JP4206354B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

この発明は、光ディスク装置に関し、特に、キャリッジおよびレンズアクチュエータの位置制御を行う機能を有する光ディスク装置に関する。
光ディスク装置は、半導体レーザによりレーザ光を発生し、このレーザ光を対物レンズで微小のスポット光(以下、光スポットという。)に絞り込んでディスク面に照射し、当該ディスク面への情報の書き込み若しくは読み取りを行うように構成されている。例えば光磁気ディスクの場合、ディスク面には光スポットを案内する案内溝(グルーブ)が螺旋状に形成され、グルーブで挟まれた凸の部分(ランド)に情報が記録されるようになっている。ランドは情報が記録されるトラックに相当し、トラック1周は、複数のセクタ(情報の記録単位)に分割されている。
ディスク面に形成されたトラックへの情報の記録及び再生における光スポットのアクセス制御では、まず指定されたトラックに光スポットが移動され、次にそのトラック上の各セクタのアドレス情報を読み取って指定された情報の記録位置又は再生位置(セクタ位置)に光スポットが位置決めされる。
このように、光スポットをディスクに形成された目標トラックの位置に移動させる動作をシーク動作という。
今日では、光ディスク装置の小型化,薄型化のために、光スポットを発生させる構成ブロックをキャリッジ内に搭載するものが提案されている。たとえば、光ディスクの半径方向に移動可能なキャリッジに、光ビームを発生させるレーザダイオード,光ディスクに光を集光させる対物レンズ,プリズムなどの光学素子,フォーカスエラー信号(FES)を検出する焦点信号検出系部材,トラッキングエラー信号(TES)を検出するトラッキング信号検出系部材,対物レンズを微小移動させるためのレンズアクチュエータなどの要素が、キャリッジに搭載されている。
このような光ディスク装置では、キャリッジ全体をディスクの半径方向に大きく移動させて光スポットを目標トラック付近に近づけるシーク動作(粗シーク動作)と、レンズアクチュエータによって対物レンズをディスクの半径方向に微小移動させて、光スポットを正確に目標トラックに合わせるシーク動作(密シーク動作)とを組み合わせて、2段階でシーク制御が行われている。
粗シーク動作は、ステッピングモータまたはDCモータを用いて行われるが、リードスクリューまたはギアを介してキャリッジを直線的に駆動している。粗シーク動作において、省電力化と薄型化のためには、ステッピングモータとギアを組み合わせたものが使用されることが多い。
ねじ切りされた直線的な伝達部材(ギア部材)にキャリッジを搭載し、ステッピングモータの回転力を伝達部材に伝え、伝達部材が回転することにより、キャリッジがディスクの半径方向に直線的に移動させられる。
一般に、ステッピングモータ制御部に、パルス信号(駆動パルス)が1つ与えられると、あらかじめ決められた励磁パターンでステッピングモータを駆動し、一定の角度θoだけモータが回転するようになっており、このθoに対応する距離Loだけ、キャリッジが直線的に移動させられる。すなわち、キャリッジは、最小移動距離Loを単位として離散的に移動させられることになり、距離Loよりも小さな距離だけ移動することはできないので、正確なトラッキングのために対物レンズを微小移動させるレンズアクチュエータが使われる。
レンズアクチュエータは、対物レンズの近傍に取り付けられた1対の電磁石などによって構成され、磁石の吸引力により対物レンズの位置が制御される。電磁石に通電しない場合は、対物レンズはいわゆる基準となる中立点に位置しているが、通電した場合には、電磁石の吸引力により対物レンズは中立点からわずかにずれた位置に変位させられる。また、対物レンズはバネに取り付けられ、通電をやめると、バネの復元力によりもとの中立点に戻る。
ところで、光ディスクに偏心がない場合は、以上のような2段階のシーク制御により正確に光スポットの位置を目標トラックに合わせることができ、一度位置合わせが行われると、光スポットが目標トラックからずれることはない。
しかし、一般に光ディスクは偏心しているので、同心円状にトラックが形成されている場合でも螺旋状に案内溝が形成されている場合でも、一回転する間に光スポットの位置は、目標トラックの位置から左右にずれてしまう。
そこで、光ディスクからの反射光を利用して、光スポットのトラック位置からのずれに対応した信号(トラッキングエラー信号(TES))を検出する回路(トラッキングエラー信号検出回路)が設けられており、このTES信号をもとにレンズアクチュエータが、対物レンズのキャリッジにおける位置を変位させることにより、偏心に追従して光スポットの照射位置を、光ディスクの目標トラックの位置に自動調整している。
また、光ディスクの偏心量を検出して、偏心を補正することにより正確なシーク制御を行う技術が数多く提案されている(たとえば、特許文献1,2参照)。
また、トラッキングエラー信号(TES)を利用して、ディスクの偏心を予め学習しておいて、そのディスクの記録再生を行う時に学習によって得た偏心情報を用いてトラッキング制御等をする光ディスク装置も提案されている(たとえば、特許文献3,4参照)。
特開平5−109101号公報 特開平5−144051号公報 特開2000−339729号公報 特開平11−86309号公報
