JP4201925B2 - 樹脂封止型電子・電気部品及びその製造方法 - Google Patents

樹脂封止型電子・電気部品及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートサイクル耐久性、高温負荷耐久性及び難燃性を有する塗膜で封止された電子・電気部品及びその製造方法、さらに詳しくいえば、ハロゲン系難燃剤やアンチモン系難燃剤のような環境汚染の原因となる有害物質を含まない樹脂塗膜で封止されたヒートサイクル耐久性、高温負荷耐久性及び難燃性を有する樹脂封止型電子・電気部品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セラミックコンデンサ、抵抗ネットワーク、複合集積回路、インダクタコイルなどの電子・電気部品は、通常、耐湿性、耐熱性、耐薬品性などを付与するために、熱硬化性樹脂からなる絶縁性封止剤により被覆されている。
ところで、この封止剤については、半導体素子との接着性、難燃性、耐湿電気信頼性、耐腐食性などが優れたものであることが要求され、流動浸漬法や静電流動浸漬法などにより容易に所定の膜厚に形成されることから、主としてエポキシ樹脂をベースとする粉体塗料が多く用いられている。
そして、このようなエポキシ樹脂をベースとした粉体塗料としては、これまでエポキシ樹脂、ポリカルボン酸無水物系硬化剤、トリフェニルホスフィン及び無機充填剤からなるものが知られている(特開昭61−89271号公報)。
【0003】
他方、絶縁性封止剤については、電子・電気部品使用時の火災の発生を防ぐために、難燃性を有することが要求されており、そのためハロゲン系又はアンチモン系難燃剤を配合して難燃化することが一般に行われている。
しかしながら、最近ハロゲン系難燃剤はオゾン層破壊の原因となることや、燃焼時に有害ガスを発生して環境汚染の原因となることでその使用が制限される方向にあるし、またアンチモン系難燃剤も排水環境基準の要監視物質に指定され、使用量を減らすことが要望されているため、これらの難燃剤に代わるべきものが求められている。
【0004】
ノンハロゲン、ノンアンチモンのエポキシ樹脂系電子・電気部品封止剤としては、これまでエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填剤及び難燃剤を含むエポキシ樹脂組成物において、難燃剤としてポリリン酸メラミンのようなリン化合物を用いたものや、フェノール樹脂とシラン化合物又はシラン化合物で被覆した赤リンとを併用したもの(特開平10−182940号公報)や1分子中に2個以上のエポキシ基をもつエポキシ樹脂、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基をもつ化合物、環状ホスファゼン化合物及び無機充填剤を必須成分とする組成物(特開平10−259292号公報)などが提案されている。
しかしながら、これらの電子・電気部品封止剤は、難燃性の点では、これまでのハロゲン系又はアンチモン系難燃剤に近い性能を示すとしても、ヒートサイクル耐久性及び高温負荷耐久性が不十分であり、それを用いて得られる電子・電気部品は必ずしも満足しうる性能を備えたものということはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のノンハロゲン又はノンアンチモンの難燃剤を含む封止剤を用いた電子・電気部品のもつ欠点を克服し、ハロゲン系又はアンチモン系難燃剤を用いた場合に匹敵する性能、すなわち難燃性とともにヒートサイクル耐久性及び高温負荷耐久性を備えたノンハロゲン又はノンアンチモンの樹脂封止型電子・電気部品を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ノンハロゲン系又はノンアンチモン系封止剤を用いた樹脂封止型電子・電気部品を開発するために鋭意研究を重ねた結果、電子・電気部品を単一の封止剤層で被覆せずに、電子・電気部品表面を、先ずヒートサイクル耐久性及び高温負荷耐久性を有する下引き層で被覆し、その上をさらに難燃性を有する層で被覆することにより、難燃性とともにヒートサイクル耐久性及び高温負荷耐久性を備えた樹脂封止型電子・電気部品が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、非難燃性エポキシ樹脂系粉体塗料を熱硬化させて形成したヒートサイクル耐久性及び高温負荷耐久性を有する下引き層(A)を介して、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム、カルシウムアルミネート水和物、リン系難燃剤及び窒素系難燃剤の中から選ばれた少なくとも1種の難燃剤を含むエポキシ樹脂系粉体塗料を熱硬化させて形成した難燃性被覆層(B)で封止されていることを特徴とする樹脂封止型電子・電気部品、及び電子・電気部品表面に、非難燃性エポキシ樹脂系粉体塗料を少なくとも100μmの厚さになるまで塗装し、次いでその上に水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム、カルシウムアルミネート水和物、リン系難燃剤及び窒素系難燃剤の中から選ばれた少なくとも1種の難燃剤を含むエポキシ樹脂系粉体塗料を少なくとも100μmの厚さになるまで塗装したのち、これらの塗膜を熱硬化させることにより、ヒートサイクル耐久性及び高温負荷耐久性を有する下引き層(A)と難燃性被覆層(B)とからなる全膜厚300〜1000μmの電気絶縁塗膜で封止することを特徴とする樹脂封止型電子・電気部品の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、下引き層(A)を形成するエポキシ樹脂系粉体塗料は、実質上難燃剤を含まない非難燃性のもので、(イ)固体状エポキシ樹脂と(ロ)ポリカルボン酸無水物系硬化剤とを含有している。