燃機関本体との間での冷却水の流れを停止する状態から、前記ラジエータと内燃機関本体との間で冷却水を循環させる状態に移行する冷却水温度であるメインサーモ切り換え温度をさらに高く設定する。
ここで、各バルブにおいて、状態を移行する冷却水温度とは、そのバルブの作動が開始する冷却水温度、または、バルブの作動が開始されてバルブ開度が所定開度(例えば開度30%等)に達する冷却水温度である。
この特定事項によれば、内燃機関の冷間始動時からの冷却水温度の上昇に従い、まず、ブロックサーモバルブが、シリンダヘッドの冷却水通路に冷却水を供給する状態から、シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給する状態に移行する。その後、温水カットバルブが、スロットルボディの冷却水通路に冷却水を供給する状態から、スロットルボディの冷却水通路への冷却水の供給を停止する状態に移行する。さらにその後、メインサーモバルブが、ラジエータと内燃機関本体との間での冷却水の流れを停止する状態から、ラジエータと内燃機関本体との間で冷却水を循環させる状態に移行することになる。
このため、温水カットバルブが、スロットルボディの冷却水通路への冷却水の供給を停止させる状態となった際には、既に、ブロックサーモバルブが、シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給する状態に移行している。つまり、循環する冷却水が、シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路にそれぞれ流れた状態で、温水カットバルブが、スロットルボディの冷却水通路への冷却水の供給を停止させる状態に移行することになる。このため、スロットルボディの冷却水通路への冷却水の供給が停止されても、内燃機関本体の内部における圧力損失が大幅に上昇してしまうことが抑制され、メインサーモバルブの上流側圧力と下流側圧力との差が大きくなってしまうことが防止される。その結果、この圧力差によってメインサーモバルブが強制的に開放されてしまうといった状況が回避できる。
また、冷却水の温度が上昇してメインサーモバルブが、ラジエータと内燃機関本体との間で冷却水を循環させる状態となった際には、既に、温水カットバルブは、スロットルボディの冷却水通路への冷却水の供給を停止させる状態となっている。このため、循環する冷却水の一部がスロットルボディの冷却水通路に流れ込むといったことがなくなり、メインサーモバルブが、ラジエータと内燃機関本体との間で冷却水を循環させる状態に移行した時点においてラジエータに流れる冷却水量を十分に確保することが可能になる。従って、ラジエータでの冷却水の放熱量が十分に得られ、冷却水の温度を適正温度に維持することができる。
前記冷却装置を構成する各機器の接続形態として具体的には以下のものが挙げられる。まず、前記ブロックサーモバルブに、ウォータポンプから吐出された冷却水が導入される冷却水入口、シリンダブロックの冷却水通路に連通する第1の冷却水出口、前記温水カットバルブの冷却水入口に連通する第2の冷却水出口を設ける。そして、このブロックサーモバルブが、前記シリンダヘッドの冷却水通路に冷却水を供給する状態では前記第1の冷却水出口を閉鎖し、前記シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給する状態では前記第1の冷却水出口を開放し、これら前記シリンダヘッドの冷却水通路に冷却水を供給する状態、および、前記シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給する状態の何れにおいても前記冷却水入口と前記第2の冷却水出口とを連通する構成としている。
また、前記メインサーモバルブに、シリンダヘッドの冷却水通路の冷却水出口およびシリンダブロックの冷却水通路の冷却水出口にそれぞれ連通する前記ラジエータにおける冷却水出口に連通する第1の冷却水入口、前記スロットルボディの冷却水通路に連通する第2の冷却水入口、ウォータポンプの吸込口に連通する冷却水出口を設ける。そして、このメインサーモバルブが、前記ラジエータと内燃機関本体との間での冷却水の流れを停止する状態では前記第1の冷却水入口を閉鎖し、前記ラジエータと内燃機関本体との間で冷却水を循環させる状態では前記第1の冷却水入口を開放してラジエータの冷却水出口とウォータポンプの吸込口とを連通させる構成としている。