ところで、ディスクに偏心がある場合、前記したように、レンズアクチュエータによって対物レンズの位置が微小に変位させられる。しかし、対物レンズの変位量には限界があり、所定の最大変位量(以下、スライスと呼ぶ)を超えるような偏心があった場合には、レンズアクチュエータによる対物レンズの変位で偏心に追従することは好ましくないので、ステッピングモータを駆動し、キャリッジ自体を対物レンズを変位させた方向に移動させることが行われる。
ディスクに偏心がある場合、ディスクが一回転する間において、一旦左側にトラック位置がずれたとすると、逆に右側にずれる場合があり、キャリッジを逆方向に移動(戻す)させることが必要となる場合がある。したがって、偏心の大きさによっては、最初の位置ずれとは逆の戻りずれがあるので、1回のみならず、ディスクの一回転の間に2回、ステッピングモータが駆動させる場合があることになる。
このようなキャリッジを往復させるようなステッピングモータの駆動は、正確なトラッキングのために必要な動作であるが、ディスクの1回転ごとに必ず行われるために、消費電力の増大をもたらす。
また、このようなステッピングモータの駆動は、数msecという短時間に行われることになるので、レンズアクチュエータに振動を与えることになり、トラッキングの性能に悪影響を与えてしまう。
さらに、対物レンズがバネで支えられている場合、レンズアクチュエータの駆動時に、バネが戻ろうとする反作用のために、トラッキングに外乱を与えることになり、トラッキングサーボの安定性が失われる場合もある。
そこで、この発明は以上のような事情を考慮してなされたものであり、キャリッジに対する対物レンズの位置を検出するレンズ位置検出部を備えて、レンズ位置検出部によって検出されたレンズ位置信号(LPOS)に含まれる偏心成分を学習処理により除去することにより、ステッピングモータの不必要な駆動をなくし、トラッキング制御の安定化と低消費電力化を図ることのできる光ディスク装置を提供することを課題とする。
この発明は、光ディスクに対して対向配置され、光ディスクの半径方向に移動可能なキャリッジと、キャリッジを駆動する第1駆動部と、キャリッジに搭載されレーザ光を光ディスク媒体に集光する対物レンズと、キャリッジに搭載され対物レンズを光ディスクの半径方向に変位させる第2駆動部と、キャリッジに固定設置され前記対物レンズの位置情報を検出するレンズ位置検出部と、前記対物レンズの位置情報から光ディスクの偏心成分情報を除去した位置検出信号を生成する偏心除去部と、前記位置検出信号を用いてキャリッジを駆動させるべきか否かを判断し、その判断結果に基づいてキャリッジの駆動開始指示を第1駆動部に与える変位検出部とを備え、前記偏心除去部が、対物レンズの位置情報を学習し、その位置情報に含まれた光ディスクの偏心成分情報を算出する学習処理部と、対物レンズの位置情報を学習した後に算出された偏心成分情報を前記対物レンズの位置情報から除去して位置検出信号を出力する演算部とからなり、前記変位検出部からの駆動開始指示と、前記偏心除去部の演算部からの位置検出信号とを用いて、対物レンズの変位によって生じる反作用を補正する反作用補正信号を生成し、キャリッジの移動開始から移動完了までの間に前記反作用補正信号を、前記第2駆動部に与える反作用補正部をさらに備えたことを特徴とする光ディスク装置を提供するものである。
ここで、第1駆動部は、省電力化と薄型化の観点から一定間隔でキャリッジを移動させるステッピングモータを用いる。
第2駆動部は、対物レンズの位置を、初期位置(以下、中立点と呼ぶ)を中心として、微小に変位させることのできるアクチュエータ(以下、レンズアクチュエータと呼ぶ)を用いてもよい。
レンズ位置検出部は、対物レンズの微小な変化を検出することのできる光センサを用いることができる。光センサは、発光素子と受光素子とを組合せたもので構成される。
発光素子から出射された光が対物レンズを支持する部材に当たり反射した光を受光素子で受光する。受光した光は光量に対応した電気信号に変換され、この電気信号の大きさが、レンズの位置情報に対応する。ここで、対物レンズの位置情報を表す信号を、レンズ位置信号(LPOS信号)と呼ぶ。レンズ位置検出部は、後述するLPOS検出部に相当する。
偏心除去部は、対物レンズの位置情報を表すLPOS信号に含まれる光ディスク媒体の偏心成分を算出し、LPOS信号から偏心成分を除いた位置検出信号を生成する。この位置検出信号を、以下、APOS信号と呼ぶ。
ここで偏心成分とは、光ディスク媒体に偏心があった場合に、光ディスクのトラックの位置の変位に追従して移動する対物レンズの周期的な変化情報を意味し、通常、正弦波的な周期信号として検出できる。
この偏心成分に相当する周期信号を算出するために、この発明では、通常行われている学習処理を利用する。すなわち、レンズ位置検出部で検出されたLPOS信号を学習し、この中から周期信号である偏心成分を算出する。LPOS信号を学習し、その結果得られる周期信号(偏心成分)を、以下LEA信号と呼ぶ。
ここで、位置検出信号(APOS信号)は、演算器を用いてLPOS信号からLEA信号を引くことにより生成される。このように、APOS信号が、学習処理を利用して求められる場合、偏心除去部は、後述するLPOS学習部に相当し、偏心成分情報を算出する学習処理部と、演算部とから構成される。演算部は、減算器の他、種々の論理素子が利用できる。
