JPH1088604A - 海水中における鋼構造物の防食・防汚装置および同装置用導電性パネル - Google Patents

海水中における鋼構造物の防食・防汚装置および同装置用導電性パネル

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JPH1088604A
JPH1088604A JP9041587A JP4158797A JPH1088604A JP H1088604 A JPH1088604 A JP H1088604A JP 9041587 A JP9041587 A JP 9041587A JP 4158797 A JP4158797 A JP 4158797A JP H1088604 A JPH1088604 A JP H1088604A
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conductive
anticorrosion
plate
seawater
steel structure
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JP9041587A
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Inventor
Masahiro Usami
正博 宇佐美
Hidetoshi Morita
秀敏 森田
Mitsuhiro Tanigawa
充宏 谷川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 海水中における鋼構造物の防食・防汚装置に
おいて、適切な防汚電流を流すことによって効果的に海
洋生物の付着を防止することができ、海水中であっても
随時新らしい不溶解性導電性板材と交換することができ
てメンテナンスが容易であり、構成も簡単で安価に提供
することができるようにする。 【構成】 海水中に外表面を有する鋼構造物1の防食・
防汚装置であって、鋼構造物1の外表面上には、不溶解
性導電性板材としての導電性パネル3が、鋼構造物1の
外表面上に塗装された防食用塗料による防食用塗料層を
介して、着脱可能に装着され、この導電性パネル3が、
直流電源6の陽極側に接続されているとともに、電流量
を制御することが可能な電流制御装置5を介して、陰極
4側に短絡されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海水中に外表面を
有する鋼構造物の上記外表面上に防食用塗料が塗装さ
れ、同防食用塗料が塗装された上記外表面上に着脱可能
に取付けられた不溶解性導電性板材を陽極とし、他に設
けられた鋼板あるいは不溶解性導電性板材の一部を陰極
として、同両極間に通電することにより防食・防汚を図
るようにした海水中における鋼構造物の防食・防汚装置
および同装置用導電性パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、海水中における鋼構造物の外表面
を、絶縁塗膜を間に挟んで不溶解性の導電顔料を含んだ
導電塗膜により覆い、それを陽極として、その陽極と構
造物の一部あるいは別途設けた陰極との間に微小電流を
流すことによって、海水に接する鋼構造物の外表面を防
食し、防汚する装置が、本発明者らによって開発された
(特開昭63−101464号公報、特開昭63−10
3789号公報)。また、上述の海水中における鋼構造
物の外表面を防食し、防汚する従来の装置と同様なシス
テムとして、導電塗膜をパネル形状の絶縁板上に施工
し、それを構造物に取付けて防汚するようにした、水中
下でメンテナンスが可能なパネル方式のシステムも、本
発明者らによって開発された(特開平2−144406
号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らにより開発された装置に適用される上記導電塗膜
は、パネル方式のシステムに適用される場合であって
も、カーボン粉と有機系の塗料樹脂とにより構成され、
下層が高導電性の導電塗料層、上層が耐電解性導電塗膜
層の2層構造となっており、しかも塗装膜厚に制限があ
るため、上記防食・防汚装置における導電塗膜として使
用している間に、上記上層の耐電解性導電塗膜の塗料樹
脂が酸化して劣化した場合には、上記導電塗膜の防汚機
能が低下することとなるため、上記導電塗膜に対し、2
年ないし4年毎に補修塗装を行なう必要がある。その
際、上記構造物が例えば船舶等の移動可能な構造体であ
れば、ドックに入れて上述の補修塗装を行なうことが可
能であるが、上記構造物が例えば海上空港、海上あるい
は海中の石油備蓄タンク、その他の海中に設置された海
中構造物等の、移動が不可能あるいは極めて困難な構造
物である場合には、ドック入りすることができないた
め、2年ないし4年毎に海中で導電性パネルを交換する
必要があり、このような移動が不可能あるいは極めて困
難な構造物で、長期の耐久性能が要求される海洋構造物
に対しては、費用面から見て、上記従来の防食・防汚装
置を適用することができない。
【0004】また、上記パネル方式の防食・防汚システ
ムの場合、従来の導電性パネルの導電性が十分であると
はいえず、そのために通電用の端子を多数設ける必要が
あり、その分コスト高となる。
【0005】そこで、本発明は、適用範囲が広く、常に
適切な防汚電流を流すことができて効果的に海洋生物の
付着を防止することができ、不溶解性導電性板材として
の導電性パネルが劣化したり性能低下をしたりしたとき
は、移動が不可能あるいは極めて困難な構造物でドック
入りすることができない海洋構造物に適用した場合であ
っても、海水中において随時簡便に新しい導電性パネル
と交換することができてメンテナンスが容易であり、構
成も簡単で安価に提供することができ、メンテナンスに
より適用対象の鋼構造物の防食・防汚を永久的に行なう
ことが可能となるような、海水中における鋼構造物の防
食・防汚装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明の海水中における鋼構造物の防食・防汚装置
において、同鋼構造物の外表面上に塗装された防食用塗
料による防食用塗料層を介して上記外表面上に不溶解性
導電性板材が、着脱可能に装着され、同不溶解性導電性
板材が、直流電源の陽極側に接続されているとともに、
電流制御装置を介して、陰極側に短絡されている。
【0007】また、本発明の海水中における鋼構造物の
防食・防汚装置において、同鋼構造物の外表面上に塗装
