JP4205171B2 - 調節可能マグネチックカップラー - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、1本のシャフト上にマグネットローターを有するタイプの永久マグネットカップラーに関し、このシャフトは別のシャフト上の導電ローターからのエアギャップにより間隔が空いており、この導電ローターは、マグネットローターにより呈される対向するマグネットが配置された鉄裏打ちされた(ferrous-backed)電気伝導要素を有する。より詳細には、本発明はエアギャップの調節に関する。
発明の背景
例えば、誘導モータは、扇風機、送風機、ポンプおよびコンプレッサを駆動するために用いられる。これらのモータは全速力で操作される場合、通常負荷要件と比べ超過許容量を有し、そしてこの超過許容量は、負荷が可変性である場合には複巻き(compound)にされることが認識されている。モータの出力が必要とされる電力のみを提供するように調節され得た場合に、結果としてエネルギー使用量の著しい低下がもたらされることもまた認識されている。従って、可変速度駆動(VSD)は電気的なデバイス(モータの速度を所定のアプリケーションが要求する速度と一致させるデバイス)の形態で開発されてきた。代表的なVSDは、DCへの入力AC電圧および電流を整流し、そして異なる電圧および周波数においてDCをACへと反転し返す。出力電圧および周波数は、実際の電力ニーズにより決定され、そして制御システムまたはオペレータにより自動的に設定される。
これまでVSDは、エネルギー節約のため広範囲に使用されなかったため、一般的に非常に高価であった。VSDは、高度に訓練されたメンテナンス員を必要とし、かつモータの寿命を縮めることが公表されている。
発明の要旨
本発明は、VSDに対する機構的代替物を提供することを目的とし、これははるかにより経済的であり、負荷要件が変化するにつれて、自動的に負荷の速度を予め設定された速度で維持し、かつ電気モータ(もしくは調節)の修正あるいは入力電圧(もしくは周波数)の調節を必要としない。さらなる目的は、連結が過熱することなくVSDの代わりに機能する永久マグネットカップリングを提供することである。
本発明者の先行特許5,477,094号では、2つの導電ローターがマグネットローターユニットをまたいでいる(straddled)マグネチックカップラーが示されており、これら導電ローターは、共に連結されて1本のシャフト上で1つの導電ローターユニットとして回転しており、また一方でマグネットローターユニットが取り付けられて第2のシャフト上で回転する。マグネットローターユニットは、一式の永久マグネットを有し、これらは対極で配置され、これらの極は、それぞれの導電ローター上に取付けられた鉄裏打ちされた電気的伝導リングからのエアギャップにより間隔が空いている。2本の内1本のシャフトの回転は、もう一方のシャフトの回転をもたらす。この回転はシャフト間にいかなる直接の機械的連結もない、磁気作用によるものである。
本発明者の先行特許は、単一のマグネットローターユニットではなく2つのマグネットローターを有する概念をもまた開示しており、これらは導電ローターにより呈される電気伝導要素の1つからのエアギャップにより間隔を空けられた、それぞれ一式の永久マグネットを有する各マグネットローターを備える。この2つのマグネットローターは、互いに軸方向に移動可能であり、かつバネ付勢されて離れている。本発明により、マグネットローターは、それらの軸方向の位置を遠隔操作場所から自動的に意のままに変え、一定速度のモータから一定に維持されたより低い速度において動作する可変トルク負荷へ可変トルクをエアギャップ調節により提供するように、互いに正極に(positively)位置付けされている。
2つのマグネットローターを上述のようにバネ付勢する代わりに、本発明によれば、マグネットローターの位置は、定常制御機構から制御される。この制御機構は、調節機構と連絡し、マグネットローターを互いに向かって選択的に動かすようにそれらの上で動作し、エアギャップを広くするか、またはエアギャップを狭めるためにローターをさらに離れるように動かす。ギャップ調節は、所定のトルク負荷に対してマグネットローターユニットと導電ローターユニットとの間の回転滑りを変化させ、そしてひいては負荷の速度に影響を与える。所定のトルク負荷について、エアギャップは、モータの速度よりも低い予め設定された回転速度差においてトルクを提供するように調節され得る。モータの確立された操作速度におけるモータのトルク出力が負荷に関して適切であると仮定すれば、モータの電源出力が自動的に負荷の要求する電力に合わせることから、相当なエネルギー節約が得られることがわかる。さらに本発明により、マグネットローターと導電ローターとの間の通常の速度差(滑り)は、過熱をもたらさない。
