JP4202714B2 - 陳列什器における側枠の取付構造 - Google Patents

陳列什器における側枠の取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陳列什器における側枠の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の陳列什器においては、陳列部の側面を覆うエンドパネルのフレームである側枠(エンドフレーム)を支柱等に取り付けるには、側枠にフック等の固定手段を予め溶接したり、ねじ止めしたりしている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000ー93237号公報(図2及び図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように固定手段を側枠に溶接したり、ねじ止めしたりすることは、面倒で手間がかかり、しかも右用と左用とを別々に用意しなければならず、コストが余分にかかるだけでなく、運搬時に、固定手段が邪魔になって運搬しにくい等の問題がある。
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、側枠に固定手段を予め固着しておく必要がなく、したがって運搬等に便利であり、しかも側枠を簡単かつ確実に支柱に取り付けることができるようにした陳列什器における側枠の取付構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 前面に複数の係合孔が上下方向に並べて穿設された複数の支柱を、左右方向に互いに離間させて配設し、いずれかの支柱の前面に前方を向くようにして配設する側枠の後端に係合孔を設け、この係合孔に着脱自在に係止した係止部材を、前記支柱の係合孔にも係止することにより、側枠を支柱に係止するようにした陳列什器における側枠の取付構造において、前記係止部材が、前方への突出量(L1)を、前記側枠における後部の中空部の前後幅(L2)に近付けてなる前方を向く上向きフック及び下向きフックと、後方を向く下向きフックとを備え、前記前方を向く下向きフックにおける下端部後縁に設けた上向きの微小な段部を、前記側枠の係合孔の下縁に係合し、前記前方を向く上向きフックを、前記側枠の係合孔の上縁部の前面に当接させ、かつ前記後方を向く下向きフックを、前記支柱の係合孔の下縁に係止しうるようにする。
【0007】
(2) 上記(1)項において、支柱の下端部に前方を向くベース脚を連結し、このベース脚の上端に前後方向を向く差し込み溝を設け、この差し込み溝に、ベース脚上に載置されたベース棚板の側端より垂下する側片、及びベース脚の外側面を覆うベースサイドカバーの上端部における内下向き折り返し片を嵌合し、それらの対向面間に、受け部材における差し込み部を上方より差し込み、前記受け部材における差し込み部の上端に、正面視ほぼ上向きコ字状をなす受け部を連設し、この受け部に側枠の下端部を嵌合する。
【0008】
) 上記(2)項において、受け部材が、垂直板状の基片と、基片の中位部より一側方に延出する水平片と、水平片の先端より起立する起立片とからなり、基片における水平片より下方の部分により差し込み部を、かつ基片における水平片より上方の部分と水平片と起立片とにより受け部を形成する。
【0009】
) 上記()項において、起立片の上端を基片の上端より低くし、基片が陳列什器の内側に位置し、かつ起立片が外側に位置するようにして、基片と起立片とにより、側枠を内外から挟むようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態を備える陳列什器の分解斜視図である。
【0011】
この陳列什器は、下端部に前方を向くベース脚(1)(図8参照)が連結された左右1対の支柱(2)(2)の上端部同士を横連結杆(3)により連結するとともに、両支柱(2)間に背板(4)を取り付け、両ベース脚(1)(1)上にベース棚板(5)を載置し、両ベース脚(1)(1)の前端にキックプレート(6)を取り付け、さらに、ベース脚(1)の外側面にベースサイドカバー(7)を取り付けたものよりなっている。
【0012】
支柱(2)は、前後方向に長い鋼製の角管よりなり、その前面には、上下方向に等間隔をなす左右2列の多数のスリット状の係合孔(8)(図8参照)が穿設されている。
【0013】
サイドパネル(9)は、左右の支柱(2)のいずれか一方または両方(この例では両方であるが、図1に示す陳列什器を1単位として複数単位の陳列什器を左右方向に並べて使用する場合には、その最も外側の支柱(2))の前方に配設されるもので、側面視方形枠状をなして前方を向く側枠(10)と、その内側に張設されたネット部材(11)とを備えている。ネット部材(11)は、この例では、鋼線のような金属線(12)を格子状に組んだものとしてある。
【0014】
図2及び図3に示すように、側枠(10)は、角管状をなす前後1対の縦杆(13)(13)と、同じく上下1対の横杆(14)(14)とからなり、図3に示すように、後部の縦杆(13)の後面上下部には、上下1対ずつのスリット状の係合孔(15)(15)が穿設されている。
【0015】
係合孔(15)が後部の縦杆(13)の中心線より一方に片寄っているのは、前述の支柱(2)の前面における右半部または左半部の前方に側枠(10)を配設したときに係合孔(15)の左右方向の位置が係合孔(8)と一致するようにしたためであり、右用、左用は同一の側枠(10)を上下反転させることで対応できるようになっている。
