JP4205664B2 - 脆性材料のスクライブ方法及びスクライブヘッド並びにこのスクライブヘッドを備えたスクライブ装置 - Google Patents

脆性材料のスクライブ方法及びスクライブヘッド並びにこのスクライブヘッドを備えたスクライブ装置 Download PDF

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Description

本発明は、板ガラス、半導体ウェハ、セラミックス等の脆性材料の表面にスクライブラインを形成する方法及びスクライブヘッド並びにこのスクライブヘッドを備えたスクライブ装置に関する。
電子部品材料として使用される方形ガラスは、1枚の大きなガラス板を母材としこれを分断することにより得られる。この分断に際しては、まず、母材表面に対してカッターホイールチップを一方向に圧接転動させる作業を走行開始位置を順次ずらせながら所定回数繰り返すことにより、スクライブラインを並列に形成する。次に、カッターホイールチップの転動方向を前回の転動方向と交差する方向に変えて同様にスクライブラインを形成する。これにより、相互に交差するスクライブラインを形成する(以下、これをクロススクライブ加工という)。次に、このようにしてクロススクライブされた母材をブレークマシンに送り、そこで母材に対して所定の圧力をかけ、母材に形成されたスクライブラインに沿って曲げモーメントを加えることにより母材をスクライブラインに沿って分断し、目的とする方形ガラスを得る。
上記したスクライブ加工に使用されるスクライブ装置としては、例えば図11に示されるような装置が公知である。なお、この図において左右方向をX方向、紙面に直交する方向をY方向として以下説明する。
このスクライブ装置は、載置されたガラス板90を真空吸着手段によって固定する水平回転可能なテーブル20と、このテーブル20をY方向に移動可能に支承する平行な一対の案内レール21,21と、この案内レール21,21に沿ってテーブル20を移動させるボールネジ22と、X方向に沿ってテーブル20の上方に架設されたガイドバー23と、このガイドバー23にX方向に摺動可能に設けられたスクライブヘッド26と、このスクライブヘッド26を摺動させるモータ24と、スクライブヘッド26の下部に昇降動可能且つ首振り自在に設けられたチップホルダ27と、このチップホルダ27の下端に回転可能に装着されたカッターホイールチップ28と、ガイドバー23の上方に設置されテーブル20上のガラス板90に記されたアライメントマークを認識する一対のCCDカメラ25とを備えたものである。
このような構成のスクライブ装置においては、ガラス板90の表面に必然的に存在する微小な凹凸及びその他の要因によってスクライブヘッドの走行時にスクライブラインに歪みが生じるのを防ぐ工夫がスクライブヘッドに施されている。すなわち、図12に示すように、スクライブヘッド本体26Aにチップホルダ27をガラス板90の表面と直交する回動軸29を介して回動軸29の軸心周りに揺動自在に設けるとともにこのチップホルダ27にカッターホイールチップ28を回動軸29の軸心位置Q1 よりも走行方向(図12において矢符S方向)とは逆方向にずれた位置Q2 に設けることで、スクライブヘッド走行中、カッターホイールチップ28をスクライブヘッド本体26Aに追従させ、これによってカッターホイールチップ28の直進安定性を得て、スクライブラインに歪みが発生することを防止している。
ところが、上記のスクライブ装置にあっては、ガラス板90にスクライブラインを一方向にのみ形成するときは何ら問題はないが、クロススクライブを行う場合、図13に示すように、最初に形成されたスクライブラインL1 〜L3 をカッターホイールチップ28が交差して通過する付近で、後から形成されるべきスクライブラインL4 〜L6 が形成されない、いわゆる交点飛びと呼ばれる現象が発生していた。このような交点飛びがガラス板90にあると、前述したブレークマシンでガラス板90を分断しようとする際、スクライブラインの通りにガラス板90が分断されず、その結果不良品が大量に発生し、生産効率が極めて悪くなるといった問題があった。
このような問題が生じる原因は、カッターホイールチップが既存のスクライブラインを交差して通過するとき、カッターホイールチップがガラス板90に垂直に加えているスクライブに必要な力が、スクライブラインの両側に潜在する内部応力によって削がれてしまうことにある。
そこで出願人は、上記の問題を解決するものとして、脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に、チップホルダが脆性材料面と直交する回動軸を介して該回動軸の軸心周りに揺動自在に設けられるとともにこのチップホルダにカッターホイールチップが前記回動軸の軸心位置よりも前記走行方向とは逆方向に変位した位置に設けられてなるスクライブヘッドを使用し、脆性材料の表面にスクライブラインを相互に交差させて形成する場合において、スクライブ中、前記チップホルダを、その揺動範囲が0°より大きく2°以下の範囲となるように制御するようにしたスクライブ方法及びスクライブヘッド並びにそれに用いるスクライブ装置を提案した(特許文献1)。
図14は、その一実施態様であるスクライブヘッドを示し、同図(a)は正面図、同図(b)は底面図である。
このスクライブヘッドは、スクライブヘッド本体30と、ベアリングケース31と、チップホルダ32と、カッターホイールチップ33と、付勢手段34とを備えている。
スクライブヘッド本体30は、その下部が切り欠かれており、この切欠部35内にベアリングケース31が格納されている。ベアリングケース31は、その一端部が、スクライブヘッド本体30に挿通された水平な支軸36にベアリング37を介して連結される一方、他端部が、スクライブヘッド本体30内に支軸36と平行に設けられた制止軸38と当接されており、制止軸38によって制止される範囲内で支軸36の軸心周りに回動する。
