JP4202457B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線CT装置の画像の画質改善技術に係り、特にX線CT装置の放射線検出器の開口部に入射されるX線ビーム位置の変動に起因して生じるアーチファクトを低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置は、X線管と,このX線管が放出するX線ビームをファンビーム状に幅を制限するコリメータを持つ。このコリメータを通過するX線ビームはファンビーム状にされ、被検体に照射される。X線管に対向して円弧状に配置された多チャンネル放射線検出器が、被検体を透過したX線を検出する。この放射線検出器の出力はAD変換されて画像処理装置に入力される。X線管と放射線検出器とは、被検体を間に挾んで互いに対向した位置関係のもとで相対的に回転され、この回転の間に、X線管がX線を被検体に連続又は間欠的に曝射し、所定のピッチ角度(投影角度)毎に、放射線検出器にて被検体を透過したX線の検出を行う。対向位置関係のもとでの1回転又は半回転180°(又は180°+γ°)の回転により得られた放射線検出器の出力について、画像処理装置で各種の前処理や画像再構成処理が行われ、再構成画像が得られる。
【0003】
このようなX線CT装置では、X線の線質硬化や散乱X線などの影響で、放射線検出器での感度特性が悪化し、再構成画像にリング状のアーチファクト(偽像)や帯状のアーチファクトが発生したり、そのCT値一様性が劣化したりしている。そのため、この画像劣化要因に対して、キャリブレーションと呼ばれる各種の線質硬化の補正や散乱線の補正等が行われている。更に、X線の計測中の経時変化として、X線管の部品(陽極など)の熱膨張により焦点位置が移動し、それに伴い放射線検出器の開口面部に入射するX線ビームの位置が移動するという問題があり、この問題が上記の各種のアーチファクトの問題をより悪化させる原因になっている。
【0004】
そこで、上記の経時変化対策として、X線管の焦点位置の移動に対応するX線ビームの位置の移動量を検知して、このX線ビーム位置の移動量を相殺するようにX線管又はコリメータの位置制御を行う手法が開示されている(特開平4−227238号公報,特開平9−201352号公報など)。その一例について図8を用いて説明する。図8(a)は、従来のX線CT装置のX線ビームに関係する部分の概略図を示したものである。図8(a)において、X線管1の焦点から放射されたX線ビーム5は、X線管側コリメータ4によってファンビーム状に整形され、有効計測領域6内にある被検体を透過した後、検出器側コリメータ7で再度整形されて、放射線検出器8に入射する。このとき、X線ビーム5の位置の移動は、スライス幅方向,すなわち図8(a)の紙面の垂直方向に生じる。その検出手段としてX線ビーム位置センサ31が用いられ、放射線検出器8のチャンネル方向の端部で、有効計測領域6の外側の部分の一方に配置されている。X線ビーム位置センサ31の一例の要部拡大図を図8(b)に示す。この図は、図8(a)についてX線ビーム5の入射側から見た図で、右側が紙面の手前側,左側が紙面の奥側である。このX線ビーム位置センサ31の開口部32は三角形のエッジ型に開けられており、X線ビーム5が例えば手前側に移動すると、開口部32に入射するX線量は減少し、奥側に移動すると、開口部32に入射するX線量は増加する。このX線ビーム位置センサ31の出力の増減とX線ビーム5の位置を対応させることにより、X線ビーム5の移動方向及び移動量が検知される。
【0005】