(イ)成分の固体状エポキシ樹脂は室温すなわち25℃において固体状のエポキシ樹脂で、1分子中にエポキシ基2個以上をもつものであればよく、特に制限はない。
ここで、実質上難燃剤を含まない非難燃性とは、試料を熱硬化させたテストピース(127mm×12.7mm×1mm)について、難燃性試験法UL−94に従って試験を行った場合、規格V−0に合格しないものを意味する。
好ましいエポキシ樹脂は、融点50〜150℃のものである。融点が50℃未満のものを用いると、粉体塗料が固結しやすくなるし、また融点が150℃よりも高くなると粉体塗料の溶融時の粘度が高くなるため、平滑な塗膜が得られない。
【0009】
このようなエポキシ樹脂としては、例えば融点50〜150℃をもつ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂がある。
さらに、具体的な例を挙げると、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラックグリシジルエーテル、オルソクレゾールノボラックグリシジルエーテルなどの多官能エポキシ系樹脂、ビスフェノールFのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールADのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリセリンのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ポリアルキレンオキサイドのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、イソフタル酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ポリブタジエンを過酢酸でエポキシ化したエポキシ樹脂などが挙げられる。これらのものは単独又は混合物の形で用いられる。また、常温で液状を示すものであっても、これを添加したエポキシ樹脂組成物の融点が50〜150℃の範囲にある限り、任意に用いることができる。
【0010】
次に、(ロ)成分として用いるポリカルボン酸無水物系硬化剤には、粉体塗料の硬化剤として慣用されているポリカルボン酸無水物、例えば式
【化1】
Figure 0004201925
で表わされるエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、式
【化2】
Figure 0004201925
で表わされるメチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、式
【化3】
Figure 0004201925
で表わされるピロメリット酸無水物、式
【化4】
Figure 0004201925
で表わされるベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などがある。
【0011】
これらの酸無水物は多官能性であるため、エポキシ樹脂との反応において、無水テトラヒドロフタル酸、無水テトラクロロフタル酸など一般の低官能性の酸無水物に比べ、密な架橋を生じることができ、耐湿性に良好な傾向をもたらす。
これらのポリカルボン酸無水物は、その90重量%以上が200μm以下、好ましくは95重量%以上が150μm以下の粒径をもつ粉体として用いられる。
これらのポリカルボン酸無水物は、(イ)成分の固体状エポキシ樹脂のエポキシ基1当量当り、0.4〜1.0当量、好ましくは0.45〜0.9当量の割合で用いられる。この割合より少ないと高温負荷下の耐久性が低下するし、この割合よりも多くなるとヒートサイクル耐久性が低下する。
これらの成分を含む粉体塗料を熱硬化させて得られる本発明における下引き層(A)は、ヒートサイクル耐久性及び高温負荷耐久性が優れ、しかも電子・電気部品に対する密着性が優れている。
【0012】
次に、難燃性被覆層(B)を形成する粉体塗料に用いるエポキシ樹脂(ハ)としては、前記の(イ)成分の例として挙げたものの中から任意に選ぶことができる。