チップホルダ32は、ベアリングケース31に、脆性材料面と直交する回動軸39を介して回動軸39の軸心周りに揺動自在に設けられている。回動軸39とベアリングケース31との間にはベアリング40が介装されている。また、回動軸39の上方には付勢手段34が設けられており、この付勢手段34による付勢力が回動軸39及びチップホルダ32を介してカッターホイールチップ33に加えられるように構成されている。
カッターホイールチップ33は、チップホルダ32に、上記回動軸39の軸心位置よりもスクライブヘッドの走行方向Sとは逆方向(図14において左方向)に変位した位置に設けられている。
ここで、チップホルダ32は、スクライブ中、揺動範囲θが0°よりも大きく2°以下に制御されるが、その制御手段としては、ベアリングケース31の下面に形成した溝41を利用したものとしている。すなわち、チップホルダ32をその上端部がベアリングケース31の溝41内に納まるように取り付け、チップホルダ32が揺動範囲の最大値まで揺動したときに、チップホルダ32の上端部における四隅の角のうちいずれか対角に位置する組の角42,45(43,44)が溝41の両内壁面46,47と当接するようにしている。これにより、溝41の両内壁面46,47とチップホルダ32の上端部における両側面48,49との間のクリアランスを調整することで、チップホルダ32の揺動範囲θが上記所定範囲となるように調整できる。したがって、クリアランスを大きくとれば揺動範囲θを大きくでき、逆にクリアランスを小さくとれば揺動範囲を小さくできることになる。
出願人が提案したスクライブヘッドは、以上説明したような構成としたことにより、カッターホイールチップの直進性を維持しうるだけのチップホルダの揺動動作を確保しつつ交点付近に潜在する内部応力の影響を極限まで抑えることができるものであるから、クロススクライブを行う際にカッターホイールチップに付与される加圧力を一定にしたままでも交点飛びが発生することがなく、またスクライブ開始端においてスクライブラインが形成されないといったことがなくなり所期の目的を達成することができるものである。
特願2000−142969号公報
ところが、上記スクライブヘッドは、カッターホイールチップがチップホルダにその回動軸の軸心位置よりも走行方向とは逆方向に変位して設けられており、スクライブ時は支軸側を先頭にして走行されるものであるため、既設のスクライブラインと交差する時や、ガラスのうねりや反りあるいはガラス表面の凹凸を通過する時にカッターホイールチップが上方へ突き上げられ、チップホルダが支軸周りに回動してガラス面から浮き上がろうとする。図5は、その現象を説明するための模式図である。
すなわち、支軸36を先頭にし、付勢手段34によりカッターホイールチップ33をガラス板90の表面に押圧させた状態でスクライブヘッドを走行させる(図中矢符S方向)と、カッターホイールチップ33の刃先稜線33Aがガラス板90の表面に接する点Pにおいて、カッターホイールチップ33によりガラス板90をスクライブ加工するときに必要なスクライブ力の水平方向の分力であるスクライブ加工水平分力Mとスクライブ力の垂直分力であるスクライブ加工垂直分力Nとの合力に対する反力Rがカッターホイールチップ33の中心側に向かって生じる。この反力Rは支軸36を中心とする回転モーメントとしてカッターホイールチップ33に作用し、その結果、カッターホイールチップ33は上方へ突き上げられることになり、図外チップホルダが支軸36周りに回動してガラス板90の表面から浮き上がろうとする。
上記したようなチップホルダの浮き上がり現象が生じると、カッターホイールチップ33のガラス板90への加圧力が前記反力Rにより削がれてしまうこととなり、その結果、深い垂直クラックが得にくくなるといった問題があった。
ところで、カッターホイールチップによりガラスに垂直クラックが発生するメカニズムをみてみると、まず刃先に荷重がかかることでガラス表面の刃先と当接している箇所に弾性変形が生じ、次いで刃先荷重の増大に伴い上記箇所に塑性変形が生じる。さらに刃先荷重が増大すると塑性変形の限界点を超えることとなり、その結果脆性破壊が発生し、ガラスの厚み方向に垂直クラックが成長し始める。この垂直クラックの成長は、クラックの先端が、刃先荷重の大きさ及びガラスの材質や厚み等に応じた深度(脆性材料表面からの距離)にまで達した時点で終息する。これを、一定の材質、一定の厚さのガラスについて見ると、上記垂直クラックの先端が達する深度(以下、垂直クラックの到達深度という。)をコントロールできるのは刃先荷重だけとなる。すなわち、刃先荷重を増大させるとカッターホイールチップの刃先がガラスの表面に食い込む深さが長くなり、垂直クラックを発生させるためのエネルギーが大きくなるため、垂直クラックの到達深度は深くなる。ところが、刃先荷重がある一定の大きさを超えると、いわゆる深い垂直クラックが得られるもののそれと同時にガラスの表面付近に蓄積された内部歪みが飽和状態となり、垂直クラックの成長方向とは全く異なる方向に向かうクラック、いわゆる水平クラックが発生する。このような水平クラックは、望ましくない切り粉を多量に発生させる原因となる。
本発明者等は、上記したメカニズムをさらに詳しく探究した結果、刃先荷重と垂直クラックの到達深度とには図6に示すような関係があることを見出した。すなわち、この図6に示されたグラフからも分かるように、垂直クラックの到達深度は、刃先荷重が増大するに従って緩やかに深くなる領域(A領域)がまず存在し、これに続いて、刃先荷重の増大に伴って急激に増加する領域(B領域)が存在し、さらに刃先荷重が増大してもほとんど増加しない領域(C領域)が存在する。そして、このC領域では、A領域やB領域では見られなかった水平クラックが大幅に増加するのである。
以上のことから、B領域、つまり刃先荷重の増大に伴って急激に到達深度Pが増加する領域内に相当する刃先荷重でスクライブすることによって、前記水平クラックの発生を伴わずに深い垂直クラックが得られることを見出した。