本発明の調節手段は、例えば、マグネットローターの1つが軸方向に動かされるような形態(例えば、可逆性のサーボモータによる)を取り得、そしてもう一方のマグネットローターは呼応して、マグネットローター間で動作する機構に同じ位の量で(a like amount)応答し、軸方向へ動くことになる。この機構は、出力シャフトに取付けられた中央ローター部材を備え、この部位は、中央ローター部位に中心的にスイング取付けされたスイングアームユニットを有し、そしてスイングアームの端部でマグネットローターに対して摺動取付けされる。その結果、マグネットローターの1つが軸方向に動く場合はいつでも、マグネットローターは反対の軸方向へ等しく動く。マグネットローターは、出力シャフトに対して平行に中央ローター部材から突出するピン上に摺動取付けされることが好ましいが、マグネットローターはまた出力シャフト上に直接摺動取付けされ得る。
【図面の簡単な説明】
図1は、広いエアギャップ位置において示され、図5中の1−1線で示されるように得た、本発明の第1の実施形態の長手方向断面図であり、
図2は、導電ローターなしの第1の実施形態の斜視図であり、マグネットローターが狭いエアギャップ位置にあるように延びたエアギャップ調節機構を示し、
図3は、図2に対応する平面図であり、
図4は、図3のような平面図であるが、マグネットローターが広いエアギャップ位置であるように収縮されたエアギャップ調節機構を備え、
図5は、図4中の4−4線で示されるように得た横方向断面図であり、
図6は、図1の右側を見るように図示され、そして磁気を取除いた状態の左側のマグネットローターの底面図であり、
図7は、バレルカム機構および関連フォークを示す斜視図であり、
図8は、広いエアギャップ位置における第2実施形態の長手方向断面図であり、
および
図9は、ファンリングの1つの斜視図である。
発明の詳細な説明
図面を参照して、同軸入力および出力シャフト20−21の上には、導体ローターユニット22および1対のマグネットローター24−25が取り付けられている。導体ローターユニットは、軸方向に間隔が空けられた2つの導体ローター26−27を有する。導体ローター26−27は、銅等の高い電気伝導性を有する非鉄製材料から形成される互いに向き合った導体リング28−29をそれぞれ有する。これらの導体リング28−29は、ネジ等によって、好ましくは軟鋼である各バッキングリング32−33に取り付けられる。導体ローターユニット22は、ボルト35によってハブ36上に取り付けられ、通気ギャップ37によって導体ローター28から軸方向に間隔が空けられた、ローターディスク34をも含む。マグネットローター24−25の軌道の外側に位置するスペーサースリーブ39−39’内にねじ込まれた複数組のボルト38−38’によって、バッキングリング32−33は、互いに、そしてディスク34に対して軸方向に間隔が空けられた関係で接続される。導体ローター27は、環状クリアランス空間40によって出力シャフト21から間隔が空けられている。ハブ36は、楔型カプリングまたはキー接続(key connection)等によって入力シャフト20上に取り付けられている。
マグネットローター24−25のそれぞれは、好ましくは軟鋼である鉄製バッキングディスク43によって裏打ちされた非鉄製搭載ディスク42を有する。搭載ディスク42は、アルミニウムまたは適切な非磁性コンポジットであり得る。搭載ディスク42は、それぞれ、等間隔に間隔が空けられた1組の矩形切欠44を伴って形成される。矩形切欠44は、円形に配列され、各バッキングディスク43に対して載置された1組の永久磁石46を受ける。隣接するマグネットの極性は互いに逆になっている。マグネット46は、エアギャップ48−48’によって、導体ローターユニット22の導体リング28−29から間隔が空けられている。
導体リング29を冷却するための通気ギャップ37およびエアギャップ48を介した空気循環を補助するために、ディスク34は、好ましくは、通気穴47を伴って形成される。導体リング28のための冷却風は、クリアランス空間40からエアギャップ48へと自由に入ることができる。導体27および28近傍における冷却空気流量を増大させるために、複数のブレード要素49aを有するネジで取り付けられるファンリング49(図9)を導体ローターに設けてもよい。通気空間37および/または通気穴47またはファンブレード49aによる導体リング28の冷却のための増大した通気は、全ての用途において必要なわけではないことは言うまでもない。そのような場合、バッキングリング32をディスク34上に取り付けてもよいし、あるいは、導体リング28をディスク34上に直接取り付けてもよく、その場合、バッキングリング32ではなくディスク34が導体リング28の鉄製バッキングとして機能し得る。