また、この(ハ)成分は、通常のごとくエポキシ樹脂用硬化剤(ニ)と組み合わせて用いられるが、この(ニ)成分は、常温すなわち25℃で固体のエポキシ樹脂用硬化剤であればよく、特に制限はない。このような硬化剤としては、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)などの芳香族酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、アルケニル無水コハク酸などの環状脂肪族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物などの脂肪族酸無水物のような各種酸無水物、フェノール、クレゾール、レゾルシノールのようなフェノール類とアルデヒド類との反応生成物であるノボラック型フェノール樹脂、上記のフェノール類とアラルキルエーテル類との反応生成物であるアラルキル型フェノール樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、トリヒドロキシフェニルメタン、テトラヒドロキシフェニルエタン、テトラキスフェノールのような多価フェノール類、ジシアンジアミド、イミダゾール誘導体、ジヒドラジドなどが挙げられる。
【0013】
本発明において難燃性被覆層(B)を形成するための粉体塗料には、難燃剤として水酸化アルミニウム(ホ)、酸化アルミニウム水和物(ヘ)、水酸化マグネシウム(ト)、カルシウムアルミネート水和物(チ)、リン系難燃剤(リ)及び窒素系難燃剤(ヌ)の中から選ばれた少なくとも1種を用いることが必要である。
これらの難燃剤は、平均粒径0.5〜60μm、好ましくは1.0〜30μmの粉末として用いるのが好ましい。
【0014】
また、リン系難燃剤(リ)としては、例えば、赤リン、リン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリエチルホスフェート(TEP)、トリス(β‐クロロエチル)ホスフェート(TCEP)、トリスクロロエチルホスフェート(CLP)、トリスジクロロプロピルホスフェート(CRP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、キシレニルジフェニルホスフェート(XDP)、酸性リン酸エステル、含窒素リン化合物などを挙げることができる。
酸化アルミニウム水和物(ヘ)の代表的なものは、三水化αアルミナである。
また、窒素系難燃剤(ヌ)としては、例えばメラミンシアヌレート、メラミンホスフェートなどを挙げることができる。
これらの難燃剤(ホ)〜(ヌ)は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0015】
難燃剤(ホ)〜(チ)に属する難燃剤(Mタイプ難燃剤とよぶ)だけを、単独で又は2種以上を組み合わせて用いる場合には、難燃性被覆層(B)の30重量%以上の割合で、好ましくは40〜65重量%の割合で用いるのがよい。
リン系難燃剤(リ)を単独であるいは窒素系難燃剤(ヌ)を単独で用いる場合には、難燃性被覆層(B)に対してリン原子含有量あるいは窒素原子含有量が10重量%以上の割合になるように用いるのがよい。
Mタイプ難燃剤とリン系難燃剤(リ)とを用いる場合、Mタイプ難燃剤と窒素系難燃剤(ヌ)とを用いる場合、あるいはMタイプ難燃剤とリン系難燃剤(リ)と窒素系難燃剤(ヌ)とを組み合わせて用いる場合には、難燃性被覆層(B)に対してMタイプ難燃剤が30重量%以上の割合になり、リン原子含有量、窒素原子含有量あるいはリン原子及び窒素原子の総含有量が2重量%以上の割合になるように用いるのがよい。
リン系難燃剤(リ)と窒素系難燃剤(ヌ)とを用いる場合には、難燃性被覆層(B)に対してリン原子及び窒素原子の総含有量が10重量%以上の割合になるように用いるのがよい。
この難燃性被覆層(B)には、その他の無機系難燃剤、例えば酸化スズ、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウムなどを含ませることができる。
【0016】
本発明の下引き層(A)又は難燃性被覆層(B)を形成するエポキシ樹脂系粉体塗料には、前記した成分に加えて、所望に応じさらに電子・電気部品用封止剤に慣用されている結晶性シリカ、溶融シリカ、炭酸カルシウム等の無機充填剤、表面平滑剤、ヒートサイクル耐久性向上剤、カップリング剤、難燃助剤、触媒、着色剤、レーザ発色剤などを添加することができる。
【0017】
本発明において、下引き層(A)及び難燃性被覆層(B)を形成するのに用いるエポキシ樹脂系粉体塗料は、例えばエポキシ樹脂と無機充填剤をニーダなどによる溶融混合処理を施すか、エクストルーダなどによる溶融混合処理を施した後、混合物を冷却固化し、粗粉砕し、この粗粉砕物に硬化剤、硬化促進剤及び補助成分を乾式混合し、この混合物に溶融混合処理を施した後、混合物を冷却固化し、微粉砕後、分級し、平均粒径20〜200μmに調製することにより得られる。
【0018】
図1は、本発明の樹脂封止型電子・電気部品の1例の部分切り欠き平面図である。すなわち、本発明の樹脂封止したセラミックコンデンサについて、一部外装の樹脂層を切り欠いたものの平面図である。
図2は、図1の例におけるY−Y断面図である。
これらの図において、円板形セラミック素体(誘電体素子)1の両側面に電極2,2′が固着され、これをはんだ3,3′を介してリード線4,4′で引き出し、それらの全表面(リード線の一部は除く)に下引き層5及び難燃性被覆層6が形成されている。