ところが、B領域の刃先荷重の範囲は極めて狭く、前述したように、従来技術ではチップホルダの浮き上がり現象の発生を避けることができず、これによってカッターホイールチップへの加圧力が前記反力Rにより削がれてしまうことから、範囲が極めて狭い上記B領域内に刃先荷重を調節することは極めて困難であった。
また、クロススクライブにおいては、前述したように交点飛びの発生を防止するため第2のスクライブラインの形成にあたって刃先荷重を第1のスクライブライン形成時よりも大幅に増大させる必要があることから、刃先荷重が往々にして上記C領域に入ってしまうこととなり、このため多量の切り粉の発生を避けることができないといった問題があった。
さらに、上記したような問題とは別に、上記従来のカッターホイールを用いたスクライブでは、ガラスのうねりや反り、ガラス表面の凹凸、また、カッターホイールチップを保持するチップホルダやこのチップホルダを保持するスクライブヘッドのがたなどの外的要因により安定したスクライブラインが得られないことがしばしば発生していた。
本発明等は、前述の知見に基づき、鋭意研究の結果、スクライブヘッドの走行方向を従来のものとは逆方向、つまり、従来は支軸を先頭にしてスクライブヘッドを走行させていたものを、支軸を後尾にしてスクライブヘッドを走行させれば、チップホルダの浮き上がり現象を防止することができ、その結果、カッターホイールチップに確実に刃先荷重を加えることができるようになって前記B領域に適合できるように刃先荷重を制御できることを見出した。すなわち、図5に示すように、支軸9が後尾となるようスクライブヘッドを矢符T方向に走行させると、カッターホイールチップ5の刃先稜線5Aがガラス板90の表面に接する点Eにおいて、走行方向に向かうスクライブ加工水平分力Vと、ガラス板90の厚み方向に向かうスクライブ加工垂直分力Wとの合力に対する反力Xがカッターホイールチップ5の中心側に向かって生じ、この反力Xは支軸9に向かうものであるから、前述したようなカッターホイールチップ5をガラス板90の表面から浮き上がらせるような回転モーメントの発生がなくなる。その結果、上記押圧力Wが何ら削がれることがなくなり、カッターホイールチップ5に確実に刃先荷重を加えることができるようになって実質的に前記B領域に納まるように刃先荷重をコントロールすることができるのである。このように、スクライブヘッドを、いわゆる逆走させることで、刃先荷重をこのB領域に納まるように調整することが従来に比べて格段に容易になることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
本発明は、クロススクライブをする際に、交点飛びが発生せず、チップホルダの浮き上がり現象を防止して、カッターホイールチップへの加圧力を効率よく脆性材料に作用させて、従来のものよりも格段に深い垂直クラックを得ることができるスクライブ方法及びスクライブヘッド並びにスクライブ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る脆性材料のスクライブ方法は、脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に、チップホルダを、脆性材料面と平行な支軸を介して該支軸の軸心周りに揺動自在に、かつ、脆性材料面と直交する回動軸を介して該回動軸の軸心周りに揺動自在に設けるとともに、この回転軸を、当該回動軸の軸心位置より前記支軸側寄りに変位して設け、前記チップホルダにスクライブカッターを設けたスクライブヘッドを、前記支軸を前記スクライブカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させて脆性材料面にスクライブラインを形成することによって特徴付けられている。
また、本発明に係る別の脆性材料のスクライブ方法は、脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に、チップホルダを脆性材料面と平行な支軸を介して該支軸の軸心周りに揺動自在に設けるとともに、このチップホルダにスクライブカッターを設けたスクライブヘッドを、前記支軸を前記スクライブカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させて脆性材料面にスクライブラインを形成するとともに、当該チップホルダが脆性材料から浮き上がらないよう、前記スクライブカッターがスクライブ中に脆性材料から受ける反力の方向を、該反力の起点と前記支軸の軸心とを結ぶライン上もしくは該反力と脆性材料面とのなす角が前記ラインと脆性材料面とのなす角より小さい角度をなす状態を維持しつつスクライブすることによって特徴付けられている。
この構成の脆性材料のスクライブ方法において、前記スクライブカッターをカッターホイールチップとするとともに、このカッターホイールチップを脆性材料面と平行な回転軸を介して該回転軸の軸心周りに回転自在に設ける構成であってもよい。
さらに、この構成の脆性材料のスクライブ方法において、前記チップホルダを、脆性材料面と直交する回動軸を介して該回動軸の軸心周りに揺動自在に設ける構成であってもよい。
また、さらに、この構成の脆性材料のスクライブ方法において、前記回転軸を、前記回動軸の軸心位置より前記支軸側寄りに変位して設ける構成であってもよい。
前記の脆性材料のスクライブ方法において、前記スクライブカッターをダイヤモンドカッターとするとともに、このダイヤモンドカッターを前記チップホルダに固着することが好ましい。
本発明に係る脆性材料のスクライブヘッドは、脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に脆性材料面と平行な支軸を介して該支軸の軸心周りに揺動自在に設けられたベアリングケースと、前記ベアリングケースに脆性材料面と直交する回動軸を介して前記回動軸の軸心回りに揺動自在に設けられたチップホルダと、前記チップホルダに設けられたスクライブカッターと、を具備し、前記スクライブカッターの刃先と脆性材料が当接する箇所が前記回動軸の軸心位置より前記支軸側寄りに設けられていることによって特徴付けられている。