変位検出部は、上記APOS信号を入力とし、APOS信号と予め設定されている信号のしきい値レベル(スライス)と比較し、APOS信号がこのしきい値レベルを超えた場合に、キャリッジを駆動すべきと判断する。キャリッジを駆動すべきと判断した場合、所定のパルス幅を持ったパルス信号(STEPCLKと呼ぶ)を、ステッピングモータ制御部に出力することで第1駆動部(ステッピングモータ)を駆動する。
また、この発明は、前記変位検出部からの駆動開始指示と、偏心除去部からの位置検出信号とを用いて、対物レンズの変位によって生じる反作用を補正する反作用補正信号を生成し、キャリッジの移動開始から移動完了までの間に前記反作用補正信号を、前記第2駆動部に与える反作用補正部をさらに備えたことを特徴とする光ディスク装置を提供するものである。
ここで、反作用補正信号は、後述するREA信号に相当する。第2駆動部であるレンズアクチュエータは、通常光ディスクからの反射光を用いて生成されたトラッキングエラー信号(TES信号)の変化によって駆動される。
ここで、レンズアクチュエータに与えられる駆動信号をTRKDRV信号とすると、TRKDRV信号は、TES信号の変化を示す信号(DRV1信号と呼ぶ)に、反作用補正信号(REA信号)を加算したものとして表される。
また、この発明は、前記偏心除去部からの位置検出信号を用いて、シーク動作時に、対物レンズをキャリッジに対する初期位置に固定するためのロック信号を生成し、前記第2駆動部に与えるレンズロック制御部をさらに備えたことを特徴とする光ディスク装置を提供するものである。
ここで、ロック信号は、後述するLOC信号に相当する。
このLOC信号は、レンズアクチュエータに与えられるTRKDRV信号に加算される。
この発明によれば、レンズ位置信号から光ディスク媒体の偏心成分を除去した位置検出信号を用いて、レンズアクチュエータを駆動しているので、光ディスク媒体の偏心量に関係なく、不必要なキャリッジの移動動作をなくし、トラッキングサーボの安定化と低消費電力化を図ることができる。
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
<この発明の光ディスク装置の構成>
図1に、この発明の光ディスク装置の一実施例の概略構成図を示す。
ここでは、光ディスク装置の中で、光ディスクに対して光を照射し、反射光を検出する光学系部材と、光学系部材をディスクに対してシーク制御する制御ブロックについて示している。
光ディスク21は、図示しない固定台に設置され、スピンドルモータ22によって回転させられる。
スピンドルモータ22は、図示しないモータ制御部に接続され、その回転速度が制御される。モータ制御部は、CPUなどのいわゆるマイクロコンピュータなどが利用される。
また、スピンドルモータ22は、たとえばブラシレスDCモータからなり、予め設定された一定の速度で、光ディスクを回転させる。
この発明の光ディスク21とは、光磁気ディスクの他、光ビームをディスクに照射しディスク上の記録データを読出し、書込みする交換可能な光ディスク(CD,DVD等)のようなディスクを対象とする。
光学系部材は、キャリッジ20の中に搭載されるが、キャリッジ20は、主として、LPOS検出部2,対物レンズ3,サーボ系信号検出部4,レンズアクチュエータ5,TES検出部6とから構成される。
制御ブロックは、主として、ステッピングモータ(STM)1,LPOS学習部7,変位検出部8,レンズロック制御部9,反作用補正部10,TESフィルタ11,TZC生成部12,速度補正部13,アクチュエータ制御信号生成部14,ステッピングモータ制御部15とから構成される。この制御ブロックは、主として、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータによって構成され、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、CPUが動作することによって各制御ブロックの機能が実現される。
ステッピングモータ(STM)1は、与えられたパルス信号(STEPCLK)によって図示しない伝達部材を一定の角度だけ回転させて、キャリッジ20を光ディスク21の半径方向に直線的に移動させるものである。ステッピングモータ制御部15は、パルス信号(STEPCLK)を受けて、ステッピングモータ1を駆動するものである。
たとえば、ステッピングモータ1の回転のステップ角をD度とし、モータの1回転でキャリッジ20が移動する距離をP(mm)とすると、1パルス当たりのキャリッジの移動速度Vp(mm/パルス)は、Vp=P×D/360で表される。
ここで、ステッピングモータ1の回転制御の目標速度をN(パルス/秒)とすると、キャリッジ20の移動速度V(mm/秒)は、V=Vp×Nで表される。したがって、ステッピングモータ1の回転制御の目標値Nが図示しないCPUなどから設定されると、上記式(V=Vp×N)によりキャリッジ20の移動速度Vが算出される。
サーボ系信号検出部4は、レーザダイオードから出射されたレーザ光を光ディスク21に照射するために対物レンズ3に導いたり、光ディスク21からの反射光を光検出器で検出できるような光路を形成する光学部材から構成される。
対物レンズ3は、レーザ光を絞り込んで、光ディスクの表面に所定の径(たとえば、直径1.6μm程度)の光スポットを形成するものである。対物レンズ3は、バネで支持されキャリッジ20に取り付けられる。
レンズアクチュエータ5は、対物レンズ3のハウジングの両側面に設けられた一対の磁石と、これらの磁石に対向配置された一対の電磁石とによって構成される。