これら回路構成においては、メインサーモバルブが、ラジエータと内燃機関本体との間での冷却水の流れを停止する状態で、且つブロックサーモバルブが、シリンダヘッドの冷却水通路に冷却水を供給する状態となっている状況で、温水カットバルブが、スロットルボディの冷却水通路に冷却水を供給する状態から、スロットルボディの冷却水通路への冷却水の供給を停止する状態に移行すると、メインサーモバルブの上流側圧力と下流側圧力との差が大きくなってメインサーモバルブが強制的に開放されてしまう虞がある。また、メインサーモバルブが、ラジエータと内燃機関本体との間で冷却水を循環させる状態で、且つブロックサーモバルブが、シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給する状態となっている状況で、温水カットバルブが、スロットルボディの冷却水通路に冷却水を供給する状態が維持されている場合には、ラジエータに流れる冷却水量を十分に確保することができなくなり、ラジエータでの冷却水の放熱量が不足してしまう虞がある。このような回路構成に対して、上述した如く、ブロックサーモ切り換え温度、温水カット切り換え温度、メインサーモ切り換え温度を適切に設定することで、これら課題を解消することが可能になる。
本発明では、温水カットバルブ、ブロックサーモバルブ、および、メインサーモバルブそれぞれの切り換え温度の適正化を図ることにより、メインサーモバルブが強制的に開放されてしまうことを回避でき、また、冷却水の温度を適正温度に維持することができる。
実施形態に係る冷却装置の冷却水循環回路を示す概略構成図である。 ブロックサーモバルブ、温水カットバルブ、メインサーモバルブそれぞれの開閉切り換え温度を説明するための図である。 エンジンの冷間始動時における冷却水の流れを示す冷却水循環回路図である。 冷却水温度がブロックサーモバルブ開放温度に到達した際の冷却水の流れを示す冷却水循環回路図である。 冷却水温度が温水カットバルブ閉鎖温度に到達した際の冷却水の流れを示す冷却水循環回路図である。 冷却水温度がメインサーモバルブ開放温度に到達した際の冷却水の流れを示す冷却水循環回路図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車用エンジンの冷却装置として本発明を適用した場合について説明する。
−冷却装置の概略構成−
図1は、本実施形態に係る冷却装置の冷却水循環回路を示す概略構成図である。この図1に示すように、冷却装置は、エンジン(内燃機関)1のシリンダヘッド2の内部に形成された冷却水通路21(以下、ヘッド側ウォータジャケットという)と、シリンダブロック3の内部に形成された冷却水通路31(以下、ブロック側ウォータジャケットという)とが互いに独立した二系統冷却装置として構成されている。なお、前記エンジン1は、コンベンショナル車両(駆動力源としてエンジンのみを搭載した車両)やハイブリッド車両(駆動力源としてエンジンおよび電動モータを搭載した車両)などに搭載されるガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどで構成されている。
図1に示すように、冷却装置は、ウォータポンプ(W/P)4、ヒータ5、ラジエータ6、スロットルボディ7、メインサーモバルブ81、ブロックサーモバルブ82、温水カットバルブ83等を主要機器とし、これら機器に冷却水(例えばLLC:Long Life Coolant)を循環させる冷却水循環回路10を備えている。
ウォータポンプ4は、エンジン1の出力軸であるクランクシャフトに連結されており、そのクランクシャフトの回転駆動力によって駆動される機械式ウォータポンプである。なお、このウォータポンプ4は電動ポンプであってもよい。
ウォータポンプ4の吐出口4aは、エンジン1のヘッド側ウォータジャケット21の冷却水入口21aにヘッド入口通路11aを介して接続されている。また、このウォータポンプ4の吐出口4aは、エンジン1のブロック側ウォータジャケット31の冷却水入口31aにブロック入口通路11bを介して接続されている。前記ブロック側ウォータジャケット31の冷却水入口側(シリンダブロック3の内部)に前記ブロックサーモバルブ82が配置されており、このブロックサーモバルブ82の冷却水入口82aが、前記ブロック側ウォータジャケット31の冷却水入口31aとなっている。