X線ビーム位置センサ31によってX線ビーム5の移動方向と移動量が検知されると、X線管1又はX線管側コリメータ4を各々の位置補正手段により移動させてX線ビーム5が元の位置に戻るようにX線ビーム5の位置の補正が行われる。図8(a)においては、X線ビーム位置センサ31の出力信号に基づき、X線管1を支持する部分に取り付けられたX線管移動機構2(X線管位置補正手段の一部)が動作し、X線管1をX線ビーム5の移動方向とは逆の方向にX線ビーム5の移動量を補償するのに必要な分だけ移動させる。このようにして、X線ビーム5の位置の移動は補償され、X線ビーム5が常に放射線検出器7のX線開口位置に入射されることになる。このX線ビーム位置補正により、正常なX線の計測が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のX線ビーム位置の補正は、X線ビーム5がX線管1の焦点から直接X線ビーム位置センサ31に入射することを前提としているため、(1)被検体(図示せず)が有効計測領域6よりはみ出し、X線ビーム位置センサ31に入射するX線ビーム5を遮ったり、(2)被検体が大きいためにその被検体からの散乱X線の量が多くて、X線ビーム位置センサ31が多量の散乱X線を検出したり、(3)X線ビーム位置センサ31の感度特性がX線スライス幅を変更する度に変化して、逆にX線ビーム位置補正機構が誤動作するといった問題が生じている。
【0007】
このため、本発明では、被検体が有効計測領域7よりはみ出した場合でも、X線ビーム位置センサに入射するX線ビーム5が遮られることなく、大きな被検体の場合でも、X線ビーム位置センサに被検体からの散乱X線が入射することなく、X線スライス幅を変更してもX線ビーム位置センサの感度特性の変化によるX線ビーム位置補正機構の誤動作の問題が生ぜず、常にX線ビーム5の位置の移動によるアーチファクトが少なく、良好な再構成画像の得られるX線CT装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のX線CT装置は、X線管と、前記X線管から放出されるX線ビームスライス方向に制限してファンビーム化する第1のコリメータと、前記X線管と対向して配置されファンビーム化されたX線ビームを検出する多チャンネルの放射線検出器と、X線ビームのスライス方向の位置ずれを検出するX線ビーム位置検出手段と、前記X線ビーム位置検出手段の出力に基づいてX線ビームのスライス方向の位置ずれを補正するX線ビーム位置ずれ補正手段を具備するX線CT装置において、前記X線管と前記第1のコリメータとの間に配置される第2のコリメータをさらに具備し、前記第2のコリメータのスライス方向のX線開口は、前記第1のコリメータのスライス方向のX線開口を含んでこれより広くされ、前記X線ビーム位置検出手段は、前記第1のコリメータと前記第2のコリメータとの間であって前記第1のコリメータのX線開口のスライス方向の両端部に配置されて、前記第2のコリメータを通過し前記第1のX線コリメータを通過しないX線を検することを特徴とする。
【0009】
この構成では、X線管とX線管側コリメータ(第1のコリメータ)との間の領域に、X線管側コリメータのX線開口幅より広い開口幅を持つ第2のX線コリメータ機構があり、この第2のX線コリメータ機構とX線管側コリメータとの間にX線ビーム位置検出手段があるので、このX線ビーム位置検出手段により、実際の放射線検出器上でのX線ビーム位置変動と相似のX線ビーム位置変動を検出することができる。さらに、上記のX線ビーム位置検出手段では、被検体計測前のX線ビーム通過領域でX線ビーム位置の検出ができるので、被検体が有効計測領域からはみ出しても、大きな被検体のため被検体からの散乱X線が発生しても、また、X線スライス幅を変更しても、X線ビーム位置検出手段上でのX線ビームの特性は変化しないため、常に最適なX線ビーム位置の検出が可能となる。また、X線ビーム位置検出手段によって検出されたX線ビームの位置ずれは、X線ビーム位置ずれ補正手段によって補正される。
【0010】
本発明のX線CT装置では更に、X線ビーム位置検出手段が少なくとも2個以上の放射線検出センサを有し、それぞれの放射線検出センサが前記第1のコリメータで規制されるX線ビーム(細X線ビーム)を遮ることなく、細X線ビームのスライス方向の両側であって、かつ前記第2のX線コリメータ機構により規制されたX線ビーム(広X線ビーム)幅以内の位置に配置されている。このように構成することにより、細X線ビームの両側に配置された放射線検出センサは細X線ビームの照射を受けず、広X線ビームのみの照射を受けることになる。また、広X線ビームも細X線ビームと同様にX線管の焦点位置のスライス方向の移動によりX線ビームの位置を変動させるので、広X線ビームの位置の変動を検出することにより細X線ビームの位置の変動を把握することができる。広X線ビームの位置の変化により、細X線ビームの両側に配置された放射線検出センサに照射されるX線量に差が生じるので、そのX線量の差を検出することにより、広X線ビームの位置のスライス方向での移動方向及び移動量を計測することができる。
