JP4202063B2 - 薬剤カセッタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、収容する薬剤を所定量毎に排出し得るように構成された薬剤カセッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
収容する薬剤を所定量毎に排出し得るように構成された薬剤カセッタは、薬剤選択供給装置の一構成部品として使用されている。
即ち、該薬剤選択供給装置は、ドラム等の支持架台と、該支持架台に装着される複数のカセッタであって、それぞれ所定の薬剤が収容された複数のカセッタとを備えている。該カセッタは、例えば、前記支持架台に取り付けられるベース部材に着脱可能に装着される。
前記薬剤選択供給装置は、使用に際して、処方に基づくオペレータからの選択信号により、対応する一のカセッタを選択的に駆動する。これにより、該一のカセッタにおけるロータが回転し、収容された薬剤が必要量だけ自動的に排出される。
【0003】
より詳しくは、前記カセッタは、収容部と、該収容部内において回転駆動されるロータとを備えている。該ロータには、収容する薬剤を保持する為の切り欠きが設けられている。他方、前記収容部には、該ロータにおける切り欠きの回転軌跡に対応した位置に排出口が設けられている。斯かる構成により、前記従来の薬剤カセッタは、前記ロータの回転角度を制御することによって、前記切り欠き内に保持された薬剤を前記排出口から排出させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる従来の薬剤カセッタは、錠剤を半分に切断してなる半錠(図7参照)の使用を全く意図しておらず、該半錠に対して使用すると、必要数以上の半錠が同時に前記切り欠きに保持されたり、又は、前記切り欠きに半錠が有効に保持されない等の問題があった。
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、ロータの回転に応じて半錠を必要個数ずつ正確に排出できる構造簡単な薬剤カセッタを提供することを一の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、平面視において半円形状を有し且つ側面視において矩形状を有する半錠を所定量毎に排出し得るように構成された薬剤カセッタであって、基準底面及び該基準底面との共働下に薬剤収容空間を形成する側面とを有する収容部と、回転軸線が前記収容部の基準底面と直交するように、該基準底面に対して回転可能とされたロータとを備え、前記ロータは、収容される薬剤が挿通可能な大きさの切り欠きを有し、前記収容部の基準底面には、前記ロータに設けられた前記切り欠きの回転軌跡に対応した領域に、排出口が設けられており、前記ロータの切り欠きは、前記半錠の半円形状と矩形状とを組み合わせた形状を有している薬剤カセッタを提供する。
【0006】
好ましくは、前記基準底面は傾斜され、且つ、前記排出口は前記ロータにおける前記切り欠きの回転軌跡に対応した領域のうち最も下方に位置する最下方領域よりも上方に設けられており、さらに、該基準底面には、前記ロータの回転方向を基準として、前記最下方領域と前記排出口との間に、前記ロータへ向かって突出した凸部が設けられているものとすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る薬剤カセッタの好ましい一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係る薬剤カセッタ1がベース部材100に載置された状態で、ドラム等の支持架台200に取り付けられている様子を示す部分側面図である。
【0008】
前記ベース部材100は、好ましくは、前記支持架台200にネジ連結されるように構成され、前記薬剤カセッタ1は、弾性係合又は磁力係合を介して、該ベース部材100に着脱可能に装着される。
【0009】
前記カセッタ1は、薬剤収容空間を有する収容部10と、該薬剤収容空間内に配設されるロータ20とを備えている。
前記収容部10は、基準底面11と、該基準底面11との共働下に前記薬剤収容空間を形成する側面12とを有している。
好ましくは、前記基準底面11は、水平面に対して所定角度(例えば、40〜50゜)傾斜される。このように、基準底面11を傾斜面とすることにより、収容する半錠が薬剤収容空間の下方領域に集約され、後述する切り欠き内への該半錠の落とし込み性を向上させることができる。