本発明によれば、マグネットローター24−25は、出力シャフト21と一緒に回転し、且つエアギャップ48−48’の調節のために、互いに反対の軸方向に軸方向可動となるとなるように取り付けられる。このために、マグネットローター24−25は、好ましくは、コンビネーションサポートおよびガイドピン51の反対側の軸方向端部上にブッシング50によって摺動可能に搭載(slide-mounted)される。これらのピンは、第5のローター52から互いに反対の軸方向に突出する。第5のローター52は、導体リング28−29の中間において出力シャフト21上に取り付けられる。別の構成としては、マグネットローター24−25が、ピン51上ではなく出力シャフト21上に摺動可能に取り付けられる。
マグネットローター24−25を、互いに反対方向に、キー溝付出力シャフト21の回転軸に沿って軸方向に一致して動かしてエアギャップ48−48’の幅を変化させるために、プッシュプル手段が設けられる。プッシュプル手段は、開口部40を通って延び、マグネットローター25を軸方向に動かす第1のプッシュプル機構と、マグネットローター間に延び、第1の機構によるマグネットローター25の運動に応答してマグネットローター24を動かす第2のプッシュプル機構とを備えている。図示した実施形態では、第2の機構は第5のローター52および関連するピン51を含む。
第5のローター52は、4つの外側エッジ面52aを有する上から見て概ね正方形であり得る。外側エッジ面52aは、それぞれ、放射状に突出する中央耳53を有する。これらの耳53は、それらの外側端部からシャフト21に向かって延びるネジを切った放射状孔を伴って形成され、これにより、その上にベアリング55がスリーブ接続されたショルダボルト54を受ける。ベアリング55は、スイングユニット56の中央ハブ部を受ける。スイングユニット56は、それぞれ、それらの外側端部に隣接して形成されたカムスロット57を伴った1対のスイングアームを有する。これらのカムスロットは、それぞれ、その中を通るカムフォロアローラー58を受ける。各ローラー58は、搭載スタッド59から外向きに突出する。搭載スタッド59は、各マグネットローターの搭載ディスク42から第5のローター52に向かって突出する各ブロック60内に固定される。ブロック60は、1対のキャップネジ60aによってディスク42上に取り付けられ得る。マグネットローターを、図1に示すように、導体ローター26−27から最大軸方向距離だけ後退させると、各対のブロック61は、第5のローター52の耳53のそれぞれの反対側に延びる。すると、スイングユニット56は、図4〜図5に示すように、第5のローター52と共面になる。このコンパクトな構成は、カップラーの長さを最小化する一助となる。
上記のスロット付きロッカーアーム(slotted rocker arm)およびフォロアローラー構成を用いた場合、マグネットローター25を導体ローター27から離れる方向に押してエアギャップ48’の幅を増大したときに、スイングユニット56がそれに応答して中央ボルト54上で旋回して、それらの端部が第5のローター52に向かってスイングすることは明らかである。このスイング運動の間、マグネットローター24が第5のローター52に向かって引っぱられる結果、ローラー58はスロット52内でそれらの内側端部に向かって通り、これにより、エアギャップ48’の幅がマグネットローター25を押すことによって増大するのと同じ程度、エアギャップ48の幅が増大する。同様に、マグネットローター25を導体ローター27に向かって引っぱってエアギャップ48’の幅を狭めると、スイングユニット56がそれに応答してボルト54上でスイングし、それらの端部が第5のローター52から離れる方向にスイングし、これにより、マグネットローター25が導体ローター26に向かって押されて、エアギャップ48’の狭まりに対応してエアギャップ48が狭められる。マグネットローター25を押したり引いたりすることによってエアギャップ48−48’の幅を変化させることは、好ましくは、外側バレル要素63とオーバーラップした内側バレル要素62を持つバレルカム61を用いて達成される。内側要素62は、ベアリングユニット64によって出力シャフト21上に取り付けられ、出力要素63はネック部63aを有する。ネック部63aは、出力シャフト21に対してクリアランスを有するとともに、スラストベアリング65を有する。スラストベアリング65の外側レースはマグネットローター25の内側半径方向端部内に載置されている。