JP4202409B1 - 放熱シート及び放熱シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱デバイスが発生する熱を効率よく放散することが可能であるとともに、軽量かつ放熱用サーマルモジュール等への取り付け作業が容易であり、電子モジュールに悪影響を与える炭素粉等の塵が発生しない。
【解決手段】金属シート12の主面12a及び裏面12bの双方又はいずれか一方の面にポリピロール重合体膜(10又は14)が形成された構成、あるいは、セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シート18の主面18a及び裏面18bの双方又はいずれか一方の面に金属層(16又は20)が密着された構成、あるいは、セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シート26の主面26a及び裏面26bの双方又はいずれか一方の面に接着部材(24又は28)を介して金属シート(22又は30)が接着された構成の放熱シートである。
【選択図】図1

Description

この発明は、パワーデバイスあるいは発光デバイスから発生する熱を効率よく外部に放散させる放熱用サーマルモジュール等の構成素材である放熱シートに関する。
従来、パワーデバイスあるいは発光デバイスといった発熱デバイスに対しては、放熱機構を直接取り付けることによって、これら発熱デバイスから発生する熱を発熱デバイス外に放散させる構成が採用されてきた。ここで、放熱機構とは、低温熱源(ヒートシンク:he at sink)や放熱機能を有する筺体、あるいはサーマルモジュール等を指す。
発熱デバイスは、自己が発生する熱によって過熱されて自己の温度が上昇することにより、電気的特性の低下あるいは光学的特性の低下等の性能の劣化が起こる。従って、発熱デバイスの性能を維持するためには、発熱デバイスから発生する熱を効率よく放散して、発熱デバイスの温度上昇を抑える必要がある。
そこでこの課題を解決する手法として、一般に発熱デバイスとヒートシンクとの間の接触熱抵抗を低減するため、放熱シートを介在させる手段がとられてきた。
放熱シートとして単体の金属板を利用することが考えられるが、放熱シートを単体の金属板とすると重量が重くなる。そのため、単体の金属板を放熱シートとして利用することは、重量を可能な限り小さくすることが求められるモバイル電子機器等への応用は敬遠される。そのため、最近は、放熱シートの材料として、単体の金属板に代えて、軽量であってしかも放熱効果の高いグラファイトシートを利用することが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかしながら、グラファイトシートは層間剥離が生じやすいという問題が指摘されている。そこで、グラファイトシートの層間剥離を生じにくくするため、グラファイトシートを金属線からなる網状体で挟んで一体化して放熱シートとして加工した例が開示されている(特許文献3参照)。
また、天然黒鉛等の黒鉛粉末をシート化して得られるグラファイトフィルムを用い、このグラファイトフィルムの表面に無機物質層を形成させて形成される放熱シートが開示されている(特許文献4参照)。ここで、グラファイトフィルムの表面に形成される無機物質層とは、メッキ等によって形成される金属膜、あるいは無機物質を形成するための液状体を直接グラファイトフィルムに塗布して形成される無機物質膜等である。この放熱シートは、電子機器などの湾曲部部分に容易に取り付けられるという柔軟性を有することが特長である。
特開平11-240706号公報 特開2003-168882号公報 特開2005-229100号公報 特開2008-78380号公報
しかしながら、熱電伝導層としてグラファイト材を用いて構成される放熱シートにあっては、この放熱シートを切断する際に炭素粉等の塵が発生する。発熱デバイスとヒートシンクとの間に放熱シートを介在させる作業を行うに当たってこの放熱シートを必要な大きさに切断する必要があるが、この際に発生する炭素粉等がヒートシンクに取り付けられる電子モジュールに付着し、電気的なショートが生じる等の不都合が生じる可能性がある。
また、上述の特許文献3に開示されている放熱シートによれば大変優れた放熱特性が得られるが、放熱シートの切断面から金属繊維が突起し、この金属繊維に対する取り扱いが面倒である。この金属繊維は、放熱用サーマルモジュール等に取り付けられる電子モジュールに接触すると電気的なショートが生じる等の不都合が生じる可能性もある。
そこで、この発明は、発熱デバイスが発生する熱を効率よく放散することが可能であるという熱的特性を有するとともに、軽量かつ放熱用サーマルモジュール等への取り付け作業が容易であり、電子モジュールに悪影響を与える炭素粉等の塵が発生しない放熱シートを提供することにある。