この構成のスクライブヘッドにおいて、前記支軸の軸心が、前記スクライブカッターがスクライブ中に脆性材料から受ける反力のベクトル上のライン上に位置しているか、もしくは、該反力の起点と前記支軸の軸心を結ぶラインと脆性材料となす角度が、該反力と脆性材料とのなす角度より大きい状態で位置していることが好ましい。
また、これらのスクライブヘッドにおいて、前記スクライブカッターがカッターホイールチップであるとともに、このカッターホイールチップがチップホルダーに脆性材料面と平行な回転軸を介して該回転軸の軸心周りに回転自在に具備することが好ましい。
また、このスクライブヘッドにおいて、前記スクライブカッターがダイヤモンドカッターであるとともに、このダイヤモンドカッターは前記チップホルダに固着されていることが好ましい。
本発明に係る脆性材料のスクライブ装置は、前記のスクライブヘッドを具備し、このスクライブヘッドを前記支軸を前記スクライブカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させることにより、脆性材料面にスクライブラインを形成することによって特徴付けられている。
本発明に係る別の脆性材料のスクライブ装置は、脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に、脆性材料面と平行な支軸を介して該支軸の軸心周りに揺動自在に、かつ、脆性材料面と直交する回動軸を介して該回動軸の軸心周りに揺動自在に設けられたチップホルダと、この回転軸を、当該回動軸の軸心位置より前記支軸側寄りに変位して設け、前記チップホルダにスクライブカッターが設けたスクライブヘッドを、前記支軸を前記スクライブカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させることにより、脆性材料面にスクライブラインを形成することによって特徴付けられている。
また、本発明に係るさらに別の脆性材料のスクライブ装置は、脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に脆性材料面と平行な支軸を介して該支軸の軸心周りに揺動自在に設けられたチップホルダを具備し、前記チップホルダにスクライブカッターが設けられ、前記支軸の軸心が、前記スクライブカッターがスクライブ中に脆性材料から受ける反力のベクトル上のライン上に位置しているか、もしくは、該反力の起点と前記支軸の軸心を結ぶラインと脆性材料となす角度が、該反力と脆性材料とのなす角度より大きい状態で位置しているスクライブヘッドを、前記支軸を前記スクライブカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させることにより、脆性材料面にスクライブラインを形成することによって特徴付けられている。
また、前記別のスクライブ装置、あるいは、前記さらに別のスクライブ装置において、前記スクライブヘッドに備えられた前記スクライブカッターがダイヤモンドカッターであるとともに、前記ダイヤモンドカッターが前記チップホルダに固着されている構成であってもよい。
本発明に係るスクライブ方法及びスクライブヘッド並びにスクライブ装置は、上記した構成により、次のような作用を奏する。
例えば、スクライブカッターとしてカッターホイールチップを用いた構成では、図5に示すように、支軸9を後側にしてスクライブヘッドを走行させる(図中矢符T方向)ことで、カッターホイールチップ5の刃先稜線5Aがガラス板90の表面に接する点Eにおいて、走行方向に向かうスクライブ加工水平分力Vと、ガラス板90の厚み方向に向かうスクライブ加工垂直分力Wとの合力に対する反力Xが生じるが、この反力Xは支軸9に向かうものであって、カッターホイールチップ5に作用する回転モーメントとはならない。これにより、前述したようなチップホルダの浮き上がり現象が発生せず、カッターホイールチップ5への加圧力が反力Xにより削がれてしまうことがない。
また、スクライブカッターとしてダイヤモンドカッターを用いた構成においても同様に説明される。具体的には、図10に示すように、支軸9を後側にしてスクライブヘッドを走行させる(図中矢符T方向)ことで、ダイヤモンドカッター74の刃先稜線74Aがガラス板90の表面に接する点Pにおいて、走行方向に向かうスクライブ加工水平分力Vと、ガラス板90の厚み方向に向かうスクライブ加工垂直分力Wとの合力に対する反力Xが生じるが、この反力Xは支軸9に向かうものであって、ダイヤモンドカッター74に作用する回転モーメントとはならない。これにより、前述したようなチップホルダの浮き上がり現象が発生せず、ダイヤモンドカッター74への加圧力が反力Xにより削がれてしまうことがない。
以上のことから、カッターホイールチップ5あるいはダイヤモンドカッター74への加圧力が効率よくガラス板90(脆性材料)に作用することとなり、従来のものよりも格段に深い垂直クラックを得ることが可能となる。
ここで、前記チップホルダを、脆性材料面と直交する回動軸を介して該回動軸の軸心周りに揺動自在に設けた場合は、チップホルダのスクライブヘッドの走行方向への追従性を向上させることができる。
さらに、前記回転軸を、上記回動軸の軸心位置より前記支軸側寄りに変位して設けた場合も、チップホルダのスクライブヘッド走行方向への追従性をより高めることができる。
