JP4214151B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は、MO等の光ディスク装置に係り、特に光学ヘッドのシーク制御に関するものである。
光ディスク装置は、半導体レーザによりレーザ光を発生し、このレーザ光を対物レンズで微小のスポット光(以下、光スポットという。)に絞り込んでディスク面に照射し、当該ディスク面への情報の書き込み若しくは読み取りを行うように構成されている。例えば光磁気ディスクの場合、ディスク面には光スポットを案内する案内溝(グルーブ)が螺旋状に形成され、グルーブで挟まれた凸の部分(ランド)に情報が記録されるようになっている。ランドは情報が記録されるトラックに相当し、トラック1周は、複数のセクタ(情報の記録単位)に分割されている。
従って、ディスク面に形成されたトラックへの情報の記録及び再生における光スポットのアクセス制御では、指定されたトラックに光スポットが移動され、そのトラック上の各セクタのアドレス情報を読み取って指定された情報の記録位置又は再生位置(セクタ位置)に光スポットが位置決めされるようになっている。
そして、光ディスク装置においては、光スポットをディスクの径方向に移動させて当該ディスクに形成された複数トラックの中の目標トラックに位置付ける動作(以下、シーク動作という。)を可能な限り高速で行うために、一般に光スポットを発生させる光学要素(半導体レーザ、対物レンズ、トラッキング信号検出系、焦点信号検出系などの要素)が搭載された光ヘッドをディスクの径方向に移動可能に構成するとともに、対物レンズなどの光スポットの光軸方向を制御する光学要素を光ヘッド上で独立してディスクの径方向に微小移動可能に構成し、光ヘッド全体をディスクの径方向に大きく移動させて光スポットを目標トラック付近に位置付けるシーク動作(粗シーク動作)と、対物レンズによって光スポットのみをディスクの径方向に微小移動させて正確に目標トラックに位置付けるシーク動作(密シーク動作)を組み合わせたシーク制御が行われている。
このようなシーク制御に用いられる光ヘッドは、上述したように、光ヘッド全体をディスクの径方向に移動させるためのアクチュエータ(以下、キャリッジアクチュエータという。)と対物レンズを微小移動させて光スポットのみをディスクの径方向に移動させるためのアクチュエータ(以下、レンズアクチュエータという。)を備えている。
図15は、キャリッジアクチュエータとレンズアクチュエータを備えた光ヘッドの基本的なアクチュエータの構成の一例を示す図である。
光ヘッド10は、キャリッジ101と、キャリッジ101をディスクの径方向に移動させるキャリッジアクチュエータ102と、キャリッジ101に4本のバネ103で支持された対物レンズ104と、対物レンズ104を独立してディスクの径方向に移動させるレンズアクチュエータ105とを備えている。なお、キャリッジ101に搭載される焦点検出系やトラッキング信号検出系などの光学系は省略している。
キャリッジアクチュエータ102は、キャリッジ101の駆動源である、例えばステッピングモータからなるモータ106と、モータ106の回転力を直進力に変換してキャリッジ101に伝達する伝達部材107とで構成されている。伝達部材107は、モータ106のロータに連結され、周面に雄ネジが形成されたシャフト107aとキャリッジ101の一方側面(図15では上側の側面)に突設され、先端にシャフト107aに螺合される雌ネジを有する第1支持部101aとで構成されている。なお、キャリッジ101の他方側面(図15では下側の側面)に先端に貫通孔が形成された第2支持部101bが突設されるとともに、この第2支持部101bの貫通孔に貫通させてシャフト107aと平行なガイド棒108が設けられている。また、シャフト107aとガイド棒108は、ディスクの径方向と平行に配設されている。
従って、モータ106を回転させると、その回転力が伝達部材107により直進力に変換されて第1支持部101aに伝達され、キャリッジ101はガイド棒108にガイドされてディスクの径方向に移動し、これにより光スポットがディスクの径方向に大きい移動量で移動される(粗シーク動作)。
一方、レンズアクチュエータ105は、対物レンズ104のハウジングの両側面に設けられた一対の磁石105a,105bと、これらの磁石105a,105bに対向配置された一対の電磁石105c,105dとで構成されている。なお、磁石105a,105b及び電磁石105c,105dの配置方向はガイド棒108の軸方向と平行な方向(すなわち、ディスクの径方向と平行な方向)となっている。
電磁石105b,105bのコイルに通電しない状態では、対物レンズ104は、バネ103により支持される中立点Mに位置し(以下、中立点Mの位置を基準位置Mという。)、電磁石105c又は電磁石105dのコイルに通電した状態では、電磁石105c又は電磁石105dの吸引力により基準位置Mからずれた位置に変位する。この変位量は電磁石105c又は電磁石105dの通電量により決定される。
従って、電磁石105c又は電磁石105dの通電方向及び通電量を制御することにより対物レンズ104はキャリッジ101上で当該キャリッジ101とは独立にディスクの径方向に移動し、これにより光スポットがディスクの径方向に微小な移動量で移動される(密シーク動作)。
ところで、キャリッジ101を移動させてマクロ的にシークさせた後、対物レンズ104を移動させてミクロ的にシークさせる2段階のシーク制御では、キャリッジ101にバネ103で対物レンズ104が支持される構造であるため、キャリッジ101の移動によるマクロ的なシーク動作から対物レンズ104の移動によるミクロ的なシーク動作に移行する際、キャリッジ101の急加速又は急減速により対物レンズ104に振動が発生し、この振動が収まるまで対物レンズ104によるシーク動作ができないという問題がある。
そこで、従来、この問題を解消するためのシーク制御方法が種々提案させている。
例えば特開平9−223317号公報には、キャリッジ駆動部に供給する制御信号に基づいてキャリッジの移動距離を算出するとともに、光スポットがディスクのトラックを横切る回数に基づき当該光スポットのディスクの径方向の移動距離を算出し、キャリッジの移動距離と光スポットの移動距離とが等しくなるように対物レンズのアクチュエータの駆動を制御する方法が示されている。
このシーク制御方法は、キャリッジの移動距離はディスクの径方向の移動距離に相当するから、キャリッジの移動距離と光スポットのディスクの径方向の移動距離とが一致した状態を保持してシーク動作を制御した場合は、実質的にキャリッジと対物レンズとが同一の速度で移動し、対物レンズに振動を発生させることがなく、キャリッジの移動による粗シーク動作と対物レンズの移動による蜜シーク動作とを組み合わせたシーク制御の効率を向上させることができるというものである。
また、特開平8−147718号公報には、シーク動作時に、光ヘッド(キャリッジに相当)の移動速度を検出するとともに、光スポットの照射位置をトラックに自動調整するための制御信号であるトラッキングエラー信号により対物レンズの移動速度を検出し、更に光ヘッドの移動速度と対物レンズの移動速度の差分から光ヘッドに対する対物レンズの相対的な速度を算出し、この相対速度に基づいて対物レンズの振動を抑制する方法が示されている。
このシーク制御方法は、キャリッジと対物レンズの移動速度をパラメータとしてキャリッジに対する対物レンズの相対速度をゼロにするようにシーク制御することで対物レンズに振動を発生させないようするもので、キャリッジに対する対物レンズの相対的な移動を抑制することにより当該対物レンズに生じる振動を抑制する点で特開平9−223317号公報に記載のシーク制御方法と共通するものである。
