JP4204864B2 - 懸濁液の安定化方法及び安定化された懸濁液 - Google Patents
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Description
本発明は、デンプンもしくはデンプン誘導体と非イオン性界面活性剤とを含有することを特徴とする懸濁原液、及びこの懸濁原液に水不溶性固形成分を配合することを特徴とする水性懸濁液、更に、デンプンもしくはデンプン誘導体と非イオン性界面活性剤とを併用することを特徴とする水不溶性固形成分水性懸濁液の安定化方法に関する。本発明の懸濁液は、水不溶性の固形物質である、生薬、制酸剤、止瀉剤等を安定に懸濁するのに特に適している。
[背景技術]
従来、生薬成分や制酸剤あるいは止瀉剤を配合した医薬品、または生薬成分を配合した食品では、それら成分が水不溶性固体物質であるため、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤又は散剤等の固形製剤としてその多くが使用されている。しかしながら、固形製剤では崩壊に時間を要し、服用後薬効が発現するまでに時間がかかるという難点がある。一方、剤型を液体にした場合、前記のような問題はなく、また飲用感も優れており容易に摂取することができる。そのため最近では生薬成分や制酸剤あるいは止瀉剤を配合した懸濁液も提供されている。
生薬成分ではそのエキスを抽出し、水に対して溶解する成分のみを配合した液剤も多く提供されているが、抽出によって、生薬中の有用成分が失われるという欠点もある。また、制酸剤、止瀉剤などはもともと水不溶性物質であるため、液剤としては懸濁液の剤形を採らざるを得ない。
従来の懸濁液は、懸濁安定性および再分散性が悪く、長期間の保存により粒子同士の凝集が生じることが多かった。あるいは配合された分散剤が劣化を起こすことにより粘度が変化し、離水を起こしたり、瓶底部に沈澱を形成する等の欠点があった。更には使用時に振り混ぜても分散しない塊を形成し、再分散しなくなるため、使用時に不都合があった。
このような欠点を解消するために、懸濁安定性および再分散性を改善した懸濁液の処方が提案されている。例えば特公平6−92319号公報にはカオリンもしくは天然ケイ酸アルミニウムからなる吸着剤とデンプン及びデンプン誘導体とからなる凝集沈降性分散剤とを使用することが、また特公平6−96536号公報では制酸剤を、分散剤としてのデンプン及びデンプン誘導体と共に使用することによる懸濁剤が提案されている。
しかしながらこれらの技術を用いても、まだ離水や沈澱が起こり、懸濁安定性および再分散性の改善は不十分であった。また、生薬成分を配合した液体の食品や医薬品は数多く市販されているが、生薬成分が水不溶性のため、ほとんどの場合その生薬成分の一部が抽出されたエキスやチンキとして配合されており、そのため生薬成分の一部が失われ又は変性するため、本来の効果を十分に得ることが出来ないことがあった。
[発明の開示]
生薬成分、制酸剤または止瀉剤等の水不溶性固形成分を配合するのに適した懸濁液であって、懸濁液中のこれら固形成分が、長期間沈降しない懸濁安定性および再分散性に優れた懸濁液を簡便かつ安価に提供できる技術が望まれていた。
本発明者等は、懸濁安定性および再分散性が良好な懸濁液を得るために鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、デンプン又はデンプン誘導体と非イオン性界面活性剤とを組み合わせることにより、製造時には粘度の低い液体であるから従来法で製造することができ、かつ静置保存時にはゲル状態に変容して固形成分懸濁粒子の凝集や沈澱を生ずることのない懸濁液が得られることを見出した。この懸濁液は、飲用時には振り混ぜることにより粘度の低い液体となり飲用しやすいという特徴を示す。
なお、上記懸濁液から水不溶性固形成分を除いたもの、すなわち、デンプン又はデンプン誘導体と非イオン性界面活性剤とを組み合わせた懸濁原液、あるいは、デンプン又はデンプン誘導体のみからなる懸濁原液も各々、製造時には粘度の低い液体であり、かつ静置保存時にはゲル状態に変容し、振り混ぜることにより粘度の低い液体となるという特徴を示す。
本発明は、懸濁液中に懸濁化剤としてデンプン又はデンプン誘導体を配合し、これに非イオン性界面活性剤を添加することにより、長期間の保存時においても粒子の凝集や沈降を生ずることなく、振り混ぜても分散しない塊を形成(ケーキング現象)させないことが可能な懸濁液を提供するものである。
また、製造時には液状であり、静置時にはゲル状となり、さらに振とうによりゲル状から液状に変化する。したがって、使用時に振り混ぜることにより液状となる懸濁原液を提供するものである。
