JP4203977B2 - 生物付着防止体 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、海中から取入れる海水に含まれる貝をはじめとする生物の海水通路内壁への付着を防止する生物付着防止体に関し、特に簡略な構造で耐久性に優れ、生物付着防止効果を長く維持できる生物付着防止体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発電設備や化学プラントにおいて冷却水等の用途で海から海水が取水されていたが、取水した海水の通る海水通路は、海と直接つながっていることから、貝等の生物が海水通路にまで到達して通路内壁に付着して棲息する場合が多く、付着量が増えると海水のスムーズな取水が妨げられる事態となり、そのままでは海水を使用する各機器に悪影響を及すため、こうした生物の通路内壁への付着を防ぐ生物付着防止体が導入されていた。この生物付着防止体は、活性酸素や塩素を用いて生物が通路内壁近傍で生存できなくし、通路内壁へ生物を寄り付かせないようにする方式のものが一般的に用いられていた。このような従来の生物付着防止体の一例として図3及び図4に示すものがある。この図3は従来の生物付着防止体の概略構成図、図4は従来の生物付着防止体の要部断面図である。
【0003】
前記各図に示すように、従来の生物付着防止体1は、海水の通る通路の壁面として配設され、粉末状の導電性カーボン11aを配合した導電性ゴムシート11でチタン製の金属網体12の表裏両面を被覆して形成される陽極としての電極板10と、前記通路内に配設される陰極部(図示を省略)とを備える構成である。上記した従来の生物付着防止体1では、電極板10と陰極部との間に所定の電圧を印加し、電気分解で電極板10周辺に塩素を発生させ、この塩素が水に溶けることに伴って生じる次亜塩素酸で海水中の生物が通路内壁近傍で生息するのを不可能とし、こうした生物が海水通路内壁に付着しないようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の生物付着防止体は以上のように構成されており、電極板10をなす導電性ゴムシート11は内部の金属網体12の海水による腐食を防ぐ役割を果しているが、付着防止体としてしばらく使用を続けると、導電性ゴムシート11の直接金属網体12と接触している導電性カーボン11aが、金属網体12をなすチタンと直接反応し、チタン中に取込まれた状態となって侵入型化合物(炭化チタン)となることから、導電性ゴムシート11の金属網体12近傍から導電性カーボン11aが抜落ちてしまうこととなり、導電性ゴムシート11中での導電性カーボン11aのつながりが途切れ、導電性カーボン11aが導電性ゴムシート11の表面から裏面まで連続しなくなって導電性ゴムシート11の導電性が著しく悪化し、これに伴う電気分解能力の低下で有効な生物付着防止機能を発揮できなくなるという課題を有していた。
【0005】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、経年変化による電気分解能力の低下が少なく、海水通路内壁への生物の付着を確実に防げる生物付着防止体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る生物付着防止体は、所定の海水通路を通じて取入れられる海水に接触する二つの電極を備え、両電極間に電圧を印加し、海水の電気分解により発生する気体で海水中の生物の前記海水通路内壁への付着を防止する生物付着防止体において、前記電極のうち陽極として、所定の電源に電気的に接続されるシート状の金属網体の表裏面にゴムシートを被覆配設してなる電極板が前記海水通路の壁面として配設され、前記ゴムシートが、所定長さの炭素繊維を所定割合でゴム基材に配合して前記炭素繊維がシート表裏方向に略貫通して端部を露出させる状態でシート状に成形されてなるものである。このように本発明においては、ゴムシートに配合する導電物質として所定長さの炭素繊維を用いると共に、金属網体の法線方向に炭素繊維の長手方向を一致させて端部を露出させることにより、ゴムシート中で炭素繊維がシート表裏方向に連続し、金属網体からゴムシートを通じて海水へ確実に電流を伝達できると共に、金属網体が炭素と侵入性化合物を作るチタン等の金属製である場合に金属内へ一部の炭素繊維が取込まれても、炭素繊維のつながりが途切れずに連続状態を保てることとなり、経年変化による導電性低下が起りにくく、ゴムシートの導電性を長期にわたり維持して海水通路内壁への生物の付着防止性能が保てる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係る生物付着防止体を図1及び図2に基づいて説明する。この図1は本実施の形態に係る生物付着防止体の要部断面図、図2は本実施の形態に係る生物付着防止体のゴムシートの製造過程説明図である。