ところで、光スポットのディスクの径方向の移動速度VAは、トラッキングエラー信号(以下、TES信号という。)が、図16の(a)に示すように正弦波状に変化するので、このTES信号とゼロレベル信号(図16の(a)では+側のピーク値と−側のピーク値の平均値)とを比較することにより、同図の(b)に示すように、矩形波のトラッキングゼロクロス信号(以下、TZC信号という。)を作成し、このTZC信号の立ち下がりタイミング若しくは立ち上がりタイミングの時間間隔TAを算出し、この時間間隔TAでトラックピッチXA(ランド間のピッチ。図17参照)を除することにより算出される。
しかし、TZC信号を用いて光スポットの移動速度VAを算出する方法は、光スポットがグルーブとランドとが交互に形成された位置を横断しなかった場合、TES信号の波形が正弦波状とならず、TZC信号から算出される光スポットのトラック間の通過時間TAが正常値からずれるため、光スポットの移動速度VAが不正確になるという問題がある。
すなわち、光磁気ディスクのトラックに分割形成される複数のセクタの各先頭位置には予めトラック番号とセクタ番号などからなる各セクタのID情報が記録されており、このID情報の形成位置(ピット)は、図17に示すように、ランドに凹部を形成した状態となっている。こめため、ID情報の形成位置の高さは、ランドを挟む2つのグルーブの高さと略同一となっており、このID情報の形成位置を矢印Qで示すように光ピッチが横断した場合、TES信号及びTZC信号は、図18のようになり、トラックの横断数が1本欠如し、光スポットのトラック間の通過時間TAが正常値よりも長くなるので、移動速度VAは正常値より遅くなってしまうことになる。
シーク制御において、このような状態が発生すると、例えばキャリッジに対する対物レンズの相対速度をゼロにするようにシーク制御する方法ではシーク動作中に正確に相対速度をゼロに制御することができず、シーク制御における対物レンズの振動を安定かつ確実に抑制することができなくなるという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、TZC信号を用いて算出される対物レンズの移動速度の誤りを自動的に修正してシーク制御における対物レンズの振動を安定かつ確実に抑制することができる光ディスク装置を提供するものである。
本発明は、光ディスクの一方面に対向配置され、当該ディスクの径方向に移動可能に設けられたキャリッジと、上記キャリッジを駆動する第1の駆動手段と、レーザ光を発生する光源手段と、上記キャリッジ上に上記ディスクの径方向に変位可能に支持され、上記光源手段で発生したレーザ光から上記光ディスクの同心状若しくは螺旋状に形成された複数のトラックへの情報の記録又は再生を行うための光スポットを生成し、当該光ディスクに照射する対物レンズと、上記対物レンズを変位させる第2の駆動手段と、上記光スポットが上記光ディスクの上記トラックを横断するように移動した際、当該光ディスクの反射光に基づいて、上記光スポットの上記トラックの横断に対応して正弦波状に変動する振幅を有する第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、上記第1の信号生成手段で生成された第1の信号の振幅変動に基づいて、上記光スポットが各トラックを通過するタイミングでレベルが反転する矩形波状の第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、上記キャリッジのシーク動作中に上記キャリッジの移動速度を算出する第1の速度算出手段と、上記キャリッジのシーク動作中に上記第2の信号に基づいて上記対物レンズの移動速度を算出する第2の速度算出手段と、上記第1,第2の速度算出手段で算出された上記キャリッジの移動速度と上記対物レンズの移動速度とを用いて、上記対物レンズの上記キャリッジに対する相対速度がゼロとなるように上記第2の駆動手段を制御する制御手段と備えた光ディスク装置において、上記キャリッジのシーク動作開始直前の当該キャリッジにおける上記対物レンズの位置情報を検出する第1の位置検出手段と、上記第1の位置検出手段で検出された上記対物レンズの位置情報を記憶する記憶手段と、上記キャリッジのシーク動作中に、所定の周期で上記キャリッジにおける上記対物レンズの位置情報を検出する第2の位置検出手段と、上記第2の位置検出手段で検出された位置情報と上記記憶手段に記憶された位置情報とを比較し、両位置情報の誤差が予め設定された閾値以上であると、上記キャリッジにおける上記対物レンズの位置を上記記憶手段に記憶された位置に補正する位置補正手段とを備えたことを特徴としている。
なお、上記光ディスク装置において、上記対物レンズの移動量は、上記第2の駆動手段の消費電流量に比例する構成とし、上記第1,第2の位置検出手段は、上記第2の駆動手段の消費電流量に基づいて上記キャリッジにおける上記対物レンズの位置情報を検出するとよい。また、上記光ディスク装置において、上記第1の信号は、上記対物レンズの移動量及び移動方向に応じたオフセットレベルに上記光スポットの上記トラックの横断に対応して正弦波状に変動する振幅波形が重畳された信号であり、上記第1,第2の位置検出手段は、上記第1の信号のオフセットレベルに基づいて上記キャリッジにおける上記対物レンズの位置情報を検出するとよい。
また、上記光ディスク装置において、上記第1の位置検出手段で検出された上記キャリッジにおける上記対物レンズの位置が移動量ゼロの基準位置であるか否かを判別する判別手段と、上記判別手段により上記対物レンズの位置が基準位置でない場合、上記第2の駆動手段により上記対物レンズのみを移動させて上記光スポットのシーク動作を開始させ、当該対物レンズの位置が上記基準位置に一致したタイミングで、上記キャリッジによるシーク動作を開始させるシーク制御手段と、を更に備えるとよい。
更に、上記光ディスク装置において、上記対物レンズの移動によるシーク動作において当該対物レンズの位置が上記基準位置に一致したときの対物レンズの移動速度を算出する第3の速度算出手段と、上記第3の速度算出手段で算出された上記対物レンズの変位速度が予め設定された所定の閾値を越えているか否かを判別する速度判別手段とを更に備え、上記速度判別手段により上記対物レンズの移動速度が上記所定の閾値よりも低いとき、上記シーク制御手段は、上記対物レンズの移動速度が上記所定の閾値に上昇するまで、上記対物レンズのみを移動させたシーク動作を継続するとよい。
図1は、本発明に係る光ディスク装置のシーク制御に関する要部のブロック構成を示す図である。
図2は、シーク制御部におけるシーク動作の制御の第1実施形態を示すブロック図である。
図3は、シーク時のキャリッジの目標速度のプロファイルを示す図である。
図4は、第1実施形態に係るシーク制御の処理手順を示すフローチャートである。
図5は、シーク制御部におけるシーク動作の制御の第2実施形態を示す図である。
図6は、レンズの変位量とTES信号のオフセット量との関係を示す図である。
図7は、第2実施形態に係るシーク制御の処理手順を示すフローチャートである。
図8は、シーク開始前後のキャリッジに対する対物レンズの位置関係を示す図である。
図9は、基準位置からシーク方向に変位した状態の対物レンズを基準位置に戻す方法を説明するための図である。
図10は、基準位置からシーク方向とは逆方向に変位した状態の対物レンズを基準位置に戻す方法を説明するための図である。
図11は、シーク制御部におけるシーク動作の制御の第3実施形態を示す図である。
図12は、第3実施形態に係るシーク制御の処理手順を示すフローチャートである。
図13は、第4実施形態に係るシーク制御の処理手順を示すフローチャートである。
図14は、第4実施形態に係るシーク制御時のキャリッジ及び対物レンズの目標速度のプロファイルを示す図である。
図15は、キャリッジアクチュエータとレンズアクチュエータを備えた光ヘッドの基本的なアクチュエータの構成の一例を示す図である。
図16は、TES信号とTZC信号の波形を示す図である。
図17は、光磁気ディスクに形成されたランドとグルーブとID情報の記録位置の関係を示す要部斜視図である。
図18は、シーク動作時にID情報記録位置を光スポットが走査した場合のTES信号とTZC信号の波形を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係る光ディスク装置のシーク制御に関する要部のブロック構成図である。