なお、ブロックサーモバルブ82は、シリンダブロック3の外部に配置されていてもよい。また、ウォータポンプ4は、配管を介して各ウォータジャケット21,31に接続されていてもよいし、シリンダブロック3に一体的に組み込まれ、その冷却水吐出側が各ウォータジャケット21,31に連通した構成となっていてもよい。
前記ブロックサーモバルブ82は、前記冷却水入口82aおよび冷却水出口82b,82cを備えている。前述した如く、冷却水入口82aはブロック入口通路11bを介してウォータポンプ4の吐出口4aに接続されている。一方の冷却水出口(本発明でいう第1の冷却水出口)82bはブロック側ウォータジャケット31に接続されている。また、他方の冷却水出口(本発明でいう第2の冷却水出口)82cは温水カットバルブ83の冷却水入口83aに接続されている。
このブロックサーモバルブ82は、エンジン1の冷間始動時には閉鎖状態となり、ブロック入口通路11bから流入した冷却水をブロック側ウォータジャケット31に流すことなく、温水カットバルブ83側のみに流すようになっている。つまり、このブロックサーモバルブ82には、前記ブロック入口通路11bと温水カットバルブ83とを常時連通する通路が設けられており、ブロックサーモバルブ82が閉鎖状態(ブロック側ウォータジャケット31に冷却水を流さない状態)であっても、温水カットバルブ83側への冷却水の流れを許容する構成となっている。なお、このようなブロックサーモバルブ82の閉鎖状態にあっては、エンジン本体(内燃機関本体)1aの内部においては、ヘッド側ウォータジャケット21のみに冷却水が流れる状態となる。
一方、このブロックサーモバルブ82は、冷却水の温度が所定温度に達して開放状態になると、ブロック入口通路11bから流入した冷却水をブロック側ウォータジャケット31に流すようになっている。この場合、エンジン本体1aの内部にあっては、ヘッド側ウォータジャケット21およびブロック側ウォータジャケット31の両方に冷却水が流れる状態となる。
具体的に、ブロックサーモバルブ82は、弁体に変位を与える感熱部を備え、その感温部のサーモワックスの膨張・収縮によって作動する弁装置であって、冷却水温が比較的低い場合は、閉鎖状態となって、ブロック側ウォータジャケット31側の連通路を閉鎖して、ブロック側ウォータジャケット31に冷却水を流さないようになっている。一方、エンジン1の暖機完了後、すなわち冷却水温度が比較的高い場合には、その冷却水温に応じて開放状態となって、ブロック側ウォータジャケット31側の連通路を開放して、ブロック側ウォータジャケット31に冷却水を流すようになっている。このような感温型のバルブ開閉機構については公知(例えば、特開2012−117485号公報や特開2012−102690号公報を参照)であるためここでの説明は省略する。なお、後述するメインサーモバルブ81および温水カットバルブ83についても同様である。また、このブロックサーモバルブ82が閉鎖状態から開放状態に移行する冷却水温度(本発明でいうブロックサーモ切り換え温度)については後述する。
前記ヘッド側ウォータジャケット21の冷却水出口21bは、ヘッド出口通路11cを介してヒータ5の冷却水入口5aおよびラジエータ6の冷却水入口6aにそれぞれ接続されている。前記ブロック側ウォータジャケット31の冷却水出口31bは、ブロック出口通路11dを介して前記ヘッド出口通路11cに接続されている。このブロック出口通路11dは、エンジン本体1aの外部に設けられていてもよいし、エンジン本体1aの内部に形成されていてもよい。
ヒータ5は、冷却水の熱を利用して車室内を暖房するための熱交換器であって、エアコンディショナの送風ダクトに臨んで配置されている。つまり、車室内の暖房時(ヒータON時)には送風ダクト内を流れる空調風をヒータ5(ヒータコア)に通過させて温風として車室内に供給する一方、それ以外(例えば冷房時)のとき(ヒータOFF時)には空調風がヒータ5をバイパスするようになっている。