この発明の発明者は、数々の試作実験を重ねた結果、金属シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面にピロール(Pyrrole)を重合反応させてポリピロール重合体膜を形成して成る放熱シートによれば、発熱デバイスが発生する熱が効率よく放散されることを見出した。また、セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シートと金属層あるいは金属シートとを密着させて形成して成る放熱シートによっても同様の効果が得られることを見出した。しかもこれらの放熱シートは、軽量かつ放熱用サーマルモジュール等への取り付け作業が容易であり、電子モジュールに悪影響を与える炭素粉等の塵が発生しないことを見出した。
上述の理念に基づくこの発明の要旨によれば、以下の放熱シート及び放熱シートの製造方法が提供される。
この発明の第1の放熱シートは、金属シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面にポリピロール重合体膜が形成されて成る放熱シートである。この発明の第1の放熱シートは、蒸留水にピロールとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Dodecylbenzenesulfonic Acid Sodium Salt)を溶解した電解水溶液に金属シートを陽極及び陰極にセットするステップと、陽極と陰極との間に電流を流して重合反応を実現させ、陰極にセットされた金属シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面にポリピロール重合体膜を形成するステップとを含む放熱シートの製造方法によって形成することが可能である。
この発明の第2の放熱シートは、セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面に金属層が密着されて成る放熱シートである。この発明の第2の放熱シートは、次の3通りの方法によって形成することが可能である。
この発明の第2の放熱シートを製造するための第1の方法は、セルロースシートにポリピロール重合体を浸潤させてポリピロール浸潤シートを生成するステップと、ポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面に真空蒸着法によって金属層を形成するステップとを含む。
この発明の第2の放熱シートを製造するための第2の方法は、セルロースシートにポリピロール重合体を浸潤させてポリピロール浸潤シートを生成するステップと、ポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面に金属微粒子を印刷固定して金属層を形成するステップとを含む。
この発明の第2の放熱シートを製造するための第3の方法は、セルロースシートにポリピロール重合体を浸潤させてポリピロール浸潤シートを生成するステップと、ポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面にメッキ法によって金属層を形成するステップとを含む。
この発明の第3の放熱シートは、セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面に接着部材を介して金属シートが接着されて成る放熱シートである。
上述のポリピロール浸潤シートは、セルロースシートに塩化第二銅を含侵するステップと、塩化第二銅が含侵されたセルロースシートに気体状態のピロールを接触させることによって、ポリピロール浸潤シートを生成するステップとを含む方法によって製造することが可能である。
この発明の第1〜第3の放熱シートによれば、ポリピロール重合体そのもので構成されるポリピロール重合体膜もしくはポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シートを含んでおり、ポリピロール重合体膜及びポリピロール浸潤シートは金属シートあるいは金属層が密着されている。
ポリピロール重合体膜及びポリピロール浸潤シートの熱伝導率は、金属シートあるいは金属層の熱伝導率に比べて小さい。しかしながら、この発明の放熱シートは、これらポリピロール重合体膜及びポリピロール浸潤シートが金属シートあるいは金属層と密着されて構成されているため、放熱シートの表面に平行な熱拡散率αpが垂直な方向に対する熱拡散率αtより大きく、すなわちαpt>1となっている。このため、発熱デバイスをこの発明の放熱シートに取り付け、この放熱シートをヒートシンクに装着した場合の等温面は、放熱シートの表面に垂直な方向よりも平行な方向に速い速度で広がる。
ここで、熱伝導率とは熱エネルギーの伝播特性を示す物理量であるのに対して、温度拡散率とは温度の伝播特性を示す物理量である。すなわち、温度拡散率は、材料の熱伝導率に比例し熱容量に反比例する値である。