また、本発明のスクライブ方法及びスクライブヘッド並びにスクライブ装置においては、カッターホイールチップがスクライブ中に脆性材料から受ける反力の方向を、該反力の起点と前記支軸の軸心とを結ぶライン上もしくは該反力と脆性材料面とのなす角が前記ラインと脆性材料面とのなす角より小さい角度をなす状態を維持するようにすれば、前記回転モーメントの発生をより確実になくすことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本発明に係るスクライブ方法は、スクライブヘッドにおいて実施されるものであるため、ここではスクライブヘッドについての実施の形態の説明のなかでスクライブ方法の実施の形態についても説明する。
図1は、本発明に係るスクライブヘッドの実施の形態を示し、同図(a)は正面図、同図(b)は底面図である。
スクライブヘッド1は、スクライブヘッド本体2と、ベアリングケース3と、チップホルダ4と、カッターホイールチップ5と、付勢手段6とを備えている。 スクライブヘッド本体2は、その下部が切り欠かれており、この切欠部8内にベアリングケース3が格納されている。ベアリングケース3は、その一端部が、スクライブヘッド本体2に挿通された水平な支軸9にベアリング10を介して連結される一方、他端部が、スクライブヘッド本体2内に支軸9と平行に設けられた制止軸11と当接されており、制止軸11によって制止される範囲内で支軸9の軸心周りに回動する。
チップホルダ4は、ベアリングケース3に、脆性材料面と直交する回動軸7を介して回動軸7の軸心周りに揺動自在に設けられている。回動軸7とベアリングケース3との間にはベアリング12が介装されている。また、回動軸7の上方には付勢手段6が設けられており、この付勢手段6による付勢力が回動軸7及びチップホルダ4を介してカッターホイールチップ5に加えられるように構成されている。
なお、チップホルダ4は、上述のように必ずしも回動軸7の軸心周りに揺動自在に設けられる必要はなく、スクライブヘッド本体2に対して固定されていてもよい。その場合は、ベアリングケース3及びベアリング12等揺動に必要な部材を省略すればよい。
カッターホイールチップ5は、チップホルダ4に、脆性材料面と平行な回転軸13を介して該回転軸13の軸心周りに回転自在に、且つ、回転軸13が前記回動軸7の軸心位置より支軸9側寄りに変位して設けられている。
なお、カッターホイールチップ5と回動軸7との位置関係は上記した関係に限るものではなく、カッターホイールチップ5の回転軸13が、回動軸7の軸心の直下に位置していてもよい。
上記のスクライブヘッド1によりスクライブを行うにあたっては、支軸9をカッターホイールチップ5に対し後側にしてスクライブヘッド1を脆性材料上を走行させる。つまり、図1における矢符Tで示す方向にスクライブヘッド1を走行させる。このように支軸9をカッターホイールチップ5に対し後側にしてスクライブヘッドを走行させることで、図5に示すように、カッターホイールチップ5の刃先稜線5Aがガラス板90の表面に接する点Eにおいて、走行方向に向かうスクライブ加工水平分力Vと、ガラス板90の厚み方向に向かうスクライブ加工垂直分力Wとの合力に対する反力Xが生じるが、この反力Xは支軸9に向かうものであって、カッターホイールチップ5をガラス板90表面から浮き上がらせるように作用する回転モーメントとはならない。これにより、前述したようなチップホルダの浮き上がり現象が発生せず、カッターホイールチップ5への加圧力が反力Xにより削がれてしまうことがない。その結果、カッターホイールチップ5への加圧力が効率よく脆性材料に作用することとなり、従来のものよりも格段に深い垂直クラックを得ることが可能となるのである。
ここで、図5に示すように、カッターホイールチップ5がスクライブ中にガラス板90から受ける反力Xの方向が、該反力Xの起点Eと支軸9の軸心とを結ぶラインH上もしくは該ラインHよりガラス板90寄りに存する状態を維持するとよく(図5中、点線矢符X1 ,W1 ,V1 参照)、このようにすれば、前記回転モーメントの発生をより確実になくすことが可能となる。当該状態の維持にあたっては、スクライブ速度、カッターホイールチップ5に対する加圧力、カッターホイールチップ5と支軸9との相対位置関係を適宜調整することで行うことができる。
次に、本発明のスクライブ装置の実施の形態について図2及び図3を参照して説明する。
図2は、スクライブヘッド50を備えたスクライブ装置の側面図、図3はそのスクライブヘッド50の主要部の正面図である。
このスクライブヘッド50は、一対の側壁51間にサーボモータ52が倒立状態で保持され、その側壁51の下部には、側方から見てL字状のホルダー保持具53が支軸54を通じて回動自在に設けられている。そのホルダー保持具53の前方(図3中、右方向)には、カッターホイールチップ5を回転可能に支持するチップホルダ4が取り付けられている。
チップホルダ4は、その上端に設けられた回動軸7及びこの回動軸7が挿通されるベアリング12を介してホルダー保持具53に取り付けられており、回動軸7の軸心周りに回動可能とされている。
カッターホイールチップ5は、前述の実施の形態1の場合と同様、チップホルダ4に、脆性材料面と平行な回転軸13を介して該回転軸13の軸心周りに回転自在に、且つ、回転軸13がチップホルダ4の回動軸7の軸心位置より支軸54側寄りに変位して設けられている。
サーボモータ52の回転軸と支軸54とには、平傘歯車55が互いにかみ合うように装着されている。これにより、サーボモータ52の正逆回転により、ホルダー保持具53は支軸54を中心として回転し、カッターホイールチップ5が上下動する。このスクライブヘッド50自体は、スクライブ装置100の水平方向のガイドレール58に沿い移動可能に設けられている。なお、動力伝達機構は平傘歯車55に限定されない。
ここで、図5に示すように、カッターホイールチップ5がスクライブ中にガラス板90から受ける反力Xの方向が、該反力Xの起点Eと支軸54の軸心とを結ぶラインH上もしくは該ラインHよりガラス板90寄りに存する状態を維持するとよく(図5中、点線矢符X1 ,W1 ,V1 参照)、このようにすれば、前記回転モーメントの発生をより確実になくすことが可能となる。当該状態の維持にあたっては、スクライブ速度、カッターホイールチップ5に対する加圧力、カッターホイールチップ5と支軸54との相対位置関係を適宜調整することで行うことができる。