光ディスク装置1は、シーク制御に関する構成要素として、光ディスク2を回転させるスピンドルモータ3、このスピンドルモータ3の回転を制御するスピンドルモータ制御部4、データの読み書きを行うためにレーザ光Lから光スポットを生成して光ディスク2に照射する光ヘッド10、光ヘッド10の構成要素であるキャリッジ101を光ディスク2の径方向に移動させるキャリッジアクチュエータ102、光ヘッド10から光ディスク2へ照射される光スポットのフォーカスを制御するフォーカス制御部6、光ヘッド10から光ディスク2へ照射される光スポットが当該光ディスク2の回転中に光ディスク2のトラック上を移動するようにその照射位置を制御するトラッキング制御部7、光スポットを光ディスク2の指定されたトラック位置に移動させてデータの記録又は再生を行うための当該光スポットの光ディスク2の径方向の移動を制御するシーク制御部8、光ディスク2への記録又は再生の際に光ヘッド10から入出力される信号に所定の信号処理を行う信号処理部9および、スピンドルモータ制御部4,フォーカス制御部6〜信号処理部9の動作を制御するシステム制御部5を備えている。
なお、スピンドルモータ制御部4,システム制御部5〜フォーカス制御部9は、主としてソフトウェアで構成され、各部に対応して設けられたMPUでそのソフトウェアを実行することにより実現される。
スピンドルモータ3は、例えばブラシレスDCモータからなり、光ディスク2の中心孔の保持部に設けられている。スピンドルモータ3を所定の回転数で所定の方向(光ディスク2を上から見て時計回り)に回転させることにより光ディスク2が予め設定された一定の速度で回転される。スピンドルモータ3の駆動はスピンドルモータ制御部4からの制御信号に基づいて制御される。例えば3相ブラシレスDCモータの場合、スピンドルモータ制御部4から120°通電の矩形波信号(制御信号)がスピンドルモータ3に供給される。
スピンドルモータ3の駆動制御はシステム制御部5によって行われる。システム制御部5は、スピンドルモータ3の回転開始および回転停止のタイミング信号をスピンドルモータ制御部4に出力し、スピンドルモータ制御部4はこのタイミング信号に基づいてスピンドルモータ3の駆動/停止を制御する。
光ヘッド10は、図15に示したキャリッジアクチュエータとレンズアクチュエータを備えた光ヘッドと同一の構成を有している。また、図1に示すキャリッジアクチュエータ102、対物レンズ104及びレンズアクチュエータ105の具体構成は、図15に示した構成と同一であるので、ここではその詳細説明を省略する。
対物レンズ104は、図15に示すように、キャリッジ101に4本のバネ103で支持されている。また、レンズアクチュエータ105は、対物レンズ104のハウジングの両側面に設けられた一対の磁石105a,105bと、これらの磁石105a,105bに対向配置された一対の電磁石105c,105dとで構成されている。そして、いずれかの電磁石105c,105dへの通電量を制御することにより対物レンズ104が、キャリッジ101上で光ディスク2の径方向に所定の範囲内で変位可能になっている。
なお、レーザ光学系109は、図略のレーザ発生装置で発生したレーザ光Lを光ディスク2に光スポットを照射するために対物レンズ104に導いたり、光ディスク2を反射して対物レンズ104に入射した光を信号処理部9側に導いたりするための光学系であり、この光学系には対物レンズ104を介して光ディスク2に照射される光スポットのフォーカス調整用の信号を検出するための光学系や光スポットのトラッキング調整用の信号を検出するための光学系も含まれている。
対物レンズ104は、レーザ光学系によって導かれたレーザ光Lを絞り込んで光ディスク2の表面(図1ではディスク下面)に所定の径(例えば直径1.6μm程度)の光スポットを形成するものである。対物レンズ104は、上述したようにレンズアクチュエータ105によりキャリッジ101上で当該キャリッジ101とは独立に光ディスク2の径方向に変位するようになっている。すなわち、対物レンズ104を変位させることにより光ディスク2に照射された光スポットの位置をキャリッジ101とは独立して当該光ディスク2の径方向(トラックを横断する方向)に移動させることができる。
また、キャリッジ101は、図15に示す構造と同一の構造でキャリッジアクチュエータ102に取り付けられており、キャリッジアクチュエータ102のステッピングモータからなるモータ106の回転力により光ディスク2の径方向に移動されるようになっている。本実施形態では、キャリッジ101の駆動源としてステッピングモータを用いているので、当該ステッピングモータの駆動を制御するパルス信号(駆動パルス)を用いてシーク動作時のキャリッジ101の移動速度Vが検出されるようになっている。
すなわち、ステッピングモータのステップ角をD(°)とし、モータの1回転でキャリッジ101がシャフト107aを直進する距離をP(mm)とすると、1パルス当たりのキャリッジ101の移動速度Vp(mm/パルス)は、Vp=P×D/360となる。従って、ステッピングモータの回転制御の目標値をN(パルス/秒(pps))とすると、キャリッジ101の移動速度V(mm/秒)は、Vp×Nとなるから、ステッピングモータの回転制御の目標値Nが設定されると、それによりキャリッジ101の移動速度Vが算出される。
なお、キャリッジ101の移動によるシーク動作の制御はシーク制御部8により行われ、このシーク制御部8からキャリッジアクチュエータ102にステッピングモータの回転制御の目標値Nが出力されるから、シーク動作時のキャリッジ101の移動速度Vはシーク制御部8により算出される。
フォーカス制御部6は、対物レンズ104を介して光ディスク2に照射される光スポットの焦点位置を当該光ディスク2のトラックに自動調整するものである。光ディスク2は回転中に上下に微小振動しており、これにより光ヘッド10のトラックに照射された光スポットの焦点位置はずれる。光ヘッド10のレーザ光学系には光スポットの光ディスク2からの反射光に基づいては光スポットの焦点位置のずれに相当する信号を検出する回路(焦点信号検出回路)が設けられており、フォーカス制御部6は、この焦点信号検出回路から出力される信号を用いてレーザ光学系内のフォーカス調節用の光学系を変位させて光スポットの焦点位置を光ディスク2のトラックの位置(図17の光磁気ディスクの場合、ランドの位置)に自動調整する。
トラッキング制御部7は、光ディスク2の回転時に光スポットが指定されたトラック上を相対的に移動するように当該光スポットの光ディスク2への照射位置を自動的に微調整するものである。光ディスク2は偏心しているため、例えば当該光ディスク2に同心状にトラックが形成されていても、光ディスク2の回転中にそのトラックは光ディスク2が偏心していないときのトラック位置から左右に微小にずれる。トラックが螺旋状に形成されている場合も同様である。
光ヘッド10のレーザ光学系には光スポットの光ディスク2からの反射光に基づいて光スポットのトラック位置からのずれに応じた信号(TES信号)を検出する回路(トラッキングエラー信号検出回路)が設けられており、トラッキング制御部6は、このトラッキングエラー信号検出回路から出力されるTES信号を用いてレンズアクチュエータ105により対物レンズ104のキャリッジ101における位置を変位させて光スポットの照射位置を光ディスク2のトラックの位置に自動調整する。
シーク制御部8は、キャリッジ101若しくは対物レンズ104を光ディスク2の径方向に移動させて光スポットを指定されたトラック位置に高速で位置決めする動作(シーク動作)を制御するものである。シーク制御部8は、システム制御部5からの制御信号に基づいてシーク動作の制御を行う。