【0011】
本発明のX線CT装置では更に、X線ビーム位置検出手段のX線検出面がスライス方向に少なくとも2個以上に分割され、各々の分割されたX線検出面が独立してその出力を計測できる機構を有するものである。この構成では、X線検出面が多分割され、その分割面がスライス方向に配列されているので、各分割面に入射するX線量の比率とX線ビーム位置とを対応付けることにより、スライス方向のX線ビームの位置の移動を検出できる。多分割の放射線検出器は構造が簡単であるので、低コストで容易に製作できる。しかし、X線検出面が分離されていないため、細X線ビームを遮らないようにX線管側コリメータの端部近傍に取り付ける必要がある。
【0012】
本発明のX線CT装置では更に、X線ビーム検出手段のX線検出面のX線検出開口面積がスライス方向にて変化している。このように構成することにより、X線検出開口面積がスライス方向にて変化しているので、スライス方向のX線ビームの位置の移動を検出できる。この場合も、細X線ビームを遮らないようにX線管側コリメータの端部近傍に取り付ける必要がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面により説明する。
図1及び図2に本発明のX線CT装置の第1の実施例を示す。図1はX線計測に関係する部分の概略図であり、図2はその要部の拡大図である。図1において、図(a)はX線CT装置のX線計測に関係する部分を正面から見た図,図(b)は側面から見た図である。図1(a)において、X線管1と放射線検出器8がX線CT装置のスキャナ回転部(図示せず)に対向して配置されている。X線管1の焦点から放射されたX線ビーム5は、X線ビーム補償装置3を通過後、X線管側コリメータ4によってビーム幅を制限されてファン状ビーム5Aとなり、有効計測領域6に挿入された被検体(図示せず)を透過し、検出器側コリメータ7によって再度ビーム幅を制限されて、放射線検出器8に入射する。
【0014】
X線管1はX線管移動機構2を介してスキャナ回転部に固定されている。X線管移動機構2は、X線ビーム5Aがスライス方向(図1(a)の紙面に垂直な方向)に変位したときに、図1(b)に示したビーム検出駆動装置12に制御されて、X線管1をX線ビーム5Aの変位の方向と逆方向に移動させて、X線ビーム5Aの変位を補償するものである。X線ビーム補償装置3については、図2に拡大図を示す。図2(a)は正面図,図2(b)は側面から見た断面図である。X線ビーム補償装置3にはX線ビーム5の幅を制限するX線遮蔽体13と,X線ビーム強度分布の校正を行うX線補償物14と,X線ビーム位置センサ15,16とが含まれる。X線管1の焦点25から放射されたX線ビーム5は、X線補償物13にてX線ビーム強度分布の校正が行われ、被検体計測時に放射線検出器8に入射するX線量の分布はほぼ一定値の分布となる。X線管側コリメータ4はX線を透過しない2枚の金属板などで構成されており、X線遮蔽体13によって制限されたX線ビーム(広X線ビーム)5Bを、ファン状ビームのスライス幅のより狭いX線ビーム(細X線ビーム)5Aに制限する。このときのX線ビーム5Aのスライス方向の幅は可変にて規制され、被検体のX線計測に適した値に調整される。
【0015】
放射線検出器8は、複数チャンネルの検出器素子が円弧状に1列又は複数列に配列されたもので、各検出器素子はX線管1の焦点25からほぼ等距離にある。検出器側コリメータ7はX線管側コリメータ4とほぼ同じ構造であるが、装置によっては検出器側コリメータ7を持たないものである。X線管側コリメータ4と検出器側コリメータ7においては、X線CT装置のスキャナの計測動作全体を制御する制御装置11からの指令により、それぞれのコリメータのコリメータ開口幅駆動装置9,10を制御することにより、複数のX線ビーム幅が設定される。
【0016】
