JP2020050570A - スクライブ方法 - Google Patents

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Hiroshi Soyama
浩 曽山
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Abstract

【課題】ノーマルホイールを用いて、基板に良好なスクライブラインを形成することが可能なスクライブ方法を提供することを目的とする。【解決手段】ノーマルホイール40を基板15に押し付けながら走行させることにより基板15にスクライブラインを形成するスクライブ方法であって、基板15の端よりも内側の開始位置にノーマルホイール40を降下させ(S11)、開始位置から所定位置までの第1の区間において、第1の荷重でノーマルホイール40を基板15に押し付けて、スクライブ動作を実行し(S12)、第1の区間に続く第2の区間において、基板15に対するノーマルホイール40の荷重を第1の荷重よりも高い第2の荷重で(S13)、スクライブ動作を実行する(S14)。【選択図】図3

Description

本発明は、スクライビングホイールを用いて基板の表面にスクライブラインを形成するためのスクライブ方法に関する。
従来、ガラス基板等の脆性材料基板の分断は、基板の表面にスクライブラインを形成するスクライブ工程と、形成されたスクライブラインに沿って基板の表面に所定の力を付加するブレイク工程とによって行われる。スクライブ工程において、刃先が基板の表面に押し付けられながら、スクライビングホイールが所定のラインに沿って転動する。このとき、基板に塑性変形が生じ、基板の厚み方向にクラックが形成される。このようなクラックが基板に形成されることにより、ブレイク工程で基板は分断される。
以下の特許文献1には、外周部に沿って、互いに交わる2つの斜面によるV字形状の刃先稜線を有するカッターホイールが記載されている。このカッターホイールには、刃先稜線の全域に所定のピッチで溝が加工されており、溝と溝ではない部分とが交互に形成されている。スクライブ動作が開始されると、刃先稜線のエッジが基板に食い込むことにより、基板に深いリブマークが形成されるとともに、高浸透の垂直クラックが形成される。
特開2018−108660号公報
特許文献1のカッターホイールのように稜線に溝が設けられた場合、刃先が基板に食い込むことで刃先の溝と稜線による凹凸の形状が基板に転写されるため、分断後の基板の端面強度が低下することがある。とくに、近年基板の端面強度に対する要求はますます厳しくなっており、また、薄型の基板に対しては刃先の形状による衝撃の影響が大きい。そのため、薄型の基板には、刃先に凸部や溝等の加工が施されていないスクライビングホイールを用いてスクライブ工程を行うことが理想的である。これ以降、刃先に凸部や溝が形成されていないスクライビングホイールを、ノーマルホイールと称する。しかし、ノーマルホイールでは、基板にクラックの形成のきっかけとなる衝撃を与え難いため、単にノーマルホイールを基板表面に降下させてスクライブ動作を行うだけでは、基板にクラックを形成することが困難である。
かかる課題に鑑み、本発明は、ノーマルホイールを用いて、基板に良好なスクライブラインを形成することが可能なスクライブ方法を提供することを目的とする。
本発明の主たる態様は、外周に沿って刃先が形成され、前記刃先に凸部や溝が設けられていないノーマルホイールを用いて、基板にスクライブラインを形成するスクライブ方法に関する。この態様に係るスクライブ方法は、前記基板の端よりも内側の開始位置に前記ノーマルホイールを降下させ、前記開始位置から所定位置までの第1の区間において、第1の荷重で前記ノーマルホイールを前記基板に押し付けて、スクライブ動作を実行し、前記第1の区間に続く第2の区間において、前記第1の荷重よりも高い第2の荷重で、前記スクライブ動作を実行する。
本態様に係るスクライブ方法によれば、第1の区間に続く第2の区間において、ノーマルホイールから基板に付与される荷重が高められる。これにより、第1の区間に形成されたスクライブラインの痕跡を契機として、第2の区間にリブマークを伴うスクライブラインが形成される。よって、基板に良好なスクライブラインを形成することができる。
本態様に係るスクライブ方法において、前記第2の区間は、前記第1の区間の後方部分に前方部分が重なり合った状態で前記第1の区間に連続しており、前記第1の区間の終点で前記ノーマルホイールを上昇させて、前記第2の区間の始点よりも前記第1の区間の始点側に位置する所定の位置に移送させた後、前記第1の区間に続く前記第2の区間において前記第2の荷重で、前記ノーマルホイールを走行させるよう構成され得る。
この構成によれば、ノーマルホイールが第2の区間の前方部分を第1の荷重で走行した後、再度、ノーマルホイールが第2の区間の前方部分を第2の荷重で走行する。これにより、第2の区間の始点から確実にリブマークを生じさせることができる。
本態様に係るスクライブ方法において、前記第2の区間は、前記第1の区間の後方部分に前方部分が重なり合った状態で前記第1の区間に連続しており、前記第1の区間の終点で前記ノーマルホイールを上昇させて、前記第2の区間の始点に移送させた後、前記ノーマルホイールを前記第2の区間の前記始点に位置付けた状態で、前記荷重を前記第2の荷重に切り替えるよう構成され得る。
この構成によっても、上記と同様に、第2の区間の前方部分は、ノーマルホイールによって2回走行される。そのため、第2の区間の始点から、確実に、リブマークを生じさせることができる。
本態様に係るスクライブ方法において、前記第2の区間は、前記第1の区間の後方部分に前方部分が重なり合った状態で前記第1の区間に連続しており、前記第1の区間の終点で前記ノーマルホイールを上昇させ、前記ノーマルホイールを前記第2の区間の始点の上方に位置付けた状態で前記荷重を前記第2の荷重に切り替えた後、前記ノーマルホイールを前記第2の区間の前記始点に降下させるよう構成され得る。
この構成によっても、上記と同様に、第2の区間の前方部分は、ノーマルホイールによって2回走行される。そのため、第2の区間の始点から、確実に、リブマークを生じさせることができる。
本態様に係るスクライブ方法において、前記第2の区間は、前記第1の区間の後方部分に前方部分が重なり合った状態で前記第1の区間に連続しており、前記第1の区間の終点から始点に向かって前記第1の荷重で前記ノーマルホイールを逆走させた後、前記第1の区間の前記始点に到達した前記ノーマルホイールの走行方向を前記第2の区間の始点に向かう方向に切り替え、前記第1の区間に続く第2の区間において、前記第2の荷重で、前記ノーマルホイールを走行させるよう構成され得る。
この構成によっても、上記と同様に、第2の区間の前方部分は、ノーマルホイールによって2回走行される。よって、第2の区間の始点から、確実に、リブマークを生じさせることができる。また、スクライブ動作中に、ノーマルホイールが基板から離間することがない。よって、ノーマルホイールに対して精密な位置制御を行うことなく、第1の区間および第2の区間に沿って、ノーマルホイールを走行させることができる。
本態様に係るスクライブ方法において、前記第1の区間が前記第2の区間に前方部分が含まれた状態で前記第2の区間に連続しており、前記第1の区間に続く前記第2の区間において、前記第2の荷重で、前記ノーマルホイールを前記第1の区間の終点から始点に向かって逆走させ、前記ノーマルホイールが前記第1の区間の前記始点を通過した後、前記第2の荷重で前記第2の区間の始点まで前記ノーマルホイールの逆送を継続させ、前記第2の区間の前記始点で前記ノーマルホイールの走行方向を前記第2の区間の終点に向かう方向に切り替えて、前記第2の区間の前記終点まで前記ノーマルホイールを走行させるよう構成され得る。
この構成によれば、スクライブ動作中、ノーマルホイールは基板から離間することがないため、スクライブ動作を円滑に行うことができる。
本態様に係るスクライブ方法において、前記第2の区間は、前方部分が前記第1の区間の後方部分に重なり合った状態で前記第1の区間に連続しており、前記第1の区間の始点から終点まで前記第1の荷重で前記ノーマルホイールを走行させた後、前記ノーマルホイールの走行方向を逆の方向に切り替え、前記第1の区間に続く前記第2の区間において、前記荷重を前記第2の荷重に切り替えて、前記ノーマルホイールを逆走させ、前記第2の区間の前記始点において前記ノーマルホイールの走行方向を、前記第2の区間の終点に向かう方向に切り替えて、前記第2の区間の前記終点まで前記ノーマルホイールを走行させるよう構成され得る。
この構成によっても、上記と同様に、第2の区間の前方部分は、ノーマルホイールによって2回走行される。そのため、第2の区間の始点から、確実にリブマークを生じさせることができる。また、スクライブ動作中、ノーマルホイールは基板から離間することがないため、ノーマルホイールに対して精密な位置制御を行うことなく、第1の区間および第2の区間に沿って、ノーマルホイールを走行させることができる。