本発明によれば、従来、エキスやチンキとして配合されてきた生薬成分を粉末の状態で配合することにより、生薬を含む医薬品を調製できる。
本発明の用途としては、上記の生薬含有医薬品のほか、他の水不溶性固形成分を含有する医薬品、食品、洗剤、塗料等へ利用することができるが、これらの分野に何ら限定されるものではない。
[発明の実施の形態]
本発明において用いることのできるデンプンは、特に制限はないが、例えば、トウモロコシデンプン、ワキシーコーンデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、小麦デンプン等が挙げられる。本発明で使用できるデンプン誘導体としては、例えば、エーテル化デンプンとしてはヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン等が挙げられ、エステル化デンプンとしては酢酸デンプン、リン酸デンプン等が挙げられ、架橋デンプンとしてはホルムアルデヒド架橋デンプン、リン酸架橋デンプン等が挙げられ、酸処理デンプン、酸化デンプン、アルファー化デンプン等が挙げられる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
これらデンプン及び/又はデンプン誘導体の配合量は、水又は熱水に溶解、冷却した際にゲルを形成できる濃度であり、かつ懸濁液の用途によって必要とされる適度な粘度が達成できる濃度であれば良い。通常、水のような水性媒体の重量に基づいて、デンプンもしくはデンプン誘導体を0.5〜10重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%の範囲で使用できる。
本発明に使用できる非イオン性界面活性剤は、特に制限はないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられるが、特にショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸部分エステル類が好ましい。
本発明の非イオン性界面活性剤の配合量は、デンプン又はデンプン誘導体と共に使用して安定な懸濁液を与えることができ、医薬成分の薬効を阻害しないようなどのような濃度で、しかも、懸濁液の用途によって必要とされる適度な粘度が達成できる濃度であれば良い。通常、水性媒体の重量に基づき、0.01〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%を配合する。
非イオン性界面活性剤の添加時期や添加の仕方について特に制限はないが、通常は非イオン性界面活性剤を予め水などに溶解した後、これにデンプンもしくはデンプン誘導体を加えて撹拌加熱溶解するか、デンプンもしくはデンプン誘導体を水に加えて撹拌加熱溶解したところに、非イオン性界面活性剤をそのままもしくは予め水に溶解した状態で配合し撹拌溶解する。あるいはデンプンもしくはデンプン誘導体は、最初に水に懸濁した後、この懸濁液を、予め熱した水に加えて撹拌溶解したものを用いても構わない。
また、本発明に利用される水不溶性固形成分としては、例えば、生薬、制酸剤、止瀉剤等があるが、これらに限定されるものではない。
生薬成分配合懸濁液中の生薬成分としては、水に不溶の粒子であれば特に制限はないが、生薬としてはアニス実末、アロエ末、ウイキョウ末、ウコン末、ウヤク末、エンメイソウ末、オウゴン末、オウバク末、オウレン末、加工ダイサン末、ガジュツ末、カッコウ末、カラムス根末、乾姜末、キコク末、キジツ末、ケイヒ末、ゲンチアナ末、コウジン末、コウボク末、ゴシュユ末、コショウ末、コロンボ末、コンズランゴ末、サンショウ末、シソシ末、シュクシャ末、ショウキョウ末、ショウズク末、青皮末、石菖根末、センタウリウム草末、センブリ末、ソウジュツ末、ソヨウ末、ダイウキョウ末、ダイオウ末、チクセツニンジン末、チョウジ末、チンピ末、トウガラシ末、トウヒ末、動物胆末、ニガキ末、ニクズク末、ニンジン末、ハッカ末、ヒハツ末、ビャクジュツ末、ホップ末、ホミカエキス末、睡菜葉末、モッコウ末、ヤクチ末、リュウタン末、リョウキョウ末、赤目柏末、アセンヤク末、ウバイ末、ケツメイシ末、ゲンノショウコ末、カンゾウ末、サフラン末、サンヤク末、トシシ末、トチョウ末、ニクジュヨウ末、ブクリョウ末、ヨクイニン末、ローヤルゼリー、アマチャ末、イカリソウ末、エイジツ末、エゾコウギ末、エンゴサク末、オンジ末、カイクジン末、カノコソウ末、キキョウ末、クジン末、ゴオウ末、サイコ末、サンキライ末、サンシシ末、サンシュ末、ジオウ末、シコン末、シャクヤク末、センキュウ末、センナ実末、タイソウ末、タクシャ末、トウキ末、トコン末、ボタンピ末、ボレイ末、ロクジョウ末等が挙げられる。
