JP4201972B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動モータを駆動源として車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動モータが発生する駆動力を車両のステアリング機構に伝達し、これによりステアリング操作の補助を行う電動パワーステアリング装置が知られている。たとえば、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクがトルクセンサによって検出され、その検出された操舵トルクに応じた目標電流値が設定される。この目標電流値に基づいて、電動モータがPI(比例積分)制御によってフィードバック制御される。これにより、ステアリング機構には、操舵トルクに応じた適切な補助力が与えられるので、運転者は適度な操舵反力を感じながら、ステアリング操作を快適に行える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電動モータに電力を供給しているバッテリの電圧変動が生じると、PI制御ループの応答遅れのために、操舵補助力が一時的に大きく変動することになり、運転者はステアリングホイールを通じて操舵違和感を感じることになる。そこで、この発明の目的は、電源電圧の変動に伴う操舵違和感を改善または解消することができる電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、電源(5)からの給電を受ける電動モータ(M)を駆動源としてステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、運転者のステアリング操作に応じて駆動目標値を定め、この駆動目標値に基づいて、上記電源から電動モータへの給電を制御するための駆動制御信号を発生するモータ駆動制御手段(1,11,23,16,17,18)と、上記電源の電圧変化分を検出する電圧変化分検出手段(12,13)と、この電圧変化分検出手段によって検出された電圧変化分に相当する値を上記駆動目標値および上記駆動制御信号の少なくとも一方に加算する電源電圧変動補償手段(14,15,21,22)とを含み、上記電圧変化分検出手段は、上記電源の電圧自体を検出する電源電圧検出手段(12)と、この電源電圧検出手段の検出結果の微分値を上記電圧変化分として検出する微分手段(13)とを含むものであることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。たとえば、微分手段の出力を適宜増幅して、駆動目標値および/または駆動制御信号に加算するようにすればよい。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0005】
上記の構成によれば、電源電圧自体の検出結果の微分値が電圧変化分として検出され、この電圧変化分に相当する値が駆動目標値および/または駆動制御信号に加算されるから、電圧変化分を速やかに補償できる。すなわち、たとえば、電源電圧が低下したときに、それに応じて電動モータに流れる電流が減少して操舵トルクが大きくなり、それを補償するために駆動目標値を増加させるという過程を経ることなく、駆動目標値を一時的に増加させることができる。また、たとえば、PI(比例積分)制御により電動モータをフィードバック制御している場合に、PI制御ループによる応答を待つことなく、駆動制御信号に対して電圧変動分相当値が加算され、電源電圧変動を補償するように駆動制御信号が一時的に変化する。
【0006】
このようにして、電源電圧に変動が生じると、電圧変動分相当値を駆動目標値および/または駆動制御信号に加算することによって、電源電圧変動直後における補償が即座に行われる。その後は、駆動制御信号が変動後の電源電圧に追従していくことになる。
こうして、この発明によれば、電源電圧の変動を即座に補償することができるので、電源電圧変動に伴う操舵違和感を改善または解消することができる。
【0007】
なお、モータ駆動制御手段は、たとえば、運転者のステアリング操作に応じて駆動目標値(目標電流値または目標電圧値)を定める目標値設定手段(11)と、この目標値設定手段によって設定された目標値を達成するための駆動制御信号を発生して電動モータをフィードバック制御する駆動制御信号発生手段(16,17,18,23)とを含むものであってもよい。この場合に、駆動制御信号発生手段は、電動モータをPI(比例積分)制御するものであってもよい。また、駆動制御信号発生手段は、電動モータに駆動電流を供給するドライバ回路(3)に与えるPWM(パルス幅変調)制御信号のデューティを定めるデューティ設定手段(17)を含むものであってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、車両に搭載されて用いられるものであって、電動モータMが発生する駆動力を車両のステアリング機構に伝達することによって、ステアリング操作の補助を行う装置である。
【0010】
電動モータMは、電子制御ユニット(ECU)1によって制御されるドライバ回路3から駆動電流を与えられて作動する。ドライバ回路3は、車両に搭載されたバッテリ5に接続されており、このバッテリ5からの電力を電動モータMに供給する。電子制御ユニット1には、車速センサ6、トルクセンサ7および電流検出回路8が接続されている。
トルクセンサ7は、運転者によって操作される操作部材としてのステアリングホイールに加えられた操舵トルクを検出し、その操舵トルクの方向および大きさを表すトルク信号を電子制御ユニット1に入力する。たとえば、ステアリングホイールとステアリング機構とを連結するステアリング軸が入力軸と出力軸とに分割されていて、これらの入力軸と出力軸との間がトーションバーによって連結されている構成を採用すれば、トーションバーの捻れの方向および大きさを検出することによって、操舵トルクを検出できる。
【0011】
電流検出回路8は、電動モータMまたはドライバ回路3に関連して設けられ、電動モータMに実際に流れているモータ電流を検出し、その大きさに対応した信号を電子制御ユニット1に入力する。