ネジ67によってマグネットローター25のディスクに固定されるベアリングキャップ66は、スラストベアリング65およびシール68を定位置に保持する。内側バレル62は、半径方向外側に、外側バレル63内のカーブしたカムスロット71内へと突出する1組のカムローラー70を有する。外側バレル63の回転は、ヨーク72(図7)によって防がれる。ヨーク72のアーム72aは、ヨークアーム内に取り付けられたスタッド74から外側バレル内の穴73の中へと延びるローラーによってそれらの外側端部に隣接して回動可能に接続される。ヨーク72は、1対の底部脚部72bを有する。底部脚部72bは、固定搭載ブロック77から外向きに突出するスタッドに取り付けられたカムローラー76を受けるオーバーサイズの穴75を伴って形成されている。
アクチュエーターアーム78は、内側バレル62から外向きに突出し、エアギャップ48および48’を制御するために何らかの適切な方法で回転させられる。ある方向におけるアクチュエーターの作用による内側バレル62の回転によって、カムスロット71内におけるカムローラー70の運動に応答して、外側バレル63の端部方向(endwise)運動が引き起こされる。カムスロット71は、この結果を引き起こすように輪郭が決められている(contoured)。ヨーク脚部72b内の穴75は、ローラー76に対して十分にオーバーサイズにされており、これにより、上記運動に応答してヨーク72がスイングする際に必要な外側バレル63の端部方向運動を可能にしている。
外側バレル63の端部方向運動は、スラストベアリング65を通して作用し、この運動に応じてマグネットローター25を押すまたは引く。上記のように、この結果、ロッカーアームユニット57およびフォロアローラー59の応答動作によって、他のマグネットローター24が反対方向に等しく端部方向運動する。従って、アクチュエーターアーム78を選択的に動かすことによって、結果的に、エアギャップ48および48’が変化し、これにより、マグネットカップラーの出力速度が変化する。アクチュエーターアーム78は、例えば、リンク78aによって、プロセスコントローラによって制御される静止型電動ロータリーポジショナー(stationary electric rotary positioner)に接続される。もし、例えば、負荷が、その流量出力(flow output)が制御されるポンプである場合、出力流中の測定装置から、プロセスコントローラに出力データを供給する。すると、プロセスコントローラは、アクチュエーターアーム78の必要な回転運動を得るためにロータリーポジショナーに信号を送り、これにより、マグネットカップラーの出力速度を適切に調節する。
好ましくは、出力シャフト21は、負荷の実際の入力シャフトではなく、図1に示すように付加シャフト部である。この付加部21は、くびれ端部21aにおいて、丸端部プレート80を介して第5のローター52に接続される。丸端部プレート80は、付加部21の内側端部面および第5のローター52のハブ部52aをカバーする。ボルト組82および83は、端部プレート80をシャフト21および第5のローターハブ52aに接続する。
シャフト21は、くびれ部21aから、ベアリング64を受ける中間円筒形部にかけて広がり、その後、環状ショルダ21cを伴って形成されている。環状ショルダ21cに対して、ベアリング64の内側レースの外側端部が載置される。ショルダ21cの端部側において、出力シャフト21は、ベアリングシール84およびカップラー86のハブ部品86aを受ける外側円筒形末端部21dを有する。カップラーは、負荷の実際の入力シャフト21’を受けるように大きさが決められたネック86cを持つ補足アダプタハブ部品86bを有する。ネジ89の締めに応答してカップラー86をシャフト21’に圧力ばめするために、楔型スクイーズユニット87がカップラーネック86c上にスリーブ接続されている。カップラー86のハブ部品86aおよび86bは、ボルト88によって互いに固定されており、カップラーは、環状端部プレート90によってシャフト部21に固定されている。環状端部プレート90は、ボルト組91および92によって、シャフト部の外側端部面およびハブ部品86aに固定されている。スクイーズユニット87は、シャフト20にハブ36を固定するために、ハブ36と組み合わせて用いられてもよい。
シャフト部21およびカップラー86を用いた上記の構成は、負荷およびその関連する入力シャフト21または主動機(prime mover)およびそのシャフト20を動かすことなく、本発明の磁性カプリングを容易に設置または取り外しすることを可能にする。