制酸剤配合懸濁液中の制酸剤としては乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムビスマス、ケイ酸マグネシウム、天然ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、烏賊骨、石決明、ボレイ、ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩等が挙げられる。
止瀉剤配合懸濁液中の止瀉剤としては、カオリン、天然ケイ酸アルミニウム、ヒドロキシナフトエ酸アルミニウム、ペクチン、薬用炭、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、アセンヤク末、ウバイ末、オウバク末、オウレン末、クジン末、ゲンノショウコ末、五倍子末、サンザシ末、センブリ末、ヨウバイヒ末等が挙げられる。
本発明の水不溶性固形成分の懸濁液中への配合量は、目的の薬効を発揮するのに十分な量であり、かつ安定な懸濁状態を保持できる量であればどのような量でも良い。通常、懸濁液全量に基づいて、50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
本発明の懸濁液は典型的には下記のように製造できる。まず、上記のデンプンもしくはデンプン誘導体の所定量を60〜90℃の水性媒体、通常、水(熱水)に添加撹拌して溶解し、均一なゲルを形成させる。別法としては、デンプンもしくはデンプン誘導体を冷水に分散し、加熱撹拌して均一なゲルを形成させる。ここに所定量の非イオン性界面活性剤を配合する。一方、固形成分は、別途水に分散させ、この分散液を、予め調製したデンプンまたはデンプン誘導体と非イオン性界面活性剤との配合液に添加混合することによって、目的の水性懸濁液を得ることができる。固形成分は、分散することなく直接混合することもできるが、分散液として混合するほうが、処理が簡単でありかつ懸濁効率も良い。
こうして得られる本発明の懸濁液は、良好な懸濁安定性および再分散性を示し、その粘度変化率は10%以上であることが好ましい。
ここで、粘度変化率とは、静置時の懸濁液の粘度(振とう前の粘度)と、振とうした際の懸濁液の粘度(振とう後の粘度)をそれぞれ測定した際の、振とう前後の粘度の変化を示す指数である。粘度変化率(%)は次式で表すことができる。
ここで、静置とは振とうを与えないで1時間以上放置することをいう。
本発明の懸濁液は、製造時には粘度の低い液体であるから、従来の方法で調製することができ、しかも静置保存時には粘度の高いゲル状態で固形成分である懸濁粒子の凝集や沈澱を防止できる。また飲用時には振とうすることにより粘度が低下するため、飲用が容易である。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜3]
<原料>
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 1.5%
ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩 1.5%
合成ヒドロタルサイト 1.0%
砂糖 10.0%
ヒドロキシプロピルデンプン 1.5〜2.5%
ショ糖脂肪酸エステル 0.1〜0.3%
まず、上記のヒドロキシプロピルデンプンを所定の水に分散させ、90℃に加熱しながら撹拌してゲル化した。ショ糖脂肪酸エステルを少量の水に溶解し、この溶液を上記のゲル化液に添加混合した。このようにして得られた配合液に、別途調製した、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩及び合成ヒドロタルサイトを水に分散した制酸剤分散液を添加混合して、目的の制酸剤配合懸濁液を得た。(ヒドロキシプロピルデンプンおよびショ糖脂肪酸エステルの濃度の詳細は後記の表に示した)また、比較例としてショ糖脂肪酸エステルの濃度を0%とし、上記と同様にして制酸剤配合懸濁液を調製した。
このようにして得られた制酸剤配合懸濁液を50℃の恒温槽中で4週間保存した後、外観と粘度の評価を行った。その結果を下記の表1に記す。
【表1】
また、静置時及び振とう後の粘度の評価も行った。その結果を下記の表2に記す。
【表2】
以上の結果から、デンプン誘導体と非イオン性界面活性剤を配合した懸濁液は、静置保存時にはゲル状態で懸濁粒子の凝集や沈澱を防止し、また飲用時には振とうすることにより速やかに再分散し、粘度の低い液体となり容易に飲用が可能な懸濁液であった。
次に、振とう後、7日間静置した時点、さらに再振とうを行った後に、それぞれ粘度の評価を行った。その結果を下記の表3に記す。
【表3】
以上の結果から、デンプン誘導体と非イオン性界面活性剤を配合した懸濁液は、一端振とうした後静置することにより、再び安定なゲル状態に変容し、また再度振とうした場合には粘度の低い液体になるという可逆的な性質を持つ懸濁液であった。