【0016】
図2及び図4に示す係止部材(16)は、側枠(10)を支柱(2)に係止するためのもので、金属製の板材により形成され、前方を向き、かつ前上部を斜切した上向きフック(17)と、前方を向き、かつ前下部をほぼ四半円状とした下向きフック(18)と、後方を向く下向きフック(19)とを備えている。
【0017】
前方の上向きフック(17)と下向きフック(18)との前方への突出量(L1)は、側枠(10)の後部の縦杆(13)の中空部の前後幅(L2)にほぼ等しいか、またはこれよりも若干短い長さに設定されている(図5参照)。
【0018】
また、図5に示すように、側枠(10)の係合孔(15)の下縁に係止したときの前方の下向きフック(18)における上記係合孔(15)の下縁から下方への突出量(L3)を僅少としている。すなわち、下向きフック(18)における下端部後縁に微小な段部(20)を設け、ここに側枠(10)の係合孔(15)の下縁が係合するようにしてある。
【0019】
図2及び図6〜図8に示す受け部材(21)は、側枠(10)の下端部をベース脚(1)上に受止するためのもので、鋼板等の金属板をプレス加工して形成され、垂直板状の基片(22)と、基片(22)の前後の中位部より一側方に延出する水平片(23)と、水平片の先端より起立する起立片(24)とからなり、基片(22)における水平片(23)より下方の部分により、ベース脚(1)の上端に形成された前後方向を向く差し込み溝(25)に上方より差し込まれて支持される差し込み部(26)が形成され、また基片(22)における水平片(23)より上方の部分と水平片(23)と起立片(24)とにより、側枠(10)における下方の横杆(14)に下方より嵌合される正面視ほぼ上向きコ字状の受け部(27)が形成されている。
【0020】
受け部(27)の幅すなわち水平片(23)の長さは、前述の側枠(10)における下方の横杆(14)の幅にほぼ等しくされている。
【0021】
起立片(24)の上端は、基片(22)の上端より低く形成されており、基片(22)が陳列什器の内側に位置し、かつ起立片(24)が外側に位置するようにして、基片(22)と起立片(24)とにより、側枠(10)における下方の横杆(14)を内外から挟むことにより、受け部材(21)が外部にあまり露呈しないようにしている。
【0022】
基片(22)の上端部における起立片(24)側の中央部には、側枠(10)における下方の横杆(14)の上縁に弾性係合することにより、受け部材(21)が横杆(14)から外れるのを防止するようにしたはずれ止め用の突起(28)が設けられている。
【0023】
図8に示すように、ベース脚(1)の上端部は、正面視上向きコ字状に形成することにより、その上端に前後方向を向く差し込み溝(25)が形成され、この差し込み溝(25)には、ベース脚(1)上に載置されたベース棚板(5)の側端より垂下する側片(5a)、及びベース脚(1)の外側面を覆うベースサイドカバー(7)の上端部における内下向き折り返し片(7a)がともに嵌合され、それらの対向面間に挾まれるようにして、受け部材(21)における差し込み部(26)が上方より差し込まれている。
【0024】
側枠(10)の取付にあたっては、まず側枠(10)の後部の縦杆(13)の上下の係合孔(15)に、係止部材(16)の上向きフック(17)を下から斜めに差し入れて、垂直姿勢にしてから下方に落とし、段部(20)を係合孔(15)の下縁に係合させる。この状態を図5に示してある。
【0025】
ついで、図6に示す受け部材(21)の差し込み部(26)を、ベース脚(1)の差し込み溝(25)において、ベース棚板(5)の側片(5a)とベースサイドカバー(7)の内下向き折り返し片(7a)との間の隙間に上方より差し入れる(図8参照)。この時、受け部材(21)における起立片(24)が外側に来るように位置せしめる。したがって、右側と左側とでは、受け部材(21)は、水平に180度回転させて用いられることとなる。
【0026】
このように準備した後、側枠(10)を前上方から支柱(2)の前面に斜め下向きに近付けて、上下2個の係止部材(16)の下向きフック(19)を支柱(2)の係合孔(8)に係合させると同時に、側枠(10)の下方の横杆(14)を、ベース脚(1)上に差し込んだ受け部材(21)の上向きコ字状の受け部(27)に嵌め込む。この取付の最終状態を、図7及び図8に示している。
【0027】
なお、上述の例では、側枠(10)にネット部材(11)を張設して、サイドパネル(9)を形成しているが、側枠(10)に、透光性、半透光性、または不透光性のパネルを張設して、サイドパネル(9)を形成してもよい。
【0028】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、側枠に係止部材等の固定手段を予め固着しておかなくてよく、側枠を支柱に組み付ける際に、係止部材をその場で簡単に側枠に装着して、側枠を支柱に係止させることができる。
したがって、側枠を支柱に組み付けるまで、側枠を係止部材等の突起物がない状態で運搬できるので便利であり、また係止部材を溶接やねじ止め等の手段により固着する等の特殊な加工を側枠に施す必要がないので、加工工数が少なくてすみ、しかも、側枠を簡単かつ確実に支柱に取り付けることができ、組み付け作業性がよい。