この一対の電磁石に流す電流量を制御することにより、電磁石と対向する磁石間で吸引力が働き、対物レンズ3が、光ディスク21の半径方向に所定量だけ変位させられる。電磁石に流す電流量は、レンズアクチュエータに与えられる位置制御信号TRKDRVによって決定される。
図2に、この発明の光ディスク装置のキャリッジと、対物レンズの位置制御を行うための構成の説明図を示す。ここでは、説明のために関係する部材のみを図示している。
図2において、ステッピングモータ1には、長い棒状の伝達部材18が接続され、ステッピングモータ1の回転によって伝達部材18も回転する。
伝達部材18の表面にはネジが切られており、キャリッジ20の一部にネジ切りされた空間が設けられ、この空間に伝達部材18が挿入されている。
ステッピングモータ1が回転すると、伝達部材18の回転量に対応して、キャリッジ20が図のL1方向(ディスク21の半径方向)に直線的に移動させられる。
キャリッジ20の上には、対物レンズ3とレンズアクチュエータ5が搭載され、キャリッジ20の移動によって、対物レンズ3とレンズアクチュエータ5も同じ距離だけ移動する。たとえば、最小移動単位の距離をL1(たとえば50μm)とすると、距離L1の整数倍に対応した距離だけ移動させられる。
また、対物レンズ3は、キャリッジ20に固定されているのではなく、前記したように、バネ等で取り付けられており、レンズアクチュエータ5により図のL2方向(ディスク21の半径方向)に、微小移動させられる。
LPOS検出部2は、キャリッジ20に固定設置され、対物レンズ3の位置を測定している。図の中立点Mは、変位されていない対物レンズ3の位置を示したもので、この破線の位置を中央として、左右どちらかの方向にレンズアクチュエータ5により、所定の距離L2だけ、微小移動される。最大変位量(スライス)をLmaxとすると、−Lmax≦L2≦Lmaxである。
TES検出部6は、サーボ系信号検出部4で受光された光のうち、トラッキングエラー信号(TES)を検出して電気信号として取り出す部分であり、感度調整アンプなどが含まれる。
LPOS検出部2は、対物レンズ3の変位を測定するものであり、対物レンズ3の近傍でキャリッジ20に固定設置される光センサで構成される。光センサは、LEDなどの発光部と、受光センサとからなり、LEDから出た光が対物レンズ3に当たり、その反射光が受光センサに受光されるように配置される。受光した光の強度を調べれば、レンズアクチュエータで変位させられていないときの対物レンズの中立点Mからの変位量が求められる。
この中立点Mからの対物レンズ3の変位量に対応したレンズ位置信号(以下、LPOS信号と呼ぶ)が、LPOS検出部2から出力される。
LPOS学習部7は、LPOS検出部2から出力されたLPOS信号を受けて、所定の学習処理によりLPOS信号を学習し、このLPOS信号に含まれる偏心成分を検出して除去する部分である。
この学習処理は、与えられたLPOS信号をフィードバック制御することにより行われるが、たとえば、前記した公知の特許文献3(特開2000−339729号公報)で使用されている学習制御処理を用いることができる。
図3に、この発明のLPOS学習部の一実施例の概略構成図を示す。
図3において、LPOS学習部7は、学習処理をする学習処理部71と、減算器72とから構成される。
減算器72では、LPOS検出器2からのLPOS信号と、学習処理部71で生成されたLPOS信号の学習結果を示す信号LEAとを合成した信号APOS(APOS=LPOS−LEA)が生成される。
このようにして生成された学習後のAPOS信号は、ディスクに偏心があった場合の偏心成分を示す信号である。
図4に、LPOS検出部から出力された学習前のLPOS信号と、学習処理部71で生成された学習信号LEAと、学習後の偏心成分を示す信号APOS信号の一実施例の説明図を示す。
図4において、学習前のLPOS信号は、正弦波的な信号波形として描かれているが、光ディスク媒体には偏心があるので、実際にはこのLPOS信号の波形には偏心成分が含まれている。
このような偏心成分を含むLPOS信号を学習すると、偏心成分に相当するLEA信号(学習値信号)が生成される。図4では、LPOS信号とLEA信号とはほとんど同じような波形で描かれているが、学習前のLPOS信号は、偏心成分に加えて、算出しようとするトラッキングのための情報成分が含まれている。
LPOS学習部7から出力されるAPOS信号は、偏心成分を含むLPOS信号から、偏心成分であるLEA信号を引算したものであり、図4では破線で示されている。APOS信号は、ほとんどゼロに近いが微小な振動成分を含む信号として出力される。
このようにして生成されたAPOS信号は、変位検出部8に与えられ、パルス信号STEPCLKの生成に用いられる。変位検出部8では、このAPOS信号をもとにステッピングモータ1を駆動すべきか否かが判断され、ステッピングモータ1を駆動する必要がある場合には、キャリッジ20を移動させる距離L1に対応したパルス信号STEPCLKが出力される。
レンズロック制御部9は、キャリッジのシーク動作中に、レンズアクチュエータが動作しないように制御(ロック)する部分であり、主として、位相補償,感度調整などの回路から構成される。レンズロック制御部9には学習後のAPOS信号が入力され、このAPOS信号を用いて、位相補償処理が行われ、レンズアクチュエータをロックするためのLOC信号が出力される。