この発明の第1〜第3の放熱シートに利用されるポリピロール重合体はπ共役系重合体である。π共役系重合体は、後述するように、2重結合と単結合が交互に並んだ構造である骨格(主鎖)をもっており、この主鎖によって熱的性質の異方性が発生するものと推定される。すなわち、π共役系重合体であるポリピロール重合体はこの主鎖に沿った方向に垂直な方向に比べて、この主鎖に沿った方向に熱伝導率が大きくなる性質を備えるものと考えられる。このため、この発明の放熱シートが有する上述のαpt>1の関係が満たされる熱的性質の発現に、π共役系重合体の主鎖の方向に対する熱的特性の異方性が有効に寄与しているものと考えられる。
発熱デバイスを効率よく冷却するには、発熱デバイスと放熱シートあるいはヒートシンクとが接触している場所の温度が常に発熱デバイスよりも低い温度に保たれていることが必要である。しかも、発熱デバイスと放熱シートあるいはヒートシンクとが接触している場所の温度が低温であるほど、発熱デバイスの冷却効率が高く、発熱デバイスとヒートシンクとの間の熱抵抗が小さいほど、発熱デバイスは効率よく冷却される。
なお、周知の通り、熱抵抗とは、単位時間当たりの発熱量に対する温度上昇量を意味し、近似的に発熱デバイス(高温部)とヒートシンク(低温部)との間の熱伝達係数の逆数を発熱デバイスの接触面積で除することで求められる。熱伝達係数は、発熱デバイスとヒートシンクとの間を短時間に単位面積を通過する熱エネルギーを、発熱デバイスとヒートシンクとの温度差で除することで求められる。すなわち熱抵抗とは温度の伝えにくさを表す数値であり、この数値が大きいほど温度を伝えにくいことを意味する。
ここで、ヒートシンクに対応する低温部が発熱デバイス等の高温部を囲む周辺空間雰囲気である場合であっても、熱抵抗を定義することができる。後述するように、発熱デバイスとこの発熱デバイスに接する空間との間の熱抵抗値等も算出することが可能である。発熱デバイスとこの発熱デバイスに接する空間との間の熱抵抗値が大きいほど、発熱デバイスから発生する熱が放散されにくいことを意味し、発熱デバイス自身の温度が上昇しやすい状態にあることを意味する。
この発明の第1〜第3の放熱シートは、この放熱シートに直接または間接に接して設置された発熱デバイスから発生した熱を、放熱シートの表面に平行な方向に沿ってすばやく拡散し、放熱シートと接触しているヒートシンク面の広い範囲にわたり短時間で高温領域が形成されるという熱的特性を有している。ヒートシンクに単位時間に吸収される熱量の総量は、放熱シートと接触しているヒートシンク面の温度が広い範囲にわたって高温であるほど大きい。
すなわち、この発明の放熱シートを介して発熱デバイスとヒートシンクとを直接又は間接に接触させる構成とすれば、発熱デバイスから発生した熱を効率よく放散することが可能となる。
また、この発明の放熱シートを構成する、ポリピロール重合体膜もしくはポリピロール浸潤シートは切断処理等の工作処理中に炭素粉等が発生することがない。このため、この発明の放熱シートは、従来のグラファイト材を用いて構成される放熱シートのように、切断処理等の工作処理中に炭素粉等の塵が発生しない。従って、例えば、この発明の放熱シートを放熱用サーマルモジュールの構成に利用すれば、この放熱用サーマルモジュール等に取り付けられる電子モジュールに炭素粉等が付着し電気的なショートが生じる等の不都合が生じることがない。
この発明の第2の放熱シートを製造するための第1の方法によれば、第1及び第3の放熱シートを構成する金属シートに相当する金属層が真空蒸着法で形成されるので、極薄い金属層をポリピロール浸潤シートに密着することが可能である。
この発明の第2の放熱シートを製造するための第2の方法によれば、第1及び第3の放熱シートを構成する金属シートに相当する金属層が印刷技術を利用して形成されるので、極薄い金属層をポリピロール浸潤シートに密着することが可能である。
この発明の第2の放熱シートを製造するための第3の方法によれば、第1及び第3の放熱シートを構成する金属シートに相当する金属層がメッキ法で形成されるので、極薄い金属層をポリピロール浸潤シートに密着することが可能である。
この発明の第2の放熱シートを製造するための第1〜第3の方法のいずれにおいても、金属層をポリピロール浸潤シートに密着することが可能である。金属層がポリピロール浸潤シートに密着されることによって、熱抵抗を効果的に低減することが可能となる。
また、この発明の第2の放熱シートを製造するための第1〜第3の方法によれば、放熱シートが少量の金属材料を使うことで形成できるので、低コストで製造可能であって、しかも軽量化が容易に図られる。
以下、図を参照してこの発明の実施形態につき説明するが、この発明の実施形態はこれら各図に基づき限定されるものではない。これらの図は、この発明が理解できる程度に構成要素の形状、大きさおよび配置関係を概略的に示してあるにすぎず、また、以下に説明する数値的およびその他の条件は単なる好適例であり、この発明はこの発明の実施の形態のみに限定されるものではない。
<放熱シート>
図1(A)〜(C)を参照してこの発明の実施の形態の第1〜第3の放熱シートの構成及びその製造方法について説明する。図1(A)〜図1(C)は、それぞれ第1の放熱シート、第2の放熱シート、及び第3の放熱シートの主面及び裏面に垂直な方向で切断した概略的断面構造図である。