本態様に係るスクライブ方法において、前記第1の区間が重なり合った状態で前記第2の区間に連続しており、前記ノーマルホイールに前記第1の区間を往復させた後、前記ノーマルホイールを前記第2の区間の始点に向かう方向に走行させ、前記第2の区間の前記始点から終点まで、前記第2の荷重で前記ノーマルホイールを走行させるよう構成され得る。
この構成によっても、上記と同様に、第2の区間の前方部分は、ノーマルホイールによって2回走行される。そのため、第2の区間の始点から、確実にリブマークを生じさせることができる。また、スクライブ動作中、ノーマルホイールは基板から離間することがないため、ノーマルホイールに対して精密な位置制御を行うことなく、第1の区間および第2の区間に沿って、ノーマルホイールを走行させることができる。
本態様に係るスクライブ方法において、前記第2の区間は、前記第1の区間に連続しており、前記荷重を、前記ノーマルホイールに前記第1の区間を走行させながら前記第2の荷重に向かって高めるよう構成され得る。
この構成であれば、たとえば、ノーマルホイールの走行方向を切り替えたり、ノーマルホイールの走行を一旦停止させて荷重を高めたりする等の工程が不要である。よって、スクライブ工程を簡素化できる。また、第1の区間において荷重が徐々に高められるため、第2の区間においてより確実にリブマークを発生させることができる。
本態様に係るスクライブ方法において、前記第1の区間において前記基板に付与される前記第1の荷重は、前記基板にリブマークが形成されるために必要な荷重の最低値よりも低く設定されるよう構成され得る。
これにより、基板の第1の区間にリブマークは形成されないものの、基板の表面にはノーマルホイールの走行の痕跡が必ず残る。この第1の区間に形成された走行の痕跡が契機として、第2の区間にリブマークを伴うスクライブラインが形成される。よって、基板に良好なスクライブラインを形成することができる。
また、前記第2の区間において前記基板に付与される前記第2の荷重は、少なくとも前記基板にリブマークが形成されるために必要な荷重の最低値よりも高く設定されるよう構成され得る。
これにより、確実に、第2の区間にリブマークを形成することができる。
以上のとおり、本発明によれば、ノーマルホイールを用いて、基板に良好なスクライブラインを形成することが可能なスクライブ方法を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の1つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1(a)は、実施形態に係るノーマルホイールを用いて基板にスクライブラインを形成するためのスクライブ装置の構成を模式的に示す図である。図1(b)、は、実施形態に係るノーマルホイールの正面図である。 図2は、実施形態に係るスクライブ装置の構成を示すブロック図である。 図3は、実施形態に係るスクライブ動作の制御を示すフローチャートである。 図4(a)〜(d)は、それぞれ、実施形態に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図5(a)〜(b)は、実施形態に係るノーマルホイールを用いて基板に形成されたスクライブラインの写真と、基板の断面の写真である。 図6は、変形例1に係るスクライブ動作の制御を示すフローチャートである。 図7(a)〜(c)は、それぞれ、変形例1に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図8(a)〜(c)は、それぞれ、変形例1に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図9は、変形例2に係るスクライブ動作の制御を示すフローチャートである。 図10(a)〜(c)は、それぞれ、変形例2に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図11(a)〜(c)は、それぞれ、変形例2に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図12は、変形例3に係るスクライブ動作の制御を示すフローチャートである。 図13は、変形例4に係るスクライブ動作の制御を示すフローチャートである。 図14(a)〜(c)は、それぞれ、変形例4に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図15は、変形例5に係るスクライブ動作の制御を示すフローチャートである。 図16(a)〜(c)は、それぞれ、変形例5に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図17(a)、(b)は、それぞれ、変形例5に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図18は、変形例6に係るスクライブ動作の制御を示すフローチャートである。 図19(a)〜(c)は、それぞれ、変形例6に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図20(a)、(b)は、それぞれ、変形例6に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図21は、変形例7に係るスクライブ動作の制御を示すフローチャートである。 図22(a)〜(c)は、それぞれ、変形例7に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図23(a)、(b)は、それぞれ、変形例7に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 図24は、変形例8に係るスクライブ動作の制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図には、便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が付記されている。X−Y平面は水平面に平行で、Z軸方向は鉛直方向である。
<実施形態>
図1(a)は、実施形態に係るノーマルホイールを用いて基板にスクライブラインを形成するためのスクライブ装置1の構成を模式的に示す図である。
スクライブ装置1は、移動台10を備えている。移動台10は、ボールネジ11と螺合されている。移動台10は、一対の案内レール12によってY軸方向に移動可能に支持されている。モータの駆動によりボールネジ11が回転することで、移動台10が、一対の案内レール12に沿ってY軸方向に移動する。移動台10の上面には、モータ13が設置されている。モータ13は、上部に位置するテーブル14をX−Y平面において回転させて所定角度に位置決めする。
テーブル14は、基板15を支持するためのものである。後述のように、テーブル14の表面には、多数の孔(図示せず)が設けられている。図示しない空圧源によって孔に陰圧が付与されることにより、基板15が吸着されてテーブル14に固定される。
基板15は、たとえば、ガラス基板、低温焼成セラミックスや高温焼成セラミックスからなるセラミック基板、シリコン基板、化合物半導体基板、サファイア基板、石英基板等である。また、基板は、基板の表面または内部に脆性材料に該当しない薄膜あるいは半導体材料を付着させたり、含ませたりしたものであってもよい。基板15の厚みは、0.3〜0.7mm程度が好ましい。
スクライブ装置1は、テーブル14に載置された基板15の上方に、この基板15に形成されたアライメントマークを撮像する二台のカメラ16を備えている。また、移動台10とその上部のテーブル14とを跨ぐように、ブリッジ17が支柱18a、18bに架設されている。
ブリッジ17には、ガイド19が取り付けられている。スクライブヘッド20は、このガイド19に案内されてX軸方向に移動するように設置されている。スクライブヘッド20は、下端にホルダジョイント21を備えている。このホルダジョイント21に、ホルダユニット30が装着され、このホルダユニット30にノーマルホイール40が保持されている。スクライブヘッド20は、ホルダジョイント21とともにノーマルホイール40に荷重を与える加圧機構(図示せず)を備えている。加圧機構は、たとえば、カム機構やエアシリンダ等を備える。
スクライブ装置1を用いて基板15にスクライブラインを形成する場合、スクライブ装置1は、一対のカメラ16によって基板15の位置決めを行う。そして、スクライブ装置1は、基板15の表面にスクライブラインを形成する。スクライブラインの形成については、追って詳述する。
図1(b)に示すように、ノーマルホイール40は、稜線を形成する刃先41が外周に沿って形成されている。刃先は、正面視において外周部に互いに異なる方向に傾斜した2つの傾斜面42が形成されており、V字状の形状である。