本発明のいくつかの用途においては、1対のマグネットローターおよび導体ローターを用いた場合に得られる可能な直径よりも小さな直径を持つローターを用いた、入力シャフト20から出力シャフト21への必要なトルク伝達を提供する必要がある。図8に示すように、出力シャフト上に第2の対のマグネットローターを設け、導体ローターユニットを延長してもう1対の導体ローターを提供し、そして、ロッドによって互いに結合された2つのマグネットローター間に位置する第5のローターおよび導体ローターを自由通過する(freely pass)プッシュプルロッドによって、一方の対のマグネットローターのうちの1つのマグネットローターを他方の対のマグネットローターのうちの対応するマグネットローターに接続することによって、上記必要性を満たすことができる。
図8の実施形態において、第1に記載した実施形態に対応する部材には同じ参照符号を付けている。シャフト部21は、細長にされており、121と記している。2対のマグネットローターは、124−125および224−225と記し、対応する第5のローターは152および252と記している。導体ローター126−127はエアギャップによってマグネットローター124および125から間隔が空けられ、導体ローター226−227はエアギャップによってマグネットローター224および225から間隔が空けられている。導体ローター126および227は、共通して、導体ローター126の導体リング要素128および導体ローター227の導体リング要素229に対する裏打ちとして機能する軟鋼リング232を有する。導体リング129および228は、それぞれ鉄製リング133および134によって裏打ちされている。後者は、シャフト20上に取り付けられたハブ136に接続されている。4つの導体ローターは、チューブ状スペーサ139−139’を通過するボルト138の配置によって、適切に位置合わせされた関係に保持される。
2つの第5のローター152および252は、導体要素129、132および228、229の中間でシャフト121上に固定される。これらは、第5のローター52と同じ概観を有し、それぞれ、各対のマグネットローター124−125および224−225を支持する1組の4つのガイドロッド51を有する。さらに、第5のホイール152は、プッシュプルロッド300の自由通過のためにそのガイドロッド51の中間で間隔が空けられた4つのクリアランス開口部153を有する。これらのロッドも、マグネットローター124内の開口部153’を自由通過する。その内側端部においてプッシュプルロッドはマグネットローター225内にねじ込まれるとともに、その外側端部においてはマグネットローター125を通過して1対のスナップリング301によって固定関係に保持されている。
プッシュプルロッド300によるマグネットローター125の端部方向運動は、をマグネットローター225の複製であることは明らかである。スイングユニット56および上記の関連する部品の作用によって、この端部方向運動は、マグネットローター124および224によって、逆向きに複製される。好適ではないが、マグネットローター125および225を互いに結合するのではなく、マグネットローター124および224をプッシュプルロッドによって互いに結合することも可能である。
便宜上、本発明の特定の実施形態を本明細中に例示の目的のために記載したが、上記の記載から、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく様々な改変をなすことが可能であることが理解されるであろう。従って、本発明は、添付の請求項によってのみ限定される。

Claims (25)

  1. 調節可能マグネットカップラーであって、
    回転軸を有する第1および第2の回転シャフトと、
    2つの同軸マグネットローターであって、該2つの同軸マグネットローターの各々が、それぞれの永久マグネットの組を含む、2つの同軸マグネットローターと、
    2つの同軸導体ローターであって、該2つの同軸導体ローターの各々が、該マグネットの組のそれぞれからエアギャップによって間隔をあけられた非鉄導電性リングを有する、2つの同軸導体ローターと、
    を備える、調節可能マグネットカップラーであって、
    該2つのマグネットローターまたは該2つの導体ローター(27、28)は、一定の軸方向距離分だけ間隔をあけられ、該第1のシャフト上に1つのユニットとして取付けられ、それによって該第1のシャフトと一致して回転する、該2つのマグネットローターまたは該2つの導体ローター(27、28)であり、
    該ローターの内の残りの2つ(24、25)は、該第2のシャフトに対して逆方向に軸方向に移動するように取付けられ、それによって、該第2のシャフトと一致して回転する、該ローターの内の残りの2つであり、