また、複数のフックを有する係止部材を、板金をプレス加工することにより簡単に製造することができるとともに、側枠及び支柱に容易に装着できて、しかも外れにくくすることができる。
さらに、係止部材を側枠へ確実に係止させることができ、しかも、前方を向く下向きフックの下端部後縁に設けた上向きの微小な段部が、側枠の係合孔の下縁に係合しているので、次の段階で支柱に係止させる際に、係止部材が側枠から容易に脱落することがない。
【0029】
請求項2記載の発明によれば、側枠の前端が左右方向に揺動することのないように、側枠の下端部を、ベース脚に簡単かつ確実に保持させることができ、しかも、側枠をベース脚や支柱と同一の垂直面内に配設することができるとともに、側枠の前後長を自由に定めることができる。
また、ベース脚に設けた差し込み溝に、受け部材の差し込み部を上方より差し込むだけで、受け部材をベース脚に簡単かつ確実に装着することができる。
さらに、本来は、ベース棚板の側片及びベースサイドカバーの内下向き折り返し片を嵌合して支持するためにベース脚に設けられた溝を、受け部材の差し込み部を差し込むための溝として利用できるので、ベース脚に受け部材用の差し込み溝を特別に設ける必要がなく、しかも、受け部材の差し込み部が、ベース棚板の側片とベースサイドカバーの内下向き折り返し片とにより挟まれて体裁がよい。
【0030】
請求項記載の発明によれば、受け部材を、板材をプレス加工するだけで簡単に製造できるとともに、同一の受け部材を、前後の向きを反転させるだけで、側枠を陳列什器の右側部に取付ける右用と、同じく左側部に取付ける左用との両方に用いることができる。
【0031】
請求項記載の発明によれば、受け部材が外部にあまり露呈しないようにすることができ、体裁をよくすることができるとともに、側枠を外側より受け部材の受け部に載せ易く、取付作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を備える陳列什器の一部を分解して示す外観斜視図である。
【図2】 同じく、サイドパネルとその取付手段とを示す斜視図である。
【図3】 同じく、側枠の中間部分を省略して示す背面図である。
【図4】 同じく、係止部材の拡大斜視図である。
【図5】 同じく、係止部材を取り付けた側枠の後部の拡大縦断側面図である。
【図6】 同じく、受け部材の拡大斜視図である・
【図7】 同じく側枠を取り付けた陳列什器の下部の部分側面図である。
【図8】 同じく、一部を破断して示す陳列什器の右下部の部分拡大正面図である。
【符号の説明】
(1)ベース脚
(2)支柱
(3)横連結杆
(4)背板
(5)ベース棚板
(5a)側片
(6)キックプレート
(7)ベースサイドカバー
(7a)内下向き折り返し片
(8)係合孔
(9)サイドパネル
(10)側枠
(11)ネット部材
(12)金属線
(13)縦杆
(14)横杆
(15)係合孔
(16)係止部材
(17)上向きフック
(18)(19)下向きフック
(20)段部
(21)受け部材
(22)基片
(23)水平片
(24)起立片
(25)差し込み溝
(26)差し込み部
(27)受け部
(28)突起

Claims (4)

  1. 前面に複数の係合孔が上下方向に並べて穿設された複数の支柱を、左右方向に互いに離間させて配設し、いずれかの支柱の前面に前方を向くようにして配設する側枠の後端に係合孔を設け、この係合孔に着脱自在に係止した係止部材を、前記支柱の係合孔にも係止することにより、側枠を支柱に係止するようにした陳列什器における側枠の取付構造において、
    前記係止部材が、前方への突出量(L1)を、前記側枠における後部の中空部の前後幅(L2)に近付けてなる前方を向く上向きフック及び下向きフックと、後方を向く下向きフックとを備え、前記前方を向く下向きフックにおける下端部後縁に設けた上向きの微小な段部を、前記側枠の係合孔の下縁に係合し、前記前方を向く上向きフックを、前記側枠の係合孔の上縁部の前面に当接させ、かつ前記後方を向く下向きフックを、前記支柱の係合孔の下縁に係止しうるようにしたことを特徴とする陳列什器における側枠の取付構造。
  2. 支柱の下端部に前方を向くベース脚を連結し、このベース脚の上端に前後方向を向く差し込み溝を設け、この差し込み溝に、ベース脚上に載置されたベース棚板の側端より垂下する側片、及びベース脚の外側面を覆うベースサイドカバーの上端部における内下向き折り返し片を嵌合し、それらの対向面間に、受け部材における差し込み部を上方より差し込み、前記受け部材における差し込み部の上端に、正面視ほぼ上向きコ字状をなす受け部を連設し、この受け部に側枠の下端部を嵌合した請求項1記載の陳列什器における側枠の取付構造。
  3. 受け部材が、垂直板状の基片と、基片の中位部より一側方に延出する水平片と、水平片の先端より起立する起立片とからなり、基片における水平片より下方の部分により差し込み部を、かつ基片における水平片より上方の部分と水平片と起立片とにより受け部を形成した請求項記載の陳列什器における側枠の取付構造。
  4. 起立片の上端を基片の上端より低くし、基片が陳列什器の内側に位置し、かつ起立片が外側に位置するようにして、基片と起立片とにより、側枠を内外から挟むようにした請求項記載の陳列什器における側枠の取付構造。
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