【0010】
より好ましくは、基準底面11を平面視円形状とし、且つ、前記側面12を該基準平面11の周縁から該基準平面に対して直交するように延在させることができ、これにより、前記薬剤収容空間を略円筒形状とすることができる。
【0011】
図2に図1におけるII矢視図を示す。又、図3に図2におけるIII-III線断面図を示す。
前記ロータ20は、回転軸線Xが前記基準底面11と直交するように、該基準底面11上に位置するディスク部21と、該ディスク部21の中心から前記薬剤収容空間とは反対側に延び、前記基準底面11に設けられた支持孔に回転自在に挿通される支持部25とを備えている。
【0012】
より詳しくは、前記支持部25には、一端部に従動側ベベルギヤ27が設けられた従動軸26が固着されており、該従動側ベベルギヤ27は、前記ベース部材100に収容されたモータ(図示せず)に作動的に連結された駆動側ベベルギヤ110と噛合している。
なお、当然ながら、前記モータと前記ロータとの間の伝動機構は、図示の形態におけるように、歯車を利用したものの他、ベルト又は自在継手を利用して構成し得る。
【0013】
前記ロータ20のディスク部21には切り欠き22が設けられている。
図4に、前記切り欠きの拡大平面図を示す。該切り欠き22は、図2及び図4に示すように、収容する半錠の平面視半円形状(図6(a)参照)と該半錠の側面視矩形状(図6(b)参照)とを組み合わせた形状を有しており、これにより、半錠の切り欠き内への落とし込みを効率良く行いつつ、複数個の半錠が切り込み内に同時に保持されることを有効に防止している。
【0014】
即ち、本実施の形態における前記切り欠きによれば、収容する半錠が底面を下にする姿勢の場合、及び、断面を下にしている姿勢の双方において、1錠だけを効率良く保持することができる。従って、従来の薬剤カセッタにおけるような、複数個の半錠が同時に切り欠きに保持されたり、又は、切り欠き内に半錠が保持されない状態を有効に防止できる。
【0015】
好ましくは、前記切り欠き22は、平面視半円形状における円弧部がディスク部の回転中心を向く状態で該ディスク部21の周縁に開くように形成される。このように構成することによって、薬剤収容部内の下方領域に集まった半錠を効率良く切り欠き22内に入り込ませることができる。
さらに、より好ましくは、該切り欠き22は、ディスク部21の周方向に沿って等間隔に複数設けることができる。
【0016】
好ましくは、図3に示すように、該ロータ20のディスク部21は、少なくとも前記切り欠き22においては、前記基準底面11に対して間隙50を存しつつ離間される。該間隙50は、例えば、0.5〜1.5mmとされる。
より好ましくは、前記ディスク部21は、前記切り欠き22の回転軌跡に対応した領域以外において、前記基準底面11と当接する当接部23を有している。斯かる当接部23を備えることにより、前記基準底面11に対してディスク部21を安定して回転させることができる。
【0017】
図5に前記ロータを取り外した状態のII矢視図を示す。又、図6に図5におけるVI-VI線断面図を示す。
図5に示すように、前記収容部10の基準底面11には、前記ロータ20における前記切り欠き22の回転軌跡22aに対応した領域に排出口15が設けられており、該排出口15を介して、前記切り欠き22に保持され、ロータ20の回転に応じて周方向に搬送された半錠がカセッタ1から排出されるようになっている。
前記排出口15から排出された半錠は、該排出口15に連通するように前記ベース部材100に形成された搬送路120(図1参照)及び該搬送路120の下方に設けられたホッパ(図示せず)を介して、分包装置(図示せず)へ供給される。
【0018】
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記基準底面11は傾斜されており、従って、前記排出口15は、前記ロータ20における前記切り欠き22の回転軌跡22aに対応した領域のうち最も下方に位置する領域(以下、最下方領域という)よりも上方に設けられている。好ましくは、該排出口15は、前記切り欠き22の回転軌跡22aに対応した領域のうち最も上方に位置する領域(以下、最上方領域という)に形成される。
【0019】