された防食用塗料による防食用塗料層を介して上記外表
面上に複数区画に区分された不溶解性導電性板材が、着
脱可能に装着され、上記不溶解性導電性板材の複数の区
画部分のうちから選択した一部の区画部分が、直流電源
の陽極側に接続されているとともに、残部の区画部分
が、陰極側に接続され、上記陽極側に接続された区画部
分は、電流制御装置を介して、上記陰極側に接続された
区画部分に短絡されている。
【0008】さらに、本発明の海水中における鋼構造物
の防食・防汚装置は、上記不溶解性導電性板材の複数の
区画部分のうちから選択された一部の区画部分の極性
と、残部の区画部分の極性とを反転切換えをする極性切
換え手段を備えている。
【0009】また、本発明の海水中における鋼構造物の
防食・防汚装置において、上記不溶解性導電性板材が、
それぞれ共にカーボンを導電性顔料として混入させた導
電性ゴム板材および導電性合成樹脂板材のうちのいずれ
か一方の板材により構成される。
【0010】さらに、本発明の海水中における鋼構造物
の防食・防汚装置において、上記不溶解性導電性板材
が、上記導電性ゴム板材である場合には、クロロプレン
ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレン・ポロピレ
ンゴム、エチレン・プロピレン・ジポリマー、ブチルゴ
ム、ハイパロンのうちから選択されたゴム材料に、グラ
ファイト、カーボンブラック、長繊維あるいは短繊維か
らなるカーボン繊維のうちから選択されたカーボン材料
が導電性顔料として混入され、また、上記不溶解性導電
性板材が、上記導電性合成樹脂板材である場合には、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ塩化
ビニル、塩素化ポリエチレンのうちから選択された合成
樹脂材料に、上記グラファイト、カーボンブラック、長
繊維あるいは短繊維からなるカーボン繊維のうちから選
択されたカーボン材料が導電性顔料として混入された導
電性板材により構成される。
【0011】また、本発明の海水中における鋼構造物の
防食・防汚装置において、上記導電性ゴム板材および上
記導電性合成樹脂板材は、それぞれ鋼あるいはチタン製
の網材あるいは線材のうちから選択された材料を芯材と
して有している。
【0012】さらに、本発明の海水中における鋼構造物
の防食・防汚装置において、上記不溶解性導電性板材
が、ナイロン製繊維およびポリエステル製繊維のうちか
ら選択された繊維よりなる織物、網等の芯材の両面に、
カーボンを導電性顔料とする導電性塗料が塗装されて製
作された導電性シートにより構成される。
【0013】また、本発明の海水中における鋼構造物の
防食・防汚装置において、上記導電性シートの塗料層
が、上記芯材に接する高導電性の第1の塗料層と、海水
に直接接触する耐電解性の第2の塗料層とを含む多層構
造の塗料層として構成される。
【0014】さらに、本発明の海水中における鋼構造物
の防食・防汚装置用導電性パネルは、鋼構造物の外表面
上に塗装された防食用塗料による防食用塗料層を介して
上記鋼構造物の外表面上に着脱可能に装着され、同鋼構
造物の外表面上に装着されて使用される際には直流電源
の一極側に電気的に接続される、海水中における鋼構造
物の防食・防汚装置用導電性パネルであって、同導電性
パネルが、チタンメッシュおよびチタン製エキスパンド
メタルのうちのいずれか一方の材料よりなる展張状態の
芯材を有し、同芯材の表裏両面にはカーボンを導電性顔
料とする導電性塗料が塗装されている。
【0015】また、本発明の海水中における鋼構造物の
防食・防汚装置用導電性パネルにおいて、同導電性パネ
ルが、上記芯材の周縁部に沿って配設されて同芯材の展
張状態を保持する外枠体を有し、同外枠体が、上記芯材
の周縁部を表裏両面から挟持する1対のチタン製板材
と、同1対のチタン製板材が上記芯材の周縁部を挟持し
た状態で上記1対のチタン製板材を相互に締付けて固定
するチタン製固定手段とを有している。
【0016】さらに、本発明の海水中における鋼構造物
の防食・防汚装置用導電性パネルにおいて、同導電性パ
ネルが、上記芯材の周縁部に沿って配設されて同芯材の
展張状態を保持する外枠体を有し、同外枠体が、上記芯
材の周縁部を相互間に挟持するチタン製板材および合成
樹脂製板材と、同チタン製板材および同合成樹脂製板材
が上記芯材の周縁部を相互間に挟持した状態で上記チタ
ン製板材および上記合成樹脂製板材を相互に締付けて固
定するチタン製固定手段とを有している。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態について説明する。図1は、本発明の1実施の形態
に係る海水中における鋼構造物の防食・防汚装置の要部
を斜視図で示す全体構成説明図、図2(1)は図1の実
施の形態に係る海水中における鋼構造物の防食・防汚装
置の要部拡大斜視図、図2(2)は図2(1)のA部拡
大図である。
【0018】まず図1において、鋼構造物としての浮体
構造物本体1の外表面上には、エポキシやタールエポキ
シ等のエポキシ系塗料、あるいはウレタンやタールウレ
タン等のウレタン系塗料により防食塗膜が施工されてい
る。図2(1)および図2(2)に拡大して示すよう
に、陽極端子としての通電用端子板2は、浮体構造物本
体1とは電気的に絶縁されるようにして浮体構造物本体
1に取り付けられており、導電性パネルを形成する不溶
解性導電性板材としての多数枚の不溶解性導電板3の各
左右両端縁部を固定し、通電時には各不溶解性導電板3
へ電気を伝えるように構成されている。
【0019】通電用端子板2は、海水に直接触れるもの
であるため、通電時に不溶解性である必要があり、その
ため例えばチタン製の板材により製作される。また、通
電用端子板2と導電性パネルを形成する不溶解性導電板
3とが接触する通電用端子板2上の接触面には、例えば
貴金属メッキ等が施されており、そうすることによっ
て、海水中で不働態被膜が生成されて接触抵抗が増加す
るのを防止している。
【0020】各通電用端子板2はそれぞれ電線7を介し
て直流電源6の陽極側に接続されている。これに対し、
直流電源6の陰極側は、電線9を介して陰極4に接続さ
れて不溶解性導電板3とは別に設けられた鋼板あるいは
不溶解性導電性板材により構成することができる。鋼構
造物としての浮体構造物本体1上の陽極を形成する不溶
解性導電板3は、電線8、および電流量を制御すること
が可能な電流制御装置5を介して、陰極4に短絡されて
いる。この電流制御装置5による電流の制御により、浮
体構造物本体1の電位が防食電位以下、例えば−770