上記のような基本的なX線ビーム計測機構を持ったX線CT装置では、スキャナ制御装置11の制御に従い、スキャナが有効計測領域6に挿入された被検体の周りを回転して、X線ビーム5Aを被検体に照射して計測が行われ、放射線検出器8で収集された検出データが検出器出力増幅回路によって電気信号に変換され、この電気信号がAD変換されて画像処理装置に送られた後、良く知られた画像再構成手法によって再構成画像が作られ、モニタ等で画像表示される。図1には、第3世代型X線CT装置を示したが、その他の各世代型X線CT装置や被検体に対して螺旋状の計測を行う連続回転型X線CT装置でも同様である。
【0017】
次に、本実施例の要部であるX線ビーム位置検出機構の詳細について説明する。本実施例の場合、X線ビーム位置センサ15,16は、図1,図2に示す如く、X線ビーム補償装置3内に内蔵されており、X線補償物14を囲むX線遮蔽体13とX線管側コリメータ4との間の領域に配置されている。X線遮蔽体13は一種のコリメータで、真鍮,鉛又は鉄などのX線を十分に遮蔽することができる金属板で作られている。X線遮蔽体13の内側の幅によってX線ビーム5のスライス方向の幅が規制されることになるが、X線遮蔽体13を通過したX線ビーム(広X線ビーム)5B(破線で示す)のスライス方向の幅はX線管側コリメータ4のスライス方向の最大開口幅によって規制されるX線ビーム(細X線ビーム)5A(実線で示す)の幅よりも十分広く設定されている。X線補償物14は一種のフィルタ材で、X線ビーム5のX線強度及び線質を調整するものである。
【0018】
X線ビーム位置センサ15,16は、X線ビーム5のスライス方向の幅の両端部に少なくとも2個以上あって、X線管側コリメータ4によって幅を規制される細X線ビーム5Aは入射することなく、X線遮蔽体13によって幅を規制される広X線ビーム5Bの一部が入射するような位置に配置されている。X線ビーム位置センサ15,16に用いられるX線センサとしては、一般に市販されているX線検出用フォトセンサアレイや光電子増倍管などが適用可能であるが、スペースの都合上、単チャンネル構造のフォトセンサなどが好適である。また、X線検出用フォトセンサのX線入射口には、X線検出能力を高める目的で、X線増感紙やX線シンチレータ(NaI,CaWO4など)などのX線増感体17を配置すればより効率の良いX線センサを構成することができる。また、このX線ビーム位置センサ15,16のX線増感体17の位置は図2(b)に示すように細X線ビーム5Aと平行に配置してもよいし、図2(c)に示すようにX線管1の焦点25側に向けてもよい。
【0019】
X線ビーム位置センサ15,16には、図3に示すように、ビーム検出駆動装置12が接続されている。ビーム検出駆動装置12はミラー積分器や電流電圧変換回路などから成る電流増幅回路20,21と,コンパレータ回路や差動増幅回路などから成る電圧比較回路22と,駆動信号発生回路23と,駆動装置24とで構成されている。X線ビーム位置センサ15と16はそれぞれ電流増幅回路20と21に接続されていて、X線ビーム位置センサ15,16の出力はそれぞれ電流増幅回路20,21に入力される。電圧比較回路22では、電流増幅回路20と21の出力のうちどちらが大きいか、すなわちX線ビーム位置センサ15と16の出力のうちどちらが大きいかを判別する。この場合、電圧比較回路22は、例えばX線ビーム位置センサ15(図2(b)の右側)の出力の方が大きいときには正の出力信号を、逆にX線ビーム位置センサ16(図2(b)の左側)の出力の方が大きいときには負の出力信号を出す。駆動信号発生装置23は、電圧比較回路22の出力信号を受けて、次段の駆動装置24に対して、駆動装置24が順方向又は逆方向の駆動力を出力するための制御信号を発生する機能を持つ。駆動装置24は、X線管移動機構2に作用して、X線管1をスライス方向に変位させる駆動系で、ステッピングモータなどの各種のモータから成る機械的な駆動系である。
【0020】
次に、上記の如く構成された本実施例での実際の動作例について図4を用いて説明する。