[実施例4]
<原料>
ビタミンB2 0.01%
ビタミンB6 0.02%
ビタミンE 0.02%
ビタミンC 0.3 %
ニコチン酸アミド 0.04%
ローヤルゼリー 0.6 %
砂糖 8.0 %
デンプン誘導体 2.0 %
非イオン性界面活性剤 0.1 %
上記に示す原料を用い、実施例1と同様の製法に従い生薬配合懸濁液を調製した。また、比較例として懸濁化剤として、非イオン性界面活性剤とデンプン誘導体の組み合わせの代わりに、ゼラチン0.75%もしくはアルギン酸ナトリウム1.0%を上記と同様にして生薬配合懸濁液を調製した。
このようにして得られた生薬配合懸濁液を50℃の恒温槽中で2週間保存した後、外観と粘度の評価を行った。その結果を下記の表4に記す。
【表4】
また、静置時及び振とう後の粘度の評価も行った。その結果を下記の表5に示す。
【表5】
以上の結果より、デンプン誘導体と非イオン性界面活性剤を配合した懸濁液は、比較例の懸濁化剤を配合した懸濁液よりも低粘度でありながらも静置保存時にはゲル状態で懸濁粒子の凝集や沈澱を防止し、また飲用時には振とうすることにより速やかに再分散する懸濁液であった。
[実施例5]
<原料>
ケイヒ末 1.0%
ショウキョウ末 0.5%
チンピ末 1.0%
l−メントール 0.02%
砂糖 6.5%
エタノール 1.0%
ヒドロキシプロピルデンプン 2.0%
ショ糖脂肪酸エステル 0.3%
上記に示す原料を用い、実施例1と同様の製法に従い生薬配合懸濁液を調製した。
[比較例5]
<原料>
ケイヒエキス 0.75%(原生薬に換算して)
ショウキョウエキス 0.7%(原生薬に換算して)
チンピエキス 1.0%(原生薬に換算して)
l−メントール 0.02%
砂糖 6.5%
エタノール 1.0%
上記に示す原料を用い、精製水に溶解・分散した後ろ過をして生薬配合液を調製した。
このようにして得られた生薬配合懸濁液および生薬配合液を飲用し評価を行った。その結果を下記の表6に記す。
【表6】
[産業上の利用の可能性]
以上の結果より、デンプン誘導体と非イオン性界面活性剤を配合した生薬配合懸濁液は、比較例の生薬配合液剤と原生薬に換算してほぼ同量の生薬が入っているものの、味や香りが非常に強く効果感のある製剤が得られる。また粉末が配合されているにもかかわらず、懸濁粒子の凝集や沈澱を防止し、また飲用時には振とうすることにより速やかに再分散する懸濁液であり、飲用感も優れている。
なお、従来よりエキスやチンキとして配合されてきた生薬成分を粉末の状態で配合することが可能となり、本発明は産業上の有用性は極めて大きい。
Claims (10)
- 調製時には液状で静置時にはゲル状であり、使用時には振とうにより液状となることを特徴とする、1 . 5〜2 . 5重量%のヒドロキシプロピルデンプン、0 . 1〜0 . 3重量%のショ糖脂肪酸エステル及び水不溶性固形成分を含有する水性飲用懸濁液。
- 前記水不溶性固形成分が生薬、制酸剤又は止瀉剤である請求項1に記載の水性飲用懸濁液。
- 粘度の高いゲル状態と粘度の低い液状態との状態変化が、可逆的であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性飲用懸濁液。
- 使用時に振ることで粘度が低くなり、容易に再分散が可能な請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性飲用懸濁液。
- 静置しておいた懸濁液を振とうした際の、振とう前後の粘度変化率が10%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性飲用懸濁液。
- 1.5〜2.5重量%のヒドロキシプロピルデンプンと0 . 1〜0 . 3重量%のショ糖脂肪酸エステルとを配合し、調製時には液状で静置時にはゲル状であり、使用時には振とうにより液状となることを特徴とする水不溶性固形成分水性飲用懸濁液の安定化方法。
- 前記水不溶性固形成分が生薬、制酸剤又は止瀉剤である、請求項6に記載の方法。
- 調製時には液状で静置時にはゲル状であり、使用時には振とうにより液状となることを特徴とする1.5〜2.5重量%のヒドロキシプロピルデンプンおよび0 . 1〜0 . 3重量%のショ糖脂肪酸エステルからなる飲用懸濁原液。
- 粘度の高いゲル状態と粘度の低い液状態との状態変化が、可逆的であることを特徴とする請求項8に記載の飲用懸濁原液。
- 使用時に振ることで粘度が低くなり容易に再分散が可能な請求項8又は9に記載の飲用懸濁原液。
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