mV以下に保たれるように制御される。
【0021】図3に示したように、図1に示した構成と
する代わりに、導電性パネルを形成する不溶解性導電性
板材3が、複数区画に区分された状態で浮体構造物本体
1等の構造物の外表面上に、防食用塗料層を介して着脱
可能に装着され、上記不溶解性導電性板材の複数の区画
のうちから選択された一部の区画を電線7を介して直流
電源6の陽極側に接続して陽極とし、残部の区画を電線
9を介して直流電源6の陰極側に接続して陰極とするよ
うに構成しても良い。この場合、電線7および電線9の
極性を極性切替え手段6aにより切替えることができ、
この場合、例えば数時間おきに各区画の極性を切り替え
て通電するようにしても、同様な防食・防汚効果が得ら
れ、耐久性が増大する。
【0022】導電性パネルを形成する不溶解性導電性板
材としての不溶解性導電板3は、例えばグラファイト、
カーボンブラック、長繊維あるいは短繊維からなるカー
ボン繊維等のカーボン材料を導電性顔料として混入され
た導電性ゴム材や導電性合成樹脂材よりなる導電性板材
であって良い。その場合、ゴム材としては、クロロプレ
ンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピ
レンゴム、エチレン・プロピレン・ジポリマー、ブチル
ゴム、ハイパロン等、また、導電性合成樹脂材として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポ
リ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン等の化学的に安定な
材料を使用することが望ましい。また、このような導電
性ゴム板や導電性合成樹脂板の導電性の向上や強度の向
上を図るため、導電性ゴム板や導電性合成樹脂板に芯材
を入れるようにし、その場合の芯材として例えば鋼、チ
タン等を材料として製作された網材や線材を使用するこ
とができる。
【0023】さらに、導電性パネルを形成する不溶解性
導電性板材としての不溶解性導電板3は、ナイロン製繊
維およびポリエステル製繊維等の繊維のうちから選択さ
れた繊維の織物よりなる芯材の両面に、カーボンを導電
性顔料とする導電性塗料が塗装されて製作された導電性
シートとすることもできる。このような導電性シートの
製作に当たっては、カーボンを導電性顔料とする導電性
塗料の浴槽の中で、ナイロン製繊維およびポリエステル
製繊維等の繊維のうちから選択された繊維の織物よりな
る芯材を浸漬する含浸作業を繰り返し行なって、シート
状に成形する。このようにして成形される導電性シート
の塗料層を多層構造とすることができる。
【0024】上述のようにして成形される導電性シート
の塗料層を例えば2層構造とする場合には、上記芯材に
接する第1の塗料層を高導電性の塗料層とし、海水に直
接接触する第2の塗料層を耐電解性の塗料層とすること
によって、導電性シートの耐久性の向上を図ることがで
きる。この場合、上記第1の塗料層を、塗料樹脂として
アクリル樹脂を使用し、導電顔料としてグラファイトを
55〜65vol%含有させた導電塗料層とし、上記第
2の塗料層を、塗料樹脂として塩化ビニルあるいはその
変成品を使用し、導電顔料としてグラファイトを35〜
45vol%含有させた導電塗料層とすることができ
る。
【0025】図4(1)は本発明の実施の形態に係る図
2(1)とは異なった海水中における鋼構造物の防食・
防汚装置の要部拡大斜視図、図4(2)は図4(1)の
B部拡大図、図4(3)は図4(2)とは異なった具体
例を示す要部拡大図である。まず図4(1)において、
陽極端子としての通電用端子板2は、ガイド板として相
互に間隔を置いて互いに平行に鋼構造物としての浮体構
造物本体1に沿って配設されており、各通電用端子板2
の左右両側には浮体構造物本体1との間に不溶解性導電
板3をスライド式に案内するガイド溝が形成されてい
る。そして、互いに対向するガイド溝間には、それぞれ
導電性パネルとしての不溶解性導電板3が着脱可能に装
着されている。
【0026】図4(2)において、ガイド板としての各
通電用端子板2は、それぞれ浮体構造物本体1に例えば
溶接付けされて、浮体構造物本体1と一体化されてい
る。この場合、ガイド板としての各通電用端子板2の表
面を長期間にわたって防汚することが難しい。ガイド板
としての各通電用端子板2は通常、鋼製で、防食塗装さ
れていることにより、ガイド板としての各通電用端子板
2と導電性パネルとしての不溶解性導電板3とが電気的
に短絡することがないようにされている。
【0027】図4(3)において、ガイド板としての各
通電用端子板2が、浮体構造物本体1に固定状態に配設
されたガイドレール2aにスライド可能に案内されて着
脱可能に保持されるようになされており、この着脱可能
なガイド板としての各通電用端子板2がガイドレール2
aにより保持された状態で各通電用端子板2の左右に形
成されるガイド溝に沿って、導電性パネルとしての不溶
解性導電板3が挿入されて着脱可能に装着されるように
構成されている。
【0028】図4(3)のような構成とすることによ
り、着脱可能なガイド板としての各通電用端子板2を
も、防汚対策の対象物とすることが可能となる。ガイド
レール2aを構成する材料とガイド板としての各通電用
端子板2との間で電気的に短絡することがないように、
ガイドレール2aとガイド板としての各通電用端子板2
とのいずれか一方あるいはその双方に絶縁処理が施され
る。
【0029】図4(3)において、ガイド板としての各
通電用端子板2の防汚対象区画部分の材料としてはチタ
ン材料が好ましく、その上に不溶解性の導電性塗料が塗
装される。また、ガイド板としての各通電用端子板2
は、強度の向上および費用の低減を図るため、ガイド板
としての各通電用端子板2の本体部分と、ガイドレール
2aと係合するスライド部とを互いに異種材料とするこ
ともできる。その際、ガイド板としての各通電用端子板
2の本体部分と、ガイドレール2aと係合するスライド
部とを相互に電気的に絶縁する必要がある。
【0030】図4(3)において、ガイド板としての各
通電用端子板2と導電性パネルとしての不溶解性導電板
3とに、同一の直流電源から通電するようにしても良い
が、通常、ガイド板としての各通電用端子板2と導電性
パネルとしての不溶解性導電板3との間に電気抵抗差が
あるため、ガイド板としての各通電用端子板2と導電性
パネルとしての不溶解性導電板3とは、互いに別の直流
電源から通電して防汚するようにした方が、電流分布が
均一化されて好ましい。
【0031】図5は本発明の1実施の形態に係る導電性