また、ノーマルホイール40は、貫通孔43が形成されている。ノーマルホイール40の貫通孔43にピン軸を通して、このピン軸がホルダユニット30の下端部に接続する。このように、ピン軸を介してノーマルホイール40は、回転可能となるようにホルダユニット30に保持される。
ノーマルホイール40は、たとえば、厚さが0.4〜1.2mm程度、貫通孔43の径が0.4〜1.0mm、外径が1.0〜5.0mm程度、2つの傾斜面42のなす角αは、90〜150°程度が好ましい。
このように、本実施形態のノーマルホイール40は、外周に沿って溝や凸部は設けられておらず、刃先41が形成されているのみである。
図2(a)は、スクライブ装置1の構成を示すブロック図である。
図2(a)に示すように、スクライブ装置1は、制御部101と、ヘッド移送部102と、ヘッド駆動部103と、テーブル駆動部104と、圧力付与部105と、検出部106と、入出力部107と、を備えている。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体とを備える。制御部101は、記憶媒体に記憶されたプログラムに従って各部を制御する。
ヘッド移送部102は、スクライブヘッド20をX軸方向に移動させるためのものである。ヘッド移送部102は、図1(a)に示すブリッジ17およびガイド19や、ガイド19に沿ってスクライブヘッド20を移動させるためのモータ等を含む。ヘッド駆動部103は、スクライブヘッド20に装着されたノーマルホイール40をZ軸方向に昇降させる機構を含む。テーブル駆動部104は、テーブル14を回転させるためのモータ13や、テーブル14をY軸方向に移送させるためのボールネジ11等を含む。
圧力付与部105は、テーブル14に載置された基板15の裏面に圧力を付与するためのものである。テーブル14の下部には、図示しない空圧源が設置されており、この空圧源がテーブル14に設けられている図示しない複数の微小な孔を通じて、基板15に負圧を付与する。
検出部106は、図1(a)に示すカメラ16や、スクライブ動作時に各部の位置を検出するための各種センサを含む。入出力部107は、タッチパネルやマウス、キーボード等の入力手段と、モニタやスピーカ等の出力手段とを含む。入出力部107は、たとえば、基板15のサイズやスクライブラインの形成位置等を設定するために用いられる。
図3は、本実施形態に係るスクライブ方法を示すフローチャートである。図4(a)〜(d)は、それぞれ、スクライブ動作時のノーマルホイール40の動作を模式的に示す図である。なお、図4(a)〜(d)の動作は、図3のステップS10〜S17によって行われる。
また、本実施形態では、図4(a)〜(d)に示すように、基板15に、スクライブラインが形成される区間として、第1の区間および第2の区間を連続するように設定する。図4(a)〜(d)中の、位置Aは、ノーマルホイール40によるスクライブ動作の開始位置であるとともに第1の区間の始点である。位置Bは、第1の区間の終点であるとともに第2の区間の始点である。位置Cは、スクライブ動作の終了位置であるとともに第2の区間に終点である。
また、本実施形態では、図4(a)に示すように、スクライブ動作の開始位置(位置A)および終了位置(位置C)は、基板15の端よりも内側に位置付けられる。これは、基板15の表面Hにおける端縁部よりも内側の領域内に位置Aが設けられるという意味である。したがって、本実施形態では、ノーマルホイール40を用いて、いわゆる「内切り」によって基板15に対してスクライブ工程が行われる。
また、本実施形態では、第1の区間における第1の荷重(スクライブ荷重)は、第2の区間における第2の荷重よりも低く設定する。第1の荷重は、基板15の表面Hにリブマークを形成することはできないが、基板15の表面Hにノーマルホイール40の走行の痕跡を形成することができるような大きさの荷重である。また、第2の荷重は、基板15の表面Hにリブマークを形成し得る荷重でありながら、基板15の表面Hに欠け等の破損が生じないような大きさの荷重である。
さらに、本実施形態では、ノーマルホイール40が第1の区間を走行する速度は、第2の区間を走行する場合よりも、低速である。たとえば、ノーマルホイール40が第1の区間を走行する場合の第1の速度は、1〜5mm/秒が好ましい。第2の区間を走行する場合の第2の速度は、基板15が、たとえば、LCD基板(液晶パネル用基板)であれば、100〜300mm/秒であり、素板ガラスであれば、500〜2000mm/秒である。
まず、テーブル14に基板15が載置された後、一対のカメラ16によって基板15の位置決めが行われると、制御部101は、基板15をテーブル14に吸着させる圧力を圧力付与部105に付与させる(S10)。これにより、基板15が、テーブル14の上面に固定される。
次に、制御部101は、図4(a)に示すように、ヘッド駆動部103にスクライブヘッド20を降下させ、ノーマルホイール40の刃先41を位置Aに位置付けさせる(S11)。
その後、制御部101は、ヘッド移送部102により、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、図4(b)に示すように、ノーマルホイール40は、基板15の表面Hに押しつけられながら、第1の区間である位置Aから位置Bまで走行する。また、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、基板15に付与される荷重(スクライブ荷重)を、第1の荷重に設定する(S12)。これにより、位置Aから位置Bまでの区間すなわち第1の区間に、ノーマルホイール40の走行の痕跡によるスクライブラインが形成される。本実施形態におけるスクライブラインの意義については、追って説明する。
ステップS12において、図4(b)に示すように、ノーマルホイール40が第1の区間の終点である位置Bに到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、基板15に対するノーマルホイール40の荷重を、第1の荷重より高い第2の荷重に切り替える(S13)。なお、ステップS13で、第1の荷重が第2の荷重に切り替えられるとき、制御部101は、ヘッド移送部102によるスクライブヘッド20の移送を停止させない。つまり、本実施形態では、第1の区間から第2の区間へ移行しながら、第2の区間の始点である位置B(第1の区間の終点)で、ノーマルホイール40の荷重が第2の荷重に切り替えられる。従って、第1の荷重から第2の荷重に切り替わる間は、荷重が変化しながらノーマルホイール40が走行することとなる。
制御部101は、第2の荷重を維持した状態で、ヘッド移送部102にスクライブヘッド20をスクライブ動作の終了位置である位置Cへ移送させる。これに伴い、図4(c)に示すように、ノーマルホイール40は、位置Bから位置Cへ走行する(S14)。ステップS14において、基板15にリブマークが形成される。これにより、位置Bから位置Cまでの区間すなわち第2の区間に、スクライブラインが形成される。
制御部101は、検出部106が、ノーマルホイール40の刃先41が位置Cに位置付けられたことを検出すると、ヘッド移送部102にスクライブヘッド20の移送を停止させる。これにより、ノーマルホイール40の走行が停止する。そして、制御部101は、引き続き、スクライブ動作を行うか判定する(S15)。なお、「引き続き、スクライブ動作を行う」とは、ステップS10でテーブル14に載置された基板15に対して、新たなスクライブラインを形成する作業のことを意味する。引き続きスクライブ動作を行う場合(S15;YES)、図4(d)に示すように、制御部101は、ヘッド駆動部103にスクライブヘッド20を上昇させ、ヘッド移送部102にスクライブヘッド20をX軸負方向へ移送させる(S16)。そして、制御部101は、上記のステップS10〜15の処理を繰り返し実行する。
スクライブ動作を終了する場合(S15;NO)、制御部101は、ヘッド駆動部103にスクライブヘッド20を上昇させ、ヘッド移送部102にスクライブヘッド20を基板15から退避させる(S17)。
以上のようにして、基板15に対するスクライブ工程が終了する。スクライブ工程後、基板15はブレイク工程に移る。このようなスクライブ方法により、基板15の表面Hにスクライブラインが形成される。
<検証>
上記実施形態のスクライブ方法では、ノーマルホイール40を第1の荷重で第1の区間を走行させた後、第1の区間に連続している第2の区間を、第1の荷重より大きい第2の荷重で走行させる。これにより、第2の区間にリブマークが形成され、基板15つまり第1の区間と第2の区間とにスクライブラインが形成される。
ここで、本発明者は、本実施形態のように、第1の区間と第2の区間とで荷重を異ならせた場合、ノーマルホイールはどのようなリブマークを基板に形成するか、検証を行った。
下記条件および手順にてガラス基板の表面にノーマルホイールを走行させた。
[条件]
・ガラス基板 … 厚み0.4mm
・ノーマルホイール … 外径2.5mm、最大厚み0.65mm、