    該調節可能マグネットカップラーは、さらに
    カーブしたスロットに投射するカム(70)を備える第1のプッシュプル機構(61)であって、該残りのローターの内の第1のローター(25)に接続され、該残りのローターの内の該第1のローターを、該第2のシャフトに対して同心的な関係で軸方向に移動させるように、カーブしたスロット(71)のカーブした経路に沿って動作可能な第1のプッシュプル機構(61)と、
    該残りのローター間の該第2のシャフトによって保有され、該第2のシャフトに接続された追加のプッシュプル機構であって、該残りのローターの内の第2のローター(24)を、該第1の残りのローターと一致して、逆の軸方向に動かし、それによって該エアギャップを均一に変化させるように動作可能な複数のスイングユニット(56)を備える、追加のプッシュプル機構と、
    を備え、該第1のプッシュプル機構が、該第1のプッシュプル機構を定常位置から動作させるための制御機構(78)と動作可能に関連該制御機構は、該第1のプッシュプル機構を該制御機構に供給される情報に基づいて固定位置から操作するように構成される、調節可能マグネットカップラー。
  2. 前記ユニット中の前記ローターの1つ(27または28)が、前記第2のシャフトから環状開口部によって放射状に間隔をあけられ、前記第1のプッシュプル機構が、該開口部を通って、制御機構から前記残りのローターの内の前記第1のローターに延長する、請求項1に記載の調節可能マグネットカップラー。
  3. 前記ユニット中の前記ローター(27、28)が両方とも導体ローターであり、
    前記残りのローターが両方とも、該導体ローター間に配置されるマグネットローターであり、
    前記プッシュプル機構が、該マグネットローターを軸方向に一致して、逆方向に選択された距離だけ選択的に移動させるように連帯して動作可能であり、それによって、該導体ローターと該マグネットローターとの間で前記エアギャップを均一に変化させる、
    請求項1に記載の調節可能マグネットカップラー。
  4. 前記追加のプッシュプル機構が、前記残りのローター間の位置で前記第2のシャフトに固定された第5のローターを含み、該追加のプッシュプル機構の残りが、該第5のローターと該残りのローターとの間に延長する、請求項1に記載の調節可能マグネットカップラー。
  5. 前記複数のスイングユニットの各々は、前記第5のローター上の中心にスイングするように取付けされ、前記残りのローターのそれぞれと摺動可能に係合する対向端部を有する、請求項4に記載の調節可能マグネットカップラー。
  6. 前記残りのローターが、前記第5のローターの軸方向端部の各々から突出するピン上に支持および摺動取付けされる、請求項4に記載の調節可能マグネットカップラー。
  7. 前記スイングユニットが、前記エアギャップが最大幅を有する場合に前記第5のローターと同一平面上にあり、そして該エアギャップが最小幅を有する場合に該第5のローターに対して交差角で延長する、請求項5に記載の調節可能マグネットカップラー。
  8. 前記第1のプッシュプル機構が、軸方向にのみ移動するように取付けられた第1の部材と、軸方向移動に対して抵抗する第2の部材であって、該第2の部材の回転(turning)に応答して該第1の部材を軸方向に移動させるように該第1の部材と相互接続された第2の部材とを備え、該第2のシャフトが、該第1のプッシュプル機構とは無関係に自由に回転する、請求項1に記載の調節可能マグネットカップラー。
  9. 前記第1の部材と前記第2の部材との間の相互接続が、2つの該部材の内の1つにカムスロットを含み、そして該スロット内に乗りかつ該部材の他方の上に取付けられる相補的カムローラーを含む、請求項8に記載の調節可能マグネットカップラー。
  10. 前記第2の部材が、該第2の部材から突出するレバーアームを備え、アクチュエータが、アクチュエータ該レバーアームに接続され、ここで、該アクチュエータは、該レバーアームを選択的にスイングするために作動可能であり、それによって該第2の部材が選択的に回転されて、応答的に前記第1の部材を軸方向に移動させ、それにより前記エアギャップの幅を調節する、請求項8に記載の調節可能マグネットカップラー。
  11. 調節可能マグネットカップラーであって、
    回転軸を有する第1および第2の回転シャフトと、
    2つの軸方向に間隔をあけたマグネットローターの群であって、該2つの軸方向に間隔をあけたマグネットローター群の各々が、それぞれのマグネットの組を含む、2つの軸方向に間隔をあけたマグネットローターの群と、