パネルの正面図、図6は本発明の図1および図3とは異
なった実施の形態に係る海水中における鋼構造物の防食
・防汚装置の要部を斜視図で示す全体構成説明図、図7
(1)は図5の導電性パネルとは異なる導電性パネルが
相互に連結手段を介して連結された状態の1例を示す要
部正面図、図7(2)は図7(1)の導電性パネルとは
異なる導電性パネルが相互に連結手段を介して連結され
た状態の1例を示す要部正面図である。
【0032】図5において、 海水中における鋼構造物
の防食 ・ 防汚装置用導電性パネル105は、鋼構造物
の外表面上に塗装された防食用塗料による防食用塗料層
を介して上記鋼構造物の外表面上に着脱可能に装着さ
れ、同鋼構造物の外表面上に装着されて使用される際に
は直流電源の一極側に電気的に接続される。導電性パネ
ル105は、チタンメッシュおよびチタン製エキスパン
ドメタルのうちのいずれか一方の材料よりなる展張状態
の芯材101を有し、芯材101の表裏両面には、カー
ボンを導電性顔料とする導電性塗料が塗装されている。
【0033】導電性パネルは105は、芯材101の周
縁部に沿って配設されて芯材101の展張状態を保持す
る外枠体102を有し、外枠体102は、1実施の形態
として、芯材101の周縁部を表裏両面から挟持する1
対のチタン製板材と、同1対のチタン製板材が芯材10
1の周縁部を挟持した状態で上記1対のチタン製板材を
相互に締付けて固定するチタン製の例えば締付けボルト
あるいはその他の挟持固定具等の固定手段とを有してい
る。
【0034】導電性パネル105の芯材101の周縁部
に沿って配設されて芯材101の展張状態を保持する外
枠体102は、他の実施の形態として、芯材101の周
縁部を相互間に挟持するチタン製板材および合成樹脂製
板材と、同チタン製板材および同合成樹脂製板材が芯材
101の周縁部を相互間に挟持した状態で上記チタン製
板材および上記合成樹脂製板材を相互に締付けて固定す
るチタン製の例えば締付けボルトあるいはその他の挟持
固定具等の固定手段とを有していてもよい。
【0035】図5に示した導電性パネル105は、上述
のように1対のチタン製板材、あるいはチタン製板材お
よび合成樹脂製板材の組合わせよりなる外枠体102を
有しているが、芯材101が外枠体102を必要としな
い程度に展張状態を自己保持することができる場合、例
えば芯材101がチタン製エキスパンドメタルにより形
成されていて展張状態を自己保持することができる場合
には、外枠体102を省略することもできる。
【0036】導電性パネル105に対しては、不溶解性
顔料であるカーボングラファイトを導電性顔料として3
5〜45 vol % 含有する導電性塗料が塗布される。導
電性塗料の塗料樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂等の一般的な塗料樹脂
を使用することができるが、長期耐久性を得るためには
ビニル樹脂が最良である。
【0037】図6は、導電性パネル105を用いた本発
明の実施の形態に係る海水中における鋼構造物の防食・
防汚装置の要部を説明図として示している。図6におい
て、鋼構造物としての浮体構造物本体104の外表面上
には、エポキシやタールエポキシ等のエポキシ系塗料、
あるいはウレタンやタールウレタン等のウレタン系塗料
により防食塗膜が施工されている。陽極端子としての通
電用端子板103は、浮体構造物本体104とは電気的
に絶縁されるようにして浮体構造物本体104に取り付
けられており、多数枚の導電性パネル105がチタン製
連結手段106により相互に電気的に接続されて固定さ
れ、通電時には通電用端子板103から各導電性パネル
105へと電気を伝えるように構成されている。
【0038】図7(1)は、芯材101の周縁部に沿っ
て外枠体を有しない多数枚の導電性パネル105が、チ
タン製連結手段106により相互に電気的に接続されて
固定されている状態を示し、図7(2)は、芯材101
の周縁部に沿って外枠体102を有する多数枚の導電性
パネル105が、チタン製連結手段106によりチタン
製の外枠体102の部分を利用して相互に電気的に接続
されて固定されている状態を示している。
【0039】通電用端子板103は、海水に直接触れる
ものであるため、通電時に不溶解性である必要があり、
そのため例えばチタン製の板材により製作される。通電
用端子板103はそれぞれ電線107を介して直流電源
108の陽極側に接続されている。これに対し、直流電
源108の陰極側は、電線109を介して陰極112に
接続されて不溶解性の導電性パネル105とは別に設け
られた鋼板あるいは不溶解性導電性板材により構成する
ことができる。鋼構造物としての浮体構造物本体104
上の陽極を形成する不溶解性の導電性パネル105は、
電線111、および電流量を制御することが可能な電流
制御装置110を介して、陰極112に短絡されてい
る。この電流制御装置110による電流の制御により、
浮体構造物本体104の電位が防食電位以下、例えば−
770mV以下に保たれるように制御される。
【0040】図6に示したような構成とする代わりに、
例えば図3の場合と同様にして、導電性パネル105
が、複数区画の1枚ないし複数枚のグループに区分され
た状態で浮体構造物本体104等の構造物の外表面上
に、防食用塗料層を介して着脱可能に装着され、上記不
溶解性の導電性パネル105の複数の区画のうちから選
択された一部の区画を電線107(図3においては電線
7)を介して直流電源108(図3においては直流電源
6)の陽極側に接続して陽極とし、残部の区画を電線
(図3においては電線9)を介して直流電源108の陰
極側に接続して陰極とするように構成しても良い。この
場合、上記各電線の極性を極性切替え手段(図3におい
ては極性切換え手段6a)により切替えることができ、
この場合、例えば数時間おきに各区画の極性を切り替え
て通電するようにしても、同様な防食・防汚効果が得ら
れ、耐久性が増大する。
【0041】図8(1)は、導電性パネルの周縁部に絶
縁スペーサを配設した状態の1例を示す要部斜視図、図
8(2)は、図8(1)の絶縁スペーサの1例を示す拡
大斜視図、図9は、導電性パネルを絶縁ボスにより絶縁
されたボルトおよびナットにより浮体構造物本体の外表
面上に装着する際の様子を示す要部縦断面図である。
【0042】図8(1)および図8(2)において、導
電性パネル105が、例えば図4(1)、図4(2)あ
るいは図4(3)に示したように、通電用端子板2によ
り形成されたガイド溝内に嵌入されることによって鋼構