発熱デバイスとヒートシンクとの間の熱抵抗を低減するために挿入される放熱シートは、必要に応じて発熱デバイスと放熱シートとの間、あるいはヒートシンクと放熱シートとの間に電気的絶縁膜を挟んで固定されることがある。また、放熱シートと発熱デバイスとを密着させるため、あるいはヒートシンクと放熱シートとを密着させるための接着部材等が利用される。
しかしながら、電気的絶縁を必要とせずに放熱シートを発熱デバイスとヒートシンクとの間に挿入することが可能であって、しかも放熱シートを発熱デバイスとヒートシンクとに恒久的に接着固定する必要がなく、単に圧着固定すればよい場合もある。この場合には放熱シートと発熱デバイスあるいはヒートシンクとは、圧着固定される。
図1(A)〜(C)においては、放熱シートに付随して使われることのある電気的絶縁膜や接着部材等を省き放熱シートについてのみ示してある。放熱シートに電気的絶縁膜、あるいは放熱シートに発熱デバイス、あるいは放熱シートにヒートシンクを密着させるために接着部材等を適宜設けても良い。
図1(A)に示すこの発明の第1の放熱シートは、金属シート12の主面12a(第1主面ともいう。)及びこの第1主面と対向する裏面(第2主面ともいう。)12bの双方又はいずれか一方の面、すなわち少なくともいずれか一方の面にポリピロール重合体膜が形成されて構成される。以後、金属シートあるいはポリピロール浸潤シートの第1主面及び第2主面の双方又はいずれか一方の面という代わりに、簡略化して、金属シートあるいはポリピロール浸潤シートの少なくともいずれか一方の面ということもある。
図1(A)には、金属シート12の主面12a及び裏面12bのそれぞれにポリピロール重合体膜10及びポリピロール重合体膜14が形成されている例を示しているが、ポリピロール重合体膜10及びポリピロール重合体膜14のいずれか一方が形成されていれば良い。
金属シートの少なくともいずれか一方の面にポリピロール重合体膜が形成されて成る、この発明の上述した第1の放熱シートの製造方法について説明する。
この発明の第1の放熱シートは、蒸留水中にピロールとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを溶解した電解水溶液に金属シート12を陽極及び陰極にセットするステップ(以後、第(1-1)ステップということもある。)と、陽極と陰極との間に電流を流して重合反応を実現させ、陰極にセットされた金属シート12の少なくともいずれか一方の面にポリピロール重合体膜を形成するステップ(以後、第(1-2)ステップということもある。)を含む方法によって形成することが可能である。
上述の第(1-1)ステップにおいて使われる電解水溶液は、例えば以下のようにして作ることが可能である。すなわち、蒸留水500 ml(ミリリットル)に、ピロール0.7g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.7g投入して攪拌することによって電解水溶液を調合する。ピロール及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムは、市販品を適宜購入して利用することができる。
金属シート12には、アルミニウム板、銅板等金属板を適宜利用できるが、ここでは、0.1 mmの厚さの銅板を用いた。この0.1 mmの厚さの銅板を2枚用い、一方の銅板を陰極に、もう一方の銅板を陽極にセットして、上述の電解水溶液に浸した。
上述の第(1-2)ステップでは、陰極及び陽極にセットされた銅板の間に、電流を流して電解重合反応を起こすことによって、陰極にセットされた銅板の少なくともいずれか一方の面に0.03 mmの厚みのポリピロール重合体膜を形成した。
図1(B)に示す実施の形態の第2の放熱シートは、セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シート18の主面18a及び裏面18bの少なくともいずれか一方の面に金属層が密着されて構成される。図1(B)には、ポリピロール浸潤シート18の主面18a及び裏面18bのそれぞれに金属層16及び金属層20が形成されている例を示しているが、金属層16及び金属層20のいずれか一方が形成されていれば良い。
この実施の形態の第2の放熱シートを形成するための3通りの製造方法は以下の通りである。
第1の方法は、セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シートを作製するステップ(以後、第(2-1-1)ステップということもある。)と、ポリピロール浸潤シートの少なくともいずれか一方の面に真空蒸着法によって金属層を形成するステップ(以後、第(2-1-2)ステップということもある。)を含む方法である。
第2の方法は、セルロースシートにポリピロール重合体を浸潤させてポリピロール浸潤シートを作製するステップ(以後、第(2-2-1)ステップということもある。)と、ポリピロール浸潤シートの少なくともいずれか一方の面に金属微粒子を印刷固定して金属層を形成するステップ(以後、第(2-2-2)ステップということもある。)を含む方法である。