貫通孔の径0.8mm、刃先の角115度
・スクライブ速度 … 1mm/sec(スクライブ動作開始時)
・スクライブ速度 … 100mm/sec
・スクライブ荷重 … 1.8N(検証開始時)
[手順]
(1)ガラス基板の表面の端縁より内側のスクライブ動作の開始位置にノーマルホイールの刃先を接地させて、スクライブ動作を開始した。このとき、ノーマルホイールのガラス基板に対するスクライブ荷重は1.8N、スクライブ速度は1mm/secに設定した。そして、ノーマルホイールを開始位置から5mm走行させた。
(2)ノーマルホイールを開始位置から5mm走行させた時点で、ガラス基板に対するスクライブ荷重を1.8Nから6.0Nに切り替えるとともに、スクライブ速度を100mm/secに切り替えた。
(3)スクライブ荷重を6.0Nに設定した状態で、ノーマルホイールをスクライブ動作の開始位置から5mmの地点より、さらに所定距離走行させた後、スクライブ動作を終了した。
また、手順(1)〜(3)において、ガラス基板の表面に形成されたスクライブラインおよび分断後のガラス基板の端面におけるリブマークを撮像した。
[検証の結果]
検証結果を図5に示す。図5(a)〜(c)は、それぞれ、ガラス基板に形成されたスクライブラインおよび基板の断面を撮像した写真である。図5(a)は、スクライブ動作開始時におけるスクライブラインを撮像した写真である。図5(b)は、スクライブ荷重を1.8Nから6.0に切り替えたときのスクライブラインを撮像した写真である。ガラス基板の断面の写真中に表示している領域Rは、荷重を1.8Nから6.0に切り替えた箇所を含む領域である。図5(c)は、荷重を6.0Nにしてからノーマルホイールを所定距離走行させたときのスクライブラインを撮像した写真である。
図5(a)に示すように、スクライブ動作開始時は、ガラス基板の表面に、薄く細い線が形成されていた。また、ガラス基板の断面の写真から、ノーマルホイールによる痕跡が形成されており、ある程度の負荷がガラス基板に加わっていることが確認された。しかしながら、ブレイク工程に供することができるようなリブマークは形成されていなかった。
図5(b)に示すように、領域Rでは、走行の痕跡が徐々に深くなっており、領域Rの中程以降、きれいに整列したリブマークが確認された。また、スクライブラインの幅は、ガラス基板の断面において領域Rに相当する領域から徐々に広がっていることが確認された。
図5(c)に示すように、ノーマルホイールのスクライブ荷重を6.0Nに設定した状態でスクライブ動作を行うと、図5(b)と同様に、引き続き、きれいに整列したリブマークが形成されていることが確認された。また、スクライブ動作開始時の図5(a)と比べて、目視で、スクライブラインの幅が広がったことが分かる。図5(c)におけるスクライブラインの幅は、約8μmであった。
以上の検証結果より、本実施形態のスクライブ方法により、ノーマルホイールでガラス基板を内切りにした場合、きれいなリブマークが形成されることが分かった。したがって、本実施形態のスクライブ方法により、ガラス基板の表面にスクライブラインを形成できることが確認された。
[検証の考察]
「背景技術」の箇所で説明したように、ノーマルホイールでガラス基板をスクライブする、とくに、内切りを行う場合、リブマークを伴うスクライブラインが形成され難い。
しかし、上記の検証結果の図5(a)〜(c)より、ノーマルホイールを用いてガラス基板を内切りする際、荷重を低荷重から高荷重へ変化させることによって、リブマークを伴うスクライブラインを形成できることが確認された。この理由として、以下のことが推察される。
スクライブ動作開始時の荷重は、1.8Nであった。これは、外切りの場合にガラス基板にリブマークが形成されるために必要なスクライブ荷重の下限値(以降、単に「下限値」と称する。)である2.3Nよりも低い荷重である。このような低い荷重であるため、図5(a)に示すように、内切りの場合にもガラス基板にリブマークは形成されない。
しかし、ノーマルホイールの荷重を1.8Nから6.0Nの高い荷重に切り替えて、引き続きガラス基板を走行させた結果、図5(b)の領域Rに示すようにリブマークの形成が開始され、図5(c)に示すように、きれいに整列したリブマークが確認できた。これは、ノーマルホイールの荷重を低い荷重から高い荷重に変化させると、図5(a)に示すようなスクライブ動作開始時にガラス基板に形成されたノーマルホイールの走行の痕跡が契機となって、高い荷重への変化に伴いガラス基板にクラックが生じリブマークが形成されたと推察される。
このように、第2の区間に形成されるスクライブラインはリブマークを伴うため、このスクライブラインに沿って、基板を分断することができる。また、スクライブ動作開始時に形成されたノーマルホイールの走行の痕跡は、本来は、基板を分断できるようなラインではない。しかし、第1の区間は第2の区間に比べて短く、且つ、第1の区間は第2の区間のリブマークを伴うスクライブラインに連続しているため、第2の区間のスクライブラインに沿った分断に伴い、第1の区間の痕跡に沿って基板が分断される。したがって、本実施形態では、ノーマルホイールが基板に形成した走行の痕跡も含めて、スクライブラインとして扱うことができる。
また、上記の検証で設定した6.0Nの荷重は、ガラス基板の表面にリブマークを形成し得る荷重でありながら、ガラス基板の表面Hに欠け等の破損が生じないような大きさの荷重である。そのため、図5(c)に示すように、一定の幅が維持されたきれいなスクライブラインがガラス基板に形成されたと考えられる。
また、上記の検証の結果から、ノーマルホイールの荷重が低荷重に設定された状態でガラス基板を走行する距離は、短い方が好ましいと考えらえる。上記した考察より、ノーマルホイールによって基板に生じる走行の痕跡は、この走行の痕跡に連続してリブマークが形成される契機となり得る。そのため、第1の区間は、痕跡がリブマーク生成の契機となり得る長さであれば十分であり、第1の区間が長過ぎると、相対的に、高い荷重の状態で走行したときに基板に生じるリブマークが短くなってしまい、かえって、ガラス基板を分断し難くなると考えられる。したがって、ノーマルホイールの荷重が低荷重に設定される区間、すなわち第1の区間は、なるべく短い方が好ましいと言える。
以上のように、本実施形態のスクライブ方法であれば、ノーマルホイールを用いてガラス基板に内切りによりスクライブラインを形成することができる。
<実施形態の効果>
図5(a)〜(c)より、スクライブ動作開始位置から所定距離(第1の区間)は、リブマークが形成されるために必要な荷重の最低値よりも低い荷重(第1の荷重)の状態に設定されたノーマルホイールを走行させる。そして、第1の区間に連続するように、第1の荷重より高い荷重(第2の荷重)に切り替えて(第2の区間)、目的の位置までノーマルホイールを走行させれば、第2の区間に、リブマークを伴うスクライブラインが形成される。これにより、第1の区間および第2の区間に、基板を分断し得るスクライブラインか形成される。
また、この場合、第2の荷重は、リブマークを形成することができ、且つ、基板に形成されたスクライブラインに欠け等を生じさせない荷重の上限よりも低い荷重である。これにより、基板に過剰な負荷を与えることなく、スクライブラインを形成することができる。よって、基板の表面に形成されたスクライブラインに欠け等の破損が生じない。その結果、高品質のスクライブラインを形成することができる。
また、本実施形態のスクライブ方法は、ノーマルホイール40を用いてガラス基板にスクライブラインを形成することができる。上記のとおり、ノーマルホイール40は、外周部に溝等が設けられていない。そのため、基板15に過度な衝撃を与えることがなく、また基板表面に転写される形状に凹凸が少ない。よって、基板15に形成されたスクライブラインに沿って、基板15を分断した場合、基板15の切断面がきれいであり、また、分断された基板15の端面強度が高められる。このように、ノーマルホイール40であれば、より薄い基板に対しても高品質のスクライブラインを形成することができる。
<変形例>
上記実施形態は、第1の区間の終点と第2の区間の始点とが同じであり、第1および第2の区間は互いに重なり合わない状態で連続していた。
上記実施形態に係る変形例では、第2の区間が第1の区間の後方部分に第2の区間の前方部分が重なり合った状態で第1の区間に連続する場合のスクライブ方法である。このように第1および第2の区間が連続している場合でも、上記実施形態と同様に、基板15の表面Hにスクライブラインが形成される。以下、各変形例のスクライブ方法について説明する。
なお、各変形例において、第1の区間の始点および終点は、上記実施形態と同様に、位置Aおよび位置Bであり、第2の区間の終点(スクライブ動作の終了位置)は、位置Cである。また、第2の区間の始点を位置Eとして設ける。また、ノーマルホイール40のスクライブ動作開始時の走行方向は、X軸正方向、つまり、第1の区間の始点から終点に向かう方向である。但し、変形例4、5では、ノーマルホイール40のスクライブ動作開始時の走行方向は、X軸負方向、つまり、第1の区間の終点から始点に向かう方向である。また、変形例1において、位置Dは、特許請求の範囲に記載されている「第1の区間の始点側に位置する第1の位置」に相当する。