造物1の外表面上に保持される場合には、鋼構造物1お
よび通電用端子板2により形成されたガイド溝部は絶縁
塗装されるが、絶縁塗膜が損傷を受けたり剥離した場合
における電気的な短絡を防止するため、導電性パネル1
05の縁部に沿って相互に間隔をおいて図8(2)に示
すような例えば横断面がコ字状のポリエチレン、ポリプ
ロピレン、塩化ビニル等の合成樹脂あるいはゴム質材の
絶縁スペーサ113を配設し、導電性パネル105が例
えば図4(1)、図4(2)あるいは図4(3)に示し
た通電用端子板2により形成されたガイド溝内に嵌入さ
れた際には、これら絶縁スペーサ113を介して通電用
端子板2により保持されるようにすることができる。
【0043】図9において、導電性パネル105が、例
えば鋼製の架台に植込まれたボルト115 およびナッ
ト114 を利用して、この架台にまず取付け固定さ
れ、導電性パネル105が取付けられた架台を、 浮体構
造物本体104の外表面上に装着するような場合には、
浮体構造物本体 104 側の鋼製の架台 および ボル
ト115やナット114に絶縁塗装が施されるが、絶縁
塗膜が損傷を受けたり剥離したりした場合における電気
的な短絡を防止するため、ボルト115およびナット1
14 と導電性パネル105 との間に、合成樹脂あるい
はゴム質材製の絶縁ボス116 を介装するようにし
て、 導電性パネル 105 を架台104aに対して取
付け固定し、このようにして導電性パネル 105 を取
付け固定した架台104aを、浮体構造物本体104の
外表面上に装着するようにすることもできる。
【0044】
【実施例】幅5cm、厚さ3mmのチタン板を外枠体と
し、チタン製マイクロメッシュを2枚の外枠体の間に挟
んでチタン製ボルトおよびナットにより締付け固定して
展張し、1m四方のチタン製の導電性パネルを2枚製作
した。その後、導電性パネルの両面に導電塗料をエアレ
ス塗装により塗装した。導電塗料としては塩化ビニル系
の塗料樹脂にグラファイトを40vol%分散させた塗
料で、導電性パネル両面の塗装膜厚はそれぞれ約1mm
であった。2枚の導電性パネルを用いて、長崎港で防汚
試験を行なった。通電量は、0.2A/m2 で、2時間
毎の極性切換え方式としたが、1年後の調査の結果、導
電性パネルの2枚とも、同導電性パネルへの生物の付着
が無く、防汚性は良好であった。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の海水中における
鋼構造物の防食・防汚装置によれば、以下のような効果
が得られる。 (1)海水中における鋼構造物の防食・防汚装置であっ
て、同鋼構造物の外表面上に塗装された防食用塗料によ
る防食用塗料層を介して上記外表面上に不溶解性導電性
板材が着脱可能に装着され、同不溶解性導電性板材が直
流電源の陽極側に接続されているとともに、電流制御装
置を介して、陰極側に短絡されているので、適用範囲が
広く、電流制御装置を通して電流量を制御することによ
り、常に適切な防汚電流を流すことができて効果的に海
洋生物の付着を防止することができ、不溶解性導電性板
材が劣化したり性能低下をしたりしたときは、移動が不
可能あるいは極めて困難な構造物でドック入りすること
ができない海洋構造物に適用した場合であっても、海水
中において随時簡便に新しい不溶解性導電性板材と交換
することができてメンテナンスが容易であり、構成も簡
単で安価に提供することができ、メンテナンスを繰り返
し行ないさえすれば適用対象の鋼構造物の防食・防汚を
永久的に行なうことが可能となる(請求項1)。 (2)海水中における鋼構造物の防食・防汚装置であっ
て、同鋼構造物の外表面上に塗装された防食用塗料によ
る防食用塗料層を介して上記外表面上に複数区画に区分
された不溶解性導電性板材が着脱可能に装着され、上記
不溶解性導電性板材の複数の区画部分のうちから選択し
た一部の区画部分が直流電源の陽極側に接続されている
とともに、残部の区画部分が陰極側に接続され、上記陽
極側に接続された区画部分は、電流制御装置を介して、
上記陰極側に接続された区画部分に短絡されているの
で、鋼構造物の外表面上に対する不溶解性導電性板材の
着脱および電気的な接続作業が容易であり、適用範囲が
広く、電流制御装置を通して電流量を制御することによ
り、常に適切な防汚電流を流すことができて効果的に海
洋生物の付着を防止することができ、不溶解性導電性板
材が劣化したり性能低下をしたりしたときは、移動が不
可能あるいは極めて困難な構造物でドック入りすること
ができない海洋構造物に適用した場合であっても、海水
中において随時簡便に新しい不溶解性導電性板材と交換
することができてメンテナンスが容易であり、構成も簡
単で安価に提供することができ、メンテナンスにより適
用対象の鋼構造物の防食・防汚を永久的に行なうことが
可能となる(請求項2)。 (3)上記不溶解性導電性板材の複数の区画部分のうち
から選択された一部の区画部分の極性と、残部の区画部
分の極性とを反転切換えをする極性切換え手段を備えて
いるので、不溶解性導電性板材の耐久性が増大し、適用
範囲も広くなり、常に適切な防汚電流を流すことができ
て効果的に海洋生物の付着を防止することができ、不溶
解性導電性板材が劣化したり性能低下をしたりしたとき
は、移動が不可能あるいは極めて困難な構造物でドック
入りすることができない海洋構造物に適用した場合であ
っても、海水中において随時簡便に新しい不溶解性導電
性板材と交換することができてメンテナンスが容易であ
り、構成も簡単で安価に提供することができ、メンテナ
ンスにより適用対象の鋼構造物の防食・防汚を永久的に
行なうことが可能となる(請求項3)。 (4)上記不溶解性導電性板材が、それぞれ共にカーボ
ンを導電性顔料として混入させた導電性ゴム板材および
導電性合成樹脂板材のうちのいずれか一方の板材である
ので、鋼構造物の外表面上に対する不溶解性導電性板材
の着脱が容易であり、適用範囲が広く、常に適切な防汚
電流を流すことができて効果的に海洋生物の付着を防止
することができ、不溶解性導電性板材が劣化したり性能
低下をしたりしたときは、移動が不可能あるいは極めて
困難な構造物でドック入りすることができない海洋構造
物に適用した場合であっても、海水中において随時簡便
に新しい不溶解性導電性板材と交換することができてメ
ンテナンスが容易であり、構成も簡単で安価に提供する
ことができ、メンテナンスを繰り返し行ないさえすれば
適用対象の鋼構造物の防食・防汚を永久的に行なうこと
が可能となる(請求項4)。 (5)上記不溶解性導電性板材が、上記導電性ゴム板材