第3の方法は、セルロースシートにポリピロール重合体を浸潤させてポリピロール浸潤シートを作製するステップ(以後、第(2-3-1)ステップということもある。)と、ポリピロール浸潤シートの少なくともいずれか一方の面にメッキ法によって金属層を形成するステップ(以後、第(2-3-2)ステップということもある。)を含む方法である。
第(2-1-1)ステップ、第(2-2-1)ステップ及び第(2-3-1)ステップは、セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シートを作製するという共通のステップであるので、以下にこれらのステップを一括して説明する。このポリピロール浸潤シートを作製するステップは、第(3-1)及び第(3-2)ステップを含んでいる。
第(3-1)ステップは、セルロースシートに塩化第二銅を含侵するステップであって、次のように実行される。例えば、濾過作業用の厚さが0.1 mmの濾紙を2モル/リットルの濃度の塩化第二銅の水溶液中に浸漬して十分に塩化第二銅を濾紙(filter paper)に染み込ませる。これによって第(3-1)ステップが実行される。
後述する熱的な特性の評価は、ここで説明した濾過作業用の厚さが0.1 mmの濾紙を用いて試作したポリピロール浸潤シートを構成要素として構成された放熱シートに対して行った。しかしながら、ポリピロール浸潤シートは、濾過作業用の厚さが0.1 mmの濾紙を利用して形成することに限定されることはなく、セルロースシートを主成分とする綿繊維を原料として作られる市販の濾紙、あるいは和紙等を適宜利用して形成することが可能である。
第(3-2)ステップは、塩化第二銅が含侵されたセルロースシートに気体状態のピロールを接触させるステップであって、次のように実行される。例えば、ピロールを80℃に加熱して気化させ、この気化したピロールの蒸気に、塩化第二銅を染み込ませた濾紙を10分間かざすことによってポリピロール重合体が浸潤された濾紙を形成する。
第1の方法における第(2-1-2)ステップは、このポリピロール浸潤シートの少なくともいずれか一方の面に真空蒸着法によって金属層を形成するステップである。金属層は、銅、金、銀、アルミニウム等を適宜選択して、抵抗加熱あるいは電子線過熱によってこれらの金属を真空中で気化させて、ポリピロール浸潤シートの少なくともいずれか一方の面に真空蒸着を行えばよい。このとき蒸着する範囲をポリピロール浸潤シートの主面あるいは裏面の全面とする必要はない。放熱シートの利用の形態に応じて適宜蒸着範囲を設定することが可能である。
第2の方法における第(2-2-2)ステップは、このポリピロール浸潤シートの少なくともいずれか一方の面に、印刷の技術を用いて金属微粒子を印刷固定することによって実現される。このとき、上述の第(2-1-2)ステップにおける場合と同様に、印刷の範囲は、ポリピロール浸潤シートの主面あるいは裏面の全面とする必要はない。放熱シートの利用の形態に応じて適宜印刷範囲を設定することが可能である。
第3の方法における第(2-3-2)ステップは、このポリピロール浸潤シートの少なくともいずれか一方の面に、メッキ液を用いて、金属層をメッキすることで実現される。メッキ液は、例えば、蒸留水500 ml(ミリリットル)に、硫酸第二銅を150 g及び硫酸を20 ml加えて攪拌し、硫酸第二銅を完全に溶解させることによって作ることが可能である。このメッキ液を35℃に設定して、ポリピロール浸潤シートの主面及び裏面にメッキを施した。メッキを実行するに当たっては、ポリピロール浸潤シートを陰極に接続して、厚さが0.02 mmの銅の層を形成した。
ポリピロール浸潤シートの主面及び裏面のいずれか一方の面にのみ金属層が形成されて成る放熱シートを作製する場合は、金属層を形成させない側の面を高分子フィルム等の絶縁体フィルムで覆ってから第(2−1−2)ステップ、第(2−2−2)ステップ及び第(2−3−2)ステップを実行すればよい。
同様に、ポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の、金属層を形成する領域のみを露出するように、金属層を形成しない領域を高分子フィルム等の絶縁体フィルムで覆ってから第(2−1−2)ステップ、第(2−2−2)ステップ及び第(2−3−2)ステップを実行すれば、必要とされる領域のみに金属層が形成された放熱シートを作製することが可能である。すなわち、放熱シートの利用の形態に応じて適宜第(2−1−2)ステップ、第(2−2−2)ステップ及び第(2−3−2)ステップによって金属層を形成する範囲を設定することが可能である。
図1(C)に示す実施の形態の第3の放熱シートは、セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シート26の主面2 6a及び裏面26bの少なくともいずれか一方の面に接着部材を介して金属シートが接着されて構成される。図1(C)には、ポリピロール浸潤シート26の主面26aに接着部材24を介して金属シート22が接着され、裏面26bに接着部材28を介して金属シート30が接着されて構成されて成る放熱シートを示しているが、金属シート22及び金属シート30のいずれか一方が形成されていれば良い。