なお、本実施の形態においては、動力伝達機構として平傘歯車55を用いてホルダー保持具53への動力を伝えたが、図4に示すように、サーボモータ52の回転軸56をホルダー保持具53に直結した構成にしてもよい。
以上の実施の形態では、スクライブカッターとしてカッターホイールチップを用いたスクライブヘッド及びこのスクライブヘッドを用いたスクライブ装置を説明したが、スクライブカッターはこのカッターホイールチップに限ることなく、他の例としてダイヤモンドカッターを用いた構成としてもよい。以下に、このダイヤモンドカッターを用いたスクライブヘッドについて説明する。
図7は、図1に示すスクライブ装置に用いられるスクライブヘッドの他の実施の形態を示し、同図(a)は正面図、同図(b)は底面図である。
この実施の形態では、上記の実施の形態とはスクライブカッターの構成が異なるだけで、他の構成は同様であるので、同様の構成の説明は省略する。
このスクライブヘッド70では、上記実施の形態と同様回動軸7の上方には付勢手段6が設けられているが、この付勢手段6による付勢力が回動軸7及びチップホルダ72を介してダイヤモンド保持部材73に接合されたダイヤモンドカッター74に加えられる。
なお、チップホルダ72は、上述のように必ずしも回動軸7の軸心周りに揺動自在に設けられる必要はなく、スクライブヘッド本体2に対して固定されていてもよい。その場合は、ベアリングケース3及びベアリング12等揺動に必要な部材を省略すればよい。
ダイヤモンドカッター74は、円柱形状のダイヤモンド保持部材73に設けられる。このダイヤモンド保持部材73の一方の端部に凹部が形成されており、この凹部にダイヤモンドカッター74が嵌め込まれ、かしめられた後、ロウ付けされる。また、チップホルダ72には、このダイヤモンド保持部材73の他方の端部を嵌め込む孔が形成されており、ダイヤモンド保持部材73はこの孔に嵌め込まれた状態でロウ付けされ、接合される。このようにダイヤモンドカッター74が接合されたダイヤモンド保持部材73は、チップホルダ72に、回動軸7の軸心位置より支軸9側寄りに変位して設けられている。
ダイヤモンドカッターは、具体的には図8あるいは図9に示す構成が適用できる。
図8は、図7に示すスクライブヘッドの実施の形態に適用されるダイヤモンドカッターの例を示し、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図、同図(c)はスクライブ状態の説明図である。
このダイヤモンドカッター74は、図8(a)に示すように、4つのへき開面74A,74B,74C,74Dとこれら4つのへき開面74A,74B,74C,74Dにかこまれた正方形をなす端面74aとによって形成されている。このダイヤモンドカッター74のカッティングポイント741、742、743、744は端面74aの角部である。また、図8(b)に示すように、例えばへき開面は90度の角θa に集束する辺551,552をもつ。スクライブの際には、例えば図8(c)に示すように、各へき開面は110度の角θa に集束する辺をもつダイヤモンドカッターでは、ガラス板90に対し角θa の中心線CCがなす角度θb を57〜58度とすることによって、カッティングポイント742によるスクライブが可能になる。
ダイヤモンドカッターはこのような構成の他、図9に示す構成を用いることができる。
図9は、図7に示すスクライブヘッドの実施の形態に適用されるダイヤモンドカッターの他の例を示し、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)の矢符X方向からみた側面図、同図(c)は同図(a)の矢符Y方向からみた側面図である。
このダイヤモンドカッター84は、図9(a)に示すように、貝殻状のいわゆるシェルタイプのダイヤモンドカッターであり、2つの傾斜面84a,84bによって刃先稜線84sが形成されている。このダイヤモンドカッター84は、図9(c)に示すように、へき開面84Aは90度の角θc に集束する辺をもち、刃先稜線84sは図9(a)の矢符Y方向からみて丸みをもつ形状とされている。
上記のスクライブヘッド70によりスクライブを行うにあたっては、支軸9をダイヤモンドカッター74に対し後側にしてスクライブヘッド70を脆性材料上を走行させる。つまり、図7における矢符Tで示す方向にスクライブヘッド70を走行させる。このように支軸9をダイヤモンドカッター74に対し後側にしてスクライブヘッドを走行させることで、図10に示すように、ダイヤモンドカッター74のカッティングポイント741、742、743、744あるいは刃先稜線84sがガラス板90の表面に接する点Pにおいて、走行方向に向かうスクライブ加工水平分力Vと、ガラス板90の厚み方向に向かうスクライブ加工垂直分力Wとの合力に対する反力Xが生じるが、この反力Xは支軸9に向かうものであって、ダイヤモンドカッター74をガラス板90表面から浮き上がらせるように作用する回転モーメントとはならない。これにより、前述したようなチップホルダの浮き上がり現象が発生せず、ダイヤモンドカッター74の刃先荷重が反力Xにより削がれてしまうことがない。その結果、ダイヤモンドカッター74の刃先荷重が効率よく脆性材料に作用することとなり、従来のものよりも格段に深い垂直クラックを得ることが可能となるのである。
ここで、図10に示すように、ダイヤモンドカッター74がスクライブ中にガラス板90から受ける反力Xの方向が、該反力Xの起点Pと支軸9の軸心とを結ぶラインH上もしくは該ラインHよりガラス板90寄りに存する状態を維持するとよく(図10中、点線矢符X2 ,W2 ,V2 参照)、このようにすれば、前記回転モーメントの発生をより確実になくすことが可能となる。当該状態の維持にあたっては、スクライブ速度、ダイヤモンドカッター74に対する加圧力、ダイヤモンドカッター74と支軸9との相対位置関係を適宜調整することで行うことができる。