前記ヒータ5の冷却水出口5bの下流側の流路にはオイルクーラ9が分岐接続されている。このオイルクーラ9は、例えば変速機の作動油(ATF;Automatic Transmission Fluid)を温度調整するための熱交換器であって、オイルクーラとしての機能(オイル温度が高い場合)だけでなくオイルウォーマとしての機能(オイル温度が低い場合)も果たすものとなっている。
また、ラジエータ6は、冷却水と外気(走行風や、冷却ファンの駆動による送風)との間で熱交換を行い、冷却水の熱を外気に放出することで冷却水を冷却するようになっている。また、前記ラジエータ6にはリザーブタンク61が並列接続されている。
ヒータ5の冷却水出口5bおよびラジエータ6の冷却水出口6bは、それぞれ、メインサーモバルブ81の冷却水入口81a,81bに接続されている。また、メインサーモバルブ81の冷却水出口81dはウォータポンプ4の吸込口4bに接続されている。
具体的に、このメインサーモバルブ81は、前記冷却水入口81a,81b,81cおよび冷却水出口81dを備え、前述した如く、冷却水入口81aはヒータ5の冷却水出口5bに、冷却水入口(本発明でいう第1の冷却水入口)81bはラジエータ6の冷却水出口6bにそれぞれ接続されている。また、冷却水入口(本発明でいう第2の冷却水入口)81cは、スロットルボディ7の内部に形成されている冷却水通路の下流端である冷却水出口7bに接続されている。なお、前記スロットルボディ7は、エンジン1の吸気系に配設され、吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ、および、このスロットルバルブの開度を調整するスロットルモータ(共に図示省略)を備えている。
前記メインサーモバルブ81は、エンジン1の冷間始動時には閉鎖状態となり、冷却水入口81b(ラジエータ6との接続口)と冷却水出口81dとの間を遮断する。つまり、ラジエータ6とエンジン1との間での冷却水の流れを停止させる。また、このメインサーモバルブ81は、冷却水の温度が所定温度に達して開放状態になると、前記冷却水入口81bと冷却水出口81dとを連通させる。つまり、ラジエータ6とエンジン本体1aとの間で冷却水を循環させる。
具体的に、メインサーモバルブ81は、弁体に変位を与える感熱部を備え、その感温部のサーモワックスの膨張・収縮によって作動する弁装置であって、冷却水温が比較的低い場合は、閉鎖状態となって、ラジエータ6とウォータポンプ4との間の冷却水通路を遮断(冷却水入口81bと冷却水出口81dとの間を遮断)して、ラジエータ6に冷却水が流れないようにする。一方、エンジン1の暖機完了後、すなわち冷却水温度が比較的高い場合には、その冷却水温に応じて開放状態となって、冷却水入口81bと冷却水出口81dとが連通してラジエータ6に冷却水の一部が流れるようする。なお、このメインサーモバルブ81が閉鎖状態から開放状態に移行する冷却水温度(本発明でいうメインサーモ切り換え温度)については後述する。
なお、メインサーモバルブ81の冷却水入口81a(ヒータ5との接続口)と冷却水出口81dとは常に連通しており、その冷却水入口81aから冷却水出口81dに向けて流れる冷却水が前記感温部に接触するようになっている。また、メインサーモバルブ81の冷却水入口81c(スロットルボディ7との接続口)と冷却水出口81dとの間も常に連通している。
前記温水カットバルブ83は、スロットルボディ7の内部に形成されている冷却水通路に冷却水を供給する状態と冷却水の供給を停止する状態とが切り換え可能となっている。つまり、この温水カットバルブ83は、冷却水入口83aが前記ブロックサーモバルブ82の冷却水出口82cに接続されており、冷却水出口83bが前記スロットルボディ7内の冷却水通路の上流端である冷却水入口7aに接続されている。また、上述した如く、このスロットルボディ7内の冷却水通路の下流端である冷却水出口7bは前記メインサーモバルブ81の冷却水入口81cに接続されている。
この温水カットバルブ83は、エンジン1の冷間始動時には開放状態となり、ウォータポンプ4から吐出された冷却水を、ブロック入口通路11bおよびブロックサーモバルブ82を経て、スロットルボディ7内の冷却水通路に流すようになっている。このスロットルボディ7内の冷却水通路への冷却水の供給は、前記ブロックサーモバルブ82が閉鎖状態となっていても、ブロック入口通路11bと温水カットバルブ83とが常に連通状態となっているため可能となっている。