である場合には、クロロプレンゴム、シリコンゴム、フ
ッ素ゴム、エチレン・ポロピレンゴム、エチレン・プロ
ピレン・ジポリマー、ブチルゴム、ハイパロンのうちか
ら選択されたゴム材料に、グラファイト、カーボンブラ
ック、長繊維あるいは短繊維からなるカーボン繊維のう
ちから選択されたカーボン材料が導電性顔料として混入
され、また、上記不溶解性導電性板材が、上記導電性合
成樹脂板材である場合には、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブチレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチ
レンのうちから選択された合成樹脂材料に、上記グラフ
ァイト、カーボンブラック、長繊維あるいは短繊維から
なるカーボン繊維のうちから選択されたカーボン材料が
導電性顔料として混入された導電性板材であるので、化
学的に安定な材料が使用されることにより適用範囲も広
く、常に適切な防汚電流を流すことができて効果的に海
洋生物の付着を防止することができ、不溶解性導電性板
材が劣化したり性能低下をしたりしたときは、移動が不
可能あるいは極めて困難な構造物でドック入りすること
ができない海洋構造物に適用した場合であっても、海水
中において随時簡便に新しい不溶解性導電性板材と交換
することができてメンテナンスが容易であり、構成も簡
単で安価に提供することができ、メンテナンスにより適
用対象の鋼構造物の防食・防汚を永久的に行なうことが
可能となる(請求項5)。 (6)上記導電性ゴム板材および上記導電性合成樹脂板
材は、それぞれ鋼あるいはチタン製の網材あるいは線材
のうちから選択された材料を芯材として有しているの
で、導電性ゴム板の導電性の向上や強度の向上を図るこ
とができ、適用範囲も広く、常に適切な防汚電流を流す
ことができて効果的に海洋生物の付着を防止することが
でき、不溶解性導電性板材が劣化したり性能低下をした
りしたときは、移動が不可能あるいは極めて困難な構造
物でドック入りすることができない海洋構造物に適用し
た場合であっても、海水中において随時簡便に新しい不
溶解性導電性板材と交換することができてメンテナンス
が容易であり、構成も簡単で安価に提供することがで
き、メンテナンスにより適用対象の鋼構造物の防食・防
汚を永久的に行なうことが可能となる(請求項6)。 (7)上記不溶解性導電性板材が、ナイロン製繊維およ
びポリエステル製繊維のうちから選択された繊維よりな
る織物、網等の芯材の両面に、カーボンを導電性顔料と
する導電性塗料が塗装されて製作された導電性シートで
あるので、鋼構造物の外表面上に対する不溶解性導電性
板材の着脱が容易であるとともに、導電性シートの耐久
性の向上を図ることができ、適用範囲も広く、常に適切
な防汚電流を流すことができて効果的に海洋生物の付着
を防止することができ、不溶解性導電性板材が劣化した
り性能低下をしたりしたときは、移動が不可能あるいは
極めて困難な構造物でドック入りすることができない海
洋構造物に適用した場合であっても、海水中において随
時簡便に新しい不溶解性導電性板材と交換することがで
きてメンテナンスが容易であり、構成も簡単で安価に提
供することができ、メンテナンスにより適用対象の鋼構
造物の防食・防汚を永久的に行なうことが可能となる
(請求項7)。 (8)上記導電性シートの塗料層が、上記芯材に接する
高導電性の第1の塗料層と、海水に直接接触する耐電解
性の第2の塗料層とを含む多層構造の塗料層であるの
で、導電性シートの耐久性の向上を図ることができ、適
用範囲も広く、常に適切な防汚電流を流すことができて
効果的に海洋生物の付着を防止することができ、不溶解
性導電性板材が劣化したり性能低下をしたりしたとき
は、移動が不可能あるいは極めて困難な構造物でドック
入りすることができない海洋構造物に適用した場合であ
っても、海水中において随時簡便に新しい不溶解性導電
性板材と交換することができてメンテナンスが容易であ
り、構成も簡単で安価に提供することができ、メンテナ
ンスにより適用対象の鋼構造物の防食・防汚を永久的に
行なうことが可能となる(請求項8)。 (9)鋼構造物の外表面上に塗装された防食用塗料によ
る防食用塗料層を介して上記鋼構造物の外表面上に着脱
可能に装着され、同鋼構造物の外表面上に装着されて使
用される際には直流電源の一極側に電気的に接続され
る、海水中における鋼構造物の防食・防汚装置用導電性
パネルであって、同導電性パネルが、チタンメッシュお
よびチタン製エキスパンドメタルのうちのいずれか一方
の材料よりなる展張状態の芯材を有し、同芯材の表裏両
面にカーボンを導電性顔料とする導電性塗料が塗装され
ているので、導電塗膜を1層とすることが可能となると
ともに、チタン製の芯材により導電性を大幅に高めるこ
とができ、導電性が高いことにより端子数がきわめて少
なくて済み、鋼構造物の外表面上に対する導電性パネル
の着脱および電気的な接続作業が容易であり、適用範囲
が広く、電流制御回路を通して電流量を制御することに
より、常に適切な防汚電流を流すことができて効果的に
海洋生物の付着を防止することができ、移動が不可能あ
るいは極めて困難な構造物でドック入りすることができ
ない海洋構造物に適用した場合であっても、海水中にお
いて随時簡便に新しい導電性パネルと交換することがで
きてメンテナンスが容易であり、構成も簡単で安価に提
供することができ、導電性パネル自体が長期耐久性であ
る上に、メンテナンスにより適用対象の鋼構造物の防食
・防汚を永久的に行なうことが可能となる(請求項
9)。 (10)上記導電性パネルが、上記芯材の周縁部に沿っ
て配設されて同芯材の展張状態を保持する外枠体を有
し、同外枠体が、上記芯材の周縁部を表裏両面から挟持
する1対のチタン製板材と、同1対のチタン製板材が上
記芯材の周縁部を挟持した状態で上記1対のチタン製板
材を相互に締付けて固定するチタン製固定手段とを有し
ているので、チタン製の外枠体がチタンメッシュやチタ
ン製エキスパンドメタルの芯材の剛性不足や強度不足を
補うことができ、外枠体により芯材を確実に展張させて
固定することができ、導電塗膜を1層とすることが可能
となるとともに、チタン製の芯材およびチタン製の外枠
体により導電性を大幅に高めることができ、導電性が高
いことにより端子数がきわめて少なくて済み、鋼構造物
の外表面上に対する導電性パネルの着脱および電気的な
接続作業が容易であり、適用範囲が広く、電流制御回路
を通して電流量を制御することにより、常に適切な防汚
電流を流すことができて効果的に海洋生物の付着を防止
することができ、移動が不可能あるいは極めて困難な構