なお、ここではスクライブヘッド1及びスクライブヘッド50を備えたスクライブ装置について説明したが、このスクライブヘッド1に替えて、ダイヤモンドカッターを用いたスクライブヘッド70を備えたスクライブ装置についても本実施の形態に含まれる。その構成はスクライブヘッド以外については本実施の形態と同じであり、スクライブヘッド70については上述したので、詳細な説明は省略する。また、スクライブヘッド70を備えた装置構成による力学的作用は上述した図10に基づく説明が適用されることを記しておく。
次に、本発明に係るスクライブ方法と従来のスクライブ方法とをそれぞれ実施し、ガラスに形成された垂直クラックの深さを測定した。
(実施例)
本発明に係るスクライブ方法については、図4に示すスクライブヘッド60を用いて、次の条件でスクライブを行った。
カッターホイールチップのホイール径 2.5mm
カッターホイールチップのホイール厚 0.65mm
カッターホイールチップの刃先角度 125°
スクライブ速度 300mm/sec
刃先荷重 1.1kgf
ガラス板の材質 ソーダガラス
ガラス板の厚み 0.7mm
スクライブヘッドの走行方向 図4において矢符T方向
(比較例)
比較として、スクライブヘッドの走行方向を従来通り、つまり図4において矢符Sの方向としてその他は、上記本発明の実施例と同条件で行った。但し、カッターホイールチップ5の回転軸13が、走行時に回動軸7の後側に位置するようチップホルダ4の向きを上記実施例とは逆にした。
(測定結果)
上記各方法でスクライブした後、それぞれについて垂直クラックの深さを測定したところ、次の結果を得た。
実施例 450μm〜500μm
比較例 110μm〜120μm
以上の結果からも明らかなように、本実施例のスクライブ方法及びスクライブヘッドによれば、同じ刃先荷重で、比較例の約4倍以上にも達する深さの垂直クラックが得られることが解る。
尚、上述の説明においては、脆性材料の一種であるガラス板にスクライブラインを形成する場合について主に述べたが、これに限ることなく、例えば液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP),有機ELディスプレイ等の脆性材料を貼り合わせたフラットパネルディスプレイ(FPD)や、透過型プロジェクタ基板、反射型プロジェクタ基板等のマザー貼り合わせ基板にスクライブラインを形成する工程に本発明のスクライブ方法及びスクライブヘッドが有効に適用される。
本発明のスクライブ方法及びスクライブヘッド並びにスクライブ装置は、スクライブラインを形成する垂直クラックが従来と比べて格段に深いものが得られ、特に、相互に交差するスクライブラインを脆性材料基板上に形成するのに好適であり、クロススクライブ後における分断工程において、スクライブラインに沿って容易に脆性材料基板を分断することができる点で有益である。また、不良品の発生をなくすことができ、生産効率を従来に比べて格段に向上させる点でも有益である。
また、本発明によるスクライブラインの形成技術は、ガラス板のみならず、液晶表示パネル、PDP,FPD、透過型プロジェクタ基板、反射型プロジェクタ基板等のマザー貼り合わせ基板などにも適用可能である。
本発明に係るスクライブヘッドの実施の形態を示し、同図(a)は正面図、同図(b)は底面図である。 本発明に係るスクライブヘッドの他の実施の形態を示す側面図である。 図2に示すスクライブヘッドの主要部を示す正面図である。 スクライブヘッドのさらに他の実施の形態を示す正面図である。 カッターホイールチップに生じる回転モーメントを説明するための模式図である。 従来のスクライブ方法における刃先荷重と垂直クラックの深さとの関係を示すグラフである。 スクライブヘッドのさらに他の実施の形態を示し、同図(a)は正面図、同図(b)は底面図である。 図7に示すスクライブヘッドの実施の形態に適用されるダイヤモンドカッターの一例を示し、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図、同図(c)はスクライブ状態の説明図である。 図7に示すスクライブヘッドの実施の形態に適用されるダイヤモンドカッターの他の例を示し、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)の矢符X方向からみた側面図、同図(c)は同図(a)の矢符Y方向からみた側面図である。 スクライブカッターとしてダイヤモンドカッターを用いた場合のカッターホイールチップに生じる回転モーメントを説明するための模式図である。 従来のスクライブ装置を示す概略正面図である。 従来のスクライブヘッドを示す正面図である。 交点飛びの現象を説明する図である。 従来のスクライブヘッドを示し、同図(a)は正面図、同図(b)は底面図である。

Claims (16)

  1. 脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に、チップホルダを、脆性材料面と平行な支軸を介して該支軸の軸心周りに揺動自在に、かつ、脆性材料面と直交する回動軸を介して該回動軸の軸心周りに揺動自在に設けるとともに、この回転軸を、当該回動軸の軸心位置より前記支軸側寄りに変位して設け、前記チップホルダにスクライブカッターを設けたスクライブヘッドを、前記支軸を前記スクライブカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させて脆性材料面にスクライブラインを形成することを特徴とする脆性材料のスクライブ方法。