また、温水カットバルブ83は、冷却水の温度が所定温度に達して閉鎖状態になると、スロットルボディ7内の冷却水通路への冷却水の流れを遮断する。なお、この温水カットバルブ83が開放状態から閉鎖状態に移行する冷却水温度(本発明でいう温水カット切り換え温度)については後述する。
また、この温水カットバルブ83も、前述した各サーモバルブ81,83と同様に、弁体に変位を与える感熱部を備え、その感温部のサーモワックスの膨張・収縮によって作動する弁装置であって、冷却水温が比較的低い場合は、開放状態となって、ブロック入口通路11bとスロットルボディ7内の冷却水通路とを連通させて、スロットルボディ7内の冷却水通路に冷却水を流す。一方、エンジン1の暖機完了後、すなわち冷却水温度が比較的高い場合には、その冷却水温に応じて閉鎖状態となって、ブロック入口通路11bとスロットルボディ7内の冷却水通路とを遮断して、スロットルボディ7内の冷却水通路に冷却水が流れないようにする。なお、この温水カットバルブ83が開放状態から閉鎖状態に移行する冷却水温度については後述する。
このように、冷却装置の冷却水循環回路10の概略としては、ウォータポンプ4の冷却水吐出側が、ヘッド側ウォータジャケット21およびブロック側ウォータジャケット31に分岐され、ブロック側ウォータジャケット31側にブロックサーモバルブ82が設けられている。また、ヘッド側ウォータジャケット21およびブロック側ウォータジャケット31の出口側は合流された後、ヒータ5側の流路とラジエータ6側の流路とに分岐され、それぞれがメインサーモバルブ81に接続されている。さらに、このメインサーモバルブ81の出口側がウォータポンプ4の吸い込み側に接続されている。また、ブロックサーモバルブ82には温水カットバルブ83が接続されており、この温水カットバルブ83の出口側がスロットルボディ7に接続され、このスロットルボディ7の出口側が前記メインサーモバルブ81に接続された構成となっている。
−各サーモバルブの開閉切り換え温度−
次に、前記ブロックサーモバルブ82、温水カットバルブ83、メインサーモバルブ81それぞれにおける開閉切り換え温度について説明する。
図2に示すように、ブロックサーモバルブ82の開閉切り換え温度(ブロックサーモ切り換え温度)はαに設定されている。つまり、冷却水温度がαに達した時点で、ブロックサーモバルブ82は閉鎖状態から開放状態に切り換わる。この温度αとして具体的には、75℃以上で79℃未満の範囲の値に設定される。例えば78℃に設定されている。
また、温水カットバルブ83の開閉切り換え温度(温水カット切り換え温度)はβに設定されている。つまり、冷却水温度がβに達した時点で、温水カットバルブ83は開放状態から閉鎖状態に切り換わる。この温度βとして具体的には、79℃以上で81℃未満の範囲の値に設定される。例えば80℃に設定されている。
また、メインサーモバルブ81の開閉切り換え温度(メインサーモ切り換え温度)はγに設定されている。つまり、冷却水温度がγに達した時点で、メインサーモバルブ81は閉鎖状態から開放状態に切り換わる。この温度γとして具体的には、81℃以上で85℃未満の範囲の値に設定される。例えば82℃に設定されている。
以上の各温度はこれに限定されるものではなく適宜設定が可能である。
また、各バルブ81,82,83の開閉切り換え温度を互いに異ならせるための具体的な手段としては、前記サーモワックスの種類を互いに異なるものとしたり、前記弁体の変位を制限するスプリングの付勢力を互いに異なるものとしたり、前記感熱部の構成を互いに異なるものとするなどといったことが挙げられる。なお、各バルブ81,82,83の開閉切り換え温度を互いに異ならせるための手段は、これらには限定されない。
このように、ブロックサーモバルブ82の開閉切り換え温度(ブロックサーモ切り換え温度)αに比べて温水カットバルブ83の開閉切り換え温度(温水カット切り換え温度)βは高く設定され、温水カットバルブ83の開閉切り換え温度βに比べてメインサーモバルブ81の開閉切り換え温度(メインサーモ切り換え温度)γは高く設定されている。言い換えると、温水カットバルブ83の開閉切り換え温度βを、ブロックサーモバルブ82の開閉切り換え温度αよりも高く、且つメインサーモバルブ81の開閉切り換え温度γよりも低く設定している。