先ず、図4(a)は、細X線ビーム5A及び広X線ビーム5Bが理想的な位置関係にある場合である。この場合には、広X線ビーム5BがX線ビーム位置センサ15,16を照射するX線量はほぼ等しくなっており、この状態での電流増幅回路20,21の出力もほぼ等しくなるようにあらかじめ調整されている。そのため、電圧比較回路22の出力はほぼゼロ電位付近の値になっており、この状態では駆動信号発生装置23及び駆動装置24は停止状態になり、X線管1は動かない状態を保つ。
【0021】
次に、図4(b)に示す如く、X線管1の部品の熱膨張等により焦点25が+の方向へ移動した場合には、X線遮蔽体13の下端面を基準にして放射線検出器8の側を見ると、細X線ビーム5A及び広X線ビーム5Bは焦点25の移動方向とは逆方向の−の方向に移動する。それに伴い、X線ビーム位置センサ15,16を照射する広X線ビーム5Bの線量分布が変化して、X線ビーム位置センサ16(左側)を照射するX線量が多くなり、逆にX線ビーム位置センサ15(左側)を照射するX線量が少なくなり、電圧比較回路22の出力は負の出力信号に変化する。そのため、この負の出力信号が発生している間は駆動信号発生装置23はX線管1を−の方向に移動させる制御信号を発生するように動作する。この制御信号を受けた駆動装置24は、X線管移動機構2に対しX線管1が−の方向に移動するような駆動力を与える。その結果、X線管1が−の方向に移動し、焦点25の位置も、徐々に元の理想位置に戻り、図4(c)に示した状態となり、細X線ビーム5A及び広X線ビーム5Bは元の理想的な位置関係を回復する。
【0022】
また、X線管1の焦点25が逆に−の方向に変位した場合には、上記の動作過程とは逆の動作が行われる。すなわち、X線管1を+の方向に移動するような動作が行われて、焦点25が元の理想位置に戻ることになり、常にX線ビーム5Aは理想的な位置状態を保つことが可能となる。
【0023】
図5に本発明の第2の実施例の要部断面図を示す。図5では、図2と同様にX線ビーム補償装置3及びその周辺部分を拡大して示した。本実施例では、X線ビーム位置センサ15,16をX線管側コリメータ4のブレード内に組み込んだものである。図示のものでは、2個のブレードの内側対向部の広X線ビーム5Bが入射する側に凹部を設け、その各々の凹部にX線ビーム位置センサ15と16とを組み込んでいる。X線管側コリメータ4に組み込むことにより、X線ビーム位置センサ15,16に対し別個に支持体を設ける必要がなくなるので、構造が簡単になる。
【0024】
図6に本発明の第3の実施例を示す。本実施例では、X線ビーム位置センサ26を細X線ビーム5Aの有効計測領域6外に配置したものである。配置位置は従来のものとは異なり、X線管1の焦点25とX線管側コリメータ4との間で、かつ、X線遮蔽体13とX線管側コリメータ4との間に入るようにし、有効計測領域6に挿入した被検体に細X線ビーム5Aが遮られることがないようにしている。本実施例においても、第2の実施例の如く、X線管側コリメータ4のチャンネル方向の端部に組み込んでもよい。
【0025】
図7に本発明の第4の実施例を示す。本実施例の場合も、第3の実施例と同様にX線ビーム位置センサ27を細X線ビーム5Aの有効計測領域6外に配置したもので、X線ビーム位置センサ27として、2分割フォトセンサを用いたものである。2分割フォトセンサ27は、X線検出用フォトセンサで、1枚のフォトセンサ上でX線開口部がスライス幅方向の中心位置で2分割された構造のもので、2つの信号を出す。この2分割フォトセンサ27は、その2分割線が細X線ビーム5Aのスライス幅方向の中心位置に一致するように配置される。この2分割フォトセンサ27を用いた場合の動作は、第1の実施例と同様に行われる。本実施例の場合、X線ビーム位置センサの構造が簡単になり、低コスト化が可能である。また、上記のX線ビーム位置センサ27については、2分割フォトセンサに限定されず、3分割以上に分割したフォトセンサを使用することもできる。3分割フォトセンサなどを用いる場合には、各分割フォトセンサに入射するX線量の比率と細X線ビーム5A又は広X線ビーム5Bの位置との対応を付けておくことにより、スライス方向のX線ビームの位置を検出することができる。
【0026】