造物でドック入りすることができない海洋構造物に適用
した場合であっても、海水中において随時簡便に新しい
導電性パネルと交換することができてメンテナンスが容
易であり、構成も簡単で安価に提供することができ、導
電性パネル自体が長期耐久性である上に、メンテナンス
により適用対象の鋼構造物の防食・防汚を永久的に行な
うことが可能となる(請求項10)。 (11)上記導電性パネルが、上記芯材の周縁部に沿っ
て配設されて同芯材の展張状態を保持する外枠体を有
し、同外枠体が、上記芯材の周縁部を相互間に挟持する
チタン製板材および合成樹脂製板材と、同チタン製板材
および同合成樹脂製板材が上記芯材の周縁部を相互間に
挟持した状態で上記チタン製板材および上記合成樹脂製
板材を相互に締付けて固定するチタン製固定手段とを有
しているので、外枠体を構成するチタン製板材が合成樹
脂製板材と協同してチタンメッシュやチタン製エキスパ
ンドメタルの芯材の剛性不足や強度不足を補うことがで
き、外枠体により芯材を確実に展張させて固定すること
ができ、外枠体の合成樹脂製板材の部分に対する絶縁処
理が不要となるとともに、合成樹脂製板材を使用した分
高価なチタン材料の使用を節減することができ、導電塗
膜を1層とすることが可能となるとともに、チタン製の
芯材およびチタン製の外枠体により導電性を大幅に高め
ることができ、導電性が高いことにより端子数がきわめ
て少なくて済み、鋼構造物の外表面上に対する導電性パ
ネルの着脱および電気的な接続作業が容易であり、適用
範囲が広く、電流制御回路を通して電流量を制御するこ
とにより、常に適切な防汚電流を流すことができて効果
的に海洋生物の付着を防止することができ、移動が不可
能あるいは極めて困難な構造物でドック入りすることが
できない海洋構造物に適用した場合であっても、海水中
において随時簡便に新しい導電性パネルと交換すること
ができてメンテナンスが容易であり、構成も簡単で安価
に提供することができ、導電性パネル自体が長期耐久性
である上に、メンテナンスにより適用対象の鋼構造物の
防食・防汚を永久的に行なうことが可能となる(請求項
11)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態に係る海水中における鋼
構造物の防食・防汚装置の要部を斜視図で示す全体構成
説明図である。
【図2】(1)図は図1の実施の形態に係る海水中にお
ける鋼構造物の防食・防汚装置の要部拡大斜視図、
(2)図は図2(1)のA部拡大図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る海水中における
鋼構造物の防食・防汚装置の要部を斜視図で示す全体構
成説明図である。
【図4】(1)図は図2(1)とは異なった海水中にお
ける鋼構造物の防食・防汚装置の要部拡大斜視図、
(2)図は図4(1)のB部拡大図、(3)図は図4
(2)とは異なった具体例を示す要部拡大図である。
【図5】本発明の1実施の形態に係る導電性パネルの正
面図である。
【図6】本発明の図1および図3とは異なった実施の形
態に係る海水中における鋼構造物の防食・防汚装置の要
部を斜視図で示す全体構成説明図である。
【図7】(1)図は図5の導電性パネルとは異なる導電
パネルが相互に連結手段を介して連結された状態の1例
を示す要部正面図であり、(2)図は図7(1)の導電
性パネルとは異なる導電性パネルが相互に連結手段を介
して連結された状態の1例を示す要部正面図である。
【図8】(1)図は導電性パネルの周縁部に絶縁スペー
サを配設した状態の1例を示す要部斜視図であり、
(2)図は図8の絶縁スペーサの1例を示す拡大斜視図
である。
【図9】導電性パネルを絶縁ボスにより絶縁されたボル
トおよびナットにより浮体構造物本体の外表面上に装着
する際の様子を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 鋼構造物としての浮体構造物本体 2 陽極端子としての通電用端子板 2a ガイドレール 3 不溶解性導電板としての導電性パネル 4 陰極 5 電流制御装置 6 直流電源 6a 極性切換え手段 7,8,9 電線 101 チタンメッシュまたはエキスパンドメタル 102 外枠体 103 通電用端子板 104 浮体構造物本体 105 不溶解性導電板としての導電性パネル 106 連結手段 107,109,111 電線 108 直流電源 110 電流制御装置 112 陰極 113 絶縁スペーサ 114 ナット 115 ボルト 116 絶縁ボス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E02B 1/00 301 E02B 1/00 301A 17/00 17/00 Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海水中における鋼構造物の防食・防汚装
    置であって、同鋼構造物の外表面上に塗装された防食用
    塗料による防食用塗料層を介して上記外表面上に不溶解
    性導電性板材が着脱可能に装着され、同不溶解性導電性
    板材が直流電源の陽極側に接続されているとともに、電
    流制御装置を介して、陰極側に短絡されていることを特
    徴とする、海水中における鋼構造物の防食・防汚装置。
  2. 【請求項2】 海水中における鋼構造物の防食・防汚装
    置であって、同鋼構造物の外表面上に塗装された防食用
    塗料による防食用塗料層を介して上記外表面上に複数区
    画に区分された不溶解性導電性板材が着脱可能に装着さ
    れ、上記不溶解性導電性板材の複数の区画部分のうちか
    ら選択した一部の区画部分が直流電源の陽極側に接続さ
    れているとともに、残部の区画部分が陰極側に接続さ
    れ、上記陽極側に接続された区画部分は、電流制御装置
    を介して、上記陰極側に接続された区画部分に短絡され
    ていることを特徴とする、海水中における鋼構造物の防
    食・防汚装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の海水中における鋼構造
    物の防食・防汚装置において、上記不溶解性導電性板材
    の複数の区画部分のうちから選択された一部の区画部分
    の極性と、残部の区画部分の極性とを反転切換えをする
    極性切換え手段を備えたことを特徴とする、海水中にお
    ける鋼構造物の防食・防汚装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1つに記載