接着部材24及び28としては、ニチバン株式会社製の両面粘着テープ(製品番号NW-50)あるいは、セメダイン株式会社製のアクリル変成シリコーン樹脂であるセメダイン(製品番号SX720W)等を適宜選択して利用することが可能である。
<放熱シートの熱的性質の検証>
図2から図6を参照して、この発明の実施の形態の放熱シートの熱的性質についての検証実験の結果を説明する。
図2は、この発明の実施の形態の放熱シートの熱的性質についての検証実験の説明に供する図であり、発熱デバイス40、電気配線ボード42、放熱シート44、及びヒートシンク46の配置関係を概略的に示した断面構造図である。
発熱デバイス40として1Wの発光ダイオードを使った。電気配線ボード4 2は周知のユニバーサルプリント基板を使った。このユニバーサルプリント基板は、ガラスエポキシ材を使って形成されたサンハヤト株式会社製のユニバーサルプリント基板(型番:ICB-93SHG)である。ヒートシンク46はアルミニウム製の厚みが0.5 mmのアルミニウム板ヒートシンクを使った。
電気配線ボード42、放熱シート44、及びヒートシンク46はそれぞれ60 mmの正方形に切断して、図2に示すように重ね合わせてある。発熱デバイス40は、60 mmの正方形の一辺から5 mm離れた位置にであって、この一辺と垂直な2辺から等距離の位置に配置されている。
放熱シート44には、この発明の実施の形態の第1の放熱シート、第2の放熱シート、及び比較のためのグラファイト材を用いて構成される放熱シートを用いてそれぞれ熱的特性を検証した。また、比較のためにこれら放熱シートを利用せず、直接電気配線ボード42とヒートシンク46とを接触させる構成とした場合の熱的特性についても検証した。なお、この発明の実施の形態の第3の放熱シートについては、第2の放熱シートの熱的特性と同一であったので、その説明は省略する。
放熱シートの熱的特性の評価は、図2に示すCH1〜CH8の合計8箇所での発熱デバイス40への通電開始時からの温度時間変化を観測することによって行った。CH1、CH3、CH5及びCH7は、電気配線ボード42の、発熱デバイス40が設置されている側の表面の温度測定ポイントを示す。また、CH2、CH4、CH6及びCH8は、ヒートシンク46の電気配線ボード42が設置された側とは反対側の表面の温度測定ポイントを示す。
図2に示すように、CH1は発熱デバイス40の直下に設定された温度測定ポイントであり、CH3、CH5及びCH7は、それぞれ発熱デバイス40から15 mm、30 mm及び45 mm離れた位置に設定された温度測定ポイントである。また、CH2は発熱デバイス40の直下に設定された温度測定ポイントであり、CH4、CH6及びCH8は、それぞれ発熱デバイス40から15 mm、30 mm及び45 mm離れた位置に設定された温度測定ポイントである。
図3は、この発明の実施の形態の第1の放熱シートを放熱シート44として用いた場合の、CH1〜CH8における温度の時間変化を示す図である。横軸は時間を分単位で目盛って示してあり、縦軸は温度を℃目盛で目盛って示してある。
第1の放熱シート(図3に示す放熱シート44)は、0.1 mmの厚さの銅板に0.03 mmの厚みのポリピロール重合体膜が形成されて成る放熱シートである。ここでは、電気配線ボード42としてのユニバーサルプリント基板と放熱シート44とは直に密着されており、ヒートシンク46としてのアルミニウム製のヒートシンクと放熱シート44とは直に密着されている。
図3に示すように、発熱デバイス40の直下に設定された温度測定ポイントCH1における温度変化は、発熱デバイスである発光ダイオードに通電を開始後3分後に47.1℃に達している。そして、最終的に54.8℃に達して熱的に平衡状態となっている。温度測定ポイントCH2〜CH8は、CH1よりも概ね15℃程度低い温度となっている。
表1に、一連の放熱シートの熱的特性の評価において求められた熱抵抗の大きさを一覧にまとめて示してある。I〜IIIと示す縦の欄には、放熱シート44にそれぞれ第1の放熱シート、第2の放熱シート、及びグラファイト材を用いて構成される放熱シートを用いた場合の熱抵抗の大きさを示してある。IVとして示す縦の欄には、放熱シート44を設置していない場合の熱抵抗の大きさを示してある。
Figure 0004202409
表1のA〜Hと示してある横の欄には、それぞれ以下に示す2箇所の間の熱抵抗の値を示してある。Aの欄は発熱デバイスとこの発熱デバイスに接する空間との間の熱抵抗値、Bの欄はCH2とCH2に接する空間との間の熱抵抗値、Cの欄はCH3とCH3に接する空間との間の熱抵抗値、Dの欄はCH4とCH4に接する空間との間の熱抵抗値、Eの欄はCH5とCH5に接する空間との間の熱抵抗値、Fの欄はCH6とCH6に接する空間との間の熱抵抗値、Gの欄はCH7とCH7に接する空間との間の熱抵抗値、Hの欄はC H8とCH8に接する空間との間の熱抵抗値を示している。