システム制御部5は、例えば光ディスク装置1に接続されたコンピュータからデータの書き込み指令があると、その指令に付随して送信されるデータとそのデータを書き込むべき光ディスク2の記録領域の情報(トラック番号とセクタ番号の情報)をシーク制御部8に送出する。シーク制御部8は、この記録領域の情報に基づいてキャリッジ101又は対物レンズ104を光ディスク2の径方向に移動させて光スポットをデータの書き込み位置(指定されたトラック番号とセクタ番号の位置)に位置決めする。
このシーク制御では、シーク制御部8は、基本的にキャリッジ101を図3に示す速度プロファイルで移動させる。すなわち、シーク制御部8は、キャリッジ101を目標速度Vo=400ppsで起動し、キャリッジ101の移動速度Vを所定の加速度で1000ppsまで上昇させた後、所定の時間だけ等速移動を保持する。そして、その後、加速度と略同一の減速度でキャリッジ101の移動速度Vを減速させて光スポットを指定されたトラック位置の近傍に移動させ(粗シーク動作)、その後、対物レンズ104のみを微小移動させて光スポットを指定されたトラック位置に位置決めする(蜜シーク動作)。なお、図3に示す速度プロファイルは一例であって、これに限定されるものではない。
上述したように、本実施形態に係る光ヘッド10の構成では、粗シーク動作と蜜シーク動作の2段階のシーク制御を行った場合、キャリッジ101の移動速度の加減速により対物レンズ104に微小振動が発生し、キャリッジ101のシーク動作が終了しても直ちに対物レンズ104を微小移動させて指定されたトラック位置への位置決めを行うことができない(粗シーク動作からスムーズに蜜シーク動作に移行できない)という基本的な問題を有している。
しかし、シーク制御部8は、後述するように、粗シーク動作時に光ディスク2が1回転する毎にキャリッジ101における対物レンズ104の位置の変化を監視し、対物レンズ104の位置が光ディスク2のトラック間隔(例えば1.6μm程度)の1個分以上変化した場合は、キャリッジ101における対物レンズ104の位置を粗シーク開始時の位置(以下、この位置を初期位置という。)に戻すことによりキャリッジ101における対物レンズ104の位置を固定し、対物レンズ104に発生する微小振動を可及的に抑制するようになっている。
信号処理部9は、変調回路及び復調回路を有し、光ディスク2へデータを書き込む際、コンピュータから送信されたデータを所定の変調方式に従って変調し、その変調信号を光ヘッド10に入力する。光ヘッド10は、この変調信号に基づいて光ディスク2へのデータ記録用のパルス信号を生成し、このパルス信号に基づいてレーザ光Lを発生することにより光ディスク2にパルス光を照射してデータを記録する。また、光ディスク2からデータを読み取る際、光ヘッド10から出力される光ディスク2からの光スポットの反射光に基づく信号を所定の復調方式に従って復調し、その復調信号を図略の後段のデータ再生回路に出力する。
次に、本発明に係るシーク制御の内容について、説明する。
図2は、シーク制御部8におけるシーク動作の制御の第1実施形態を示すブロック図である。
同図において、平均値演算部801は、トラッキング制御部7からレンズアクチュエータ105に出力されるトラッキングを行なうためのドライブ信号TRKDRV1の光ディスク2が1回転する間の平均値を演算するものである。
ドライブ信号TRKDRV1は、レンズアクチュエータ105の電磁石105c,105dに通電される電流値を内容とする信号である。レンズアクチュエータ105の電磁石105c,105dへの通電電流がゼロの場合は、図15に示すように、対物レンズ104は基準位置Mに位置しているが、通電電流の電流量に比例して対物レンズ104の基準位置Mからの変位量は大きくなる。すなわち、レンズアクチュエータ105への通電電流の電流量とキャリッジ101における対物レンズ104の位置(基準位置Mを基準とした位置)は対応している。
従って、ドライブ信号TRKDRV1によってキャリッジ101における対物レンズ104の位置を検出することができる。しかし、上述したように、光ディスク2の偏心により、光ディスク2の回転中のトラック位置は無偏心時のトラック位置から左右にずれ、そのずれに応じて光スポットをトラックに追随させるためのドライブ信号TRKDRV1も微小に変動することになる。このため、平均値演算部801により光ディスク2が1回転する間のドライブ信号TRKDRV1の平均値を算出することにより、微小振動の影響をなくしてキャリッジ101における対物レンズ104の位置を算出するようにしている。
平均値演算部801で算出されたドライブ信号TRKDRV1の平均値(キャリッジ101における対物レンズ104の位置情報に相当)はメモリ802に記憶され、その記憶値は光ディスク2が1回転する毎に算出される新しいドライブ信号TRKDRV1の平均値で更新される。従って、あるタイミングでシーク動作が開始されると、その開始直前にメモリ802に記憶されているドライブ信号TRKDRV1の平均値は、シーク動作開始直前のキャリッジ101における対物レンズ104の位置情報となっている。
TZC信号生成部803は、シーク動作中に光ヘッド10から出力されるTES信号からTZC信号を生成するものである。TES信号からTZC信号を生成する方法は、図16を用いて説明した方法と同様であるので、ここでは詳細説明を省略する。
速度演算部804は、TZC信号生成部803から出力されるTZC信号を用いてシーク動作中の光スポットの光ディスク2に対する移動速度VA(mm/s)を演算するものである。光ディスク2におけるトラック間隔をXA(mm)、1秒間にトラックを横切る数をK、隣り合うトラックを横切る時間をTA(s)(図16(b)参照)とすると、VA=K×XA(mm/s)、K=1/TAであるから、VA=XA/TAとなる。
速度演算部804は、TZC信号生成部803から出力されるTZC信号から時間TAを算出し、この時間TAと予め用意されている光ディスク2のトラック間隔XAとを用いて上記VA=XA/TAの式から光スポットの移動速度VAを算出する。なお、光スポットの移動は対物レンズ104により制御されるから、光スポットの移動速度VAは、実質的に光ディスク2に対する対物レンズ104の移動速度を示している。
速度誤差演算部805は、システム制御部5から入力されるシーク動作中に制御すべきキャリッジ101の移動速度の目標値Vo(mm/s)(実質的にキャリッジの移動速度Vに相当する)と速度演算部804により算出される光スポットの移動速度VA(mm/s)との誤差ΔV(mm/s)を演算するものである。この速度誤差ΔVは、シーク動作中にドライブ信号TRKDRV1に代えてドライブ信号TRKDRV2として信号補正部809(後述する)を介してレンズアクチュエータ105に入力される。
なお、システム制御部5からはシーク動作中に制御すべきキャリッジ101の移動速度のデータとして、キャリッジアクチュエータ102のステッピングモータの回転制御目標値N(pps)が入力されるので、速度誤差演算部805は、回転制御目標値Nと上述した1パルス当たりのキャリッジ101の移動速度Vpとから目標速度Vo=N×Vp(m/s)を算出し、この目標速度Voから光スポットの移動速度VAを減算して速度誤差ΔV=Vo−VAを算出する。
速度誤差ΔVがゼロのときは、光スポットの光ディスク2に対する移動速度VAとキャリッジ101の光ディスク2に対する移動速度Vo(=V)とは同一であるから、対物レンズ104のキャリッジ101に対する相対速度はゼロであり、対物レンズ104はキャリッジ101に対して静止していることになる。
一方、速度誤差ΔVがゼロでないときは、対物レンズ104のキャリッジ101に対する相対速度はゼロでないから、対物レンズ104はキャリッジ101に対して移動していることになり、この状態は対物レンズ104に微小振動が発生していることを意味している。
従って、シーク動作時はドライブ信号TRKDRV1に代えて速度誤差ΔVをドライブ信号TRKDRV2としてレンズアクチュエータ105に入力し、このドライブ信号TRKDRV2に基づいて対物レンズ104を微小移動させることにより対物レンズ104に発生する微小振動を抑制するようになっている。