    の海水中における鋼構造物の防食・防汚装置において、
    上記不溶解性導電性板材が、それぞれ共にカーボンを導
    電性顔料として混入させた導電性ゴム板材および導電性
    合成樹脂板材のうちのいずれか一方の板材であることを
    特徴とする、海水中における鋼構造物の防食・防汚装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の海水中における鋼構造
    物の防食・防汚装置において、上記不溶解性導電性板材
    が、上記導電性ゴム板材である場合には、クロロプレン
    ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレ
    ンゴム、エチレン・プロピレン・ジポリマー、ブチルゴ
    ム、ハイパロン(商品名)のうちから選択されたゴム材
    料に、グラファイト、カーボンブラック、長繊維あるい
    は短繊維からなるカーボン繊維のうちから選択されたカ
    ーボン材料が導電性顔料として混入され、また、上記不
    溶解性導電性板材が、上記導電性合成樹脂板材である場
    合には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレ
    ン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレンのうちから選
    択された合成樹脂材料に、上記グラファイト、カーボン
    ブラック、長繊維あるいは短繊維からなるカーボン繊維
    のうちから選択されたカーボン材料が導電性顔料として
    混入された導電性板材であることを特徴とする、海水中
    における鋼構造物の防食・防汚装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の海水中におけ
    る鋼構造物の防食・防汚装置において、上記導電性ゴム
    板材および上記導電性合成樹脂板材は、それぞれ鋼ある
    いはチタン製の網材あるいは線材のうちから選択された
    材料を芯材として有することを特徴とする、海水中にお
    ける鋼構造物の防食・防汚装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし3のいずれか1つに記載
    の海水中における鋼構造物の防食・防汚装置において、
    上記不溶解性導電性板材が、ナイロン製繊維およびポリ
    エステル製繊維のうちから選択された繊維よりなる織
    物、網等の面状の広がりを持つ芯材の両面に、カーボン
    を導電性顔料とする導電性塗料が塗装されて製作された
    導電性シートであることを特徴とする、海水中における
    鋼構造物の防食・防汚装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の海水中における鋼構造
    物の防食・防汚装置において、上記導電性シートの塗料
    層が、上記芯材に接する高導電性の第1の塗料層と、海
    水に直接接触する耐電解性の第2の塗料層とを含む多層
    構造の塗料層であることを特徴とする、海水中における
    鋼構造物の防食・防汚装置。
  9. 【請求項9】 鋼構造物の外表面上に塗装された防食用
    塗料による防食用塗料層を介して上記鋼構造物の外表面
    上に着脱可能に装着され、同鋼構造物の外表面上に装着
    されて使用される際には直流電源の一極側に電気的に接
    続される、海水中における鋼構造物の防食・防汚装置用
    導電性パネルであって、同導電性パネルが、チタンメッ
    シュおよびチタン製エキスパンドメタルのうちのいずれ
    か一方の材料よりなる展張状態の芯材を有し、同芯材の
    表裏両面にカーボンを導電性顔料とする導電性塗料が塗
    装されていることを特徴とする、海水中における鋼構造
    物の防食・防汚装置用導電性パネル。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の海水中における鋼構
    造物の防食・防汚装置用導電性パネルにおいて、同導電
    性パネルが、上記芯材の周縁部に沿って配設されて同芯
    材の展張状態を保持する外枠体を有し、同外枠体が、上
    記芯材の周縁部を表裏両面から挟持する1対のチタン製
    板材と、同1対のチタン製板材が上記芯材の周縁部を挟
    持した状態で上記1対のチタン製板材を相互に締付けて
    固定するチタン製固定手段とを有していることを特徴と
    する、海水中における鋼構造物の防食・防汚装置用導電
    性パネル。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の海水中における鋼構
    造物の防食・防汚装置用導電性パネルにおいて、同導電
    性パネルが、上記芯材の周縁部に沿って配設されて同芯
    材の展張状態を保持する外枠体を有し、同外枠体が、上
    記芯材の周縁部を相互間に挟持するチタン製板材および
    合成樹脂製板材と、同チタン製板材および同合成樹脂製
    板材が上記芯材の周縁部を相互間に挟持した状態で上記
    チタン製板材および上記合成樹脂製板材を相互に締付け
    て固定するチタン製固定手段とを有していることを特徴
    とする、海水中における鋼構造物の防食・防汚装置用導
    電性パネル。
JP9041587A 1996-07-26 1997-02-10 海水中における鋼構造物の防食・防汚装置および同装置用導電性パネル Pending JPH1088604A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001299189A (ja) * 2000-04-27 2001-10-30 Tsuchiya Rubber Kk 生物付着防止体
AU2005201821B2 (en) * 2004-04-29 2007-02-15 Connell Wagner Pty Ltd A method and apparatus for reducing water damage to a structure
KR20180093695A (ko) * 2017-02-14 2018-08-22 국방과학연구소 선박용 방오장치

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