[変形例1]
図6は、変形例1に係るスクライブ方法を示すフローチャートである。図7(a)〜(c)、および図8(a)〜(c)は、それぞれ、スクライブ動作時のノーマルホイール40の動作を模式的に示す図である。なお、図7(a)〜(c)、および図8(a)〜(c)では、この動作は、図6のステップS20〜S30によって行われる。
ステップS20〜S22は、上記実施形態における図3のステップS10〜S12に対応するため、説明を省略する。なお、ステップS20〜S22におけるノーマルホイール40の動作は、図7(a)、(b)に示されており、上記実施形態における図4(a)、(b)にそれぞれ対応する。
ステップS22において、図7(b)に示すように、ノーマルホイール40が位置Bに到達したことを検出部106が検出すると、図7(c)に示すように、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40を上昇させ、ヘッド移送部102を制御して、位置Dの上方に移送させる(S23)。そして、図8(a)に示すように、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40を降下させてノーマルホイールの刃先41を位置Dに位置付ける(S24)。このとき、ノーマルホイール40の荷重は、第1の荷重に設定された状態が維持されている。
ステップS24において、ノーマルホイール40が位置Dに到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40を第2の区間の始点である位置Eに移送させる。これに伴い、図8(b)に示すように、ノーマルホイール40は、第1の荷重で位置Dから位置Eへ走行する(S25)。
ステップS25において、図8(b)に示すように、ノーマルホイールが位置Eに到達したことを検出部106が検出すると、ステップS13と同様に、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、基板15に対するノーマルホイール40の荷重を、第1の荷重より高い第2の荷重に切り替える(S26)。なお、ステップS26もステップS13と同様に、第1の荷重が第2の荷重に切り替えられるとき、制御部101は、ヘッド移送部102によるスクライブヘッド20の移送を停止させない。
制御部101は、ヘッド移送部102により、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、図8(c)に示すように、ノーマルホイール40は、第2の荷重を維持した状態でスクライブ動作の終了位置の位置Cまで走行する(S27)。ステップS27において、位置Eから位置Cの区間、すなわち第2の区間にリブマークを伴うスクライブラインが形成される。
ステップS28〜S30は、上記実施形態における図3のステップS15〜S17に対応するため、説明を省略する。なお、ステップS28〜S30におけるノーマルホイール40の動作は、図8(c)に示されており、これは、上記実施形態における図4(d)に対応する。
以上のようにして、変形例1に係るスクライブ方法による基板15に対するスクライブ工程が終了する。
変形例1のスクライブ方法により、上記実施形態と同様に、基板15にスクライブラインが形成される。
上記の変形例1のスクライブ方法では、第2の区間の一部である位置Eから位置Bの区間が第1の区間に含まれており、上記実施形態と同様に、ノーマルホイール40が低荷重の状態で走行した第1の区間に、高荷重の状態で走行した第2の区間が連続している。よって、上記実施形態と同様、第1の区間に形成されたノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となって、第2の区間にリブマークが形成され得る。
また、変形例1のスクライブ方法では、第1の区間内の位置Dから位置Bの区間を2回、第1の荷重でノーマルホイール40に走行させている。これにより、第1の区間に形成されるノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となり、より確実に、第2の区間にリブマークを生じさせることができる。
[変形例2]
図9は、変形例2に係るスクライブ方法を示すフローチャートである。図10(a)〜(c)、および図11(a)〜(c)は、それぞれ、スクライブ動作時のノーマルホイール40の動作を模式的に示す図である。なお、図10(a)〜(c)、および図11(a)〜(c)では、この動作は、図9のステップS40〜S49によって行われる。
ステップS40〜S42は、上記実施形態における図3のステップS10〜12と対応するため、説明を省略する。なお、ステップS40〜S42におけるノーマルホイール40の動作は、図10(a)、(b)に示されており、これは、上記実施形態における図4(a)、(b)にそれぞれ対応する。
ステップS42において、図10(b)に示すように、ノーマルホイール40が位置Bに到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド移送部102を制御する。図10(c)に示すように、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40を上昇させ、位置Eの上方に移送させる(S43)。そして、図11(a)に示すように、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40を降下させ、ノーマルホイール40の刃先41を位置Eに位置付ける(S44)。
ステップS44において、図10(a)に示すように、ノーマルホイール40が第2の区間の始点である位置Eに到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の荷重を、第2の荷重に切り替える(S45)。
制御部101は、第2の荷重を維持した状態で、ヘッド移送部102に、スクライブヘッド20をスクライブ動作の終了位置である位置Cへ移送させる。これに伴い、図11(c)に示すように、ノーマルホイール40は、位置Eから位置Cの区間すなわち第2の区間を走行する(S46)。ステップS46において、位置Eから位置Cの区間に、リブマークを伴うスクライブラインが形成される。
ステップS47〜S49は、上記実施形態における図3のステップS15〜17に対応するため、説明を省略する。なお、ステップS47〜S49におけるノーマルホイール40の動作は、図11(c)に示されており、これは、上記実施形態における図4(d)に対応する。
以上のようにして、変形例2に係るスクライブ方法による基板15に対するスクライブ工程が終了する。
変形例2のスクライブ方法により、上記実施形態と同様に、基板15にスクライブラインが形成される。
変形例2のスクライブ方法も、変形例1と同様に、第2の区間の一部である位置Eから位置Bの区間が第1の区間に含まれており、上記実施形態と同様に、ノーマルホイール40が低荷重の状態で走行した第1の区間に、高荷重の状態で走行した第2の区間が連続している。よって、第1の区間に形成されたノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となって、第2の区間にリブマークが形成され得る。
また、変形例2のスクライブ方法では、位置Eから位置Bの区間をノーマルホイール40は、1回目は第1の荷重(S42)、2回目は第2の荷重(S46)で走行している。これにより、第1の区間に形成されるノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となり、より確実に、第2の区間にリブマークを生じさせることができる。
[変形例3]
図12は、変形例3に係るスクライブ方法を示すフローチャートである。変形例3のスクライブ方法は、上記変形例2のステップS44、S45の処理と相違すること以外は、変形例2のスクライブ方法と同様である。変形例3では、変形例2の説明で参照した図10(a)〜(c)、および図11(a)〜(c)を参照して説明する。
ステップS50〜S53は、上記変形例2における図9のステップS40〜43に対応するため、説明を省略する。なお、ステップS50〜S53におけるノーマルホイール40の動作は、図10(a)〜(c)に示されている。
ステップS54において、図10(c)に示すように、ノーマルホイール40が位置Eの上方に到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の荷重を、第2の荷重に切り替える。そして、制御部101は、第2の荷重を維持した状態で、ヘッド移送部102を制御して、ノーマルホイール40を降下させ、ノーマルホイール40の刃先41を位置E位置付ける(S55)。