前記各図に示すように、本実施の形態に係る生物付着防止体1は、前記従来の生物付着防止体と同様に、電極板10と、陰極部(図示を省略)とを備える一方、異なる点として、電極板10で金属網体12の表裏両面に被覆される導電性ゴムシート11の代りに、導電性を有する所定長さの炭素繊維13aを所定割合でゴム基材に配合して繊維長手方向が表裏面と直角をなすようにしてシート状に成形されてなるゴムシート13を備える構成を有するものである。
【0008】
前記電極板10のゴムシート13の製造は、まず、ゴム基材に炭素繊維13aを練り込み、練り込んだ原料に対し炭素繊維13aが一定方向に向くように二本ロールによる圧延を行い、圧延でできた板状のゴム生地を所定枚数重ね(図2(A)参照)、一体化した後、炭素繊維13aの向きと直角をなす方向に裁断し(図2(B)参照)、炭素繊維13aの方向が表面と直角をなした状態のシートにするという手順で行われる。このゴムシート13aを金属網体12の両面に重ね、プレス加硫すると一体の電極板10となる。
【0009】
次に、前記構成に基づく生物付着防止体の生物付着防止動作について説明する。海水通路を海水が通る状態では、各電極板10及び陰極部とも海水に接している。電極板10と陰極部との間に電圧が印加され、海水中に電流が流れることで電気分解が起り、電極板10付近に塩素が発生する。電気分解によって発生した塩素の一部が水と反応すると塩酸及び次亜塩素酸が生じ、これらは強い酸化力を有することから、電極板10近傍で生物の生存を不可能とし、海水通路壁面としての電極板10への生物の付着を確実に防げる。
【0010】
そして、電極板10のゴムシート13では、炭素繊維13aが表裏面に対し直角方向に貫通した状態となっていることから、炭素繊維13aがシート表裏方向に連続しており、チタン製の金属網体12との接触部分においてチタンへの炭素分の侵入が起っても、炭素繊維13aのつながりが途切れずに連続状態を保て、長期間の使用を経ても導電性の低下はほとんどない。
【0011】
このように、本実施の形態に係る生物付着防止体においては、ゴムシート13の導電物質として炭素繊維13aを用いると共に、ゴムシート13中の炭素繊維13aの長手方向が金属網体12の法線方向に一致して貫通することから、金属網体12からゴムシート13を通じて海水へ確実に電流を伝達できると共に、ゴムシート13中での炭素繊維13aの連続が途切れにくく、ゴムシート13の導電性の経年変化が少なく、生物に対する生存抑止能力を長期にわたり維持でき、海水通路の内壁に生物が付着しない状態を保てる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ゴムシートに配合する導電物質として所定長さの炭素繊維を用いると共に、金属網体の法線方向に炭素繊維の長手方向を一致させて端部を露出させることにより、ゴムシート中で炭素繊維がシート表裏方向に連続し、金属網体からゴムシートを通じて海水へ確実に電流を伝達できると共に、金属網体が炭素と侵入性化合物を作るチタン等の金属製である場合に金属内へ一部の炭素繊維が取込まれても、炭素繊維のつながりが途切れずに連続状態を保てることとなり、経年変化による導電性低下が起りにくく、ゴムシートの導電性を長期にわたり維持して海水通路内壁への生物の付着防止性能が保てるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る生物付着防止体の要部断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る生物付着防止体のゴムシートの製造過程説明図である。
【図3】従来の生物付着防止体の概略構成図である。
【図4】従来の生物付着防止体の要部断面図である。
【符号の説明】
1 生物付着防止体
10 電極板
11 導電性ゴムシート
11a 導電性カーボン
12 金属網体
13 ゴムシート
13a 炭素繊維
Claims (1)
- 所定の海水通路を通じて取入れられる海水に接触する二つの電極を備え、両電極間に電圧を印加し、海水の電気分解により発生する気体で海水中の生物の前記海水通路内壁への付着を防止する生物付着防止体において、
前記電極のうち陽極として、所定の電源に電気的に接続されるシート状の金属網体の表裏面にゴムシートを被覆配設してなる電極板が前記海水通路の壁面として配設され、
前記ゴムシートが、所定長さの炭素繊維を所定割合でゴム基材に配合して前記炭素繊維がシート表裏方向に略貫通して端部を露出させる状態でシート状に成形されてなることを
特徴とする生物付着防止体。
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