このため、エンジン1の冷間始動時には、ブロックサーモバルブ82が閉鎖状態、温水カットバルブ83が開放状態、メインサーモバルブ81が閉鎖状態となっており、その後に冷却水の温度が上昇していくと、まず、ブロックサーモバルブ82が閉鎖状態から開放状態に切り換わり、その後、温水カットバルブ83が開放状態から閉鎖状態に切り換わり、さらにその後、メインサーモバルブ81が閉鎖状態から開放状態に切り換わることになる。
−冷却水循環動作−
次に、上述の如く構成された冷却装置における冷却水循環動作について説明する。以下では、エンジン1の冷間始動時における冷却水循環動作、冷却水の温度がブロックサーモバルブ82の開放温度(ブロックサーモ切り換え温度)に到達した際の冷却水循環動作、冷却水の温度が温水カットバルブ83の閉鎖温度(温水カット切り換え温度)に到達した際の冷却水循環動作、冷却水の温度がメインサーモバルブ81の開放温度(メインサーモ切り換え温度)に到達した際の冷却水循環動作について図3〜図6を用いて順に説明する。なお、図3〜図6に示す冷却水循環回路10において実線の矢印は冷却水が流れている通路およびその冷却水の流れ方向を示し、破線は冷却水が流れていない通路を示している。
(冷間始動時)
まず、エンジン1の冷間始動時には、冷却水温度がブロックサーモバルブ82の開放温度未満となっており、ブロックサーモバルブ82が閉鎖状態、温水カットバルブ83が開放状態、メインサーモバルブ81が閉鎖状態となっている。この場合における冷却水循環動作は、図3に示すように、ブロックサーモバルブ82が閉弁状態となっていることから、ブロック側ウォータジャケット31内の冷却水の流通が停止される(ブロック内水停止)。このようなブロック内水停止によって、シリンダブロック3の温度を早急に高めることができるので、エンジン本体1a内のフリクションロス等を低減することができ、燃費(燃料消費率)の改善を図ることができる。また、メインサーモバルブ81も閉鎖状態となっているため、ラジエータ6には冷却水が流れず、これにより、エンジン1の早期暖機が図れるようになっている。また、温水カットバルブ83が開放状態となっているため、ウォータポンプ4から吐出された冷却水の一部は、ブロック入口通路11b、ブロックサーモバルブ82、温水カットバルブ83を経てスロットルボディ7内の冷却水通路に流れ込む。これにより、スロットルボディ7が加熱され、スロットルバルブの凍結固着を防止または解消できる。
(ブロックサーモバルブ開放温度到達時)
その後、冷却水温度が上昇していき、前記ブロックサーモバルブ開放温度に到達すると、ブロックサーモバルブ82が開放状態に切り換わる。この場合における冷却水循環動作は、図4に示すように、ブロックサーモバルブ82が開放状態となることから、ブロック側ウォータジャケット31内への冷却水の流通が開始される。これにより、シリンダブロック3の温度の過上昇が抑制される状態となる。その他の冷却水流れは、前述した冷間始動時の場合と同様である。
(温水カットバルブ閉鎖温度到達時)
冷却水温度が更に上昇していき、前記温水カットバルブ閉鎖温度に到達すると、温水カットバルブ83が閉鎖状態に切り換わる。この場合における冷却水循環動作は、図5に示すように、温水カットバルブ83が閉鎖状態となることから、スロットルボディ7内の冷却水通路への冷却水の供給が停止される。これにより、スロットルボディ7内の冷却水通路に比較的高温の冷却水が流れ込むことに起因して吸入空気の温度が上昇してしまって吸気充填効率が悪化してしまうといった状況を回避し、エンジン性能が確保でき、車両加速時の応答性が良好に確保できる。その他の冷却水流れは、前述したブロックサーモバルブ開放温度到達時の場合と同様である。
(メインサーモバルブ開放温度到達時)
さらに冷却水温度が上昇していき、前記メインサーモバルブ開放温度に到達すると、メインサーモバルブ81が開放状態に切り換わる。この場合における冷却水循環動作は、図6に示すように、メインサーモバルブ81が開放状態となることから、ラジエータ6内への冷却水の流通が開始される。これにより、冷却水の温度を適正に調整することができ、シリンダヘッド2およびシリンダブロック3の温度の適正化を図ることができる。その他の冷却水流れは、前述した温水カットバルブ閉鎖温度到達時の場合と同様である。