この下引き層5及び難燃性被覆層6の形成は流動浸漬法によるのが有利であるが、その他の塗装法、例えば静電流動槽法、静電スプレイ法なども用いることもできる。塗装に際しては、被塗装体である電子・電気部品を通常120〜170℃に予熱しておき、所望の厚さの塗膜が得られるまで繰り返し塗装する。
その後、加熱処理することにより塗膜を十分熱硬化させる。その加熱処理は、通常120〜170℃で1〜2時間加熱することにより行う。
本発明方法において、電子・電気部品表面に、下引き層5及び難燃性被覆層6を形成させる場合、それぞれの層は少なくとも100μmの厚さになるように粉体塗料で塗装する。その塗膜の厚さが薄すぎると、良好な状態の塗膜ができにくく、熱硬化させた場合にピンホールが生じやすく、不都合である。
また、下引き層5及び難燃性被覆層6の全膜厚は、300〜1000μmとする。全膜厚が薄すぎると、熱硬化させた場合に、良好なヒートサイクル耐久性、高温負荷耐久性及び難燃性を備えた電気絶縁塗膜ができにくく、不都合である。全膜厚が厚すぎると、厚さに見合った特性の向上が見られない上、嵩高になり、電子・電気部品としては実用上不都合である。
【0019】
本発明は、耐湿性、耐熱性、耐薬品性、接着強度、ヒートサイクル耐久性又はコンデンサー類の保安性試験に供した場合においても破壊しない塗膜物性の要求される電子・電気部品(ハイブリッドIC、コンデンサー類、バリスタ、サーミスタなど)に最も適するものであるが、その他の電子・電気部品にも使用することも可能である。
【0020】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
なお、各例における物性の評価は以下のようにして行った。
【0021】
(1)ヒートサイクル耐久性
定格電圧2kV、静電容量470pFのセラミックコンデンサ素子を150℃に予熱し、この素子の上に粉体試料を流動浸漬して膜厚0.7mmに塗装し、150℃で60分熱硬化させてテストピースを作成する。
次に、このテストピースをヒートサイクル試験機にかけ、−40℃に30分間保持したのち、125℃で30分間保持するという処理を1サイクルとしたヒートサイクル試験を繰り返し行い、塗膜にクラックを生じるまでのサイクル数を求めた。この試験では各水準の試料についてテストピース20個を作成し、そのすべてについて300サイクル以上の場合を○、それ以外を×と評価した。
(2)高温負荷耐久性
(1)と同様にしてテストピースを作成する。
このテストピースについて、125℃に保った恒温槽中で、定格電圧の1.5倍の電圧3kVを印加し、ショートするまでの時間を測定した。この試験では、各水準の試料についてテストピース20個を作成し、そのすべてについて500時間以上の場合を○、それ以外を×と評価した。
(3)難燃性
(i)UL−94
粉体試料を熱硬化させたテストピース(127mm×12.7mm×1mm)について、難燃性試験法UL−94に従って試験を行い、規格V−0に合格したものを○、合格しなかったものを×と評価した。
(ii)UL−1414
(1)と同様にして作成したテストピースについて、難燃性試験法UL−1414に従って試験を行い、難燃性規格に合格したものを○、合格しなかったものを×と評価した。
【0022】
参考例1〜17
表1及び表2に示す組成をもつ粉体塗料を調製し、これを用いてテストピースを作成し、それぞれについて物性を評価した。その結果を表1及び表2に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0004201925
【0024】
【表2】
Figure 0004201925
【0025】
なお、表に記載されている成分の内容は以下のとおりである。
エポキシ樹脂(1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量475,25℃で固体,商品名エピコート1001,油化シェルエポキシ(株)製
エポキシ樹脂(2):ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量650,25℃で固体,商品名エピコート1002,油化シェルエポキシ(株)製
エポキシ樹脂(3):ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量925,25℃で固体,商品名エピコート1004,油化シェルエポキシ(株)製
エポキシ樹脂(4):ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量1950,25℃で固体,商品名エピコート1007,油化シェルエポキシ(株)製
エポキシ樹脂(5):オルトクレゾールノボラックエポキシ樹脂,エポキシ当量213,25℃で固体,商品名EOCN102S,日本化薬(株)製
充てん剤(1) :溶融シリカ,平均粒径15μm,商品名ヒューズレックスRD−8,龍森(株)製
充てん剤(2) :結晶性シリカ,平均粒径5μm,商品名クリスタライトCMC−6,龍森(株)製
硬化剤(1) :ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物,商品名BTDA,アルコケミカル社製
硬化剤(2) :エチレングリコールビストリメリテート,商品名リカシッドTMEG−500,新日本理化(株)製