ステップS56〜S59は、上記変形例2における図9のステップS46〜S49に対応するため、説明を省略する。なお、ステップS56〜S59におけるノーマルホイール40の動作は、図11(a)〜(c)に示されている。
変形例3のスクライブ方法により、上記実施形態と同様に、基板15にスクライブラインが形成される。
変形例3のスクライブ方法も、変形例1、2と同様に、第2の区間の一部である位置Eから位置Bの区間が第1の区間に含まれており、上記実施形態と同様に、ノーマルホイール40が低荷重の状態で走行した第1の区間に、高荷重の状態で走行した第2の区間が連続している。よって、第1の区間に形成されたノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となって、第2の区間にリブマークが形成され得る。
また、変形例3のスクライブ方法では、位置Eから位置Bの区間をノーマルホイール40が、1回目は第1の荷重(S52)、2回目は第2の荷重(S56)で走行させている。これにより、第1の区間に形成されるノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となり、より確実に、第2の区間にリブマークを生じさせることができる。
[変形例4]
図13は、変形例4に係るスクライブ方法を示すフローチャートである。図14(a)〜(c)は、それぞれ、スクライブ動作時のノーマルホイール40の動作を模式的に示す図である。なお、図14(a)〜(c)では、この動作は、図13のステップS60〜S69によって行われる。なお、上記したとおり、変形例4は、スクライブ動作開始時のノーマルホイール40の走行方向は、X軸負側であり、第1の区間の終点(位置B)から始点(位置A)に向かって逆走させる。
ステップS60は、上記実施形態における図3のステップS10と対応するため、説明を省略する。
次に、制御部101は、図14(a)に示すように、ヘッド駆動部103にスクライブヘッド20を降下させ、ノーマルホイール40の刃先41を、第1の区間の終点である位置Bに位置付けさせる(S61)。
その後、制御部101は、ヘッド移送部102により、スクライブヘッド20を移送させる。また、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、基板15に付与される荷重を、第1の荷重に設定する。これに伴い、図14(b)に示すように、ノーマルホイール40は、第1の荷重で基板15の表面Hに押しつけられながら、位置Bから第1の区間の始点である位置Aまでの区間を逆走する(S62)。
ステップS62において、図14(b)に示すように、ノーマルホイール40が位置Aに到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の走行方向を位置Aから位置Bへ向かう方向に切り替えさせる(S63)。
ステップS63において、ノーマルホイール40の走行方向が切り替えられると、図14(b)に示すように、制御部101は、ヘッド移送部102を制御して、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、ノーマルホイール40が第2の区間の始点である位置Eまで走行する(S64)。
ステップS64において、図14(b)に示すように、ノーマルホイール40が位置Eに到達したことを検出部106が検出すると、ステップS13と同様に、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、基板15に対するノーマルホイール40の荷重を、第1の荷重より高い第2の荷重に切り替える(S65)。なお、ステップS65もステップS13と同様に、第1の荷重が第2の荷重に切り替えられるとき、制御部101は、ヘッド移送部102によるスクライブヘッド20の移送を停止させない。
制御部101は、ヘッド移送部102により、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、図14(c)に示すように、ノーマルホイール40は、第2の荷重を維持した状態でスクライブ動作の終了位置の位置Cまで走行する(S66)。ステップS66において、位置Eから位置Cの区間、すなわち第2の区間にリブマークを伴うスクライブラインが形成される。
ステップS67〜S69は、上記実施形態における図3のステップS15〜S17に対応するため、説明を省略する。なお、ステップS67〜S69におけるノーマルホイール40の動作は、図14(c)に示されており、これは、上記実施形態における図4(d)に対応する。
以上のようにして、変形例4に係るスクライブ方法による基板15に対するスクライブ工程が終了する。
上記の変形例4のスクライブ方法により、上記実施形態と同様に、基板15にスクライブラインが形成される。
変形例4のスクライブ方法も、変形例1〜3と同様に、第2の区間の一部である位置Eから位置Bの区間が第1の区間に含まれており、上記実施形態と同様に、ノーマルホイール40が低荷重の状態で走行した第1の区間に、高荷重の状態で走行した第2の区間が連続している。よって、第1の区間に形成されたノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となって、第2の区間にリブマークが形成され得る。
また、変形例4のスクライブ方法では、ノーマルホイール40は、第1の区間を1回目は逆走し(S62)、2回目は、始点(位置A)から第2の区間の始点(位置)まで走行している(S64)。これにより、第1の区間に形成されるノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となり、より確実に、第2の区間にリブマークを生じさせることができる。
また、変形例4のスクライブ方法は、変形例1〜3のように、ノーマルホイール40の昇降動作が含まれていない。たとえば、基板15の表面Hにノーマルホイール40を再度降下させる際、刃先41をスクライブライン上の目的の位置に位置付けるため、スクライブヘッド20の動作に高い位置再現性が要求される。この点、変形例4のスクライブ方法であれば、ノーマルホイール40が基板15から離間することはないので、上記のような位置制御は不要である。
[変形例5]
図15は、変形例5に係るスクライブ方法を示すフローチャートである。図16(a)〜(c)および図17(a)、(b)は、それぞれ、スクライブ動作時のノーマルホイール40の動作を模式的に示す図である。なお、図16(a)〜(c)および図17(a)、(b)では、この動作は、図15のステップS70〜S79によって行われる。なお、上記したとおり、変形例5は、変形例4と同様に、スクライブ動作開始時のノーマルホイール40の走行方向は、X軸負側であり、第1の区間の終点(位置B)から始点(位置A)に向かって逆走させる。
ステップS70は、上記実施形態における図3のステップS10と対応するため、説明を省略する。
次に、制御部101は、図16(a)に示すように、ヘッド駆動部103にスクライブヘッド20を降下させ、ノーマルホイール40の刃先41を、第1の区間の終点である位置Bに位置付けさせる(S71)。
その後、制御部101は、ヘッド移送部102により、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、図16(b)に示すように、ノーマルホイール40は、基板15の表面Hに押しつけられながら、位置Bから第1の区間の始点である位置Aまでの区間を第1の荷重で逆走する(S72)。
ステップS73において、図16(b)に示すように、ノーマルホイール40が位置Aに到達したことを検出部106が検出すると、ステップS13と同様に、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、基板15に対するノーマルホイール40の荷重を、第1の荷重より高い第2の荷重に切り替える。なお、ステップS73もステップS13と同様に、第1の荷重が第2の荷重に切り替えられるとき、制御部101は、ヘッド移送部102によるスクライブヘッド20の移送を停止させない。
制御部101は、ヘッド移送部102により、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、図16(b)に示すように、ノーマルホイール40は第2の区間の始点である位置Eまで逆走する(S74)。
ステップS74において、図16(c)に示すように、ノーマルホイール40が位置Eに到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の走行方向を、位置Eから位置Cへ向かう方向に切り替えさせる(S75)。
