JP4202280B2 - シロールをコアとするデンドリマー及びその合成 - Google Patents

シロールをコアとするデンドリマー及びその合成 Download PDF

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本発明は、シロールをコアとし、ポリ(ベンジルエーテル)をデンドロンとするデンドリマー及びその製造方法に関する。
デンドリマー(樹木状高分子)は、一般的な鎖状の高分子と異なり、デンドリマーを構成するコア材料の特性に対して樹木状に延びたデンドロンの特性が大きく関わると共に、デンドロンの末端の特性が表面において集積された顕著な特性として表れるというユニークな性質を持った化合物を構成する。また、合成は難しいという問題はあるが、ステップごとに合成できるため、構造の制御に関して非常に自由度が高い。そのため、前記デンドリマーを構成する成分の特有の物性や機能を顕著に発揮させることができるという利点がある。このユニークな物性のおかげで、集光デバイス、ドラッグデリバリー、及び電子デバイスなど幅広い応用が期待されている。
櫻井英樹監修 有機ケイ素科学の新展開 (株)シーエムシー、2001年9月20日発行、第30―49ページ、特に第30−32、第44−46ページ H.Y.Chen,W.Y.Lam.,J.D.Luo,Y.L.Ho,B.Z.Tang,D.B.Zhu,M、.Wong,and H.S,Kwok,Applied Physics Letters Vo.81,No.4,p274-276,22,JULY,2002 Alex Adronov and Jean M.J.Frechet,Chem. Commun., 2000, 17011710、特に、1704-1705 Dong-Lin Jiang and Takuzo Aida,J.Am.Chem.Soc.1998,120,10895-10901 J.Am.Chem.Soc.94,p9263-9264,1972年
シロールは、ケイ素を含む5員環ジエン化合物(シクロペンタジエンの飽和炭素がケイ素に置き換わった化合物)の一般名であり、ケイ素部位のσ軌道とジエン部位のπ軌道とのσ−π共役により最低空軌道(LUMO)が低く,電子受容性が高い、という特長があることが知られている(前記非特許文献1)。そこでシロール環の前記特性を利用して電子輸送材料への応用が期待された。また、ピリジルシロールやオリゴシロールをはじめとする様々なシロール化合物の一般的な合成法が開発され、すでに有機ELディスプレイ発光素子の電子輸送材料として実用化されている。また、一連のジアリールシロールは有効な発光材料であることについても言及している。
シロールの発光材料としての機能を向上させるためには、高い発光効率を示しまた寿命が長いこと、またスピンコートなど膜塗布性があることが大画面用のデバイスの作成の観点から有利である。多くの発光材料は分子間の相互作用のエキシマーによる自己消光を起こすことで発光効率を低下させる、また素子の結晶化により発光特性が低下乃至なくなるなどの不都合が見られた。
また、デンドロンとしてポリ(ベンジルエーテル)デンドロンユニットは、ランタナイド、ポルフィリン等のコアと組み合わされ、アンテナ効果を示すものとして利用することは公知である(前記非特許文献2、非特許文献3)。しかしアンテナ効果はアンテナ部分とコア部分の電子状態によって決定的に支配されるが、種々の置換基を有するシロールをコアとする場合についてはアンテナ効果が有効に働くかについては全く知られていない。
また、非特許文献5には、sym-テトラメチルジランと種々の2置換アセチレン類とを触媒ビス(トリエチルホスフィン)ニッケルジクロライドを用いて反応させて1−シルアシロキシペンタデェン誘導体を高収量で得る方法の技術が記載されている。該反応における2置換アセチレン類の置換基としてフェニル基、メチル基、エチル基、ブチル基が挙げられている。しかし、式量の大きな置換基が結合した場合には式量の小さな置換基の場合に比べて種々の合成反応の反応性は一般に著しく低下し、殆ど反応しないことも知られているが、該反応に関しては式量の小さな置換基についての検討があるのみで、本発明のデンドロンユニットのように大きな置換基が結合したアセチレンの場合の反応性低下について、またベンジルエーテル型の置換基が結合した場合反応性の低下については全く知られていない。