トラッキング制御において、例えばキャリッジ101における対物レンズ104の位置が基準位置Mに対して+X(μm)の位置(+方向は光ディスク2の中心孔側に移動する方向とする)のタイミングでシーク動作が開始されると、その後のシーク動作中は平均値演算部806で算出される速度誤差ΔVがドライブ信号TRKDRV2としてレンズアクチュエータ105に入力され、対物レンズ104に微小振動が発生してキャリッジ101における対物レンズ104の位置が+Xの位置からずれようした場合、速度誤差ΔVがゼロとなるように、すなわち、対物レンズ104の位置が+Xの位置に固定されるように、対物レンズ104の位置が制御される。
しかし、図18を用いて説明したように、TES信号にトラックの横断検出をミスした波形が含まれる場合は、そのTES信号を用いて生成したTZC信号により算出されるシーク動作中の光スポットの移動速度VAは実際の移動速度とは異なるため、速度誤差ΔVも実際の速度誤差と相違することになる。従って、この速度誤差ΔVに基づいてシーク動作中の対物レンズ104の位置を制御すると、対物レンズ104の位置は+Xの位置から更にずれることになる。
平均値演算部806〜信号補正部809は、上述のTES信号にトラックの横断検出ミスが含まれている場合の誤った制御を是正するものである。
平均値演算部806は、速度誤差演算部805から出力される速度誤差ΔVの光ディスク2が1回転する間の平均値を演算するものである。上述したように、速度誤差ΔVがゼロでないときは、シーク動作中に対物レンズ104に振動が発生し、キャリッジ101における対物レンズ104の位置が時々刻々変化していることを示している。シーク動作中に速度誤差ΔVは所定の周期で連続的に算出されるので、平均値演算部806は、速度誤差ΔVの光ディスク2が1回転する間の平均値を算出することにより光ディスク2が1回転する間のキャリッジ101における対物レンズ104の平均的な位置を算出している。
平均値演算部805で算出された速度誤差ΔVの平均値(キャリッジ101における対物レンズ104の位置情報に相当)はメモリ807に記憶され、その記憶値は光ディスク2が1回転する毎に算出される新しい速度誤差ΔVの平均値で更新される。なお、シーク開始時にはメモリ802に記憶されたキャリッジ101における対物レンズ104の位置情報が初期値としてメモリ807に記憶される。
誤差演算部808は、光ディスク2が1回転する毎にメモリ802とメモリ807に記憶されている対物レンズ104の位置情報を読み出し、両者の誤差を演算し、その誤差が所定の閾値(例えば光ディスク2のトラック間隔1個分に相当する距離)を超えているか否かを判別するものである。すなわち、メモリ802にシーク開始時のキャリッジ101における対物レンズ104の位置情報として+Xの位置情報が記憶され、メモリ807に現在のキャリッジ101における対物レンズ104の位置情報として+X’の位置情報が記憶されている場合、誤差演算部808は、誤差ΔX=|X’−X|を算出し、その誤差ΔXが所定の閾値Xr(例えば1.6μm)を超えているか否かを判別する。
そして、誤差ΔXが閾値Xrを超えている場合は、TES信号にトラックの横断検出ミスが含まれ、対物レンズ104の位置制御が誤った制御となると見なして、誤差演算部808は、信号補正部809にドライブ信号TRKDRV2の補正信号を送出する。
信号補正部809は、誤差演算部808から補正信号が入力されると、速度誤差演算部805から入力される速度誤差ΔVに代えてキャリッジ101における対物レンズ104の位置をシーク開始時の位置に設定するドライブ信号TRKDRV2’をレンズアクチュエータ105に出力する。すなわち、速度誤差ΔVは信頼性がないので、速度誤差ΔVに基づく位置ずれ量から対物レンズ104の位置をシーク開始時の位置に修正するのではなく、シーク開始時の対物レンズ104の位置情報に基づいて対物レンズ104の位置を直接シーク開始時の位置に修正する。
これにより、シーク動作中のキャリッジ101における対物レンズ104の位置をシーク開始時の位置に正確に自動調整できるので、キャリッジ101に対する対物レンズ104の相対速度がゼロになり、シーク動作中の対物レンズ104に発生する微小振動を安定かつ正確に抑制することができる。
次に、第1実施形態に係るシーク制御部のシーク制御について、図4に示すフローチャートに従って説明する。
同図に示すフローチャートは、トラッキング制御からシーク制御に移行し、シーク動作が終了するまでの処理手順を示している。
まず、トラッキング制御においては、光ディスク2が1回転する毎に、平均演算部801によりレンズアクチュエータ105の駆動電流(電磁石105c,105dへの通電電流)の平均値C1が演算され、その演算値C1はメモリ802に記憶される(S1〜S4のループ)。この演算値C1の記憶は、古い演算値に新しい演算値を上書きするようにして行われる。
トラッキング制御中にシステム制御部5からシーク動作が指令されると(S4:YES)、まず、メモリ802に記憶されている演算値C1(シーク開始直前のキャリッジ101における対物レンズ104の位置情報)がメモリ807の初期値して記憶される(S5)。
続いて、速度誤差演算部805によりキャリッジアクチュエータ102に入力される目標回転数Nからキャリッジ101の移動速度Vが演算されるとともに(S6)、速度演算部804によりTES信号に基づいて対物レンズ104の移動速度VAが演算される(S7)。続いて、速度誤差演算部805によりキャリッジ101の移動速度Vと対物レンズ104の移動速度VAとの速度誤差ΔV(=VA−V)が演算され(S8)、更に速度誤差ΔVがゼロとなるように対物レンズ104の移動速度が制御される(S9)。すなわち、キャリッジ101に対する対物レンズ104の相対速度ΔVが算出され(S8)、この相対速度ΔVがゼロとなるように対物レンズ104の移動速度が制御される(S9)。
上記ステップS6〜S9の処理は、光ディスク2が1回転する間、繰り返し行われ(S6〜S10,S14,S6のループ)、光ディスク2が1回転すると(S10:YES)、速度誤差演算部805から出力される速度誤差ΔVの平均値C2(現在のキャリッジ101における対物レンズ104の位置情報)が演算され、その演算値C2がメモリ2に上書きされる(S11)。
そして、速度誤差ΔVの平均値C2とメモリ802に記憶された平均値C1との誤差ΔC=|C1−C2|が算出され、この誤差ΔCが予め設定された閾値Csを超えているか否かが判別される(S12)。なお、このフローチャートでは、ステップS12の処理を速度誤差ΔVによる処理で説明しているが、この処理は、上述したキャリッジ101における対物レンズ104の位置ずれ量ΔXを算出し、この位置ずれ量ΔXが所定の閾値Xrを超えているか否かの判別と等価である。
誤差ΔCが閾値Csを越えていれば(S12:YES)、レンズアクチュエータ105の駆動電流がシーク開始直前の状態に戻される(S13)。すなわち、キャリッジ101における対物レンズ104の位置がシーク開始直前の位置に調整される。続いて、シーク動作が終了しているか否かが判別され(S14)、シーク動作が終了していなければ(S14:NO)、ステップS6に移行し、上述したシーク制御が繰り返される(S6〜S14,S6のループ)。
一方、誤差ΔCが閾値Cs以下であれば(S12:NO)、ステップS13はスキップされ、ステップS14に移行してシーク動作が終了しているか否かが判別され、シーク動作が終了していなければ(S14:NO)、ステップS6に移行し、上述したシーク制御が繰り返される(S6〜S12,S14,S6のループ)。そして、シーク動作が終了すると(S14:YES)、シーク制御処理を終了する。