ステップS74において、ノーマルホイール40の走行方向が切り替えられると、図17(a)に示すように、制御部101は、ヘッド移送部102を制御して、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、ノーマルホイール40は第2の区間の終点である位置Cまで走行する(S76)。
ステップS77〜S79は、上記実施形態における図3のステップS15〜17に対応するため、説明を省略する。なお、ステップS77〜S79におけるノーマルホイール40の動作は、図17(b)に示されており、これは、上記実施形態における図4(d)に対応する。
以上のようにして、変形例5に係るスクライブ方法による基板15に対するスクライブ工程が終了する。
上記の変形例5のスクライブ方法により、上記実施形態と同様に、基板15にスクライブラインが形成される。
変形例5のスクライブ方法は、第1の区間が第2の区間に含まれた状態で第2の区間に連続している。よって、第1の区間に形成されたノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となって、第2の区間にリブマークが形成され得る。
また、変形例5のスクライブ方法では、ノーマルホイール40は、第1の荷重で位置Bから位置Aまで第1の区間を逆走し(S72)、第2の荷重で位置Aから位置Eまで逆走する(S74)。そして、位置Eから位置Cまで第2の荷重で走行する(S76)。これにより、第1の区間に形成されるノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となり、より確実に、第2の区間にリブマークを生じさせることができる。
さらに、スクライブ動作中、ノーマルホイール40は基板15から離間することがないため、スクライブ動作を円滑に行うことができる。
[変形例6]
図18は、変形例6に係るスクライブ方法を示すフローチャートである。図19(a)〜(c)および図20(a)、(b)は、それぞれ、スクライブ動作時のノーマルホイール40の動作を模式的に示す図である。なお、図19(a)〜(c)および図20(a)、(b)の動作は、図18のステップS80〜S91によって行われる。
ステップS80〜S82は、上記実施形態における図3のステップS10〜S12に対応するため、説明を省略する。ステップS80〜S82におけるノーマルホイール40の動作は、図19(a)、(b)に示されており、これは、上記実施形態における図4(a)、(b)に対応する。
ステップS82において、図19(b)に示すように、ノーマルホイール40が位置Bに到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の走行方向を切り替えさせる(S83)。そして、制御部101は、ヘッド移送部102を制御して、ノーマルホイール40を移送させる。これに伴い、ノーマルホイール40は、位置Bから第2の区間の始点である位置Eまで第1の荷重で走行する(S84)。
ステップS85において、図19(c)に示すように、ノーマルホイール40が位置Eに到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の走行方向を切り替えさせる(S85)。そして、ステップS13と同様に、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、基板15に対するノーマルホイール40の荷重を、第1の荷重より高い第2の荷重に切り替える(S86)。
ステップS87〜S91は、上記実施形態における図3のステップS14〜17に対応するため、説明を省略する。なお、ステップS87〜S91におけるノーマルホイール40の動作は、図20(a)、(b)に示されており、これは、上記実施形態における図4(c)、(d)に対応する。
以上のようにして、変形例6に係るスクライブ方法による基板15に対するスクライブ工程が終了する。
変形例6のスクライブ方法により、上記実施形態と同様に、基板15にスクライブラインが形成される。
変形例6のスクライブ方法も、変形例1〜4と同様に、第2の区間の一部である位置Eから位置Bの区間が第1の区間に含まれており、上記実施形態と同様に、ノーマルホイール40が低荷重の状態で走行した第1の区間に、高荷重の状態で走行した第2の区間が連続している。よって、第1の区間に形成されたノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となって、第2の区間にリブマークが形成されたと考えられる。
また、変形例6のスクライブ方法では、位置Eから位置Bの区間をノーマルホイール40が、1回目は第1の荷重(S82)で走行し、2回目は第1の荷重(S84)で逆走している。これにより、第1の区間に形成されるノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となり、より確実に、第2の区間にリブマークを生じさせることができる。
また、スクライブ動作中、ノーマルホイール40は基板15から離間することがないため、スクライブ動作を円滑に行うことができる。
[変形例7]
図21は、変形例7に係るスクライブ方法を示すフローチャートである。図22(a)〜(c)および図23(a)、(b)は、それぞれ、スクライブ動作時のノーマルホイール40の動作を模式的に示す図である。なお、図22(a)〜(c)および図23(a)、(b)では、この動作は、図21のステップS100〜S109によって行われる。
ステップS100〜101は、上記実施形態における図3のステップS10〜11と対応するため、説明を省略する。なお、ステップS100〜101におけるノーマルホイール40の動作は、図22(a)に示されており、これは、上記実施形態における図4(a)に対応する。
ステップS101において、図22(b)に示すように、ノーマルホイール40が位置Aに到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド移送部102を制御して、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、ノーマルホイール40は位置Bまで走行する(S102)。また、ステップS102では、ノーマルホイール40が位置Bに到達したことを検出部106が検出すると、図22(c)に示すように、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の走行方向を切り替えさせる。制御部101は、ヘッド移送部102を制御して、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、ノーマルホイール40は、再び、位置Bから位置Aへ走行する。つまり、ステップS102では、ノーマルホイール40は、第1の区間を往復移動する。
ノーマルホイール40が位置Aに再び到達したことを検出部106が検出すると、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の走行方向を切り替えさせる(S103)。そして、制御部101は、ヘッド移送部102を制御して、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、ノーマルホイール40が位置Eまで走行する(S104)。
ステップS105において、ノーマルホイール40が位置Eに到達したことを検出部106が検出すると、ステップS13と同様に、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、基板15に対するノーマルホイール40の荷重を、第1の荷重より高い第2の荷重に切り替える。なお、ステップS105もステップS13と同様に、第1の荷重が第2の荷重に切り替えられるとき、制御部101は、ヘッド移送部102によるスクライブヘッド20の移送を停止させない。
そして、制御部101は、ヘッド移送部102により、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、図23(a)に示すように、ノーマルホイール40は、第2の荷重を維持した状態でスクライブ動作の終了位置の位置Cまで走行する(S106)
ステップS107〜S109は、上記実施形態における図3のステップS15〜17に対応するため、説明を省略する。なお、ステップS117〜S119におけるノーマルホイール40の動作は、図23(b)に示されており、これは、上記実施形態における図4(d)に対応する。
以上のようにして、変形例7に係るスクライブ方法による基板15に対するスクライブ工程が終了する。
変形例7のスクライブ方法により、上記実施形態と同様に、基板15にスクライブラインが形成される。
変形例7のスクライブ方法も、変形例1〜4、6と同様に、第2の区間の一部である位置Eから位置Bの区間が第1の区間に含まれており、上記実施形態と同様に、ノーマルホイール40が低荷重の状態で走行した第1の区間に、高荷重の状態で走行した第2の区間が連続している。よって、第1の区間に形成されたノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となって、第2の区間にリブマークが形成され得る。