  2. 脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に、チップホルダを脆性材料面と平行な支軸を介して該支軸の軸心周りに揺動自在に設けるとともに、このチップホルダにスクライブカッターを設けたスクライブヘッドを、前記支軸を前記スクライブカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させて脆性材料面にスクライブラインを形成するとともに、当該チップホルダが脆性材料から浮き上がらないよう、前記スクライブカッターがスクライブ中に脆性材料から受ける反力の方向を、該反力の起点と前記支軸の軸心とを結ぶライン上もしくは該反力と脆性材料面とのなす角が前記ラインと脆性材料面とのなす角より小さい角度をなす状態を維持しつつスクライブすることを特徴とする脆性材料のスクライブ方法。
  3. 請求項2に記載の脆性材料のスクライブ方法において、前記スクライブカッターをカッターホイールチップとするとともに、このカッターホイールチップを脆性材料面と平行な回転軸を介して該回転軸の軸心周りに回転自在に設けることを特徴とする脆性材料のスクライブ方法。
  4. 請求項3に記載の脆性材料のスクライブ方法において、前記チップホルダを、脆性材料面と直交する回動軸を介して該回動軸の軸心周りに揺動自在に設けることを特徴とする脆性材料のスクライブ方法。
  5. 請求項4に記載の脆性材料のスクライブ方法において、前記回転軸を、前記回動軸の軸心位置より前記支軸側寄りに変位して設けることを特徴とする脆性材料のスクライブ方法。
  6. 請求項1または2に記載の脆性材料のスクライブ方法において、前記スクライブカッターをダイヤモンドカッターとするとともに、このダイヤモンドカッターを前記チップホルダに固着することを特徴とする脆性材料のスクライブ方法。
  7. 脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に脆性材料面と平行な支軸を介して該支軸の軸心周りに揺動自在に設けられたベアリングケースと、前記ベアリングケースに脆性材料面と直交する回動軸を介して前記回動軸の軸心回りに揺動自在に設けられたチップホルダと、前記チップホルダに設けられたスクライブカッターと、を具備し、前記スクライブカッターの刃先と脆性材料が当接する箇所が前記回動軸の軸心位置より前記支軸側寄りに設けられていることを特徴とする脆性材料のスクライブヘッド。
  8. 請求項7に記載のスクライブヘッドにおいて、前記支軸の軸心が、前記スクライブカッターがスクライブ中に脆性材料から受ける反力のベクトル上のライン上に位置しているか、もしくは、該反力の起点と前記支軸の軸心を結ぶラインと脆性材料となす角度が、該反力と脆性材料とのなす角度より大きい状態で位置していることを特徴とする脆性材料のスクライブヘッド。
  9. 請求項7または8に記載のスクライブヘッドにおいて、前記スクライブカッターがカッターホイールチップであるとともに、このカッターホイールチップがチップホルダーに脆性材料面と平行な回転軸を介して該回転軸の軸心周りに回転自在に具備することを特徴とする脆性材料のスクライブヘッド。
  10. 請求項7または8に記載のスクライブヘッドにおいて、前記スクライブカッターがダイヤモンドカッターであるとともに、このダイヤモンドカッターは前記チップホルダに固着されていることを特徴とする脆性材料のスクライブヘッド。
  11. 請求項7または8に記載のスクライブヘッドを具備し、このスクライブヘッドを前記支軸を前記スクライブカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させることにより、脆性材料面にスクライブラインを形成することを特徴とするスクライブ装置。
  12. 請求項9に記載のスクライブヘッドを具備し、このスクライブヘッドを、前記支軸を前記カッターホイールチップに対し後側にして脆性材料上を走行させることにより、脆性材料面にスクライブラインを形成することを特徴とするスクライブ装置。
  13. 請求項10に記載のスクライブヘッドを具備し、このスクライブヘッドを、前記支軸を前記ダイヤモンドカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させることにより、脆性材料面にスクライブラインを形成することを特徴とするスクライブ装置。
  14. 脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に、脆性材料面と平行な支軸を介して該支軸の軸心周りに揺動自在に、かつ、脆性材料面と直交する回動軸を介して該回動軸の軸心周りに揺動自在に設けられたチップホルダと、この回転軸を、当該回動軸の軸心位置より前記支軸側寄りに変位して設け、前記チップホルダにスクライブカッターが設けたスクライブヘッドを、前記支軸を前記スクライブカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させることにより、脆性材料面にスクライブラインを形成することを特徴とするスクライブ装置。
  15. 脆性材料上を走行するスクライブヘッド本体に脆性材料面と平行な支軸を介して該支軸の軸心周りに揺動自在に設けられたチップホルダを具備し、前記チップホルダにスクライブカッターが設けられ、前記支軸の軸心が、前記スクライブカッターがスクライブ中に脆性材料から受ける反力のベクトル上のライン上に位置しているか、もしくは、該反力の起点と前記支軸の軸心を結ぶラインと脆性材料となす角度が、該反力と脆性材料とのなす角度より大きい状態で位置しているスクライブヘッドを、前記支軸を前記スクライブカッターに対し後側にして脆性材料上を走行させることにより、脆性材料面にスクライブラインを形成することを特徴とするスクライブ装置。
  16. 請求項14または15に記載のスクライブ装置において、前記スクライブヘッドに備えられた前記スクライブカッターがダイヤモンドカッターであるとともに、前記ダイヤモンドカッターが前記チップホルダに固着されていることを特徴とするスクライブ装置。
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