    2つの軸方向に間隔をあけた導体ローター群であって、該2つの軸方向に間隔をあけた導体ローター群の各々が、該マグネットの組のそれぞれからエアギャップによって間隔をあけられた非鉄導電性リングを有する、2つの軸方向に間隔をあけた導体ローター群と、
    該群の内の第1の群および第2の群のローターとの少なくとも1群のうちの複数のローター間の軸方向の間隔であって、該軸方向の間隔は固定され、該群が、該第1のシャフト上に取付けられ、それによって該第1のシャフトと一致して回転する、軸方向の間隔と、
    該群の内の第2の群のローターであって、該第2の群のローターは、該第2のシャフトと同心の関係にあり、それによって、該第2のシャフトに沿って互いに軸方向に移動可能であり、該第2のシャフトと一致して共に回転する、該群の内の第2の群のローターと、
    該第2のローター群中の第1のローターを、カーブしたスロットに沿って選択された軸方向に、選択された距離だけ軸方向に移動させ、そして該第2のローター群の中の第2のローターを、複数のスイングユニットを介して、該選択された距離と同じ距離ではあるが、該選択された軸方向とは逆の軸方向に軸方向移動させ、それによって該エアギャップが均一に変化する、プッシュプル手段と、
    を備え、該プッシュプル手段が、該プッシュプル機構を定常位置から動作させるための制御機構と動作可能に関連該制御機構は、該第1のプッシュプル手段を該制御機構に供給される情報に基づいて固定位置から操作するように構成される、調節可能マグネットカップラー。
  12. 第5のローターが、前記第2のローター群の前記ローター間の位置で、前記第2のシャフトに固定され、前記プッシュプル手段の一部が、該第5のローターによって保持される機構である、請求項11に記載のカップラー。
  13. 前記機構が、前記第5のローター上の中心にスイングするように取付けされ、前記第2のローター群の中の前記2つのローターと摺動可能に係合する対向端部を有するスイングユニットを含む、請求項12に記載のカップラー。
  14. 前記第2のローター群が前記第5のローター上に摺動取付けされる、請求項12に記載のカップラー。
  15. 前記群の内の前記1つの群のローターが、導体ローターであり、該導体ローターの各々は、それぞれの鉄裏打ち部材によって係合される導電性リングを持ち、該群の内の前記第2の群のローターがマグネットローターであり、該マグネットローターの各々は、極が逆に配置された永久マグネットの組の隣接するマグネットを有し、該組の各々は、該組のマグネットによって係合されるそれぞれの鉄裏打ち部材を含むそれぞれのキャリアーディスクに取付けられる、請求項11に記載の調節可能マグネットカップラー。
  16. 前記プッシュプル手段が、前記第2の群の第1のローターを、選択された距離だけ選択された方向に軸方向に選択的に移動させるための第1の機構を含み、該第2の群のローター間に配置され、第1の機構による該第2の群の該第1のローターの移動に応じて、該第2の群の中の第2のローターを、該選択された距離だけ、該選択された方向とは逆の方向に軸方向に移動させるための第2の機構を含む、請求項11に記載の調節可能マグネットカップラー。
  17. 前記第2の機構が、前記第2の群中の前記ローター間の前記シャフト上に取付けられた第5のローターを含み、各々が、該第5のローター上の中央に旋回可能に取付けられ、隣接する対向端部を該第2の群中の該ローターに摺動可能に係合させ、それによって、該第2の群中の第1のローターの軸方向移動が、該第2の群中の第2のローターと同様の量だけ逆方向に移行されるスイングユニットを含む、請求項16に記載の調節可能マグネットカップラー。
  18. 前記第5のローター上の前記スイングユニットの各々の前記旋回可能な取付けが、前記第2のシャフトの前記回転軸から放射状に延長するそれぞれの旋回可能な軸上にあり、それによって該スイングユニットの各々が、該第2のシャフトの該回転軸から等距離にあるそれぞれの位置で、前記第2の群の前記ローターユニットと係合する、請求項17に記載の調節可能マグネットカップラー。
  19. 前記スイングユニットの各々が、その端部に隣接する長軸方向スロットを有し、前記第2の群の前記ローターが、該スロット中を通る(tracking)それぞれのローラーを有する、請求項17に記載の調節可能マグネットカップラー。
  20. 前記ユニットの各々が、前記エアギャップが最大である場合に前記第5のローターと同一平面上の収縮位置を有し、該エアギャップがより小さい場合、延長された位置を有する、請求項17に記載の調節可能マグネットカップラー。
  21. 調節可能マグネットカップラーであって、
    同軸回転軸を有する第1および第2のシャフトと、