反作用補正部10は、レンズアクチュエータに働く反作用の影響を除去するための反作用補正信号(REA)を生成する部分であり、主として、感度調整,位相補償などの回路によって構成される。
パルス信号STEPCLKによるステッピングモータ駆動時に、対物レンズを支えるバネのためにレンズアクチュエータは反作用の力を受けるが、この反作用が大きいと、TES信号に外乱(制御残差成分)が生じ、トラッキング制御が不安定となる。
そこで、トラッキング制御を安定化させるために、この反作用補正部10が反作用補正信号REAを生成し、レンズアクチュエータ5に与えられる信号TRKDRVを補正している。
反作用補正部10には、パルス信号STEPCLKと、学習後のAPOS信号が入力される。反作用補正部10では、パルス信号STEPCLKが出力されてからの一定時間(たとえば5msec)、言いかえればステッピングモータ駆動を開始してからキャリッジが移動を完了したと考えられる時間の間、APOS信号に対応した電流を生成しフィードフォワード信号(REA)として出力する。このREA信号をレンズアクチュエータ5を制御する信号TRKDRVに加算することにより、レンズアクチュエータに与えられる反作用の影響が除去される。
TZC生成部12は、正弦波状に変化するTES信号からゼロクロス信号(以下、TZC信号と呼ぶ)を作成する部分である。
TZC信号は、ディスクの半径方向に対する光スポットの移動速度VAを算出するのに利用される。
一般に、光ディスクにおけるトラック間隔をXA(mm)、1秒間にトラックを横切る数をK、隣り合うトラックを横切る時間をTA(s)とすると、VA=K×XA(mm/s),K=1/TAであるので、移動速度VAは、VA=XA/TAにより算出される。時間TAは、TZC信号から求められ、XAは予め設定された値である。また、光スポットの移動速度VAは、実質的に、対物レンズの移動速度を示している。
TZC信号そのものを利用した場合において、TES信号が正弦波状でなかったときには、移動速度を正確に算出することができないので、予め与えられたキャリッジの移動速度の目標値Vo(mm/s)を用いて、TZC信号から算出された移動速度VAを補正する。速度補正部13は、与えられたTZC信号を用いて、移動速度VAを補正し、レンズアクチュエータ5を駆動する信号DRV2を生成するものである。
TESフィルタ11は、TES検出部6から出力されたTES信号を用いて、レンズアクチュエータ5に与えるドライブ信号DRV1を生成するフィルタであり、感度調整アンプ,位相補償器などから構成される。
アクチュエータ制御信号生成部14は、スイッチ群(SW1,SW2,SW3)と加算器(A1,A2)から構成され、ドライブ信号(DRV1,DRV2),ロック信号LOC,反作用補正信号REAを組み合わせて、実際にレンズアクチュエータ5を制御するためのドライブ信号TRKDRVを生成するものである。
スイッチSW3は、トラッキングサーボを行ったときオン状態であり、スイッチSW1がオフの状態の時オンとする。
スイッチSW2は、TESフィルタ11から出力されるドライブ信号DRV1と、速度補正部13から出力されるドライブ信号DRV2とを切りかえるものであり、たとえば、トラッキングサーボを行うときはオフ状態で、図1に示すように、ドライブ信号DRV1が選択される。また、シーク動作時においては、オン状態とし、速度補正部13から出力されるドライブ信号DRV2が選択される。
スイッチSW1は、レンズロック制御部9から出力されるロック信号LOCの加算を制御するためのものであり、オフ状態では、図1のように、非加算状態となっている。一方、シーク動作中において、対物レンズのロックをする場合は、オン状態とし、ロック信号LOCが、加算器A2に加えられる。
したがって、シーク時においては、加算器A2で、ドライブ信号DRV2とロック信号LOCとが加算される。
加算器A1は、加算器A2の出力と反作用補正部10から出力される補正信号REAとを加算するものである。たとえば、トラッキングサーボの動作時には、TESフィルタ11の出力であるドライブ信号DRV1と、補正信号REAとが加算され、これがTRKDRV信号としてレンズアクチュエータ5に与えられる。
この発明の光ディスク装置の対物レンズ及びキャリッジの位置制御に関する構成は、以上のような構成要素からなるが、制御ブロックのうち、TES検出部6,TESフィルタ11,TZC生成部12,速度補正部13,レンズロック制御部9は、従来と同様の回路を用いることができる。
したがって、この発明では、制御ブロックのうち、LPOS学習部7,変位検出部8,反作用補正部10が、特徴的な位置制御を行う部分である。
<この発明の位置制御の説明>
次に、この発明のレンズアクチュエータおよびキャリッジの位置制御について、LPOS信号の学習を行わない場合と対比しながら説明する。
〔LPOS信号を学習しない場合〕
まず、偏心のある光ディスクについて、LPOS信号を学習せずにトラッキング制御を行った場合の位置制御動作について説明する。
図11に、LPOS信号を学習せずに、トラッキング制御を行った場合の制御信号とキャリッジの位置との関係を示したグラフを示す。また、図12は、図11の一部を拡大したグラフである。
図11および図12のグラフの横軸は、いずれも時間〔秒〕を示しており、図12では、図11の中の時間0.21〔秒〕から0.27〔秒〕付近を示している。
図11(a)および図12(a)の縦軸は、対物レンズの変位L2(μm)を示しており、基準位置(中立点M)をゼロとして、対物レンズが光ディスクの外周方向へずれた場合をプラス変位とし、内周方向へずれた場合をマイナス変位とする。この変位量L2の変化のグラフは、LPOS信号に対応する。