−作用・効果−
以上説明したように、本実施形態では、冷却水温度の上昇に従い、まず、ブロックサーモバルブ82が閉鎖状態から開放状態に切り換わり、その後、温水カットバルブ83が開放状態から閉鎖状態に切り換わり、さらにその後、メインサーモバルブ81が閉鎖状態から開放状態に切り換わる。
このため、温水カットバルブ83が開放状態から閉鎖状態に移行した際には、既に、ブロックサーモバルブ82が閉鎖状態から開放状態に切り換わっている。つまり、ウォータポンプ4から吐出された冷却水が、ヘッド側ウォータジャケット21およびブロック側ウォータジャケット31にそれぞれ流れた状態(分流された状態)で温水カットバルブ83が開放状態から閉鎖状態に移行する。このため、エンジン本体1aの内部における圧力損失の大幅な上昇が抑制され、メインサーモバルブ81の上流側圧力と下流側圧力との差が大きくなってしまうことが防止される。その結果、この圧力差によってメインサーモバルブ81が強制的に開放されてしまうといった状況が回避できる。例えば、メインサーモバルブ81が強制的に開放されてしまうと、ラジエータ6内部に滞留していた比較的低温度の冷却水が冷却水循環回路10内を循環することになり、この冷却水が例えばヒータ5に流れ込んでしまうと、ヒータ5での熱交換量(冷却水と車室内空気との間の熱交換量)が減少し、車室内の暖房能力が十分に得られなくなる可能性があるが、本実施形態によれば、このような状況を回避することが可能であり、車室内の暖房能力を高く維持できる。
また、エンジン1の暖機が完了してメインサーモバルブ81が開放状態となる際には、既に、温水カットバルブ83は閉鎖状態となっている。つまり、ウォータポンプ4から吐出された冷却水の一部がスロットルボディ7内の冷却水通路に流れ込むことが、メインサーモバルブ81が開放状態となる時点では解除されている。このため、ラジエータ6に流れる冷却水量を十分に確保することが可能になる。従って、ラジエータ6での冷却水の放熱量が十分に得られ、冷却水の温度を適正温度に維持することができる。その結果、シリンダヘッド2およびシリンダブロック3の温度の適正化を図ることができ、また、吸入空気の温度上昇を抑制でき、吸気充填効率を高く維持することができる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態では、温水カットバルブ83への冷却水の導入は、ブロック入口通路11bからブロックサーモバルブ82の内部を通過して行うようにしていた。本発明はこれに限らず、ブロック入口通路11bと温水カットバルブ83とを直接的に連通させる(ブロックサーモバルブ82を経ることなく連通させる)通路を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、シリンダブロック3の冷却水入口側(ブロック側ウォータジャケット31の上流端)にブロックサーモバルブ82を配置した冷却装置に、本発明を適用した例を示しているが、これに限られることなく、シリンダブロック3の冷却水出口側(ブロック側ウォータジャケット31の下流端)にブロックサーモバルブ82が配置される冷却装置にも本発明は適用可能である。この場合、温水カットバルブ83への冷却水供給経路は、ブロックサーモバルブ82を通過することなく、シリンダブロック3の冷却水入口側または前記ブロック入口通路11bから分岐された通路が温水カットバルブ83の冷却水入口83aに接続される構成とする。
また、上記実施形態では、車両の搭載されるエンジン1の冷却装置に本発明を適用した例について説明したが、これに限られることなく、車両用エンジン以外の内燃機関の冷却装置に対しても本発明は適用が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関(エンジン)の冷却装置に利用可能であり、さらに詳しくは、暖機に伴って冷却水の流路を切り換えるための複数のサーモバルブを備えた冷却装置に有効に利用できる。
1 エンジン(内燃機関)
1a エンジン本体(内燃機関本体)
2 シリンダヘッド
21 ヘッド側ウォータジャケット(シリンダヘッドの冷却水通路)
21b 冷却水出口
3 シリンダブロック