硬化剤(3) :メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物,商品名エピクロンB−4400,大日本インキ化学工業(株)製
硬化剤(4) :2,4‐ジアミノ‐6‐(2′‐メチルイミダゾリル‐1′)‐エチル‐S‐トリアジン,平均粒径20μm,2MZ−A,四国化成(株)製
硬化剤(5) :ビスフェノールA・エピクロルヒドリン重縮合物,エポキシ樹脂硬化剤,商品名エピキュアEK−170,油化シェルエポキシ(株)製
硬化促進剤(1) :ジシアンジアミド,商品名DICY,日本カーバイド工業(株)製
硬化促進剤(2) :フェノールノボラック樹脂の1,8‐ジアザビシクロ‐(5,4,0)ウンデセン‐7塩,商品名U−CAT SA831,サンアプロ社製
水酸化アルミニウム:平均粒径17μm,商品名ハイジライドH31,昭和電工(株)製
酸化アルミニウム水和物:三水化αアルミナ
水酸化マグネシウム:結晶粒子径0.6〜0.8μm,商品名キスマ5A,協和化学工業(株)製
カルシウムアルミネート水和物:商品名NCA103,日本軽金属(株)製
リン系難燃剤(1):フェノール表面処理赤リン,平均粒径25μm,商品名ノバレット120,燐化学工業(株)製
リン系難燃剤(2):メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム,商品名テラージュC60,チッソ(株)製
窒素系難燃剤 :メラミンシアヌレート,平均粒径10〜30μm,商品名MC440,日産化学工業(株)製
ブロム系難燃剤 :デカブロムジフェニルエーテル,商品名FR−PE,日宝化学(株)製
アンチモン系難燃剤:三酸化アンチモン
レベリング剤 :アクリル酸エステルオリゴマー,商品名ニカライトXK−21,日本カーバイド工業(株)製
シランカップリング剤:3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,25℃で液体,商品名S510,チッソ(株)製
ヒートサイクル耐久性向上剤:コア/シェル=(BA/ST)/MMAゴム,商品名パラロイドEXL2655,呉羽化学工業(株)製
【0026】
実施例1〜11、比較例1〜3、対照例
参考例1〜17で得た粉末塗料をセラミックスコンデンサに表3及び表4に示す膜厚で複層塗装し、その物性を評価した。その結果を表3及び表4に示す。なお、下引き層及び難燃性被覆層の欄に示す円内数字は参考例の番号であり、かっこ内の数字は膜厚(mm)である。
【0027】
【表3】
Figure 0004201925
【0028】
【表4】
Figure 0004201925

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子・電気部品の1例であるセラミックコンデンサの平面図。
【図2】 図1の例におけるY−Y断面図。
【符号の説明】
1 円板形セラミック素体
2,2′電極
3,3′はんだ
4,4′リード線
5 下引き層
6 難燃性被覆層

Claims (4)

  1. 非難燃性エポキシ樹脂系粉体塗料を熱硬化させて形成したヒートサイクル耐久性及び高温負荷耐久性を有する下引き層(A)を介して、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム、カルシウムアルミネート水和物、リン系難燃剤及び窒素系難燃剤の中から選ばれた少なくとも1種の難燃剤を含むエポキシ樹脂系粉体塗料を熱硬化させて形成した難燃性被覆層(B)で封止されていることを特徴とする樹脂封止型電子・電気部品。
  2. 下引き層(A)が固体状エポキシ樹脂とポリカルボン酸無水物系硬化剤とを含む粉体塗料を熱硬化させて形成したものである請求項1記載の樹脂封止型電子・電気部品。
  3. 難燃性被覆層(B)が固体状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂用硬化剤と水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム、カルシウムアルミネート水和物、リン系難燃剤及び窒素系難燃剤の中から選ばれた少なくとも1種の難燃剤とを含むエポキシ樹脂系粉体塗料を熱硬化させて形成したものである請求項1又は2記載の樹脂封止型電子・電気部品。
  4. 電子・電気部品表面に、非難燃性エポキシ樹脂系粉体塗料を少なくとも100μmの厚さになるまで塗装し、次いでその上に水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム、カルシウムアルミネート水和物、リン系難燃剤及び窒素系難燃剤の中から選ばれた少なくとも1種の難燃剤を含むエポキシ樹脂系粉体塗料を少なくとも100μmの厚さになるまで塗装したのち、これらの塗膜を熱硬化させることにより、ヒートサイクル耐久性及び高温負荷耐久性を有する下引き層(A)と難燃性被覆層(B)とからなる全膜厚300〜1000μmの電気絶縁塗膜で封止することを特徴とする樹脂封止型電子・電気部品の製造方法。
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