本発明の課題は、デンドロンの光捕集機能及びシロール間の相互作用による自己消光、結晶の生成などを抑制し、発光効率を上げ、かつ溶媒溶解性を高めて薄膜の形成特性を改善したデンドリマーを提供すること、及び前記デンドリマーの合成方法を提供することである。そこで、本発明者らは、先ず、デンドロンを結合したシロール類前駆体である新規なアセチレン誘導体を合成し、前記文献5に記載のシロール誘導体を製造する方法を適用したところ、著しい反応性の低下なしに所望のデンドリマーを製造出来るという意外な事実を見いだした。これにより合成可能となったデンドロンの世代の進行したデンドリマーの発光特性を調べた結果、ベンジルエーテル型のデンドロンからのシロールへの効率的なエネルギー移動も可能であることを見出し、これにより前記不都合を取り除いた発光材料が得られることを確認し前記課題を解決することができた。
本発明の第1は、(1)シロールをコアとし、デンドロンとして下記のデンドロン群から独立に選択した下記の化学式1で表されデンドリマーである。
Figure 0004202280
化学式1において、Meはメチル基、R、R、R及びRはデンドロンであり下記のデンドロン群から独立に選択される。
Figure 0004202280

デンドロン群
本発明の第2は、(2)下記の化合物2のアルキン類とテトラメチルジシランHMeSiSiMeHとを遷移金属触媒存在下で反応させる工程を含む前記化学式1のデンドリマーを合成する方法である。好ましくは、(3)遷移金属触媒がNi、Pd又はPtを含むホスフィン錯体である前記(2)に記載の合成方法であり、より好ましく、(4)溶媒が炭化水素またはエーテル系の化合物である前記(2)または(3)に記載の化学式1のデンドリマーを合成する方法である。
Figure 0004202280
化合物2中のRは下記のR〜Rの置換基群Bから選択される基である。
Figure 0004202280
本発明の第3は、式 R−C≡C−R(式中RはR〜Rからなる置換基群Cから選択される基を表す)で表されるアルキン化合物である。
Figure 0004202280
発明の効果として、自己消光及び結晶の生成などの不都合のない、発光効率を向上させ、かつ溶媒溶解性を高めた発光材料を提供できたことを挙げることができる。
化学式1の合成方法は以下の反応式1で表すことができる。
Figure 0004202280
反応式1においてRは前記置換基群BにおけるR〜Rから選択される基である。
反応式1において化合物4である3,3、5、5−テトラヒドロキシトランは文献(PCT,WO 02/13764 A2(21,02,2002)に記載の方法で合成した。
化合物4の物性は、H NMR(300 MHz, CDCl) δ 8.52 (s,4H),6.51 (d,4H,J= 2.2 Hz),6.40 (t,2H,J=2.2Hz),13C NMR (75 MHz, CDCl)δ 89.2,104.4,110.7,125.1, 159.2.である。
反応式1のR’−Brの化合物(R’は化学式1の置換基R〜Rを表す)は、文献、C. Hawker and J.M.J.Frechet, J.Am.Chem.Soc.,112,7638 (1990).)、に記載の方法で合成した。
本発明のシロール化合物は一般式2で示されるアルキン化合物とテトラメチルジシランHMeSiSiMeHとを遷移金属触媒存在下で反応させることで製造される。遷移金属触媒としては第10族金属を含む錯体触媒が好ましく、ニッケル触媒が特に好ましい。具体例を挙げると、NiCl(PEt、NiCl(PMePh)、Ni(cod)に2当量のPMe又はPEtを加えた系、Ni(CO)(PEtなどを例示することが出来る。これら触媒の使用量はいわゆる触媒量でよく、一般的には反応基質であるHMeSiSiMeHやアルキン化合物に対して20モル%以下で十分である。反応温度は、アルキン化合物の反応性を考慮し300℃以下の温度から選ばれるが、一般的には0〜200℃の範囲が好ましい。本反応は溶媒中で実施することでスムーズに進行するが、溶媒としては炭化水素又はエーテル系溶媒が好ましい。
前記化学反応式1の化合物2においてRがRの化合物(化合物2−R)の合成:
磁気攪拌装置、玉付き冷却器を備えた50mL2口ナスフラスコを用意し脱気乾燥した。窒素雰囲気下で化合物1(0.50g、2.06mmol)、ベンジルブロマイド(1.49g、8.71mmol)、18−クラウン−6(0.22g、0.83mmol)、炭酸カリウム(1.72g、12.4mmol)をアセトン(10mL)中で72 時間攪拌加熱還流した。水を10mL加え塩化メチレン100mLで2回抽出し、飽和塩化アンモニウム水溶液ついで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン)により化合物2−Rを得た。収量1.15g(1.91mmol)であり、収率91%であった。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、そのスペクトルデータ等は以下の通りであった。H NMR (300 MHz,CDCl) 7.44-7.33 (m,20H),6.80 (d,4H,J= 2.2 Hz),6.63 (t,2H,J= 2.2 Hz),5.04 (s,8H);13C NMR (75 MHz,CDCl) 159.7,136.6,128.6,128.0,127.5,124.4,110.6,103.5,89.0,70.1,MS (FAB)m/z 603 (M+H).
前記化学反応式1の化合物2においてRがRの化合物(化合物2−R)の合成:合成−1においてベンジルブロマイドに代えてR−Brを1.49g(8.71mmol)を用いた他は実施例1と同様に処理することにより、化合物2−Rが収量1.86g(1.28mmol)及び収率62%で得られた。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、そのスペクトルデータ等は以下の通りであった。H NMR (300 MHz,CDCl) 7.43-7.30 (m,40H),6.78 (d,4H,J= 2.2 Hz),6.68 (d,8H,J= 2.2 Hz),6.58 (m,6H),5.02 (s,16H),4.99 (s, 8H);13C NMR (75 MHz,CDCl) 160.1,159.6,139.0,136.7,128.6,128.0,127.5,124.4,110.6,106.3,103.4,101.6,89.1,70.1,70.0;化合物 C98H82O12に対する分析、計算値:C,81.08;H,5.69,O,13.23、実験値:C,80.98;H,5.93;O,13.01;MS (FAB)m/z1451 (M).
前記化学反応式1の化合物2においてRがRの化合物(化合物2−R)の合成:磁気攪拌装置、玉付き冷却器を備えた500mL3口ナスフラスコを用意し脱気乾燥した。窒素雰囲気下で化合物10.31g(1.28mmol)、R−Brを4.14g(5.13mmol)、18−クラウン−6を0.14g(0.53mmol)、炭酸カリウムを1.08g(7.81mmol)をアセトン300mL中で24時間攪拌加熱還流した。水を10mL加え塩化メチレン100mLで2回抽出し、飽和塩化アンモニウム水溶液ついで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン/ヘキサン=1/1)により目的化合物2−Rを得た。収量は2.28g(0.89mmol)であり、収率は70%であった。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、そのスペクトルデータ等は以下の通りであった。H NMR (300 MHz,CDCl) 7.41-7.27 (m,80H),6.80 (d,4H.J= 2.1Hz),6.68-6.65 (m,24H),6.62 (t,2H,J= 2.0 Hz),6.57-6.55 (m, 12H),5.00 (s,32H),4.95-4.93 (m,24H );13C NMR (75 MHz、 CDCl) 160.1, 160.0,159.6,139.1,138.9,136.7,128.5,127.9,127.5,124.4;110.6,106.4,106.3,101.5,89.1,70.0,69.9,化合物 C210H178O28に対する分析、計算値:C,80.08;H,5.70;O,14.22.実験値:C,80.01;H,5.79;O, 14.39;MS (MALDI-TOF)m/z 3172.5 (M+Na).