上記第3,第4の実施例の代替例として、図8(b)に示したX線開口部エッジ型のX線ビーム位置センサ32を使用することが可能である。図8(b)のX線ビーム位置センサ31を細X線ビーム5Aの有効計測領域6外であって、X線管1の焦点25とX線管側コリメータ4との間で、かつ、X線遮蔽体13とX線管側コリメータ4との間に配置することによって、第3,第4の実施例と同様の効果を発揮することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明によれば、被検体が有効計測領域よりはみ出した場合でもX線ビーム位置センサに入射するX線ビームを遮ることなく、大きな被検体の場合でも、X線ビーム位置センサに被検体からの散乱X線が入射することなく、X線スライス幅を変更してもX線ビーム位置センサの感度特性が変化しないのでX線ビーム位置補正機構の誤動作が発生せず、常にX線ビームの位置ずれによるアーチファクトの少ない良好な画像の得られるX線CT装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線CT装置の第1の実施例のX線計測に関係する部分の概略図。
【図2】本発明のX線CT装置の第1の実施例の要部拡大図。
【図3】ビーム検出駆動装置のブロック構成図。
【図4】本発明の第1の実施例での実際の動作を説明するための図。
【図5】本発明のX線CT装置の第2の実施例の要部断面図。
【図6】本発明のX線CT装置の第3の実施例の要部。
【図7】本発明のX線CT装置の第4の実施例の要部断面図。
【図8】従来のX線CT装置のX線ビームに関係する部分の概略図。
【符号の説明】
1 X線管
2 X線管移動機構
3 X線ビーム補償装置
4 X線管側コリメータ
5 X線ビーム
5A 細X線ビーム
5B 広X線ビーム
6 有効計測領域
7 検出器側コリメータ
8 放射線検出器
9 X線管側コリメータ開口幅駆動装置
10 検出器側コリメータ開口幅駆動装置
11 スキャナ制御装置
12 ビーム検出駆動装置
13 X線遮蔽体
14 X線補償物
15,16,26,31 X線ビーム位置センサ
17 X線増感体
20,21 電流増幅回路
22 電圧比較回路
23 駆動信号発生回路
24 駆動装置
25 焦点
27 2分割フォトセンサ
32 開口部

Claims (4)

  1. X線管と,前記X線管から放出されるX線ビームをスライス方向に制限してファンビーム化する第1のコリメータと,前記X線管と対向して配置されファンビーム化されたX線ビームを検出する多チャンネルの放射線検出器と,X線ビームのスライス方向の位置ずれを検出するX線ビーム位置検出手段と,前記X線ビーム位置検出手段の出力に基づいてX線ビームのスライス方向の位置ずれを補正するX線ビーム位置ずれ補正手段を具備するX線CT装置において、
    前記X線管と前記第1のコリメータとの間に配置される第2のコリメータをさらに具備し、
    前記第2のコリメータのスライス方向のX線開口は、前記第1のコリメータのスライス方向のX線開口を含んでこれより広くされ、
    前記X線ビーム位置検出手段は、前記第1のコリメータと前記第2のコリメータとの間であって前記第 1 のコリメータのX線開口のスライス方向の両端部に配置されて、前記第2のコリメータを通過し前記第1のX線コリメータを通過しないX線を検出することを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記X線ビーム位置検出手段は、前記第1のコリメータに備えられ、前記第1のコリメータが有するX線開口に隣接する位置に配置されることを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1または2に記載のX線CT装置において、
    前記第2のコリメータの有するX線開口にX線補償物が配置されていることを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載のX線CT装置において、
    前記X線ビーム位置検出手段は、X線入射口にX線増感体を備えていることを特徴とするX線CT装置。
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