上記のように、第1実施形態に係る光ディスク装置は、シーク制御において、シーク開始時のキャリッジ101における対物レンズ104の位置を記憶しておくとともに、シーク動作中にキャリッジ101における対物レンズ104の位置を算出し、その位置がシーク開始時の位置から光ディスク2のトラック間隔1つ分以上ずれている場合、キャリッジ101における対物レンズ104の位置をシーク開始時の位置に修正するようにしているので、TES信号にトラック横断の検出ミスが含まれる場合にも正確にキャリッジ101に対する対物レンズ104の相対速度をゼロにし、当該対物レンズ104に生じる微小振動を抑制することができる。
従って、粗シーク制御から蜜シーク制御への可及的速やかな移行が確実に行え、光ヘッド10の高精度の高速シーク制御が可能になる。
図5は、シーク制御部8におけるシーク動作の制御の第2実施形態を示すブロック図である。
第1実施形態は、キャリッジ101における対物レンズ104の位置をレンズアクチュエータ105の電磁石105c,105dへの通電電流量から算出するようにしていたが、第2実施形態は、正弦波状に変化するTES信号のオフセットレベル(振幅変化の変化中心となるレベル。+側ピーク値と−側ピーク値との平均値に略一致する)がキャリッジ101における対物レンズ104の位置に対応することから、TES信号のオフセットレベルからキャリッジ101における対物レンズ104の位置を算出するようにしたものである。
すなわち、図6に示すように、対物レンズ104がキャリッジ101の基準位置Mに位置している状態でキャリッジ101のシーク動作が行われた場合、光ヘッド10から出力されるTES信号は、正弦波状に変化する振幅の変化中心は0で、オフセットレベルは0となっている(図6の実線で示す波形参照)。
一方、対物レンズ104がキャリッジ101の基準位置Mから+X1だけずれた位置M1に変位した状態でキャリッジ101のシーク動作が行われた場合、光ヘッド10から出力されるTES信号は、正弦波状に変化する振幅の変化中心はT1(>0)で、オフセットレベルはT1となり(図6の点線で示す波形参照)、対物レンズ104がキャリッジ101の基準位置Mから−X2だけずれた位置M2に変位した状態でキャリッジ101のシーク動作が行われた場合、光ヘッド10から出力されるTES信号は、正弦波状に変化する振幅の変化中心はT2(<0)で、オフセットレベルはT2となる(図6の一点鎖線で示す波形参照)。
上述のようにTES信号のオフセットレベルTは、キャリッジ101における対物レンズ104の位置(基準位置Mからのずれ量)に対応するから、第2実施形態では、光ヘッド10から出力されるTES信号からオフセットレベルTを抽出し、このオフセットレベルTからキャリッジ101における対物レンズ104の位置(基準位置Mからのずれ量)を算出するようにしている。
従って、図5に示すブロック図は、図3に示すブロック図において、平均値演算部801、メモリ802、平均値演算部806、メモリ807及び誤差演算部808の部分をオフセットレベル演算部810、変位量変換部811、メモリ812及び変位量判定部813に置き換えたものである。
図5において、オフセットレベル演算部810は、光ヘッド10から出力されるTES信号からオフセットレベルTを算出するものである。オフセットレベル演算部810は、例えばTES信号の最大値Vmaxと最小値Vminを検出し、両者の平均値Vave=(Vmax+Vmin)/2を演算することによりオフセットレベルTを算出する。
変位量演算部811は、所定の周期でオフセットレベル演算部810により算出されたTES信号のオフセットレベルTからキャリッジ101における対物レンズ104の位置(基準位置Mからのずれ位置)を演算するものである。メモリ812は、変位量演算部811によって演算されたキャリッジ101における対物レンズ104の位置情報を記憶するものである。
変位量演算部811は、オフセットレベルTと基準位置Mからのずれ位置Xとの関係を示すテーブルを有し、このテーブルを用いてオフセットレベル演算部810により算出されたTES信号のオフセットレベルTをキャリッジ101における対物レンズ104の位置に変換する。この対物レンズ104の位置情報は算出される毎にメモリ812に上書き保存される。
変位量判定部813は、メモリ812に記憶された対物レンズ104の位置がシーク開始時の位置から所定の閾値を越えている否かを判定するものである。すなわち、変位量判定部813は、キャリッジ101における対物レンズ104のシーク開始時の位置からの位置ずれ量ΔXが所定の閾値Xrを超えているか否かを判別する。
そして、誤差ΔXが閾値Xrを超えている場合は、TES信号にトラックの横断検出ミスが含まれ、対物レンズ104の位置制御が誤った制御となると見なして、変位量判定部813は、信号補正部809にドライブ信号TRKDRV2の補正信号を送出する。
TZC信号生成部803〜速度誤差演算部805及び信号補正部809の動作は第1実施形態の場合と同一であるから、ここでは詳細説明は省略する。
次に、第2実施形態に係るシーク制御部のシーク制御について、図7に示すフローチャートに従って説明する。
同図に示すフローチャートもトラッキング制御からシーク制御に移行し、シーク動作が終了するまでの処理手順を示している。
トラッキング制御中にシステム制御部5からシーク動作が指令されると(S20:YES)、まず、メモリ812にキャリッジ101における対物レンズ104の位置ずれ量の初期値「0」が設定される(S21)。すなわち、シーク開示時のキャリッジ101における対物レンズ104の位置を変位の基準とする。
続いて、速度誤差演算部805によりキャリッジアクチュエータ102に入力される目標回転数Nからキャリッジ101の移動速度Vが演算されるとともに(S22)、速度演算部804によりTES信号に基づいて対物レンズ104の移動速度XAが演算される(S23)。続いて、速度誤差演算部805によりキャリッジ101の移動速度Vと対物レンズ104の移動速度VAとの速度誤差ΔV(=VA−V)が演算され(S24)、更に速度誤差ΔVがゼロとなるように対物レンズ104の移動速度が制御される(S25)。すなわち、キャリッジ101に対する対物レンズ104の相対速度ΔVが算出され(S24)、この相対速度ΔVがゼロとなるように対物レンズ104の移動速度が制御される(S25)。
続いて、オフセットレベル演算部810によりTES信号のオフセットレベルTが算出され、更に変位量変換部811によりこのオフセットレベルTからキャリッジ101における対物レンズ104の変位量ΔXが算出され、これらの算出値がメモリ812に記憶される(S26)。
続いて、変位量|ΔX|が所定の閾値Xr(例えば光ディスク2のトラック間隔1つ分に相当する値)を超えているか否かが判別され(S27)、変位量|ΔX|が所定の閾値Xrを超えているときは(S27:TES)、変位量ΔXに対応するオフセットレベルTに基づいてレンズアクチュエータ105に入力されるドライブ信号TRKDRV1が補正される(S28)。すなわち、信号補正部809は、オフセットレベルTに予め設定された係数Gを乗じてドライブ信号TRKDRV2を生成し、そのドライブ信号TRKDRV2をレンズアクチュエータ105に供給する。これによりキャリッジ101における対物レンズ104の位置はシーク開始直前の位置に調整される。
続いて、シーク動作が終了しているか否かが判別され(S29)、シーク動作が終了していなければ(S29:NO)、ステップS22に移行し、上述したシーク制御が繰り返される(S22〜S29,S22のループ)。
一方、変位量|ΔX|が閾値Xr以下であれば(S27:NO)、ステップS28はスキップされ、ステップS29に移行してシーク動作が終了しているか否かが判別され、シーク動作が終了していなければ(S29:NO)、ステップS22に移行し、上述したシーク制御が繰り返される(S22〜S27,S29,S22のループ)。そして、シーク動作が終了すると(S29:YES)、シーク制御処理を終了する。
なお、ステップS27の判断では、オフセットレベルTを所定の閾値Trと比較して変位量|ΔX|が所定の閾値Xrを超えているか否かを判別するようにしてもよい。