化学式1においてR〜Rのいずれもが前記デンドロン群中のRの化合物、すなわち下記の式G1で表されるデドリマーの合成と物性;磁気攪拌装置、玉付き冷却管を備えた20mLの二口ナスフラスコを用意した。脱気乾燥後窒素雰囲気下乾燥トルエン10mLを入れ、ここに実施例1で合成した化合物2−Rを250mg(0.42mmol)、テトラメチルジシラン(化合物3)を72mg(0.60mmol)、ビス(トリエチルホスフィン)ニッケル ジクロライドを4mg(0.01mmol)を加え(反応式1参照)、20時間加熱還流攪拌した。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出:トルエン/ヘキサン=3/2およびトルエン/ヘキサン=3/1)によりG1を単離した。収量は130mg(0.103mmol)であり、収率は50%であった。
Figure 0004202280
G1は文献未収載の新規化合物であり、そのスペクトルデータ等は以下の通りであった。H NMR (300 MHz,アセトン−d) 7.38−7.20 (m,40H),6.46-6.44 (m,4H),6.35 (d,4H,J= 2.2 Hz),6..2 (d,4H,J= 2.2 Hz),5.00 (s,8H), 4.89 (s,8H),0.37 (s,6H);13C NMR (75 MHz,アセトン−d) 160.6, 160.5, 154.9, 142.3,142.1, 138.3, 138.1, 129.22, 129.18, 128.51, 128.47, 128,3, 128.2, 128.1, 109.8, 108.6, 101.8, 101.4, 70.7, 70.4, -3.7; 29Si NMR (60 MHz,アセトン−d) 8.1;MS (FAB)m/z 1264 (M+H).
化学式1においてR〜Rのいずれもが前記デンドロン群中のRの化合物、すなわち下記の式G2で表されるデドリマーの合成と物性;磁気攪拌装置、玉付き冷却管を備えた20mLの二口ナスフラスコを用意した。脱気乾燥後窒素雰囲気下乾燥トルエン10mLを入れ、ここに実施例1で合成した化合物2−Rを502mg(0.34mmol)、前記化合物2を72mg(0.50mmol)、ビス(トリエチルホスフィン)ニッケル ジクロライド4mg(0.01mmol)を加え、44時間加熱還流攪拌した(前記反応式1参照)。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出:トルエン/ヘキサン=10/1およびトルエン/ヘキサン=3/1)よりG2を単離した。収量は240mg(0.08mmol)であり、収率は47%であった。
Figure 0004202280
G2は文献未収載の新規化合物であり、そのスペクトルデータ等は以下の通りであった。H NMR (300 MHz,アセトン−d) 7.38-7.23 (m,80H),6.65-6.40 (m,36H),5.02-4.74 (m,48H),0.41 (s,6H);13C NMR (75 MHz, アセトン−d) 160.92,160.88,160.7,160.4,154.8,142.4,142.0,141.8, 140.6,140.3,138.1,138.0,129.17,129.13,128.53,128.49,128.4,128.1,108.7,106.9,102.1,101.9,70.8,70.4,70.3,-3.4;29Si-NMR (60 MHz, アセトン−d) 8.1,MS (MALDI-TOF)m/z 2984.5 (M+Na).