この発明の実施の形態の第1の放熱シートを放熱シート44として用いた場合の、熱抵抗値は、概ね20.1℃/W〜35.3℃/Wとなっている。
図4は、この発明の実施の形態の第2の放熱シートを放熱シート44として用いた場合の、CH1〜CH8における温度の時間変化を示す図である。横軸は時間を分単位で目盛って示してあり、縦軸は温度を℃目盛で目盛って示してある。
第2の放熱シートは、厚さが0.1 mmの濾紙を利用して形成されたポリピロール浸潤シートに0.1 mmの厚さの銅板が接着剤を利用せずに直に密着させて構成された放熱シートである。ここでも、上述の第1の放熱シートの場合と同様に、電気配線ボード42としてのユニバーサルプリント基板と放熱シート44とは直に密着されており、ヒートシンク46としてのアルミニウム製のヒートシンクと放熱シート44とは直に密着されている。
図4に示すように、発熱デバイス40の直下に設定された温度測定ポイントCH1における温度変化は、発熱デバイスである発光ダイオードに通電を開始後3分後に45.4℃に達している。そして、最終的に52.7℃に達して熱的に平衡状態となっている。温度測定ポイントCH2〜CH8は、CH1よりも概ね15℃程度低い温度となっている。
表1に示すように、この発明の実施の形態の第2の放熱シートを放熱シート44として用いた場合の、熱抵抗値は、概ね21.2℃/W〜37.3℃/Wとなっている。
図5は、この発明の実施の形態の第1及び2の放熱シートを放熱シート44として用いた場合と比較するために、放熱シート44として特許文献3に開示された従来のグラファイトシートを金属線からなる網状体で挟んで一体化して構成される同種の放熱シート(ジャパンマテックス株式会社製、商品名「Jits 3D Thermal Conduction Sheet」)を用いた場合の、CH1〜CH8における温度の時間変化を示す図である。この放熱シートの厚みは0.15 mmである。図5の横軸は時間を分単位で目盛って示してあり、縦軸は温度を℃目盛で目盛って示してある。
図5に示すように、発熱デバイス40の直下に設定された温度測定ポイントCH1における温度変化は、発熱デバイスである発光ダイオードに通電を開始後3分後に49.1℃に達している。そして、最終的に57.5℃に達して熱的に平衡状態となっている。温度測定ポイントCH2〜CH8は、CH1よりも概ね15℃〜18℃程度低い温度となっている。
表1に示すように、グラファイトシートを金属線からなる網状体で挟んで一体化して構成され放熱シートを放熱シート44として用いた場合の、熱抵抗値は、概ね19.0℃/W〜32.7℃/Wとなっている。
図6は、放熱シート44を使用せずに直接電気配線ボード42とヒートシンク46とを接触させる構成とした場合の、CH1〜CH8における温度の時間変化を示す図である。横軸は時間を分単位で目盛って示してあり、縦軸は温度を℃目盛で目盛って示してある。
図6に示すように、発熱デバイス40の直下に設定された温度測定ポイントCH1における温度変化は、発熱デバイスである発光ダイオードに通電を開始後3分後に93.6℃に達している。そして、更に温度は時間とともに上昇する傾向にあることが読み取れる。温度測定ポイントCH2〜CH8は、CH1よりも概ね60℃程度低い温度となっている。
温度測定ポイントCH2及びCH4〜CH8における温度変化を与える曲線が極めて接近しており、図6において2本の破線で示す間にCH2及びCH4〜C H8における温度変化を与える曲線がまとまっている。そのため、図6においては、CH2及びCH4〜CH8における温度変化を与える個々の曲線を省略してある。
上述の図3から図5に示す、放熱シートを使った場合における発熱デバイス40の直下に設定された温度測定ポイントCH1における温度変化は、50℃から60℃の範囲に留まっているのに対して、図6に示す放熱シートを使わない場合は、CH1における温度は90℃以上にも上昇することが分かる。このことから、放熱シートを使うことによって発熱デバイスの温度上昇を効果的に防ぐことができることが分かる。
また、表1に示すように、放熱シート44を利用しない場合の、熱抵抗値は、概ね14.5℃/W〜75.5℃/Wとなっている。特に、表1のAの欄に示す発熱デバイスとこの発熱デバイスに接する空間との間の熱抵抗値が際立って高いことが読み取れる。すなわち、放熱シート44を利用しないと発熱デバイスから発生する熱を効果的に放散させることができず、発熱デバイスの温度上昇が大きく、電気的特性の低下あるいは光学的特性の低下等の性能の劣化が起こる可能性を示唆している。
一方、この発明の放熱シートを利用することによって、熱の放散特性に優れるとされている従来のグラファイトシートを金属線からなる網状体で挟んで一体化して構成される放熱シートと、同等あるいはそれ以上の熱放散効果が実現されることが確かめられた。その上、この発明の放熱シートは、電子モジュールに悪影響を与える炭素粉等の塵が発生しないという優れた特性を有している。
<放熱シートを構成する重合体の選択>