上記のように、第2実施形態に係る光ディスク装置においても第1実施形態に係る光ディスク装置と同様に、シーク動作中にキャリッジ101における対物レンズ104の位置を算出し、その位置がシーク開始時の位置から光ディスク2のトラック間隔1つ分以上ずれている場合、キャリッジ101における対物レンズ104の位置をシーク開始時の位置に修正するようにしているので、TES信号にトラック横断の検出ミスが含まれる揚合にも正確にキャリッジ101に対する対物レンズ104の相対速度をゼロにし、当該対物レンズ104に生じる微小振動を抑制することができる。
ところで、第1,第2実施形態に係るシーク制御では、シーク動作開始時にキャリッジ101における対物レンズ104の位置が基準位置Mからずれていれば、シーク動作中はそのずれ状態を保持するように対物レンズ104の位置が制御される。すなわち、図8に示すように、例えばシーク動作開始直前のキャリッジ101における対物レンズ104の位置が基準位置Mから+δxだけずれている場合、シーク動作中は基準位置Mから+δxだけずれた位置を中心として対物レンズ104の位置制御が行われることになる。
対物レンズ104の位置制御のための変位範囲が基準位置Mから+Δx,−Δxであるとすると、対物レンズ104の位置制御の中心が+δxだけずれていると、位置制御可能な変位範囲が中心位置から+(Δx−δx),−(Δx+δx)となり、+側でδx分だけ変位範囲が減少する。ずれ量δxが小さい場合は対物レンズ104の位置制御への影響は少ないが、ずれ量δxが変位範囲の両端に近くなるような比較的大きい場合は、シーク動作中の対物レンズ104の位置制御が困難になるから、シーク動作開始直前のキャリッジ101における対物レンズ104の位置は可及的に基準位置Mにあることが望ましい。
そこで、第1,第2実施形態のシーク制御において、シーク開始直前に算出されたキャリッジ101における対物レンズ104の位置が基準位置Mからずれている場合、シーク開始直後は対物レンズ104のみを移動させてシーク動作を行い、このシーク動作で対物レンズ104の位置が基準位置Mに移動した時点で上述したキャリッジ101によるシーク動作を開始させるようにすると良い。
すなわち、図9に示すように、シーク開始直前に算出されたキャリッジ101における対物レンズ104の位置が基準位置Mから+δxだけシーク動作させる方向にずれている場合は、シーク動作開始直後に一旦、対物レンズ104の位置を基準位置Mから−側に所定量だけ移動させた後、対物レンズ104のみを移動させて光スポットの移動速度VAを目標速度Vに調節する。そして、この速度調節中に対物レンズ104の位置が+側(シーク動作させる方向)に移動し、基準位置Mに至ると、その時点でキャリッジ101によるシーク動作に切り換え、その後はキャリッジ101に対する対物レンズ104の位置を基準位置Mに保持するようにする。
また、図10に示すように、シーク開始直前に算出されたキャリッジ101における対物レンズ104の位置が基準位置Mから−δxだけシーク動作させる方向と逆方向にずれている場合は、シーク動作開始直後に直ちに対物レンズ104のみを移動させて光スポットの移動速度を目標速度に調節する。そして、この速度調節中に対物レンズ104の位置が+側(シーク動作させる方向)に移動し、基準位置Mに至ると、その時点でキャリッジ101によるシーク動作に切り換え、その後はキャリッジ101に対する対物レンズ104の位置を基準位置Mに保持するようにする。
図11は、シーク制御部のシーク動作の制御の第3実施形態を示すブロック図である。
第3実施形態は、シーク動作開始後に対物レンズ104のみを移動させてシーク動作を行い、キャリッジ101における対物レンズ104の位置を基準位置Mに修正した後、第1実施形態に係るシーク制御を行うにしたものである。
図11に示すブロック図は、図2に示すブロック図において、シーク制御切換部814とレンズ位置判定部815を追加したものである。
レンズ位置判定部815は、平均値演算部806から出力される現在のキャリッジ101における対物レンズ104の位置情報から当該対物レンズ104が基準位置Mに位置しているか否かを判定するものである。レンス位置判定部815は、キャリッジ101における対物レンズ104の位置が基準位置Mになると、シーク制御切換部814に切換信号を出力する。シーク制御切換部814は、レンス位置判定部815から切換信号が入力されると、目標速度信号をキャリッジアクチュエータ102に出力し、当該キャリッジアクチュエータ102を介してキャリッジ101のシーク動作を行わせる。
従って、シーク動作開始時にキャリッジ101における対物レンズ104の位置が基準位置Mになければ、目標速度信号はキャリッジアクチュエータ102に出力されないので、キャリッジ101によるシーク動作は行われず、対物レンズ104のみを移動させてシーク動作が行われ、このシーク動作でキャリッジ101における対物レンズ104の位置が基準位置Mに移動すれば、目標速度信号がキャリッジアクチュエータ102に出力され、キャリッジ101によるシーク動作が開始されることになる。
図12は、第3実施形態に係るシーク制御の処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS5とステップS6との間にステップS5−1〜S5−4の処理(対物レンズ104のみによるシーク動作の処理)を追加したものである。
同図のフローチャートにおいて、追加したステップS5−1〜S5−4以外は図4のフローチャートについての説明と同一であるから、ここでは追加したステップS5−1〜S5−4について補足的に処理手順を説明する。
トラッキング制御中にシステム制御部5からシーク動作が指令されると(S4:YES)、まず、メモリ802に記憶されている演算値C1(シーク開始直前のキャリッジ101における対物レンズ104の位置情報)がメモリ807の初期値して記憶される(S5)。
続いて、速度演算部804によりTES信号に基づいて対物レンズ104の移動速度VAが演算され(S5−1)、更に速度誤差演算部805によりこの移動速度VAと制御すべき対物レンズ104の移動速度の目標値VCとの誤差ΔVc=VC−VAが演算される(S5−2)。
続いて、速度誤差ΔVcがゼロとなるように対物レンズ104の移動が制御され(SS−3)、この移動制御によりレンズ位置判定部815により対物レンズ104の位置が基準位置Mになっているか否かが判別される(S5−4)。
対物レンズ104の位置が基準位置Mになっていなければ(S5−4:NO)、ステップS5−1に戻り、対物レンズ104の移動のみによるシーク動作が継続され(S5−1〜S5−4のループ)、対物レンズ104の位置が基準位置Mになると(S5−4:YES)、ステップS6に移行し、シーク制御部814により上述した第1実施形態におけるキャリッジ101によるシーク動作に切り換えられる。
図13は、第3実施形態にシーク制御を更に改善したフローチャートである。
すなわち、図13に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートにおいて、ステップS5−4とステップS6との間にステップS5−5の処理(対物レンズ104の移動速度VAが所定の移動速度VKに上昇しているか否かの判断処理)を追加したものである。
第1,第2実施形態に係るシーク制御では、シーク動作を開始すると、キャリッジ101の移動速度の初期目標値Voを400(pps)に設定して急加速させる。第3実施形態に係るシーク制御においても、対物レンズ104の移動のみによるシーク動作の後、キャリッジ101の移動によるシーク動作に切り換える際、キャリッジ101の移動速度の初期目標値Voは400(pps)に設定してシーク動作が開始される。
従って、シーク動作が切り換えられる時、対物レンズ104の移動速度VAがキャリッジ101の初期目標値Voに相当する速度になっていなければ、対物レンズ104の移動速度が急変し、対物レンズ104に微小振動が生じる可能性がある。