化学式1においてR〜Rのいずれもが前記デンドロン群中のRの化合物、すなわち下記の式G3で表されるデドリマーの合成と物性;磁気攪拌装置、玉付き冷却管を備えた20mLの二口ナスフラスコを用意した。脱気乾燥後窒素雰囲気下乾燥トルエン5mLを入れ、ここに実施例1で合成した化合物2−Rを501mg(0.16mmol)、前記化合物2を38mg(0.32mmol)、ビス(トリエチルホスフィン)ニッケル ジクロライドを6mg(0.016mmol)、196時間加熱還流攪拌した(前記反応式1を参照)。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出:塩化メチレン/ヘキサン=2/1および塩化メチレン/ヘキサン=3/1)よりG3を単離した。収量は68 mg(0.011mmol)であり、収率は13%であった。
Figure 0004202280
G3は文献未収載の新規化合物であり、そのスペクトルデータ等は以下の通りであった。H NMR (300 MHz,アセトン−d) 7,32-7.20 (m,160H), 6.68−6.36 (m,84H), 4.92−4.64 (m,112H),0.38 (s,6H);13C NMR (75 MHz,アセトン−d) 160.9, 160.8, 140.5, 140.4, 138.0, 129.2, 128.5, 128.4, 107.2, 106.8, 102.0, 70.4; 29Si NMR (60 MHz,アセトン−d) 7.9;MS (MALDI-TOF)m/z=6465.0 (M+Ag).
化学式1においてR〜Rがフェニル基である化合物(G0)とR〜RがR〜Rである化合物、すなわちG1〜G3の化合物の、紫外−可視光(UV−Vis)吸収(ABS)及び蛍光(FLU)(シロールの吸収波長を励起光とした)の特性を表1及び図1に示す。このことから、蛍光波長はデンドリマーの世代に関わらずほぼ同じであり、蛍光収率φFLはデンドリマーの世代が大きくなるにしたがい、大幅に向上している。すなわちシロールの隔離が向上し、かつ、結晶化が抑制されていることが推測できる。
Figure 0004202280
図1において、280nm付近はベンジルエーテルデンドロンユニットの吸収である。デンドリマーの世代が大きくなる(G1→G3)につれて吸収強度が増加している。また350nm付近はデンドリマーコア部分のシロール環の吸収である。デンドリマーコア部のシロール環を光励起すると(励起波長:350nm)、500nm付近にシロール環からのけい光が観測される。けい光波長位置は、デンドリマーの世代(G1→G3)に関わらずほぼ同じである。
図2は化合物G2について励起光をベンジルエーテルデンドロンユニットの吸収光280nmとした場合と、シロール環の吸収光360nmとした場合の蛍光特性を示す。280nmの励起の方が発光強度が大きく、デンドリマーとすることによりシロールの発光特性が顕著に改善されていることが分かる。
本発明の活用例として、シロールの発光特性の顕著な改善と、デンドロンユニットによる高い溶解性により、蛍光材料としての利用が可能である。
本発明のデンドリマーG1、G2及びG3のUV−可視光吸収と励起光360nmによる蛍光特性 デンドリマーG2の光依存性:280nm(デンドロンの吸収)又は360nm(シロールコアの吸収)で励起発光強度の励起

Claims (5)

  1. シロールをコアとし、デンドロンが下記のデンドロン群から独立に選択される下記の化学式1で表されるデンドリマー
    Figure 0004202280
    化学式1
    化学式1において、Meはメチル基、R、R、R及びRはデンドロンであり下記のR〜Rからなるデンドロン群から独立に選択される基である。
    Figure 0004202280

    デンドロン群
  2. 下記の化合物2のアルキン類とテトラメチルジシランHMeSiSiMeHとを遷移金属触媒の存在下で反応させる工程を含む請求項1に記載の化学式1の化合物を合成する方法。
    Figure 0004202280
    化合物2中Rは下記のR〜Rの置換基群Bから選択される基である。
    Figure 0004202280
  3. 遷移金属触媒がNi、Pd又はPtを含むホスフィン錯体である請求項2に記載の化学式1の化合物を合成する方法
  4. 炭化水素又はエーテル系の化合物を溶媒に用いる請求項2又は3に記載の化学式1の化合物を合成する方法。
  5. 式 R−C≡C−R(式中RはR〜Rからなる置換基群Cから選択される基を表す)で表されるアルキン化合物。
    Figure 0004202280
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