電子制御ユニット1は、トルクセンサ7からのトルク信号および車速センサ6からの車速信号に基づいて、電動モータMに供給すべき電流の目標値である目標電流値を設定する目標電流設定部11を備えている。この目標電流設定部11は、たとえば、微小なトルク範囲を不感帯とするとともに、一定のトルク範囲において零から所定の上限値までリニアに変化する目標電流値を出力する。上記一定のトルク範囲の上限値を超える操舵トルクに対しては、操舵トルクによらずに上限の目標電流値が出力される。このように目標電流値を設定することによって、操舵トルクが大きいほど大きな操舵補助力が電動モータMから発生されることになる。目標電流値の上限を定めているから、操舵補助力が過大になることはない。
【0012】
操舵トルクに対する目標電流値のリニアな変動の傾きや目標電流値の上限値は、車速に応じて変更されるようになっていて、いわゆる車速感応制御が行われるようになっている。すなわち、低速走行時(車速が零の場合を含む)には、大きな目標電流値が設定されて大きな操舵補助力が電動モータMから発生される。これに対して、高速走行時には、小さな目標電流値が設定され、操舵補助力は比較的小さくなる。これにより、いずれの車速範囲でも適度な操舵反力を残しつつ、良好な操舵補助を行える。
【0013】
電子制御ユニット1には、さらに、バッテリ5の電圧(バッテリ電圧)VB自体を検出するバッテリ電圧検出回路12と、このバッテリ電圧検出回路12によって検出されたバッテリ電圧VBの時間微分信号VB′を求める微分回路13と、この微分回路13が出力する時間微分信号VB′を増幅率−K1,−K2(K1,K2は正の値)でそれぞれ増幅(反転増幅)する増幅回路14,15とを備えている。さらに、電子制御ユニット1は、目標電流設定部11によって設定された目標電流値に増幅回路14の出力を加算する第1加算部21と、この第1加算部21の出力から電流検出回路8の出力を減算する減算部23と、この減算部23の出力に基づいてPI(比例積分)制御演算を行うPI制御部16と、このPI制御部16の出力に基づいて、ドライバ回路3をパルス幅制御する際のPWMデューティを設定するデューティ設定部17と、このデューティ設定部17の出力に増幅回路15の出力を加算する第2加算部22と、この第2加算部22から与えられるデューティ比でドライバ回路3をPWM制御するPWM制御部18とを備えている。
【0014】
電動モータMをフィードバックするPI制御ループは、PI制御部16、デューティ設定部17、PWM制御部18、ドライバ回路3、電動モータM、電流検出回路8および減算部23によって形成されている。PI制御部16には、減算部23から、目標電流値に対する実際のモータ電流の偏差が入力されるから、これにより、電動モータMのモータ電流が目標値へと導かれる。
バッテリ5の発生電圧であるバッテリ電圧VBが安定している限りにおいて、微分回路13の出力は零に保持される。したがって、目標電流設定部11によって設定された目標電流とモータ電流との偏差に応じて、電動モータMがフィードバック制御される。
【0015】
バッテリ電圧VBに変動(増加または減少)が生じると、その変動の直後の期間において、その変動に応じた有意な時間微分信号VB′が微分回路13から出力される。この有意な時間微分信号VB′が増幅回路14によって反転増幅されて加算部21に与えられる。したがって、バッテリ電圧VBに変動が生じた直後の期間に限り、目標電流設定部11によって設定された目標電流値に時間微分信号VB′に相当する値(バッテリ電圧VBの変動を補償する値)が加算され、この加算後の目標電流値に対するモータ電流値の偏差に応じて、電動モータMが制御される。さらに、バッテリ電圧VBに変動が生じた直後の期間に限り、デューティ設定部17によって設定されたデューティに対して、時間微分信号VB′に相当する値(バッテリ電圧VBの変動を補償する値)がフィードフォワードされて加算され、この加算後のデューティで電動モータMが駆動されることになる。
【0016】
このような処理によって、バッテリ電圧VBに変動が生じたときに、その変動分に対する補償が速やかになされる。これにより、PI制御ループの応答遅れ等に起因して操舵補助力が急変したりすることがなく、運転者に操舵違和感を与えることがない。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、上述の実施形態では、バッテリ電圧VBの変動分に相当する値を目標電流値およびデューティにそれぞれ加算することとしているが、目標電流値またはデューティのいずれかに対する加算のみによっても、操舵違和感の改善に関して一定の効果を得ることができる。
【0017】
なお、微分回路13、増幅回路14,15などの機能は、ハードウエアにより実現されてもよいが、コンピュータが実行するソフトウエア処理によって達成されてもよい。目標電流設定部11,加算部21,22、減算部23、PI制御部16およびデューティ設定部17についても同様である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 電子制御ユニット
3 ドライバ回路
5 バッテリ
8 電流検出回路
11 目標電流設定部
12 バッテリ電圧検出回路
13 微分回路
14 増幅回路
15 増幅回路
16 PI制御部
17 デューティ設定部
18 PWM制御部
21 加算部
22 加算部
23 減算部
M 電動モータ
VB バッテリ電圧
VB′ 時間微分信号
Claims (1)
- 電源からの給電を受ける電動モータを駆動源としてステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
運転者のステアリング操作に応じて駆動目標値を定め、この駆動目標値に基づいて、上記電源から電動モータへの給電を制御するための駆動制御信号を発生するモータ駆動制御手段と、
上記電源の電圧変化分を検出する電圧変化分検出手段と、
この電圧変化分検出手段によって検出された電圧変化分に相当する値を上記駆動目標値および上記駆動制御信号の少なくとも一方に加算する電源電圧変動補償手段とを含み、
上記電圧変化分検出手段は、上記電源の電圧自体を検出する電源電圧検出手段と、
この電源電圧検出手段の検出結果の微分値を上記電圧変化分として検出する微分手段とを含むものであることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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