そこで、図13に示すフローチャートに示すシーク制御(以下、第4実施形態に係るシーク制御という。)では、図14に示すように、対物レンズ104の移動のみによるシーク動作を当該対物レンズ104の移動速度VAが所定の速度VK(キャリッジ101の初期目標値Voに相当する速度。本実施形態では400(pps))に上昇するまで継続し、その後にキャリッジ101の移動によるシーク動作に切り換えるようにしている。
すなわち、図13に示すフローチャートによれば、ステップS5−4で対物レンズ104の位置が基準位置Mになっていると(S5−4:YES)、更に対物レンズ104の移動速度VAが所定の速度VK(例えば400(pps)に相当とする速度)になっているか否かが判別され(S5−5)、移動速度VAが所定の速度VKよりも小さければ(S5−5:NO)、ステップS5−1に戻り、対物レンズ104の移動のみによるシーク動作が継続され(S5−1〜S5−5のループ)、移動速度化VAが所定の速度VK以上になると(S5−5:YES)、ステップS6に移行し、上述した第1実施形態におけるキャリッジ101によるシーク動作に切り換えられる。
上記のように、第3実施形態に係る光ディスク装置によれば、シーク動作が指令されると、対物レンズ104の移動のみによりシーク動作を行い、このシーク動作によって対物レンズ104の位置がキャリッジ101における基準位置Mに設定されるので、その後にキャリッジ101の移動によるシーク動作に切り換えられた場合にもシーク移動中の対物レンズ104に発生する微小振動を安定かつ確実に抑制することができる。
また、第4実施形態に係る光ディスク装置によれば、更に対物レンズ104の移動速度VAがキャリッジ101の移動によるシーク動作の初期速度VKに上昇した後に、対物レンズ104の変位のみによるシーク動作からキャリッジ101の移動によるシーク動作に切り換えられるので、このシーク動作の切換時に対物レンズ104に微小振動が発生することがなく、シーク移動中の対物レンズ104に発生する微小振動をより安定かつ確実に抑制することができる。
なお、上記実施形態では、シーク動作開始直前やシーク動作中のキャリッジ101における対物レンズ104の位置情報を算出する際、光ディスク2が1回転したときのレンズアクチュエータ105の通電電流の平均値やTES信号のオフセットレベルTの平均値を算出して位置情報を算出するようにしていたが、光ディスク2が2回転以上したときの平均値を用いて対物レンズ104の位置情報を算出するようにしてもよい。すなわち、キャリッジ101における対物レンズ104の位置情報を算出する周期は、光ディスク2が1回転する時間の整数倍の時間でもよい。
また、平均値を用いるのは、光ディスク2の偏心に起因するレンズアクチュエータ105の通電電流の変動やTES信号のオフセットレベルTの変動を考慮したもので、光ディスク2の偏心量が十分に小さく、レンズアクチュエータ105の通電電流の変動やTES信号のオフセットレベルTの変動が所定の許容範囲内である場合は、平均値を算出することなくレンズアクチュエータ105の通電電流若しくはTES信号のオフセットレベルTの瞬時値を用いて対物レンズ104の位置情報を算出するようにしてもよい。この場合は、キャリッジ101における対物レンズ104の位置情報を算出する周期は任意に適当な時間を設定することができる。

Claims (5)

  1. 光ディスクの一方面に対向配置され、当該ディスクの径方向に移動可能に設けられたキャリッジと、
    上記キャリッジを駆動する第1の駆動手段と、
    レーザ光を発生する光源手段と、
    上記キャリッジ上に上記ディスクの径方向に変位可能に支持され、上記光源手段で発生したレーザ光から上記光ディスクの同心状若しくは螺旋状に形成された複数のトラックへの情報の記録又は再生を行うための光スポットを生成し、当該光ディスクに照射する対物レンズと、
    上記対物レンズを変位させる第2の駆動手段と、
    上記光スポットが上記光ディスクの上記トラックを横断するように移動した際、当該光ディスクの反射光に基づいて、上記光スポットの上記トラックの横断に対応して正弦波状に変動する振幅を有する第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、
    上記第1の信号生成手段で生成された第1の信号の振幅変動に基づいて、上記光スポットが各トラックを通過するタイミングでレベルが反転する矩形波状の第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
    上記キャリッジのシーク動作中に上記キャリッジの移動速度を算出する第1の速度算出手段と、
    上記キャリッジのシーク動作中に上記第2の信号に基づいて上記対物レンズの移動速度を算出する第2の速度算出手段と、
    上記第1,第2の速度算出手段で算出された上記キャリッジの移動速度と上記対物レンズの移動速度とを用いて、上記対物レンズの上記キャリッジに対する相対速度がゼロとなるように上記第2の駆動手段を制御する制御手段と、
    備えた光ディスク装置において、
    上記キャリッジのシーク動作開始直前の当該キャリッジにおける上記対物レンズの位置情報を検出する第1の位置検出手段と、
    上記第1の位置検出手段で検出された上記対物レンズの位置情報を記憶する記憶手段と、
    上記キャリッジのシーク動作中に、所定の周期で上記キャリッジにおける上記対物レンズの位置情報を検出する第2の位置検出手段と、
    上記第2の位置検出手段で検出された位置情報と上記記憶手段に記憶された位置情報とを比較し、両位置情報の誤差が予め設定された閾値以上であると、上記キャリッジにおける上記対物レンズの位置を上記記憶手段に記憶された位置に補正する位置補正手段と、
    を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 上記対物レンズの移動量は、上記第2の駆動手段の消費電流量に比例する構成であり、上記第1,第2の位置検出手段は、上記第2の駆動手段の消費電流量に基づいて上記キャリッジにおける上記対物レンズの位置情報を検出することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 上記第1の信号は、上記対物レンズの移動量及び移動方向に応じたオフセットレベルに上記光スポットの上記トラックの横断に対応して正弦波状に変動する振幅波形が重畳された信号であり、上記第1,第2の位置検出手段は、上記第1の信号のオフセットレベルに基づいて上記キャリッジにおける上記対物レンズの位置情報を検出することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク装置において、
    上記第1の位置検出手段で検出された上記キャリッジにおける上記対物レンズの位置が移動量ゼロの基準位置であるか否かを判別する判別手段と、
    上記判別手段により上記対物レンズの位置が基準位置でない場合、上記第2の駆動手段により上記対物レンズのみを移動させて上記光スポットのシーク動作を開始させ、当該対物レンズの位置が上記基準位置に一致したタイミングで、上記キャリッジによるシーク動作を開始させるシーク制御手段と、を更に備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  5. 請求項4記載の光ディスク装置において、上記対物レンズの移動によるシーク動作において当該対物レンズの位置が上記基準位置に一致したときの対物レンズの移動速度を算出する第3の速度算出手段と、
    上記第3の速度算出手段で算出された上記対物レンズの移動速度が予め設定された所定の閾値を越えているか否かを判別する速度判別手段とを更に備え、
    上記速度判別手段により上記対物レンズの移動速度が上記所定の閾値よりも低いとき、上記シーク制御手段は、上記対物レンズの移動速度が上記所定の閾値に上昇するまで、上記対物レンズのみを移動させたシーク動作を継続することを特徴とする光ディスク装置。
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