この発明の放熱シートは、ポリピロール重合体膜もしくはポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シートが利用されて構成される。しかしながら、ポリピロール以外にも利用可能である重合体(Polymer)は存在する。例えば、ポリチオフェン(polythiophene)、ポリアニリン(polyaniline)、及びポリフェニレンビニレン(polyphenylene-vinylene)等、π共役系重合体の中から適宜選択して利用することが可能である。
π共役系重合体は、2重結合と単結合が交互に並んだ構造である骨格(主鎖)をもっている。π共役系重合体は、この主鎖によって熱的性質の異方性が発生し、この主鎖に沿った方向に垂直な方向に比べて、この主鎖に沿った方向に熱伝導率が大きくなる性質を備えるものと推定される。そのため、この発明の放熱シートの表面に平行な方向に主鎖の方向が向くようにπ共役系重合体を配置すれば、この発明の放熱シートの特徴である放熱シートの表面に平行な熱拡散率αpが垂直な方向に対する熱拡散率αtより大きいという熱的性質の発現に、π共役系重合体が有効に寄与するものと考えられる。
この発明の実施の形態の放熱シートの主面及び裏面に垂直な方向で切断した概略的断面構造図であり、(A)は第1の放熱シート、(B)は第2の放熱シート、(C)は第3の放熱シートの概略的断面構造図である。 この発明の実施の形態の放熱シートの熱的性質についての検証実験の説明に供する図である。 この発明の実施の形態の第1の放熱シートを放熱シートとして用いた場合の、CH1〜CH8における温度の時間変化を示す図である。 この発明の実施の形態の第2の放熱シートを放熱シートとして用いた場合の、CH1〜CH8における温度の時間変化を示す図である。 従来のグラファイトシートを金属線からなる網状体で挟んで一体化して構成される放熱シートを放熱シートとして用いた場合の、CH1〜CH8における温度の時間変化を示す図である。 放熱シートを使用せずに直接電気配線ボードとヒートシンクとを接触させる構成とした場合の、CH1〜CH8における温度の時間変化を示す図である。
符号の説明
10、14:ポリピロール重合体膜
12、22、30:金属シート
16、20:金属層
18、26:ポリピロール浸潤シート
24、28:接着部材
40:発熱デバイス
42:電気配線ボード
44:放熱シート
46:ヒートシンク

Claims (7)

  1. セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面に金属層が密着されて成ることを特徴とする放熱シート。
  2. セルロースシートにポリピロール重合体が浸潤されたポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面に接着部材を介して金属シートが接着されて成ることを特徴とする放熱シート。
  3. 蒸留水中にピロールとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを溶解した電解水溶液に金属シートを陽極及び陰極にセットするステップと、
    前記陽極と前記陰極との間に電流を流して重合を実現させ、前記陰極にセットされた金属シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面にポリピロール重合体膜を形成するステップと
    を含むことを特徴とする放熱シートの製造方法。
  4. セルロースシートにポリピロール重合体を浸潤させてポリピロール浸潤シートを作製するステップと、
    該ポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面に、真空蒸着法によって金属層を形成するステップと
    を含むことを特徴とする放熱シートの製造方法。
  5. セルロースシートにポリピロール重合体を浸潤させてポリピロール浸潤シートを作製するステップと、
    該ポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面に、金属微粒子を印刷固定して金属層を形成するステップと
    を含むことを特徴とする放熱シートの製造方法。
  6. セルロースシートにポリピロール重合体を浸潤させてポリピロール浸潤シートを作製するステップと、
    該ポリピロール浸潤シートの主面及び裏面の双方又はいずれか一方の面に、メッキ法によって金属層を形成するステップと
    を含むことを特徴とする放熱シートの製造方法。
  7. 前記ポリピロール浸潤シートを作製するステップは、
    前記セルロースシートに塩化第二銅を含侵するステップと、
    前記塩化第二銅が含侵されたセルロースシートに気体状態のピロールを接触させることによって、前記ポリピロール浸潤シートを生成するステップと
    を含むことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の放熱シートの製造方法。
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