31 ブロック側ウォータジャケット(シリンダブロックの冷却水通路)
31b 冷却水出口
4 ウォータポンプ
4a 吐出口
6 ラジエータ
6b 冷却水出口
7 スロットルボディ
81 メインサーモバルブ
81b 冷却水入口(第1の冷却水入口)
81c 冷却水入口(第2の冷却水入口)
81d 冷却水出口
82 ブロックサーモバルブ
82a 冷却水入口
82b 冷却水出口(第1の冷却水出口)
82c 冷却水出口(第2の冷却水出口)
83 温水カットバルブ
83a 冷却水入口
α ブロックサーモ切り換え温度
β 温水カット切り換え温度
γ メインサーモ切り換え温度

Claims (3)

  1. 内燃機関の冷間時にスロットルボディの冷却水通路に冷却水を供給し、内燃機関の暖機後に前記スロットルボディの冷却水通路への冷却水の供給を停止する温水カットバルブと、
    内燃機関の冷間時にシリンダヘッドの冷却水通路に冷却水を供給し、内燃機関の暖機後に前記シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給するブロックサーモバルブと、
    内燃機関の冷間時にラジエータと内燃機関本体との間での冷却水の流れを停止し、内燃機関の暖機後に前記ラジエータと前記内燃機関本体との間で冷却水を循環させるメインサーモバルブと、を備えた内燃機関の冷却装置において、
    前記ブロックサーモバルブが、前記シリンダヘッドの冷却水通路に冷却水を供給する状態から、前記シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給する状態に移行する冷却水温度であるブロックサーモ切り換え温度よりも、前記温水カットバルブが、前記スロットルボディの冷却水通路に冷却水を供給する状態から、前記スロットルボディの冷却水通路への冷却水の供給を停止する状態に移行する冷却水温度である温水カット切り換え温度が高く設定され、
    この温水カット切り換え温度よりも、前記メインサーモバルブが、前記ラジエータと内燃機関本体との間での冷却水の流れを停止する状態から、前記ラジエータと内燃機関本体との間で冷却水を循環させる状態に移行する冷却水温度であるメインサーモ切り換え温度がさらに高く設定されていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記ブロックサーモバルブには、ウォータポンプから吐出された冷却水が導入される冷却水入口、シリンダブロックの冷却水通路に連通する第1の冷却水出口、前記温水カットバルブの冷却水入口に連通する第2の冷却水出口が設けられており、
    このブロックサーモバルブは、前記シリンダヘッドの冷却水通路に冷却水を供給する状態では前記第1の冷却水出口が閉鎖され、前記シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給する状態では前記第1の冷却水出口が開放され、これら前記シリンダヘッドの冷却水通路に冷却水を供給する状態、および、前記シリンダヘッドの冷却水通路およびシリンダブロックの冷却水通路それぞれに冷却水を供給する状態の何れにおいても前記冷却水入口と前記第2の冷却水出口とは連通されている構成となっていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記メインサーモバルブには、シリンダヘッドの冷却水通路の冷却水出口およびシリンダブロックの冷却水通路の冷却水出口にそれぞれ連通する前記ラジエータにおける冷却水出口に連通する第1の冷却水入口、前記スロットルボディの冷却水通路に連通する第2の冷却水入口、ウォータポンプの吸込口に連通する冷却水出口が設けられており、
    このメインサーモバルブは、前記ラジエータと内燃機関本体との間での冷却水の流れを停止する状態では前記第1の冷却水入口が閉鎖され、前記ラジエータと内燃機関本体との間で冷却水を循環させる状態では前記第1の冷却水入口が開放されてラジエータの冷却水出口とウォータポンプの吸込口とを連通させる構成となっていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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