より好ましくは、前記収容部10の基準底面11に、前記切り欠き22の回転軌跡22aに対応した領域のうち、前記ロータ20の回転方向(図5における矢印方向)を基準として前記最下方領域と前記排出口15との間に、前記ロータへ向かって突出した凸部18を設けることができる。該凸部18は、例えば、0.3〜1.3mmの高さを有するものとされる。
好ましくは、前記凸部18は、前記切り欠き22の回転軌跡22aに対応した領域のうち、ロータの回転軸線Xよりも上方に位置した領域に形成される。
【0020】
斯かる凸部18を設けることにより、意に反して、前記切り欠き22内に複数の半錠が保持された場合に、不要な半錠が排出口15から排出されることを有効に防止できる。
即ち、半錠の姿勢によっては前記切り欠き22内に2錠以上が同時に保持される恐れがある。例えば、薬剤同士間の摩擦等によって、切り欠き内に入り込んだ一の半錠の上に他の半錠が載った状態で、2個以上の錠剤が搬送される場合である。このような場合、前記排出口15から一の半錠と他の半錠との2錠が同時に排出されることになる。
【0021】
これに対し、前記凸部18を設けておくと、切り欠き22内に入り込んだ一の薬剤が、前記凸部18を通過する際に上方へ持ち上げられ、その結果、該一の薬剤の上に載った他の薬剤はディスク部20の傾斜に沿って下方へ滑り落ちる。
このように、前記凸部18を設けておくことによって、複数個の半錠が前記排出口15から排出されることを有効に防止できる。
【0022】
なお、本実施の形態においては、前記基準底面11を傾斜させた場合を例に説明したが、本発明は斯かる形態に限定されるものではなく、基準底面が水平とされる場合等の種々の形態を包含する。
又、本実施の形態においては、前記基準底面11を薬剤収容部10に一体的に形成した場合を例に説明したが、本発明は斯かる形態に限定されるものではない。即ち、前記基準底面11を形成する部材を薬剤収容部の本体とは別体とし、該部材を薬剤収容部の本体に装着させることも可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る薬剤カセッタによれば、ロータの切り欠きを、半錠の平面視半円形状と側面視矩形状とを組み合わせた形状としたので、半錠の切り欠き内への落とし込みを効率良く行いつつ、該切り欠きに複数の半錠が保持されることを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る薬剤カセッタの部分縦断側面図であり、ベース部材を介して支持架台に取り付けられている状態を示している。
【図2】図2は、図1におけるII矢視図である。
【図3】図3は、図2におけるIII-III線断面図である。
【図4】図4は、図1に示す薬剤カセッタのロータに形成された切り欠きの拡大平面図である。
【図5】図5は、図1におけるII矢視図であり、ロータを取り外した状態を示している。
【図6】図6は、図5におけるVI-VI線断面図である。
【図7】図7(a)及び(b)は、半錠の平面図及び正面図である。
【符号の説明】
1 薬剤カセッタ
10 薬剤収容部
11 基準底面
12 側面
15 薬剤排出口
18 凸部
20 ロータ
21 ディスク部
22 切り欠き
Claims (2)
- 平面視において半円形状を有し且つ側面視において矩形状を有する半錠を所定量毎に排出し得るように構成された薬剤カセッタであって、
基準底面と、該基準底面との共働下に薬剤収容空間を形成する側面とを有する収容部と、
回転軸線が前記収容部の基準底面と直交するように、該基準底面に対して回転可能とされたロータとを備え、
前記ロータは、収容される薬剤が挿通可能な大きさの切り欠きを有し、
前記収容部の基準底面には、前記ロータに設けられた前記切り欠きの回転軌跡に対応した領域に、排出口が設けられており、
前記ロータの切り欠きは、前記半錠の半円形状と矩形状とを組み合わせた形状を有していることを特徴とする薬剤カセッタ。 - 前記基準底面は傾斜され、且つ、前記排出口は前記ロータにおける前記切り欠きの回転軌跡に対応した領域のうち最も下方に位置する最下方領域よりも上方に設けられており、
さらに、該基準底面には、前記ロータの回転方向を基準として、前記最下方領域と前記排出口との間に、前記ロータへ向かって突出した凸部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薬剤カセッタ。
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