    該第1のシャフト上に取付けられ、それによって、該第1のシャフトと一致して回転し、そして軸方向に整列した第1および第2の導電性部品の群を提供する導体ローターユニットであって、該群の各々は、互いに対向し、軸方向に間隔のあいた2つのそれぞれの導電性部品を有する、導体ローターユニットと、
    軸方向に間隔のあいたマグネットローターの第1および第2の群であって、該マグネットローターの群の各々は、2つのマグネットローターを有し、該マグネットローターの各々は、それぞれの永久マグネットの組を含む、軸方向に間隔のあいたマグネットローターの第1および第2の群と、
    マグネットローターの2つの群の該マグネットローターの各々であって、該第2のシャフトの該回転軸に沿って、他のマグネットローターに対して軸方向に移動可能でありかつ該第2のシャフトと一致して回転するように、該第2のシャフトに対して取付けられる、該2つのマグネットローターの群の該マグネットローターの各々と、
    マグネットローターの第1の群であって、該第1のマグネットローター群は、該導電性部品の第1の群間に配置され、該導電性部品の第1の群中の該導電性部品から第1のエアギャップ対によって間隔をあけられた永久マグネット組を有する、該マグネットローターの第1の群と、
    マグネットローターの第2の群であって、該第2のマグネットローター群は、該導電性部品の第2の群間に配置され、該導電性部品の第2の群中の該導電性部品からエアギャップの第2の対によって間隔をあけられた永久マグネットの組を有する、マグネットローターの第2の群と、
    該マグネットローターの第1および第2の群に接続されたエアギャップ調節機構であって、互いに選択された距離だけ逆の軸方向に、該群の各々の中の対応するマグネットローターを軸方向に移動させ、それによって該エアギャップの第1および第2の対が均一に変化するように、カーブしたスロットおよび複数のスイングユニットに沿って動作する、エアギャップ調節機構と、
    を備え、該エアギャップ調節機構が、該エアギャップ調節機構を定常位置から動作させるための制御機構と動作可能に関連該制御機構は、該エアギャップ調節機構を該制御機構に供給される情報に基づいて固定位置から操作するように構成される、調節可能マグネットカップラー。
  22. 前記エアギャップ調節機構が、
    第1のエアギャップ調節機構であって、前記マグネットローターの第1の群と動作的に関連し、該マグネットローターの第1の群を、互いに選択された距離だけ逆の軸方向に軸方向移動させ、それによって前記エアギャップの第1の対が均一に変化し得るように動作する、第1のエアギャップ調節機構と、
    第2のエアギャップ調節機構であって、マグネットローターの該第1および前記第2の群を相互接続し、該マグネットローターの第2の群を該マグネットローターの第1の群と調和させて軸方向に移動させ、それによって、前記エアギャップの第2の対もまた、該第1のエアギャップ調節機構の動作に応答して均一に変化し得る、第2のエアギャップ調節機構と、
    を含む、請求項21に記載の調節可能マグネットカップラー。
  23. 前記エアギャップ調節機構が、
    前記第1のマグネットローター群中の第1のマグネットローターを選択的に軸方向に移動させる第1のプッシュプル装置と、
    該第1のプッシュプル装置の軸方向の動きとは逆に、該第1のマグネットローター群中の第2のマグネットローターを移動させるための第2のプッシュプル装置と、
    前記第2の群中の第1のマグネットローターを、該第1のプッシュプル装置と調和させて移動させるための第3のプッシュプル装置と、
    該第3のプッシュプル装置の軸方向の動きとは逆に、該第2のマグネットローター群中の第2のマグネットローターを移動させるための第4のプッシュプル装置と、
    を含む、請求項21に記載の調節可能マグネットカップラー。
  24. 前記マグネットローターが、前記第1および第2のマグネットローター群中の該マグネットローター間の前記第2のシャフト上に固定された第1および第2の追加ローターから突出するロッド上に摺動可能に取付けられる、請求項21に記載の調節可能マグネットカップラー。
  25. スイングユニットが、前記追加ローター上の中心にスイングするように取付けされ、前記マグネットローターの隣接部分と相互作用する端部を有し、それによって、前記マグネットローター群の各々の中の該マグネットローターが、逆の軸方向に移動させられる、請求項24に記載の調節可能マグネットカップラー。
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