また、変形例7のスクライブ方法では、第1の区間を往復走行している(S102)。これにより、第1の区間に形成されるノーマルホイール40の走行の痕跡が契機となり、より確実に、第2の区間にリブマークを生じさせることができる。
また、スクライブ動作中、ノーマルホイール40は基板15から離間することがないため、スクライブ動作を円滑に行うことができる。
[変形例8]
変形例8は、上記実施形態と同様に、第1の区間の終点と第2の区間の始点とが同じであり、第1および第2の区間は互いに重なり合わない状態で連続している。図24は、変形例8に係るスクライブ方法を示すフローチャートである。変形例8に係るスクライブ動作は、上記実施形態の説明で参照した図4(a)〜(d)を参照して説明する。
ステップS110〜111は、上記実施形態における図3のステップS10〜11と対応するため、説明を省略する。なお、ステップS120〜121におけるノーマルホイール40の動作は、図4(a)に対応する。ただし、変形例8では、ステップS111において、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の荷重を0に設定する。
図4(b)に示すように、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40を基板15で走行させる(S112)。ステップS112では、制御部101は、ヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の荷重を0から高める。
ステップS112で、制御部101がヘッド駆動部103を制御して、ノーマルホイール40の荷重を高めていき、荷重が第2の荷重に達した場合(S113;YES)、制御部101は、ヘッド移送部102により、スクライブヘッド20を移送させる。これに伴い、図4(c)に示すように、ノーマルホイール40は、位置Cまで走行する(S114)。
ノーマルホイール40の荷重が第2の荷重に達していない場合(S113;NO)、ノーマルホイール40は、位置Cに向かって走行しつつ、荷重が第2の荷重に向かって高められる(S64)。
すなわち、変形例8では、ノーマルホイール40の荷重が第1の荷重から第2の荷重に向かって高められ、第2の荷重に達したときに、ノーマルホイール40が到達している地点が、第1の区間の終点且つ第2の始点の位置Bとなる。
ステップS105〜S107は、上記実施形態における図3のステップS15〜17に対応するため、説明を省略する。なお、ステップS105〜S107におけるノーマルホイール40の動作は、上記実施形態における図4(d)に対応する。
以上のようにして、変形例8に係るスクライブ方法による基板15に対するスクライブ工程が終了する。
変形例8のスクライブ方法により、上記実施形態と同様に、基板15にスクライブラインが形成され得る。また、第1の区間において荷重が徐々に高められるため、第2の区間においてより確実にリブマークを発生させることができる。
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。例えば、変形例1、4、5、7のようにスクライブヘッドの移動中に第1の荷重から第2の荷重へ荷重が切り替えられる場合、変形例8のように第1の区間の始点または任意の位置から徐々に荷重が高められるようにしてもよい。
1 …スクライブ装置
15 …基板
20 … スクライブヘッド
40 … ノーマルホイール
H … 基板の表面

Claims (11)

  1. ノーマルホイールを基板に押し付けながら転動させることにより前記基板にスクライブラインを形成するスクライブ方法であって、
    前記基板の端よりも内側の開始位置に前記ノーマルホイールを降下させ、
    前記開始位置から所定位置までの第1の区間において、第1の荷重で前記ノーマルホイールを前記基板に押し付けて、スクライブ動作を実行し、
    前記第1の区間に続く第2の区間において、前記第1の荷重よりも高い第2の荷重で、前記スクライブ動作を実行する、ことを特徴とするスクライブ方法。
  2. 請求項1に記載のスクライブ方法であって、
    前記第2の区間は、前記第1の区間の後方部分に前方部分が重なり合った状態で前記第1の区間に連続しており、前記第1の区間の終点で前記ノーマルホイールを上昇させて、前記第2の区間の始点よりも前記第1の区間の始点側に位置する所定の位置に移送させた後、前記第1の区間に続く前記第2の区間において、前記第2の荷重で、前記ノーマルホイールを走行させる、ことを特徴とするスクライブ方法。
  3. 請求項1に記載のスクライブ方法であって、
    前記第2の区間は、前記第1の区間の後方部分に前方部分が重なり合った状態で前記第1の区間に連続しており、前記第1の区間の終点で前記ノーマルホイールを上昇させて、前記第2の区間の始点に移送させた後、前記ノーマルホイールを前記第2の区間の前記始点に位置付けた状態で、前記荷重を前記第2の荷重に切り替える、ことを特徴とするスクライブ方法。
  4. 請求項1に記載のスクライブ方法であって、
    前記第2の区間は、前記第1の区間の後方部分に前方部分が重なり合った状態で前記第1の区間に連続しており、前記第1の区間の終点で前記ノーマルホイールを上昇させ、前記ノーマルホイールを前記第2の区間の始点の上方に位置付けた状態で前記荷重を前記第2の荷重に切り替えた後、前記ノーマルホイールを前記第2の区間の前記始点に降下させる、ことを特徴とするスクライブ方法。
  5. 請求項1に記載のスクライブ方法であって、
    前記第2の区間は、前記第1の区間の後方部分に前方部分が重なり合った状態で前記第1の区間に連続しており、前記第1の区間の終点から始点に向かって前記第1の荷重で前記ノーマルホイールを逆走させた後、前記第1の区間の前記始点に到達した前記ノーマルホイールの走行方向を前記第2の区間の始点に向かう方向に切り替え、前記第1の区間に続く第2の区間において、前記第2の荷重で、前記ノーマルホイールを走行させる、ことを特徴とするスクライブ方法。
  6. 請求項1に記載のスクライブ方法であって、
    前記第1の区間が前記第2の区間に前方部分が含まれた状態で前記第2の区間に連続しており、前記第1の区間に続く前記第2の区間において、前記第2の荷重で、前記ノーマルホイールを前記第1の区間の終点から始点に向かって逆走させ、前記ノーマルホイールが前記第1の区間の前記始点を通過した後、前記第2の荷重で前記第2の区間の始点まで前記ノーマルホイールの逆送を継続させ、前記第2の区間の前記始点で前記ノーマルホイールの走行方向を前記第2の区間の終点に向かう方向に切り替えて、前記第2の区間の前記終点まで前記ノーマルホイールを走行させる、ことを特徴とするスクライブ方法。
  7. 請求項1に記載のスクライブ方法であって、
    前記第2の区間は、前方部分が前記第1の区間の後方部分に重なり合った状態で前記第1の区間に連続しており、前記第1の区間の始点から終点まで前記第1の荷重で前記ノーマルホイールを走行させた後、前記ノーマルホイールの走行方向を逆の方向に切り替え、前記第1の区間に続く前記第2の区間において、前記荷重を前記第2の荷重に切り替えて、前記ノーマルホイールを逆走させ、前記第2の区間の前記始点において前記ノーマルホイールの走行方向を、前記第2の区間の終点に向かう方向に切り替えて、前記第2の区間の前記終点まで前記ノーマルホイールを走行させる、ことを特徴とするスクライブ方法。
  8. 請求項1に記載のスクライブ方法であって、
    前記第1の区間が重なり合った状態で前記第2の区間に連続しており、前記ノーマルホイールに前記第1の区間を往復させた後、前記ノーマルホイールを前記第2の区間の始点に向かう方向に走行させ、前記第2の区間の前記始点から終点まで、前記第2の荷重で前記ノーマルホイールを走行させる、ことを特徴とするスクライブ方法。
  9. 請求項1に記載のスクライブ方法であって、
    前記第2の区間は、前記第1の区間に連続しており、前記荷重を、前記ノーマルホイールに前記第1の区間を走行させながら前記第2の荷重に向かって高める、ことを特徴とするスクライブ方法。
  10. 請求項1ないし9の何れか一項に記載のスクライブ方法であって、
    前記第1の区間において前記基板に付与される前記第1の荷重は、前記基板にリブマークが形成されるために必要な荷重の最低値よりも低く設定される、ことを特徴とするスクライブ方法。
  11. 請求項1ないし10の何れか一項に記載のスクライブ方法であって、
    前記第2の区間において前記基板に付与される前記第2の荷重は、少なくとも前記基板にリブマークが形成されるために必要な荷重の最低値よりも高く設定される、ことを特徴とするスクライブ方法。
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