図11(b)および図12(b)は、ステッピングモータに与えられるパルス信号STEPCLKの有無を示しており、その縦軸の数値について、ゼロがパルスが出ていない状態を示し、“1”がパルスが出ている状態であることを示す。
言いかえれば、パルス信号STEPCLKは、ステッピングモータ1の駆動開始トリガであり、このパルスが発生した後、所定の時間(たとえば、5msec程度)かけてステッピングモータ1が駆動され、その結果キャリッジ20が一定距離だけ移動させられる。
図11(c)および図12(c)の縦軸は、ステッピングモータ1の回転により移動したキャリッジ20の位置(μm)を示したものである。この実施例では、ステッピングモータ1として、ステップ角が18度の2相モータを使用し、伝達部材18には、1mmピッチのネジ切りがされているものとする。
2相励磁でモータが駆動されるとすると、1回の励磁パターンの変更によりステッピングモータ1は18度回転するので、パルス信号が1つ与えられると、キャリッジ20は、1(mm)×(18(度)/360(度))=50(μm)だけ、移動する。すなわち、キャリッジ20の最小移動距離は、50μmであり、50μmを単位として粗シーク制御が行われる。
この実施例では、予め設定されたスライスレベルを30μmとし、レンズアクチュエータ5により、対物レンズ3が中立点Mよりも30μmを超えて変位させられた場合、すなわち30μmに相当するLPOS信号が検出された場合に、1つだけパルス信号STEPCLKを出力してステッピングモータ1を駆動し、キャリッジ20を50μmだけ移動させるものとする。
図12(a)において、変位L2が30μmを超えたことがLPOS信号により検出されたとき、たとえば時間0.225(秒)付近で、図12(b)のように、パルス信号STEPCLK(P1)が生成され、この後、時間約0.23(秒)までの間、約5msecかけて図12(c)に示すように、キャリッジが50μm移動させられる。
たとえば、対物レンズ3が中立点Mよりも外周方向に30μmだけ変位した位置にきたとすると、ステッピングモータ1の駆動によりキャリッジ20は、50μmだけ外周方向に移動させられる。
しかし、キャリッジの移動中においても、レンズアクチュエータ5によって光ディスク21のトラックに追従し、常にそのトラックの真下に対物レンズがくるように、対物レンズ3が移動させられる。したがって、光ディスク21に偏心がないとすると、キャリッジ20が50μmだけ外周方向へ移動完了した時、対物レンズ3は、中立点Mに対して内周方向に20μmだけずれた位置に変位させられるはずである。
ただし、偏心がある場合は、事情が異なり、図11および図12に示したように、複雑な駆動が行われる。
図11および図12は、スパイラル状のトラックが形成された光ディスクであって、ディスクの偏心を20μm、トラック間の間隔を0.9μmとした場合を示している。このように偏心があった場合、2つ目のパルス信号(P2)が出力され、キャリッジ20が、パルス信号(P1)のときの移動方向とは逆方向に移動させられている。これは、パルス信号(P1)によるキャリッジ20の移動の間に、光ディスクが回転し、偏心分(20μm)が加算された分だけ対物レンズ3の変位L2が生じることによる(図12(a)参照)。
すなわち、偏心があるため、図12(a)の時間0.23付近を見ると、対物レンズ3は反対方向に30μm以上(−50μm程度)の変位L2を生じてしまい、これに対応するLPOS信号によって、パルス信号(P2)が発生する。したがって、ステッピングモータ1が逆方向に駆動され、図12(c)に示すように、キャリッジ20はもとのゼロ位置へ移動させられる。この2つのパルス信号(P1,P2)の発生は、光ディスク21の回転に合わせて、その後も周期的に起こっている(図11(b),図12(b)参照)。
図11および図12によれば、偏心量が大きい光ディスク21の場合、光ディスクが1回転(LPOS信号の1周期に相当)する間に、ステッピングモータ1の駆動が必ず2回起こり、キャリッジ20は、往復運動をさせられることになる。ただし、キャリッジ20の移動距離よりも偏心量が十分小さい場合や、光ディスクの1回転にかかる時間よりも、ステッピングモータ1の駆動を開始してから実際にキャリッジ20の移動が完了するまでの時間が小さい場合は、このようなキャリッジ20の往復運動は起こらない。
ところで、偏心がある場合、図11(a)に示すLPOS信号には偏心成分も含まれているので、光ディスク媒体を装置に装着した直後などに、LPOS信号に含まれるその媒体の偏心成分を検出することができれば、図11のような往復運動を回避させることができる。
〔LPOS信号を学習した場合〕
次に、この発明の光ディスク装置で行う位置制御について説明する。
ここで、トラッキングサーボを行うために、アクチュエータ制御信号生成部14のスイッチ(SW1,SW2,SW3)は、図1に示すように切り替えられる。この図1の状態をスイッチのオフ状態と考える。すなわち、スイッチSW1は開放され、レンズロック制御部9の出力(LOC信号)はレンズアクチュエータ5には入力されない。スイッチSW3は接続され反作用補正が有効となる。
また、スイッチSW2はTESフィルタ11の方に接続され、TES信号から生成されたドライブ信号DRV1が、加算器A1,A2を経由してレンズアクチュエータ5に与えられる。
図5に、この発明の光ディスク装置において、LPOS信号を学習して、トラッキング制御を行った場合の制御信号とキャリッジの位置との関係を示したグラフを示す。
図6に、図5の一部(時間0.64から0.70秒付近)を拡大したグラフを示す。ここで、光ディスク21は、図11および図12と同様に、スパイラルトラックを持ち、20μmの偏心があるものである。
図5(a),図6(a)は対物レンズの変位L2(μm)、図5(b),図6(b)はパルス信号STEPCLK,図5(c),図6(c)はキャリッジ20の位置を示している。
また、図5(a)および図6(a)において、正弦波的に変化している波形はLPOS検出部2から出力されたLPOS信号であり、直線的に変化している波形はLPOS学習部7から出力される学習後の信号(APOS)である。
ここで、LPOS信号は、LPOS学習部7によって、図4に示したような処理が行われて、その結果図5(a)および図6(a)に示すような直線的な信号であるAPOS信号が生成される。すなわち、媒体に偏心があっても、その偏心成分を含まないAPOS信号が学習により生成されるので、直線的な信号が得られる。
LPOS信号は正弦的に変化する波形であったため、スライスレベルである周期的に30μmを超える場合があったが、図6(a)を見るとAPOS信号は、スパイラル状のトラックに追従して滑らかに変化し、時間0.67秒の直前で初めて30μmを超えている。
したがって、APOS信号が変位検出部8に入力され、30μmを超えたことが検出されたタイミング(時間0.667秒)で、変位検出部8からパルス信号STEPCLK(P1)が1回だけ出力されている(図5(b),図6(b))。
そして、パルス信号STEPCLK(P1)が出力された後、ステッピングモータ1が駆動され、図6(c)に示すように、キャリッジ20が距離50μmだけ移動させられる。
また、このキャリッジの移動により対物レンズも同じ距離だけ移動させられるので、LPOS信号およびAPOS信号は、図6(a)のように変化する。
図6(a)によると、この後LPOS信号は、正弦的に変化し逆方向にスライスレベル(−30μm)を超える場合があるが、APOS信号は学習効果により、直線的に変化し、逆方向にスライスレベルを超えることがない。
したがって、このように滑らかに変化するAPOS信号を変位検出部8に入力してステッピングモータの駆動の判断を行っているので、パルス信号P1が出力され、ステッピングモータ1によるキャリッジ20の駆動があっても、その後は、パルス信号STEPCLKは発生しない。
学習をした図5および図6と、学習をしない図11および図12とを比較すると、図5および図6の方が、学習後のAPOS信号を用いているので、パルス信号を発生する回数が少なく、キャリッジ20の往復運動は起こらず、キャリッジ20の移動回数も激減していることがわかる。
すなわち、この発明の位置制御を行えば、不必要なキャリッジの移動を減らすことができ、トラックサーボの安定化を図ることができる。また、キャリッジの移動回数が少なくなるので、消費電力を抑えることができる。
<対物レンズのロック処理の説明>
ここでは、シーク動作中において、対物レンズを中立点Mにロックする処理について説明する。
レンズロックをする場合は、スイッチSW1はオン状態に切り替えられ、レンズロック制御部9の出力(LOC信号)が、加算器A2に与えられる。スイッチSW3はオフ状態とする。
また、シーク制御をするために、スイッチSW2もオン状態に切り替えられ、速度補正部13の出力(DRV2信号)が、加算器A2に与えられる。
図7に、シーク動作中にレンズロックをする場合の構成図を示す。ここで、上記したようにスイッチSW1とSW2とがオン状態に制御されている。スイッチの切り替えは、図示しないCPUにより行えばよい。
一般に、対物レンズ3は、中立点M付近に位置する方が、安定したシーク制御ができる。これは、レンズ移動時のトラッキング信号(TES)のオフセット等が、対物レンズ3の変位に影響するからである。
ゼロクロス信号(TZC信号)をもとにして、速度補正部で求められた対物レンズ3の速度と同じ速度でキャリッジを駆動するようなシーク制御では、単に偏心成分を含むLPOS信号を用いて生成したLOC信号で対物レンズ3をロックするだけでは、媒体から見たレンズ移動速度で制御しているので、偏心成分に追従したロック制御となり、対物レンズ3を中立点Mの近傍にロックすることができない。
そこで、この発明のように、LPOS信号を学習した後のAPOS信号を用いて、レンズロック制御部9でLOC信号を生成すれば、シーク動作中、ほぼ中立点M付近に対物レンズ3をロックすることが可能となり、シーク動作の安定化を図ることができる。
図8に、シーク動作中における制御信号のグラフを示す。
図8(a)が学習後のAPOS信号であり、(b)が学習前のLPOS信号であり、(c)がパルス信号STEPCLKである。
図8(a)において、APOS信号は、LPOS信号よりも振幅の少ない信号となるので、図に示す期間内において、安定した状態で、対物レンズ3を中立点Mにロックすることができる。
なお、レンズロックを解除する場合は、スイッチSW1をオフ状態とすればよい。
<反作用補正処理の説明>
反作用補正処理は、パルス信号STEPCLKが発生された直後の一定時間の間、補正信号REAをレンズアクチュエータ5に与えることで、レンズアクチュエータ5に与える反作用を軽減しようとするものである。スイッチSW3をオン状態とする。
一般に、パルス信号STEPCLKを出力しステッピングモータ1を駆動するとき、レンズアクチュエータ5は対物レンズを支えているバネによる反作用の力を受ける。この様子の概要を図9に示す。
図9において、パルス信号STEPCLKが出力された一定時間の間に、キャリッジ20が動くため、APOS信号が変化するが、このときレンズアクチュエータ5の受ける反作用のために、TES検出部6で検出されるTES信号に図9に示したような外乱(制御残差)が生じる。
ここで、一定時間とは、ステッピングモータ1を駆動した後、キャリッジ20の移動が完了したと思われる時間(たとえば5msec)までの間である。
このTES信号の制御残差は、トラッキング制御を不安定にする要因となるので、できるだけ抑えることが好ましい。
そこで、図1に示したように、LPOS信号を学習した後のAPOS信号を用いて、フィードフォワード処理したREA信号を生成し、このREA信号を加算器A1に与え、レンズアクチュエータのドライブ信号DRV1に加算させる。すなわち、レンズアクチュエータの駆動信号TRKDRVとして、DRV1+REAを与える。
図10に、この発明の反作用補正処理をした後の制御信号の変化の様子の概要を示す。
図10に示すように、REA信号が出力されたことにより、TES信号に生じていた制御残差がかなり少なくなる。すなわち、学習後のAPOS信号を用いて反作用補正処理を行っているので、TES信号の制御残差を減少させ、安定したトラッキング制御をすることが可能となる。
この発明の光ディスク装置の対物レンズ位置制御に関する構成ブロック図である。 この発明の光ディスク装置の対物レンズ位置制御に関する構成の説明図である。 この発明の光ディスク装置のLPOS学習部の一実施例の構成ブロック図である。 この発明の光ディスク装置のLPOS学習部の説明図である。 この発明の光ディスク装置の位置制御に関する制御信号とキャリッジの位置の関係を示すグラフである。 図5のグラフの部分拡大図である。 この発明の光ディスク装置のシーク動作中、レンズロック起動時における、対物レンズ位置制御に関する構成ブロック図である。 この発明のレンズロック機能の説明図である。 この発明の光ディスク装置において、反作用補正処理をしない場合の制御信号の説明図である。 この発明の光ディスク装置において、反作用補正処理をした場合の制御信号の説明図である。 この発明の光ディスク装置の位置制御に関する制御信号とキャリッジの位置の関係を示すグラフである。 図11のグラフの部分拡大図である。
符号の説明
1 ステッピングモータ
2 LPOS検出部
3 対物レンズ
4 サーボ系信号検出部
5 レンズアクチュエータ
6 TES検出部
7 LPOS学習部
8 変位検出部
9 レンズロック制御部
10 反作用補正部
11 TESフィルタ
12 TZC生成部
13 速度補正部
14 アクチュエータ制御信号生成部
15 ステッピングモータ制御部
20 キャリッジ
21 光ディスク
22 スピンドルモータ
71 学習処理部
72 減算器
A1 加算器
A2 加算器
APOS 位置検出信号
DRV1 駆動信号
DRV2 駆動信号
LPOS レンズ位置信号
LOC レンズロック信号
REA 反作用補正信号
SW1 スイッチ
SW2 スイッチ
SW3 スイッチ
TES トラッキングエラー信号
TRKDRV レンズアクチュエータ駆動信号
TZC ゼロクロス信号

Claims (2)

  1. 光ディスクに対して対向配置され、光ディスクの半径方向に移動可能なキャリッジと、
    キャリッジを駆動する第1駆動部と、
    キャリッジに搭載されレーザ光を光ディスク媒体に集光する対物レンズと、
    キャリッジに搭載され対物レンズを光ディスクの半径方向に変位させる第2駆動部と、
    キャリッジに固定設置され前記対物レンズの位置情報を検出するレンズ位置検出部と、
    前記対物レンズの位置情報から光ディスクの偏心成分情報を除去した位置検出信号を生成する偏心除去部と、
    前記位置検出信号を用いてキャリッジを駆動させるべきか否かを判断し、その判断結果に基づいてキャリッジの駆動開始指示を第1駆動部に与える変位検出部とを備え
    前記偏心除去部が、
    対物レンズの位置情報を学習し、その位置情報に含まれた光ディスクの偏心成分情報を算出する学習処理部と、
    対物レンズの位置情報を学習した後に算出された偏心成分情報を前記対物レンズの位置情報から除去して位置検出信号を出力する演算部とからなり、
    前記変位検出部からの駆動開始指示と、前記偏心除去部の演算部からの位置検出信号とを用いて、対物レンズの変位によって生じる反作用を補正する反作用補正信号を生成し、キャリッジの移動開始から移動完了までの間に前記反作用補正信号を、前記第2駆動部に与える反作用補正部をさらに備えた
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記偏心除去部からの位置検出信号を用いて、シーク動作時に、対物レンズをキャリッジに対する初期位置に固定するためのロック信号を生成し、前記第2駆動部に与えるレンズロック制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1の光ディスク装置。
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